説明

測位装置

複数の固定発信器が放射した電波を受信するセンサ5と、センサ5が受信した電波に基づいて、その電波の前記センサへの到来方向を算出する測角器13と、複数の固定発信器の位置を記憶する発信器位置記憶器14と、発信器位置記憶器14が記憶する固定発信器の位置と電波の到来方向とに基づいて自位置を算出する測位器15と、を備えた測位装置において、測角器13は、電波の一次元到来方向を算出し、測位器15は、センサ5の位置と姿勢との座標成分のうち未知なる成分の数と同数の固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、電波を用いて位置を測定する装置に係るものであり、特に固定発信器が放射する電波に基づいて位置を測定する技術に関する。
【背景技術】
従来、電波を検出して、移動体や所定の場所(以後、「自位置」と称する)などの位置を測定するシステムとしては、GPS(Global Positioning System)が知られている。これは、人工衛星に搭載した電波の発信機からの電波の伝播時間を計測するものである。
このような電波の伝播時間を用いて位置を測定する方法においては、時間の計測精度が直接的に位置の測定精度に影響する。したがって、高精度な位置の測定を実現するためには、例えばセシウム原子時計など、極めて高精度な時計を電波の発信機に搭載する必要がある。しかし、このような時計は高価であるから、例えば、GPS信号の届かない室内において、この方法による位置測定システムを構築しようとする場合、高価な発信機を室内に設ける必要が生じる。通常、室内には、壁面や支柱など、電波の遮蔽物が存在するので、遮蔽物によらずに位置を測定しようとすると、高価な発信機を何台も設けることになり、その設備投資は莫大なものとなる。
また、この他の方法として、特公昭51−41477や特開2001−264405には、複数の固定発信機から到来する電波の到来方向(角度)を測定し、この角度と各固定発信機の位置に基づいて自位置を算出する方法が紹介されている。
これらの文献による測位方法では、仰角と方位角など2以上の角度を算出する2次元の測角センサを、測位を行う対象である測位装置に搭載する必要があり、その結果システム構成が複雑になるという問題があった。
また、同時に多数の固定発信機からの電波を検出しなければならず、室内など遮蔽物の多い環境で用いることが困難な場合もあった。
この発明は、高精度の時計を発信機に搭載する必要がなく、かつ、ごく少数の発信器が放射する電波を検出できれば、所定の対象の位置の測定を行うことができる方法を提供することを目的とするものである。
【発明の開示】
この発明に係る測位装置は、
複数の固定発信器が放射した電波を検知するセンサと、
前記センサが検知した電波に基づいて、その電波の前記センサへの到来方向を算出する測角器と、
前記複数の固定発信器の位置を記憶する発信器位置記憶器と、
前記発信器位置記憶器が記憶する前記固定発信器の位置と前記電波の到来方向とに基づいて自位置を算出する測位器と、を備えた測位装置において、
前記測角器は、前記電波の一次元到来方向を算出し、
前記測位器は、前記センサの位置及び姿勢の座標成分のうち未知である成分の数と同数の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、に基づいて自位置を算出するものである。
このように、この発明に係る測位装置によれば、構成が単純である一次元測角器を用いて自位置を測定することができる。また、発信器側に電波の発信時間を測定するための時計を搭載する必要もない。そのため、安価に位置測定システムを施設することが可能となるのである。
この発明に係る別の測位装置は、
複数の固定発信器が放射した電波を受信するセンサと、
前記固定発信器から前記センサが受信した電波に基づいて、その電波の前記センサへの到来方向を算出する測角器と、
前記複数の固定発信器の位置を記憶する発信器位置記憶器と、
前記発信器位置記憶器が記憶する前記固定発信器の位置と前記電波の到来方向とに基づいて自位置を算出する測位器と、を備えた測位装置において、
前記測角器は、前記各電波の到来方向の仰角と前記各電波の到来方向間の平行相対角とを算出し、
前記測位器は、前記センサの位置と姿勢との座標成分のうち未知なる成分の数より1少ない数の前記固定発信器の位置と、前記測角器が算出した仰角と平行相対角と、を用いて自位置を算出するものである。
このように、この発明に係る測位装置によれば、電波の到来方向の仰角成分と平行相対角成分とを活用することで、自位置のうちの未知成分を特定するのに必要となる発信器の個数を少なく抑えることができる。そのため、ごく少数の発信器からの電波を受信することで自位置を測定できるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明の実施の形態1による位置測定システムの構成を示す概念図、
図2は、この発明の実施の形態1による移動体の背後からの斜視図、
図3は、この発明の実施の形態1によるセンサの一部を切り欠いた斜視図、
図4は、この発明の実施の形態1による測位装置の構成を示すブロック図、
図5は、この発明の実施の形態1による測角方法の説明図、
図6は、この発明の実施の形態1による位置の算出原理の説明図、
図7は、この発明の実施の形態1における逐次近似法のフローチャート、
図8は、この発明の実施の形態2による位置測定システムの構成を示す概念図、
図9は、この発明の実施の形態2によるセンサの斜視図、
図10は、この発明の実施の形態2による移動体の斜視図、
図11は、この発明の実施の形態2による測位装置の構成を示すブロック図、
図12は、この発明の実施の形態2による空間平均法の原理を説明するための概念図、
図13は、この発明の実施の形態2による測位装置の方位探索処理のフローチャート、
図14は、この発明の実施の形態2による位置の算出原理を説明するための概念図、
図15は、この発明の実施の形態3による位置の算出原理を説明するための概念図、
図16は、この発明の実施の形態4による測位装置の構成を示すブロック図、
図17は、この発明の実施の形態4による位置測定処理のフローチャート、
図18は、この発明の実施の形態4による位置の算出原理を説明するための概念図、
である。
【発明を実施するための最良の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による位置測定システムの構成を示す概念図である。図において、天井1はこの位置測定システムが設置される施設の天井である。このような施設の例としては、倉庫の他、展示会やスポーツの試合、コンサートなどが開催される屋内施設を挙げることができる。図に示されるように、天井1の表面には、固定発信器2が複数個装着されている。固定発信器2のそれぞれは、この室内の床面3に向けて電波を放射するようになっている。ただし、固定発信器2のそれぞれから放射された電波を識別するために、発信器毎に異なる周波数が予め割り当てられており、固定発信器2はその周波数による電波を放射するのである。
移動体4は、例えば荷物を運搬するために倉庫内を移動するフォークリフトなど、床面3上を走行又は移動する物体である。屋内野球場であれば、救援投手を搬送するリリーフカーなども、このような移動体に該当する。センサ5は、移動体4に搭載されたセンサであって、天井1に装着された固定発信器2が放射した電波を受信するものである。
なお、以後の説明において、垂直方向の座標をz座標とし、水平方向の座標をx座標、y座標によって表すこととする。さらに実施の形態1では、床面3を基準水平面(z座標の値が0である平面)として扱うこととする。
図2は、移動体4の背後からの斜視図である。図に示すように、センサ5は移動体4の操縦席上方に設置され、固定発信器2からの電波を受信するようになっている。ただし、センサ5は、固定発信器2からの電波を受信できる位置に設置されれば十分であり、移動体4の頭頂部に設置されることは必須ではない。
図3は、一部を切り欠いたセンサ5が移動体4に装着されている状況を示す斜視図である。図において、アンテナ5a及び5bは、無指向性のダイポールアンテナであって、一組のアレーアンテナを構成している。アンテナ5a及び5bは、無指向性を高めるためにその形状を円柱状としており、さらに側面を導体としている。また、アンテナ5a及び5bは、円環状の絶縁体5cによって隔てられている。ここで、アンテナ5aの上端と下端との中点から、アンテナ5bの上端と下端との中点までの距離をdであるものとする。距離dは、後にアンテナ5a及び5bが検出した電波の到来方向を算出する上で必要となる。
さらにアンテナ5bは、円環状の絶縁体5dを隔てて、移動体4に装着されている。
アンテナ5aは、フィーダ線5eと半田などを用いた接点5fによって接合されている。またアンテナ5bも、フィーダ線5gと半田などを用いた接点5hによって接合されている。フィーダ線5eと5gは、移動体4の本体表面に開設された孔6を通過しており、それらの端点は、移動体4の内部にある図示せぬ信号処理部と接続している。
なお、ここに示したセンサ5の構成は、一例に過ぎない。すなわち、センサ5は、移動体4の周囲に配置された固定発信器2が放射する電波を受信するのであれば十分なのである。したがって、例えば円柱形状でないアンテナを用いるものであっても、無指向性アンテナ、あるいは指向性を無視できるアンテナであれば、このような条件を満たす。
またこの例では、アンテナ5aと5bとをアレー素子として上下に配置する例を示したが、このような配置に限るものではなく、一定の距離(ここではd)を隔てて配置されるものであればどのような配置であってもよい。また素子数も2に限るものでないことはいうまでもない。
図4は、この発明の実施の形態1による測位装置の構成を示すブロック図である。図において測位装置7は、センサ5と信号処理部8とを備えている。図3で示したように、センサ5は、アンテナ5aとアンテナ5bとをアレー素子として備えるアレーアンテナである。信号処理部8において、受信器11aは、例えばGaAs FETなどの低雑音増幅器を用いて増幅を行い、その結果を受信信号として出力する部位である。その目的は、アンテナ5aによって検出された電波信号の最小受信信号レベルをできるだけ低くし、電波の探知能力を高めることにある。
なお、この説明及び以降の説明において、部位という語は、所定の機能を実現するために設計された専用の素子又は回路を意味するが、汎用のDSP(Digital Signal Processor)によって所定の作用を及ぼすように構成してもよい。また汎用のCPU(Central Processing Unit)に所定の動作を行わせるようなコンピュータプログラムを用いて構成するようにしても構わない。
A/D変換器12aは、受信器11aによって出力されたアナログ受信信号をデジタル信号に変換して出力する部位である。
受信器11bとA/D変換器12bは、アンテナ5bが検出した電波信号に対して作用する部位であって、受信器11bは受信器11aと同様の作用を有し、またA/D変換器12bはA/D変換器12aと同様の作用を有するものである。
測角器13は、A/D変換器12a及び12bの出力するディジタル信号を高速フーリエ変換などの手法によって周波数解析し、これらのアンテナ素子の受信した電波の位相差を求めて、電波の到来方向を算出する部位である。発信器情報記憶器14は、天井1に装着された複数の固定発信器の位置と、その固定発信器が放射する電波の周波数と、を関連づけて記憶する記憶素子または回路、あるいはそのような情報が予め記録されたCD−ROMなどの記憶媒体を読み取る記憶装置である。測位器15は、測角器13が出力した電波の到来方向と、発信器情報記憶器14が記憶している固定発信器の位置とに基づいて、自位置を算出する部位である。
次に、この発明の実施の形態1による位置測定システムの動作について説明する。複数の固定発信器によって放射された電波は、移動体4のセンサ5に到来し、センサ5のアンテナ5aと5bとによってそれぞれ検出される。そしてアンテナ5a及び5bは、これらの電波を受信信号として出力する。続いて受信器11aと11bは、この受信信号を増幅する。その後、A/D変換器12aと12bは、受信信号をディジタル信号に変換して、測角器14に出力する。
測角器13は、高速フーリエ変換などを用いて、受信信号位相差を求める。ここで図5に示すように、この受信信号位相差をψ、到来する電波の波長をλとし、入射する電波とアンテナ5a及び5bの表面に対する法線とがなす角(仰角)をφとする。そうすると、電波の波源である固定発信器とセンサ5との距離が、アンテナ5aの中心とアンテナ5bの中心との距離dに比べて十分に長いものとすれば、式(1)の関係が成立する。

そこで、測角器13は、周波数解析の結果として取得した位相差ψと予め記憶しておいた波長λとから、式(1)に基づいて仰角φを算出するのである。
なお、測角器13は、一度に一つの固定発信器からの電波に基づいて到来方向を計算して出力するが、複数の固定発信器からの電波を弁別するには、固定発信器毎に異なる周波数を割り当てる方法(周波数分割方式)、固定発信器毎に発信タイミングを変える方法(時分割方式)、あるいは固定発信器の変調符号を固定発信器毎に変える方法(符号分割方式)を用いて、複数の固定発信器からの電波の到来方向を算出すればよい。
このようにして、測角器13は、少なくとも2つの固定発信器からの電波について仰角φを算出する。以後の説明において、この2つの固定発信器をそれぞれ固定発信器2−1、2−2とし、各固定発信器から到来した電波の仰角をφ1およびφ2とする。
続いて測位器15は、測角器13によって算出された仰角φ1及びφ2と、固定発信器2−1及び2−2の座標値とを用いて、センサ5の位置を計算する。図6は、位置の算出方法の原理を示す図であり、固定発信器2−1と2−2、移動体4及びセンサ5の位置関係を異なる角度から見た2つの斜視図から成っている。図において、円錐16は、固定発信器2−1を頂点とする円錐である。円錐16の頂点を通過する平面で円錐16を切断すると、その切断面の形状は2等辺三角形となるが、その2等辺三角形の底角は仰角φ1に等しい。また円17は、円錐16の底面の円周をなす円である。
同じように、円錐18は、固定発信器2−2を頂点とする円錐である。円錐18の頂点を通過する平面で円錐18を切断すると、その切断面の形状は2等辺三角形となるが、その2等辺三角形の底角は仰角φ2に等しい。また円19は、円錐18の円周をなす円である。ここで、円17と円19は同一平面内に存在するものであり、さらにアンテナ5の座標は円17と円19との2つの交点のいずれかに一致する。円17と円19とが存在する平面と基準水平面とがなす角(円17と円19とが存在する平面の法線ベクトルと基準水平面の法線ベクトルとがなす角、としてもよい)は、センサ5の傾きを表す角である。仮に、センサ5の傾きが0でない場合であっても、仰角φ1とφ2をその傾きの分だけ補正すればよいので、ここでは説明を簡単にするために、センサ5の傾きが0であるものとする。つまり、円17と円19とが存在する平面と基準水平面とは平行である。
また測角器13は、高速フーリエ変換などの周波数解析を行うことで、固定発信器2−1と2−2の放射する電波の周波数をも求めている。そこで、測位器15は、この周波数をキーに、発信器情報記憶器14が記憶している固定発信器2−1と2−2の座標値を検索する。このようにして取得した固定発信器2−1の座標を(X1,Y1,Z1)とし、固定発信器2−2の座標を(X2,Y2,Z2)とする。センサ5の座標を(x,y,z)とすれば、(x,y,z)と(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、φ1、φ2との間には式(2)及び式(3)が成立する。

このうち、zは、移動体4の大きさと形状、センサ5の取り付け位置から求めることができるから、結果として式(2)と式(3)はxとyについての連立方程式と見なすことができる。この連立方程式は、2個の未知数2個と2個の式を有しているから、それぞれの未知数について解くことができる。ただし、式(2)と式(3)は2次方程式であるから、解析的にこれらの式をxとyについて解こうとすると、演算負荷が増大してしまう。
そこで、実施の形態1では、逐次近似法(successive approximations)によって、この連立方程式の解を求めることとする。逐次近似法では、初めにxとyの暫定解を任意に選んでおき、この暫定解を式(4)によって表される線形近似式に代入して、ΔxとΔyとを算出する。続いて、xとyの暫定解とΔxとΔyとから、次の暫定解を求める、という操作を繰り返すものである。これらの操作は、ΔxとΔyとが、一定の誤差範囲に含まれるようになるまで繰り返される。

式(4)において、逆行列の各成分は式(2)と式(3)から算出される。例えばφ1をxで微分する成分については、式(2)の両辺をxで微分することで

両辺に合成関数の微分公式を適用すると、

となり、結果として

となる。同様にして、


である。なお以降、A,B,C,Dをそれぞれ

とする。そうすると、A、B、C、Dはそれぞれ式(7)〜(10)によって求めることができ、さらに式(4)は、

という2元連立1次方程式となる。
図7は、測角器15における逐次近似法に基づく処理のフローチャートである。図のステップST101において、xとyの暫定解x0及びy0に所定の初期値を設定する。この初期値はどのような値であってもよい。続くステップST102において、2元連立1次方程式(12)を吐き出し法によって解き、ΔxとΔyとを求める。ST103において、ΔxとΔyが所定値以下かどうかを検定する。例えばこの位置測定システムの測定誤差を10cmと定めた場合、ステップST103における所定値は10cmが採用される。そしてΔxとΔyとが所定値以下にはならない場合は、ステップST104に進む(ステップST103:No)。ステップST104では、暫定解x0にΔxを加えた値x0+Δxを新たな暫定解x0とし、暫定解y0にΔyを加えた値y0+Δyを新たな暫定解y0とする。そして、ステップST102に戻り、測角器15は、次のΔxとΔyとを算出する。ステップST103において、再び算出されたΔxとΔyについても、所定値以下かどうかを判定する。このような処理を数回繰り返してΔxとΔyの双方が所定値以下となった場合に、逐次近似法を終了する(ステップST103:Yes)。
以上より明らかなように、この位置測定システムは、わずか2つの固定発信器からの電波の仰角のみを算出し、それらの仰角と電波の波源である固定発信器の位置とに基づいて位置を決定する。このようにわずかな個数の固定発信器さえあれば、位置を測定できるので、位置測定システムの設置に要する設備投資を低減できる。
さらに、例えば倉庫内の狭い通路の両脇に、貨物をうず高く積み上げているために、天井に施設した一部の固定発信器からしか電波を検知できない場合であっても、わずか2つの固定発信器からの電波を検出するだけで移動体4の位置を特定する。したがって、倉庫内のフォークリフトの位置を特定し、所定の貨物の位置とフォークリフトを適切に誘導するシステムに応用することができる。
なお、この例では固定発信器2を天井に設置し、移動体4の上から電波を放射する構成としたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば固定発信器2を床3の床面や床下に設置してもよいし、さらに通路の側壁に設置してもよいし、側壁のないエリアでは、支柱を立てて固定発信器を支柱の上に設置するようにしてもよい。したがって天井のない施設、すなわち屋外においても、このシステムを用いることができる。
またこの例では、アンテナ素子5aと5bは基準水平面に対して垂直をなすように配置され、さらに円17と円19とが基準水平面に対して平行であることを仮定して位置を算出した。しかし、円17と円19とが基準水平面に対して平行でなく、かつアンテナ素子5aと5bとが基準水平面に対して垂直でないように配置されている場合であっても、φ1とφ2とを補正することで、(x,y,z)と(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)との関係は式(2)と式(3)に帰着する。したがってこの実施の形態の位置測定方法は、基準水平面に平行である場合にのみ適用が限定されるものではない。さらに、この例では床面3を基準水平面としているが、他の面を基準水平面としてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1においては、基準水平面からセンサまでの距離z、あるいは固定発信器2とセンサまでの距離のz成分であるZ1−z若しくはZ2−zが既知である(予め定められている)ことを前提として位置を測定する方法について説明した。しかし、床面3が整地されていないために、z成分が既知とはならない状況も考えられる。この発明の実施の形態2においては、移動体4の基準水平面からの高さやセンサとのz成分が未知であっても、移動体4の位置を測定するシステムについて説明する。
図8は、この発明の実施の形態2による位置測定システムの構成を示す概念図である。図において、図1と同一の符号を付した構成要素については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。図に示すように、実施の形態2における構成では、床面3に破線20で囲んだ部分のようななだらかな凹凸が存在するために、移動体4の基準水平面からの高さが未知となる場合がある。またセンサ21は、固定発信器2からの電波を検出するセンサである。
図9は、センサ21の詳細な構成を説明するための斜視図である。図に示すように、センサ21は、絶縁体による配置面22上に、導体からなる円形の平面素子アンテナ23a、23b、23c、23d、23e、23f、23gを配置したものである。素子アンテナ23a〜23gには、図示せぬフィーダ線を接続してあり、これによって素子アンテナ23a〜23gが受信した電波の信号が外部に出力されるようになっている。ここで、素子アンテナ23a〜23dは、一組のアレーアンテナ(第1のアレーアンテナ)を構成するものであって、それぞれの中心が線分24aに沿うように配列されており、また隣接する素子アンテナの中心同士が等間隔になるようになっている。同様に、素子アンテナ23d〜23gも、第1のアレーアンテナとは別の一組のアレーアンテナを構成するものであって、それぞれの中心が線分24bに沿うように配列されており、隣接する素子アンテナの中心同士が等間隔になるようになっている。さらに線分24aと線分24bとのなす角はπ/2である。なお、以降の説明において、素子アンテナ23a〜23gに到来する電波の入射方向と線分24aとがなす角をφxとし、電波の入射方向と線分24bとがなす角をφyとする。
なお、この例では、線分24aと24bとがなす角がπ/2であるものとしているが、線分24aと線分24bとが平行でさえなければ(異なる傾きを有しているということ)、電波の入射方向の算出に用いる直交成分を得ることができるので、素子アンテナ23a〜23eの配置形状は、この例の形状に限られるものではない。
図10は、移動体4の斜視図である。図に示すように、この例ではセンサ21は移動体4の操縦席上方付近に装着されている。この位置に装着する理由は、天井に装着されている固定発信器2からの電波を検出しやすくするためであるが、そのような目的を果たすことができる限りにおいては、センサ21を他の部位に装着しても構わない。
続いて図11は、この発明の実施の形態2の測位装置の構成を示すブロック図である。図において測位装置25は、センサ21と信号処理部26とを備えている。図9で示したように、センサ21は、素子アンテナ23a〜23gをアレー素子として備えている。また信号処理部26は、受信器11a〜11gと、A/D変換器12a〜12g、さらに測角器13−1、13−2、発信器情報記憶器14、測位器15とを備えている。受信器11a、11b、A/D変換器12a、12b、発信器情報記憶器14、測位器15は、図4においてそれぞれの構成要素と同一の符号を付して示した構成要素と同様であるので、説明を省略する。
また、受信器11c〜11gは、受信器12aおよび12bと同様の機能を有する受信器であって、受信器12aはアンテナ23a、受信器12bはアンテナ23b、受信器12cはアンテナ23c、受信器12dはアンテナ23d、受信器12eはアンテナ23e、受信器12fはアンテナ23f、受信器12gはアンテナ23gのそれぞれの信号を処理するようになっている。A/D変換器12c〜12gは、A/D変換器12aおよび12bと同様の機能を有するA/D変換器である。測角器13−1及び13−2は、図4において測角器13として示した構成要素と同様の機能を有する部位である。測角器13−1は、A/D変換器12a〜12dが出力する受信ディジタル信号に基づいて、電波の到来方向φxを算出する部位である。また測角器13−2は、A/D変換器12d〜12gが出力する受信ディジタル信号に基づいて、電波の到来方向φyを算出する部位である。
次に、この発明の実施の形態2による位置測定システムの動作について説明する。複数の固定発信器によって放射された電波は、移動体4のセンサ21に到来し、センサ21のアンテナ23a〜23gによってそれぞれ検出される。そしてアンテナ23a〜23gによって受信された電波は、アナログ受信信号として出力され、受信器11a〜11gによってそれぞれ増幅された後に、A/D変換器12a〜12gによってディジタル信号に変換される。続いて測角器13−1は、アンテナ23a〜23dが検出した受信信号に基づいて電波の到来方向のうち、角度φxを算出する。また測角器13−2は、アンテナ23d〜23gが検出した受信信号に基づいて電波の到来方向のうち、角度φyを算出する。
ここで、移動体4は倉庫などの狭い通路を移動することもある。その場合には、固定発信器2からの電波は、通路の壁面や積み上げられた貨物などに反射するために、電波のマルチパス(干渉波)が発生する。一方、アンテナ23a〜23d及びアンテナ23d〜23gはそれぞれ等間隔に並んだアレーアンテナを構成している。そこで、測角器13−1及び13−2では、空間平均法(spatial smoothing method)を用いて、干渉波の抑圧を行うこととする。空間平均法の原理を簡単に説明すれば、次のようになる。すなわち、相関のある波の位相関係(相互相関係数の位相)は受信位置によって異なるので、受信点を平行移動させて相関値を求めれば、その平均効果により相互相関値が低下する。そこで、空間平均法では、アレーアンテナの一部のアレー素子を組み合わせてサブアレーを構成し、サブアレー毎の部分的な相関値の平均を求めることによって、干渉波を抑圧するのである。
図12は、空間平均法の原理を説明するための概念図である。図において、固定発信器2からの直接波27は、入射角θsでアンテナ23a〜23dのそれぞれに入射している。また干渉波28は、入射角θcでアンテナ23a〜23dのそれぞれに入射している。さらに、アンテナ23aの中心と23bの中心との距離及びアンテナ23bの中心と23cの中心との距離、アンテナ23cの中心と23dの中心との距離はともにdであるものとする。この場合に、アンテナ23a、23b、23c、23dの受信ベクトルをそれぞれx(t)、x(t)、x(t)、x(t)とすれば、全アレーの受信ベクトルは、

となる。式(13)はアレー素子数が4の場合であるが、アレー素子数がMの場合には、

である。アレー素子数4の場合、図に示すサブアレー29−1(アンテナ23aと23bとの2個のアレー素子により構成される)及びサブアレー29−2(アンテナ23aと23bとの2個のアレー素子により構成される)、さらにサブアレー29−3(アンテナ23cと23dとの2個のアレー素子により構成される)が考えられる。以後、サブアレーを構成するアレー素子数をK(上記の例ではK=2)とし、N=M−K+1とすれば、第nサブアレー(ただしnはN以下の自然数)の受信ベクトルX(t)は、

となる。したがって、第nサブアレーの相関行列は、

式(16)において、E[]、平均操作を示している。
各部分相関行列に対する重み付けをzとすると、測角器13−1及び13−2は、N個の部分相関行列の平均(空間平均)をとることによって、式(17)の相関行列を算出する。

ただし、平均操作を行う上では、電力を平均操作前後で一定とすべきであり、さらにRxxが正定値エルミート行列であることから、zは実数であって、式(18)を満たすように選択する。

空間平均法の効果を具体的に示すと、次のようになる。固定発信器2からの直接波をs(t)、相関性干渉波をc(t)とし、内部雑音を無視した場合、第m素子の受信ベクトル(m=1,2,…,M)は、式(19)で与えられる。

ここで、Ψ(θ)は角度θから到来する電波の第m素子における受信位相であって、式(20)によって与えられる。

このとき、部分相関行列Rxxの第(p,q)成分Rpq(ただし、p,q=1,2,…,K)は、式(21)で与えられる。なおPは固定発信器2からの直接波の受信電力であり、Pは干渉波の受信電力である。

式(21)において、Zsc(p,q,n)とZcs(p,q,n)、ρは、式(22)〜式(24)によって与えられる。

式(21)の右辺第1項は、固定発信器2からの直接波の自己相関項であり、第2項は干渉波の自己相関項である。また、第3項はこれら2波の相互相関項である。
空間平均によって得られる相関行列Rxxの第(p,q)成分rpqは、式(17)と式(21)より、式(25)として表される。

式(25)において、Zsc(p,q)とZcs(p,q)、ξは、式(26)〜式(28)によって与えられる。

式(21)と式(25)を比較すると、空間平均によって2つの電波の相互相関がξだけ抑圧されていることが分かる。重み付けzをうまく選択することで、ξ=0とすることができれば、固定発信器2からの直接波と干渉波の相互相関を完全に抑圧できる。例えば、

のようにzを選べば、ξは式(30)のようになって、ごく小さな値にまで抑圧できることが理解される。

このようにして、測角器13−1及び13−2では、空間平均法による干渉波の抑圧を行った後、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)アルゴリズムを用いて、電波の到来方向を推定する。図13は、MUSICアルゴリズムによる測角器13−1及び13−2における方位探索処理のフローチャートである。まず、ステップST201において、測角器13−1及び13−2は、受信信号相関行列Rを計算する。受信信号相関行列Rは、ここまで説明してきた空間平均法によって算出されたRxxである。
続いて、ステップST202において、受信信号相関行列Rの固有値と、それら各固有値に対応する固有ベクトルとを計算する。そしてステップST203において、算出された固有値を降順にソートする。以降の説明では、このようにして得られたソート結果配列がd,d,…,d(d≧d≧…≧d)であるとする。また、ステップST202において固有値に対応する固有ベクトルを算出しているが、以降の説明においては、固有値d,d,…,dに対応する固有ベクトルをそれぞれe,e,…,eとする。
ステップST204において、入射信号数Lを算出する。そのために、測角器13−1及び13−2は、ソート結果配列のうち、最も小さい要素であるdと等しい要素を除外した残りの要素のうち、最小の要素のソート順位(配列の先頭を1位とした場合の順位)をLとする。すなわち、入射信号数Lは、
≧d≧…≧d>dL+1=dL+2=…=d
を満たすものである。また、dL+1,dL+2,…,dはノイズ固有値と呼ばれる。続いて、ステップST205において、ノイズ固有値dL+1,dL+2,…,dに対応する固有ベクトルeL+1,dL+2,…,e(これらはノイズ固有ベクトルと呼ばれる)のすべてと直交するステアリングベクトルa(θ)を持つ方位θを、信号数であるL個だけ探索する。具体的には、式(31)で表される方位評価関数のピーク(F(θ)が極大となるθ)をL個探す。

ここで得られた方位関数のL個のピークが固定発信器2の放射する電波の到来方向となる。このようにして、MUSICアルゴリズムを用いることで、同時にL個の到来方向が算出できるのである。なお一般に、Lは(サブアレー素子数K−1)となるので、所望の数の電波の到来方向を同時に測定するには、センサ21に配置する素子アンテナの数を増加することが望ましい。
しかしながら、実施の形態1でも述べたように、所望の電波数よりも少ない素子アンテナしかないセンサを用いて構成した場合であっても、周波数分割方式や時分割方式、符号分割方式を用いることで、多くの固定発信器からの電波の到来方向を測定することが可能である。
このようにして、複数の固定発信器からの電波について、測角器13−1はアンテナ23a〜23cの受信ベクトルに基づいてφxを出力し、測角器13−2はアンテナ23c〜23eの受信ベクトルに基づいてφyを出力する。
続いて、測位器15は、図14に示すように3つの固定発信器2−1、2−2、2−3が放射する電波について、測角器13−1が出力したφxと13−2の出力したφyから、それぞれの仰角値φ1、φ2、φ3を算出する。ここでアンテナ素子23a〜23eの配置面22が水平であるとすれば、電波到来方向の仰角φは、次のように計算される。

また、固定発信器2−1、2−2、2−3の座標値は、それぞれ(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)であることが発信器情報記憶器14に記憶されているものとする。センサ21の位置を(x,y,z)とすれば、これらの座標値及び仰角値φ1、φ2、φ3との間には次の関係が成立する。

実施の形態2の説明の冒頭で述べたとおり、この例では(x,y,z)のいずれもが未知数であるが、式(33)、式(34)、式(35)の3つの式からなる連立方程式を解くことで、x、y、zを決定することができる。ただし、式(33)、式(34)、式(35)は2次方程式であるから、解析的にこれらの式をx、y、zについて解こうとすると、演算負荷が増大してしまう。
そこで、実施の形態2においても実施の形態1と同様に、測位器15は逐次近似法を用いて、x、y、zを求める。具体的には、

とし、式(36)の逆行列の各成分を微分により求めて、x、y、zに所定の初期値を与えることを皮切りにΔx、Δy、Δzが一定範囲内の誤差に含まれるまで繰り返し演算を行う。これらの処理は実施の形態1において、図7のフローチャートを用いて説明したものと同様であるので、詳細な説明については省略する。
以上から明らかなように、実施の形態2の位置測定システムによれば、基準水平面からの位置あるいは固定発信器からの距離が未知であっても、3つの固定発信器からの電波を検出することにより位置を測定することができる。したがって、床面の整地がなされていない倉庫や床面に段差を有する倉庫などでも安定的に位置を測定することが可能となるのである。
なお、実施の形態2においても、センサ21が水平に設定されていることを前提として説明したが、センサ21が基準水平面に対して傾いている場合(水平以外の角度をなしている場合)には、その傾きに応じて式(32)のφxとφyの値を増減してやればよい。したがってセンサ21が水平でなくても、この発明の特徴が失われることはない。
また、この例では、センサ21のような平面アンテナを用いて到来方向を測定する構成としているが、位置測定に用いる角度は1次元であるので、実施の形態1で用いたセンサ5を代わりに用いることが可能であることはいうまでもない。
実施の形態1で説明したセンサ5は、説明を簡単にするために2個の素子アンテナから構成されることとした。しかし、素子アンテナの数を追加して3個以上の素子アンテナから構成されるようにすれば、実施の形態1によるセンサ5のようなダイポールアンテナでも空間平均法を用いることができるので、センサ21をセンサ5に置換してもよい。
実施の形態3.
実施の形態1と2では、センサが水平であるか、あるいは傾きが既知であることを前提に位置を測定する方法について説明した。これに対して、この発明の実施の形態3では、センサが水平であることが保証されず、さらに傾きが未知である場合に、位置を測定するシステムについて説明する。
この例では、実施の形態2と同一の構成による位置測定システムを用いることとし、移動体4の基準水平面からの高さについては既知であるものとする。ここでセンサ21の傾きを、配置面22の法線ベクトル(u,v,w)で表すこととすれば、u、v、wは未知数となる。しかし、ここではセンサ21の傾きさえ表現すれば十分であって、法線ベクトル(u,v,w)の大きさは特別な意味を持たないので、法線ベクトルの大きさを1であるとする。すなわち、

の関係にあるものとする。移動体4の位置を(x,y,z)とすれば、zは既知であるが、xとyは未知数である。したがって、結果として、xとy、u、vの4個の未知数が存在することになる。この4個の未知数を決定するためには、4つの式からなる連立方程式が必要となるから、この例の条件で移動体4の位置を測定するには、4つの固定発信器が放射した電波を検出する必要があることが分かる。
図15は、このような4つの固定発信器からの電波をセンサ21が検出して位置を測定する場合を説明するための概念図である。図において、移動体4に搭載されたセンサ21は、固定発信器2−1、2−2、2−3、2−4からなる4つの固定発信器からの電波を検出する。また固定発信器2−1、2−2、2−3、2−4の座標はそれぞれ(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)、(X4,Y4,Z4)であることが発信器情報記憶器14により記憶されているものとし、また測角器13−1及び13−2によって、固定発信器2−1、2−2、2−3、2−4のそれぞれの電波の到来方向と配置面22とのなす角がφ1、φ2、φ3、φ4であるものとする。φ1、φ2、φ3、φ4は測角器13−1と13−2とが直接的に取得する角度であり、(x,y,z)、(u,v,w)、(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)、(X4,Y4,Z4)、φ1、φ2、φ3、φ4との間には次の関係式が成立する。

式(38)、式(39)、式(40)、式(41)から、x、y、u、vを解いてもよい。しかしここでは、測位器15が、実施の形態1または実施の形態2と同様に逐次近似法によってx、y、u、vを算出する。具体的には、

として、式(42)の逆行列の各成分を式(38)〜式(41)をx、y、u、vについて微分することで求め、x、y、u、vに所定の初期値を与えることを皮切りにΔx、Δy、Δu、Δvが一定範囲内の誤差に含まれるまで繰り返し演算を行う。これらの処理は実施の形態1において、図7のフローチャートを用いて説明したものと同様であるので、詳細な説明については省略する。
以上から明らかなように、実施の形態3の位置測定システムによれば、センサの傾きが未知であっても、4つの固定発信器からの電波を検出することにより位置を測定することができる。
実施の形態4.
実施の形態3では、基準水平面からの高さは既知であるが、センサの傾きが未知であるという条件の下に、位置を測定するシステムについて説明した。しかし、基準水平面からの高さとセンサの傾きとがともに未知である場合も考えられる。そこで、実施の形態4による位置測定システムでは、このような条件下であっても位置を測定することが可能であり、さらにより良好な条件では実施の形態1〜3の測定方法を選択して位置を測定するシステムについて説明する。
この発明の実施の形態4の位置測定システムの構成は、実施の形態2と同様に図8によって示される。またセンサの構成は図9によって示される。図8及び図9において、実施の形態2と同一の符号を付した構成要素については実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
図16は、この発明の実施の形態4の測位装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2における測位装置の構成を示すブロック図である図10と比して、この図では新たに電波数算出器31が設けられている点が異なっている。
電波数算出器31は、測角器13−1及び13−2が算出する角度の個数、すなわち、センサ21eが受信する電波の個数に応じて、位置測定方法を選択する信号を測位器15に出力する部位である。位置情報記憶器32は、測位器15が算出した前回の位置および傾きを記憶する素子又は回路である。位置情報記憶器32は、測位装置25が電源投入時に前回の測定値に基づいて円滑に測定処理を開始できるようにするために、電源断によっても記憶が失われないような不揮発性記憶装置を採用することが望ましい。
この発明の実施の形態4における測角器13−1と13−2は、アンテナ23a〜23eからの受信ベクトルに基づいて電波の到来方向を算出する点において実施の形態2と同様であるが、電波数算出器31に対しても電波の到来方向を出力するようになっている。そして測位器15は、電波数算出器31が出力する位置測定方法を選択する信号に基づいて、位置と傾きの算出に用いる電波の到来方向と固定発信器の位置とを最適に組み合わせて位置と傾きを算出するになっている。また電波の受信状態が悪いために、必要な電波を受信できない場合には、位置情報記憶器32が記憶している前回の位置と傾きとを補助的な情報として用いるようにもなっている。その他、図10と同一の符号を付した他の構成要素については実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。
続いて、この発明の実施の形態4の位置測定システムの動作について説明する。この位置測定システムにおいても、実施の形態2と同様に、アンテナ23a〜23eが固定発信器2の放射した電波を受信して受信ベクトルを出力する。そして、測角器13−1は、、その受信ベクトルに基づいて固定発信器2の放射した電波の到来方向のうち、角度φxを計算し、測角器13−2が固定発信器2の放射した電波の到来方向のうち、角度φyを計算する。
ただし測角器13−1及び13−2は、受信ベクトルの電力や振幅が所定値に達しない場合には角度を算出しない。このようにすることで、反射波の影響を小さくすることができるのである。
測角器13−1及び13−2が計算した角度φx及びφyは、測位器15に出力されるとともに、電波数算出器31にも出力される。電波数算出器31は、測角器13−1と13−2が計算した角度の個数に基づいて、位置測定方法を選択する信号を出力する。なお、測角器13−1と13−2とが計算した角度の個数が食い違う場合には、小さい方を採用してもよい。
電波数算出器31が出力する信号は、測角器13−1及び13−2が出力した角度の個数に対応するもので、例えば角度の個数そのもの(2,3,4,5など)を信号の値として出力する。以後、電波数算出器31が角度の個数(受信可能な電波の個数)を信号値として出力するものとして説明を行う。
測位器15は、電波数算出器31が出力した信号に基づいて位置と傾きとを算出する。図17は、測位器15が行う位置測定処理のフローチャートである。まずステップST301において測位器15は、電波数算出器31から信号値を取得する。信号値はすでに述べたように、受信可能な電波の個数を反映したものであって、以後、測位器15内では電波の個数に基づいて処理を行う。
ステップST302において、測位器15は電波の個数が2に等しいかどうか判定する。電波の個数が2に等しい場合は、ステップST303に進む(ステップST302:Yes)。等しくない場合はステップST306に進むが、この場合については後述することとする。
ステップST303において、測位器15はセンサ21の位置と傾きの成分のうち、z、u、vが未知かどうかを判定する。まず初期状態(電源を投入した直後)においては、z、u、vは不定な状態となっているので、未知であると判断する。またすでに位置測定演算を数回行っている場合も、後述する逐次近似法の繰り返し処理を所定回数以上行っても、Δz、Δu、Δvが一定の誤差範囲に含まれない場合には、未知であると判断するようにしてもよい。
z、u、vが未知であると判断した場合には、前回の測定値を用いて今回のz、u、vを推測する処理を行う(ステップST303:Yes)。z、u、vを推測する処理の例としては、uとvには前回の値を採用し、zについては前回測定のzと経過時間Δtと図示せぬ速度センサから得た速度Vから算出する。例えば前回測定時のzをzとすれば、

uとvについては前回値を用い、zについては前回値とは異なる値を式(43)で用いることとしたのは、uとvはセンサの傾きであるから時間的変化が比較的緩慢であるのに対し、zは位置であるから移動体4が移動する以上時々刻々と変化する可能性があるからである。
また、z、u、vが未知でないと判断した場合には、直接ステップST305に進む。
次に、ステップST305において、式(4)〜式(10)を用いて逐次近似法によってxとyとを算出する。以後、ステップST301に戻り、次の信号値を処理する。
一方、電波の個数が2に等しくない場合は、ステップST306に進む(ステップST302:No)。そしてステップST306において、電波の個数が3に等しいかどうかを判定する。電波の個数が3に等しい場合は、ステップST307に進む(ステップST306:Yes)。また3に等しくない場合は、ステップST310に進むが、この場合については後述する。
ステップST307において、u、vが未知かどうかを調べる。この処理はステップST303の処理と同様であるので詳細な説明については省略する。その結果、u、vが未知であると判断した場合は、ステップST308に進み、ステップST304と同様にuとvを推測する処理を行い(ステップST308:Yes)、その後にステップST309に進む。uとvとが未知でないと判断した場合には、直接ステップST309に進む(ステップST307:No)。
ステップST309においては、式(33)〜式(36)を用いて、x、y、zを算出する。この場合においても、ステップST305と同様に逐次近似法によって、x、y、zを算出する。
また、電波の個数が3に等しくない場合は、ステップST310において、電波の個数が4に等しいかどうかを判定し、4に等しい場合は、ステップST311に進む(ステップST310:Yes)。また4に等しくない場合はステップST314に進むが、この場合については後述する。
ステップST311において、zが未知かどうかを判定する。この処理はステップST303と同様であるので、詳細な説明については省略する。その結果、zが未知であると判断した場合には、ステップST312に進み(ステップST311:Yes)、例えば式(43)を用いてzを推測する。またzが未知でないと判断した場合(ステップST311:No)、あるいはステップST312の後、ステップST313において、式(38)〜式(42)を用いて、x、y、u、vを算出する。この場合も、逐次近似法を用いて算出することが望ましい。
電波の個数が4に等しくない場合は、ステップST314に進み、電波の個数が5以上かどうかを判定する。電波の個数が5以上の場合は、ステップST315に進んでx、y、z、u、vを算出する。図18は、このような場合の位置の算出原理を説明するための概念図である。図において、固定発信器2−1、2−2、2−3、2−4、2−5は、その放射した電波を移動体4に搭載したセンサ21が検出可能な位置にある固定発信器である。図に示すように、固定発信器2−1、2−2、2−3、2−4、2−5の座標はそれぞれ(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)、(X4,Y4,Z4)、(X5,Y5,Z5)とし、固定発信器2−1、2−2、2−3、2−4、2−5が放射する電波の到来方向の仰角をそれぞれφ1、φ2、φ3、φ4、φ5とする。そうすると、(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)、(X4,Y4,Z4)、(X5,Y5,Z5)、φ1、φ2、φ3、φ4、φ5、x、y、z、u、vとの間には、式(44)から式(48)までの関係が成立する。

これらの5つの式をx、y、z、u、vについて直接的に解いてもよいが、ここでも実施の形態1と同じように逐次近似法によって、連立方程式(44)〜(48)の解を求めることとする。具体的には、

とおいて、式(44)〜式(48)をx、y、z、u、vで微分することにより式(49)の逆行列の各成分を求める。以降の処理は、実施の形態1などと同様であるので詳細な説明については省略することとする。
以上から明らかなように、この発明の実施の形態5の位置測定システムによれば、センサ21が受信できる電波の数に応じて位置を計算する方法を適切に選択することとしたので、さまざまな局面で位置測定を行うことができる。
また、センサの高さと傾きが未知であっても、5個の固定発信器が放射した電波を取得して、センサの位置と傾きとを測定するので、床面に傾斜がある環境や段差のある環境など、センサの位置や傾きが不定となりやすい状況でも位置の測定を行うことが可能である。
なお、z、u、vが未知であるか否かを判断する例として、初期状態及び逐次近似法における誤差の収束状況に基づいて判断する方法について説明したが、この他にも、x、y、z、u、vについて追尾処理(前回の測定結果から今回の測定結果を予測する処理)を行い、予測値と測定値とが一定値以上乖離した場合に、測定値が未知である、と判断するようにしてもよい。
また、この例では、5個を超える電波が得られる場合であっても、5個のみの電波を用いて位置測定することとしている。しかし、受信可能な固定発信器の数が6個以上の場合に、式(50)によって平均二乗誤差MSE(Mean Square Error)を算出し、最小二乗法によってこの平均二乗誤差を最小にするように位置を決定するようにしてもよい。これによって、より精度の高い位置測定結果を求めることができる。

なお、式(50)において、固定発信器の個数をNとし、各固定発信器の座標を(Xn,Yn,Zn)、各固定発信器から受信した電波の仰角をそれぞれφnとしている。
さらに、式(50)を用いてより精度の高い位置測定結果を得る方法は、3個から5個の固定発信器からの電波が得られる場合にあっても適用することができる。例えばセンサ21の高さと傾きが既知であり、2個の固定発信器からの電波が得られれば、位置を測定するのに十分な場合に、3個の固定発信器からの電波が得られたものとする。この場合に、3個の固定発信器からの電波の到来方向と、それぞれの固定発信器の位置に基づいて、式(50)で算出したMSEを最小にするようにセンサ21の位置を決定するのである。こうすれば、3個の固定発信器から得られた情報を有効に活用し、測定精度の向上に活かすことができる。
実施の形態5.
実施の形態2においては、図9に示したようなセンサ21を用いて、式(32)を用いて仰角のみを算出し、一次元の角度のみから位置を測定したが、センサ21は複数の方向のアレー素子列を有しているので、φxとφyという異なる次元の角度を算出することが可能である。そこで、このような2次元の角度をそのまま用いて仰角の他に水平相対角を算出するようにし、水平相対角と仰角とを組み合わせて位置を測定するようにしてもよい。この発明の実施の形態5による位置測定システムは、このような特徴を有するものである。
なお、実施の形態5の位置測定システムが位置測定を行う前提として、センサの傾きは既知である一方で、センサの基準水平面からの高さ(z成分)は未知であるものとする。
実施の形態5の位置測定システムの構成は実施の形態2と同様に図8によって示される。そして実施の形態2と同様に図9に示したようなセンサ21を備えるものとし、測位装置の構成は、図11によって表されるものとする。
次に、実施の形態5による位置測定システムの動作について説明する。この位置測定システムにおいても、実施の形態2と同様に測角器13−1と測角器13−2によって各固定発信器が放射した電波の到来方向について、φx及びφyとを出力する。
測位器15は、式(32)によって、各固定発信器が放射した電波の到来方向の仰角を算出する。また式(51)によって、2つの固定発信器の水平方向相対角θ12を算出する。

式(51)において、2つの固定発信器を固定発信器2−1と固定発信器2−2とする。また固定発信器2−1から到来した電波について測角器13−1が算出した角度をφx1、測角器13−2が算出した角度をφy1とする。さらに固定発信器2−2から到来した電波について測角器13−1が算出した角度をφx2、測角器13−2が算出した角度をφy2とする。
続いて、測位器15は、式(33)、式(34)と式(52)を用いて、x、y、zを決定する。

なお、x、y、zの決定にあたっては、他の実施の形態と同じように逐次近似法を用いるようにしてもよい。
以上から明らかなように、この発明の実施の形態5の位置測定システムによれば、高さが未知であっても2つの固定発信器からの電波さえ受信すれば、位置を測定することができる。
なお、この例では、zのみ未知であるとして位置測定の方法を述べたが、他にzが既知でu、v(センサの傾き)が未知である場合、あるいはz及びu、vが未知である場合についても式(52)を組み合わせれば、必要とされる固定発信器の個数を1減ずることができるのである。
【産業上の利用の可能性】
以上のように、この発明に係る位置測定システムは、固定発信器の放射する電波に基づいて位置を測定する用途に有用である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固定発信器が放射した電波を受信するセンサと、
前記固定発信器から前記センサが受信した電波に基づいて、その電波の前記センサへの到来方向を算出する測角器と、
前記複数の固定発信器の位置を記憶する発信器位置記憶器と、
前記発信器位置記憶器が記憶する前記固定発信器の位置と前記電波の到来方向とに基づいて自位置を算出する測位器と、を備えた測位装置において、
前記測角器は、前記電波の一次元到来方向を算出し、
前記測位器は、前記センサの位置と姿勢との座標成分のうち未知なる成分の数と同数の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項2】
請求の範囲第1項に記載の測位装置において、
前記測位器は、既知なる前記センサの高さと姿勢と、2個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項3】
請求の範囲第1項に記載の測位装置において、
前記測位器は、既知なる前記センサの姿勢と、3個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項4】
請求の範囲第1項に記載の測位装置において、
前記測位器は、既知なる前記センサの高さと、4個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項5】
請求の範囲第1項に記載の測位装置において、
前記測位器は、5個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項6】
請求の範囲第1項に記載の測位装置において、
前記センサが受信する電波を放射した前記固定発信器の個数を計算し、その個数を前記測位器に出力する電波数算出器をさらに備え、
前記測位器は、前記個数が2個の場合に、既知なる前記センサの高さと姿勢と、2個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出し、前記個数が3個の場合に、既知なる前記センサの姿勢と、3個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出し、前記個数が4個の場合に、既知なる前記センサの高さと、4個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出し、前記個数が5個以上の場合に、5個の前記固定発信器の位置と、それらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向と、を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項7】
請求の範囲第6項に記載の測位装置において、
前回の自位置の算出に用いた前記センサの高さ及び姿勢を記憶する位置情報記憶器を備え、
前記測位器は、前記個数が2個の場合に、前記センサの高さと姿勢の何れかが未知である場合に、前記位置情報記憶器が記憶する前記センサの位置及び姿勢を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項8】
請求の範囲第6項に記載の測位装置において、
前回の自位置の算出に用いた前記センサの高さを記憶する位置情報記憶器を備え、
前記測位器は、前記個数が3個の場合に、前記センサの高さが未知である場合に、前記位置情報記憶器が記憶する前記センサの位置を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項9】
請求の範囲第6項に記載の測位装置において、
前回の自位置の算出に用いた前記センサの姿勢を記憶する位置情報記憶器を備え、
前記測位器は、前記個数が4個の場合に、前記センサの姿勢が未知である場合に、前記位置情報記憶器が記憶する前記センサの姿勢を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項10】
請求の範囲第1項に記載の測位装置において、
前記測位器は、前記未知なる成分を未知数とし前記固定発信器の位置とそれらの固定発信器が放射した電波の一次元到来方向との間に成立する連立方程式から、逐次近似法を用いて未知数を決定し、自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項11】
請求の範囲第1項に記載の測位装置において、
前記センサは、直線状に配列された素子アンテナからなる第1のアレーアンテナと、この第1のアレーアンテナの配列方向とは異なる方向を有する直線に沿って配列された素子アンテナからなる第2のアレーアンテナとを備え、
前記測角器は、前記第1のアレーアンテナが受信した電波からその電波の到来方向を求めるとともに、前記第2のアレーアンテナが受信した電波からその電波の到来方向を求め、前記第1のアレーアンテナから求めた電波と前記第2のアレーアンテナから求めた電波とから前記電波の到来方向を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項12】
請求の範囲第11項に記載の測位装置において、
前記測角器は、前記各アレーアンテナの各アレー素子から複数のサブアレーを構成し、それらのサブアレー毎に相関行列を求めるとともに、それらの相関行列の各成分の平均を求めることによって、前記各アレーアンテナの相関行列を算出し、この相関行列から前記電波の到来方向を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項13】
複数の固定発信器が放射した電波を受信するセンサと、
前記固定発信器から前記センサが受信した電波に基づいて、その電波の前記センサへの到来方向を算出する測角器と、
前記複数の固定発信器の位置を記憶する発信器位置記憶器と、
前記発信器位置記憶器が記憶する前記固定発信器の位置と前記電波の到来方向とに基づいて自位置を算出する測位器と、を備えた測位装置において、
前記測角器は、前記各電波の到来方向の仰角と前記各電波の到来方向間の平行相対角とを算出し、
前記測位器は、前記センサの位置と姿勢との座標成分のうち未知なる成分の数より1少ない数の前記固定発信器の位置と、前記測角器が算出した仰角と平行相対角と、を用いて自位置を算出することを特徴とする測位装置。
【請求項14】
請求の範囲第13項に記載の測位装置において、
前記センサは、直線状に配列された素子アンテナからなる第1のアレーアンテナと、この第1のアレーアンテナの配列方向とは異なる方向を有する直線に沿って配列された素子アンテナからなる第2のアレーアンテナとを備え、
前記測角器は、前記第1のアレーアンテナが受信した電波からその電波の到来方向を求めるとともに、前記第2のアレーアンテナが受信した電波からその電波の到来方向を求め、前記第1のアレーアンテナから求めた電波と前記第2のアレーアンテナから求めた電波とから前記電波の到来方向の仰角を算出し、前記各電波の到来方向間の相対平行角とを算出することを特徴とする測位装置。

【国際公開番号】WO2005/050246
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【発行日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510745(P2005−510745)
【国際出願番号】PCT/JP2003/014660
【国際出願日】平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】