説明

溶出率向上と副作用発現が最小化されたシルロスタゾール徐放錠

本発明は、ホスホジエステラーゼタイプ(phosphodiesterase type)を阻害することで、血小板凝集を抑制して血管の弛緩を促進する効能がある薬理学的有効成分であるシルロスタゾール徐放錠に関する発明として、具体的には、服用の便利性のために1日1回服用が可能に溶出時間を延長し、既存のシルロスタゾール製剤の服用時の副作用である頭痛の発現を最小化することにより、女性や老人、児童の服用便宜性を向上させたシルロスタゾール徐放錠を提供する。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマーの混合物を放出制御用高分子で使用することにより、薬物の放出を遅延させる効果と共に、胃腸でのpHによる溶出率の変化なしに一定な溶出パターンを示すシルロスタゾール徐放錠を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放出制御用高分子を使用して製造された薬理学的有効成分であるシルロスタゾールの徐放錠に関し、特に,1日1回の投与が可能であり、pH変化にも一定にシルロスタゾールの溶出率を制御して頭痛、頭重感、頻脈などのシルロスタゾールの副作用を減少させて錠製の服用便宜性を向上させたシルロスタゾール徐放錠に関する。
【背景技術】
【0002】
キノリノン(quinolinone)系列の物質であるシルロスタゾール(6−〔4−(シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ〕−3,4−ジヒドロ−2(1H)-キノリノン、化1)は、ホスホジエステラーゼタイプ(phosphodiesterase type)を阻害することで、血小板凝集を抑制して血管の弛緩を促進する効能がある。また、血管内皮で遊走した血管平滑筋の細胞増殖を抑制することで、動脈硬化などの予防にも有用であると知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
シルロスタゾールは、マウス、ラット、兎、犬と人間から分離した血小板において、ADP,エピネフリン(epinephrine)などにより誘導される血小板の一次凝集を抑制して血小板凝集塊を解離させる。また、ビーグル犬に経口投与する場合、ADP、コラーゲンにより誘導される血小板の凝集を抑制し、慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性グ末梢血管病症など)患者に経口投与する場合、分離した血小板においてADP、コラーゲン、アラキドン酸(arachidonic acid)そしてエピネフリンで誘導した血小板の凝集を抑制する。シルロスタゾールの血小板の凝集抑制効果は、投与後に迅速に発現し、繰り返し投与でもその効果を維持する。投与中止時の抑制された血小板凝集は、血漿中の濃度減少と共に投与前の数値に回復され、リバウンド現象(凝集亢進)は現われない。
【0005】
シルロスタゾールの作用機序は次のようである。兎の血小板でセロトニン(serotonin)の放出を抑制するが、セロトニン、アデノシン(adenosine)が血小板に入ることには影響を及ぼさない。血小板のアラキドン酸代謝に影響をかけないでTXA2(thromboxane A2)による血小板凝集を抑制する。これは血小板と血管平滑筋のcAMP−PDE(cyclic AMP phosphodiesterase)活性を阻害することであり、結局、抗血小板作用と血管拡張作用を発揮する。
【0006】
既存のシルロスタゾール製剤は、1日2回服用する製剤として患者順応度の下がる短所があるだけではなく、シルロスタゾール速放性製剤の場合、経口投与時に速くて不均一に薬物が放出されて急激な血中濃度の上昇をもたらし、その結果、頭痛、頭重感、頻脈などの副作用を引き起こすと知られている(Am J Cardiol 2001;87(suppl):28D−33D及びアメリカ特許公開番号第2002/0058066参照)。また、シルロスタゾールは、難溶性であるだけではなく、小腸下部に行くほど吸収率が低下されるので、通常的な放出制御製剤の場合、全体的な生体利用率が減少する恐れがあり、PCT特許公開WO2000/57881公報は、微細粉末形態のシルロスタゾールが分散剤(dispersing agent)及び/または可溶剤とともに分散及び/または溶解された形態の製剤を利用してシルロスタゾールの小腸下部吸収率を増加させる方法を開示している。
【0007】
既存のシルロスタゾール錠製は、服用直後の高い溶出率により頭痛、頭重感、頻脈などの副作用を有しているので、徐放錠に製造される必要性があり、単純に薬物の放出を遅延させる効果だけではなく、1日1錠の服用に合わせる一定な溶出率を示すシルロスタゾール徐放錠の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は前述のような問題点を解決するためになされたもので、既存の徐放錠製剤に使われた水溶性高分子のマトリックス形態の長所を有すると共に、腸で別途の制御システムが作用して薬物の放出制御が一定で精巧に行われることにより、生体内の血中濃度が一定に維持されて副作用の発現を抑制する製剤を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の適切な実施形態によれば、シルロスタゾール、放出制御用高分子、結合剤、充填剤及び滑沢剤を含有するシルロスタゾール徐放錠は、放出制御用高分子として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールから構成されたグループより選択された1種または2種以上の混合物を含む。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、シルロスタゾール徐放錠に含まれた放出制御用高分子は、ヒドロキシプロピルセルロースとカルボマーの混合物である。
【0011】
本発明のまた他の実施形態によれば、シルロスタゾール徐放錠に含まれたヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマーの混合物は、全体錠製重量に対して25乃至50重量%で含まれている。
【0012】
本発明のまた他の実施形態によれば、シルロスタゾール徐放錠に含まれた放出制御用高分子であるヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度は、80,000cps乃至120,000cpsである。
【0013】
本発明のまた他の実施形態によれば、シルロスタゾール徐放錠に含有されたヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマー混合物の重量混合比は、1:1乃至20:1である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシルロスタゾール徐放錠は、服用の便利性のために1日1回服用が可能な溶出時間を有し、既存のシルロスタゾール製剤の副作用である頭痛の発現を最小化した。また、本発明のシルロスタゾール徐放錠は、胃腸内のpH変化にも均一な溶出率を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施例1と比較例1の処方1乃至処方5の溶出試験結果である。
【図2】図2は、本発明の実施例2の処方6乃至処方9の溶出試験結果である。
【図3】図3は、本発明の実施例3の処方10乃至処方13の溶出試験結果である。
【図4】図4は、本発明の実施例4の処方14乃至処方17の溶出試験結果である。
【図5】図5は、本発明の実施例5の処方6乃至処方9のpHによる溶出率を測定した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、シルロスタゾール(cilostazol)を含有する徐放錠(sustained−release tablet)に関する。具体的には、1日1回服用が可能に溶出時間を延長し、水溶性マトリックスシステムで薬物の放出を制御し、pHによって薬物の放出を調節することにより、胃から腸に至る薬物の吸収を一定で精巧に制御放出してシルロスタゾールの副作用の発現を抑制することで、女性や老人、児童の服用便宜性を向上させたシルロスタゾール徐放錠を提供する。
【0017】
本発明によるシルロスタゾール徐放錠は、シルロスタゾール、放出制御用高分子、結合剤、充填剤及び滑沢剤を含む。
【0018】
放出制御用高分子では、薬剤学的に許容が可能な高分子であれば、いずれも使用でき、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropymethylcellulose)、メチルセルロース(Methylcellulose)、エチルセルロース(Ethylcellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(Hydropropylmethylcellulose)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Sodium carboxymethylcellulose)から構成されたセルロース誘導体、酸化プロピレン(propylene oxide)及びその誘導体、ポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone、分子量90、商品名ポビドンK−90), ポリエチレングライコール(Polyethylene glycol)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)類、ポリビニルアセテート(Polyvinylacetate)、ポリビニルアセテートフタレート(Polyvinylacetate phthalate)、ポリメタクリレート(Polymethacrylate)、ポリメタクリレートの重合体(商業的にEudragit、ポリアクリル酸(Polyacrylicacid))、ポリメタクリレートの誘導体(代表的にカルボマー)、グリセロールモノステアレート及びポロクサマーから構成されたグループより選択された1種または2種以上の混合物を使用することができる。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールから構成されたグループより選択された1種または2種以上の混合物を使用することができ、より好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースとカルボマーの混合物を使うことができる。
【0019】
本発明によるシルロスタゾール徐放錠に含まれた放出制御用高分子の全体錠製重量に対する割合は、25%乃至50%であることが好ましい。もし、放出制御用高分子の割合が25重量%未満であれば、シルロスタゾールの放出時間が短くなり単位時間当り溶出量が多くなって副作用を発生し、50重量%を超過すれば、シルロスタゾールの放出時間が長くなり単位時間当り薬物の溶出量が少なくて十分な薬効を期待することができない。
【0020】
薬理学的有効成分の溶出を遅延させる徐放錠は、放出制御用高分子を混合して製造され、一般的にメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンなどが放出制御用高分子で使われる。
【0021】
本発明者は、徐放錠の製造時に、一般的な放出制御用高分子にカルボマーを混合して使えば、単一成分の放出制御用高分子を使う場合に比べて長い溶出時間と一定な薬物溶出パターンを示すことを発見した。また、カルボマー以外の放出制御用高分子とカルボマーの重量比を調節することにより溶出パターンの調節が可能である事実も発見した。
【0022】
シルロスタゾールの急速な溶出は、頻脈、頭重感や頭痛を引き起こすことができるので、一定な溶出率を維持・制御することも徐放錠において重要な要素である。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、錠製内に薬理学的有効成分の急速な溶出を防止するマトリックス(matrix)を形成して長い溶出時間を確保することができる。また、他の放出制御用高分子に比べて一定な溶出パターンを示す。
【0023】
薬理学的有効成分を含有した徐放錠の場合、溶出時に錠製の膨脹現象(swelling)を示す。この場合、放出制御用高分子のマトリックスが堅固ではない場合、マトリックスが一部損傷(erosion)されて錠製が崩解される現象が発生でき、これは急速な薬物放出につながって患者に頭痛や紅潮を誘発させる。このような問題点を解決するために、本発明では、放出制御用高分子として高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマーの混合物を使用した。カルボマーは、放出制御用高分子として、酸性条件である胃では、ゾル(sol)状態で存在して薬物放出がヒドロキシプロピルメチルセルロースシステムにより維持され、アルカリ条件である小腸では、ハイドロゲル(gel)状態で存在して薬物の放出を制御する。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に使用する時、徐放錠内のマトリックスを堅固にする効果があり、錠製膨脹が形態を維持し、錠製のマトリックスを維持することにより、錠製の侵食(erosion)を防止して一定な溶出率を維持する。
【0024】
本発明に使われたヒドロキシプロピルメチルセルロースは、粘度が80,000cps乃至120,000cpsであり、好ましくは、90,000cps乃至110,000cpsの粘度を有したヒドロキシプロピルメチルセルロースの使用が可能である。粘度が80,000cps未満であれば、多量のヒドロキシプロピルメチルセルロースが必要なので錠製のサイズが大きくなり、粘度が120,000cpsを超過すれば、シルロスタゾールとの均一な混合が難しくなる。同一な粘度であっても粒子の粉砕度が一層一定で分散が優秀な物理的な形態(Physical form)が良い製品を使用する。
【0025】
本発明によるシルロスタゾール徐放錠に含有されるヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマーの混合重量比は、1:1乃至20:1である。1:1未満であれば、錠製内のマトリックス形成が難しくて薬物放出の遅延効果が低下し、20:1を超過すれば、アルカリ条件でシルロスタゾールの溶出率が低下されシルロスタゾールと放出制御用高分子との間の均一な混合が難しい。好ましくは、1.5:1乃至10:1の混合が可能である。
【0026】
本発明によるシルロスタゾール徐放錠は、pHの変化に従って一定な溶出率を示す。経口投与された徐放錠は、8時間以上人体内に滞留し、特に、長期間滞留する胃、小腸はpHの変化が非常に大きいので、徐放錠はpHによって一定な溶出率を維持しなければならない。本発明によるシルロスタゾール徐放錠は、pH1.2(人工胃液)とpH6.8(人工膓液)において均一な溶出率を維持する。
【0027】
本発明で使われる結合剤では、一般的に経口投与が可能なポリビニルピロリドン(分子量30のものを利用、商品名ポビドンK−30)またはその誘導体(PVP)、ビニルピロリドン/ビニル誘導体の共重合体(co−pvp)及び澱粉類(starch)などがあるが、それに制限されるものではない。分子量30のポリビニルピロリドン(ポビドンK−30)またはビニルピロリドン/ビニル誘導体の共重合体(co−pvp)が一番効果的であり、これらの混合物を利用することもできる。結合剤は、全体錠製重量対比3乃至10重量%を含むことができ、結合剤を3重量%未満で添加する場合、結合力が弱くなって打錠が困難であり、10重量%を超過して添加する場合、薬物の溶出率の調節が難しい。しかし、前記重量比に制限されるものではない。
【0028】
本発明に使われる充填剤は、薬剤学的で通常使われる添加剤を含むことができる。このような添加剤では、ラクトース(Lactose)、砂糖(Sugar)、マンニトール(Mannitol) 及びソルビトール(Sorbitol)などを使用するか、またはこれらの混合物を使用することができ、必要によって、安定化剤及び保存剤を含むことができる。充填剤は、全体錠製重量対比10乃至30重量%を含むことができ、これに制限されるものではない。
【0029】
本発明で使われる滑沢剤では、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)、二酸化ケイ素(SiO2)や非晶質ヒュームドシリカ(Amorphous fumed silica)あるいはタルク(talc)などを添加するか、またはこれらの混合物を添加することができ、これに制限されるものではない。滑沢剤は全体錠製重量対比1乃至5重量%を含むことができ、滑沢剤を1重量%未満で参加する場合、錠製の打錠が難しくなり、5重量%を超過して添加する場合、滑沢剤顆粒のコーティング現象によりシルロスタゾールの溶出様相に影響を及ぼす。しかし、前記重量比に制限されるものではない。
【0030】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明の範囲はこのような実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0031】
<溶出率実験>
【0032】
大韓薬典第7改訂の溶出試験法によって溶出試験した。溶出液では、pH7.8リン酸塩緩衝液を用い、溶出法は、パドル法を使用し、溶出液は、900ml、撹拌速度は、100rpm、溶出温度は、37±0.5℃で実行した。0、5、10、15、30、45、60分に試料5mlを取り同量の溶出液を加えた。分析条件は、上の溶出試験から得た液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した液をHPLCを利用してアセクロフェナクを定量した。分析波長は、277nm、移動相は、アセトニトリル:pH7.4リン酸塩緩衝液=68:32溶液であり、流速は、1.0ml/min、コラムは、C18ODSを使用した。
【0033】
(実施例1)
【0034】
下記表に記載された各々の処方は、次のような製造方法を利用して徐放錠を製造した。まず、ポビドンK−30とカルボマー(50%)エタノールに分散・溶解させて結合液を調剤した。次に、スピードミキサーを使用してシルロスタゾール、微結晶セルロース、カルボマー(50%)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをよく混合した後、結合液を利用して円筒状顆粒機で湿式顆粒を製造した。製造された前記顆粒物を乾燥オーブン(40℃)で12hr以上乾燥して40meshの篩で整粒した後、整粒した半製品に硬質無水珪酸とステアリン酸マグネシウムとを追加・混合して下記記載された1錠当りの重さに合わせて打錠した。下記の実施例から製造された一定含量のシルロスタゾール徐放錠を大韓薬典の溶出試験法によって溶出試験した。溶出液では、0.5W/W%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液を使用し、溶出法は、パドル法、溶出液は、900ml、撹拌速度は、75rpm、溶出温度は、37±0.5℃で実行した。15、30、60、90、120、240、360、480、600、720分に試料5mlを取り同量の溶出液を加えた。分析条件は、上の溶出試験から得た液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した液をHPLCを利用してシルロスタゾールを定量した。分析波長は、257nm、移動相は、アセトニトリル:水=(40:60)混合液であり、オクタデシルシリル化したコラムを使用した。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
(比較例1)
【0038】
下記表に記載された各々の処方は、表に記載した成分で製造されるものの以外は実施例1と同様である。
【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
(実施例2)
【0042】
下記表に記載された各々の処方は、表に記載した成分で製造されるものの以外は実施例1と同様である。
【0043】
【表5】

【0044】
【表6】

【0045】
(実施例3)
【0046】
下記表に記載された各々の処方は、表に記載した成分で製造されるものの以外は実施例1と同様である。
【0047】
【表7】

【0048】
【表8】

【0049】
(実施例4)
【0050】
下記表に記載された各々の処方は、表に記載した成分で製造されるものの以外は実施例1と同様である。
【0051】
【表9】

【0052】
【表10】

【0053】
(実施例5)
【0054】
上記実施例から製造されたシルロスタゾール徐放錠の処方6、7、8、9を使用して、pHに従う溶出試験を実施した。溶出液としては、各々大韓薬典の溶出試験法に記載されたpH1.2(人工胃液)とpH6.8(人工膓液)の0.5W/W%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液を使用し、溶出法は、パドル法を使用した。溶出液量は、900ml、撹拌速度は、75rpm、溶出温度は、37±0.5℃で実行した。検液採取時間は、錠剤服用時に錠剤が一般的に胃で滞留する時間を規準とし、pH1.2で溶出試験した検体をpH6.8で継続して溶出試験を実施した。検液採取は、試料5mlを取り同量の溶出液を加えた。分析条件は、上の溶出試験から得た液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した液をHPLCを利用してシルロスタゾールを定量した。分析波長は、257nm、移動相は、アセトニトリル:水=(40:60)混合液であり、オクタデシルシリル化したコラムを使用した。
【0055】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シルロスタゾール、放出制御用高分子、結合剤、充填剤及び滑沢剤を含むシルロスタゾール徐放錠において、
前記放出制御用高分子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールから構成されたグループより選択された少なくとも1種以上の物質であることを特徴とするシルロスタゾール徐放錠。
【請求項2】
前記放出制御用高分子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマーの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のシルロスタゾール徐放錠。
【請求項3】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマーの混合物は、全体錠製重量に対して25乃至50重量%で含まれていることを特徴とする請求項2に記載のシルロスタゾール徐放錠。
【請求項4】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度は、80,000cps乃至120,000cpsであることを特徴とする請求項2に記載のシルロスタゾール徐放錠。
【請求項5】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボマーの重量混合比は、1:1乃至20:1であることを特徴とする請求項2に記載のシルロスタゾール徐放錠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−504615(P2013−504615A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529646(P2012−529646)
【出願日】平成21年9月23日(2009.9.23)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005420
【国際公開番号】WO2011/037281
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512067388)コリア ユナイテッド ファーム,インク (1)
【Fターム(参考)】