説明

溶存ガス除去装置及び溶存ガス除去方法

【課題】中空糸内の滞留水を排出することができ、かつ溶存ガス除去効率の高い溶存ガス除去装置及びこの溶存ガス除去装置を用いた溶存ガス除去方法を提供する。
【解決手段】複数本の中空糸14が束ねられ、該中空糸が下部側においてのみ結束部材13によって互いに結束された中空糸モジュール15がケーシング12内に配置されている。ケーシング12内の上部に気体溜まり部16が形成され、中空糸14の上端部が該気体溜まり部16内に位置し、且つ該上端部よりも下側は被処理液に没した状態となるように通水及び通気を行う。不活性ガス導入口12cから気体溜まり部16に供給された不活性ガスは、中空糸14の上端側から下端側に流れる。被処理液中の溶存ガスが中空糸14の細孔から中空糸14の内孔に拡散し、前記不活性ガスと共に中空糸14の下端側から排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空糸内に不活性ガスを供給し、被処理液に溶存しているガスを中空糸の細孔を透過させて除去する溶存ガス除去装置及びこの溶存ガス除去装置を用いた溶存ガス除去方法に関する。
【0002】
なお、本明細書において、中空糸の内孔とは、チューブ状中空糸を長手方向に貫通する内孔をいうものとし、中空糸の細孔とは、中空糸の壁部分を構成する合成樹脂に存在する微細孔をいうものとする。
【背景技術】
【0003】
ボイラー供給水は、通常、脱酸素処理される。また、逆浸透膜への供給液も脱酸素処理されることがある。
【0004】
液中の溶存ガスを除去する方法として、特開昭63−158107号公報には、疎水性の材質の薄膜からなるチューブの内側に不活性ガスを流し、該チューブの外側の水中に溶存するガス成分を該チューブの内側に拡散させて不活性ガスと共に排出させるようにした脱気方法が記載されている。
【0005】
同号公報の第2図には、多数の中空糸を束状とし、これをタンク内に配置し、中空糸の外側に原水を流通させ、中空糸内に不活性ガスを流通させる構成が記載されている。
【特許文献1】特開昭63−158107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特開昭63−158107号の第2図の溶存ガス除去装置では、中空糸の束の内部(中央側)の中空糸は水と接触しにくく、脱ガス効率が低い。
【0007】
また、中空糸内に流通させる不活性ガスが水分を含んでいる場合、中空糸内部で結露が生じ、中空糸の内孔が目詰りし、これによっても脱ガス効率が低下するおそれもある。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、溶存ガス除去効率が高い溶存ガス除去装置と、この溶存ガス除去装置を用いた溶存ガス除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(請求項1)の溶存ガス除去装置は、溶存ガスが除去される被処理液の流入口及び溶存ガスが除去された処理液の流出口を有したケーシング内に、複数本の中空糸を有した中空糸モジュールを上下方向に配置してなり、該ケーシング内に被処理液が供給され、該中空糸内に不活性ガスが供給され、該被処理液に溶存している不活性ガスを、該中空糸を透過させて除去する溶存ガス除去装置において、該中空糸の両端は開放しており、該中空糸の上端は該ケーシング内の上部に位置しており、該中空糸の下端は、ケーシング外に連通しており、該中空糸は、下部側においてのみ互いに結束され、それよりも上側において自由状態となっており、該ケーシングの上部に不活性ガス導入口が設けられており、該不活性ガス導入口から該ケーシング内に導入された不活性ガスが、該中空糸内をその上端側から下端側に向けて通気されることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の溶存ガス除去装置は、請求項1において、前記不活性ガス導入口に不活性ガスを送気する送気装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の溶存ガス除去装置は、請求項1又は2において、前記不活性ガス導入口に供給される不活性ガスの露点を低下させる手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4の溶存ガス除去装置は、請求項1ないし3のいずれか1項おいて、前記不活性ガス導入口に供給される不活性ガスのフィルタが設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5の溶存ガス除去装置は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記被処理液は水であり、前記中空糸は疎水膜よりなることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6の溶存ガス除去装置は、請求項5において、前記中空糸は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエチレン及びポリビニリデンジフロライドよりなる群の少なくとも1種よりなることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7の溶存ガス除去装置は、請求項5において、前記中空糸が精密濾過膜又は限外濾過膜よりなることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8の溶存ガス除去方法は、溶存ガス除去装置は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の溶存ガス除去装置を用いた溶存ガス除去方法であって、該ケーシング内の上部に気体溜まり部が形成され、前記中空糸の上端部が該気体溜まり部内に位置し、且つ該上端部よりも下側は被処理液に没した状態となるように、前記流入口及び流出口を介して被処理液を該ケーシング内に流通させると共に、該ケーシングの上部に前記不活性ガス導入口から不活性ガスを導入し、該中空糸の上端側から下端側に向けて不活性ガスを通気させることを特徴とするものである。
【0017】
請求項9の溶存ガス除去方法は、請求項8において、該ケーシング内における被処理液の通水線速度は1〜200cm/sec(レイノズル数として約50〜8000)であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項10の溶存ガス除去方法は、請求項8又は9において、前記不活性ガスが窒素ガス及び/又はアルゴンガスであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の溶存ガス除去装置(請求項1)及び溶存ガス除去方法(請求項8)にあっては、中空糸の上端部が気体溜まり部内に位置するため、ケーシング上部の不活性ガス導入口から該中空糸の上端部を介して中空糸の内孔に不活性ガスが流通する。この不活性ガスが中空糸の内孔を流通することにより、被処理液中に溶存するガスが中空糸の内側に拡散して移動し、不活性ガスと共に中空糸の下端から排出される。
【0020】
本発明にあっては、中空糸は下部側においてのみ互いに結束され、それよりも上側において自由状態となっているため、ケーシング内に被処理液を通液したときに、中空糸は液流で自由に揺らぐ。これにより、中空糸モジュールのうち中央側の中空糸も流通する被処理液と接触し易くなり、その結果、被処理液中に溶存するガスが効率的に中空糸内に移動する。
【0021】
また、一般に、中空糸内に不活性ガスを供給すると、不活性ガス中の水分が凝縮し、中空糸内に結露が発生し、この結露による水滴により中空糸の内孔が閉塞することがある。本発明の溶存ガス除去装置及び溶存ガス除去方法によると、中空糸内に供給された不活性ガスは下向きに流れるので、この不活性ガスの下向流及び水滴の自重により、中空糸内に発生した水滴は中空糸の下端側から速やかに排出される。
【0022】
請求項2の溶存ガス除去装置では、送気装置によって、不活性ガスを中空糸の上端から中空糸内に送気することができる。
【0023】
請求項3の溶存ガス除去装置では、不活性ガス導入口に供給される不活性ガスの露点を低下させる手段が設けられているため、中空糸内で不活性ガスが凝結して水滴が発生することが抑制される。
【0024】
請求項4の溶存ガス除去装置は、不活性ガスのフィルタが設けられているため、不活性ガス中に混在する不純物が中空糸の内孔に入って中空糸を詰まらせることが防止される。
【0025】
請求項5の溶存ガス除去装置は、中空糸が疎水膜であるため、中空糸の外側の水が細孔から中空糸膜の内部に侵入することが防止される。
【0026】
この中空糸膜の材質は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエチレン及びポリビニリデンジフロライドよりなる群の少なくとも1種よりなることが好ましい(請求項6)。なお、疎水性を高めるため、これらの材質よりなる中空糸をさらに撥水加工してもよい。
【0027】
請求項7の溶存ガス除去装置は、中空糸が精密濾過膜又は限外濾過膜よりなるため、細孔径が小さい。このため、中空糸内への水の浸入やバクテリアの増殖が防止される。
【0028】
なお、中空糸が疎水性の材質よりなる場合でも、中空糸の細孔径が大きいと、中空糸内の内孔に水が浸入する。請求項7によると、かかる問題点が解消される。
【0029】
請求項9の溶存ガス除去方法は、前記ケーシング内に流通させる被処理液の通水線速度が1.0cm/sec以上であるため、中空糸の表面に沿う流れの乱流化が促進され、効率的に被処理液中の溶存ガスを除去することができる。
【0030】
請求項10の通り、不活性ガスとして窒素ガス及び/又はアルゴンガスを用いることにより、効率的に酸素を除去することができ、特にアルゴンガスを用いることにより酸素ガスを十分に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。第1図は実施の形態に係る溶存ガス除去装置1の模式的な断面図である。
【0032】
この溶存ガス除去装置1は、主にケーシング12と中空糸モジュール15とから構成されている。
【0033】
このケーシング12は下端が開放された円筒形となっている。このケーシング12の周面の上部に被処理液の流入口12aが設けられ、下部に処理液の流出口12bが設けられている。また、このケーシング12の頂部に不活性ガス導入口12cが設けられている。
【0034】
この中空糸モジュール15は、複数本の中空糸14が束状に引き揃えられ、該中空糸14が下部側においてのみ合成樹脂よりなる結束部材13によって互いに結束されたものである。該中空糸14の該結束部材13よりも上側は拘束されておらず、自由状態となっている。この結束部材13は円盤形であり、その上半部はケーシング12内に挿入された小径部となっている。この結束部材13の下半部はケーシング12の内径よりも大きい大径部となっている。該中空糸14の両端は封止されておらず、開放している。
【0035】
この中空糸14としては、疎水膜を用いることが好ましい。これにより、中空糸14の外側の水が中空糸14の内部に浸入することが防止される。疎水膜の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエチレン及びポリビニリデンジフロライドよりなる群の少なくとも1種が挙げられる。
【0036】
さらに、この中空糸14としては、細孔径の小さい精密濾過膜や限外濾過膜を用いることが好ましい。この場合、中空糸14の細孔径が十分に小さいため、被処理液の浸入による中空糸の目詰まりを一層防止できる。なお、被処理液中のガスの透過性を高くするためには、精密濾過膜、特に公称孔径が0.02〜0.2μm程度の精密濾過膜を用いることが好ましい。
【0037】
なお、通常の溶存ガス除去装置の中空糸膜には、分子拡散を行うための薄いスキン層をコーティングしたガス分離膜を用いるが、本発明ではスキン層がない中空糸膜を用いるのが好ましい。このスキン層のない中空糸膜は、スキン層を有する中空糸膜よりも、膜を透過するガスの移動速度が大きい。
【0038】
このケーシング12に中空糸モジュール15を装着するには、このケーシング12の下端側から中空糸モジュール15の中空糸14を挿入する。そして、該ケーシング12の下端部に結束部材13の上半側の小径部を挿入し、該ケーシング12の下端部の外周に設けられたフランジ12fに対してパッキン19を介して結束部材13の大径部を当接させる。次いで、これらフランジ12fと大径部とをボルト17及びナット18を用いて連結する。
【0039】
前記不活性ガス導入口12cは、配管21を介して送気装置20に接続されている。この送気装置20としては、ファン、ブロワ等が好適であるが、不活性ガスのタンクやボンベであってもよい。中空糸14内に通気する不活性ガスの流量は中空糸1本当り0.1〜3mL/min程度、特に0.5〜1mL/min程度が好ましい。流量が0.1mL/minより少ないと、被処理液中のガスの除去に時間がかかる。また、不活性ガスの流量が3mL/minより多いと不活性ガスの消費量が多くなり、脱ガス処理コストが高くなる。
【0040】
次に、この溶存ガス除去装置1を用いた溶存ガス除去方法の一例を説明する。
【0041】
ガスが溶存する被処理液を、流入口12aからケーシング12内に供給し、流出口12bから流出させる。また、不活性ガス導入口12cから気体溜まり部16に窒素などの不活性ガスを供給し、中空糸14の上端側から下端側に向けて不活性ガスを通気させる。このとき、第1図の通り、ケーシング12内の上部に気体溜まり部16が形成され、中空糸14の上端部が該気体溜まり部16内に位置し、且つ該上端部よりも下側は被処理液に没した状態となるように、通水量、通水圧、給気圧、給気量を調整する。
【0042】
該ケーシング12内に流通させる被処理液の通水線速度は(第1図の場合であれば、ケーシング12内の液の下降方向の線速度)は1cm/sec以上特に3cm/sec以上が好ましい。通水線速度を1.0cm/sec以上にすると中空糸14の表面に沿う流れの乱流化が促進され、中空糸14の表面と液の間にある液界面が薄くなる。被処理液中の溶存ガスは液界面を通り、拡散によって移動するため、液界面が薄いほど拡散抵抗が小さくなり、溶存ガスが中空糸14の内孔に移動し易くなる。この通水線速度は200cm/sec以下であること(レイノズル数として約50〜8000)が好ましい。
【0043】
中空糸14内に不活性ガスを流通させると、被処理液中の溶存ガスがガス濃度の勾配によって中空糸14の内孔に拡散移動する。中空糸14の内孔に移動した溶存ガスは、不活性ガスと共に中空糸14の下端側から排出される。
【0044】
また、中空糸14内で結露水が発生しても、この結露水は中空糸14の下端から速やかに排出される。
【0045】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、第1図の溶存ガス除去装置1において、流入口12aの上流に、液中の固形物等を除去するためのフィルタを設けてもよい。
【0046】
また、配管21や、送気装置20の吸込側に、不活性ガスの露点を低下させる手段を設けてもよい。この不活性ガスの露点を低下させる手段としては、容器内にシリカゲルを充填した除湿機、冷凍式ドライヤ、膜式ドライヤ等が挙げられる。
【0047】
被処理液は、水、水溶液、有機溶媒のいずれであっても良い。被処理液が純水又は超純水であり、被処理液に溶存するガスが酸素である場合、中空糸14内に窒素ガス及び/又はアルゴンガスを通気させることにより、効率よく脱酸素処理することができ、特にアルゴンガスを用いると、溶存酸素濃度が著しく低い純水又は超純水を得ることができる。
【実施例】
【0048】
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0049】
[実施例1]
第1図の溶存ガス除去装置を用いて超純水の脱酸素処理を行った。
【0050】
中空糸14としては、外径1.0mm、内径0.6mm、長さ1000mmでポリスルホン製の中空糸(公称孔径0.1μm、全膜面積7m)を2200本用いた。ケーシング12としては、内径100mm、高さ1000mm、有効容積7.8Lのカラムを用いた。この溶存ガス除去装置におけるカラム単位容積あたりの中空糸の膜面積は890m/mである。
【0051】
この溶存ガス除去装置に、酸素が飽和した超純水を通水し、不活性ガス導入口12cから窒素を5L/minの流量で下向きに通気した。超純水の流量(超純水の通水線速度)を段階的に変化させ、流出口12bの溶存酸素濃度を測定した。各数値をもとに、以下の式(1)に従って膜面積あたりの最大酸素移動速度を求めた。
【0052】
最大酸素移動速度(gO/m/day)
=通水量×(流入口12aの溶存酸濃度−流出口12bの溶存酸素濃度)÷
{ケーシング12の容積×(飽和溶存酸素濃度−流出口12bの溶存酸素濃度)}
×飽和溶存酸素濃度×ケーシング12の膜比表面積 … (1)
【0053】
[比較例1]
従来の溶存ガス除去装置(中空糸の上端側及び下端側が共に固く固定されている装置)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして運転を行った。中空糸の種類、寸法、本数は実施例1と同様とした。
【0054】
実施例1及び比較例1の被処理液の通水線速度と最大酸素移動速度との関係を示すグラフを第2図に示す。
【0055】
<考察>
実施例1では、被処理液の通水線速度が大きくなるにつれて、最大酸素移動速度も大きくなった。この理由は、通水線速度が大きくなるほど、中空糸膜近傍の乱流度合いが増大するためである。中空糸膜近傍の乱流が大きくなると中空糸膜表面と液の間にある液界面が薄くなる。酸素は液界面を経由して拡散によって移動するため、液界面が薄くなるほど(被処理液の通水線速度が大きくなるほど)拡散抵抗が小さくなり、溶存ガスの移動速度が大きくなる。
【0056】
一方、比較例1では、被処理液の通水線速度を大きくしても最大酸素移動速度はほとんど大きくならなかった。この理由は、従来の溶存ガス除去装置の中空糸が両端で固く固定され、中空糸束の中心部に被処理液が流通しにくいためである。被処理液が流通しにくい部分では、被処理液の動きが遅くなり、膜近傍に乱流が生じないため液界面は薄くならない。従って、被処理液の通水線速度を大きくしても、最大酸素移動速度はほとんど変化しない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態に係る溶存ガス除去装置を示す断面図である。
【図2】実施例1及び比較例1の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0058】
1 溶存ガス除去装置
12 ケーシング
12a 流入口
12b 流出口
12c 不活性ガス導入口
13 結束部材
14 中空糸
15 中空糸モジュール
16 気体溜まり部
20 送気装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶存ガスが除去される被処理液の流入口及び溶存ガスが除去された処理液の流出口を有したケーシング内に、複数本の中空糸を有した中空糸モジュールを上下方向に配置してなり、該ケーシング内に被処理液が供給され、該中空糸内に不活性ガスが供給され、該被処理液に溶存している不活性ガスを、該中空糸を透過させて除去する溶存ガス除去装置において、
該中空糸の両端は開放しており、
該中空糸の上端は該ケーシング内の上部に位置しており、該中空糸の下端は、ケーシング外に連通しており、
該中空糸は、下部側においてのみ互いに結束され、それよりも上側において自由状態となっており、
該ケーシングの上部に不活性ガス導入口が設けられており、該不活性ガス導入口から該ケーシング内に導入された不活性ガスが、該中空糸内をその上端側から下端側に向けて通気されることを特徴とする溶存ガス除去装置。
【請求項2】
請求項1において、前記不活性ガス導入口に不活性ガスを送気する送気装置が設けられていることを特徴とする溶存ガス除去装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記不活性ガス導入口に供給される不活性ガスの露点を低下させる手段が設けられていることを特徴とする溶存ガス除去装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項おいて、前記不活性ガス導入口に供給される不活性ガスのフィルタが設けられていることを特徴とする溶存ガス除去装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記被処理液は水であり、前記中空糸は疎水膜よりなることを特徴とする溶存ガス除去装置。
【請求項6】
請求項5において、前記中空糸は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエチレン及びポリビニリデンジフロライドよりなる群の少なくとも1種よりなることを特徴とする溶存ガス除去装置。
【請求項7】
請求項5において、前記中空糸が精密濾過膜又は限外濾過膜よりなることを特徴とする溶存ガス除去装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の溶存ガス除去装置を用いた溶存ガス除去方法であって、
該ケーシング内の上部に気体溜まり部が形成され、前記中空糸の上端部が該気体溜まり部内に位置し、且つ該上端部よりも下側は被処理液に没した状態となるように、前記流入口及び流出口を介して被処理液を該ケーシング内に流通させると共に、該ケーシングの上部に前記不活性ガス導入口から不活性ガスを導入し、該中空糸の上端側から下端側に向けて不活性ガスを通気させることを特徴とする溶存ガス除去方法。
【請求項9】
請求項8において、該ケーシング内における被処理液の通水線速度は1〜200cm/secであることを特徴とする溶存ガス除去方法。
【請求項10】
請求項8又は9において、前記不活性ガスが窒素ガス及び/又はアルゴンガスであることを特徴とする溶存ガス除去方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−238104(P2008−238104A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84942(P2007−84942)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】