溝路用通水被覆装置
【課題】施工に際して、溝路部材として市販されているU字溝に何ら加工を施す必要がない溝路用通水被覆装置を提供する。
【解決手段】左右の支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に嵩上げ部材28を設け、該嵩上げ部材28上に、金属製通水被覆部材13を乗載するようにし、さらに左右の支持枠8,8を連結する各梁部材10を、支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設し、かつ溝路1を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠8,8の水平縁7,7又は一方の支持枠8の水平縁7と他方の支持枠8の立ち上がり縁6を乗載するようにした。これにより、施工に際して、溝路部材として市販されているU字溝に何ら加工を施す必要がない、
【解決手段】左右の支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に嵩上げ部材28を設け、該嵩上げ部材28上に、金属製通水被覆部材13を乗載するようにし、さらに左右の支持枠8,8を連結する各梁部材10を、支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設し、かつ溝路1を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠8,8の水平縁7,7又は一方の支持枠8の水平縁7と他方の支持枠8の立ち上がり縁6を乗載するようにした。これにより、施工に際して、溝路部材として市販されているU字溝に何ら加工を施す必要がない、
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝等の溝路上に配設される溝路用通水被覆装置に関する。
【背景技術】
【0002】
U字溝等の上部が大きく開放された溝路部材を用いて構築される溝路は、従来、その通水性を確保するために、帯板状金属杆を格子状に組み付けたグレーチング蓋からなる通水溝蓋によって上部開口を遮蔽するようにしていた。しかしながら、近年、化粧タイルや化粧ブロックを敷設したカラー舗装路面が多くなり、このようなカラー舗装路面と調和する意匠性に優れた溝蓋が要求されるようになったため、その一形態として内部に化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材を充填し得る溝蓋が種々提供されている。
【0003】
このような溝蓋は、箱枠状に形成された蓋本体を備えており、この箱枠状の蓋本体内に化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材が充填されるが、その充填に際して、蓋本体内に化粧タイルや化粧ブロックが整然と収まるように、蓋本体内からはみ出す化粧タイルや化粧ブロックの余剰部分を切除しなければならないため、その加工に手間が掛かる上、施工後においても、蓋本体内に充填された舗装材と、溝路の周囲上面に敷設された舗装材との間に、蓋本体と受枠の目地が露出するため、該目地によってカラー舗装路面の意匠的な連続性が分断されてしまうという問題点があった。
【0004】
一方、このような問題点が生じない構成を備えた排水溝構造も提案されている。このものは、図28に示すように、溝路部材aの両側壁b,b上に載置して溝路jの中央へ向けて延出させた水平縁cと該水平縁cの内側端部に立設した垂直縁dとからなる左右一対の支持枠e,eと、該両支持枠e,eを連結する梁部材fとを備えており、前記両支持枠e,eの垂直縁d,d間に形成される通水部内に通水溝蓋gを配設するようにしている(特許文献1参照)。かかる構成にあっては、溝路の周囲に敷設される化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材hを、両支持枠e,eの水平縁c,c上で垂直縁d,d際まで連続して敷設することができるため、従来の箱枠状の蓋本体を用いるカラー舗装用の溝蓋のように、蓋本体内からはみ出す化粧タイルや化粧ブロックの余剰部分を切除する必要がなく、また、敷設した舗装材hの、両側壁b,b上に対応する部分に支持枠e,eの目地が露出しないため、カラー舗装路面の意匠的な連続性が損なわれないという利点がある。
【0005】
また、同様の排水溝構造にあって、左右の支持枠を連結する梁部材の両端部を、溝路部材の両側壁の上部内側縁に形成したL形受け部に夫々載置するようにした構成も知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−169375号公報
【特許文献2】特開2004−346701号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1に開示された構成にあっては、左右一対の支持枠e,eを連結する梁部材fが、両支持枠e,eの水平縁c,cの下面に溶接を介して固着されており、また、該梁部材fの長さが、溝路部材aの開口幅内に収まる長さとなっている。そして、このような梁部材fによって連結された水平縁c,cの外側端部が、溝路部材aの両側壁b,b上に載置されていることにより、支持枠e,e上に敷設された舗装材hや通水溝蓋g上を自動車等の重量の大きなものが通過した場合に、その荷重が梁部材fのない水平縁c,cの外側端縁近傍部分nに集中して掛かるため、当該部分に変形が生じ易く、このように水平縁c,cのみで荷重を受けるものにあっては、自動車等の大きな荷重に耐える所定の強度を得ることができないという問題点があった。従って、このような強度的な弱点に対処するために、溝路部材aの上部周囲に配設される鉄筋等からなる芯材k(図28参照)を両支持枠e,eの水平縁c,c上まで延出させてその先端部を垂直縁d,dに溶接するとともに、コンクリートを打設して、この芯材入りのコンクリート層mを水平縁c,c上に固着させることによって、支持枠e,eの強度を高めなければならなかった。しかしながら、このように鉄筋等からなる芯材kを施工現場において水平縁c,c上まで配筋するには、手間と費用が掛かる上、施工期間も長くなるという問題点があり、また、舗装材hとして化粧ブロックを用いる場合には、水平縁c,c上に砂が敷設されるため、上記のような芯材入りのコンクリート層mを形成することができないという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に開示された構成にあっては、溝路部材の両側壁の上部内側縁に夫々形成したL形受け部に、左右の支持枠を連結する梁部材の両端部が夫々載置されているため、該梁部材によって自動車等の大きな荷重に耐える所定の強度を得ることができる。しかしながら、溝路部材として市販されているU字溝において、両側壁の上部内側縁にこのようなL形受け部が形成されたU字溝は存在しない。従って、実施に際しては、市販のU字溝に対してL形受け部の形成加工をその都度行わなければならないのであるが、このL形受け部の形成加工には、膨大な時間と手間と加工費用を要するという問題点がある。また、U字溝等の溝路部材を用いることなく、現場におけるコンクリートの打設によって、溝路を構築する場合にあっても、通常の型枠以外にL形受け部形成用の型枠を別途組み付けなければならないため、手間と時間を要するという問題点がある。
【0008】
一方、道路や通路の側溝として構築される溝路は、U字溝等の溝路部材aをできるだけ道路や通路の端に寄せるようにして設置するのが普通であるが、上述した従来構成のように、溝路部材aの両側壁b,b上に水平縁c,cの外側端部を載置し、その内側端部を溝路jの中央へ向けて延出させた左右一対の支持枠e,eを備えたものにあっては、道路等の外端側に位置する一方の支持枠eの水平縁c上に、化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材hを敷設するに際して、該水平縁c上の敷設スペース内に化粧タイルや化粧ブロックが整然と収まるように、敷設スペースからはみ出す化粧タイルや化粧ブロックの余剰部分を切除しなければならないため、その加工に手間が掛かるという問題点があった。
【0009】
本発明は、自動車等の大きな荷重に耐える所定の強度を得ることができるとともに、溝路部材として市販されているU字溝に何ら加工を施す必要がなく、さらに、溝路が側溝である場合に、道路等の外端側における舗装材の敷設を不要とし得る溝路用通水被覆装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、
梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、
さらに前記各梁部材が、支持枠の水平縁の上面に当接して配設され、かつ溝路を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠の水平縁又は一方の支持枠の水平縁と他方の支持枠の立ち上がり縁が乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置である。
【0011】
ここで、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させる場合には、両立ち上がり縁に梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。また、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる場合には、少なくとも溝路を構成する一方の側壁上に位置する立ち上がり縁に対向する他方の立ち上がり縁に、梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。さらに、各梁部材は、支持枠の水平縁の上面に当接させた状態で溶接等の接合手段によって、該水平縁の上面に接合することが好ましい。これにより、梁部材と支持枠との相互の位置ずれを防止することができる。
【0012】
また、少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに前記各梁部材上に支持枠の水平縁が乗載され、かつ各梁部材の左右両端部が、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置も提案される。
【0013】
ここで、各梁部材に乗載される支持枠の水平縁は、溶接等の接合手段によって、各梁部材の上面に接合することが好ましい。これにより、梁部材と支持枠との相互の位置ずれを防止することができる。
【0014】
また、上述した左右の支持枠が、立ち上がり縁に水平縁が夫々連成されたものにおいて、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路の上部を左右の支持枠の水平縁で覆うようにした構成が提案される。
【0015】
また、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路の上部を一方の支持枠の水平縁で覆うようにした構成が提案される。
【0016】
また、少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに前記各梁部材が、支持枠の水平縁の上面又は下面に当接して配設され、かつ水平縁の外側端と溝路の側壁内面との間に間隙が設けられるとともに、各梁部材の左右両端部が、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置が提案される。
【0017】
ここで、各梁部材を、支持枠の水平縁の上面に当接して配設し、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させる場合には、両立ち上がり縁に梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。また、各梁部材を、支持枠の水平縁の上面に当接して配設し、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる場合には、少なくとも溝路を構成する一方の側壁上に位置する立ち上がり縁に対向する他方の立ち上がり縁に、梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。また、各梁部材は、支持枠の水平縁の上面又は下面に当接させた状態で、溶接等の接合手段によって、支持枠に接合することが好ましい。これにより、梁部材と支持枠との相互の位置ずれを防止することができる。
【0018】
さらに、支持枠又は梁部材に、溝路の側壁外面又は側壁内面に沿って垂下する左右一対の遮蔽縁が設けられている構成が提案される。ここで、該遮蔽縁は溝路の長手方向に沿って延在する左右の支持枠と略同一長さとすることが好ましい。
【0019】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部に金属製通水被覆部材が配設されている構成が提案される。ここで、金属製通水被覆部材は、通水部を覆うとともに、該通水部の通水性を得るためのものであって、これには、グレーチング蓋や多数の小孔を穿設した蓋体が好適に用いられ得る。
【0020】
さらに、前記構成にあって、支持枠の立ち上がり縁と水平縁とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁の材質を、金属製通水被覆部材の材質に一致させた構成が提案される。ここで、立ち上がり縁及び金属製通水被覆部材の材質を、水平縁の材質に比して美観性に優れた材質とすることが好ましい。
【0021】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部が、その上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設けられている構成が提案される。ここで、通水部を、上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設けるには、少なくとも一方の立ち上がり縁を傾斜させて通水部をテーパ状にしたり、或いは少なくとも一方の立ち上がり縁に段部を設け、該段部を介して通水部の下部を広幅にする形態が適用され得る。
【0022】
また、梁部材の両端部又は左右の支持枠から、溝路の側壁外面に沿うようにして固定杆が夫々下方に垂設され、少なくとも何れか一方の固定杆に、先端が溝路の側壁外面に圧接可能な固定螺子が外側方から螺合されている構成が提案される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上述したように、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに左右の支持枠を連結する複数の梁部材を、支持枠の水平縁の上面に当接して配設し、かつ溝路を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠の水平縁又は一方の支持枠の水平縁と他方の支持枠の立ち上がり縁を乗載するように構成したから、施工に際して、溝路部材として市販されているU字溝に何ら加工を施す必要がない。また、従来のように、両側壁の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がなく、その形成コストが不要であり、さらに、梁部材が支持枠の水平縁の上面に当接して配設されているため、梁部材上に支持枠の水平縁を乗載する場合に比して、地表面から溝路の側壁の上端面までの深さを梁部材の高さ寸法分だけ浅くすることができ、これによって溝路部材を埋設する場合において側壁の上端面を下げるための掘削量を減らすことができる。
【0024】
また、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに左右の支持枠を連結する複数の梁部材上に支持枠の水平縁を乗載し、かつ各梁部材の左右両端部を、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載するように構成した場合には、溝路用通水被覆装置上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かっても、溝路の左右の側壁上に差し渡された梁部材によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、溝路の左右の側壁の上端面に梁部材の左右両端部を乗載したので、従来のように、両側壁の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がなく、その形成コストが不要となる。
【0025】
また、左右の支持枠が、立ち上がり縁に水平縁が夫々連成されたものにおいて、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路の上部を左右の支持枠の水平縁で覆うようにした構成にあっては、溝路の上部の略中央に該溝路の開口幅より狭い通水部を形成することができる。
【0026】
また、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路の上部を一方の支持枠の水平縁で覆うようにした構成にあっては、溝路の上部の側部に該溝路の開口幅より狭い通水部を形成することができる。ここで、左右の支持枠が、立ち上がり縁に水平縁が夫々連成されたものにおいて、一方の支持枠の水平縁を溝路の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠の水平縁を溝路の側壁上面の幅に略一致する狭幅水平縁とし、前記広幅水平縁の外側端縁を、溝路を構成する一方の側壁上に位置させるとともに、前記狭幅水平縁を、溝路を構成する他方の側壁上に位置させ、該狭幅水平縁の外側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁と、前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁とを溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる構成としたり、或いは、一方の支持枠が立ち上がり縁のみからなり、他方の支持枠が立ち上がり縁に水平縁が連成されたものにおいて、該支持枠の水平縁を溝路の上部を略覆う広幅水平縁とし、該広幅水平縁の外側端縁を、溝路を構成する一方の側壁上に位置させるとともに、立ち上がり縁のみからなる他方の支持枠を溝路を構成する他方の側壁上の外端側に位置させ、該支持枠の立ち上がり縁と前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁とを溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる構成として、両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路の上部を一方の支持枠の広幅水平縁で覆うようにすることにより、通水部を溝路の上部の最も側部に偏倚した位置に形成することができる。これにより、溝路が側溝である場合に、道路側に敷設される舗装材を支持枠の広幅水平縁上に連続状に敷設するだけでよく、道路の外端側における舗装材の敷設作業を不要とすることができる。
【0027】
また、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに左右の支持枠を連結する複数の梁部材を、支持枠の水平縁の上面又は下面に当接して配設し、かつ水平縁の外側端と溝路の側壁内面との間に間隙を設けるとともに、各梁部材の左右両端部を、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載するようにした構成にあっては、上述したように、溝路用通水被覆装置上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かった場合に、溝路の左右の側壁上に差し渡された梁部材によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、梁部材の左右両端部を乗載する部分を、溝路の左右の側壁の上端面としたので、従来のように、両側壁の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がなく、その形成コストが不要となる。さらに、この構成にあっては、水平縁の外側端と溝路の側壁内面との間に間隙が設けられていることにより、溝路の周囲から水平縁上に亘って透水性コンクリートを舗装材として敷設した場合に、該透水性コンクリートを透過した雨水を前記間隙から溝路内に排水させることができる。
【0028】
また、支持枠又は梁部材に、溝路の側壁外面又は側壁内面に沿って垂下する左右一対の遮蔽縁を設ける構成にあっては、U字溝等の溝路部材を用いて水勾配を付けて構築された溝路上に溝路用通水被覆装置を水平に配設した場合に、水下に至るに従って、溝路の側壁上面と溝路用通水被覆装置の下面との間に次第に隙間が生じることとなり、施工時に、この隙間から舗装材を構成するコンクリートや砂が溝路内に流入することとなるのであるが、上記のように、溝路の側壁外面又は側壁内面に沿って垂下する左右一対の遮蔽縁を設けることにより、該遮蔽縁によって前記隙間が遮蔽されて、コンクリートや砂等の異物の溝路内への流入を防止することができる。
【0029】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部に金属製通水被覆部材を配設するようにした構成にあっては、通水部の通水性が確保できるとともに、通水部からのゴミや木の葉等の異物の流入を防止することができる。
【0030】
さらに、支持枠の立ち上がり縁と水平縁とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁の材質を、金属製通水被覆部材の材質に一致させる構成にあっては、水平縁の材質を安価な鉄鋼とし、立ち上がり縁と金属製通水被覆部材の材質をステンレス鋼とすることにより、支持枠全体をステンレス鋼とする場合に比して、製造コストの低減を図ることができるとともに、人目に付く部分がステンレス鋼であるため、美観性に優れたものとなる。
【0031】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部を、その上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設ける構成にあっては、両支持枠の立ち上がり縁を近接させて通水部を狭幅とするとともに、該通水部を金属製通水被覆部材で被覆しない場合において、通水部内に小石や木片等の異物が入った場合に、該通水部の上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設けられていることにより、これらの異物が立ち上がり縁間に挟まって滞留することなく、該異物を円滑に落下させることができる。
【0032】
また、梁部材の両端部又は左右の支持枠から、溝路の側壁外面に沿うようにして固定杆が夫々下方に垂設され、少なくとも何れか一方の固定杆に、先端が溝路の側壁外面に圧接可能な固定螺子が外側方から螺合されている構成にあっては、固定螺子の螺回操作による該固定螺子の緊締作用を介して、梁部材及び支持枠を溝路の側壁に固定することができるため、その固定状態において、支持枠の水平縁上への舗装材の敷設作業を楽に行うことができるとともに、施工精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明と関係する参考第1実施例(以下本発明の技術的範囲に含まれない実施例を参考第1実施例等という)を、図1〜図4に基づいて説明する。
溝路1は、図1,図2に示すように、底壁3と左右の側壁4,4とによって断面略U字状に形成されたU字溝からなる複数の溝路部材2を、地盤の所定深さ位置に一列状に埋設して構築されている。
【0034】
本発明にかかる溝路用通水被覆装置5は、前記溝路1の上部開口を通水可能に覆うものであり、この第1実施例の溝路用通水被覆装置5にあっては、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成された左右一対の支持枠8,8を備えている。該両支持枠8,8は、その立ち上がり縁6,6が溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁6,6間に通水部9が形成されている。また、この通水部9以外の溝路1の上部開口は、両支持枠8,8の水平縁7,7で遮蔽されている。両支持枠8,8は、鉄鋼又はステンレス鋼からなる板状の金属材を素材にして形成されており、その長さは、図2に示すように、一列状をなす複数の溝路部材2の長手方向に亘る所定の長さとなっている。尚、各支持枠8の立ち上がり縁6と水平縁7は、図1に示すように、一枚の金属板を断面L形に屈曲させて形成してもよいし、図3等に示すように、二枚の金属板を溶接によって断面L形となるように接合して形成することも可能である。
【0035】
左右の支持枠8,8は、図2に示すように、該支持枠8,8の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材10によって連結されている。各梁部材10は強度に優れた金属製の角パイプからなり、その長さは、溝路1を構成する左右の側壁4,4の外面11,11から若干外方に突出する所定の長さとなっている。各梁部材10は、支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設され、該支持枠8,8の立ち上がり縁6,6に形成された挿通口12,12に挿通した状態で、水平縁7,7または水平縁7,7と挿通口12,12の口縁とに溶接によって接合されている。そして、このように左右の支持枠8,8を移動不能に連結した各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に、両支持枠8,8の水平縁7,7を介して乗載されている。
【0036】
また、立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9には、金属製通水被覆部材13が配設されている。該金属製通水被覆部材13は、鉄鋼製、ステンレス鋼製または鋳鉄製のグレーチング蓋からなり、通水部9に露出する前記各梁部材10の上面に着脱可能に乗載されている。尚、この金属製通水被覆部材13は、グレーチング蓋以外に、図3に示すように、例えば多数の小孔14を穿設した天板部15を備えた断面伏コ字形の蓋体を用いてもよい。また、該蓋体を天板部15のみの帯板状とし、左右の立ち上がり縁6,6の内側面上端に溶接によって接合して横架させてもよく、さらに、図4に示すように、天板部15と左右の立ち上がり縁6,6とを一体形成することも可能である。また、金属製通水被覆部材13をグレーチング状に形成し、これを左右の立ち上がり縁6,6間に配置した状態で溶接によって両立ち上がり縁6,6と一体化してもよい。
【0037】
前記各梁部材10の両端部には、溶接によって接合した固定杆16が、溝路1の側壁4,4の外面11,11に沿うようにして夫々下方に垂設されており、各固定杆16には先端が溝路1の側壁4,4の外面11,11に圧接可能な固定螺子17が夫々外側方から螺合されている。そして、該固定螺子17を締め付け方向に螺回操作して、各固定螺子17の先端部を側壁4,4の外面11,11に圧接させることにより、その緊締作用を介して、梁部材10及び支持枠8,8を溝路1の側壁4,4に固定するようにしている。そして、このような固定状態において、左右の支持枠8,8の水平縁7,7上に、溝路1の周囲上部に敷設されるコンクリート18及び化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。
【0038】
従って、施工に際しては、溝路用通水被覆装置5を溝路1の側壁4,4上に載置した後、各固定螺子17の螺回操作による緊締作用を介して、梁部材10及び支持枠8,8を溝路1の側壁4,4に固定することができるため、その固定状態において、支持枠8,8の水平縁7,7上への舗装材20の敷設作業を楽に行うことができる。また、左右両側から各固定螺子17,17を緊締するようにしていることにより、溝路1を構成する複数の溝路部材2の列設状態における直線度が多少悪くても、そのズレを吸収することができるため、施工精度を向上させることができる。
【0039】
かかる構成にあって、各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に、支持枠8,8の水平縁7,7を介して乗載されていることにより、溝路用通水被覆装置5上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かっても、溝路1の左右の側壁4,4上に差し渡された梁部材10によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、梁部材10の左右両端部を乗載する部分を、溝路1の左右の側壁4,4の上端面としたので、従来のように、両側壁4,4の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がないため、その形成コストが不要であり、さらに、梁部材10が支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設されているため、後述する第8実施例(図12参照)のように、梁部材10上に支持枠8,8の水平縁7,7を乗載する場合に比して、地表面から溝路1の側壁4,4の上端面までの深さを梁部材10の高さ寸法分だけ浅くすることができ、これによって溝路部材2を埋設する場合において側壁4,4の上端面を下げるための掘削量を減らすことができる。
【0040】
また、左右の支持枠8,8を、立ち上がり縁6,6に水平縁7,7が夫々連成されたものとし、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を左右の支持枠8,8の水平縁7,7で覆うようにしたので、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。
【0041】
尚、上述した第1実施例にあっては、左右の支持枠8,8の水平縁7,7上にコンクリート18及び化粧タイル19からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、立ち上がり縁6,6の立ち上がり高さが低く設定されているが、砂26及び化粧ブロック27からなる舗装材20(図10参照)を敷設する場合には、該立ち上がり縁6,6の立ち上がり高さがさらに高くなるように設定される。
【0042】
また、上述した第1実施例にあっては、各梁部材10の両端部から、溝路1の側壁4,4の外面11,11に沿うようにして夫々下方に垂設させた各固定杆16に、夫々固定螺子17を螺合する構成としたが、該固定螺子17は、左右何れか一方の側の固定杆16にのみ螺合するようにしてもよい。かかる構成にあっても、施工時に各固定螺子17の螺回操作による緊締作用を介して、梁部材10及び支持枠8,8を溝路1の側壁4,4に固定することができるため、支持枠8,8の水平縁7,7上への舗装材20の敷設作業を楽に行うことができる。
【0043】
図5は参考第2実施例を示し、この第2実施例は、前記第1実施例における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6と水平縁7,7とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁6,6の材質を、金属製通水被覆部材13の材質に一致させたものである。ここで、水平縁7,7の材質には鉄鋼が用いられており、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質にはステンレス鋼が用いられている。また、立ち上がり縁6,6にはその下端部に外側方に延出する水平部21が夫々連成されており、該水平部21の外端と、水平縁7,7の内端とが溶接によって一体的に接合されている。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0044】
かかる構成にあっては、水平縁7,7の材質を安価な鉄鋼とし、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質をステンレス鋼とすることにより、支持枠8,8全体をステンレス鋼とする場合に比して、製造コストの低減を図ることができるとともに、人目に付く部分がステンレス鋼であるため、美観性に優れたものとなる。
【0045】
図6は参考第3実施例を示し、この第3実施例は、前記第1実施例における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9を、前記第1実施例のものに比して狭幅に形成するとともに、その上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けたものである。ここで、両立ち上がり縁6,6の上端部には、鉄鋼またはステンレス鋼等の金属材からなる断面L形の目地部材23,23が溶接または螺子止め等の接合手段によって対向状に固着されており、該目地部材23,23の内端縁の間隔によって通水部9の上部開口幅22aが狭められている。尚、このように、目地部材23,23を用いる構成に代えて、図7(a)に示すように、少なくとも一方の立ち上がり縁6を傾斜させて通水部9をテーパ状にしたり、図7(b)に示すように、少なくとも一方の立ち上がり縁6に段部24を設け、該段部24を介して通水部9の下部を広幅にすることも可能である。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0046】
かかる構成にあっては、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を近接させて通水部9を狭幅とすることにより、上述した金属製通水被覆部材13を用いる必要がなく、また、通水部9内に小石や木片等の異物が入った場合に、該通水部9の上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けられていることにより、これらの異物が立ち上がり縁6,6間に挟まって滞留することなく、該異物を円滑に落下させることができる。
【0047】
図8は参考第4実施例を示し、この第4実施例は、前記第1実施例における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにしたものである。ここで、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁とし、前記広幅水平縁の外側端縁を、溝路1を構成する一方の側壁4上に位置させるとともに、前記狭幅水平縁を、溝路1を構成する他方の側壁4上に位置させ、該狭幅水平縁の外側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6と、前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6とを溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させるようにしている。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0048】
かかる構成にあっては、通水部9を溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に形成することができる。これにより、溝路1が側溝である場合、或いは溝路1の外端側に壁や塀等の立ち上がり部25がある場合に、道路側に敷設される舗装材20を支持枠8の広幅水平縁上に連続状に敷設するだけでよいため、道路の外端側における舗装材20の敷設作業を不要とすることができ、施工が容易となる。
【0049】
尚、上述した第4実施例にあっては、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁としたが、これに代えて、図9に示す参考第5実施例のように、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとし、各梁部材10の左右両端部を、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に、一方の支持枠8の水平縁7と他方の支持枠8の立ち上がり縁6とを介して乗載するようにしてもよい。
【0050】
図10は本発明に係る第6実施例を示し、この第6実施例は、上述した第4実施例(図8参照)の構成において、砂26及び化粧ブロック27からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、左右の支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を高く設定したものである。この場合、両立ち上がり縁6,6間の通水部9に配設されるグレーチング蓋等の金属製通水被覆部材13は、両立ち上がり縁6,6間に横架された嵩上げ杆からなる嵩上げ部材28上に乗載されることとなる。
【0051】
図11は参考第7実施例を示し、この第7実施例は、上述した第4実施例(図8参照)の構成において、透水性コンクリート29からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、広幅水平縁とする一方の水平縁7(図中右側)に複数の透孔30を穿設したものである。これにより、降雨時に、透水性コンクリート29からなる舗装材20を透過した雨水を前記透孔30から溝路1内に排水することができる。尚、施工に際しては、一方の水平縁7(図中右側)上に透水性シート(図示省略)を敷設することにより、透孔30からの透水性コンクリート29の流出が防止される。
【0052】
図12は参考第8実施例を示し、この第8実施例は、各梁部材10上に左右の支持枠8,8の水平縁7,7が乗載され、かつ各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に乗載されている。ここで、両支持枠8,8は、第1実施例と同様に、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成されたものであり、該支持枠8,8の水平縁7,7と各梁部材10は溶接によって接合されている。また、支持枠8,8の立ち上がり縁6,6は、溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9には、金属製通水被覆部材13が配設されている。該金属製通水被覆部材13はグレーチング蓋からなり、両立ち上がり縁6,6間に横架された嵩上げ部材28上に着脱可能に乗載されている。尚、この金属製通水被覆部材13は、グレーチング蓋以外に、例えば多数の小孔14を穿設した天板部15を備えた断面伏コ字形の蓋体(図3参照)を用いてもよい。また、該蓋体を天板部15のみの帯板状とし、左右の立ち上がり縁6,6の内側面上端に溶接によって接合して横架させてもよく、さらに、天板部15と左右の立ち上がり縁6,6とを一体形成することも可能である(図4参照)。また、金属製通水被覆部材13をグレーチング状に形成し、これを左右の立ち上がり縁6,6間に配置した状態で溶接によって両立ち上がり縁6,6と一体化してもよい。その他の構成は、前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
かかる構成にあっては、各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に乗載されていることにより、溝路用通水被覆装置5上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かっても、溝路1の左右の側壁4,4上に差し渡された梁部材10によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、梁部材10の左右両端部を乗載する部分を、溝路1の左右の側壁4,4の上端面としたので、従来のように、両側壁4,4の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がないため、その形成コストが不要となる。
【0054】
また、左右の支持枠8,8を、立ち上がり縁6,6に水平縁7,7が夫々連成されたものとし、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を左右の支持枠8,8の水平縁7,7で覆うようにしたので、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。
【0055】
図13は参考第9実施例を示し、この第9実施例は、前記第8実施例(図12参照)における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6と水平縁7,7とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁6,6の材質を、金属製通水被覆部材13の材質に一致させたものである。ここで、水平縁7,7の材質には鉄鋼が用いられており、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質にはステンレス鋼が用いられている。また、立ち上がり縁6,6にはその下端部に外側方に延出する水平部21が夫々連成されており、該水平部21の外端と、水平縁7,7の内端とが溶接によって一体的に接合されている。その他の構成は前記第8実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0056】
かかる構成にあっては、水平縁7,7の材質を安価な鉄鋼とし、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質をステンレス鋼とすることにより、支持枠8,8全体をステンレス鋼とする場合に比して、製造コストの低減を図ることができるとともに、人目に付く部分がステンレス鋼であるため、美観性に優れたものとなる。
【0057】
図14は参考第10実施例を示し、この第10実施例は、前記第8実施例(図12参照)における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにしたものである。ここで、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁とし、前記広幅水平縁の外側端縁を、溝路1を構成する一方の側壁4上に位置させるとともに、前記狭幅水平縁を、溝路1を構成する他方の側壁4上に位置させ、該狭幅水平縁の外側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6と、前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6とを溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させるようにしている。また、両立ち上がり縁6,6間の通水部9に配設されるグレーチング蓋等の金属製通水被覆部材13は、両立ち上がり縁6,6間に横架された嵩上げ杆からなる嵩上げ部材28上に乗載されている。その他の構成は前記第8実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0058】
かかる構成にあっては、通水部9を溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に形成することができる。これにより、溝路1が側溝である場合、或いは溝路1の外端側に壁や塀等の立ち上がり部25がある場合に、道路側に敷設される舗装材20を支持枠8の広幅水平縁上に連続状に敷設するだけでよいため、道路の外端側における舗装材20の敷設作業を不要とすることができ、施工が容易となる。
【0059】
尚、上述した第10実施例にあっては、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁としたが、これに代えて、図15に示す参考第11実施例のように、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとしてもよい。
【0060】
図16は参考第12実施例を示し、この第12実施例は、上述した第10実施例(図14参照)の構成において、砂26及び化粧ブロック27からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、左右の支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を高く設定したものである。
【0061】
図17は参考第13実施例を示し、この第13実施例は、上述した第10実施例(図14参照)の構成において、透水性コンクリート29からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、広幅水平縁とする一方の水平縁7(図中右側)に複数の透孔30を穿設したものである。これにより、降雨時に、透水性コンクリート29からなる舗装材20を透過した雨水を前記透孔30から溝路1内に排水することができる。尚、施工に際しては、一方の水平縁7(図中右側)上に透水性シート(図示省略)を敷設することにより、透孔30からの透水性コンクリート29の流出が防止される。
【0062】
図18は参考第14実施例を示し、この第14実施例は、前記第11実施例(図15参照)における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9を、前記第11実施例のものに比して狭幅に形成するとともに、その上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けたものである。ここで、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、該広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6を傾斜させて、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9をテーパ状にすることにより、上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるようにしている。尚、このように、立ち上がり縁6を傾斜させる構成に代えて、目地部材23,23(図6参照)を用いたり、少なくとも一方の立ち上がり縁6に段部24(図7(b)参照)を設け、該段部24を介して通水部9の下部を広幅にすることも可能である。その他の構成は前記第11実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0063】
かかる構成にあっては、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を近接させて通水部9を狭幅とすることにより、上述した金属製通水被覆部材13を用いる必要がなく、また、通水部9内に小石や木片等の異物が入った場合に、該通水部9の上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けられていることにより、これらの異物が立ち上がり縁6,6間に挟まって滞留することなく、該異物を円滑に落下させることができる。
【0064】
図19は参考第15実施例を示し、この第15実施例は、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成された左右の支持枠8,8の、その立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向させることにより、該立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、両支持枠8,8を連結する各梁部材10を、左右の支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設し、かつ両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に間隙32,32を設けるとともに、各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。また、支持枠8,8の水平縁7,7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、施工に際しては、水平縁7,7と溝路1の側壁4,4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32,32を遮蔽することにより、該間隙32,32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0065】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29からなる舗装材20を透過した雨水を前記間隙32,32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第15実施例では、間隙32,32に加えて、水平縁7,7に排水用の透孔30(図11参照)を穿設することも可能である。
【0066】
図20は参考第16実施例を示し、この第16実施例は、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成された左右の支持枠8,8の、その立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向させることにより、該立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、両支持枠8,8を連結する各梁部材10上に、両支持枠8,8の水平縁7,7を乗載し、かつ両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に間隙32,32を設けるとともに、各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。また、支持枠8,8の水平縁7,7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29及び透水性の化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、左右の水平縁7,7の外側端縁は下方に向けて曲成され、その下端が側壁4,4の上端面に略一致する高さ位置まで延出されており、これによって前記間隙32,32が必要以上に開口しないようにしている。また、施工に際しては、水平縁7,7と溝路1の側壁4,4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32,32を遮蔽することにより、該間隙32,32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第8実施例(図12参照)と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0067】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29を透過した雨水を前記間隙32,32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第16実施例では、間隙32,32に加えて、水平縁7,7に排水用の透孔30(図17参照)を穿設することも可能である。
【0068】
図21は参考第17実施例を示し、この第17実施例は、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとして、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにするとともに、両支持枠8,8を連結する各梁部材10を、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7の上面に当接して配設し、かつ該水平縁7の外側端と溝路1の側壁4の内面31との間に間隙32を設け、さらに各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。ここで、他方の支持枠8(図中左側)の立ち上がり縁6は、側壁4の外面11に沿うようにして下方に垂設されており、その下端部には先端が溝路1の側壁4の外面11に圧接可能な固定螺子17が外側方から螺合されている。即ち、この立ち上がり縁6の垂設部分が上述した固定杆16となっている。また、支持枠8の水平縁7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29及び透水性の化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、施工に際しては、水平縁7と溝路1の側壁4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32を遮蔽することにより、該間隙32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第4実施例(図8参照)と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0069】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29を透過した雨水を前記間隙32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第17実施例では、間隙32に加えて、水平縁7に排水用の透孔30(図11参照)を穿設することも可能である。
【0070】
図22は参考第18実施例を示し、この第18実施例は、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとして、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにするとともに、両支持枠8,8を連結する各梁部材10上に、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を乗載し、かつ該水平縁7の外側端と溝路1の側壁4の内面31との間に間隙32を設け、さらに各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。ここで、他方の支持枠8(図中左側)の立ち上がり縁6は、側壁4の外面11に沿うようにして下方に垂設されており、その下端部には先端が溝路1の側壁4の外面11に圧接可能な固定螺子17が外側方から螺合されている。即ち、この立ち上がり縁6の垂設部分が上述した固定杆16となっている。また、支持枠8の水平縁7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29及び透水性の化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7の外側端縁は下方に向けて曲成され、その下端が側壁4の上端面に略一致する高さ位置まで延出されており、これによって前記間隙32が必要以上に開口しないようにしている。施工に際しては、水平縁7と溝路1の側壁4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32を遮蔽することにより、該間隙32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第10実施例(図14参照)と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0071】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29を透過した雨水を前記間隙32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第18実施例では、間隙32に加えて、水平縁7に排水用の透孔30(図17参照)を穿設することも可能である。
【0072】
図23,図24は参考第19実施例を示し、この第19実施例は、前記第15実施例(図19参照)の構成において、両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に間隙32,32を設けるとともに、該水平縁7,7の外側端に、側壁4,4の内面31,31に沿って垂下する遮蔽縁33,33を連成したものである。ここで、該遮蔽縁33,33は、溝路1の長手方向に沿って延在する左右の支持枠8,8と同一長さで設けられる。また、両支持枠8,8の水平縁7,7上には、溝路1の周囲上部に敷設されるコンクリート18及び化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。また、施工に際しては、溝路用通水被覆装置5を水平に保持するために、図24に示すように、溝路1の側壁4,4の上端面と各梁部材10の左右両端部の下面間に次第に厚みを増加させたスペーサ34が介装される。尚、該スペーサ34に代えて、各梁部材10の左右両端部に上下方向に螺進可能な螺子杆を螺装するようにしてもよい。また、溝路用通水被覆装置5を水平に保持した後、両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に設けられている間隙32,32は、例えば固練りコンクリート等を充填することによって遮蔽される。その他の構成は前記第15実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0073】
かかる構成にあっては、図24に示すように、U字溝等の溝路部材2を用いて水勾配を付けて構築された溝路1上に溝路用通水被覆装置5を水平に配設する場合に、水下に至るに従って、溝路1の側壁4,4の上端面と水平縁7,7の外側端との間に次第に生じる上下方向の隙間を遮蔽縁33,33によって遮蔽することができ、これによって、水平縁7,7上に敷設されるコンクリート18や砂26等が前記隙間から溝路1内へ流入する不具合を防止することができる。尚、間隙32,32を固練りコンクリート等の充填物で遮蔽せず、かつコンクリート18を透水性コンクリートにすることにより、降雨時における透過水を前記間隙32,32から溝路1内に排水することが可能となる。
【0074】
尚、前記第19実施例(図23参照)では、各梁部材10が、左右の水平縁7,7の上面に当接して配設された構成を示したが、これに代えて、図25に示す参考第20実施例のように、各梁部材10上に左右の水平縁7,7が乗載された構成としてもよい。
【0075】
図26は参考第21実施例を示し、この第21実施例は、前記第17実施例(図21参照)の構成において、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7の外側端と溝路1の側壁4の内面31との間に間隙32を設けるとともに、該水平縁7の外側端に、側壁4の内面31に沿って垂下する遮蔽縁33を連成したものである。また、他方の支持枠8(図中左側)の立ち上がり縁6は、側壁4の外面11に沿うようにして下方に垂設されており、この立ち上がり縁6の垂設部分が他方の遮蔽縁33となっている。その他の構成は前記第17実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0076】
かかる構成にあっても、前記第19実施例と同様に、水勾配を付けて構築された溝路1上に溝路用通水被覆装置5を水平に配設する場合において、水下に至るに従って、溝路1の側壁4,4の上端面と水平縁7,7の外側端との間に次第に生じる上下方向の隙間を遮蔽縁33,33によって遮蔽することができ、これによって、水平縁7上に敷設されるコンクリート18や砂26等が前記隙間から溝路1内へ流入する不具合を防止することができる。尚、コンクリート18を透水性コンクリートにすることにより、降雨時における透過水を前記間隙32から溝路1内に排水することが可能となる。
【0077】
尚、前記第21実施例(図26参照)では、各梁部材10が、水平縁7の上面に当接して配設された構成を示したが、これに代えて、図27に示す参考第22実施例のように、各梁部材10上に水平縁7が乗載された構成としてもよい。
【0078】
また、本発明は上述した各実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、例えば、固定杆16を支持枠8,8から垂設したり、遮蔽縁33,33を各梁部材10に接合して垂下させるようにしてもよい。さらに、固定杆16を支持枠の全長に亘って設置して、遮蔽縁33,33の機能を得られるようにしてもよい。また、溝路1は、U字溝等の溝路部材2を用いることなく、現場におけるコンクリートの打設によって構築してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】参考第1実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図2】同上の溝路用通水被覆装置5の外観斜視図である。
【図3】金属製通水被覆部材13の他の構成を示す縦断面図である。
【図4】金属製通水被覆部材13と左右の立ち上がり縁6,6とを一体形成した構成を示す縦断面図である。
【図5】参考第2実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図6】参考第3実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図7】通水部9の下部開口幅22bを上部開口幅22aより広くなるようにする他の形態を示す説明図である。
【図8】参考第4実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図9】参考第5実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係る第6実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図11】参考第7実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図12】参考第8実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図13】参考第9実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図14】参考第10実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図15】参考第11実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図16】参考第12実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図17】参考第13実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図18】参考第14実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図19】参考第15実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図20】参考第16実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図21】参考第17実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図22】参考第18実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図23】参考第19実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図24】同上の溝路用通水被覆装置5の外観斜視図である。
【図25】参考第20実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図26】参考第21実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図27】参考第22実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図28】従来構成の施工状態を示す縦断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝等の溝路上に配設される溝路用通水被覆装置に関する。
【背景技術】
【0002】
U字溝等の上部が大きく開放された溝路部材を用いて構築される溝路は、従来、その通水性を確保するために、帯板状金属杆を格子状に組み付けたグレーチング蓋からなる通水溝蓋によって上部開口を遮蔽するようにしていた。しかしながら、近年、化粧タイルや化粧ブロックを敷設したカラー舗装路面が多くなり、このようなカラー舗装路面と調和する意匠性に優れた溝蓋が要求されるようになったため、その一形態として内部に化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材を充填し得る溝蓋が種々提供されている。
【0003】
このような溝蓋は、箱枠状に形成された蓋本体を備えており、この箱枠状の蓋本体内に化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材が充填されるが、その充填に際して、蓋本体内に化粧タイルや化粧ブロックが整然と収まるように、蓋本体内からはみ出す化粧タイルや化粧ブロックの余剰部分を切除しなければならないため、その加工に手間が掛かる上、施工後においても、蓋本体内に充填された舗装材と、溝路の周囲上面に敷設された舗装材との間に、蓋本体と受枠の目地が露出するため、該目地によってカラー舗装路面の意匠的な連続性が分断されてしまうという問題点があった。
【0004】
一方、このような問題点が生じない構成を備えた排水溝構造も提案されている。このものは、図28に示すように、溝路部材aの両側壁b,b上に載置して溝路jの中央へ向けて延出させた水平縁cと該水平縁cの内側端部に立設した垂直縁dとからなる左右一対の支持枠e,eと、該両支持枠e,eを連結する梁部材fとを備えており、前記両支持枠e,eの垂直縁d,d間に形成される通水部内に通水溝蓋gを配設するようにしている(特許文献1参照)。かかる構成にあっては、溝路の周囲に敷設される化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材hを、両支持枠e,eの水平縁c,c上で垂直縁d,d際まで連続して敷設することができるため、従来の箱枠状の蓋本体を用いるカラー舗装用の溝蓋のように、蓋本体内からはみ出す化粧タイルや化粧ブロックの余剰部分を切除する必要がなく、また、敷設した舗装材hの、両側壁b,b上に対応する部分に支持枠e,eの目地が露出しないため、カラー舗装路面の意匠的な連続性が損なわれないという利点がある。
【0005】
また、同様の排水溝構造にあって、左右の支持枠を連結する梁部材の両端部を、溝路部材の両側壁の上部内側縁に形成したL形受け部に夫々載置するようにした構成も知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−169375号公報
【特許文献2】特開2004−346701号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1に開示された構成にあっては、左右一対の支持枠e,eを連結する梁部材fが、両支持枠e,eの水平縁c,cの下面に溶接を介して固着されており、また、該梁部材fの長さが、溝路部材aの開口幅内に収まる長さとなっている。そして、このような梁部材fによって連結された水平縁c,cの外側端部が、溝路部材aの両側壁b,b上に載置されていることにより、支持枠e,e上に敷設された舗装材hや通水溝蓋g上を自動車等の重量の大きなものが通過した場合に、その荷重が梁部材fのない水平縁c,cの外側端縁近傍部分nに集中して掛かるため、当該部分に変形が生じ易く、このように水平縁c,cのみで荷重を受けるものにあっては、自動車等の大きな荷重に耐える所定の強度を得ることができないという問題点があった。従って、このような強度的な弱点に対処するために、溝路部材aの上部周囲に配設される鉄筋等からなる芯材k(図28参照)を両支持枠e,eの水平縁c,c上まで延出させてその先端部を垂直縁d,dに溶接するとともに、コンクリートを打設して、この芯材入りのコンクリート層mを水平縁c,c上に固着させることによって、支持枠e,eの強度を高めなければならなかった。しかしながら、このように鉄筋等からなる芯材kを施工現場において水平縁c,c上まで配筋するには、手間と費用が掛かる上、施工期間も長くなるという問題点があり、また、舗装材hとして化粧ブロックを用いる場合には、水平縁c,c上に砂が敷設されるため、上記のような芯材入りのコンクリート層mを形成することができないという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に開示された構成にあっては、溝路部材の両側壁の上部内側縁に夫々形成したL形受け部に、左右の支持枠を連結する梁部材の両端部が夫々載置されているため、該梁部材によって自動車等の大きな荷重に耐える所定の強度を得ることができる。しかしながら、溝路部材として市販されているU字溝において、両側壁の上部内側縁にこのようなL形受け部が形成されたU字溝は存在しない。従って、実施に際しては、市販のU字溝に対してL形受け部の形成加工をその都度行わなければならないのであるが、このL形受け部の形成加工には、膨大な時間と手間と加工費用を要するという問題点がある。また、U字溝等の溝路部材を用いることなく、現場におけるコンクリートの打設によって、溝路を構築する場合にあっても、通常の型枠以外にL形受け部形成用の型枠を別途組み付けなければならないため、手間と時間を要するという問題点がある。
【0008】
一方、道路や通路の側溝として構築される溝路は、U字溝等の溝路部材aをできるだけ道路や通路の端に寄せるようにして設置するのが普通であるが、上述した従来構成のように、溝路部材aの両側壁b,b上に水平縁c,cの外側端部を載置し、その内側端部を溝路jの中央へ向けて延出させた左右一対の支持枠e,eを備えたものにあっては、道路等の外端側に位置する一方の支持枠eの水平縁c上に、化粧タイルや化粧ブロック等の舗装材hを敷設するに際して、該水平縁c上の敷設スペース内に化粧タイルや化粧ブロックが整然と収まるように、敷設スペースからはみ出す化粧タイルや化粧ブロックの余剰部分を切除しなければならないため、その加工に手間が掛かるという問題点があった。
【0009】
本発明は、自動車等の大きな荷重に耐える所定の強度を得ることができるとともに、溝路部材として市販されているU字溝に何ら加工を施す必要がなく、さらに、溝路が側溝である場合に、道路等の外端側における舗装材の敷設を不要とし得る溝路用通水被覆装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、
梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、
さらに前記各梁部材が、支持枠の水平縁の上面に当接して配設され、かつ溝路を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠の水平縁又は一方の支持枠の水平縁と他方の支持枠の立ち上がり縁が乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置である。
【0011】
ここで、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させる場合には、両立ち上がり縁に梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。また、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる場合には、少なくとも溝路を構成する一方の側壁上に位置する立ち上がり縁に対向する他方の立ち上がり縁に、梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。さらに、各梁部材は、支持枠の水平縁の上面に当接させた状態で溶接等の接合手段によって、該水平縁の上面に接合することが好ましい。これにより、梁部材と支持枠との相互の位置ずれを防止することができる。
【0012】
また、少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに前記各梁部材上に支持枠の水平縁が乗載され、かつ各梁部材の左右両端部が、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置も提案される。
【0013】
ここで、各梁部材に乗載される支持枠の水平縁は、溶接等の接合手段によって、各梁部材の上面に接合することが好ましい。これにより、梁部材と支持枠との相互の位置ずれを防止することができる。
【0014】
また、上述した左右の支持枠が、立ち上がり縁に水平縁が夫々連成されたものにおいて、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路の上部を左右の支持枠の水平縁で覆うようにした構成が提案される。
【0015】
また、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路の上部を一方の支持枠の水平縁で覆うようにした構成が提案される。
【0016】
また、少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに前記各梁部材が、支持枠の水平縁の上面又は下面に当接して配設され、かつ水平縁の外側端と溝路の側壁内面との間に間隙が設けられるとともに、各梁部材の左右両端部が、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置が提案される。
【0017】
ここで、各梁部材を、支持枠の水平縁の上面に当接して配設し、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させる場合には、両立ち上がり縁に梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。また、各梁部材を、支持枠の水平縁の上面に当接して配設し、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる場合には、少なくとも溝路を構成する一方の側壁上に位置する立ち上がり縁に対向する他方の立ち上がり縁に、梁部材を挿し通す挿通口を形成することが好ましい。また、各梁部材は、支持枠の水平縁の上面又は下面に当接させた状態で、溶接等の接合手段によって、支持枠に接合することが好ましい。これにより、梁部材と支持枠との相互の位置ずれを防止することができる。
【0018】
さらに、支持枠又は梁部材に、溝路の側壁外面又は側壁内面に沿って垂下する左右一対の遮蔽縁が設けられている構成が提案される。ここで、該遮蔽縁は溝路の長手方向に沿って延在する左右の支持枠と略同一長さとすることが好ましい。
【0019】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部に金属製通水被覆部材が配設されている構成が提案される。ここで、金属製通水被覆部材は、通水部を覆うとともに、該通水部の通水性を得るためのものであって、これには、グレーチング蓋や多数の小孔を穿設した蓋体が好適に用いられ得る。
【0020】
さらに、前記構成にあって、支持枠の立ち上がり縁と水平縁とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁の材質を、金属製通水被覆部材の材質に一致させた構成が提案される。ここで、立ち上がり縁及び金属製通水被覆部材の材質を、水平縁の材質に比して美観性に優れた材質とすることが好ましい。
【0021】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部が、その上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設けられている構成が提案される。ここで、通水部を、上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設けるには、少なくとも一方の立ち上がり縁を傾斜させて通水部をテーパ状にしたり、或いは少なくとも一方の立ち上がり縁に段部を設け、該段部を介して通水部の下部を広幅にする形態が適用され得る。
【0022】
また、梁部材の両端部又は左右の支持枠から、溝路の側壁外面に沿うようにして固定杆が夫々下方に垂設され、少なくとも何れか一方の固定杆に、先端が溝路の側壁外面に圧接可能な固定螺子が外側方から螺合されている構成が提案される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上述したように、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに左右の支持枠を連結する複数の梁部材を、支持枠の水平縁の上面に当接して配設し、かつ溝路を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠の水平縁又は一方の支持枠の水平縁と他方の支持枠の立ち上がり縁を乗載するように構成したから、施工に際して、溝路部材として市販されているU字溝に何ら加工を施す必要がない。また、従来のように、両側壁の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がなく、その形成コストが不要であり、さらに、梁部材が支持枠の水平縁の上面に当接して配設されているため、梁部材上に支持枠の水平縁を乗載する場合に比して、地表面から溝路の側壁の上端面までの深さを梁部材の高さ寸法分だけ浅くすることができ、これによって溝路部材を埋設する場合において側壁の上端面を下げるための掘削量を減らすことができる。
【0024】
また、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに左右の支持枠を連結する複数の梁部材上に支持枠の水平縁を乗載し、かつ各梁部材の左右両端部を、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載するように構成した場合には、溝路用通水被覆装置上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かっても、溝路の左右の側壁上に差し渡された梁部材によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、溝路の左右の側壁の上端面に梁部材の左右両端部を乗載したので、従来のように、両側壁の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がなく、その形成コストが不要となる。
【0025】
また、左右の支持枠が、立ち上がり縁に水平縁が夫々連成されたものにおいて、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路の上部を左右の支持枠の水平縁で覆うようにした構成にあっては、溝路の上部の略中央に該溝路の開口幅より狭い通水部を形成することができる。
【0026】
また、両支持枠の立ち上がり縁を溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路の上部を一方の支持枠の水平縁で覆うようにした構成にあっては、溝路の上部の側部に該溝路の開口幅より狭い通水部を形成することができる。ここで、左右の支持枠が、立ち上がり縁に水平縁が夫々連成されたものにおいて、一方の支持枠の水平縁を溝路の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠の水平縁を溝路の側壁上面の幅に略一致する狭幅水平縁とし、前記広幅水平縁の外側端縁を、溝路を構成する一方の側壁上に位置させるとともに、前記狭幅水平縁を、溝路を構成する他方の側壁上に位置させ、該狭幅水平縁の外側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁と、前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁とを溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる構成としたり、或いは、一方の支持枠が立ち上がり縁のみからなり、他方の支持枠が立ち上がり縁に水平縁が連成されたものにおいて、該支持枠の水平縁を溝路の上部を略覆う広幅水平縁とし、該広幅水平縁の外側端縁を、溝路を構成する一方の側壁上に位置させるとともに、立ち上がり縁のみからなる他方の支持枠を溝路を構成する他方の側壁上の外端側に位置させ、該支持枠の立ち上がり縁と前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁とを溝路の上部の側部に偏倚した位置で対向させる構成として、両立ち上がり縁間に形成される通水部を溝路の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路の上部を一方の支持枠の広幅水平縁で覆うようにすることにより、通水部を溝路の上部の最も側部に偏倚した位置に形成することができる。これにより、溝路が側溝である場合に、道路側に敷設される舗装材を支持枠の広幅水平縁上に連続状に敷設するだけでよく、道路の外端側における舗装材の敷設作業を不要とすることができる。
【0027】
また、梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、さらに左右の支持枠を連結する複数の梁部材を、支持枠の水平縁の上面又は下面に当接して配設し、かつ水平縁の外側端と溝路の側壁内面との間に間隙を設けるとともに、各梁部材の左右両端部を、溝路を構成する左右の側壁の上端面に乗載するようにした構成にあっては、上述したように、溝路用通水被覆装置上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かった場合に、溝路の左右の側壁上に差し渡された梁部材によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、梁部材の左右両端部を乗載する部分を、溝路の左右の側壁の上端面としたので、従来のように、両側壁の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がなく、その形成コストが不要となる。さらに、この構成にあっては、水平縁の外側端と溝路の側壁内面との間に間隙が設けられていることにより、溝路の周囲から水平縁上に亘って透水性コンクリートを舗装材として敷設した場合に、該透水性コンクリートを透過した雨水を前記間隙から溝路内に排水させることができる。
【0028】
また、支持枠又は梁部材に、溝路の側壁外面又は側壁内面に沿って垂下する左右一対の遮蔽縁を設ける構成にあっては、U字溝等の溝路部材を用いて水勾配を付けて構築された溝路上に溝路用通水被覆装置を水平に配設した場合に、水下に至るに従って、溝路の側壁上面と溝路用通水被覆装置の下面との間に次第に隙間が生じることとなり、施工時に、この隙間から舗装材を構成するコンクリートや砂が溝路内に流入することとなるのであるが、上記のように、溝路の側壁外面又は側壁内面に沿って垂下する左右一対の遮蔽縁を設けることにより、該遮蔽縁によって前記隙間が遮蔽されて、コンクリートや砂等の異物の溝路内への流入を防止することができる。
【0029】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部に金属製通水被覆部材を配設するようにした構成にあっては、通水部の通水性が確保できるとともに、通水部からのゴミや木の葉等の異物の流入を防止することができる。
【0030】
さらに、支持枠の立ち上がり縁と水平縁とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁の材質を、金属製通水被覆部材の材質に一致させる構成にあっては、水平縁の材質を安価な鉄鋼とし、立ち上がり縁と金属製通水被覆部材の材質をステンレス鋼とすることにより、支持枠全体をステンレス鋼とする場合に比して、製造コストの低減を図ることができるとともに、人目に付く部分がステンレス鋼であるため、美観性に優れたものとなる。
【0031】
また、両支持枠の立ち上がり縁間に形成された通水部を、その上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設ける構成にあっては、両支持枠の立ち上がり縁を近接させて通水部を狭幅とするとともに、該通水部を金属製通水被覆部材で被覆しない場合において、通水部内に小石や木片等の異物が入った場合に、該通水部の上部開口幅より下部開口幅が広くなるように設けられていることにより、これらの異物が立ち上がり縁間に挟まって滞留することなく、該異物を円滑に落下させることができる。
【0032】
また、梁部材の両端部又は左右の支持枠から、溝路の側壁外面に沿うようにして固定杆が夫々下方に垂設され、少なくとも何れか一方の固定杆に、先端が溝路の側壁外面に圧接可能な固定螺子が外側方から螺合されている構成にあっては、固定螺子の螺回操作による該固定螺子の緊締作用を介して、梁部材及び支持枠を溝路の側壁に固定することができるため、その固定状態において、支持枠の水平縁上への舗装材の敷設作業を楽に行うことができるとともに、施工精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明と関係する参考第1実施例(以下本発明の技術的範囲に含まれない実施例を参考第1実施例等という)を、図1〜図4に基づいて説明する。
溝路1は、図1,図2に示すように、底壁3と左右の側壁4,4とによって断面略U字状に形成されたU字溝からなる複数の溝路部材2を、地盤の所定深さ位置に一列状に埋設して構築されている。
【0034】
本発明にかかる溝路用通水被覆装置5は、前記溝路1の上部開口を通水可能に覆うものであり、この第1実施例の溝路用通水被覆装置5にあっては、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成された左右一対の支持枠8,8を備えている。該両支持枠8,8は、その立ち上がり縁6,6が溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁6,6間に通水部9が形成されている。また、この通水部9以外の溝路1の上部開口は、両支持枠8,8の水平縁7,7で遮蔽されている。両支持枠8,8は、鉄鋼又はステンレス鋼からなる板状の金属材を素材にして形成されており、その長さは、図2に示すように、一列状をなす複数の溝路部材2の長手方向に亘る所定の長さとなっている。尚、各支持枠8の立ち上がり縁6と水平縁7は、図1に示すように、一枚の金属板を断面L形に屈曲させて形成してもよいし、図3等に示すように、二枚の金属板を溶接によって断面L形となるように接合して形成することも可能である。
【0035】
左右の支持枠8,8は、図2に示すように、該支持枠8,8の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材10によって連結されている。各梁部材10は強度に優れた金属製の角パイプからなり、その長さは、溝路1を構成する左右の側壁4,4の外面11,11から若干外方に突出する所定の長さとなっている。各梁部材10は、支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設され、該支持枠8,8の立ち上がり縁6,6に形成された挿通口12,12に挿通した状態で、水平縁7,7または水平縁7,7と挿通口12,12の口縁とに溶接によって接合されている。そして、このように左右の支持枠8,8を移動不能に連結した各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に、両支持枠8,8の水平縁7,7を介して乗載されている。
【0036】
また、立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9には、金属製通水被覆部材13が配設されている。該金属製通水被覆部材13は、鉄鋼製、ステンレス鋼製または鋳鉄製のグレーチング蓋からなり、通水部9に露出する前記各梁部材10の上面に着脱可能に乗載されている。尚、この金属製通水被覆部材13は、グレーチング蓋以外に、図3に示すように、例えば多数の小孔14を穿設した天板部15を備えた断面伏コ字形の蓋体を用いてもよい。また、該蓋体を天板部15のみの帯板状とし、左右の立ち上がり縁6,6の内側面上端に溶接によって接合して横架させてもよく、さらに、図4に示すように、天板部15と左右の立ち上がり縁6,6とを一体形成することも可能である。また、金属製通水被覆部材13をグレーチング状に形成し、これを左右の立ち上がり縁6,6間に配置した状態で溶接によって両立ち上がり縁6,6と一体化してもよい。
【0037】
前記各梁部材10の両端部には、溶接によって接合した固定杆16が、溝路1の側壁4,4の外面11,11に沿うようにして夫々下方に垂設されており、各固定杆16には先端が溝路1の側壁4,4の外面11,11に圧接可能な固定螺子17が夫々外側方から螺合されている。そして、該固定螺子17を締め付け方向に螺回操作して、各固定螺子17の先端部を側壁4,4の外面11,11に圧接させることにより、その緊締作用を介して、梁部材10及び支持枠8,8を溝路1の側壁4,4に固定するようにしている。そして、このような固定状態において、左右の支持枠8,8の水平縁7,7上に、溝路1の周囲上部に敷設されるコンクリート18及び化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。
【0038】
従って、施工に際しては、溝路用通水被覆装置5を溝路1の側壁4,4上に載置した後、各固定螺子17の螺回操作による緊締作用を介して、梁部材10及び支持枠8,8を溝路1の側壁4,4に固定することができるため、その固定状態において、支持枠8,8の水平縁7,7上への舗装材20の敷設作業を楽に行うことができる。また、左右両側から各固定螺子17,17を緊締するようにしていることにより、溝路1を構成する複数の溝路部材2の列設状態における直線度が多少悪くても、そのズレを吸収することができるため、施工精度を向上させることができる。
【0039】
かかる構成にあって、各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に、支持枠8,8の水平縁7,7を介して乗載されていることにより、溝路用通水被覆装置5上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かっても、溝路1の左右の側壁4,4上に差し渡された梁部材10によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、梁部材10の左右両端部を乗載する部分を、溝路1の左右の側壁4,4の上端面としたので、従来のように、両側壁4,4の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がないため、その形成コストが不要であり、さらに、梁部材10が支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設されているため、後述する第8実施例(図12参照)のように、梁部材10上に支持枠8,8の水平縁7,7を乗載する場合に比して、地表面から溝路1の側壁4,4の上端面までの深さを梁部材10の高さ寸法分だけ浅くすることができ、これによって溝路部材2を埋設する場合において側壁4,4の上端面を下げるための掘削量を減らすことができる。
【0040】
また、左右の支持枠8,8を、立ち上がり縁6,6に水平縁7,7が夫々連成されたものとし、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を左右の支持枠8,8の水平縁7,7で覆うようにしたので、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。
【0041】
尚、上述した第1実施例にあっては、左右の支持枠8,8の水平縁7,7上にコンクリート18及び化粧タイル19からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、立ち上がり縁6,6の立ち上がり高さが低く設定されているが、砂26及び化粧ブロック27からなる舗装材20(図10参照)を敷設する場合には、該立ち上がり縁6,6の立ち上がり高さがさらに高くなるように設定される。
【0042】
また、上述した第1実施例にあっては、各梁部材10の両端部から、溝路1の側壁4,4の外面11,11に沿うようにして夫々下方に垂設させた各固定杆16に、夫々固定螺子17を螺合する構成としたが、該固定螺子17は、左右何れか一方の側の固定杆16にのみ螺合するようにしてもよい。かかる構成にあっても、施工時に各固定螺子17の螺回操作による緊締作用を介して、梁部材10及び支持枠8,8を溝路1の側壁4,4に固定することができるため、支持枠8,8の水平縁7,7上への舗装材20の敷設作業を楽に行うことができる。
【0043】
図5は参考第2実施例を示し、この第2実施例は、前記第1実施例における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6と水平縁7,7とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁6,6の材質を、金属製通水被覆部材13の材質に一致させたものである。ここで、水平縁7,7の材質には鉄鋼が用いられており、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質にはステンレス鋼が用いられている。また、立ち上がり縁6,6にはその下端部に外側方に延出する水平部21が夫々連成されており、該水平部21の外端と、水平縁7,7の内端とが溶接によって一体的に接合されている。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0044】
かかる構成にあっては、水平縁7,7の材質を安価な鉄鋼とし、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質をステンレス鋼とすることにより、支持枠8,8全体をステンレス鋼とする場合に比して、製造コストの低減を図ることができるとともに、人目に付く部分がステンレス鋼であるため、美観性に優れたものとなる。
【0045】
図6は参考第3実施例を示し、この第3実施例は、前記第1実施例における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9を、前記第1実施例のものに比して狭幅に形成するとともに、その上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けたものである。ここで、両立ち上がり縁6,6の上端部には、鉄鋼またはステンレス鋼等の金属材からなる断面L形の目地部材23,23が溶接または螺子止め等の接合手段によって対向状に固着されており、該目地部材23,23の内端縁の間隔によって通水部9の上部開口幅22aが狭められている。尚、このように、目地部材23,23を用いる構成に代えて、図7(a)に示すように、少なくとも一方の立ち上がり縁6を傾斜させて通水部9をテーパ状にしたり、図7(b)に示すように、少なくとも一方の立ち上がり縁6に段部24を設け、該段部24を介して通水部9の下部を広幅にすることも可能である。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0046】
かかる構成にあっては、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を近接させて通水部9を狭幅とすることにより、上述した金属製通水被覆部材13を用いる必要がなく、また、通水部9内に小石や木片等の異物が入った場合に、該通水部9の上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けられていることにより、これらの異物が立ち上がり縁6,6間に挟まって滞留することなく、該異物を円滑に落下させることができる。
【0047】
図8は参考第4実施例を示し、この第4実施例は、前記第1実施例における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにしたものである。ここで、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁とし、前記広幅水平縁の外側端縁を、溝路1を構成する一方の側壁4上に位置させるとともに、前記狭幅水平縁を、溝路1を構成する他方の側壁4上に位置させ、該狭幅水平縁の外側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6と、前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6とを溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させるようにしている。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0048】
かかる構成にあっては、通水部9を溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に形成することができる。これにより、溝路1が側溝である場合、或いは溝路1の外端側に壁や塀等の立ち上がり部25がある場合に、道路側に敷設される舗装材20を支持枠8の広幅水平縁上に連続状に敷設するだけでよいため、道路の外端側における舗装材20の敷設作業を不要とすることができ、施工が容易となる。
【0049】
尚、上述した第4実施例にあっては、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁としたが、これに代えて、図9に示す参考第5実施例のように、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとし、各梁部材10の左右両端部を、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に、一方の支持枠8の水平縁7と他方の支持枠8の立ち上がり縁6とを介して乗載するようにしてもよい。
【0050】
図10は本発明に係る第6実施例を示し、この第6実施例は、上述した第4実施例(図8参照)の構成において、砂26及び化粧ブロック27からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、左右の支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を高く設定したものである。この場合、両立ち上がり縁6,6間の通水部9に配設されるグレーチング蓋等の金属製通水被覆部材13は、両立ち上がり縁6,6間に横架された嵩上げ杆からなる嵩上げ部材28上に乗載されることとなる。
【0051】
図11は参考第7実施例を示し、この第7実施例は、上述した第4実施例(図8参照)の構成において、透水性コンクリート29からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、広幅水平縁とする一方の水平縁7(図中右側)に複数の透孔30を穿設したものである。これにより、降雨時に、透水性コンクリート29からなる舗装材20を透過した雨水を前記透孔30から溝路1内に排水することができる。尚、施工に際しては、一方の水平縁7(図中右側)上に透水性シート(図示省略)を敷設することにより、透孔30からの透水性コンクリート29の流出が防止される。
【0052】
図12は参考第8実施例を示し、この第8実施例は、各梁部材10上に左右の支持枠8,8の水平縁7,7が乗載され、かつ各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に乗載されている。ここで、両支持枠8,8は、第1実施例と同様に、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成されたものであり、該支持枠8,8の水平縁7,7と各梁部材10は溶接によって接合されている。また、支持枠8,8の立ち上がり縁6,6は、溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9には、金属製通水被覆部材13が配設されている。該金属製通水被覆部材13はグレーチング蓋からなり、両立ち上がり縁6,6間に横架された嵩上げ部材28上に着脱可能に乗載されている。尚、この金属製通水被覆部材13は、グレーチング蓋以外に、例えば多数の小孔14を穿設した天板部15を備えた断面伏コ字形の蓋体(図3参照)を用いてもよい。また、該蓋体を天板部15のみの帯板状とし、左右の立ち上がり縁6,6の内側面上端に溶接によって接合して横架させてもよく、さらに、天板部15と左右の立ち上がり縁6,6とを一体形成することも可能である(図4参照)。また、金属製通水被覆部材13をグレーチング状に形成し、これを左右の立ち上がり縁6,6間に配置した状態で溶接によって両立ち上がり縁6,6と一体化してもよい。その他の構成は、前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
かかる構成にあっては、各梁部材10の左右両端部が、溝路1を構成する左右の側壁4,4の上端面に乗載されていることにより、溝路用通水被覆装置5上に自動車等の重量の大きなものの荷重が掛かっても、溝路1の左右の側壁4,4上に差し渡された梁部材10によって、その荷重に耐える所定の強度を得ることができる。また、梁部材10の左右両端部を乗載する部分を、溝路1の左右の側壁4,4の上端面としたので、従来のように、両側壁4,4の上部内側縁にL形受け部を形成する必要がないため、その形成コストが不要となる。
【0054】
また、左右の支持枠8,8を、立ち上がり縁6,6に水平縁7,7が夫々連成されたものとし、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を左右の支持枠8,8の水平縁7,7で覆うようにしたので、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。
【0055】
図13は参考第9実施例を示し、この第9実施例は、前記第8実施例(図12参照)における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6と水平縁7,7とを相互に異なる金属材で形成するとともに、立ち上がり縁6,6の材質を、金属製通水被覆部材13の材質に一致させたものである。ここで、水平縁7,7の材質には鉄鋼が用いられており、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質にはステンレス鋼が用いられている。また、立ち上がり縁6,6にはその下端部に外側方に延出する水平部21が夫々連成されており、該水平部21の外端と、水平縁7,7の内端とが溶接によって一体的に接合されている。その他の構成は前記第8実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0056】
かかる構成にあっては、水平縁7,7の材質を安価な鉄鋼とし、立ち上がり縁6,6と金属製通水被覆部材13の材質をステンレス鋼とすることにより、支持枠8,8全体をステンレス鋼とする場合に比して、製造コストの低減を図ることができるとともに、人目に付く部分がステンレス鋼であるため、美観性に優れたものとなる。
【0057】
図14は参考第10実施例を示し、この第10実施例は、前記第8実施例(図12参照)における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにしたものである。ここで、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁とし、前記広幅水平縁の外側端縁を、溝路1を構成する一方の側壁4上に位置させるとともに、前記狭幅水平縁を、溝路1を構成する他方の側壁4上に位置させ、該狭幅水平縁の外側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6と、前記広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6とを溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させるようにしている。また、両立ち上がり縁6,6間の通水部9に配設されるグレーチング蓋等の金属製通水被覆部材13は、両立ち上がり縁6,6間に横架された嵩上げ杆からなる嵩上げ部材28上に乗載されている。その他の構成は前記第8実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0058】
かかる構成にあっては、通水部9を溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に形成することができる。これにより、溝路1が側溝である場合、或いは溝路1の外端側に壁や塀等の立ち上がり部25がある場合に、道路側に敷設される舗装材20を支持枠8の広幅水平縁上に連続状に敷設するだけでよいため、道路の外端側における舗装材20の敷設作業を不要とすることができ、施工が容易となる。
【0059】
尚、上述した第10実施例にあっては、他方の支持枠8(図中左側)の水平縁7を溝路1の側壁4の上面の幅に略一致する狭幅水平縁としたが、これに代えて、図15に示す参考第11実施例のように、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとしてもよい。
【0060】
図16は参考第12実施例を示し、この第12実施例は、上述した第10実施例(図14参照)の構成において、砂26及び化粧ブロック27からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、左右の支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を高く設定したものである。
【0061】
図17は参考第13実施例を示し、この第13実施例は、上述した第10実施例(図14参照)の構成において、透水性コンクリート29からなる舗装材20を敷設する施工に適するように、広幅水平縁とする一方の水平縁7(図中右側)に複数の透孔30を穿設したものである。これにより、降雨時に、透水性コンクリート29からなる舗装材20を透過した雨水を前記透孔30から溝路1内に排水することができる。尚、施工に際しては、一方の水平縁7(図中右側)上に透水性シート(図示省略)を敷設することにより、透孔30からの透水性コンクリート29の流出が防止される。
【0062】
図18は参考第14実施例を示し、この第14実施例は、前記第11実施例(図15参照)における両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に形成された通水部9を、前記第11実施例のものに比して狭幅に形成するとともに、その上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けたものである。ここで、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、該広幅水平縁の内側端縁から立ち上げられた立ち上がり縁6を傾斜させて、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9をテーパ状にすることにより、上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるようにしている。尚、このように、立ち上がり縁6を傾斜させる構成に代えて、目地部材23,23(図6参照)を用いたり、少なくとも一方の立ち上がり縁6に段部24(図7(b)参照)を設け、該段部24を介して通水部9の下部を広幅にすることも可能である。その他の構成は前記第11実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0063】
かかる構成にあっては、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を近接させて通水部9を狭幅とすることにより、上述した金属製通水被覆部材13を用いる必要がなく、また、通水部9内に小石や木片等の異物が入った場合に、該通水部9の上部開口幅22aより下部開口幅22bが広くなるように設けられていることにより、これらの異物が立ち上がり縁6,6間に挟まって滞留することなく、該異物を円滑に落下させることができる。
【0064】
図19は参考第15実施例を示し、この第15実施例は、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成された左右の支持枠8,8の、その立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向させることにより、該立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、両支持枠8,8を連結する各梁部材10を、左右の支持枠8,8の水平縁7,7の上面に当接して配設し、かつ両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に間隙32,32を設けるとともに、各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。また、支持枠8,8の水平縁7,7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、施工に際しては、水平縁7,7と溝路1の側壁4,4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32,32を遮蔽することにより、該間隙32,32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第1実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0065】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29からなる舗装材20を透過した雨水を前記間隙32,32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第15実施例では、間隙32,32に加えて、水平縁7,7に排水用の透孔30(図11参照)を穿設することも可能である。
【0066】
図20は参考第16実施例を示し、この第16実施例は、垂直な立ち上がり縁6に水平縁7が連成された左右の支持枠8,8の、その立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の略中央で所定間隔を置いて対向させることにより、該立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の略中央に位置させ、両支持枠8,8を連結する各梁部材10上に、両支持枠8,8の水平縁7,7を乗載し、かつ両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に間隙32,32を設けるとともに、各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。また、支持枠8,8の水平縁7,7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29及び透水性の化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、左右の水平縁7,7の外側端縁は下方に向けて曲成され、その下端が側壁4,4の上端面に略一致する高さ位置まで延出されており、これによって前記間隙32,32が必要以上に開口しないようにしている。また、施工に際しては、水平縁7,7と溝路1の側壁4,4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32,32を遮蔽することにより、該間隙32,32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第8実施例(図12参照)と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0067】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29を透過した雨水を前記間隙32,32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の略中央に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第16実施例では、間隙32,32に加えて、水平縁7,7に排水用の透孔30(図17参照)を穿設することも可能である。
【0068】
図21は参考第17実施例を示し、この第17実施例は、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとして、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにするとともに、両支持枠8,8を連結する各梁部材10を、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7の上面に当接して配設し、かつ該水平縁7の外側端と溝路1の側壁4の内面31との間に間隙32を設け、さらに各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。ここで、他方の支持枠8(図中左側)の立ち上がり縁6は、側壁4の外面11に沿うようにして下方に垂設されており、その下端部には先端が溝路1の側壁4の外面11に圧接可能な固定螺子17が外側方から螺合されている。即ち、この立ち上がり縁6の垂設部分が上述した固定杆16となっている。また、支持枠8の水平縁7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29及び透水性の化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、施工に際しては、水平縁7と溝路1の側壁4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32を遮蔽することにより、該間隙32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第4実施例(図8参照)と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0069】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29を透過した雨水を前記間隙32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第17実施例では、間隙32に加えて、水平縁7に排水用の透孔30(図11参照)を穿設することも可能である。
【0070】
図22は参考第18実施例を示し、この第18実施例は、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を溝路1の上部を略覆う広幅水平縁とし、他方の支持枠8(図中左側)を立ち上がり縁6のみとして、両支持枠8,8の立ち上がり縁6,6を溝路1の上部の側部に偏倚した位置で対向させることにより、該両立ち上がり縁6,6間に形成される通水部9を溝路1の上部の側部に位置させ、かつ残余の溝路1の上部を一方の支持枠8の水平縁7で覆うようにするとともに、両支持枠8,8を連結する各梁部材10上に、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7を乗載し、かつ該水平縁7の外側端と溝路1の側壁4の内面31との間に間隙32を設け、さらに各梁部材10の左右両端部を、溝路1の側壁4,4の上端面に乗載したものである。ここで、他方の支持枠8(図中左側)の立ち上がり縁6は、側壁4の外面11に沿うようにして下方に垂設されており、その下端部には先端が溝路1の側壁4の外面11に圧接可能な固定螺子17が外側方から螺合されている。即ち、この立ち上がり縁6の垂設部分が上述した固定杆16となっている。また、支持枠8の水平縁7上には、溝路1の周囲上部に敷設される透水性コンクリート29及び透水性の化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。尚、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7の外側端縁は下方に向けて曲成され、その下端が側壁4の上端面に略一致する高さ位置まで延出されており、これによって前記間隙32が必要以上に開口しないようにしている。施工に際しては、水平縁7と溝路1の側壁4の上端面とに亘って敷設される透水性シート(図示省略)によって前記間隙32を遮蔽することにより、該間隙32からの透水性コンクリート29の流出が防止される。その他の構成は前記第10実施例(図14参照)と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0071】
かかる構成にあっては、降雨時に、透水性コンクリート29を透過した雨水を前記間隙32から溝路1内に排水することができる。また、上述した耐荷重強度の向上作用に加えて、溝路1の上部の最も側部に偏倚した位置に該溝路1の開口幅より狭い通水部9を形成することができる。尚、この第18実施例では、間隙32に加えて、水平縁7に排水用の透孔30(図17参照)を穿設することも可能である。
【0072】
図23,図24は参考第19実施例を示し、この第19実施例は、前記第15実施例(図19参照)の構成において、両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に間隙32,32を設けるとともに、該水平縁7,7の外側端に、側壁4,4の内面31,31に沿って垂下する遮蔽縁33,33を連成したものである。ここで、該遮蔽縁33,33は、溝路1の長手方向に沿って延在する左右の支持枠8,8と同一長さで設けられる。また、両支持枠8,8の水平縁7,7上には、溝路1の周囲上部に敷設されるコンクリート18及び化粧タイル19からなる舗装材20が連続状に敷設されている。また、施工に際しては、溝路用通水被覆装置5を水平に保持するために、図24に示すように、溝路1の側壁4,4の上端面と各梁部材10の左右両端部の下面間に次第に厚みを増加させたスペーサ34が介装される。尚、該スペーサ34に代えて、各梁部材10の左右両端部に上下方向に螺進可能な螺子杆を螺装するようにしてもよい。また、溝路用通水被覆装置5を水平に保持した後、両水平縁7,7の外側端と溝路1の側壁4,4の内面31,31との間に設けられている間隙32,32は、例えば固練りコンクリート等を充填することによって遮蔽される。その他の構成は前記第15実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0073】
かかる構成にあっては、図24に示すように、U字溝等の溝路部材2を用いて水勾配を付けて構築された溝路1上に溝路用通水被覆装置5を水平に配設する場合に、水下に至るに従って、溝路1の側壁4,4の上端面と水平縁7,7の外側端との間に次第に生じる上下方向の隙間を遮蔽縁33,33によって遮蔽することができ、これによって、水平縁7,7上に敷設されるコンクリート18や砂26等が前記隙間から溝路1内へ流入する不具合を防止することができる。尚、間隙32,32を固練りコンクリート等の充填物で遮蔽せず、かつコンクリート18を透水性コンクリートにすることにより、降雨時における透過水を前記間隙32,32から溝路1内に排水することが可能となる。
【0074】
尚、前記第19実施例(図23参照)では、各梁部材10が、左右の水平縁7,7の上面に当接して配設された構成を示したが、これに代えて、図25に示す参考第20実施例のように、各梁部材10上に左右の水平縁7,7が乗載された構成としてもよい。
【0075】
図26は参考第21実施例を示し、この第21実施例は、前記第17実施例(図21参照)の構成において、一方の支持枠8(図中右側)の水平縁7の外側端と溝路1の側壁4の内面31との間に間隙32を設けるとともに、該水平縁7の外側端に、側壁4の内面31に沿って垂下する遮蔽縁33を連成したものである。また、他方の支持枠8(図中左側)の立ち上がり縁6は、側壁4の外面11に沿うようにして下方に垂設されており、この立ち上がり縁6の垂設部分が他方の遮蔽縁33となっている。その他の構成は前記第17実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0076】
かかる構成にあっても、前記第19実施例と同様に、水勾配を付けて構築された溝路1上に溝路用通水被覆装置5を水平に配設する場合において、水下に至るに従って、溝路1の側壁4,4の上端面と水平縁7,7の外側端との間に次第に生じる上下方向の隙間を遮蔽縁33,33によって遮蔽することができ、これによって、水平縁7上に敷設されるコンクリート18や砂26等が前記隙間から溝路1内へ流入する不具合を防止することができる。尚、コンクリート18を透水性コンクリートにすることにより、降雨時における透過水を前記間隙32から溝路1内に排水することが可能となる。
【0077】
尚、前記第21実施例(図26参照)では、各梁部材10が、水平縁7の上面に当接して配設された構成を示したが、これに代えて、図27に示す参考第22実施例のように、各梁部材10上に水平縁7が乗載された構成としてもよい。
【0078】
また、本発明は上述した各実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、例えば、固定杆16を支持枠8,8から垂設したり、遮蔽縁33,33を各梁部材10に接合して垂下させるようにしてもよい。さらに、固定杆16を支持枠の全長に亘って設置して、遮蔽縁33,33の機能を得られるようにしてもよい。また、溝路1は、U字溝等の溝路部材2を用いることなく、現場におけるコンクリートの打設によって構築してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】参考第1実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図2】同上の溝路用通水被覆装置5の外観斜視図である。
【図3】金属製通水被覆部材13の他の構成を示す縦断面図である。
【図4】金属製通水被覆部材13と左右の立ち上がり縁6,6とを一体形成した構成を示す縦断面図である。
【図5】参考第2実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図6】参考第3実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図7】通水部9の下部開口幅22bを上部開口幅22aより広くなるようにする他の形態を示す説明図である。
【図8】参考第4実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図9】参考第5実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係る第6実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図11】参考第7実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図12】参考第8実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図13】参考第9実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図14】参考第10実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図15】参考第11実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図16】参考第12実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図17】参考第13実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図18】参考第14実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図19】参考第15実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図20】参考第16実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図21】参考第17実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図22】参考第18実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図23】参考第19実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図24】同上の溝路用通水被覆装置5の外観斜視図である。
【図25】参考第20実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図26】参考第21実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図27】参考第22実施例の溝路用通水被覆装置5の施工状態を示す縦断面図である。
【図28】従来構成の施工状態を示す縦断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、
梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、
さらに前記各梁部材が、支持枠の水平縁の上面に当接して配設され、かつ溝路を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠の水平縁又は一方の支持枠の水平縁と他方の支持枠の立ち上がり縁が乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置。
【請求項1】
少なくとも一方に水平縁が連成された立ち上がり縁からなる左右の支持枠を備え、該両支持枠の立ち上がり縁が溝路の上部で所定間隔を置いて対向配置され、該両立ち上がり縁間に通水部が形成されるとともに、支持枠の水平縁によって残余の溝路の上部が覆われ、かつ両支持枠が該支持枠の長手方向に所定間隔で配設された複数の梁部材によって連結されてなる溝路用通水被覆装置において、
梁部材の上方で、左右の支持枠の立ち上がり縁間に嵩上げ部材を設け、該嵩上げ部材上に、金属製通水被覆部材を乗載するようにし、
さらに前記各梁部材が、支持枠の水平縁の上面に当接して配設され、かつ溝路を構成する左右の側壁の上端面に、両支持枠の水平縁又は一方の支持枠の水平縁と他方の支持枠の立ち上がり縁が乗載されていることを特徴とする溝路用通水被覆装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2009−235899(P2009−235899A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165824(P2009−165824)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【分割の表示】特願2005−352861(P2005−352861)の分割
【原出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(592094243)カネソウ株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【分割の表示】特願2005−352861(P2005−352861)の分割
【原出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(592094243)カネソウ株式会社 (73)
【Fターム(参考)】
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