説明

湯切り機能付き蓋材

【課題】即席食品容器の湯切り機能付き蓋材において、蓋材の両サイドに手を添えて湯切り操作をしても火傷などの危惧がなく、湯切り口の位置をフランジ部付近に設定でき、湯残りのない湯切り機能付き蓋材の提供にある。
【解決手段】裏面がフランジ部21にシールされる裏面シート10と、紙層40を主体とし、裏面には剥離層30が施されている表面シート20が接着層15を介して積層され、外周には開封用プルタブ13が設けられ、これと対峙する外周縁近傍に数個の湯切り口形成用ハーフカット50と、その外周縁に向かって延び、略中央で連結する所定の幅W1の2本の開口用ハーフカット52が裏面シート10側から剥離層30まで刻設され、前記表面シート20には開口用ハーフカット52の外側平行に表面シート剥離用ミシン目54が施されている湯切り機能付き蓋材1とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、やきそばなど即席食品等の密封包装に使用する即席食品用容器の蓋材に関するものであり、特に即席食品を柔らかくほぐすために注入する熱湯を排出する湯切り口を備えた湯切り機能付蓋材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、即席用のやきそば、スパゲティ等を食するに際し、熱湯を注いで所定の時間が経過した後に排湯(湯切り)処理を必要とする即席食品用容器が知られ、その即席食品用容器を密封する湯切り機能を有する蓋材として、例えば、図9の側断面図に示すように、突き破り用孔(77)が穿設された表面シート(20)の裏面にアルミニウム箔(17)とシーラント層(16)を積層したものがある。
【0003】
しかし、この蓋材では、搬送中などで意に反して突き破り用孔(77)が破れたり、また湯切りに際しては、箸などで突き破り用孔(77)からアルミニウム箔(17)とシーラント層(16)を突き破らなければならず、よって箸などを必要とすることや破られた開口部の大きさやその形状が一定にならないのでスムーズな湯切りができず、また破りカスが食品等に混入する危惧があるなどの問題点があった。
【0004】
これに対し、最近開発されたものに、例えば、図10(a)の平面図およびそのB−B面を表す図10(b)の側断面図に示すような湯切り機能を備えた蓋材(4)がある。それは、表面シート(20)を外面側にして、その内面側(食品側)に裏面シート(10)を重ね合わせ積層したシート状の蓋材(例えば円形状)であり、その蓋材の外周円弧部分からその内側にかけて一部領域の前記裏面シート(10)と表面シート(20)との重ね合わせ内面には、剥離剤(剥離ニス)を塗布することにより形成された剥離層(30)による易剥離領域(L1)を備え、それ以外の該裏面シート(10)と表面シート(20)との重ねあわせ内面には、接着層(15)で接着された状態の接着領域(L2)を備えている。
【0005】
そして、易剥離領域(L1)内における複合シート(10)に易剥離領域(L1)内の非剥離領域(60)を囲むように1個所乃至数個所(図面では4箇所)の湯切り口形成用ハーフカット(50)が形成されていて、前記裏面シート(10)と表面シート(20)とは非剥離領域(60)の接着層(15)で互いに接着している。
【0006】
さらに表面シート剥離用プルタブ(12)がミシン目(6)近傍の易剥離領域(L1)の周縁に設けられ、接着領域(L2)側の外周縁には開封用プルタブ(13)が設けられている。この表面シート剥離用プルタブ(12)の基部に裏面シート(20)側から剥離用ハーフカット(5)が設けられ、接着領域(L2)の周縁の略中央には開封用プルタブ(13)が設けられている。
【0007】
上記のような構造の即席食品容器の湯切り機能を備えた蓋材(4)は、図11の側断面図に示すように、即席食品を入れた容器本体(2)の上端開口部にあるフランジ部(21)に接着シールして容器本体(2)を密封包装することにより即席食品を密封包装した即席食品用容器とするものである。
【0008】
上記のようにして即席食品を密封包装した容器本体(2)の湯切り機能を備えた蓋材(4)において、図10(a)に示す接着領域(L2)側の外周縁にある開封用プルタブ(13)を引っ張り上げて、図13に示す容器本体(2)のフランジ部(21)から接着領
域(L2)側の裏面シート(10)を部分的に剥がして開口し、その開口部(図示せず)より熱湯を注入した後、外周縁にある開封用プルタブ(13)を再度フランジ部(21)の外側に折り込むようにして再封し、数分間放置して容器本体(2)の中にある即席食品(図示せず)を蒸らして柔らかくほぐす。
【0009】
その後、図10(a)の平面図に示す易剥離領域(L1)の周縁にある表面シート剥離用プルタブ(12)をつまみ、図12の斜視図に示すように、 表面シート剥離用プルタブ(12)を引っ張り上げて、易剥離領域(L1)の表面シート(20)を裏面シート(10)から剥離するとともに、その表面シート(20)がミシン目(6)に沿って切り離され、この表面シート(20)に接着している4個(1個は見えない)の湯切り口形成用ハーフカット領域内(図10(b)に示す非剥離領域(60))の裏面シート(10)とともに切り離され、易剥離領域(L1)の裏面シート(10)に4個の湯切り口(70)を形成する。
【0010】
続いて、例えば、図13の斜視図に示すように、再封した湯切り機能を備えた蓋材(4)の両サイドに手(8)を添え、容器本体(2)ごと湯切り口(70)側に傾けて中にある湯をこの湯切り口(70)から排湯(24)として排出し、再度容器本体(2)のフランジ部(21)から湯切り機能を備えた蓋材(4)の全部を剥離して、既に蒸らされてほぐされたやきそばなどの即席食品(図示せず)を食することができるようになっているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
以下に上記先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2000−109141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の従来の湯切り機能を備えた蓋材(4)では、例えば、図13に示すように、湯切り口(70)側に容器本体(2)毎傾けて湯切り操作をする際に、再封した湯切り機能を備えた蓋材(4)の両サイドに手(8)を添えると、開封の際、湯切り機能を備えた蓋材(4)がその両サイドのフランジ部(21)から剥離されている部分(21a)から熱湯があふれて火傷となる危惧があり、また、図12に示すように、この湯切り機能を備えた蓋材(4)の外周縁に表面シート剥離用プルタブ(12)と開封用プルタブ(13)と似たようなつまみが2個あるため、調理方法を誤って剥離するといった事故が発生するという問題点があった。
【0013】
さらにまた、湯切り口(70)の位置として、湯切り操作時に、注いだ湯の湯残りがないようにできるだけフランジ部(21)付近に設定すべきであるが、この湯切り機能を備えた蓋材(4)では、表面シート(20)の剥離時に湯切り口(70)残り(フランジ部(21)にかかった場合の湯切り口(70)は、正常な円形状とならず半円形状等となること)が発生するという問題点があった。
【0014】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、表面シートと裏面シートが剥離剤層を介して積層されてなる即席食品容器の湯切り機能付き蓋材において、再封した湯切り機能付き蓋材の両サイドに手を添えて、容器を傾けて湯切り操作をしても、熱湯で火傷をするという危惧がなく、また、外周縁に2個の紛らわしい摘み(プルタブ)がなく(調理方法を誤る事故のない)、さらにまた、湯切り口の位置をフランジ部付近に設定できて、注いだ湯の湯残りのない湯切り機能付き蓋材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず、請求項1の発明では、裏面が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形状で、少なくとも裏面がシーラント層でなる裏面シートと、紙層を主体とし、裏面には剥離層が施されている表面シートが接着層を介して積層され、外周には前記フランジ部からはみ出している開封用プルタブが設けられ、該開封用プルタブと対峙する外周縁近傍に1乃至数個の略円形状の湯切り口形成用ハーフカットおよび前記開封用プルタブ側からそれと対峙する外周縁に向かって略中央部まで延びて連結される、所定の幅を有する2本の開口用ハーフカットが前記裏面シート側から剥離層まで設けられ、前記表面シートに前記2本の開口用ハーフカットに対し外側で平行に前記開封用プルタブ側周縁からそれと対峙する外周縁まで表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目が施されていることを特徴とする湯切り機能付き蓋材としたものである。
【0016】
また、請求項2の発明では、前記剥離層が施されている領域は、2本の表面シートに形成される表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目の内側であることを特徴とする請求項1記載の湯切り機能付き蓋材としたものである。
【0017】
また、請求項3の発明では、前記2本の開口用ハーフカットの略中央部で連結している開口用ハーフカットと湯切り口形成用ハーフカットとの間の表面シートに、2本の表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目を略垂直に結ぶ折り返し用ミシン目が施されていることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り機能付き蓋材としたものである。
【0018】
また、請求項4の発明では、前記2本の開口用ハーフカットの略中央部で連結している開口用ハーフカットと湯切り口形成用ハーフカットとの間の剥離層に、剥離強度が増加した部分が施されていることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り機能付き蓋材としたものである。
【0019】
さらにまた、請求項5の発明では、前記表面シートは、紙層単体ないしプラスチックフィルムでなる保護層との積層体からなり、前記裏面シートは、アルミニウム箔とシーラント層の積層体からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の湯切り機能付き蓋材としたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
【0021】
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、裏面が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形状で、少なくとも裏面がシーラント層でなる裏面シートと、紙層を主体とし、裏面には剥離層が施されている表面シートが接着層を介して積層され、外周には前記フランジ部からはみ出している開封用プルタブが設けられ、該開封用プルタブと対峙する外周縁近傍に1乃至数個の略円形状の湯切り口形成用ハーフカットおよび前記開封用プルタブ側からそれと対峙する外周縁に向かって略中央部まで延びて連結される、所定の幅を有する2本の開口用ハーフカットが前記裏面シート側から剥離剤層まで設けられ、前記表面シートに該2本の開口用ハーフカットに対し外側平行に前記開封用プルタブ側周縁からそれと対峙する外周縁まで表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目が施されている湯切り機能付き蓋材とすることによって、
即席食品としてのやきそば等を食するに際し、まず開封用プルタブを摘み引っ張り上げて、容器本体のフランジ部から剥離してゆき、2本の開口用ハーフカットに達すると裏面シートがこの開口用ハーフカットにて切断されて、この2本の開口用ハーフカットの内側の裏面シートは表面シートに接着された状態で、2本の開口用ハーフカットの外側の裏面シートは表面シートから剥離層を介して剥離され、さらに2本の表面シート剥離用ミシン
目もしくは切り目に達すると表面シートがこの表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目に沿って切り離され、さらに2本の開口用ハーフカットが連結された略中央部分まで開封用プルタブを引っ張り上げると裏面シートに開口部が形成される。この状態でこの開口部から容器本体に収納されているソースや具などを取り出し、その開口部から熱湯を注ぎ、そののち開封した開封用プルタブのある部分を再封して数分間放置して、やきぞば等を蒸らし柔らかくほぐす。そののち再度開封用プルタブを摘み引っ張り上げ、表面シートを裏面シートから剥離してゆき、この開封用プルタブと対峙する外周縁近傍に形成された1乃至数個の略円形状の湯切り口形成用ハーフカットに達するとこの湯切り口形成用ハーフカットで裏面シートが切断され、この湯切り口形成用ハーフカットで囲まれた部分が表面シートに接着された状態となることによって、フランジ部にシールされて残された裏面シートに湯切り口が開口され、剥離された開封用プルタブ付の表面シートは取り除かれる。続いてこの開口された湯切り口を下にして容器を傾け、この湯切り口から湯切りすることができるものである。
【0022】
上記のような湯切り口からの湯切りに際したとえ、2本の表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目の外側(すなわち蓋材の両サイド)に手を添えて湯切りしたとしても、従来のように両サイドが開封によりフランジ部で剥離されていず、フランジ部に接着(シール)されたままなので、熱湯が漏れることがなくかつ熱くなく火傷などの事故のない湯切り機能付き蓋材とすることができる。
【0023】
また、上記のように外周縁には開封用プルタブのみとすることによって、消費者がプルタブの選択を間違い調理方法を誤るといった事故がなく、さらにこの開封用プルタブ側のみから表面シートを剥離して熱湯を注ぐための開口部と湯切りのための湯切り孔を形成できるようにしたので、1乃至数個の略円形状の湯切り口形成用ハーフカットを開封用プルタブと対峙する外周縁のフランジ部に近づけても正常な湯切り口を形成することができ、このように外周縁のフランジ部近傍に湯切り口が形成されるので、容器本体を湯切り孔を下にして傾けて湯切りする際に、湯切り残りのない湯切り機能付き蓋材とすることができる。
【0024】
また、上記請求項2に係る発明によれば、前記剥離層が施されている領域を、2本の表面シートに形成される表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目の内側とすることによって、表面シートの剥離が2本の表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目の内側のみで成されるようになり、よって体裁のよい開口部と湯切り孔の形成を可能にする湯切り機能付き蓋材とすることができる。
【0025】
また、上記請求項3に係る発明によれば、前記2本の開口用ハーフカットの略中央部で連結している開口用ハーフカットと湯切り口形成用ハーフカットとの間の表面シートに、2本の表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目を略垂直に結ぶ折り返し用ミシン目が施されていることによって、開封用プルタブ側から表面シートを剥離し開口部を形成した後に、この折り返し用ミシン目まで剥離すると一旦剥離が止まるようになるので、この時にこの折り返し用ミシン目で外側に折り曲げ、開口された開口部からソース等を取り出し熱湯を注いで閉封し、やきそば等を蒸らすようにすることができる。このように折り返し用ミシン目を施すことによって、剥離が止まらずに湯切り口まで開口してしまい、やきそば等を蒸らすことができなくなるといった問題点がなくなる湯切り機能付き蓋材とすることができる。
【0026】
また、上記請求項4に係る発明によれば、前記2本の開口用ハーフカットの略中央部で連結している開口用ハーフカットと湯切り口形成用ハーフカットとの間の剥離層に、剥離強度が増加した部分が施されていることによって、開封用プルタブ側から表面シートを剥離し開口部を形成した後に、この剥離強度が増加した剥離層の部分まで剥離すると一旦剥
離が止まるようになり、この時に開口された開口部からソース等を取り出し熱湯を注いで閉封し、やきそば等を蒸らすようにすることができる。このように剥離強度が増加した部分を施すことによって、剥離が止まらずに湯切り口まで開口してしまい、やきそば等を蒸らすことができなくなるといった問題点がなくなる湯切り機能付き蓋材とすることができる。
【0027】
また、上記請求項5に係る発明によれば、表面シートの構成が、紙層単体ないしプラスチックフィルムでなる保護層との積層体からなることによって、印刷適性に優れる紙層が表面から見え、その紙層に美麗な印刷が可能であり、さらにその上にプラスチックフィルムでなる透明乃至半透明な保護層を設けることによって、耐水性と耐磨耗性に優れる湯切り機能付き蓋材とすることができる。
【0028】
さらにまた、上記請求項5に係る発明によれば、裏面シートの構成が、最下層のシーラント層とその上に積層されるアルミニウム箔との積層体からなることによって、最下層のシーラント層で容器のフランジ部にヒートシールでシールし容易に密封することができ、その上のアルミニウム箔が、遮光性とガスバリア性に優れるので、内容物である乾燥やきそばや生麺などの保存性を高め、さらにまた、開封等で折り曲げた状態等を維持する性質、いわゆる「デットホールド性」に優れているので、この蓋材を開封する際に、開封した状態を維持すると、熱湯を注ぎ易くするなどの効果を有する湯切り機能付き蓋材とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
図1は、容器本体のフランジ部にシールした本発明の湯切り機能付き蓋材の一事例を示す上方からみた平面図であり、図2は、図1のA−A面を表す断面図であり、図3は、図1のB−B面を表す断面図である。
【0031】
本発明の湯切り機能付き蓋材は、例えば、図1および図2、図3に示すように、裏面が容器本体(2)のフランジ部(21)にシールされるもので、そのフランジ部(21)と略円形状でなり、裏面には剥離剤層(30)が施され、表面に保護フィルム(41)が施された紙層(40)とでなる表面シート(20)と、裏面からシーラント層(16)、アルミニウム箔(17)が積層された裏面シート(10)が接着層(15)を介して積層されている。
【0032】
その外周にはフランジ部(21)からはみ出している開封用プルタブ(13)が設けられ、その開封用プルタブ(13)と対峙する外周縁近傍に5個の楕円形状の湯切り口形成用ハーフカット(50)が裏面シート(10)側から表面シート(20)の紙層(40)に掛かる程度まで刻設され、さらに開封用プルタブ(13)側の外周縁からそれと対峙する外周縁に向かって略中央部まで延び、所定の幅(W1)を有する2本の開口用ハーフカット(52)が裏面シート(10)側から表面シート(20)の紙層(40)に掛かる程度まで刻設され、この2本の開口用ハーフカット(52)の先端が略中央部で連結されるように設けられている。
【0033】
さらにまた、この2本の開口用ハーフカット(52)に対しその外側でかつ平行に開封用プルタブ(13)側の外周縁からそれと対峙する外周縁まで延びる表面シート剥離用ミシン目(54)が表面シート(20)に施されている湯切り機能付き蓋材(1)とするものである。
【0034】
上記湯切り口形成用ハーフカット(50)の形状として、図1に示すような楕円形状の
他、円形状やトラック型(陸上競技のトラック)でもよく、略円形状で内容物が引っ掛かったりしない形状であれば、特に限定するものではない。
【0035】
また、上記2本の開口用ハーフカット(52)の所定の幅(W1)として、例えば、直径が180mmの円形状の湯切り機能付き蓋材(1)の場合で、80mm〜100mm程度が内容物(やきそばなど)を食したり、熱湯を注いだりするのにほぼ十分な開口部(22)で好ましく、また、その外側の表面シート剥離用ミシン目(54)の幅(W2)としては、100mm〜120mm程度とすることにより、両サイドに残す剥離しない部分を十分に取れ、湯切りの際に、容易に手を添えることができることなどから好適な幅とすることができる。
【0036】
また、2本の開口用ハーフカット(52)は、開封用プルタブ(13)側の外周縁近傍まで直線的に延びるようにしてもよいが、図1に示すように、内側に湾曲状の凸部(52b)を設けてもよく、このような形状とすることによって、開封用プルタブ(13)を摘んで開封する時に、この部分(内側に湾曲状の凸部(52b))が開口用ハーフカット(52)の切断の起点となり、熱湯を注いだり、やきそば等を食するための開口部を形成し易くすることができる。
【0037】
図4は、本発明の湯切り機能付き蓋材の一事例を開封し、開口部を形成する工程の説明図であり、図5は、本発明の湯切り機能付き蓋材の一事例を開封し、湯切り口を形成する工程の説明図である。また、図6は、図5で形成した湯切り口から湯切りする工程の説明図である。
【0038】
以下に上記図4から図6の図面を用いて、本発明の湯切り機能付き蓋材の一事例を使用について詳細に説明する。
【0039】
上記のような構成の湯切り機能付き蓋材(1)を用いた即席食品容器において、例えば、内容物であるやきそばを食するに際し、まず、例えば、図4の斜視図に示すように、開封用プルタブ(13)を摘み引っ張り上げ、容器本体のフランジ部(21)から剥離してゆき、裏面シート(10)に刻設されている2本の開口用ハーフカット(52)に達すると裏面シート(10)がこの開口用ハーフカット(52)にて切断されて、この2本の開口用ハーフカット(52)の内側の裏面シート(10)は表面シート(20)に接着された状態で、2本の開口用ハーフカット(52)の外側にある裏面シート(10)は表面シート(20)から剥離層(図示せず)を介して剥離され、さらに2本の表面シート剥離用ミシン目(54)に達すると表面シート(20)がこの表面シート剥離用ミシン目(54)に沿って切り離され、さらに2本の開口用ハーフカット(52)が連結された略中央部分の開封用ハーフカット(52a)まで開封用プルタブ(13)を引っ張り上げると、2本の表面シート剥離用ミシン目(54)内の裏面シート(10)に開口部(22)が形成される。
【0040】
このような状態でこの開口部(22)から容器内に収納されているソースや具(図示せず)などを取り出し、その内部にあるやきそばや具の一部(図示せず)にこの開口部(22)から熱湯を注ぎ、そののち特に図示しないが開封した開封用プルタブのある部分を再封して数分間放置し、やきぞばを蒸らし柔らかくほぐす。
【0041】
続いて再度開封用プルタブを摘み引っ張り上げ、表面シートを裏面シートから剥離してゆき、この開口部(22)と対峙する外周縁近傍に刻設されている湯切り口形成用ハーフカットで裏面シートがカットされ、そのハーフカットで囲まれた部分が表面シートに接着された状態となることによって、例えば、図5の斜視図に示すように、5個の楕円形状の湯切り口(70)が裏面シート(10)に形成され、剥離された開封用プルタブ付の表面
シート(図示せず)は取り除かれる。
【0042】
続いて、例えば、図6の斜視図に示すように、開口された湯切り口(70)を下にして容器本体(2)ごと傾け、この湯切り口(70)からやきそばを蒸らしたのちの湯を排湯(24)として排出し、その蒸らされたやきそば等にソースや具の一部(ふりかけ海苔など)と混ぜ合わせて食することができる。
【0043】
以上のような構成の湯切り機能付き蓋材(1)において、例えば、図6に示すように、両サイドが容器本体(2)のフランジ部(21)から剥離されていない状態なので、開口された湯切り口(70)を下にしてこの湯切り口(70)から排湯(24)を排出する際に、たとえ、両サイドに手(8)を添えて湯切りしたとしても、従来のように両サイドから熱湯が漏れるようなことがなく、火傷などの事故のない湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0044】
また、図1に示すように、外周縁には開封用プルタブ(13)のみとし、従来のようにもう一つの(表面シート剥離用の)プルタブがないので、消費者がプルタブの選択を間違って調理方法を誤るといった事故がなくなるという効果もある湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0045】
さらにまた、外周縁には開封用プルタブ(13)のみとすることによって、例えば、図4に示すように、この開封用プルタブ(13)側のみから表面シート(20)を裏面シート(10)から剥離して、開口部(22)と湯切り口(70)を形成できるようにしてあるので、図1に示す略円形状の湯切り口形成用ハーフカット(50)を、開封用プルタブ(30)と対峙する外周縁のフランジ部(21)に近づけて刻設したものでも、湯切り口残り(正常な略円形状とならず半分が欠けたりすること)のない正常な楕円形状等の略円形状を形成することができる。
【0046】
さらには、例えば、図5に示すように、外周縁のフランジ部(21)近傍に湯切り口(70)が形成されるので、図6に示すように、容器本体(2)を湯切り口(70)が下になるように傾けて湯切りする際に、湯切り残り(残湯)のない湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0047】
図7は、本発明の湯切り機能付き蓋材を構成する剥離層の説明図であり、図8は、本発明の湯切り機能付き蓋材の他の一事例を説明するものである。
【0048】
以下に上記図7から図8の図面を用いて、本発明の湯切り機能付き蓋材の他の一事例について詳細に説明する。
【0049】
また、上記本発明の湯切り機能付き蓋材の他の事例として、図8(a)の上方から見た平面図に示すように、四角形状のフランジ部(21)を有する容器にシールする湯切り機能付き蓋材(1)であり、そのフランジ部(21)と同形状(四角形状)の湯切り機能付き蓋材(1)とするもので、その一コーナーに開封用プルタブ(13)が設けられ、このコーナーと対峙するコーナーの外周縁に湯切り口形成用ハーフカット(50)が刻設されているものとすることもでき、さらにまた、図1に示す表面シート剥離用ミシン目(54)に代え、この図8(a)に示すように、表面シート剥離用切り目(54a)とすることもできる。
【0050】
この湯切り機能付き蓋材(1)の開口は、図8(a)に示す開封用プルタブ(13)を引っ張り上げ、容器のフランジ部(21)から剥離し、2本の開口用ハーフカット(52)に達すると、例えば、図8(b)の斜視図に示すように、裏面シート(10)が切断さ
れて開口部(22)が形成され、さらに剥離を進めると、裏面シート(10)に湯切り口(70)が形成されるようにすることもできる。
【0051】
このような形状の湯切り機能付き蓋材(1)を用いて、湯切りする時にも、この両サイドのフランジ部(21)にシールされている部分に手を添えることができ、よって火傷などのない安全な状態で湯切りすることができる。
【0052】
また、上記請求項2に係る発明では、例えば、図1および図3に示すように、裏面シート(10)と表面シート(20)との間に施されている剥離層(30)を、2本の表面シート剥離用ミシン目(54)の内側とするものである。
【0053】
上記剥離層(30)は全面でも構わないが、上記のように、剥離層(30)を2本の表面シート剥離用ミシン目(54)の内側になるような構成にすることによって、図4に示すように、表面シート(20)を裏面シート(10)からの剥離が、両側2本の表面シート剥離用ミシン目(54)の内側のみで成され易くなり、よって図5に示すように、両側2本の表面シート剥離用ミシン目のあった部分がきれいに切断され、体裁のよい開口部(22)と湯切り口(70)の形成を可能にする湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0054】
また、上記請求項3に係る発明では、例えば、図4に示すように、両側2本の開口用ハーフカット(52)が略中央部まで延び、そこで互いに連結している開口用ハーフカット(52a)と湯切り口形成用ハーフカット(図示せず)との間の表面シート(20)に、かつこの連結している開口用ハーフカット(52a)と平行に折り返し用ミシン目(54b)が施されているものである。
【0055】
このように、略中央部で連結している開口用ハーフカット(52a)と平行に折り返し用ミシン目(54b)が施されていることによって、開封用プルタブ(13)側から表面シート(20)を剥離し開口部(22)を形成した後に、この折り返し用ミシン目(54b)まで剥離すると、ここで一旦剥離が止まるようになり、この時にこの折り返し用ミシン目(54b)で外側に折り返して、開口された開口部(22)からソース等を取り出し熱湯を注いで閉封し、やきそば等を蒸らすようにすることができる。このような折り返し用ミシン目(54a)によって、剥離が止まらずに湯切り口まで開口してしまい、やきそば等を蒸らすための再封ができなくなることのない蓋材とすることができる。
【0056】
さらにまた、上記請求項4に係る発明では、図2に示す略中央部で互いに連結している開口用ハーフカット(52a)と湯切り口形成用ハーフカット(50)との間の剥離層(30)に剥離強度が増加する部分を形成するもので、その剥離強度が増加する部分として、例えば、図7(a)の平面図に示すように、略中央部で連結している開口用ハーフカット(52a)と開口された湯切り口(70)との間の剥離層(30)に開口用ハーフカット(52a)と平行に白抜き部(30a)を1乃至3本程度設けた湯切り機能付き蓋材(1)とするものである。
【0057】
上記白抜き部(30a)を1乃至3本程度設けることに代え、例えば、図7(b)の平面図に示すように、剥離強度が増加する部分の剥離層(30)を50%程度の網点(30b)で形成した湯切り機能付き蓋材(1)とすることもできる。
【0058】
このように、略中央部で連結している開口用ハーフカット(52a)と開口された湯切り口(70)との間の剥離層(30)に白抜き部(30a)や白抜きの網点(30b)などで剥離強度が増加する部分を設けることによって、例えば、図4に示すように、開封用プルタブ(13)側から表面シート(20)を剥離し開口部(22)を形成した後に、こ
の剥離強度が増加した剥離層の部分まで剥離すると一旦剥離が止まるようになり、この時に開口された開口部(22)からソース等を取り出し熱湯を注いで閉封し、やきそば等を蒸らすようにすることができる。すなわち、このような構成とすることによって、剥離が止まらずに湯切り口まで開口してしまい、やきそば等を蒸らすことができなくなるといった問題点がなくなる湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0059】
また、上記請求項5に係る発明は、本発明の湯切り機能付き蓋材(1)を構成する表面シート(20)として、紙層(40)の単体とすることが多いが、例えば、図2の積層断面図に示すように、この紙層(40)上にプラスチックフィルムでなる保護層(41)との積層体とする場合もある。
【0060】
このように表面シート(20)の構成を、紙層(40)の単体ないしはプラスチックフィルムでなる透明な保護層(41)との積層体からなるものとすることによって、印刷適性に優れる紙層(40)が表面から見え、その紙層(40)に美麗な印刷が可能なものとなり、さらにその印刷面を覆うようにプラスチックフィルムでなる透明な保護層(41)を設けることによって、耐水性と耐磨耗性に優れる湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0061】
さらにまた、上記請求項5に係る発明は、本発明の湯切り機能付き蓋材(1)を構成する裏面シート(10)として、シーラント層(16)のみでも構わないが、例えば、図2の積層断面図に示すように、アルミニウム箔(17)とシーラント層(16)の積層体からなるものとするものである。
【0062】
このように裏面シート(10)の構成を、最下層のシーラント層(16)とその上に積層されるアルミニウム箔(17)との積層体からなるものとすることによって、最下層のシーラント層(16)で容器本体(2)のフランジ部(21)にヒートシールでシールし容易に密封することができ、その上のアルミニウム箔(17)は、遮光性とガスバリア性に優れることから、内容物であるやきそば等の保存性を高めることができる。かつまた、このアルミニウム箔(17)の存在は、例えば開封した時に折り曲げられた状態を維持する「デットホールド性」に優れているので、開封した状態を維持することによって、それが邪魔にならず、熱湯を注ぎ易くするなどの効果のある湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0063】
以上のような湯切り機能付き蓋材(1)は、やきそばのように再封して蒸らす必要のないもの、例えば、生麺用容器のように、開口部(22)から熱湯を注ぎ、容器の中で麺をゆがいたのちに湯切りを行う湯切り機能付き蓋材(1)としても使用することができ、このタイプの場合は、折り返し用ミシン目(54b)や剥離層(30)に剥離強度の増加した部分等を設ける必要がなく、開封用プルタブ(13)側から一挙に表面シート(20)を剥離し、開口部(22)と湯切り口(70)を形成し、熱湯を注いだり、湯切りするようにした湯切り機能付き蓋材(1)とするもので、この蒸らし不要の容器の場合においても、例えば、図6に示すように、容器本体(2)を傾けて湯切りする際に、両サイドの蓋材(1)がフランジ部(21)にシールされたままの状態なので熱くなることがなく、たとえ両手(8)を添えて湯切りしても火傷などの危険のない湯切り機能付き蓋材(1)とすることができる。
【0064】
以下に、本発明の湯切り機能付き蓋材(1)を構成する各層に使用される材料やその製法等について説明する。
【0065】
まず、本発明の湯切り機能付き蓋材(1)を構成する表面シート(20)の紙層(40)としては、その表面が印刷適性に優れている必要があるため、例えば、坪量50〜15
0g/m2 程度の片面アート紙、両面アート紙が好ましく、他に同程度の厚さのコート紙、上質紙なども用いることができる。
【0066】
また、上記表面シート(20)の紙層(40)を保護する保護層(41)を設ける場合があり、その保護層(41)としては、例えば、厚み10〜50μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等が挙げられ、紙層(40)にドライラミネート法等で積層されて表面シート(20)とすることができる。
【0067】
また、剥離層(30)を形成する易剥離剤としては、例えば硝化綿系(ニトロセルロース)樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられ、場合によってはこれら樹脂に相溶性があれば、例えば、ポリエチレン系ワックス、ポリエステル系ワックスなどを混合して易剥離性(イージーピール性)の調整をすることもでき、これら易剥離剤をグラビア法あるいはスクリーン法によるパートコートによって剥離層(30)とすることができる。
【0068】
また、表面シート(20)と裏面シート(10)を接着せしめる接着層(15)としては、この湯切り機能付き蓋材の生産性を考慮して、例えば、ポリエチレン、アイオノマー、ポリプロピレン樹脂等の熱溶融押出しによるサンドラミネートが好ましく用いられるが、特にこれに限定するものではない。
【0069】
また、やきそば等即席食品に対する遮光やガスバリアなど保存性を考慮して、裏面シート(10)にバリア層として金属箔、特に厚み5〜20μmのアルミニウム箔(17)を使用するのが一般的であり、このアルミニウム箔(17)は、特に本発明の湯切り機能付き蓋材(1)のように、開封用プルタブ(13)側から約中央部まで一部のみを開封剥離して、開口部(22)から熱湯を注ぐ際に、蓋材が剥離された状態を保持している性質(デッドホールド性という)を有すると、熱湯を安全に確実に注ぎ易くすることができることから好んで使用される。
【0070】
さらにまた、本発明の湯切り機能付蓋材(1)を構成する裏面シート(10)のシーラント層(16)としては、例えば、ヒートシール性に優れる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン樹脂あるいはエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタアクリル酸共重合体(EMAA)等エチレン共重合樹脂のフィルムが好適に用いられ、さらにこれらポリオレフィン樹脂にポリスチレンやポリブデン等からなる、該ポリオレフィン樹脂に対し不相溶性成分を混合した樹脂でなるイージーピール性フィルムとすることもできる。また、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/アクリル酸共重合樹脂等からなるホットメルト接着剤を塗布量15〜25g/m2 程度で設けてもよく、これらシーラント層(16)によって容器(2)のフランジ部(21)との充分な密封性(シール性)と剥離開封性(イージーピール性)を可能とすることができる。
【0071】
また、本発明の湯切り機能付き蓋材(1)を用いる容器としては、断熱性を考慮して発泡ポリスチレン製が一般的であるが、紙製の断熱カップとする場合もあり、この時の容器のフランジ部は、シーラント層(16)の熱接着(ヒートシール)性や内面の衛生性からポリエチレンがコート(ラミネート)されているものが好ましく用いられる。
【0072】
以下に、本発明の湯切り機能付き蓋材を製造する方法について、その方法の一事例を説明する。
【0073】
まず、例えば、坪量100g/m2 程度の片面アート紙の表面(アートコート面)に商品の絵柄等を含めた印刷を施し、裏面には表面の印刷と見当を合わせ易剥離剤で剥離層のパターンを形成する。この際の用紙(片面アート紙)として、シート状でもよいが、これらの印刷や次工程のラミネート等を含めた生産性を考慮し、巻取り状(ウエブ状)のものを用い、表面への印刷は、グラビア印刷で行い、裏面への剥離層の形成も表面の印刷とインラインで同じグラビア印刷法によりパターンとして形成する。
【0074】
続いて、この印刷層の絵柄(または剥離層のパターン)に見当を合わせ表面シート剥離用ミシン目を施し、その表面に、保護層が必要の場合には、厚み20μm程度の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)等ウエブ状のプラスチックフィルムをポリエチレンを用いた押し出しラミネーションまたはウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法で積層し、絵柄等が多面付された表面シートが得られる。
【0075】
続いて、上記で得られたウエブ状の表面シートの剥離層面にポリエチレン等熱溶融押し出しによるラミネート(接着層として)でアルミニウム箔を積層し、さらにこのアルミニウム箔面にポリスチレン接着タイプのイージーピール性シーラント層を押し出しラミネート法で積層し、ウエブ状の蓋材用の積層体を作製する。
【0076】
上記で得られたウエブ状の蓋材用の積層体のシーラント層側から多面付された印刷絵柄(剥離層のパターン)に見当を合わせ、ハーフカットにより湯切り口形成用ハーフカットおよび開口用ハーフカットを刻設し、このハーフカットの刻設と同時に所定のサイズに打ち抜き多量の湯切り機能付き蓋材を得ることができる。
【0077】
以上のように本発明の湯切り機能付蓋材(1)は、熱湯を注ぎ再封して蒸らし柔らかくほぐし、湯切りしてから食する即席やきそばや、熱湯を注ぎ蒸らさずにゆがき、湯切りしてから食する即席生麺などの容器の蓋材として、実用上優れた効果を奏するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の湯切り機能付き蓋材の一実施の形態を示すもので、その上方から見た上面図である。
【図2】本発明の湯切り機能付蓋材の一実施の形態を示すもので、図1のA−A面を表す側断面図である。
【図3】本発明の湯切り機能付蓋材の一実施の形態を示すもので、図1のB−B面を表す側断面図である。
【図4】図1に示す一事例の湯切り機能付き蓋材を開封し、開口部を形成する開封工程を説明する斜視図である。
【図5】図1に示す一事例の湯切り機能付き蓋材を開封し、開口部とともに湯切り口の形成工程を説明する斜視図である。
【図6】図5に示す本発明の湯切り機能付き蓋材の一事例を用いて湯切りする工程を説明する斜視図である。
【図7】本発明の湯切り機能付き蓋材を構成する剥離層を説明するもので、(a)は、その一事例を示す上方から見た平面図であり、(b)は、他の事例を示す上方から見た平面図である。
【図8】本発明の湯切り機能付き蓋材の他の一実施の形態を示すもので、(a)は、その上方から見た上面図であり、(b)は、(a)の蓋材を開封し、開口部と湯切り口の形成を説明する斜視図である。
【図9】従来の排湯機能を有する蓋材の一事例を説明する側断面図である。
【図10】従来の排湯機能を有する蓋材の他の一事例を説明するもので、(a)は、その上面図であり、(b)は、(a)のB−B面を表す側断面である。
【図11】従来の排湯機能を有する蓋材を容器本体と一体化した一事例を説明する側断面図である。
【図12】従来の容器本体と一体化排湯機能を有する蓋材の表面シートの剥離状態の一事例を説明する斜視図である。
【図13】従来の排湯機能を有する蓋材を用いて湯切りする工程を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1‥‥湯切り機能付き蓋材
2‥‥容器本体
4‥‥湯切り機能を備えた蓋材
5‥‥剥離用ハーフカット
6‥‥ミシン目
8‥‥手
10‥‥裏面シート
12‥‥表面シート剥離用プルタブ
13‥‥開封用プルタブ
15‥‥接着層
16‥‥シーラント層
17‥‥アルミニウム箔
20‥‥表面シート
21‥‥フランジ部
21a‥‥フランジ部から剥離されている部分
22‥‥容器の開口部
24‥‥排湯
30‥‥剥離層
30a‥‥剥離層の白抜き部
30b‥‥剥離層の網点
40‥‥紙層
41‥‥保護層
42‥‥目止め層
50‥‥湯切り口形成用ハーフカット
52‥‥開口用ハーフカット
52a‥‥略中央部で連結している開口用ハーフカット
52b‥‥開口用ハーフカットの内側に湾曲した凸部
54‥‥表面シート剥離用ミシン目
54a‥‥表面シート剥離用切り目
54b‥‥折り返し用ミシン目
60‥‥非剥離領域
70‥‥湯切り口
77‥‥突き破り用孔
L1‥‥易剥離領域
L2‥‥接着領域
W1‥‥2本の開口用ハーフカットの幅
W2‥‥2本の表面シート剥離用ミシン目の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形状で、少なくとも裏面がシーラント層でなる裏面シートと、紙層を主体とし、裏面には剥離層が施されている表面シートが接着層を介して積層され、外周には前記フランジ部からはみ出している開封用プルタブが設けられ、該開封用プルタブと対峙する外周縁近傍に1乃至数個の略円形状の湯切り口形成用ハーフカットおよび前記開封用プルタブ側からそれと対峙する外周縁に向かって略中央部まで延びて連結される、所定の幅を有する2本の開口用ハーフカットが前記裏面シート側から剥離層まで設けられ、前記表面シートに前記2本の開口用ハーフカットに対し外側で平行に前記開封用プルタブ側周縁からそれと対峙する外周縁まで表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目が施されていることを特徴とする湯切り機能付き蓋材。
【請求項2】
前記剥離層が施されている領域は、2本の表面シートに形成される表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目の内側であることを特徴とする請求項1記載の湯切り機能付き蓋材。
【請求項3】
前記2本の開口用ハーフカットの略中央部で連結している開口用ハーフカットと湯切り口形成用ハーフカットとの間の表面シートに、2本の表面シート剥離用ミシン目もしくは切り目を略垂直に結ぶ折り返し用ミシン目が施されていることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り機能付き蓋材。
【請求項4】
前記2本の開口用ハーフカットの略中央部で連結している開口用ハーフカットと湯切り口形成用ハーフカットとの間の剥離層に、剥離強度が増加した部分が施されていることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り機能付き蓋材。
【請求項5】
前記表面シートは、紙層単体ないしプラスチックフィルムでなる保護層との積層体からなり、前記裏面シートは、アルミニウム箔とシーラント層の積層体からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の湯切り機能付き蓋材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−1414(P2008−1414A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174868(P2006−174868)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】