説明

湯沸し用の鍋底敷き鉄板。

【課題】水を加熱し湯を沸かす方法が、ステンレスやアルミ容器を使用する事が多く、鉄の湯沸し容器を使う機会が少なくなり、湯を飲むことによる鉄分摂取が出来ない為、体の鉄分不足が社会問題になっている。
【解決手段】湯を沸かす時、湯の中に鉄分を溶け込ます事を目的とした物で、湯沸し鍋の底に沸騰蒸気抜きの穴4を設けた鉄板1を敷いて過熱して湯を沸かし、鉄分を溶かし出した湯を飲む事により鉄分不足を解決し健康状態を改善する事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯を沸かす時、湯の中に鉄分を溶け込ます事を目的とした物で、その湯を飲む事により、2価鉄と言う吸収率の良い鉄分を摂取吸収する事が可能となり、現代人に多い鉄分不足の健康状態を改善する事が出来る。
【背景技術】
【0002】
現代では、湯を沸かすと言えば、錆びない、汚れ難い、軽い、保守が簡単、等の理由から電気ポットやステンレスやアルミのヤカン、鍋等が殆どだが、沸かした湯の中に鉄分を溶かし出す事が出来ない事と鉄以外の不純物である金属イオンやプラスチック、アルミの為、湯の味が悪く健康にも悪い等の欠点が在る。
【発明の開示】

【発明が解決しょうとする課題】
【0003】
現代人は、鉄分不足による不健康が多いと言われているが、その理由の一つに料理や湯沸しに鉄製の器具を使う事が少なくなり、飲食による鉄分吸収が少なくなった事と言われている。昔は囲炉裏に鉄鍋を吊るし、竈に鉄鍋を掛けての料理や鉄瓶による湯沸しをしていた為、現在より鉄分摂取の機会が多かったと言われている。一日に必要とされる鉄分は、男性で10mg、女性で12mgと言われ、特に女性は一回の生理で20mgの鉄分を失う事により鉄分不足による貧血が多いのだが、食物に含まれる栄養素の鉄分は、野菜の中に3価鉄、また動物性食品の中にヘム鉄として含まれているが、3価鉄の吸収率は2〜5パーセント、ヘム鉄の吸収率は15〜25パーセントと低い。これは、体は2価鉄の状態でしか吸収する事が出来ないため、3価鉄は体内でビタミンCによって還元され2価鉄に変化する必要が、またヘム鉄はヘムが取れて2価鉄に変化してからでないと吸収されない為である。この様に吸収率が低いため、より多くの鉄分を摂取する必要が有る。しかし、気づかないうちに、体内の「鉄分」が不足してしまうことがあり、より多くの「鉄分」吸収の機会を増やす事は健康に有利と言える。もし余剰になっても肝臓、脾臓、骨髄に蓄積鉄として蓄えられる事になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、鉄分不足による不健康を解消する為、鍋の底に鉄板を敷いて湯沸しをすることにより湯の中に鉄分を溶け出させ、この湯を料理、炊飯、お茶、白湯等で摂取する事で鉄分不足を解決する。湯が沸騰した時、主に鍋の底と鉄板の間から沸騰蒸気が発生する為、鉄板が鍋底から持ち上げられ、振動する事を防ぐため鉄板に蒸気抜きの穴を設ける。また、鉄板の下面に突起を取り付け、鍋底から1〜2mm浮かすことにより沸騰蒸気の流れをよりスムースにすると同時に、鉄の溶けた湯を回収する時、鉄板下面に溶け出して溜まった鉄分を回収し易くする事が出来る。また、鉄板中央にネジ穴を設け、このネジ穴に柄付の長ネジをねじ込んで鍋底から鉄板を取り出し易くする。
【発明の効果】
【0005】
この発明は、現代、錆びない事が主な理由でアルミ、ステンレスを使った湯沸しシステムが多く使われているが、これを改良して、鉄を使うシステムにする事により鉄分を含んだ湯を沸かす事が可能となり、これを摂取する事で健康に寄与する事が出来る。成人の体内には、約3gの鉄分があると言われていて、そのうちの60%が、血中ヘモグロビンの構成成分として、身体のすみずみに酸素を運搬する手助けをしていると言われている。湯沸しも鉄分が十分溶け込んだ湯を摂取する事は健康効果を期待する事が出来る。お茶やコーヒーなどに含まれるタンニンには、鉄と結びついて吸収率を下げる働きがあり、鉄と結びついたタンニンはタンニン鉄となり、水に溶け難くなるので、腸での吸収が妨げられ、その結果、鉄分吸収率も低下してしまう。そこで、鉄分欠乏患者に鉄分サプリなどの摂取において、お茶などの同時摂取を控えるよう言われてきたが、タンニンと結合して鉄分の吸収率が低下しても影響を受けないほど鉄分の量の方が多ければ、不足を補うという点では同時に摂取してもそれほど心配するほどの影響は無くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
飲用の湯を沸かす事はその湯を使った料理やお茶を美味しくすることが出来る事と健康に良い事の2つの要件を満たす必要が有る。一般の湯沸しの殆どはステンレスやアルミを使っているが、ステンレスはクロムやニッケル等の金属イオンが溶け出すためイオン臭を感じる。またアルミは金属イオン臭こそ少ないが、一説によるとアルツハイマー病の原因とも言われ不健康の原因と言える。そこで、湯沸し鍋をチタン製の物にして底に鉄純度が99,99パーセント程度の純鉄製の鉄板を置いて沸かす事により、金属イオン臭が無く、甘味を感じる純粋な鉄分が溶け込んだ飲用の湯を沸かす事が出来る。鋳物の鉄釜や鉄瓶は鋳込む時、溶解鉄の流動性を良くし巣の発生を防ぐ為と溶解温度を下げる為に様々な元素を添加するが、不純物となり金属イオン臭の原因となると共に鉄分が溶け出すことを阻害する。チタン鍋と純鉄板を組み合わせた湯沸しシステムで沸かした湯は鉄分の溶け出し効率が極めて良い。この事は、鉄純度の悪い鋳造鉄釜と同じ条件で湯を沸かして比較する事で分る。この湯を使った料理やお茶は味の良いものとなる。また、この組み合わせの鍋は電磁加熱ヒーターにも対応する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】鍋底に置く鉄板の下面図である。
【図2】鉄板を鍋底に置き、柄付の長ネジをねじ込んだ状態の側面図である。
【符号の説明】
【0008】
1 鉄板
2 鍋
3 鍋底に置いた鉄板
4 沸騰蒸気を抜くための穴
5 鍋底から鉄板を浮かすための突起
6 鍋底から鉄板を取り出すため、柄付の長ネジをねじ込むネジ穴
7 柄付の長ネジ
8 柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体の鉄分不足を解決する為、鍋の底に置いて湯を沸かし、その時溶け出した鉄分を含んだ湯を摂取吸収する為の鉄板で、沸騰蒸気を通過させるための蒸気抜き穴を設けた物。

【図1】
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【図2】
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