湿分分離器及び冷却機
【課題】小さな液滴でも、圧力損失を最小限に抑えて効果的に捕集することが可能な湿分分離器、及び、これを備えた冷却機を提供する。
【解決手段】湿分分離器10は、流路11の曲部11A、11Bの内側に設けられ、該曲部11A、11Bから上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20を備え、 流路11の幅が、第一の湿分回収ポケット20の位置で、該第一の湿分回収ポケット20の上流側及び下流側よりも狭くなるように形成されている。
【解決手段】湿分分離器10は、流路11の曲部11A、11Bの内側に設けられ、該曲部11A、11Bから上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20を備え、 流路11の幅が、第一の湿分回収ポケット20の位置で、該第一の湿分回収ポケット20の上流側及び下流側よりも狭くなるように形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体に含まれる湿分を分離する湿分分離器及びこれを備えた冷却機に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機の前段には性能向上を目的として冷却機が搭載され、気体を冷却した後に圧縮機に導入する。このような冷却機では、気体を冷却する際に、気体に含まれる湿分により液滴が形成され、このような液滴を含んだ気体が圧縮機に導入された場合には、液滴によりエロージョンなどの不具合が生じてしまうおそれがある。このため、冷却機には湿分分離器が備えられ、冷却された気体は、該湿分分離器により含有する湿分が除去された後に冷却機から排出されるようになっている。
【0003】
湿分分離器としては、具体的には、複数の骨板を平行に配設して骨板間にジグザグ状に屈曲する流路が形成され、流路上流側からみて、ジグザグ状に屈曲した流路の外側に膨出した谷形屈曲部の頂点から流路の内側に膨出した山側屈曲部の頂点へ延びる側壁部分に開口する液滴捕集ポケットを具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような湿分分離器では、気体は、骨板間のジグザグ状の流路を通る際に、谷形屈曲部の頂点から山形屈曲部の頂点へ延びる側壁部分に衝突する。その際、該側壁部分に液滴捕集ポケットが開口していることで、気体に含まれる液滴の一部が該液滴捕集ポケットに進入して捕集されることになるとされている。
【0004】
また、他の例としては、複数の波板が並設されることで流路が形成され、これらの波板が、波板同士の間隔を狭めて流体の流速を高めて通過させる絞り部と、絞り部の下流側に気体が衝突する壁面とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような湿分分離器では、絞り部で流速を高めて通過して下流側の壁面に衝突することで、気体に含まれる液滴を捕集することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−144824号公報
【特許文献2】特開2009−125672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような湿分分離器では、流れる気体の内、液滴を捕集可能であるのは、側壁部分近傍を流れる一部のみであった。特に、含まれる液滴が小さい場合には、流れの向きを変える際に作用する慣性力が小さくなって流路に沿って流れ易くなるため、効果的に液滴を捕集することはできなかった。
また、特許文献2のような湿分分離器では、絞り部で流速を高めるため、小さな液滴でも、壁面に衝突させやすくなるが、壁面に沿って連続的に流れる気体が壁面に付着した液滴を再回収してしまうこととなり、効果的に液滴を捕集することができなかった。また、小さな液滴でも効果的に捕集可能とするためには、さらに流速を高めるために絞り部における波板同士の間隔を狭める結果となり、圧力損失が増大してしまう問題があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、小さな液滴でも、圧力損失を最小限に抑えて効果的に捕集することが可能な湿分分離器、及び、これを備えた冷却機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明は、複数の曲部により蛇行状に形成されて湿分を含んだ気体が流通する流路を備える湿分分離器であって、前記流路の前記曲部の内側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケットを備え、前記流路の幅が、前記湿分回収ポケットの位置で、該湿分回収ポケットの上流側及び下流側よりも狭くなるように形成されていることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、蛇行状に形成された流路は、曲部の内側に設けられた第一の湿分回収ポケットが設けられた位置での幅が、該位置の上流側及び下流側のそれぞれの幅よりも狭くなっている。このため、流路を流れる気体は、曲部を通過する際に、第一の湿分ポケットが設けられた位置で加速することとなり、該位置よりも下流側では慣性により当該曲部の外側、つまり下流側に位置する曲部の内側に向かって流れることとなる。そして、この下流側に位置する曲部の内側には、同様に第一の湿分回収ポケットが設けられ、上流側に向かって開口していることから、上流側で加速した気体を第一の湿分回収ポケットに効果的に流入させることができる。そして、各曲部に同様に第一の湿分回収ポケットが設けられていることで、上記第一の湿分回収ポケットの位置での加速と、次の第一の湿分回収ポケットでの液滴の捕集とを繰り返し行うこととなり、効果的に気体から湿分を分離させることができる。
【0010】
また、上記の湿分分離器において、前記流路の前記曲部の外側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケットをさらに備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、流路の曲部の外側に当該曲部から上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケットが設けられていることで、当該曲部の第一の湿分回収ポケットの位置で加速されて外側へと流れる気体を、第二の湿分回収ポケットへと流入させて液滴を捕集させることができ、より効果的に湿分の分離を行うことができる。
【0012】
また、上記の湿分分離器において、蛇行状に形成された板状の部材で、複数間隔を有して配設され、互いの間を前記流路とする翼板と、該翼板に固定され、前記流路上流側に向かって突出し、該翼板との間で前記第一の湿分回収ポケットを形成する突出部材とを備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、上記のような流路及び第一の湿分回収ポケットの構成を、蛇行状に形成された複数の翼板と、翼板に固定される突出部材とにより容易に構築することができる。
【0014】
また、上記の湿分分離器において、前記翼板の配設方向に沿って、隣り合う前記翼板同士を相対移動させる位置調整機構を備えることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、位置調整機構によって隣り合う翼板同士を該翼板の配設方向に沿って相対移動させることで、互いの間隔、すなわち流路の幅を調整することができる。このため、流路の幅を狭めることによりもたらされる液滴捕集効果と圧力損失とのバランスを調整することができ、ガス圧力、ガス流速、目的の回収液滴径等の作動環境に応じて、最適な条件で気体の湿分を分離させることができる。
【0016】
また、本発明は、上記の湿分分離器と、気体との間で熱交換を行って該気体を冷却して前記湿分分離器へと送る熱交換器とを備えることを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、熱交換器で冷却した気体に含まれる湿分を上記の湿分分離器によって効果的に分離させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の湿分分離器によれば、小さな液滴でも、圧力損失を最小限に抑えて効果的に捕集することができる。
本発明の冷却機によれば、上記の湿分分離器により効果的に湿分が分離されて乾燥した冷却気体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態のガスクーラの平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のガスクーラの中心軸方向視した断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の湿分分離器の一部を破断した斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【図6】比較例の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【図7】実施例及び比較例の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴径と液滴排出率との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例1の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴の流動状態を示す図である。
【図9】本発明の実施例2の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴の流動状態を示す図である。
【図10】比較例の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴の流動状態を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の湿分分離器の一部を破断した斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施形態の湿分分離器を備えたガスクーラを示している。本実施形態の冷却機であるガスクーラ1は、例えば圧縮機の給気を冷却するためのものであり、図示しないが圧縮機の吸気部に接続されている。図1及び図2に示すように、ガスクーラ1は、両端が閉塞された略円筒状のケーシング2と、ケーシング2の内部に冷却対象となるガスを給気する給気ダクト3と、ケーシング2の内部から冷却したガスGを排気する排気ダクト4と、ケーシング2の内部に配されて流通するガスGを冷却する熱交換器5と、熱交換器5で冷却されたガスGの湿分を分離させる湿分分離器10とを備える。ケーシング2は、横倒し状に、中心軸L2が略水平となるように配置されている。また、給気ダクト3及び排気ダクト4は、それぞれケーシング2の外周面上部に設けられているとともに、例えば互いに中心軸L2に沿って両端部2a、2b側に、さらに中心軸L2を挟んで両側に、それぞれ位置ずれするようにして配設されている。
【0021】
また、熱交換器5は、図2に示すように中心軸L2に沿う方向にみて、ケーシング2の略中央に中心軸L2に沿って配置され、中心軸L2を挟んで両側に開口している。熱交換器5は、互いに隙間を有して中心軸L2と略平行に配設された多数の冷却管5aを有し、対をなす冷却管5a同士が他端部2b側でU字状に連結され、一端部2a側で一方が冷却水を供給する図示しない冷却水供給部に、他方が冷却水を回収する図示しない冷却水回収部に接続されている。熱交換器5の排気ダクト4側の開口には、湿分分離器10が接続されている。また、熱交換器5と、熱交換器5の上方のケーシング2の内周面との間には、給気ダクト3側と排気ダクト4側とを隔てる隔壁6が設けられている。このため、給気ダクト3からケーシング2の内部に給気されたガスGは、給気ダクト3側の開口から熱交換器5に流入し、冷却管5a同士の間を流通する際に、冷却管5a内部を流通する冷却水によって冷却される。そして、熱交換器5で冷却され排気ダクト4側の開口から流出したガスGは、湿分分離器10で湿分が分離された後に排気ダクト4から排出される。
【0022】
次に、湿分分離器10の構成の詳細について説明する。
図3に示すように、本実施形態の湿分分離器10は、略板状の部材で互いに間隔を有して複数配設され、互いの間を流路11とする翼板12と、翼板12の両側縁部12a、12bに設けられて翼板12を支持するとともに流路11の側部を閉塞する支持板13、14とを備える。湿分分離器10は、翼板12の一端部12c側を熱交換器5に向けて、また、一側縁部12aが下側となるように配設されており、これにより熱交換器5で冷却されたガスGは、翼板12の一端部12c側から翼板12同士の間の流路11に流入し、他端部12b側から流出し、流路11内でガスGから分離され形成された液滴Dは翼板12を伝わって一側縁部12a側の支持板13上に回収されることになる。一側縁部12a側の支持板13には、ドレン管15が接続されており、回収された液滴Dを排出させることが可能となっている。
【0023】
図4に示すように、翼板12の両端部12c、12dには互いの間にスペーサ16、17が設けられており、翼板12同士は、スペーサ16、17によって、支持板13、14間の中間部位においても流路11の幅が均等となるように固定されている。また、翼板12は、複数の折れ部12eを有してジグザグ状に形成されており、これにより翼板12の間の流路11もジグザグ状に複数の曲部11A、11Bを有して形成されている。本実施形態では、各翼板12が二つの折れ部12eを有することで、二つの曲部11A、11Bを有した流路11が形成されている。また、翼板12において、折れ部12eの山折側12fの下流側の面12hには、上流側に向かって突出する略板状の第一の突出部材18が設けられている。第一の突出部材18の基端は、例えば溶接などにより面12hに固定されている。そして、第一の突出部材18は、折れ部12eから上流側に向かって、徐々に翼板12から離間するようにして突出している。また、第一の突出部材18は、先端側では翼板12に近接する側に屈曲して、全体として略くの字状に形成されている。そして、第一の突出部材18により、第一の突出部材18と翼板12との間に曲部11A、11Bから上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20が形成され、流路11は、第一の湿分回収ポケット20を形成する第一の突出部材18により、第一の湿分回収ポケット20の位置での幅B1が、翼板12同士の間隔と対応した第一の湿分回収ポケット20の上流側及び下流側での幅B2、B3よりも狭くなるように形成されている。
【0024】
また、本実施形態では、流路11の下流側の曲部11Bの外側においては、翼板12の折れ部12eの谷折側12gの下流側の面12jに固定され、その上流側の面12hと略平行に配設された第二の突出部材19が設けられている。そして、この第二の突出部材19により、第二の突出部材19と翼板12との間に、流路11の曲部11Bの外側で上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケット21が形成されている。
【0025】
次に、この実施形態の湿分分離器10及び湿分分離器10を備えたガスクーラ1の作用について説明する。
図4に示すように、ガスクーラ1において、熱交換器5で冷却されたガスGは、流路11に、翼板12の一端部12c側となる入口10aから流入してジグザグ状に流れ、翼板12の他端部12b側となる出口10bから流出する。ここで、第一の湿分回収ポケット20が設けられた位置での流路11の幅B1が、該位置の上流側及び下流側のそれぞれでの流路11の幅B2、B3よりも狭くなっている。このため、流路11を流れるガスGは、上流側の曲部11Aを通過する際に、第一の湿分回収ポケット20が設けられた位置で加速することとなり、該位置よりも幅広となる下流側では、ガスGに含まれる液滴Dは、慣性により当該曲部11A、11Bの外側、つまり下流側に位置する曲部11Bの内側に向かって流れることとなる。そして、この下流側に位置する曲部11Bの内側には、同様に第一の湿分回収ポケット20が設けられ、上流側に向かって開口していることから、上流側で加速した液滴Dを第一の湿分回収ポケット20に効果的に流入させることができる。このため、小さな液滴Dでも圧力損失を最小限に押えて効果的に捕集することができ、それ故に小型化を図ることも可能である。なお、本実施形態では、流路11は二つの曲部11A、11Bを備えるものとしたが、これに限るものではなく、三つ以上の曲部を備えるものとしても良い。そして、各曲部に同様に第一の湿分回収ポケット20が設けられていることで、上記第一の湿分回収ポケット20の位置での加速と、次の第一の湿分回収ポケット20での液滴Dの捕集とを繰り返し行うこととなり、効果的にガスGから湿分を分離させることができる。
【0026】
さらに本実施形態では、流路11の曲部11Bの外側に当該曲部11Bから上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケット21が設けられていることで、当該曲部11Bの第一の湿分回収ポケット20の位置で加速されて外側へと流れるガスGを、第二の湿分回収ポケット21へと流入させて液滴Dを捕集させることができ、より効果的に湿分の分離を行うことができる。また、本実施形態の湿分分離器10では、流路11、第一の湿分回収ポケット20及び第二の湿分回収ポケット21の各構成を、ジグザグ状に形成された複数の翼板12と、翼板12に固定される第一の突出部材18及び第二の突出部材19とにより容易に構築することができる。そして、このような湿分分離器10を備えたガスクーラ1では、熱交換器5で冷却したガスGに含まれる湿分を効果的に分離させて乾燥したガスGを得ることができるとともに、全体として小型化を図ることができる。
【0027】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態を示したものである。なお、この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0028】
図5に示すように、本実施形態の湿分分離器30は、略板状の部材で互いに間隔を有して複数配設されて互いの間を流路31とする翼板32を備え、図示しないが同様に支持板13、14によって支持されている。本実施形態の翼板32は、四つの折れ部32aを有することで、四つの曲部31A、31B、31C、31Dを有した流路31が形成されている。また、同様に翼板32において、折れ部32aの山折側32bの下流側の面32dには、上流側に向かって突出する略板状の第一の突出部材33が設けられている。そして、第一の突出部材33は、翼板32の折れ部32aから上流側に向かって突出するとともに、先端側で翼板12に近接する側に屈曲して上流側の面に沿って配設されるように、全体として略くの字状に形成されている。そして、第一の突出部材33により、第一の突出部材33と翼板32との間に曲部31A、31B、31C、31Dのそれぞれから上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット35が形成され、流路11は、第一の湿分回収ポケット35を形成する第一の突出部材33により、第一の湿分回収ポケット35の位置での幅B11が、翼板32同士の間隔と対応した第一の湿分回収ポケット35の上流側及び下流側での幅B12、B13よりも狭くなるように形成されている。
【0029】
この実施形態でも第一の実施形態同様に、曲部31A、31B、31C、31Dの内側に設けられた第一の湿分回収ポケット35が設けられた位置での幅B11が、該位置の上流側及び下流側のそれぞれの幅B12、B13よりも狭くなっている。このため、流路31を流れるガスGは、例えば曲部31Aを通過する際に、第一の湿分回収ポケット35が設けられた位置で加速することとなり、該位置よりも下流側では慣性により当該曲部31Aの外側、つまり下流側に位置する曲部31Bの内側に向かって流れることとなる。そして、この下流側に位置する曲部31Bの内側には、同様に第一の湿分回収ポケット35が設けられ、上流側に向かって開口していることから、上流側で加速した気体を第一の湿分回収ポケット35に効果的に流入させることができる。そして、さらに下流側の曲部31C、31Dにも同様に第一の湿分回収ポケット35が設けられていることで、上記第一の湿分回収ポケット35の位置での加速と、次の第一の湿分回収ポケット35での液滴Dの捕集とを繰り返し行うこととなり、効果的にガスGから湿分を分離させることができる。
【実施例】
【0030】
本実施例では、第1の実施形態の湿分分離器10(以下実施例1とする)と、第2の実施形態の湿分分離器30(以下実施例2とする)とともに、比較例として従来の湿分分離器100について、CFD(Computational Fluid Dynamins)解析により、液滴Dの捕集効果について解析を行った。
ここで、比較例の湿分分離器100について説明する。図6は、比較例の湿分分離器100を示したものである。図6に示すように、比較例の湿分分離器100では、翼板102間に設けられた流路101が3つの曲部101A、101B、101Cを有してジグザグ状に形成されている。その一方で、流路11を流れるガスGの湿分を分離する湿分回収ポケット103の開口103aは、曲部101A、101B間、曲部101B、101C間のそれぞれにおいて、上流側の曲部の外側と下流側の曲部の内側とを繋ぐ壁面に、流路101に沿うようにして形成されており、流路101の曲部101A、101B、101Cのそれぞれの内側に設けられ、該曲部101A、101B、101Cから上流側に向かって開口する構成とはなっていない。また、流路101の幅は一定に設定されている。なお、実施例2の湿分分離器10では、4つの曲部31A、31B、31C、31Dを有し、また、比較例の湿分分離器10では3つの曲部101A、101B、101Cを有している一方、図4に示す実施例1の湿分分離器10では、流路11に2つの曲部11A、11Bを有しているだけである分、流路11の全長が短く設定されている。
【0031】
そして、上記のとおり、実施例1の湿分分離器10、実施例2の湿分分離器30、及び、比較例の湿分分離器100のそれぞれについて、ガスGに含ませる液滴径を10、15、20、50μmと変化させながらCFD解析を行い、それぞれの液滴径での液滴排出率、すなわち供給した液滴量に対する排出された液滴量の比率を求めた。図7に、各実施例及び比較例における液滴径と液滴排出率との関係を、また、図8から図10に、各実施例及び比較例における液滴径毎の液滴Dの流動状態を示す。なお、図8から図10の各図において、(a)は液滴径20μm、(b)は液滴径15μm、(c)は液滴径10μmでの液滴Dの流動状態を示している。また、液滴径以外のガスGの条件、例えばガス流速、ガス圧力、ガス温度はすべて同じ条件としている。
【0032】
図7に示すように、実施例1の湿分分離器10では、15μm以上の液滴径では液滴排出率0%、10μmの液滴径でも液滴排出率は1.9%とごく僅かであり、10μm以上の液滴径では殆どの液滴Dが回収されるという計算結果となった。図8に示すように、液滴Dの流動状態を詳しくみると、15μm以上の液滴径では、まず、最上流の曲部11Aにおいて、その内側に上流側に開口するように第一の湿分回収ポケット20が形成されていることで、多くの液滴Dが該第一の湿分回収ポケット20に流入し、効果的にガスGに含まれる液滴Dが捕集されていることがわかる。
【0033】
また、最上流の第一の湿分回収ポケット20に流入しなかった液滴D及び該第一の湿分回収ポケット20で旋回して流出した液滴Dを含んだガスG1は、下流側へと流れることとなる。この際、図8に示すように、当該第一の湿分回収ポケット20によって流路11が狭くなっているので、液滴Dを含んだガスGは、流速が速められて慣性により、当該曲部11Aの外側、つまり下流側の次の曲部11Bの内側へと流れることがわかる。そして、下流側の次の曲部11Bにおいて内側には同様の上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20が設けられており、これにより上流側から流れるガスGを効果的に流入させて、含まれる液滴Dを捕集できていることがわかる。
【0034】
さらに当該第一の湿分回収ポケット20に流入しなかった液滴D及び該第一の湿分回収ポケット20で旋回して流出した液滴Dは、流路11が狭くなっていることで流速が速められて当該曲部11Bの外側に流れようとし、当該曲部11B外側に設けられた第二の湿分回収ポケット21に流入し、これにより液滴Dを捕集されることがわかる。
【0035】
これらの傾向は、液滴径が10μmと小さい場合でも、1.9%とごく僅かに第二の湿分回収ポケット21に回収されずに排出されてしまう液滴Dが存在するだけで同様であり、効果的にガスGに含まれる湿分を分離することができていることがわかる。
【0036】
また、図7に示すように、実施例2の湿分分離器30でも、液滴径が15μm以上の場合には、殆どの液滴Dを第一の湿分回収ポケット35で回収し、液滴排出率が0%と算出された。これは、図9に示すように、実施例1同様に実施例2の湿分分離器30でも、曲部31A、31B、31C、31Dの内側で上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20で効果的に液滴Dを捕集できていることによることがわかる。
【0037】
一方、図7に示すように、比較例の湿分分離器100では、50μm未満の液滴径において、液滴排出率が高くなってしまう。これは、図10に示す解析結果から、比較例の湿分分離器100における湿分回収ポケット103が曲部101A、101B、101Cに設けられておらず、曲部101A、101B、101Cの各間に設けられ、流路101に沿って開口していることで、流路101を流れるガスGに含まれる液滴Dが開口103aから湿分回収ポケット103へ流入しにくいこと、また、流路11の幅が一定であることで、流路101を流れるガスGに含まれる液滴Dに対して、各曲部において大きな慣性力が働かないため、壁面に開口する湿分回収ポケット103には流入しにくいことが原因である。
【0038】
以上のように、実施例1、2の湿分分離器10では、それぞれ曲部の内側で上流側に開口する第一の湿分回収ポケットを備え、流路の幅が第一の湿分回収ポケットの位置で、上流側及び下流側よりも狭く形成されていることで、効果的にガスGに含まれる液滴Dを捕集することができる。さらに実施例1の湿分分離器10では、曲部11A、11Bの外側に設けられ上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケット21をさらに備えることで、より確実に液滴Dを捕集して排出されてしまうことを防止することができる。また、それ故に、実施例2の湿分分離器10と比較して流路が短く、曲部の箇所数が少なくても効果的に液滴Dを捕集することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図11及び図12は、本発明の第2の実施形態を示したものである。なお、この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0040】
図11及び図12に示すように、本実施形態の湿分分離器40は、第1の実施形態の湿分分離器10の構成と基本的に同様の構成を備えている。
ここで、本実施形態では、複数の翼板12は、一の翼板12が上下二つの支持板13、14のいずれか一方に固定され、隣接する他の翼板12は支持板13、14の他方に固定されるようにして、交互に支持板13、14のいずれかに固定されている。一方の支持板14には、支持板14及び該支持板14に固定されている翼板12を、翼板12の配設方向X、すなわちガスGが流入し排出される方向に沿って進退させることで、他方の支持板13及び該支持板13に固定されている隣接する他の翼板12に対して相対移動させる位置調整機構41が設けられている。具体的には、位置調整機構41は、一方の支持板14に翼板12の配設方向Xに沿って設けられたラック42と、ラック42と噛合するピニオン43と、ピニオン43を回転させる駆動部であるステッピングモータ44と、ステッピングモータ44を制御する制御部45とを有する。
【0041】
このため、制御部45による制御のもとステッピングモータ44を駆動させてピニオン43を回転させることで、ラック42が設けられた一方の支持板14及び該支持板14に固定された翼板12を、翼板12の配設方向Xに沿って移動させることができる。そして、このように一方の支持板14に固定された翼板12を配設方向Xに沿って移動させることで、他方の支持板13に固定された隣接する他の翼板12との間隔を調整し、流路11の幅を調整することができる。このため、流路11の幅を狭めることによりもたらされる液滴捕集効果と圧力損失とのバランスを調整することができ、最適な条件でガスGの湿分を分離させることができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0043】
なお、上記各実施形態の湿分分離器においては、翼板がジグザグ状に形成されていることで、翼板同士の流路がジグザグ状に形成されているものとしたが、これに限るものではない。例えば、翼板が交互に曲がる方向を変えて蛇行状に形成されており、これにより流路も蛇行状に形成されていても良く、ジグザグ状を包含して蛇行状に形成された流路において、同様の効果を期待することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ガスクーラ(冷却機)
10、30、40 湿分分離器
11、31 流路
11A、11B、31A、31B、31C、31D 曲部
12、32 翼板
18、33 第一の突出部材(突出部材)
20、35 第一の湿分回収ポケット
21 第二の湿分回収ポケット
41 位置調整機構
G ガス
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体に含まれる湿分を分離する湿分分離器及びこれを備えた冷却機に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機の前段には性能向上を目的として冷却機が搭載され、気体を冷却した後に圧縮機に導入する。このような冷却機では、気体を冷却する際に、気体に含まれる湿分により液滴が形成され、このような液滴を含んだ気体が圧縮機に導入された場合には、液滴によりエロージョンなどの不具合が生じてしまうおそれがある。このため、冷却機には湿分分離器が備えられ、冷却された気体は、該湿分分離器により含有する湿分が除去された後に冷却機から排出されるようになっている。
【0003】
湿分分離器としては、具体的には、複数の骨板を平行に配設して骨板間にジグザグ状に屈曲する流路が形成され、流路上流側からみて、ジグザグ状に屈曲した流路の外側に膨出した谷形屈曲部の頂点から流路の内側に膨出した山側屈曲部の頂点へ延びる側壁部分に開口する液滴捕集ポケットを具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような湿分分離器では、気体は、骨板間のジグザグ状の流路を通る際に、谷形屈曲部の頂点から山形屈曲部の頂点へ延びる側壁部分に衝突する。その際、該側壁部分に液滴捕集ポケットが開口していることで、気体に含まれる液滴の一部が該液滴捕集ポケットに進入して捕集されることになるとされている。
【0004】
また、他の例としては、複数の波板が並設されることで流路が形成され、これらの波板が、波板同士の間隔を狭めて流体の流速を高めて通過させる絞り部と、絞り部の下流側に気体が衝突する壁面とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような湿分分離器では、絞り部で流速を高めて通過して下流側の壁面に衝突することで、気体に含まれる液滴を捕集することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−144824号公報
【特許文献2】特開2009−125672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような湿分分離器では、流れる気体の内、液滴を捕集可能であるのは、側壁部分近傍を流れる一部のみであった。特に、含まれる液滴が小さい場合には、流れの向きを変える際に作用する慣性力が小さくなって流路に沿って流れ易くなるため、効果的に液滴を捕集することはできなかった。
また、特許文献2のような湿分分離器では、絞り部で流速を高めるため、小さな液滴でも、壁面に衝突させやすくなるが、壁面に沿って連続的に流れる気体が壁面に付着した液滴を再回収してしまうこととなり、効果的に液滴を捕集することができなかった。また、小さな液滴でも効果的に捕集可能とするためには、さらに流速を高めるために絞り部における波板同士の間隔を狭める結果となり、圧力損失が増大してしまう問題があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、小さな液滴でも、圧力損失を最小限に抑えて効果的に捕集することが可能な湿分分離器、及び、これを備えた冷却機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明は、複数の曲部により蛇行状に形成されて湿分を含んだ気体が流通する流路を備える湿分分離器であって、前記流路の前記曲部の内側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケットを備え、前記流路の幅が、前記湿分回収ポケットの位置で、該湿分回収ポケットの上流側及び下流側よりも狭くなるように形成されていることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、蛇行状に形成された流路は、曲部の内側に設けられた第一の湿分回収ポケットが設けられた位置での幅が、該位置の上流側及び下流側のそれぞれの幅よりも狭くなっている。このため、流路を流れる気体は、曲部を通過する際に、第一の湿分ポケットが設けられた位置で加速することとなり、該位置よりも下流側では慣性により当該曲部の外側、つまり下流側に位置する曲部の内側に向かって流れることとなる。そして、この下流側に位置する曲部の内側には、同様に第一の湿分回収ポケットが設けられ、上流側に向かって開口していることから、上流側で加速した気体を第一の湿分回収ポケットに効果的に流入させることができる。そして、各曲部に同様に第一の湿分回収ポケットが設けられていることで、上記第一の湿分回収ポケットの位置での加速と、次の第一の湿分回収ポケットでの液滴の捕集とを繰り返し行うこととなり、効果的に気体から湿分を分離させることができる。
【0010】
また、上記の湿分分離器において、前記流路の前記曲部の外側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケットをさらに備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、流路の曲部の外側に当該曲部から上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケットが設けられていることで、当該曲部の第一の湿分回収ポケットの位置で加速されて外側へと流れる気体を、第二の湿分回収ポケットへと流入させて液滴を捕集させることができ、より効果的に湿分の分離を行うことができる。
【0012】
また、上記の湿分分離器において、蛇行状に形成された板状の部材で、複数間隔を有して配設され、互いの間を前記流路とする翼板と、該翼板に固定され、前記流路上流側に向かって突出し、該翼板との間で前記第一の湿分回収ポケットを形成する突出部材とを備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、上記のような流路及び第一の湿分回収ポケットの構成を、蛇行状に形成された複数の翼板と、翼板に固定される突出部材とにより容易に構築することができる。
【0014】
また、上記の湿分分離器において、前記翼板の配設方向に沿って、隣り合う前記翼板同士を相対移動させる位置調整機構を備えることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、位置調整機構によって隣り合う翼板同士を該翼板の配設方向に沿って相対移動させることで、互いの間隔、すなわち流路の幅を調整することができる。このため、流路の幅を狭めることによりもたらされる液滴捕集効果と圧力損失とのバランスを調整することができ、ガス圧力、ガス流速、目的の回収液滴径等の作動環境に応じて、最適な条件で気体の湿分を分離させることができる。
【0016】
また、本発明は、上記の湿分分離器と、気体との間で熱交換を行って該気体を冷却して前記湿分分離器へと送る熱交換器とを備えることを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、熱交換器で冷却した気体に含まれる湿分を上記の湿分分離器によって効果的に分離させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の湿分分離器によれば、小さな液滴でも、圧力損失を最小限に抑えて効果的に捕集することができる。
本発明の冷却機によれば、上記の湿分分離器により効果的に湿分が分離されて乾燥した冷却気体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態のガスクーラの平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のガスクーラの中心軸方向視した断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の湿分分離器の一部を破断した斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【図6】比較例の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【図7】実施例及び比較例の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴径と液滴排出率との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例1の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴の流動状態を示す図である。
【図9】本発明の実施例2の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴の流動状態を示す図である。
【図10】比較例の湿分分離器について、CFD解析によって求めた液滴の流動状態を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の湿分分離器の一部を破断した斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の湿分分離器の流路に沿って破断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施形態の湿分分離器を備えたガスクーラを示している。本実施形態の冷却機であるガスクーラ1は、例えば圧縮機の給気を冷却するためのものであり、図示しないが圧縮機の吸気部に接続されている。図1及び図2に示すように、ガスクーラ1は、両端が閉塞された略円筒状のケーシング2と、ケーシング2の内部に冷却対象となるガスを給気する給気ダクト3と、ケーシング2の内部から冷却したガスGを排気する排気ダクト4と、ケーシング2の内部に配されて流通するガスGを冷却する熱交換器5と、熱交換器5で冷却されたガスGの湿分を分離させる湿分分離器10とを備える。ケーシング2は、横倒し状に、中心軸L2が略水平となるように配置されている。また、給気ダクト3及び排気ダクト4は、それぞれケーシング2の外周面上部に設けられているとともに、例えば互いに中心軸L2に沿って両端部2a、2b側に、さらに中心軸L2を挟んで両側に、それぞれ位置ずれするようにして配設されている。
【0021】
また、熱交換器5は、図2に示すように中心軸L2に沿う方向にみて、ケーシング2の略中央に中心軸L2に沿って配置され、中心軸L2を挟んで両側に開口している。熱交換器5は、互いに隙間を有して中心軸L2と略平行に配設された多数の冷却管5aを有し、対をなす冷却管5a同士が他端部2b側でU字状に連結され、一端部2a側で一方が冷却水を供給する図示しない冷却水供給部に、他方が冷却水を回収する図示しない冷却水回収部に接続されている。熱交換器5の排気ダクト4側の開口には、湿分分離器10が接続されている。また、熱交換器5と、熱交換器5の上方のケーシング2の内周面との間には、給気ダクト3側と排気ダクト4側とを隔てる隔壁6が設けられている。このため、給気ダクト3からケーシング2の内部に給気されたガスGは、給気ダクト3側の開口から熱交換器5に流入し、冷却管5a同士の間を流通する際に、冷却管5a内部を流通する冷却水によって冷却される。そして、熱交換器5で冷却され排気ダクト4側の開口から流出したガスGは、湿分分離器10で湿分が分離された後に排気ダクト4から排出される。
【0022】
次に、湿分分離器10の構成の詳細について説明する。
図3に示すように、本実施形態の湿分分離器10は、略板状の部材で互いに間隔を有して複数配設され、互いの間を流路11とする翼板12と、翼板12の両側縁部12a、12bに設けられて翼板12を支持するとともに流路11の側部を閉塞する支持板13、14とを備える。湿分分離器10は、翼板12の一端部12c側を熱交換器5に向けて、また、一側縁部12aが下側となるように配設されており、これにより熱交換器5で冷却されたガスGは、翼板12の一端部12c側から翼板12同士の間の流路11に流入し、他端部12b側から流出し、流路11内でガスGから分離され形成された液滴Dは翼板12を伝わって一側縁部12a側の支持板13上に回収されることになる。一側縁部12a側の支持板13には、ドレン管15が接続されており、回収された液滴Dを排出させることが可能となっている。
【0023】
図4に示すように、翼板12の両端部12c、12dには互いの間にスペーサ16、17が設けられており、翼板12同士は、スペーサ16、17によって、支持板13、14間の中間部位においても流路11の幅が均等となるように固定されている。また、翼板12は、複数の折れ部12eを有してジグザグ状に形成されており、これにより翼板12の間の流路11もジグザグ状に複数の曲部11A、11Bを有して形成されている。本実施形態では、各翼板12が二つの折れ部12eを有することで、二つの曲部11A、11Bを有した流路11が形成されている。また、翼板12において、折れ部12eの山折側12fの下流側の面12hには、上流側に向かって突出する略板状の第一の突出部材18が設けられている。第一の突出部材18の基端は、例えば溶接などにより面12hに固定されている。そして、第一の突出部材18は、折れ部12eから上流側に向かって、徐々に翼板12から離間するようにして突出している。また、第一の突出部材18は、先端側では翼板12に近接する側に屈曲して、全体として略くの字状に形成されている。そして、第一の突出部材18により、第一の突出部材18と翼板12との間に曲部11A、11Bから上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20が形成され、流路11は、第一の湿分回収ポケット20を形成する第一の突出部材18により、第一の湿分回収ポケット20の位置での幅B1が、翼板12同士の間隔と対応した第一の湿分回収ポケット20の上流側及び下流側での幅B2、B3よりも狭くなるように形成されている。
【0024】
また、本実施形態では、流路11の下流側の曲部11Bの外側においては、翼板12の折れ部12eの谷折側12gの下流側の面12jに固定され、その上流側の面12hと略平行に配設された第二の突出部材19が設けられている。そして、この第二の突出部材19により、第二の突出部材19と翼板12との間に、流路11の曲部11Bの外側で上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケット21が形成されている。
【0025】
次に、この実施形態の湿分分離器10及び湿分分離器10を備えたガスクーラ1の作用について説明する。
図4に示すように、ガスクーラ1において、熱交換器5で冷却されたガスGは、流路11に、翼板12の一端部12c側となる入口10aから流入してジグザグ状に流れ、翼板12の他端部12b側となる出口10bから流出する。ここで、第一の湿分回収ポケット20が設けられた位置での流路11の幅B1が、該位置の上流側及び下流側のそれぞれでの流路11の幅B2、B3よりも狭くなっている。このため、流路11を流れるガスGは、上流側の曲部11Aを通過する際に、第一の湿分回収ポケット20が設けられた位置で加速することとなり、該位置よりも幅広となる下流側では、ガスGに含まれる液滴Dは、慣性により当該曲部11A、11Bの外側、つまり下流側に位置する曲部11Bの内側に向かって流れることとなる。そして、この下流側に位置する曲部11Bの内側には、同様に第一の湿分回収ポケット20が設けられ、上流側に向かって開口していることから、上流側で加速した液滴Dを第一の湿分回収ポケット20に効果的に流入させることができる。このため、小さな液滴Dでも圧力損失を最小限に押えて効果的に捕集することができ、それ故に小型化を図ることも可能である。なお、本実施形態では、流路11は二つの曲部11A、11Bを備えるものとしたが、これに限るものではなく、三つ以上の曲部を備えるものとしても良い。そして、各曲部に同様に第一の湿分回収ポケット20が設けられていることで、上記第一の湿分回収ポケット20の位置での加速と、次の第一の湿分回収ポケット20での液滴Dの捕集とを繰り返し行うこととなり、効果的にガスGから湿分を分離させることができる。
【0026】
さらに本実施形態では、流路11の曲部11Bの外側に当該曲部11Bから上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケット21が設けられていることで、当該曲部11Bの第一の湿分回収ポケット20の位置で加速されて外側へと流れるガスGを、第二の湿分回収ポケット21へと流入させて液滴Dを捕集させることができ、より効果的に湿分の分離を行うことができる。また、本実施形態の湿分分離器10では、流路11、第一の湿分回収ポケット20及び第二の湿分回収ポケット21の各構成を、ジグザグ状に形成された複数の翼板12と、翼板12に固定される第一の突出部材18及び第二の突出部材19とにより容易に構築することができる。そして、このような湿分分離器10を備えたガスクーラ1では、熱交換器5で冷却したガスGに含まれる湿分を効果的に分離させて乾燥したガスGを得ることができるとともに、全体として小型化を図ることができる。
【0027】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態を示したものである。なお、この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0028】
図5に示すように、本実施形態の湿分分離器30は、略板状の部材で互いに間隔を有して複数配設されて互いの間を流路31とする翼板32を備え、図示しないが同様に支持板13、14によって支持されている。本実施形態の翼板32は、四つの折れ部32aを有することで、四つの曲部31A、31B、31C、31Dを有した流路31が形成されている。また、同様に翼板32において、折れ部32aの山折側32bの下流側の面32dには、上流側に向かって突出する略板状の第一の突出部材33が設けられている。そして、第一の突出部材33は、翼板32の折れ部32aから上流側に向かって突出するとともに、先端側で翼板12に近接する側に屈曲して上流側の面に沿って配設されるように、全体として略くの字状に形成されている。そして、第一の突出部材33により、第一の突出部材33と翼板32との間に曲部31A、31B、31C、31Dのそれぞれから上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット35が形成され、流路11は、第一の湿分回収ポケット35を形成する第一の突出部材33により、第一の湿分回収ポケット35の位置での幅B11が、翼板32同士の間隔と対応した第一の湿分回収ポケット35の上流側及び下流側での幅B12、B13よりも狭くなるように形成されている。
【0029】
この実施形態でも第一の実施形態同様に、曲部31A、31B、31C、31Dの内側に設けられた第一の湿分回収ポケット35が設けられた位置での幅B11が、該位置の上流側及び下流側のそれぞれの幅B12、B13よりも狭くなっている。このため、流路31を流れるガスGは、例えば曲部31Aを通過する際に、第一の湿分回収ポケット35が設けられた位置で加速することとなり、該位置よりも下流側では慣性により当該曲部31Aの外側、つまり下流側に位置する曲部31Bの内側に向かって流れることとなる。そして、この下流側に位置する曲部31Bの内側には、同様に第一の湿分回収ポケット35が設けられ、上流側に向かって開口していることから、上流側で加速した気体を第一の湿分回収ポケット35に効果的に流入させることができる。そして、さらに下流側の曲部31C、31Dにも同様に第一の湿分回収ポケット35が設けられていることで、上記第一の湿分回収ポケット35の位置での加速と、次の第一の湿分回収ポケット35での液滴Dの捕集とを繰り返し行うこととなり、効果的にガスGから湿分を分離させることができる。
【実施例】
【0030】
本実施例では、第1の実施形態の湿分分離器10(以下実施例1とする)と、第2の実施形態の湿分分離器30(以下実施例2とする)とともに、比較例として従来の湿分分離器100について、CFD(Computational Fluid Dynamins)解析により、液滴Dの捕集効果について解析を行った。
ここで、比較例の湿分分離器100について説明する。図6は、比較例の湿分分離器100を示したものである。図6に示すように、比較例の湿分分離器100では、翼板102間に設けられた流路101が3つの曲部101A、101B、101Cを有してジグザグ状に形成されている。その一方で、流路11を流れるガスGの湿分を分離する湿分回収ポケット103の開口103aは、曲部101A、101B間、曲部101B、101C間のそれぞれにおいて、上流側の曲部の外側と下流側の曲部の内側とを繋ぐ壁面に、流路101に沿うようにして形成されており、流路101の曲部101A、101B、101Cのそれぞれの内側に設けられ、該曲部101A、101B、101Cから上流側に向かって開口する構成とはなっていない。また、流路101の幅は一定に設定されている。なお、実施例2の湿分分離器10では、4つの曲部31A、31B、31C、31Dを有し、また、比較例の湿分分離器10では3つの曲部101A、101B、101Cを有している一方、図4に示す実施例1の湿分分離器10では、流路11に2つの曲部11A、11Bを有しているだけである分、流路11の全長が短く設定されている。
【0031】
そして、上記のとおり、実施例1の湿分分離器10、実施例2の湿分分離器30、及び、比較例の湿分分離器100のそれぞれについて、ガスGに含ませる液滴径を10、15、20、50μmと変化させながらCFD解析を行い、それぞれの液滴径での液滴排出率、すなわち供給した液滴量に対する排出された液滴量の比率を求めた。図7に、各実施例及び比較例における液滴径と液滴排出率との関係を、また、図8から図10に、各実施例及び比較例における液滴径毎の液滴Dの流動状態を示す。なお、図8から図10の各図において、(a)は液滴径20μm、(b)は液滴径15μm、(c)は液滴径10μmでの液滴Dの流動状態を示している。また、液滴径以外のガスGの条件、例えばガス流速、ガス圧力、ガス温度はすべて同じ条件としている。
【0032】
図7に示すように、実施例1の湿分分離器10では、15μm以上の液滴径では液滴排出率0%、10μmの液滴径でも液滴排出率は1.9%とごく僅かであり、10μm以上の液滴径では殆どの液滴Dが回収されるという計算結果となった。図8に示すように、液滴Dの流動状態を詳しくみると、15μm以上の液滴径では、まず、最上流の曲部11Aにおいて、その内側に上流側に開口するように第一の湿分回収ポケット20が形成されていることで、多くの液滴Dが該第一の湿分回収ポケット20に流入し、効果的にガスGに含まれる液滴Dが捕集されていることがわかる。
【0033】
また、最上流の第一の湿分回収ポケット20に流入しなかった液滴D及び該第一の湿分回収ポケット20で旋回して流出した液滴Dを含んだガスG1は、下流側へと流れることとなる。この際、図8に示すように、当該第一の湿分回収ポケット20によって流路11が狭くなっているので、液滴Dを含んだガスGは、流速が速められて慣性により、当該曲部11Aの外側、つまり下流側の次の曲部11Bの内側へと流れることがわかる。そして、下流側の次の曲部11Bにおいて内側には同様の上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20が設けられており、これにより上流側から流れるガスGを効果的に流入させて、含まれる液滴Dを捕集できていることがわかる。
【0034】
さらに当該第一の湿分回収ポケット20に流入しなかった液滴D及び該第一の湿分回収ポケット20で旋回して流出した液滴Dは、流路11が狭くなっていることで流速が速められて当該曲部11Bの外側に流れようとし、当該曲部11B外側に設けられた第二の湿分回収ポケット21に流入し、これにより液滴Dを捕集されることがわかる。
【0035】
これらの傾向は、液滴径が10μmと小さい場合でも、1.9%とごく僅かに第二の湿分回収ポケット21に回収されずに排出されてしまう液滴Dが存在するだけで同様であり、効果的にガスGに含まれる湿分を分離することができていることがわかる。
【0036】
また、図7に示すように、実施例2の湿分分離器30でも、液滴径が15μm以上の場合には、殆どの液滴Dを第一の湿分回収ポケット35で回収し、液滴排出率が0%と算出された。これは、図9に示すように、実施例1同様に実施例2の湿分分離器30でも、曲部31A、31B、31C、31Dの内側で上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケット20で効果的に液滴Dを捕集できていることによることがわかる。
【0037】
一方、図7に示すように、比較例の湿分分離器100では、50μm未満の液滴径において、液滴排出率が高くなってしまう。これは、図10に示す解析結果から、比較例の湿分分離器100における湿分回収ポケット103が曲部101A、101B、101Cに設けられておらず、曲部101A、101B、101Cの各間に設けられ、流路101に沿って開口していることで、流路101を流れるガスGに含まれる液滴Dが開口103aから湿分回収ポケット103へ流入しにくいこと、また、流路11の幅が一定であることで、流路101を流れるガスGに含まれる液滴Dに対して、各曲部において大きな慣性力が働かないため、壁面に開口する湿分回収ポケット103には流入しにくいことが原因である。
【0038】
以上のように、実施例1、2の湿分分離器10では、それぞれ曲部の内側で上流側に開口する第一の湿分回収ポケットを備え、流路の幅が第一の湿分回収ポケットの位置で、上流側及び下流側よりも狭く形成されていることで、効果的にガスGに含まれる液滴Dを捕集することができる。さらに実施例1の湿分分離器10では、曲部11A、11Bの外側に設けられ上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケット21をさらに備えることで、より確実に液滴Dを捕集して排出されてしまうことを防止することができる。また、それ故に、実施例2の湿分分離器10と比較して流路が短く、曲部の箇所数が少なくても効果的に液滴Dを捕集することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図11及び図12は、本発明の第2の実施形態を示したものである。なお、この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0040】
図11及び図12に示すように、本実施形態の湿分分離器40は、第1の実施形態の湿分分離器10の構成と基本的に同様の構成を備えている。
ここで、本実施形態では、複数の翼板12は、一の翼板12が上下二つの支持板13、14のいずれか一方に固定され、隣接する他の翼板12は支持板13、14の他方に固定されるようにして、交互に支持板13、14のいずれかに固定されている。一方の支持板14には、支持板14及び該支持板14に固定されている翼板12を、翼板12の配設方向X、すなわちガスGが流入し排出される方向に沿って進退させることで、他方の支持板13及び該支持板13に固定されている隣接する他の翼板12に対して相対移動させる位置調整機構41が設けられている。具体的には、位置調整機構41は、一方の支持板14に翼板12の配設方向Xに沿って設けられたラック42と、ラック42と噛合するピニオン43と、ピニオン43を回転させる駆動部であるステッピングモータ44と、ステッピングモータ44を制御する制御部45とを有する。
【0041】
このため、制御部45による制御のもとステッピングモータ44を駆動させてピニオン43を回転させることで、ラック42が設けられた一方の支持板14及び該支持板14に固定された翼板12を、翼板12の配設方向Xに沿って移動させることができる。そして、このように一方の支持板14に固定された翼板12を配設方向Xに沿って移動させることで、他方の支持板13に固定された隣接する他の翼板12との間隔を調整し、流路11の幅を調整することができる。このため、流路11の幅を狭めることによりもたらされる液滴捕集効果と圧力損失とのバランスを調整することができ、最適な条件でガスGの湿分を分離させることができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0043】
なお、上記各実施形態の湿分分離器においては、翼板がジグザグ状に形成されていることで、翼板同士の流路がジグザグ状に形成されているものとしたが、これに限るものではない。例えば、翼板が交互に曲がる方向を変えて蛇行状に形成されており、これにより流路も蛇行状に形成されていても良く、ジグザグ状を包含して蛇行状に形成された流路において、同様の効果を期待することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ガスクーラ(冷却機)
10、30、40 湿分分離器
11、31 流路
11A、11B、31A、31B、31C、31D 曲部
12、32 翼板
18、33 第一の突出部材(突出部材)
20、35 第一の湿分回収ポケット
21 第二の湿分回収ポケット
41 位置調整機構
G ガス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の曲部により蛇行状に形成されて湿分を含んだ気体が流通する流路を備える湿分分離器であって、
前記流路の前記曲部の内側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケットを備え、
前記流路の幅が、前記第一の湿分回収ポケットの位置で、該第一の湿分回収ポケットの上流側及び下流側よりも狭くなるように形成されていることを特徴とする湿分分離器。
【請求項2】
請求項1に記載の湿分分離器において、
前記流路の前記曲部の外側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケットをさらに備えることを特徴とする湿分分離器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の湿分分離器において、
蛇行状に形成された板状の部材で、複数間隔を有して配設され、互いの間を前記流路とする翼板と、
該翼板に固定され、前記流路上流側に向かって突出し、該翼板との間で前記第一の湿分回収ポケットを形成する突出部材とを備えることを特徴とする湿分分離器。
【請求項4】
請求項3に記載の湿分分離器において、
前記翼板の配設方向に沿って、隣り合う前記翼板同士を相対移動させる位置調整機構を備えることを特徴とする湿分分離器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の湿分分離器と、
気体との間で熱交換を行って該気体を冷却して前記湿分分離器へと送る熱交換器とを備えることを特徴とする冷却機。
【請求項1】
複数の曲部により蛇行状に形成されて湿分を含んだ気体が流通する流路を備える湿分分離器であって、
前記流路の前記曲部の内側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第一の湿分回収ポケットを備え、
前記流路の幅が、前記第一の湿分回収ポケットの位置で、該第一の湿分回収ポケットの上流側及び下流側よりも狭くなるように形成されていることを特徴とする湿分分離器。
【請求項2】
請求項1に記載の湿分分離器において、
前記流路の前記曲部の外側に設けられ、該曲部から上流側に向かって開口する第二の湿分回収ポケットをさらに備えることを特徴とする湿分分離器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の湿分分離器において、
蛇行状に形成された板状の部材で、複数間隔を有して配設され、互いの間を前記流路とする翼板と、
該翼板に固定され、前記流路上流側に向かって突出し、該翼板との間で前記第一の湿分回収ポケットを形成する突出部材とを備えることを特徴とする湿分分離器。
【請求項4】
請求項3に記載の湿分分離器において、
前記翼板の配設方向に沿って、隣り合う前記翼板同士を相対移動させる位置調整機構を備えることを特徴とする湿分分離器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の湿分分離器と、
気体との間で熱交換を行って該気体を冷却して前記湿分分離器へと送る熱交換器とを備えることを特徴とする冷却機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−78874(P2011−78874A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231555(P2009−231555)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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