説明

測定装置および方法

【課題】2周波CW方式による距離測定の信頼性を向上させるようにする。
【解決手段】測定装置1は、自身と測定対象物2との間の距離Lを求めるために、2周波CW方式による距離測定のみならず、次のようなAM位相差方式による距離測定を実行する。即ち、AM位相差方式とは、送信信号SsのAM包絡線AMsと、受信信号SrのAM包絡線AMrとの位相差を利用することで、測定装置1と測定対象物2との間の距離Lを求める方式である。そして、測定装置1は、2周波CW方式に従って演算された距離と、AM位相差方式に従って演算された距離とに基づいて、最終的な測定結果としての距離を決定する。本発明は、距離測定装置に適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置および方法に関し、特に、2周波CW方式による距離測定の信頼性を向上させることができる測定装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車と他車との間の相対速度や距離を測定するセンサとして、2周波CW(Continuous Wave)方式のセンサが知られている(例えば特許文献1,2参照)。即ち、この2周波CW方式のセンサは、受信された搬送波に対するドップラ信号の周波数(以下、ドップラ周波数と称する)や位相を検出し、それらを利用して、自車と他車との相対速度や距離を測定する。
【特許文献1】特許第3203600号公報
【特許文献2】特開2004−69693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、2周波CW方式のセンサでは、相対速度が0の場合には距離の測定ができなくなる、という第1の問題が発生する。
【0004】
また、2周波CW方式のセンサでは、搬送波に比較的高周波のノイズが重畳している場合、そのノイズによりドップラ周波数の位相がばらつくことになる。この位相のばらつきは、単体でみると微小であっても、搬送波も高周波であることから、大きな距離誤差となって表れてしまうことになる。即ち、2周波CW方式のセンサでは、搬送波に比較的高周波のノイズが重畳した場合、距離精度が悪化する、という第2の問題が発生する。
【0005】
以上の第1の問題と第2の問題とをまとめると、結局、2周波CW方式による距離測定の信頼性は高くないこともあるという問題に帰結する。
【0006】
なお、特許文献2に開示された発明は、第1の問題を解決すべく、変調方式として、2周波CW方式で利用されていた変調方式と、他の変調方式(周波数パルスCW方式、もしくはFM−CW方式)とを組み合わせることを特徴としている。他の変調方式のうちの一方の周波数パルスCW方式は、パルスの遅延時間から距離を測定する方式であることから、搬送波に重畳する高周波のノイズにより、距離精度が悪化する。また、他の変調方式のうちの他方のFM-CW方式は、周波数の変化量から距離を算出する方式であり、搬送波の周波数のずれを見ているため、やはり搬送波に重畳する高周波のノイズに弱い。従って、特許文献2に開示された発明では、第2の問題を解決できるとは言い難い。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、2周波CW方式による距離測定の信頼性を向上させるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面の測定装置は、測定対象物との距離を少なくとも測定する測定装置であって、第1の周波数の第1のCW(Continuous Wave)と第2の周波数の第2のCWとを搬送波として交互に、AM変調信号を用いてAM変調し、その結果得られる信号を送信信号として送信する送信手段と、前記AM変調で用いられる前記AM変調信号を発生するAM発生手段と、前記送信手段から送信された前記送信信号の前記測定対象物における反射信号を受信信号として受信する受信手段と、前記受信手段に受信された前記受信信号から、前記第1のCWに対する第1のドップラ信号と前記第2のCWに対する第2のドップラ信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第1の方式に従って前記測定対象物との距離を演算する第1の距離演算手段と、前記受信手段に受信された前記受信信号から前記AM変調信号を復調し、復調後の前記AM変調信号と、前記AM発生手段から発生された前記AM変調信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第2の方式に従って前記測定対象物との距離を演算する第2の距離演算手段と、前記第1の距離演算手段により演算された前記距離と、前記第2の距離演算手段により演算された前記距離とに基づいて、最終的な測定結果としての距離を決定する決定手段とを備える。
【0009】
例えば、送信手段は、次のように構成される。即ち、第1の周波数の第1のCWを発生する第1のCW発振部、第2の周波数の第2のCWを発生する第2のCW発振部、第1のCWと第2のCWとを交互に切り替えて出力する切替部、その切替部の切替タイミングを制御する切替制御部、切替部から出力される2周波CWをAM変調するAM変調部、AM変調部の出力信号を増幅等する増幅部、および、増幅部の出力信号を無線送信するアンテナ部を含むように、送信手段は構成される。
【0010】
例えば、AM発生手段は、上述したAM変調部で利用されるAM変調信号を発生できる信号発振器としてのAM変調信号発生部により構成される。
【0011】
例えば、受信手段は、受信信号を受信するアンテナ部、および、そのアンテナ部に受信された受信信号を増幅等する増幅部を含むように構成される。
【0012】
例えば、第1の距離測定手段は、次のように構成される。増幅部の出力信号から2周波CWを抽出する抽出部、その2周波CWを周波数解析することで、第1のCWについての第1のドップラ信号の位相と第2のCWについての第2のドップラ信号の位相を検出するドップラ周波数解析部、第1のドップラ信号と第2のドップラ信号との位相差を求める位相比較部、および、位相比較部からの位相差に基づいて距離を演算する距離演算部を含むように構成される。
【0013】
換言すると、送信手段、AM発生手段、受信手段、および、第1の距離測定手段のそれぞれは、例えば、2周波CW方式のセンサを構成する各部分のうちの対応する部分によりそれぞれ構成される。
【0014】
これにより、2周波CW方式による距離測定ができる。即ち、第1の距離測定手段により演算された距離とは、2周波CW方式による距離測定結果である。
【0015】
例えば、第2の距離測定手段は、次のように構成される。増幅部の出力信号からAM変調信号を復調するAM復調部、AM復調部により復調されたAM変調信号と、上述したAM変調信号発生部により発生されたAM変調信号との位相差を求める位相比較部、および、位相比較部からの位相差に基づいて距離を演算する距離演算部を含むように構成される。
【0016】
この場合、AM変調信号についての位相差は相対速度に依存しないので、この位相差を利用する第2の距離測定手段は、測定対象物との相対速度が0であっても、距離の測定ができるようになる。また、AM変調信号の周波数は、搬送波である2周波CWの周波数と比較すると、即ち、第1の周波数または第2の周波数と比較すると、低周波である。従って、この低周波のAM変調信号を利用する第2の距離測定手段については、搬送信号に比較的高周波のノイズが重畳した場合であっても、そのノイズに起因する距離誤差は、2周波CW方式による距離誤差と比較すると格段に小さくなる。
【0017】
例えば、決定手段は、信号処理を行う回路や、ソフトウエアとしての信号処理を実行するコンピュータ等で構成される。
【0018】
このように、決定手段では、2周波CW方式を利用する第1の距離測定手段により演算された距離のみならず、AM変調信号についての位相差を利用する第2の距離測定手段により演算された距離も考慮されて、最終的な測定結果としての距離が決定される。従って、2周波CW方式による距離測定の信頼性が向上することになる。
【0019】
前記第1の距離演算手段は、さらに、前記第1のドップラ信号と前記第2のドップラ信号とのドップラ周波数を検出し、それらのうちの少なくとも一方のドップラ周波数を用いて、前記測定対象物との相対速度を演算し、前記決定手段は、前記第1の距離演算手段により演算された前記相対速度が閾値以下の場合、前記第2の距離演算手段により演算された前記距離を最終的な測定結果として決定し、前記相対速度が前記閾値を超えている場合、前記第1の距離演算手段により演算された前記距離を最終的な測定結果として決定することができる。
【0020】
これにより、決定手段を簡素に構成できる。即ち、決定手段が回路で構成されている場合には、その回路規模を縮小できる。また、ソフトウエアを実行するコンピュータで決定手段が構成されている場合には、そのソフトウエアの規模を縮小できる。
【0021】
前記送信手段は、前記第1のCWと前記第2のCWとを連続する搬送波として交互に、連続的にAM(Amplitude Modulation)変調し、その結果得られる信号を送信信号として送信するまでの1つの系統で構成される。
【0022】
即ち、2周波CW方式を使用する場合、すでに周波数変動しているため、FM系の変調はできない。換言すると、2周波を交互に送信しながら、連続的な変調をかけられるのはAMだけである。このことから、前記送信手段は、2周波を交互に送信しながら、連続的な変調をかけられる、という効果を奏することが可能になる。換言すると、他者との相対速度がゼロ近傍では、特許文献2のような周波数パルスCW方式やFM−CW方式を併用する場合には、送信手段は2系統が必要になるが、本発明では、このように1系統の送信手段で済む、という効果を奏することが可能になる。
【0023】
本発明の一側面の測定方法は、測定対象物との距離を少なくとも測定する測定装置の測定方法であって、第1の周波数の第1のCWと第2の周波数の第2のCWとを搬送波として交互に、AM変調信号を用いてAM変調し、その結果得られる信号を送信信号として送信し、前記送信信号の前記測定対象物における反射信号を受信信号として受信し、前記受信信号から、前記第1のCWに対する第1のドップラ信号と前記第2のCWに対する第2のドップラ信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第1の方式に従って前記測定対象物との距離を演算し、また、前記受信信号から前記AM変調信号を復調し、復調後の前記AM変調信号と、前記AM変調に用いられた前記AM変調信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第2の方式に従って前記測定対象物との距離を演算し、前記第1の方式に従って演算された前記距離と、前記第2の方式に従って演算された前記距離とに基づいて、最終的な測定結果としての距離を決定するステップを含む。
【0024】
これにより、2周波CW方式による距離測定の信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のごとく、本発明によれば、2周波CW方式による距離測定を行うことができる。特に、その信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
はじめに、図1と図2を参照して、本発明の原理について説明する。
【0027】
本発明は、2周波CW方式による距離測定を前提とするものである。そこで、図1を参照して、2周波CW方式による距離測定の概略について説明する。
【0028】
測定装置1は、周波数f1のCW(Continuous Wave)と、周波数f2のCWとを時分割で切り替えた結果得られる信号(以下、2周波CWと称する)を搬送波として生成し、その2周波CWをAM変調信号を用いてAM変調し、その結果得られる信号を送信信号Ssとして出力する。即ち、送信信号Ssは、2つの周波数f1,f2を有しているといえる。
【0029】
この送信信号Ssは測定対象物2において反射し、その反射信号が受信信号Srとして測定装置1に受信される。
【0030】
このとき、測定装置1と測定対象物2との間に相対速度vが存在すれば、送信信号Ssの周波数f1,f2のそれぞれに対してドップラ周波数△f1,△f2のそれぞれが発生し、その結果、受信信号Srの周波数は、周波数f1+△f1,f2+△f2となる。
【0031】
換言すると、2つの周波数f1+△f1,f2+△f2を有する2周波CWが、AM変調信号を用いてAM変調された結果得られる信号が、受信信号Srと等価な信号となる。
【0032】
そこで、測定装置1は、この受信信号Srからドップラ周波数△f1または△f2を検出して、次の式(1)または式(2)の演算を行うことで、測定装置1と測定対象物2との相対速度vを求めることができる。
【0033】
v = c * △f1 / (2*f1) ・・・(1)
v = c * △f2 / (2*f2) ・・・(2)
なお、cは光速を表している。
【0034】
また、測定装置1は、ドップラ周波数△f1のドップラ信号の位相△φ1と、ドップラ周波数△f2のドップラ信号の位相△φ2とを、受信信号Srから検出して、次の式(3)の演算を行うことで、測定装置1と測定対象物2との間の距離Lを求めることができる。
【0035】
L = c * (△φ1 − △φ2) / 4π * (f1 − f2) ・・・(3)
【0036】
このような式(3)で示される距離測定が、2周波CW方式による距離測定である。
【0037】
ここで、上述した式(1)と式(2)とのそれぞれは、次の式(4)と式(5)とのそれぞれに変形できる。
【0038】
△f1 = 2*v*f1 / c ・・・(4)
△f2 = 2*v*f2 / c ・・・(5)
【0039】
この式(4)と式(5)とから明らかなように、測定装置1と測定対象物2との間の相対速度v=0の場合、ドップラ周波数△f1,△f2は何れも0となる。従って、測定装置1は、ドップラ周波数△f1についての位相△φ1と、ドップラ周波数△f2についての位相△φ2を取り出すことができなくなり、その結果、測定装置1と測定対象物2との間の距離Lを求めることができなくなってしまう。即ち、[発明が解決しようとする課題]で上述した第1の問題が発生してしまう。
【0040】
そこで、本発明人は、かかる第1の問題を解決すべく、次のような距離測定の手法を発明した。
【0041】
即ち、送信信号SsのAM包絡線AMsと、受信信号SrのAM包絡線AMrとの間には、図2に示されるように、その電波の往復距離に応じた位相差、即ち、測定装置1と測定対象物2との間の距離Lに応じた位相差が生じる。このAM包絡線の位相差は、測定装置1と測定対象物2との間の相対速度vに依存しない。そこで、測定装置1は、このAM包絡線の位相差を利用することで、相対速度vによらず、即ち、相対速度v=0であっても、測定装置1と測定対象物2との間の距離Lを求めることが可能になる。このような手法が、本発明人により発明された手法であり、以下、上述した2周波CW方式と区別するために、AM位相差方式と称することにする。
【0042】
具体的には、AM位相差方式では、次の式(6)の演算を行うことで、測定装置1と測定対象物2との間の距離Lが得られることになる。
【0043】
L={(c/fAM)*(ΔφAM/360)}/2 ・・・(6)
なお、式(6)において、fAMは、送信信号SsのAM包絡線AMsと、受信信号SrのAM包絡線AMrとの周波数を示している。cは、光速を示している。ΔφAMは、送信信号SsのAM包絡線AMsと、受信信号SrのAM包絡線AMrとの位相差(図2参照)を示している。
【0044】
さらに、このAM位相差方式では、高周波の搬送波であるCWに比較して低周波のAM包絡線、例えば1MHz程度のAM包絡線が利用されるので、受信信号Srに比較的高周波のノイズがたとえ重畳していたとしても、そのノイズに起因する距離誤差は、2周波CW方式での距離誤差と比較して格段に小さくなる。即ち、AM位相差方式を利用することで、[発明が解決しようとする課題]で上述した第1の問題のみならず第2の問題も解決できるようになる。
【0045】
ただし、AM位相差方式では、高周波の搬送波であるCWに比較して低周波のAM包絡線を利用するがゆえ、その分解能は2周波CW方式と比較して低くなる。
【0046】
即ち、2周波CW方式とAM位相差方式とを比較するに、2周波CW方式は、分解能が高いというメリットはあるが、相対速度v=0の場合やノイズが重畳した場合等の環境変化に弱い、即ち、距離測定の信頼性は高くないというデメリットがある。これに対して、AM位相差方式は、相対速度v=0の場合やノイズが重畳した場合等の環境変化に強い、即ち、距離測定の信頼性は高いというメリットはあるが、分解能が低いというデメリットがある。
【0047】
そこで、本発明人は、2周波CW方式とAM位相差方式とのデメリットを相互に補うべく即ち、2周波CW方式に着目して換言すると、2周波CW方式による距離測定の信頼性を向上させるべく、さらに、次のような距離測定の手法を発明した。
【0048】
即ち、2周波CW方式に従って演算された距離(以下、距離Lcwと称する)と、AM位相差方式に従って演算された距離(以下、距離Lamと称する)とに基づいて、最終的な測定結果としての距離(以下、距離Lrと称する)を決定する、といった手法が、本発明人によりさらに発明された。以下、かかる手法を、2周波CW/AM位相差方式と称する。
【0049】
この2周波CW/AM位相差方式において、距離Lrの決定手法自体は、距離Lcwと距離Lamとの両者を利用する手法であれば特に限定されない。
【0050】
具体的には例えば、2周波CW方式では、上述したように、測定装置1と測定対象物2との間の相対速度vも測定可能である。そこで、相対速度vが閾値以下の場合、距離Lamを距離Lrとして決定し、相対速度vが閾値を超えた場合、距離Lcwを距離Lrとして決定する、といった決定手法を採用することができる。これにより、相対速度vに依存せず、即ち、相対速度v=0であっても、距離Lrを出力することが可能になる。
【0051】
また、例えば、距離Lcwを、距離Lamを利用して補正し、その補正結果を距離Lrとして出力する、といった決定手法を採用することができる。これにより、受信信号Srにノイズが重畳していても、即ち、測定装置1の回路内部で搬送波にノイズが重畳されたり、或いは、測定装置1と測定対象物2との間の空間中でノイズが重畳されたとしても、そのノイズに起因する距離誤差を小さくすることができる。
【0052】
また、例えば、距離Lamを先行して求めた後、その距離Lamを利用して距離Lcwをさらに求め、この距離Lcwを距離Lrとして出力する、といった決定手法を採用することができる。これにより、距離Lrを出力するまでの処理速度を高速化することができる。
【0053】
さらにまた、これらの決定手法のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0054】
以上、本発明人により発明された2周波CW/AM位相差方式について説明した。この2周波CW/AM位相差方式が適用された測定装置1の一実施の形態が、図3に示されている。即ち、図3は、本発明を適用した測定装置の構成例を示している。
【0055】
図3の例の測定装置1は、CW発振部11−1乃至切替制御部30を含むように構成されている。
【0056】
CW発振部11−1は、例えば周波数f1(図1)のCWを発振し、切替部12に提供する。一方、CW発振部11−2は、例えば周波数f2(図1)のCWを発振し、切替部12に提供する。
【0057】
切替部12は、切替制御部30の制御に基づいて、CW発振部11−1からの周波数f1のCWと、CW発振部11−2からの周波数f2のCWとを交互に切り替えて、分岐部13に出力する。即ち、周波数f1,f2を有する2周波CWが切替部12から出力され、分岐部13に提供される。
【0058】
分岐部13は、切替部12からの2周波CWを、AM変調部14とAM復調部26とのそれぞれに提供する。
【0059】
AM変調部14は、AM変調信号発生部15からのAM変調信号を利用して、分岐部13からの2周波CWをAM変調し、増幅部16に提供する。増幅部16は、AM変調された2周波CWに対して増幅処理等の各種処理を適宜施し、その結果得られる信号を出力信号としてアンテナ部17に提供する。この増幅部16の出力信号が送信信号Ss(図1)として、電波の形態で出力される。
【0060】
この送信信号Ssは測定対象物2で反射し、その反射信号が受信信号Sr(図1)としてアンテナ部18に受信される。
【0061】
なお、図3の例では、送信用のアンテナ部17と受信用のアンテナ部18とが別個に設けられているが、送信用と受信用とを併用する1つのアンテナ部を設けるようにしてもよい。
【0062】
増幅部19は、アンテナ部18に受信された受信信号Srに対して、増幅処理等の各種処理を適宜施し、その結果得られる信号を出力信号として分岐部20に提供する。
【0063】
分岐部20は、増幅部19の出力信号を、2周波CW抽出部21とAM復調部26とのそれぞれに提供する。
【0064】
2周波CW抽出部21は、AM変調信号発生部15からのAM変調信号を利用して、増幅部19の出力信号から2周波CWを抽出して、ドップラ周波数解析部22に提供する。
【0065】
この2周波CW抽出部21により抽出される2周波CWは、図1を用いて上述したように、周波数f1+△f1と、周波数f2+△f2とを有する。即ち、2周波CW抽出部21からは、あたかも、周波数f1+△f1のCWと、周波数f2+△f2のCWとが時分割で交互に切り替えられて順次出力されることになる。
【0066】
そこで、ドップラ周波数解析部22は、切替制御部30による切替部12の切替タイミングに基づいて、周波数f1+△f1のCWと、周波数f2+△f2のCWとを切り分ける。
【0067】
そして、ドップラ周波数解析部22は、周波数f1+△f1のCWに対して例えばFFT(Fast Fourier Transform)解析処理等を施すことで、ドップラ周波数△f1とその位相φ1を検出し、ドップラ周波数△f1を速度演算部23に提供するとともに、位相φ1を位相比較部24に提供する。
【0068】
同様に、ドップラ周波数解析部22は、周波数f2+△f2のCWに対して例えばFFT解析処理等を施すことで、ドップラ周波数△f2とその位相φ2を検出し、ドップラ周波数△f2を速度演算部23に提供するとともに、位相φ2を位相比較部24に提供する。
【0069】
速度演算部23は、ドップラ周波数解析部22からのドップラ周波数△f1を用いて上述した式(1)を演算するか、または、ドップラ周波数解析部22からのドップラ周波数△f2を用いて上述した式(2)を演算し、その演算結果を、測定装置1と測定対象物2との相対速度vr(実際の相対速度vに対して誤差を含む可能性があるので、vrと記述している)として、外部に出力するとともに距離決定部29に提供する。
【0070】
また、位相比較部24は、ドップラ周波数解析部22からの位相φ1と位相φ2との差、即ち、位相差φ1−φ2を算出し、距離演算部25に提供する。距離演算部25は、この位相差φ1−φ2を用いて上述した式(3)を演算し、その演算結果を距離Lcwとして距離決定部29に提供する。
【0071】
このように、図1の例では、主に2周波CW抽出部21乃至距離演算部25において、2周波CW方式による距離測定と相対速度測定とが行われる。
【0072】
これに対して、図1の例では、主にAM復調部26乃至距離演算部28において、AM位相差方式による距離測定が行われる。
【0073】
即ち、AM復調部26は、分岐部13からの2周波CWを利用して、増幅部19の出力信号からAM変調信号を復調して、位相比較部27に提供する。
【0074】
即ち、このAM復調部26からのAM変調信号は、受信信号SrのAM包絡線AMr(図2)を示す信号(以下、AM包絡線と区別せずに単に、AM変調信号AMrと称する)として位相比較部27に入力される。一方、AM変調信号発生部15からのAM変調信号が、送信信号SsのAM包絡線AMs(図2)を示す信号(以下、AM包絡線と区別せずに単に、AM変調信号AMsと称する)として位相比較部27に入力される。そこで、位相比較部27は、AM変調信号発生部15からのAM変調信号AMsと、AM復調部26からのAM変調信号AMrとの位相差ΔφAMを算出し、距離演算部28に提供する。距離演算部28は、この位相差ΔφAMを用いて上述した式(6)を演算し、その演算結果を距離Lamとして距離決定部29に提供する。
【0075】
このようにして、距離決定部29には、2周波CW方式の測定結果である距離Lcwが距離演算部25から提供され、また、AM位相差方式の測定結果である距離Lamが距離演算部28から提供される。そこで、距離決定部29は、距離Lcwと距離Lamとに基づいて、最終的な測定結果としての距離Lrを決定して外部に出力する。
【0076】
なお、距離決定部29による距離Lrの決定手法は、上述したように、距離Lcwと距離Lamとの両者を利用する手法であれば特に限定されない。
【0077】
具体的には例えば、図1の例では、速度演算部23から相対速度vrが提供されている。そこで、距離決定部29は、上述したように、相対速度vrが閾値以下の場合、距離Lamを距離Lrとして外部に出力し、相対速度vrが閾値を超えた場合、距離Lcwを距離Lrとして外部に出力することができる。この決定手法に従って距離を測定するまでの一連の処理(以下、距離を測定するまでの一連の処理を、距離測定処理と称する)が、図4のフローチャートに示されている。
【0078】
図4のステップS1において、測定装置1は、2周波CWを生成する。即ち、このステップS1の処理は、上述したように、主にCW発振部11−1乃至切替部12および切替制御部30により実行される。
【0079】
ステップS2において、測定装置1は、2周波CWを、AM変調信号を用いてAM変調することで、送信信号Ssを生成する。そして、ステップS3において、測定装置1は、この送信信号Ssを送信する。即ち、このステップS2とS3の処理は、上述したように、主にAM変調部14乃至アンテナ部17により実行される。
【0080】
このようにしてステップS3の処理で送信された送信信号Ssが測定対象物2で反射すると、ステップS4において、測定装置1は、その反射信号を受信信号Srとして受信する。即ち、このステップS4の処理は、上述したように、主にアンテナ部18と増幅部19により実行される。
【0081】
ステップS5において、測定装置1は、AM位相差方式を用いて受信信号Srから距離Lamを測定する。即ち、このステップS5の処理は、上述したように、主に、AM復調部26乃至距離演算部28により実行される。
【0082】
ステップS6において、測定装置1は、距離Lamが閾値以上であるか否かを判定する。このステップS6の処理は、主に距離決定部29により実行される。
【0083】
ステップS6において、距離Lamが閾値以上であると判定した場合、測定装置1は、ステップS10において、ステップS6の処理でAM位相差方式により測定された距離を出力する。即ち、ステップS10の処理では、距離Lamが距離Lrとして出力される。これにより、距離測定処理は終了となる。このステップS10の処理も主に距離決定部29により実行される。
【0084】
即ち、本実施の形態では例えば、測定装置1の最終的な測定結果としての距離Lrは、測定対象物2としての他車との衝突を回避するための動作(以下、衝突回避動作と称する)を行う図示せぬ別の装置に提供される。そして、別の装置が、この距離Lrに基づいて、衝突回避動作の実行有無を判定する。詳細には、距離Lrが遠距離の場合には、他者との衝突の可能性が低いとして、別の装置は、衝突回避動作を実行しないと判定する。これに対して、距離Lrが近距離の場合には、他者との衝突の可能性が高いとして、別の装置は、衝突回避動作を実行すると判定する。
【0085】
従って、距離Lrが遠距離の場合には、その距離Lrの精度の高さはさほど要求されないので、即ち、多少の誤差は容認されるので、ステップS6の処理でAM位相差方式による距離Lamが閾値以上と判定された場合、即ち、距離Lamが遠距離である場合には、測定装置1は、自身の処理負荷の軽減を優先させて、その距離Lamを距離Lrとして、衝突回避動作を行う別の装置に提供するのである。換言すると、本実施の形態では、他車が遠方にいる間は、測定装置1の距離演算部29は、図3には図示しないが2周波CW抽出部21乃至距離演算部25等の動作を禁止して、AM位相差方式により測定された距離Lamを距離Lrとして出力するようにすることで、その処理負荷を軽減させるといった効果を奏することが可能になる。
【0086】
これに対して、ステップS6において、距離Lamが閾値未満になったと判定された場合、衝突回避動作を行う可能性がある範囲内まで他車が近づいてきたとして、次のようなステップS7以降の処理が実行される。
【0087】
即ち、ステップS7において、測定装置1は、2周波CW方式を用いて受信信号Srから距離Lcwと相対速度vrを測定する。即ち、このステップS5の処理は、上述したように、主に、2周波CW抽出部21乃至距離演算部25により実行される。換言すると、ステップS6の処理で距離Lamが閾値未満になったと判定されると、2周波CW抽出部21乃至距離演算部25の動作禁止が解除され、ステップS7の処理が実行される。
【0088】
ステップS8において、測定装置1は、相対速度vrが閾値以下であるか否かを判定する。
【0089】
ステップS8において、相対速度vrが閾値以下ではない、即ち、相対速度vrが閾値を超えていると判定した場合、測定装置1は、ステップS9において、ステップS7の処理で2周波CW方式により測定された距離を出力する。即ち、ステップS9の処理では、距離Lcwが距離Lrとして出力される。これにより、距離測定処理は終了となる。
【0090】
これに対して、ステップS8において、相対速度vrが閾値以下であると判定した場合、測定装置1は、ステップS10において、ステップS5の処理でAM位相差方式により測定された距離を出力する。即ち、ステップS10の処理では、距離Lamが距離Lrとして出力される。これにより、距離測定処理は終了となる。
【0091】
以上のステップS8乃至S10の処理は、上述したように、主に距離決定部29により実行される。
【0092】
なお、距離測定処理において、図4の例では、測定装置1からの距離Lrが衝突回避動作を行う別の装置に提供されることを前提としているため、ステップS6の判定処理が挿入されているが、測定装置1からの距離Lrはその他様々な用途に使用可能であり、その用途によってはステップS6の判定処理は必須ではない。また、ステップS6の判定処理における対象は、距離に限定されず、その他の対象、例えば、他車との接近速度、即ち、相対速度Vr等を採用してもよいし、2以上の対象を組み合わせてもよい。
【0093】
なお、測定装置1からの距離Lrの使用用途の別の例としては、例えば、自車と他車との車間距離を常に一定にする走行、即ちいわゆるコンボイ走行を実現させる動作に使用する用途等が挙げられる。即ち、かかる動作は基本的に相対速度Vrを0にすることを目的とするので、測定装置1から出力される距離Lrを適用させると好適である。
【0094】
ところで、上述した一連の処理(或いはそのうちの一部分の処理)は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。
【0095】
この場合、その一連の処理を実行する測定装置またはその一部分は、例えば、図5に示されるようなコンピュータで構成することができる。
【0096】
図5において、CPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記録されているプログラム、または記憶部108からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0097】
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インタフェース105も接続されている。
【0098】
入出力インタフェース105には、キーボード、マウスなどよりなる入力部106、ディスプレイなどよりなる出力部107、ハードディスクなどより構成される記憶部108、および、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部109が接続されている。通信部109は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との通信処理を行う。さらにまた、通信部109は、図1でいう測定対象物2を測定するための送信信号Ssや受信信号Srの送受信処理も行う。
【0099】
入出力インタフェース105にはまた、必要に応じてドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア111が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
【0100】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0101】
このようなプログラムを含む記録媒体は、図5に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア(パッケージメディア)111により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM102や、記憶部108に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0102】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0103】
以上説明したように、本発明の2周波CW/AM位相差方式は、2周波CW方式とAM位相差方式とを組み合わせた距離測定が可能になるので、測定対象物との相対速度が0であっても距離測定ができるようになり、また、搬送信号に比較的高周波のノイズが重畳した場合であっても、そのノイズに起因する距離誤差を従来と比較して格段に小さくできる、という効果を奏することが可能になる。
【0104】
さらに、本発明の2周波CW/AM位相差方式が適用された測定装置、即ち、本発明の測定装置は、次のような効果も奏することが可能になる。特に、上述した特許文献2の従来の測定装置と比較すると、その効果は顕著なものとなる。
【0105】
即ち、本発明の測定装置は、FM−CW方式を利用する場合と比較して、発振器に工夫が不要となるなので、回路が複雑にならない、という効果を奏することが可能になる。
【0106】
本発明の測定装置は、FM−CW方式を利用する特許文献2等の従来の測定装置と比較して、安価に製造できる、という効果を奏することが可能になる。FM−CW方式で周波数変調の直線性を確保する発振器は高価であるが、かかる高価の発振器は本発明の測定装置には不要だからである。また、AM位相差方式の回路部分は、復調回路が簡単なものではダイオードで作れるなど簡単な構成でよいので、他の方式の回路部分と比較して安価にできるからである。
【0107】
また、2周波CW方式を使用する場合、すでに周波数変動しているため、FM系の変調はできない。即ち、2周波を交互に送信しながら、連続的な変調をかけられるのはAMだけである。従って、本発明の測定装置は、2周波を交互に送信しながら、連続的な変調をかけられる、という効果を奏することが可能になる。換言すると、他者との相対速度がゼロ近傍では、特許文献2のような周波数パルスCW方式やFM−CW方式を併用する場合には、2系統の送信アンテナ等が必要になるが、本発明の測定装置では1系統の送信アンテナで済む、という効果を奏することが可能になる。
【0108】
また、2周波CW方式におけるパルス変調では、出力している時間がAMに比べて短時間になり、処理できる機会が減少し、また処理時間が長く必要になる、というデメリットがある。これに対して、AMは、100%変調でなければ、出力レベルの低下はある程度抑えられるため、パルス変調に比べると優位性がある。即ち、本発明の測定装置は、AM位相差方式を併用することで、パルス変調のデメリットをカバーすることができる、という効果を奏することが可能になる。
【0109】
また、上述した本発明の2周波CW/AM位相差方式は、図3の構成の測定装置1のみならず、様々な構成の装置やシステムに適用可能である。なお、ここに、システムとは、複数の処理装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】2周波CW方式を説明する図である。
【図2】本発明が適用されるAM位相差方式を説明する図である。
【図3】本発明が適用される測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の測定装置の距離測定処理例を説明するフローチャートである。
【図5】本発明が適用される距離理装置の全部または一部分の構成の別の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0111】
1 測定装置
2 測定対象物
11−1,11−2 CW発振部
12 切替部
13 分岐部
14 AM変調部
15 AM変調信号発生部
16 増幅部
17 アンテナ部
18 アンテナ部
19 増幅部
20 分岐部
21 2周波CW抽出部
22 ドップラ周波数解析部
23 速度演算部
24 位相比較部
25 距離演算部
26 AM復調部
27 位相比較部
28 距離演算部
29 距離決定部
30 切替制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 バス
105 入出力インタフェース
106 入力部
107 出力部
108 記憶部
109 通信部
110 ドライブ
111 リムーバブルメディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物との距離を少なくとも測定する測定装置において、
第1の周波数の第1のCW(Continuous Wave)と第2の周波数の第2のCWとを搬送波として交互に、AM変調信号を用いてAM(Amplitude Modulation)変調し、その結果得られる信号を送信信号として送信する送信手段と、
前記AM変調で用いられる前記AM変調信号を発生するAM発生手段と、
前記送信手段から送信された前記送信信号の前記測定対象物における反射信号を受信信号として受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された前記受信信号から、前記第1のCWに対する第1のドップラ信号と前記第2のCWに対する第2のドップラ信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第1の方式に従って前記測定対象物との距離を演算する第1の距離演算手段と、
前記受信手段に受信された前記受信信号から前記AM変調信号を復調し、復調後の前記AM変調信号と、前記AM発生手段から発生された前記AM変調信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第2の方式に従って前記測定対象物との距離を演算する第2の距離演算手段と、
前記第1の距離演算手段により演算された前記距離と、前記第2の距離演算手段により演算された前記距離とに基づいて、最終的な測定結果としての距離を決定する決定手段と
を備える測定装置。
【請求項2】
前記第1の距離演算手段は、さらに、前記第1のドップラ信号と前記第2のドップラ信号とのドップラ周波数を検出し、それらのうちの少なくとも一方のドップラ周波数を用いて、前記測定対象物との相対速度を演算し、
前記決定手段は、前記第1の距離演算手段により演算された前記相対速度が閾値以下の場合、前記第2の距離演算手段により演算された前記距離を最終的な測定結果として決定し、前記相対速度が前記閾値を超えている場合、前記第1の距離演算手段により演算された前記距離を最終的な測定結果として決定する
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記第1のCWと前記第2のCWとを連続する搬送波として交互に、連続的にAM(Amplitude Modulation)変調し、その結果得られる信号を送信信号として送信するまでの1つの系統で構成される
請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
測定対象物との距離を少なくとも測定する測定装置の測定方法において、
第1の周波数の第1のCWと第2の周波数の第2のCWとを搬送波として交互に、AM変調信号を用いてAM変調し、その結果得られる信号を送信信号として送信し、
前記送信信号の前記測定対象物における反射信号を受信信号として受信し、
前記受信信号から、前記第1のCWに対する第1のドップラ信号と前記第2のCWに対する第2のドップラ信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第1の方式に従って前記測定対象物との距離を演算し、
また、前記受信信号から前記AM変調信号を復調し、復調後の前記AM変調信号と、前記AM変調に用いられた前記AM変調信号との位相差を検出し、その位相差を利用する第2の方式に従って前記測定対象物との距離を演算し、
前記第1の方式に従って演算された前記距離と、前記第2の方式に従って演算された前記距離とに基づいて、最終的な測定結果としての距離を決定する
ステップを含む測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−256095(P2007−256095A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81259(P2006−81259)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】