説明

溝蓋のロック装置

【課題】溝蓋の着脱作業がし易く、かつ排水溝路に対して溝蓋を完全に固定し得るとともに、溝蓋が固定状態か否かを目視によって容易に判断できる溝蓋のロック装置を提供する。
【解決手段】蓋受杆(梁部材10)の下面に当接可能な前端の当接端部32と、ホルダー22に対する回動を規制する回動規制手段と、前記ロックボルト26と螺合される上下方向の螺子孔30とを備えたロック片29を、螺子孔30に螺合されたロックボルト26によりホルダー22に吊持して、前端の当接端部32が蓋受杆(梁部材10)の下面に対向する進出位置と、該進出位置から退避する退避位置間を進退するように設け、前記ロックボルト26の回転操作により、その螺進作用を介して昇降させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の側部に設けられた側溝や道路を横断するように設けられた横断溝等の排水溝路に被着される溝蓋を、移動不能に保持するためのロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、側溝や横断溝等の排水溝路の上部開口を覆う溝蓋は、排水溝路の対向する上部内縁に夫々配設された蓋受枠に両側縁が支承された状態で、排水溝路に着脱可能に被着されている。このような溝蓋を、鉄やステンレス等の金属材を用いて形成した場合にあって、その成形時の精度誤差によって僅かな反りが生じていたり、使用時に蓋受枠との接触面にゴミや砂等の異物が噛み込んでいたりすると、人や自動車の通行によって溝蓋がガタ付いて騒音が発生したり、自動車の通行による衝撃で溝蓋が跳ね上がるという問題点がある。
【0003】
本願出願人は、このような問題点を解消し得る溝蓋の跳ね上がり防止装置を先に提案している(特許文献1参照)。この跳ね上がり防止装置aは、図12に示すように、排水溝路bの蓋受枠cに支承される溝蓋dの、その側縁底面に上端を固着して下方に垂設した垂直片部eと、該垂直片部eの下端から上方に折り返された弾性圧接片部fとを備えており、溝蓋dの側縁を蓋受枠cに支承した状態で、前記弾性圧接片部fを排水溝路bの内側面gに弾接させることにより、溝蓋dに対して衝撃が加えられても容易に跳ね上がらない保持作用が得られるようになっている。
【0004】
一方、近年、排水溝路の上部に該排水溝路の上部開口よりも狭い開口部を生じる左右一対の蓋受枠を配設し、前記開口部を通常の溝蓋に比して狭幅の溝蓋によって覆うようにした排水溝構造が種々案出されている。このような排水溝構造に用いられる狭幅の溝蓋は、通常の溝蓋に比して軽量であるため、自動車の通行による衝撃によってさらに跳ね上がり易いものとなっている。この対策として、溝蓋の下面に設けた締結具によって溝蓋を蓋受枠に対して固定し得るようにした構成が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
かかる構成は、図13,図14に示すように、グレーチングからなる溝蓋dの下面に保持部材hが固着され、該保持部材hの水平片jに形成した切欠溝kにロックボルトmが上方から挿通されて回動可能に支持されている。このロックボルトmには、保持部材hの下方に突出する軸部nに杆状の固定部材pが螺合されている。また、排水溝路bの上部開口に配設された断面L形の両蓋受枠r,rの立ち上がり縁s,sには、その内側面に溝蓋の両側縁を支承する受材t,tが対向状に取付けられている。ここで、前記固定部材pは、図14に示すように、その長さ寸法が両立ち上がり縁s,sの相互間隔よりやや長い寸法に設定されており、ロックボルトmに対する回転操作に伴って回転する固定部材pの、その両端部を前記両立ち上がり縁s,sの内側面に当接させることによって、固定部材pの回転規制作用が得られるようにしている。そして、溝蓋dの固定に際しては、溝蓋dの両側縁を前記受材t,tに支承させるとともに、固定部材pを該受材t,tの下方に位置させた状態で、ロックボルトmをドライバー等の工具によって緊締方向に回転操作することにより、該ロックボルトmとともに回転する固定部材pの両端部を、両立ち上がり縁s,sの内側面に当接させ、この固定部材pの回転規制状態で、さらにロックボルトmを回転させることによって、その螺進作用を介して固定部材pを上昇させて、その両端部を受材t,tの下面に圧接させることにより、溝蓋dを固定し得るようになっている。また、この固定状態において、ロックボルトmを弛緩方向へ回転操作することにより、先ず螺進作用を介して固定部材pが降下して固定部材pの両端部と受材t,tの下面との圧接が解除され、さらにロックボルトmを回転させることによって、固定部材pが回動して受材t,tから離脱する固定解除状態とし得るようになっている。ここで、ロックボルトmは、溝蓋dが固定状態にあっても、固定解除状態にあっても、常に同じ位置に保持されており、全くその位置を動かないものとなっている。
【特許文献1】特開2002−364060号公報
【特許文献2】特開2005−30042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1の跳ね上がり防止装置aにあっては、排水溝路bの内側面gに対する弾接力を得るために、弾性圧接片部fの非圧接状態において、該弾性圧接片部fが排水溝路bの内側面gより外方に突出する位置関係で設けられていることにより、溝蓋dの着脱時においては弾性圧接片部fが排水溝路bの内側面gに常に弾接した状態で摺動するため、その際に生じる摺動抵抗によって溝蓋dの着脱作業がし難いという問題点があった。また、排水溝路bの内側面gに対する弾性圧接片部fの弾接力のみによって、溝蓋dを排水溝路bに保持するものであるため、溝蓋dの完全な固定作用を得ることができなかった。
【0007】
また、特許文献2に開示された構成にあっては、受材t,tの下面に対する固定部材pの圧接作用によって、溝蓋dを蓋受枠r,rに固定することができるのであるが、ロックボルトmが同じ位置で回転するものであるため、自動車等の通行により生じる振動によって、該ロックボルトmが緩んで固定部材pが受材t,tから離脱した場合に、これをロックボルトmの位置を見て判断することが極めて困難であった。また、該固定部材pは、回転規制作用を得るために、蓋受枠r,rの両立ち上がり縁s,sの相互間隔よりやや長い寸法に設定されていることにより、両端部が両立ち上がり縁s,sの内側面に当接した状態では、図14に示すように、平面視において、両立ち上がり縁s,sに対して傾斜する状態となり、この傾斜状態で受材t,tの下面に圧接されるが、上記のようにロックボルトmが緩んで固定部材pが固定解除方向へ回転し、該固定部材pが受材t,tから僅かに離れた場合にあっても、固定部材pが両立ち上がり縁s,sに対して傾斜する状態となるため、固定部材pの位置で固定状態か否かを判断することも困難であり、しかも該固定部材pはその上部にある保持部材hの水平片jでその大部分が隠れているため、目視による固定状態か否かの判断がさらに困難なものとなっている。
【0008】
本発明は、上述した摺動抵抗に起因する溝蓋の着脱作業のし難さを解消し、かつ、排水溝路に対して溝蓋を完全に固定し得るとともに、溝蓋が固定状態か否かを目視によって容易に判断できる溝蓋のロック装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、排水溝路の上部に配設される左右の支持枠間に横架された蓋受杆上に乗載されて、左右の支持枠間の開口部を覆う溝蓋を、前記蓋受杆に移動不能に保持するためのロック装置であって、前記蓋受杆に略直交する方向に沿う所定長さの長孔が形成された主板部を備え、該主板部が溝蓋の下部位置に略水平状に配設されたホルダーと、該ホルダーの長孔に上方から挿通されて、該長孔の上部孔縁に係合する径大な操作頭部によって支持され、溝蓋の上方から回転操作可能で、かつ長孔によって該長孔の長手方向に沿う移動範囲が規制されるロックボルトと、蓋受杆の下面に当接可能な前端の当接端部と、ホルダーに対する回動を規制する回動規制手段と、前記ロックボルトと螺合される上下方向の螺子孔とを備え、該螺子孔に螺合されたロックボルトによりホルダーに吊持されて、前端の当接端部が蓋受杆の下面に対向する進出位置と、該進出位置から退避する退避位置間を進退し、前記ロックボルトの回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられたロック片とを備えたことを特徴とする溝蓋のロック装置である。
【0010】
ここで、排水溝路の上部に配設される左右の支持枠は、排水溝路の上部開口よりも狭い開口部を生じるものであって、少なくとも一方に水平縁が連成された左右の立ち上がり縁を備え、該両立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置されて、該両立ち上がり縁間に狭幅の開口部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結された構成が好ましく、さらに前記各梁部材が、支持枠の水平縁の上面に当接して配設され、かつ各梁部材の左右両端部が、溝路を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠の水平縁又は一方の支持枠の水平縁と他方の支持枠の立ち上がり縁とを介して乗載されている構成が好ましい。また、前記各梁部材上に支持枠の水平縁が乗載され、かつ各梁部材の左右両端部が、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載されている構成であってもよい。
【0011】
また、本発明は、排水溝路の上部内縁に配設された蓋受枠に側縁が支承されて、排水溝路の上部開口を覆う溝蓋を、前記蓋受枠に移動不能に保持するためのロック装置であって、前記蓋受枠に略直交する方向に沿う所定長さの長孔が形成された主板部を備え、該主板部が溝蓋の側縁近傍の下部位置に略水平状に配設されたホルダーと、該ホルダーの長孔に上方から挿通されて、該長孔の上部孔縁に係合する径大な操作頭部によって支持され、溝蓋の上方から回転操作可能で、かつ長孔によって該長孔の長手方向に沿う移動範囲が規制されるロックボルトと、蓋受枠の下面に当接可能な前端の当接端部と、ホルダーに対する回動を規制する回動規制手段と、前記ロックボルトと螺合される上下方向の螺子孔とを備え、該螺子孔に螺合されたロックボルトによりホルダーに吊持されて、前端の当接端部が蓋受枠の下面に対向する進出位置と、該進出位置から退避する退避位置間を進退し、前記ロックボルトの回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられたロック片とを備えたことを特徴とする溝蓋のロック装置である。
【0012】
また、前記両構成のロック装置において、主板部の上面に、ロック片の進出位置におけるロックボルトの操作頭部に後方から当接して、ロック片を進出位置に保持するロック解除規制突起が設けられている構成が提案される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上述したように、蓋受杆に略直交する方向に沿う所定長さの長孔が形成された主板部を備え、該主板部が溝蓋の下部位置に略水平状に配設されたホルダーと、該ホルダーの長孔に上方から挿通されて、該長孔の上部孔縁に係合する径大な操作頭部によって支持され、溝蓋の上方から回転操作可能で、かつ長孔によって該長孔の長手方向に沿う移動範囲が規制されるロックボルトと、蓋受杆の下面に当接可能な前端の当接端部と、ホルダーに対する回動を規制する回動規制手段と、前記ロックボルトと螺合される上下方向の螺子孔とを備え、該螺子孔に螺合されたロックボルトによりホルダーに吊持されて、前端の当接端部が蓋受杆の下面に対向する進出位置と、該進出位置から退避する退避位置間を進退し、前記ロックボルトの回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられたロック片とを備えた溝蓋のロック装置であるから、前記ロックボルトに対する前方への移動操作により、ロック片が退避位置から進出位置に変換され、かつ該ロックボルトに対する緊締方向への回転操作により、その螺進作用を介してロック片が上昇して当接端部が蓋受杆の下面に圧接されるロック状態と、該ロック状態でのロックボルトの弛緩方向への回転操作により、螺進作用を介してロック片が降下して当接端部と蓋受杆との圧接が解除され、かつロックボルトに対する後方への移動操作により、該ロック片が退避位置に変換されるロック解除状態とを生じさせることができる。そして、前記ロック状態にあっては、当接端部が蓋受杆の下面に圧接されていることにより、溝蓋が蓋受杆に対して移動不能に保持され、これによって該溝蓋のガタ付きや跳ね上がりが生じない確実な固定作用を得ることができる。また、前記ロック解除状態で溝蓋を着脱し得るので、従来のように、溝蓋の着脱時において弾性圧接片部f(図12参照)が排水溝路の内側面に常に弾接した状態で摺動することによる摺動抵抗が生じることがなく、その着脱作業を楽に行うことができる。また、従来のように、ロックボルトm(図14参照)が常に同じ位置を維持するものとは異なり、ロックボルトはロック片とともに進退するので、ロック状態において、万一、ロックボルトが緩んでロック片が後退し、ロック解除状態となった場合には、ロックボルトもロック片とともに後退するため、該ロックボルトの位置によって溝蓋が固定状態にあるか否かを目視で容易に判断することができる。
【0014】
また、本発明は、蓋受枠に略直交する方向に沿う所定長さの長孔が形成された主板部を備え、該主板部が溝蓋の側縁近傍の下部位置に略水平状に配設されたホルダーと、該ホルダーの長孔に上方から挿通されて、該長孔の上部孔縁に係合する径大な操作頭部によって支持され、溝蓋の上方から回転操作可能で、かつ長孔によって該長孔の長手方向に沿う移動範囲が規制されるロックボルトと、蓋受枠の下面に当接可能な前端の当接端部と、ホルダーに対する回動を規制する回動規制手段と、前記ロックボルトと螺合される上下方向の螺子孔とを備え、該螺子孔に螺合されたロックボルトによりホルダーに吊持されて、前端の当接端部が蓋受枠の下面に対向する進出位置と、該進出位置から退避する退避位置間を進退し、前記ロックボルトの回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられたロック片とを備えた溝蓋のロック装置であるから、上記と同様に、ロックボルトに対する前方への移動操作により、ロック片が退避位置から進出位置に変換され、かつ該ロックボルトに対する緊締方向への回転操作により、その螺進作用を介してロック片が上昇して当接端部が蓋受枠の下面に圧接されるロック状態と、該ロック状態でのロックボルトの弛緩方向への回転操作により、螺進作用を介してロック片が降下して当接端部と蓋受枠との圧接が解除され、かつロックボルトに対する後方への移動操作により、該ロック片が退避位置に変換されるロック解除状態とを生じさせることができる。そして、前記ロック状態にあっては、当接端部が蓋受枠の下面に圧接されていることにより、溝蓋が蓋受枠に対して移動不能に保持され、これによって該溝蓋のガタ付きや跳ね上がりが生じない確実な固定作用を得ることができる。また、前記ロック解除状態で溝蓋を着脱し得るので、従来のように、溝蓋の着脱時において弾性圧接片部f(図12参照)が排水溝路の内側面に常に弾接した状態で摺動することによる摺動抵抗が生じることがなく、その着脱作業を楽に行うことができる。また、従来のように、ロックボルトm(図14参照)が常に同じ位置を維持するものとは異なり、ロックボルトはロック片とともに進退するので、ロック状態において、万一、ロックボルトが緩んでロック片が後退し、ロック解除状態となった場合には、ロックボルトもロック片とともに後退するため、該ロックボルトの位置によって溝蓋が固定状態にあるか否かを目視で容易に判断することができる。
【0015】
また、前記両構成のロック装置において、主板部の上面に、ロック片の進出位置におけるロックボルトの操作頭部に後方から当接して、ロック片を進出位置に保持するロック解除規制突起が設けられている構成にあっては、ロック状態において、万一、ロックボルトが緩んでも、ロックボルトの操作頭部に後方から当接しているロック解除規制突起によってロックボルトの後退が阻止され、ロック片が進出位置に保持されることにより、直ちにロック解除状態となることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかる溝蓋のロック装置の第一実施例を、図1〜図3に基づいて説明する。
この第一実施例における排水溝路1は、図1に示すように、底壁3と左右の側壁4,4とによって断面略U字状に形成されたU字溝からなる複数の溝路部材2を、地盤の所定深さ位置に一列状に埋設して構築されている。
【0017】
この排水溝路1の上部には、夫々垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成された左右一対の支持枠5,5が配設されている。該支持枠5,5は、その立ち上がり縁6,6が排水溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁6,6間に排水溝路1の上部開口より狭い開口部8が形成されている。また、この開口部8以外の排水溝路1の上部開口は、両支持枠5,5の水平縁7,7で遮蔽されている。両支持枠5,5は、鉄鋼又はステンレス鋼からなる板状の金属材を素材にして形成されており、その長さは、排水溝路1の長手方向に沿う所定の長さとなっている。尚、各支持枠5の立ち上がり縁6と水平縁7は、図1に示すように、一枚の金属板を断面L形に屈曲させて形成してもよいし、二枚の金属板を溶接によって断面L形となるように接合して形成することも可能である。
【0018】
左右の支持枠5,5は、該支持枠5,5の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材10によって連結されており、この第一実施例では該梁部材10によって、左右の支持枠5,5間に横架された蓋受杆が構成されている。ここで、各梁部材10は、後述する溝蓋18Aの、その少なくとも長手方向の両端近傍部に対応する位置に配設されている。各梁部材10は強度に優れた金属製の角パイプからなり、その長さは、排水溝路1を構成する左右の側壁4,4の外面11,11から若干外方に突出する所定の長さとなっている。各梁部材10は、支持枠5,5の水平縁7,7の上面に当接して配設され、該支持枠5,5の立ち上がり縁6,6に形成された挿通口12,12に挿通した状態で、水平縁7,7または水平縁7,7と挿通口12,12の口縁とに溶接によって接合されている。そして、このように左右の支持枠5,5を移動不能に連結した各梁部材10の左右両端部が、排水溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に、両支持枠5,5の水平縁7,7を介して乗載されている。
【0019】
また、各梁部材10の両端部には、溶接によって接合した固定杆13が、排水溝路1の側壁4,4の外面11,11に沿うようにして夫々下方に垂設されており、各固定杆13には固定螺子14が夫々外側方から螺合されている。そして、該固定螺子14を締め付け方向に回転操作して、各固定螺子14の先端部を側壁4,4の外面11,11に圧接させることにより、その緊締作用を介して、梁部材10及び支持枠5,5を排水溝路1の側壁4,4に固定するようにしている。そして、このような固定状態において、左右の支持枠5,5の水平縁7,7上に、排水溝路1の周囲上部に敷設されるコンクリート15及び化粧タイル16からなる舗装材17が連続状に敷設されている。
【0020】
前記立ち上がり縁6,6間に形成された開口部8には、溝蓋18Aが配設されている。該溝蓋18Aは、支持枠5,5の長手方向に沿って所定間隔で並列する複数のメインバー19と該メインバー19に直交する適数本のクロスバー20(図2参照)とを備えた金属製のグレーチングからなり、開口部8に露出する前記各梁部材(蓋受杆)10の上面に着脱可能に乗載されている。尚、各メインバー19の相互間隔は、少なくとも上方からドライバーの軸部を挿通し得る所定の間隔に設定されている。また、この溝蓋18Aは、後述する第五実施例の溝蓋18B(図7参照)のように排水溝路1の上部開口の全体を覆うものに比して狭幅に形成されており、自動車の通行による衝撃によって跳ね上がり易いものとなっている。
【0021】
前記溝蓋18Aの少なくとも長手方向の両端近傍部で、前記梁部材10に対応する位置には、本発明の要部にかかるロック装置21が夫々配設されている。該ロック装置21は、図2,図3に示すように、主板部23と該主板部23の前後両端縁から上方に延成された一対の側板部24,24とにより断面コ字形に形成されたホルダー22を備えており、側板部24,24の上端を溝蓋18Aの底面に溶接によって接合することにより、前記主板部23が溝蓋18Aの下部位置に略水平状に配設されている。主板部23には、蓋受杆を構成する梁部材10に略直交する方向に沿う所定長さの長孔25が形成されており、該長孔25にはロックボルト26が上方から挿通されている。
【0022】
前記ロックボルト26は、長孔25の上部孔縁に係合する径大な操作頭部27によって支持されており、溝蓋18Aの上方から回転操作可能で、かつ長孔25によって該長孔25の長手方向に沿う移動範囲が規制されている。また、ロックボルト26は、溝蓋18Aを構成するグレーチングの、その隣接するメインバー19,19間に生じる隙間内に位置しており、これによって溝蓋18Aの上方からの回転操作及び移動操作が可能となっている。
【0023】
主板部23の長孔25から垂下するロックボルト26の雄螺子杆部28は、ロック片29に形成された上下方向の螺子孔30に螺合されており、これによってロック片29がロックボルト26によりホルダー22に吊持されている。また、ロック片29から下方に突出する雄螺子杆部28の下端部には、緩み止め機能を備えたUナット31が螺着されており、該Uナット31によってロックボルト26の雄螺子杆部28からロック片29が脱落しないようになっている。尚、このロック片29の脱落防止手段は、Uナット31に代えて通常のナットを溶接によって雄螺子杆部28に固着させて設けることも可能である。
【0024】
ロック片29は、前端に蓋受杆を構成する梁部材10の下面に当接可能な当接端部32を備えており、前記ロックボルト26に対する進退操作によって、該当接端部32が蓋受杆を構成する梁部材10の下面に対向する進出位置(図2(a),図3(a)参照)と、該進出位置から退避する退避位置(図2(b),図3(b)参照)間を進退し、また、前記ロックボルト26に対する回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられている。ここで、ロック片29の後端には、前記進出位置でホルダー22の後部側の端面22’に当接して回動規制作用を生じる立ち上がり端部33が設けられており、該立ち上がり端部33によってホルダー22に対するロック片29の回動を規制する回動規制手段が構成されている。
【0025】
また、前記主板部23の上面には、ロック片29の進出位置におけるロックボルト26の操作頭部27に後方から当接して、ロック片29を進出位置に保持するロック解除規制突起34が設けられている。該ロック解除規制突起34は長孔25の両側に左右一対で設けられており、その高さは、操作頭部27が水平状態にあるとき該操作頭部27の周縁に当接して後方への移動を阻止し、かつ操作頭部27が傾斜状態で乗り越え可能な所定高さ(2mm程度)となっている。尚、このロック解除規制突起34は、必要に応じて設けることができる。
【0026】
かかる構成にあって、溝蓋18Aの少なくとも長手方向の両端近傍部に夫々配設された各ロック装置21のロック片29が、図2(b),図3(b)に示すように、退避位置にあるロック解除状態において、各ロックボルト26の操作頭部27にドライバー35の先端を係合し、該ドライバー35によってロックボルト26を前方へ移動操作することにより、図2(a),図3(a)に示すように、ロック片29が退避位置から進出位置に変換される。この時、主板部23の上面にロック解除規制突起34が設けられている場合には、ドライバー35をロックボルト26の操作頭部27に係合した状態で後方へ傾斜させることにより、操作頭部27が傾斜して前部側が主板部23の上面から浮き上がるので、ロック解除規制突起34を乗り越えて前方へ容易に移動させることができる。そして、このようにロック片29の当接端部32が蓋受杆を構成する梁部材10の下面に対向する進出位置で、ロックボルト26を緊締方向へ回転操作することにより、その螺進作用を介してロック片29が上昇して当接端部32が梁部材10の下面に圧接するロック状態が得られる。そして、このロック状態においては、ロック片29の当接端部32が梁部材10の下面に圧接されていることにより、溝蓋18Aが移動不能に保持され、これによって該溝蓋18Aのガタ付きや跳ね上がりが生じない確実な固定作用を得ることができる。
【0027】
また、前記ロック状態において、ドライバー35によってロックボルト26を弛緩方向へ回転操作することにより、その螺進作用を介してロック片29が降下して当接端部32と梁部材10との圧接が解除される。そして、ドライバー35によってロックボルト26を後方へ移動操作することにより、図2(b),図3(b)に示すように、ロック片29が進出位置から退避位置に変換されてロック解除状態となる。この時、主板部23の上面にロック解除規制突起34が設けられている場合には、ドライバー35をロックボルト26の操作頭部27に係合した状態で前方へ傾斜させることにより、操作頭部27が傾斜して後部側が主板部23の上面から浮き上がるので、ロック解除規制突起34を乗り越えて後方へ容易に移動させることができる。そして、このロック解除状態で溝蓋18Aを着脱し得るので、従来のように、弾性圧接片部f(図12参照)が排水溝路の内側面に常に弾接した状態で摺動することによる摺動抵抗が生じることがなく、その着脱作業を楽に行うことができる。
【0028】
また、従来のように、ロックボルトm(図14参照)が常に同じ位置を維持するものとは異なり、ロックボルト26はロック片29とともに進退するので、ロック状態において、万一、ロックボルト26が緩んでロック片29が後退し、ロック解除状態となった場合には、ロックボルト26もロック片29とともに後退するため、該ロックボルト26の位置によって溝蓋18Aが固定状態にあるか否かを目視で容易に判断することができる。
【0029】
さらに、主板部23の上面にロック片29を進出位置に保持するロック解除規制突起34を設けた場合には、万一、振動や衝撃でロックボルト26が緩んでも、操作頭部27に後方から当接しているロック解除規制突起34によってロックボルト26の後退が阻止されることにより、直ちにロック片29がロック解除状態となることを防止することができる。
【0030】
尚、前記ロック片29をバネ鋼材を素材に用いて形成することにより、当接端部32が梁部材10の下面に圧接するロック状態において、ロックボルト26をさらに強く緊締すると、ロック片29の中央部が上方に湾曲するように弾性変形して弾発力を生じるため、ロックボルト26が緩み難いものとなる。
【0031】
また、上記第一実施例では、排水溝路1の上部の略中央に該排水溝路1の開口幅より狭い開口部8を形成し、該開口部8を覆う溝蓋18Aをロック装置21によって固定する構成について説明したが、これに代えて、図4に示す第二実施例のように、開口部8を排水溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に形成し、該開口部8を覆う溝蓋18Aをロック装置21によって固定することも可能である。尚、その他、第一実施例と同じ構成部分には、第一実施例と同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】
また、上記第一実施例及び第二実施例にあっては、コンクリート15及び化粧タイル16からなる舗装材17を敷設する施工に適するように、支持枠5,5の立ち上がり縁6,6の高さが低く設定されているが、これに代えて、図5に示す第三実施例のように、砂36及び化粧ブロック37からなる舗装材17を敷設する施工に適するように、立ち上がり縁6,6を高く設定してもよい。この場合、両立ち上がり縁6,6間の開口部8を覆う溝蓋18Aは、両立ち上がり縁6,6間に横架された嵩上げ杆38上に乗載され、該嵩上げ杆38によって蓋受杆が構成されることとなる。
【0033】
図6は第四実施例を示し、この第四実施例は、前記主板部23に形成される長孔25を一方の側板部24の所定高さ位置まで一連に延出させて形成したものである。その他、第一実施例と同じ構成部分には、第一実施例と同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
かかる構成にあっては、ロック片29を、図6(a)に示す状態から水平に90°回動させた状態で、図6(b)に示すように、ロックボルト26の雄螺子杆部28を長孔25に沿って側板部24内に移動させることにより、ロックボルト26及びロック片29を溝蓋18Aの下面に沿うように横臥させることができる。尚、この横臥状態はガムテープ等の便宜的な固定部材(図示省略)を用いて保持することができる。これにより、溝蓋18Aの梱包及び搬送時において、ロックボルト26及びロック片29が下方に突出せず、溝蓋18Aを略フラットにすることができるため、取扱い性がよく、また搬送の効率性を向上させることができる。
【0035】
図7〜図10は第五実施例を示し、この第五実施例における排水溝路1は、地盤の所定深さ位置に断面略コ字形に打設したコンクリートにより構築されており、この排水溝路1の対向する上部内縁には、図7に示すように、金属製アングル材からなる略L形の蓋受枠39が排水溝路1の長手方向に沿って夫々配設されている。この蓋受枠39の水平状蓋受け縁39aの下面には、後述する溝蓋18Bの少なくとも対角関係にある二隅部分に対応する位置に、排水溝路1の内方に向けて開口する略箱形の囲繞枠体40が溶接により夫々接合されており、該囲繞枠体40によって蓋受枠39の下部に嵌挿空隙41が設けられている。尚、この嵌挿空隙41は、抜き型を用いて蓋受枠39の下部のコンクリート内に直に形成することも可能であり、また、ロック装置21を既設の溝蓋に後付けする場合には、蓋受枠39の下部のコンクリートをはつることによって形成することができる。
【0036】
前記排水溝路1には、両側の蓋受枠39に側縁が夫々支承された状態で、排水溝路1の上部開口の全体を覆う溝蓋18Bが着脱可能に被着されている。該溝蓋18Bは金属製のグレーチングからなり、図9に示すように、蓋受枠39に直交する方向に沿って所定間隔で並列した複数のメインバー42と、各メインバー42の両側端部に沿って夫々差し渡されたサイドバー43と、各メインバー42に直交して所定間隔で差し渡された適数本のクロスバー44とによって構成されている。尚、各メインバー42の相互間隔は、図10に示すように、ロック装置21の主板部23を上方から挿通し得る所定の間隔に設定されている。
【0037】
前記溝蓋18Bの少なくとも対角関係にある二隅部分で、前記各嵌挿空隙41に対応する位置にはロック装置21が夫々配設されている。該ロック装置21は、図10に示すように、主板部23と該主板部23の左右両端縁から上方に延成された一対の側板部24,24とにより断面コ字形に形成されたホルダー22を備えており、さらに前記側板部24,24の上端には外側方に水平状に延出する支持縁部24a,24aが連成されている。そして、ホルダー22を隣接するメインバー42,42間に上方から挿通して、支持縁部24a,24aを該メインバー42,42の上面に係止させた状態で、該支持縁部24a,24aとメインバー42,42とを溶接によって接合することにより、前記主板部23が溝蓋18Bの下部位置に略水平状に配設されている。主板部23には、蓋受枠39に略直交する方向に沿う所定長さの長孔25が形成されており、該長孔25にはロックボルト26が上方から挿通されている。
【0038】
前記ロックボルト26の雄螺子杆部28は、第一実施例と同様に、ロック片29に形成された上下方向の螺子孔30に螺合されており、これによってロック片29がロックボルト26によりホルダー22に吊持されている。該ロック片29は、前端に蓋受枠39の下面に当接可能な当接端部32を備えており、前記ロックボルト26に対する進退操作によって、該当接端部32が蓋受枠39の下面に対向する進出位置(図7参照)と、該進出位置から退避する退避位置(図8参照)間を進退し、また、前記ロックボルト26に対する回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられている。ここで、ロック片29の後端には、図7に示すように、前記進出位置でホルダー22の後部側の端面22’に当接して回動規制作用を生じる立ち上がり端部33が設けられており、該立ち上がり端部33によってホルダー22に対するロック片29の回動を規制する回動規制手段が構成されている。
【0039】
また、前記主板部23の上面には、ロック片29の進出位置におけるロックボルト26の操作頭部27に後方から当接して、ロック片29を進出位置に保持するロック解除規制突起34が、必要に応じて設けられる。その他、第一実施例と同じ構成部分には、第一実施例と同じ符号を付して重複する説明を省略する。
【0040】
かかる構成にあって、溝蓋18Bの少なくとも対角関係にある二隅部分に夫々配設された各ロック装置21のロック片29が、図8に示すように、退避位置にあるロック解除状態において、各ロックボルト26の操作頭部27にドライバー35の先端を係合し、該ドライバー35によってロックボルト26を前方へ移動操作することにより、図7に示すように、ロック片29が退避位置から進出位置に変換される。この時、主板部23の上面にロック解除規制突起34が設けられている場合には、ドライバー35をロックボルト26の操作頭部27に係合した状態で後方へ傾斜させることにより、操作頭部27が傾斜して前部側が主板部23の上面から浮き上がるので、ロック解除規制突起34を乗り越えて前方へ容易に移動させることができる。そして、このようにロック片29の当接端部32が蓋受枠39の下面に対向する進出位置で、ロックボルト26を緊締方向へ回転操作することにより、その螺進作用を介してロック片29が上昇して当接端部32が蓋受枠39の下面に圧接するロック状態が得られる。そして、このロック状態においては、ロック片29の当接端部32が蓋受枠39の下面に圧接されていることにより、溝蓋18Bが移動不能に保持され、これによって該溝蓋18Bのガタ付きや跳ね上がりが生じない確実な固定作用を得ることができる。
【0041】
また、前記ロック状態において、ドライバー35によってロックボルト26を弛緩方向へ回転操作することにより、その螺進作用を介してロック片29が降下して当接端部32と蓋受枠39との圧接が解除される。そして、ドライバー35によってロックボルト26を後方へ移動操作することにより、図8に示すように、ロック片29が進出位置から退避位置に変換されてロック解除状態となる。この時、主板部23の上面にロック解除規制突起34が設けられている場合には、ドライバー35をロックボルト26の操作頭部27に係合した状態で前方へ傾斜させることにより、操作頭部27が傾斜して後部側が主板部23の上面から浮き上がるので、ロック解除規制突起34を乗り越えて後方へ容易に移動させることができる。そして、このロック解除状態で溝蓋18Bを着脱し得るので、従来のように、弾性圧接片部f(図12参照)が排水溝路の内側面に常に弾接した状態で摺動することによる摺動抵抗が生じることがなく、その着脱作業を楽に行うことができる。
【0042】
また、従来のように、ロックボルトm(図14参照)が常に同じ位置を維持するものとは異なり、ロックボルト26はロック片29とともに進退するので、ロック状態において、万一、ロックボルト26が緩んでロック片29が後退し、ロック解除状態となった場合には、ロックボルト26もロック片29とともに後退するため、該ロックボルト26の位置によって溝蓋18Bが固定状態にあるか否かを目視で容易に判断することができる。
【0043】
さらに、主板部23の上面にロック片29を進出位置に保持するロック解除規制突起34を設けた場合には、万一、振動や衝撃でロックボルト26が緩んでも、操作頭部27に後方から当接しているロック解除規制突起34によってロックボルト26の後退が阻止されることにより、直ちにロック片29がロック解除状態となることを防止することができる。
【0044】
尚、この第二実施例では、ロック装置21を既設の溝蓋に後付けする場合、または溝蓋18Bの製造時に先付けする場合の二通りの取付け態様に対応し得るように、ホルダー22を構成する側板部24,24を上下方向に長くするとともに、その上端に水平状の支持縁部24a,24aを連成しているが、先付け専用とする場合には、第一実施例と同様に、短尺状の側板部24,24の上端を溝蓋18Bの底面に溶接によって接合することも可能である。また、ロック装置21を溝蓋18Bの対角関係にある二隅部分に配設しているが、これに代えて、溝蓋18Bの四隅部分に夫々配設してもよい。
【0045】
また、溝蓋18Bは必ずしもグレーチングである必要はなく、図11に示すように、内部に舗装材45を充填し得る箱枠46を備えた充填式溝蓋であってもよい。この場合には、箱枠46の底壁に操作口47が開口され、該操作口47の下部にロック装置21が配設されるとともに、該操作口47の上部を囲繞する、着脱可能なキャップ体48を備えた套管49が底壁上に立設されることとなる。
【0046】
さらに、本発明にかかるロック装置21は、一列状に列設されるグレーチングからなる溝蓋の端部相互を固定する場合にも用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第一実施例にかかるロック装置21を備えた溝蓋18Aの施工状態を示す縦断面図である。
【図2】(a)はロック片29が進出位置にある状態を示す要部の平面図、(b)はロック片29が退避位置にある状態を示す要部の平面図である。
【図3】(a)はロック片29が進出位置にある状態を示す要部の側断面図、(b)はロック片29が退避位置にある状態を示す要部の側断面図である。
【図4】第二実施例の施工状態を示す縦断面図である。
【図5】第三実施例の施工状態を示す縦断面図である。
【図6】第四実施例のロック装置21を示し、(a)はロック装置21の縦側断面図、(b)はロックボルト26及びロック片29を横臥させた状態の作用説明図である。
【図7】第五実施例にかかるロック装置21のロック片29が進出位置にある状態を示す施工状態の縦断面図である。
【図8】同上のロック装置21のロック片29が退避位置にある状態の作用説明図である。
【図9】同上のロック装置21を備えた溝蓋18Bの平面図である。
【図10】同上のロック装置21を備えた溝蓋18Bの側断面図である。
【図11】溝蓋18Bを充填式溝蓋とした場合の構成を示す施工状態の縦断面図である。
【図12】従来の跳ね上がり防止装置aを備えた溝蓋dの施工状態を示す縦断面図である。
【図13】従来の締結具を備えた溝蓋dの施工状態を示す縦断面図である。
【図14】同上の締結具における要部の平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 排水溝路
5 支持枠
10 梁部材(蓋受杆)
18A,18B 溝蓋
21 ロック装置
22 ホルダー
23 主板部
25 長孔
26 ロックボルト
27 操作頭部
29 ロック片
30 螺子孔
32 当接端部
33 立ち上がり端部(回動規制手段)
34 ロック解除規制突起
38 嵩上げ杆(蓋受杆)
39 蓋受枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水溝路の上部に配設される左右の支持枠間に横架された蓋受杆上に乗載されて、左右の支持枠間の開口部を覆う溝蓋を、前記蓋受杆に移動不能に保持するためのロック装置であって、
前記蓋受杆に略直交する方向に沿う所定長さの長孔が形成された主板部を備え、該主板部が溝蓋の下部位置に略水平状に配設されたホルダーと、
該ホルダーの長孔に上方から挿通されて、該長孔の上部孔縁に係合する径大な操作頭部によって支持され、溝蓋の上方から回転操作可能で、かつ長孔によって該長孔の長手方向に沿う移動範囲が規制されるロックボルトと、
蓋受杆の下面に当接可能な前端の当接端部と、ホルダーに対する回動を規制する回動規制手段と、前記ロックボルトと螺合される上下方向の螺子孔とを備え、該螺子孔に螺合されたロックボルトによりホルダーに吊持されて、前端の当接端部が蓋受杆の下面に対向する進出位置と、該進出位置から退避する退避位置間を進退し、前記ロックボルトの回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられたロック片と
を備えたことを特徴とする溝蓋のロック装置。
【請求項2】
排水溝路の上部内縁に配設された蓋受枠に側縁が支承されて、排水溝路の上部開口を覆う溝蓋を、前記蓋受枠に移動不能に保持するためのロック装置であって、
前記蓋受枠に略直交する方向に沿う所定長さの長孔が形成された主板部を備え、該主板部が溝蓋の側縁近傍の下部位置に略水平状に配設されたホルダーと、
該ホルダーの長孔に上方から挿通されて、該長孔の上部孔縁に係合する径大な操作頭部によって支持され、溝蓋の上方から回転操作可能で、かつ長孔によって該長孔の長手方向に沿う移動範囲が規制されるロックボルトと、
蓋受枠の下面に当接可能な前端の当接端部と、ホルダーに対する回動を規制する回動規制手段と、前記ロックボルトと螺合される上下方向の螺子孔とを備え、該螺子孔に螺合されたロックボルトによりホルダーに吊持されて、前端の当接端部が蓋受枠の下面に対向する進出位置と、該進出位置から退避する退避位置間を進退し、前記ロックボルトの回転操作により、その螺進作用を介して昇降するように設けられたロック片と
を備えたことを特徴とする溝蓋のロック装置。
【請求項3】
主板部の上面に、ロック片の進出位置におけるロックボルトの操作頭部に後方から当接して、ロック片を進出位置に保持するロック解除規制突起が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の溝蓋のロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−169993(P2007−169993A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367592(P2005−367592)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(592094243)カネソウ株式会社 (73)
【Fターム(参考)】