説明

溶存ガス圧測定装置の洗浄装置、及び、洗浄方法

【課題】溶存ガス圧測定装置において、サンプリング液体を収容する容器部内の洗浄を確実に行うための装置構成、及び、洗浄方法を提案する。
【解決手段】サンプリング液体を入口部21から容器部22に収容し、収容後、前記容器部22内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部22内のサンプリング液体を出口部23から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置20を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置20の洗浄装置1であって、洗浄液3を収容するための洗浄液槽4と、前記洗浄液槽4内の洗浄液3を、前記容器部22と前記洗浄液槽4との間で循環させるためのポンプ5と、を具備する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプリング液体の溶存ガス圧を測定する溶存ガス圧測定装置を洗浄するための装置、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種物品を装置内に収容して洗浄する構成の洗浄装置は周知となっており、これについて開示する文献も存在する(例えば、特許文献1、2、3参照。)。これらの文献に開示されるように、一般的には、洗浄の対象となる容器等の物品を閉じた空間内に収容し、その閉じた空間内において洗浄を実施することとしている。
【0003】
ところで、ビール等の飲料の製造においては、その飲料中の溶存ガス圧の測定が行われることとなっており、そのサンプリング液体の溶存ガス圧の測定値を検査項目の一つとして取り扱うことが行われている。このような溶存ガス圧を測定する溶存ガス圧測定装置においては、サンプリング液体を収容する空間を形成する容器部が備えられており、その空間内にサンプリング液体を充填した上で、溶存ガス圧を測定することとしている。また、前記容器部には、各種演算を行う電子機器等が取り付けられ、ユニット化されているものが一般的である。
【0004】
このようなユニット化された溶存ガス圧測定装置の洗浄に関し、特許文献1乃至3に開示されるような従来の洗浄装置では、その容器部を洗浄することができないものといえる。前記電子機器等の収容部に洗浄液が浸入してしまう確立が非常に高くなり、電子機器等が正常に機能しなくなってしまうためである。また、容器部は密閉される構造となっており、従来の洗浄装置でその内部を洗浄するには、溶存ガス圧測定装置を分解する必要があり、現実的ではない。
【0005】
そこで、溶存ガス圧測定装置の容器部を洗浄液で充填した後、その洗浄液を排出して洗浄することが検討される。しかし、一回の洗浄液の充填による洗浄では、容器部内を充分に洗浄できず、細菌等が残存してしまう可能性が高いといえる。また、作業者によって、その洗浄作業のばらつきが生じるため、画一的な殺菌洗浄を実施することができないこととなる。
【0006】
また、特に飲料等の製造工場において、このような測定機器を取り扱う際には、その測定機器が確実に殺菌されている必要がある。仮に測定装置の殺菌処理が充分でない場合には、例えば、残存した細菌が作業者に付着などして、製造ライン内に運び込まれてしまうといった二次的な不具合が発生することも考えられるからである。
【特許文献1】特開平5−253275号公報
【特許文献2】特開平8−19764号公報
【特許文献3】特開2001−327940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑み、溶存ガス圧測定装置において、サンプリング液体を収容する容器部内の洗浄を確実に行うための装置構成、及び、洗浄方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1に記載のごとく、
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄装置であって、
洗浄液を収容するための洗浄液槽と、
前記洗浄液槽内の洗浄液を、前記容器部と前記洗浄液槽の間で循環させるためのポンプと、
を具備する、こととするものである。
【0010】
また、請求項2に記載のごとく、
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄装置であって、
洗浄液を収容するための洗浄液槽と、
前記容器部から排出される洗浄液を収容するための洗浄液廃液槽と、
前記洗浄液槽内の洗浄液を、前記容器部を介して前記洗浄液廃液槽へ圧送するためのポンプと、
を具備する、こととするものである。
【0011】
また、請求項3に記載のごとく、
前記ポンプは、タイマーにて規定時間連続運転される構成とする、こととするものである。
【0012】
また、請求項4に記載のごとく、
前記ポンプは、前記洗浄液が酸性又はアルカリ性である場合の、少なくとも一つの場合に対応できる耐用性を有する、こととするものである。
【0013】
また、請求項5に記載のごとく、
前記溶存ガス圧測定装置と前記洗浄装置の間の洗浄液の流路に、
前記溶存ガス圧測定装置の入口部から洗浄液を供給し出口部から洗浄液を排出するための第一の流路と、
前記出口部から洗浄液を供給し前記入口部から洗浄液を排出する第二の流路とを、
択一的に形成するための流路切替機構を設ける構成とするものである。
【0014】
また、請求項6に記載のごとく、
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄方法であって、
洗浄液を収容するための洗浄液槽と、前記溶存ガス圧測定装置の容器部との間で前記洗浄液をポンプにより循環させるものであり、
前記洗浄液の循環を、タイマーを用いて規定時間実施する、こととするものである。
【0015】
また、請求項7に記載のごとく、
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄方法であって、
ポンプにより、洗浄液槽内の洗浄液を前記溶存ガス圧測定装置の容器部を介して洗浄液廃液槽に圧送させるものであり、
前記洗浄液の圧送を、タイマーを用いて規定時間実施する、こととするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
即ち、請求項1に記載の発明においては、洗浄液を循環させて洗浄を行うことから、随時循環される洗浄液によって容器部内を確実に洗浄、殺菌することが可能となる。また、洗浄液を閉じた循環流路において循環させるため、洗浄装置についての給水経路の確保や排水経路の確保が不要となり、洗浄装置を持ち運んで設置場所を選ぶことなく、洗浄を実施することが可能となる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明においては、常に未使用の洗浄液にて溶存ガス圧測定装置を洗浄することが可能となる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明においては、タイマーの利用によって、洗浄作業のばらつきが生じることがなく、画一的な殺菌洗浄を実施することが可能となる。また、作業者は、洗浄作業の場所に張り付くことなく、洗浄終了時間前等に再び洗浄作業の場所に戻ってくる対応を行えばよく、作業性が極めて良好となる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明においては、サンプリング液体の組成や、殺菌の対象となる微生物の種別等に応じて適宜選定される洗浄液についても、対応することが可能となる。
【0021】
また、請求項5に記載の発明においては、溶存ガス圧測定装置の容器部内における洗浄液の流れ方向を、順方向、逆方向といったように適宜変更することが可能となる。
【0022】
また、請求項6に記載の発明においては、洗浄液を循環させて洗浄を行うことから、随時循環される洗浄液によって容器部内を確実に洗浄、殺菌することが可能となる。
【0023】
また、請求項7に記載の発明においては、常に未使用の洗浄液にて溶存ガス圧測定装置を洗浄することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、発明の実施の形態を説明する。
一実施形態として、
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄装置であって、
洗浄液を収容するための洗浄液槽と、
前記洗浄液槽内の洗浄液を、前記容器部と前記洗浄液槽の間で循環させるためのポンプと、
を具備する構成とするものである。
以下、図を用いて実施例について説明する。
【実施例1】
【0025】
図1及び図2に示すごとく、洗浄装置1を用いて溶存ガス圧測定装置20の洗浄が行われるものとする。本実施例の洗浄装置1では、装置全体として直方体形状をなしており、その上部に持ち運び用の持手部2・2が設けられ、作業者がこの持手部2・2を掴んで装置を容易に持ち運びできるように構成されている。
【0026】
また、図1及び図2に示すごとく、洗浄装置1において、その上部には、洗浄液3を収容するための洗浄液槽4が設けられている。この洗浄液槽4は、上方が開口されて、その開口より洗浄液3を注ぎ入れることが可能となっている。尚、この洗浄液槽4に天板を設置する等して、外部からの異物の混入を防止することとするのも好適である。また、この洗浄液槽4を洗浄装置1に対して着脱自在に構成することとし、洗浄液の注ぎ入れや排出を容易に行えることとしてもよい。
【0027】
また、図1及び図2に示すごとく、前記洗浄液槽4に収容される洗浄液3としては、酸性、アルカリ性のいずれの薬液や、洗浄成分を含有する洗浄水といったものがあり、サンプリング液体の組成や、殺菌の対象となる微生物の種別等に応じて適宜選定されるものである。
【0028】
また、図1及び図2に示すごとく、洗浄装置1において、その下部には、洗浄液3を、前記洗浄液槽4と溶存ガス圧測定装置20の間で循環させるためのポンプ5が設けられている。このポンプ5は、いわゆるマグネットポンプであり、液体を循環させるべく構成される周知のもので構成される。ただし、使用する洗浄液3についての耐用性を確保する必要があるため、各種薬液(酸性、アルカリ性など)についての耐用性を有するケミカル用マグネットポンプを選定することが好適である。
【0029】
また、図1及び図2に示すごとく、前記洗浄液槽4とポンプ5は、ポンプ吸入管6を介して接続されており、ポンプ吸入管6を通ってポンプ5内へと洗浄液3が吸入される。また、ポンプ5には、ポンプ吐出管7が接続されており、吸入された洗浄液3がポンプ吐出管7へと吐出される構成としている。
【0030】
また、図1及び図2に示すごとく、前記ポンプ吐出管7は、それぞれ制御弁8A・8Bが設置される供給管9A・9Bに分岐される。この供給管9A・9Bには、それぞれ、溶存ガス圧測定装置20へと接続される一次側配管11が一端が接続されるものとしている。尚、本実施例では、一つの溶存ガス圧測定装置20を洗浄することとしているため、供給管9Aにのみ一次側配管11が接続されることとしている。また、分岐の数をより多く設けることによれば、より数多くの溶存ガス圧測定装置を同時に洗浄することも可能となる。
【0031】
また、図1及び図2に示すごとく、前記一次側配管11の他端は、溶存ガス圧測定装置20の入口部21(図2参照)に接続されている。本実施例の溶存ガス圧測定装置20では、この入口部21よりサンプリング液体を容器部22内に充填し、溶存ガス圧測定を行った後に、出口部23よりサンプリング液体を排出する構成とすることとしている。また、この溶存ガス圧測定装置20の出口部23(図2参照)には、二次側配管12の一端が接続されている。
【0032】
また、図1及び図2に示すごとく、前記二次側配管12の他端は、前記洗浄装置1の上部に設けられた洗浄液槽戻り部13のポート14Aに接続されている。ポート14Aに接続された二次側配管12から供給される洗浄液3は、ポート14Aを介して洗浄液槽4内へと導かれるようになっている。即ち、前記溶存ガス圧測定装置20の出口部23から排出される洗浄液3が、洗浄液槽4内へと戻されるようになっている。尚、洗浄液槽戻り部13には、二つのポート14A・14Bが設けられるが、本実施例では、一つの溶存ガス圧測定装置20を洗浄することとしているため、ポート14Aにのみ二次側配管12が接続されることとしている。
【0033】
また、図1に示すごとく、溶存ガス圧測定装置20においては、各種操作部24・24と、溶存ガス圧の測定値等を表示する表示部25が備えられる構成としている。そして、本実施例の洗浄装置1を利用して、その容器部22内の洗浄を実施するために、入口部21と出口部23における洗浄液3の流通を開放し、容器部22内を洗浄するための洗浄モードなる動作モードが設けられこととするのが好適である。尚、このような、洗浄モードがない場合でも、電源をオフにすることで、入口部21と出口部23における洗浄液3の流通が開放されるものであれば、特に問題となるものではない。また、通常通り溶存ガス圧を測定する際に利用する測定モードにて、洗浄を実施することとしてもよい。
【0034】
また、図2に示すごとく、前記ポンプ5においては、タイマー5Aを設けることにより、例えば、1時間といったように、或る規定の時間だけ連続運転を実施し、その時間経過後に自動的に運転を停止する構成としている。これにより、溶存ガス圧測定装置20に対する洗浄液3の供給を開始した後、その場を離れたとしても、規定時間中の運転が継続されることになり、作業性に優れたものとなる。また、この構成により、洗浄液3の循環について、規定の時間を確実に遵守することが可能となり、作業者による洗浄作業のばらつきの不具合も発生せず、確実な洗浄が行え、高い殺菌性を確保できることとなる。
【0035】
次に、以上の構成とする洗浄装置1を用いて行う溶存ガス圧測定装置20の洗浄について説明する。
まず、図2及び図3に示すごとく、前記洗浄液槽4内に洗浄液3を注ぎ込む。この洗浄液3の組成については、サンプリング液体の組成や、殺菌の対象となる微生物の種別等に応じて適宜選定される。
【0036】
次に、図2及び図3に示すごとく、前記供給管9Aと溶存ガス圧測定装置20の入口部21とを一次側配管11を介して接続する。また、前記溶存ガス圧測定装置20の出口部23と洗浄液槽戻り部13のポート14Aとを二次側配管12を介して接続する。これにより、洗浄液槽4と溶存ガス圧測定装置20の容器部22との間での循環流路30(図3参照)が形成される。
【0037】
次に、図2及び図3に示すごとく、制御弁8Aを開放する。尚、本実施例では、一つの溶存ガス圧測定装置20を洗浄することとするので、制御弁8Bについては、閉塞する。そして、この状態で、ポンプ5を起動して、洗浄液3を循環流路30(図3参照)内で循環させる。必要に応じて、タイマー5Aをセットして、規定の時間の洗浄を継続し、時間経過後は、自動的にポンプ5を停止させることとする。
【0038】
以上のように、本実施例の洗浄方法では、
サンプリング液体を入口部21から容器部22に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部22内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置20を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄方法であって、
洗浄液3を収容するための洗浄液槽4と、前記溶存ガス圧測定装置20の容器部22との間で前記洗浄液をポンプ5により循環させるものであり、
前記洗浄液3の循環を、タイマー5Aを用いて規定時間実施することとするものである。
【0039】
そして、以上のようにして溶存ガス圧測定装置20の容器部22を洗浄することができる。
この洗浄は、洗浄液3を循環させて行うことから、随時循環される洗浄液3によって容器部22内を確実に洗浄、殺菌することが可能となる。
また、タイマー5Aの利用によって、洗浄作業のばらつきが生じることがなく、画一的な殺菌洗浄を実施することが可能となる。
また、洗浄液3を閉じた循環流路30(図3参照)において循環させるため、洗浄装置1についての給水経路の確保や排水経路の確保が不要となり、洗浄装置1を持ち運んで設置場所を選ぶことなく、洗浄を実施することが可能となる。
また、作業者は、洗浄作業の場所に張り付くことなく、洗浄終了時間前等に再び洗浄作業の場所に戻ってくる対応を行えばよく、作業性が極めて良好となる。
また、本実施例では、一つの溶存ガス圧測定装置20についての洗浄作業について説明したが、複数の溶存ガス圧測定装置の洗浄を同時に行ってもよく、この点についても作業性の向上が図られる。
【実施例2】
【0040】
本実施例では、図4に示すごとく、洗浄装置1Aについて、洗浄液を収容するための洗浄液槽4Aと、前記容器部22から排出される洗浄液を収容するための洗浄液廃液槽4Bと、前記洗浄液槽4A内の洗浄液を、前記容器部22を介して前記洗浄液廃液槽4Bへ圧送するためのポンプ5と、を具備する構成とするものである。
【0041】
本実施例では、いわゆる回分洗浄を行うものであり、ひとたび洗浄に利用した洗浄液は、洗浄液廃液槽4Bにて回収することとし、洗浄液槽4Aから供給される未使用の洗浄液を常に利用して溶存ガス圧測定装置20の洗浄を行うこととするものである。
【0042】
本実施例の実現においては、実施例1における洗浄液槽を二つに区画し、一方を洗浄液槽4A、他方を洗浄液廃液槽4Bとして利用することとする。また、前記洗浄液槽4Aとポンプ5をポンプ吸入管16にて接続することとする。この他の構成は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
【0043】
以上のように構成することにより、常に未使用の洗浄液にて溶存ガス圧測定装置20を洗浄することが可能となり、より高レベルな殺菌性能を有する洗浄装置1Aを実現することが可能となる。
【実施例3】
【0044】
本実施例では、図5に示すごとく、前記溶存ガス圧測定装置20と前記洗浄装置1の間の洗浄液の流路(一次側配管11、二次側配管12)に、前記溶存ガス圧測定装置20の入口部21から洗浄液を供給し出口部23から洗浄液を排出するための第一の流路と、前記出口部23から洗浄液を供給し前記入口部21から洗浄液を排出する第二の流路とを、択一的に形成するための流路切替機構(電磁弁40)を設ける構成とするものである。
【0045】
また、図5に示すごとく、一次側配管11及び二次側配管12を二位置切替式の電磁弁40に接続するとともに、前記溶存ガス圧測定装置20の入口部21と出口部23も同様に電磁弁40に接続することとしている。この電磁弁における第一の切替位置では、一次側配管11と入口部21が連通され、二次側配管12と出口部23が連通されることで、第一の流路が形成されることとしている。また、第二の切替位置では、一次側配管11と出口部23が連通され、二次側配管12と入口部21とが連通されることで、第二の流路が形成されることとしている。
【0046】
また、図5に示すごとく、前記タイマー5Aにより、前記ポンプ5の制御とは独立して、電磁弁40の切替が行われることとしており、タイマー5Aによって、例えば、ポンプ5の起動時間の半分の時間が経過したときに、前記電磁弁40の切替が行われることを可能としている。
【0047】
以上のように構成することで、溶存ガス圧測定装置20の容器部22内における洗浄液の流れ方向を、順方向、逆方向といったように適宜変更することが可能となる。そして、この形態によれば、いわゆる逆洗いが可能となるものであり、例えば、容器部22内の構成が複雑であって、洗浄液の流れに基づく剥離による洗浄が行われにくい箇所や、洗浄液が届き難い箇所に対しての洗浄性の向上を図ることが可能となる。また、タイマー5Aによる電磁弁40の自動切換えによって、作業者の管理負担を削減し、作業性を良好なものとすることができる。もちろん、電磁弁40による切替の形態のほか、手動による切替の形態も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、サンプリング液体を装置内に取り込んで溶存ガス圧を測定する装置について、広く一般に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】洗浄装置に対し溶存ガス圧測定装置を接続した状態について示す図。
【図2】洗浄装置の構成について示す概略図。
【図3】洗浄装置と溶存ガス圧測定装置との間で形成される循環流路について説明する回路図。
【図4】実施例2の洗浄装置の構成について示す概要図。
【図5】実施例3の洗浄装置の構成について示す回路図。
【符号の説明】
【0050】
1 洗浄装置
2 持手
3 洗浄液
4 洗浄液槽
5 ポンプ
5A タイマー
6 ポンプ吸入管
7 ポンプ吐出管
8A 制御弁
9A 供給管
11 一次側配管
12 二次側配管
13 洗浄液槽戻り部
14A ポート
20 溶存ガス圧測定装置
21 入口部
22 容器部
23 出口部
24 操作部
25 表示部
30 循環流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄装置であって、
洗浄液を収容するための洗浄液槽と、
前記洗浄液槽内の洗浄液を、前記容器部と前記洗浄液槽の間で循環させるためのポンプと、
を具備する、溶存ガス圧測定装置の洗浄装置。
【請求項2】
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄装置であって、
洗浄液を収容するための洗浄液槽と、
前記容器部から排出される洗浄液を収容するための洗浄液廃液槽と、
前記洗浄液槽内の洗浄液を、前記容器部を介して前記洗浄液廃液槽へ圧送するためのポンプと、
を具備する、溶存ガス圧測定装置の洗浄装置。
【請求項3】
前記ポンプは、タイマーにて規定時間連続運転される構成とする、
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の溶存ガス圧測定装置の洗浄装置。
【請求項4】
前記ポンプは、前記洗浄液が酸性又はアルカリ性である場合の、少なくとも一つの場合に対応できる耐用性を有する、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の溶存ガス圧測定装置の洗浄装置。
【請求項5】
前記溶存ガス圧測定装置と前記洗浄装置の間の洗浄液の流路に、
前記溶存ガス圧測定装置の入口部から洗浄液を供給し出口部から洗浄液を排出するための第一の流路と、
前記出口部から洗浄液を供給し前記入口部から洗浄液を排出する第二の流路とを、
択一的に形成するための流路切替機構を設ける構成とする、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の溶存ガス圧測定装置の洗浄装置。
【請求項6】
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄方法であって、
洗浄液を収容するための洗浄液槽と、前記溶存ガス圧測定装置の容器部との間で前記洗浄液をポンプにより循環させるものであり、
前記洗浄液の循環を、タイマーを用いて規定時間実施する、
溶存ガス圧測定装置の洗浄方法。
【請求項7】
サンプリング液体を入口部から容器部に収容し、収容後、前記容器部内のサンプリング液体の溶存ガス圧を測定し、測定後、前記容器部内のサンプリング液体を出口部から排出する構成とする溶存ガス圧測定装置を洗浄するための、溶存ガス圧測定装置の洗浄方法であって、
ポンプにより、洗浄液槽内の洗浄液を前記溶存ガス圧測定装置の容器部を介して洗浄液廃液槽に圧送させるものであり、
前記洗浄液の圧送を、タイマーを用いて規定時間実施する、
溶存ガス圧測定装置の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−28696(P2009−28696A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198192(P2007−198192)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】