説明

溶接接続部を形成するための方法および装置

本発明は、静荷重をほとんど有していないDIN準拠の鉄筋コンクリート部材の製造に用いられる溶接鉄筋鋼棒マットを製造するための方法および機械に、およびそのような鉄筋鋼棒マットに関し、特に、単軸鉄筋マットの場合、溶接装置(1)と、1つ以上の鉄筋鋼棒(2)と、1つ以上の支持部(4)とが、位置制御、および必要に応じて一緒に溶接される鉄筋鋼棒の位置補正によって互いに位置決めされ、鉄筋鋼棒(2)は、該鋼棒のリブ(3)のうちの少なくとも1つの領域において、支持部(4)に溶接され、あるいは、前記鋼棒のリブ(3’)のうちの少なくとも1つの領域において、別の鉄筋鋼棒(2)に溶接される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静荷重をほとんど受けないDIN(ドイツ工業規格)準拠の鉄筋コンクリート部材の製造に用いる鋼体間に溶接接続部を形成するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート構造におけるコンクリート部材の静的特性を向上させるために、張力を吸収し、ひいてはコンクリートの圧縮強度を補う鋼体または鋼棒は、対応する鉄筋コンクリート部材の耐荷力が向上するように用いられる。鋼体および鋼棒は、工事現場で手作業で互いにねじられるか、あるいは、鉄筋または丸鋼が材料として用いられる特殊な形状の溶接された単軸または2軸鋼マットまたはセグメントの形で用いられる。冷間成形または加熱成形によって製造された鉄筋鋼棒は、典型的にはねじられず、ほぼ円形の断面および斜めにリブの付いた表面を有し、および該当する場合、長手方向のリブを特徴としている。この場合、斜めのリブは、典型的には、新月状の断面で実現されており、および最高点で鋼棒のコア断面の約6.5%の寸法を有する。鉄筋鋼棒は、たいていの場合、最長で15mであり、一般に、鋼棒重量が数百キロに達するように、最大で32mmの直径を有する。
【0003】
鉄筋鋼棒マットまたは特殊なセグメントに見られるタイプの溶接接続部は、長い間知られてきており、また、大部分が静荷重であることが分かっている。時間をかなり節約して工事現場で設置できる溶接された単軸鉄筋鋼棒マットが特に有利である。対応する製造機械もまた、例えば、特許文献1または特許文献2によって長い間知られている。特許文献1に記載されている単軸鉄筋鋼棒マットを製造するための機械は、マット形成部への側方鉄筋鋼棒供給部を特徴とし、この場合、予め製造された鉄筋鋼棒は、格納マガジンから移動され、または、まだ製造されていない鉄筋鋼棒は、矯正切断機の形で実現されるロッド形成部によって供給ロールから解かれて矯正された後、所定のサイズに切断される。マット形成部に供給された鉄筋鋼棒は、横方向位置決め装置によって、そのマットに直角に位置決めされ、および自動溶接機によって、フレキシブルな支持部に溶接される。2軸鉄筋鋼棒マットにおいては、鋼棒は、他の鋼棒に溶接される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0862958号明細書
【特許文献2】国際出願PCT/DE2009/000298号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、公知の溶接された鉄筋鋼棒マットは、例えば、土木工学および構造工学で生じるタイプの静荷重をほとんど受けない鉄筋コンクリート部材および構造に適していない。この文脈においては、変化する交通量による交番荷重を受ける道路および鉄橋用のコンクリート部材に言及しなくてはならない。波の作用によって応力が加えられる海洋構造物、および突風または渦の離脱による動的励起を受ける塔、マストまたは高層ビル等の構造物は、同様に影響を及ぼされる。クレーンガイド、スタッカカバーまたは機械基礎等の産業構造物におけるコンクリート部材にも言及しなくてはならない。これら全ての部材においては、多くの荷重の交番を伴う永続的な高サイクル交番荷重によって、素材疲労が起きる可能性がある。この種の荷重は、上述した部材および構造に対する損傷の主な原因である。溶接接続部においては、鋼の疲労強度は、溶接プロセス中の構造変化および高応力集中によって著しく低下するため、素材疲労の作用は、特に、溶接線に局所的に集中する。溶接の応力集中により、公知の溶接鉄筋鋼棒マットまたは丸鋼は、静荷重をほとんど受けない用途の場合のDIN 1045−1に規定されている疲労強度には達しないが、丸鋼の場合のヴェーラー曲線よりも明らかに下にある疲労強度には達する。専門家の間では、長い間、溶接接続部の適合性、またはより正確には、静荷重をほとんど受けない部材のDINに合った用途に対する溶接鉄筋鋼棒マットの適合性に関して偏見があった。そのような溶接マットは、高価な追加材料または最初の段階での最高品質の鋼の使用によってのみ使用可能になる。その結果として、これまでは、工事現場で、細線を用いて面倒で時間のかかる方法で手作業で互いに接続しなければならない個々の鋼棒が使用されてきており、そのため、動的荷重を受ける可能性のある面を生じるこの種の方法は、コストのかかる手作業による接続によって、それに応じてコストがかかっていた。溶接鉄筋鋼棒マットを代わりに使用した場合には、大量の材料を追加しなければならないため、鋼材の消費量がかなり増加していた。
【0006】
先述したことは、一方向のみに静的に作用する鉄筋鋼棒だけではなく、個々の鉄筋鋼棒を互いに接続して、完成した単軸鉄筋鋼棒マットを巻き取ることを可能にするフレキシブルな支持部も備えている単軸鉄筋鋼棒マットにも当てはまる。単軸鉄筋鋼棒マットは、単に一方向、すなわち、横方向の張力を吸収できるだけであるため、鉄筋コンクリート部材があらゆる方向の張力および曲げモーメントを吸収できるようにするためには、互いに90°の向きになっている2つの単軸鉄筋鋼棒マットが必要である。単軸鉄筋鋼棒マットは、最長で15m幅を有し、および異なる直径および長さの鉄筋鋼棒を含んでもよい。それらは、巻き取られた形で工事現場へ送られて、わずかな人手で容易かつ迅速に広げられるため、単軸鉄筋鋼棒マットの使用は、換言すれば、静荷重をほとんど受けない鉄筋鋼部材の製造においても基本的に高度に有利である。
【0007】
従って、本発明の目的は、現在、鉄筋鋼棒マットの製造中に必要な材料の追加がなく、および工事現場での個々の鋼棒の手作業によるねじりももはや必要のない溶接方法を開示することである。本発明の別の目的は、溶接された鉄筋鋼棒マットを製造する機械を開示することであり、そのマットは、材料の追加を要することなく、ほとんどが静的ではない荷重に耐えることができる。本発明のまた別の目的は、そのような溶接された鉄筋鋼棒マットを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記方法に関する目的は、a)少なくとも1つの溶接装置と、リブの付いた鉄筋鋼棒、支持部、鋼棒または互いにそれぞれのコア径と比較して増大した直径からなる領域を備えた鋼製要素によって形成された群のうちの少なくとも2つの同一のまたは異なる要素とを配置するステップと、b)それらのリブのうちの少なくとも1つの領域またはそれらのコア径と比較して増大した直径からなる領域内でそれらの要素を溶接するステップと、c)所望の数の溶接接続部が形成されるまでステップa)〜ステップb)を繰返すこととを備える方法によって実現される。本発明は、追加材料が既に設けられている鋼製要素の領域を有利に利用するという点で、極めて有利な方法で溶接鋼における構造変化を最小限にする。鉄筋鋼棒マットの場合、それらは、それらが長手方向または横方向のリブから成っているか否かに関わらず、それらのリブであり、鋼棒の場合には、それらは、例えば、一体化したウェブまたはプレート部分等の増大した直径を有する領域であり、他の鋼製要素の場合、それらは、その対応する領域である。それらの領域は、後でウェブ、湾曲部、リブ等の形で作ることができ、あるいは、より精巧な構造デザインを有する鋼製要素からなる補強部に既にあってもよい。より精巧な構造デザインを備えるそれらの鋼製要素は、例えば、I形梁またはT形梁あるいは二重T形梁に似ている全ての3次元コンクリート補強構造を含む。従って、本発明によれば、丸鋼または鉄筋鋼棒を用いることが最も重要なことではなく、それぞれのコア材料の構造が可能な限り小さく変形するように、より大きな材料厚を有する領域に、それぞれの溶接点を形成することが重要である。鉄筋鋼棒の場合ならびに鉄筋鋼棒で形成された単軸および2軸溶接マットの場合、この目的のためにそのリブを検討してもよい。単軸マットの場合、溶接は、リブと、より大きな材料厚を有する領域を備える必要のない支持部との間で行われる。しかし、該支持部は、後のコンクリート部材の静力学の範囲内で何ら機能を果たさず、および据え付け後に破損する可能性があるため、このことは取るに足りない。その結果として、本発明による方法を用いて、他の補強接続部に加えて、単軸ならびに2軸鉄筋鋼棒マットを形成することができる。本発明においては、溶接装置と、溶接すべき製品とがどのような順序で互いに配置されるかは重要ではなく、すなわち、移動可能な溶接装置が、予め配置された要素にわたって移動されようとなかろうと、該要素は、個々にまたはまとめて固定された溶接装置内に移動され、または、溶接接続部が、より大きな材料厚の領域に形成される限り、それらの混合形式が用いられる。本発明によれば、上記方法は、所望の数の溶接接続部が形成されるまで繰り返される。これは、全ての接続部またはそれらの接続部のうちのいくつかのみが接続されることを意味し、特にマットの場合、後者が望ましい可能性がある。この驚くべき手法により、この方法で形成された鉄筋鋼棒マットは、DIN 1045−1に準拠するロッドに対して、すなわち、175N/mmおよび10負荷サイクルでも、ヴェーラー曲線の上に有利に位置する。本発明の溶接領域は、鉄筋鋼棒の大きな表面を溶接プロセスから除外し、そのため、その鉄筋鋼棒の所望の正確かつ精密に制御された配置を実行するが、特に材料コストに関して、不利な点をはるかに超える有利な点がある。このようにして、長い間、専門家の間にあった、静荷重をほとんど受けない部材の場合の溶接鉄筋鋼棒マットの適合性に関する偏見が解消される。この方法で形成された鉄筋鋼棒マットは、追加材料を要することなく、DIN−1045−1に準拠するロッドのように既に作用し、従って、驚くほど良好に使用することができる。
【0009】
本発明によれば、その溶接接続部は、仮付け溶接で構成することができる。
【0010】
上記方法の実施形態においては、位置制御と、該当する場合、溶接すべき要素の位置の補正とがステップa)で、またはステップa)の後に行われることが提案されており、この場合、位置制御は、機械的センサまたは光学センサ、特に測定センサを利用し、および/または位置の補正は、該要素を回転させることにより、または、該要素をその長手方向に移動させることによって実現される。このような位置制御は、正確な位置での溶接を確実にする必要がある。溶接電極のデザインおよび溶接すべき製品により、例えば、幾何学的状況あるいは空間的分布により溶接を常にリブ等の上で行わなければならない場合、このようなステップは省くことができる。光学測定、例えば、光バリアは、金属粉塵、金属摩耗、埃、移動質量等によって引き起こされる苛酷な環境条件下で実際に用いることができるが、本発明によれば、機械的測定方法、特に、該要素の非円形断面を利用する測定センサまたはプローブを用いることが好適である。これらの公知の方法が、マット製造という苛酷な条件下で、十分な信頼性を伴って、および十分な長期間作用することは、疑う余地がない。位置の補正は、主に、溶接装置および/または他のリブに対するリブの位置に関して必要であり、また、本発明によれば、ロッドの回転、および/またはその長手方向軸に沿った位置のわずかな変更によって実現することができる。
【0011】
本出願人は、鉄筋鋼棒の場合、各リブの最大高さの30%以上、好ましくは、60%以上の領域、最も好ましくは、80%以上の領域でステップb)を実行することが特に有利であることを見出した。このような小さなリブ高でも、リブ材料を用いたロッドコア材料の保護は、この位置における構造変化を、十分な疲労強度がもたらされ、および溶接線の領域に、可能であれば、自由ロッド長の領域に材料破壊が起きないような程度に最小限にするのに十分である。このようにして、溶接に用いることのできる鉄筋鋼棒の表面は、またしても有利にわずかに増加する。
【0012】
本発明による方法の実施形態においては、溶接線の位置制御に関するステップd)を実行することが提案されており、この場合、このステップは、品質保証測定を示す。従って、それぞれの要件を満たし、および特に十分な数の正確な溶接線を備えるマットのみが製造されることが保証される。
【0013】
また、溶接制御により、特に、エネルギ入力を制御することにより、ステップb)が実行されることも、本発明による方法の品質に寄与する。このようにして、より遠くの外側に位置する新月形のリブの縁部領域を用いることも可能になるだけではなく、より簡単な方法で、異なる径の鉄筋鋼棒を互いに意図的に溶接することも可能になる。しかし、この最後のタイプの接続部は、溶接制御を要することなく形成することもできる。
【0014】
本発明の方法および本発明の機械は、予め選択された溶接点が、該鉄筋鋼棒マットの注文書の影響を受けない領域において除外されるような方法で、該溶接パラメータ制御部が溶接装置を制御するように有利に実現される。このことは、該鉄筋鋼棒マットが、特に静的に必要な影響を受けない領域を備えているため、該鉄筋鋼棒マットの品質を向上させる。
【0015】
該装置に関する目的は、静荷重をほとんど受けないDIN準拠の鉄筋コンクリート部材の製造に用いる溶接された鉄筋鋼棒マットを製造するために機能し、および少なくとも1つの溶接装置と、少なくとも1つの鋼棒供給部とを備える機械によって実現され、この場合、該溶接装置は、群、すなわち、リブ付きの鉄筋鋼棒(2)、支持部(4)、およびそれぞれのコア径と比較して増大した直径の領域を有する鋼棒のうちの2つ以上の同一のまたは異なる要素を相互に接続するように実現される。
【0016】
該機械の有利な実施形態は、従属クレームから推測することができる。
【0017】
他の観点では、本発明の機械は、特許文献1および/または特許文献2に記載されているように実現することができる。従って、これらの文書の開示は、本出願に開示されている内容に明確に組込まれ、および対応する単軸鉄筋鋼棒マットを製造するための機械のデザインに関して本出願の目的の一部を構成する。
【0018】
本発明の好適な実施形態は、図面を参照して以下に例示的に説明されており、さらなる有利な詳細は、図面から推測することができる。
【0019】
この場合、同一の機能を有する構成要素は、同じ参照数字によって識別される。
【0020】
個々の図面において、
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】単軸鉄筋鋼棒マットを製造するための機械の実施形態を示す平面図である。
【図2】実施形態を示す側面図である。
【図3】該機械の別の実施形態を示す側面図である。
【図4】本発明による位置制御および補正ユニットを示す図である。
【図5】a、bはそれぞれ鉄筋鋼棒を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、単軸鉄筋鋼棒マットを製造するための本発明の機械の平面図を示す。この機械は、全長約30メートルを有し、そのうちの15メートルは、マット形成部6に割り当てられている。鉄筋鋼棒2のための格納マガジン5は、マット形成部6の左および右に図示されており、この場合、前記格納マガジンは、コイル20に巻き付けられる異なる直径のワイヤを解き、まっすぐにして所定のサイズにするロッド形成部19の形で実現されている。本発明によれば、コイル20は、最高で20mmまでのワイヤを担持する。ロッド形成中のワイヤの機械的変形により、本発明による方法に対する該ワイヤの適合性は、低下する可能性がある。この場合、その中に既製の鋼棒2が格納され、およびそこから既製の鉄筋鋼棒が手作業でまたは機械的に送込みエリアへ、特に鉄筋鋼棒インレット7に移送される、ロッドマガジンの形の格納マガジン5は、マット形成部6の右および/または左に配置されるであろう。この例示的な実施形態において、マット形成部6の右および左のコイル20は、同一のまたは異なる直径の鉄筋鋼線を担持する。この図は、矯正切断機械とも言われているロッド形成部19が、常にコイル20のワイヤをマット形成部6の同じ位置に送給し、その結果、コイル20は、常に、同じ鉄筋鋼棒インレット7を介して、第1の中間鉄筋鋼棒格納部9の1つの同じ格納位置10に供給することを明確に示している。本発明によれば、1つのみの矯正切断機械19が設けられている実施形態、または、それら自体または共通の格納位置10に供給するために設計されている2つの矯正切断機械19が設けられている実施形態を実現することも可能である。後者の場合、同じ格納位置10には、異なる鉄筋鋼棒径を供給することができ、一方、第1の場合には、格納位置10の数は倍になり、その結果、製造速度が増加する。本発明によれば、矯正切断装置の形の各ロッド形成部19には、2つのモータが設けられており、そのため、1つのロッド形成部19当たり2つの鉄筋鋼棒2を同時にマット形成部6に供給することができる。マット形成部6は、個々のセグメント21で構成されており、この場合、セグメント21は、さらに以下で説明されているような構成要素によって互いに接続されている。また、図1は、支持部4が各セグメント21に、すなわち、図示の実施例においては、支持部格納ドラム22に割り当てられていることも示している。これらのドラムは、間延びした機械の停止を要することなく、交換を実現できるように、個々に配置され、および容易にアクセス可能である。従って、図示の例示的な実施形態は、間違いなく、単軸鉄筋鋼棒マットを製造するための機械を指している。
【0023】
図2は、線A−Aに沿った断面、特に、セグメント21の断面を示す。矯正切断機械の形で実現されているロッド形成部19の輪郭も図示されている。本発明によれば、セグメント21は、他のアセンブリを担持する支持アーム23によって形成されている。このことは図には示されていないが、セグメント21は、好ましくは、軸等を介して、全てのセグメント21用の共通の駆動部によって駆動される。そこに固定され、および全てのセグメント21を互いに接続する、セグメント21の底部の台座も図示されていない。既製の鉄筋鋼棒2、または、ロッド形成部19によって製造された鉄筋鋼棒は、図示されている6つの格納位置10のそれぞれに手作業で送給され、この場合、格納位置10は、共通の直線状接続ライン上にある全てのセグメント21の旋回可能な鉄筋鋼棒ホルダ24によって形成されている。そのため、単軸鉄筋鋼棒マットを形成するのに必要な鉄筋鋼棒2は、水平方向および垂直方向に互いに離間されている6つの格納位置10に配置されて、加工のためにその中に格納される。それに応じて、第1の中間鉄筋鋼棒格納部9は、それら6つの格納位置10によって形成されている。本発明によれば、この第1の中間格納部9は、この実施形態における両側のマット形成部によって提供され、この場合、2つのロッド形成部19は、この実施形態においては、コイル20によって供給され、そのため、該形成部は、同じ直径の鉄筋鋼棒2を同じ格納位置10へ運ばない。このことは、同じ直径の連続する鉄筋鋼棒2を、該鉄筋鋼棒マット内でより迅速に処理できるという効果を有する。これらの図は、2つのロッド形成部19の各々が、その割り当てられた格納位置10を提供する本発明の実施形態、または、1つのみのロッド形成部19が使用可能である本発明の実施形態、あるいは、1つのみの格納マガジン5が使用可能である本発明の実施形態、または、既製の鉄筋鋼棒が送り込まれる本発明の実施形態を図示していない。最初の2つの事例においては、それぞれ、12または6つの格納位置が存在することになる。格納された鉄筋鋼棒2は、該鋼棒を保持する鉄筋鋼棒ホルダ24を旋回させることによって解放され、その結果、該鉄筋鋼棒は、マット形成部6全体にわたって伸びているインパクトシートメタル25に当たり、停止部15に達するまで、前記インパクトシートメタル25上に滑り落ちる。移動可能な停止部15によって解放された後、鉄筋鋼棒2は、横方向位置決め装置11上に落ち、該鉄筋鋼棒はそこから、引込み要素によってチェーンコンベヤ26へ移送される。チェーンコンベヤ26は、横方向に位置決めされた鉄筋鋼棒2を、該鉄筋鋼棒を支持部4に接続する溶接機械1へ供給する。本発明によれば、支持部4は、支持アーム23の底部領域内に伸びており、および支持部格納ドラム22から取り出されて、フリクションローラ駆動部27によって溶接装置1へ供給される。鉄筋鋼棒2と支持部4を接続した後、形成された単軸鉄筋鋼棒マットは、配送エリア28へ移送され、そこで該マットは、ロール状に巻き上げられる。第1の中間鉄筋鋼棒格納部9には、有利には、加工前に、横方向に位置決めされた鉄筋鋼棒2を既に中間的に格納し、および同時にそれらの鋼棒を固定エリアへ運ぶチェーンコンベヤ26の形の第2の中間鉄筋鋼棒格納部13が補完される。該機械は、セグメント状デザインにより、容易にアクセスすることができる。
【0024】
図3は、該機械の別の実施形態の側面図を示し、該鉄筋鋼棒は、中間的に格納されており、また、横方向位置決め装置11は、同時にエジェクタとして機能するU字状位置保護部31がアーチ状に覆っている移動可能なベルトによって形成されている。この実施形態においては、横方向に位置決めされた鉄筋鋼棒2も溶接装置1へ供給されて、そのリブが支持部に接続される。
【0025】
そして、図4は、本発明による位置制御および補正ユニット8の図を示す。鉄筋鋼棒2は、2つのローラ17の間に供給される。駆動ユニット18は、上部から垂直方向に鉄筋鋼棒2上に移動させることができ、該鋼棒が回転するように、水平方向におよび機能的に該鋼棒に係合する。この場合、該駆動ユニットは、油圧シリンダ29を備え、そのストローク長さは、監視することができる。リブに関連する「卵形の」断面によって生じる最大直径を有する領域は、鉄筋鋼棒2をその長手方向軸周りに少なくとも360°回転させることによって判断することができる。この目的のために、鉄筋鋼棒2が、位置制御ユニット8に対してオフセットされて配置された溶接電極に対して正しい位置で静止するように、該駆動ユニットも制御する制御を実行できる。このような機械的プローブは、汚れの影響を受けず、また同時に、十分な精度をもたらすため、特にマット製造の苛酷な環境条件下で信頼性が高い。他のセンサ、例えば、光バリア、レーザ、ビデオ監視または自動画像認識を用いることができることは当然である。それを用いて、鉄筋鋼棒2を、その長手方向軸に沿って再配置できる本発明の機械のユニットは図示されていない。
【0026】
明確にするために、図5a;bはそれぞれ、長手方向平面図および断面図の形の鉄筋鋼棒の図を示す。これらの図は、互いに離間しており、および横軸に対して斜めに配列されている新月形のリブ3を明確に示している。図5bは、それぞれ、鋼棒側のリブ3の対向する端部間の長手方向リブ30を示す。いかなる場合でも、上記方法を安全に実行するための十分なリブ材料が使用可能な溶接領域Sが図に示されている。
【0027】
本発明は、リブ3の領域で、好ましくは、リブの最大高Hの領域で溶接を実行できるように、鉄筋鋼棒2と溶接装置1を互いに確実に位置決めすることが重要である。
【符号の説明】
【0028】
1 溶接装置
2 鉄筋鋼棒
3 リブ
4 支持部
5 鉄筋鋼棒格納マガジン
6 マット形成部
7 鉄筋鋼棒インレット
8 位置制御および補正装置
9 第1の中間鉄筋鋼棒格納部
10 格納位置
11 横方向位置決め装置
12 鉄筋鋼棒ホルダ
13 第2の中間鉄筋鋼棒格納部
14 運搬経路
15 移動可能な停止部
16 移動可能な停止部
17 ローラ
18 駆動ユニット
19 ロッド形成部
20 コイル
21 セグメント
22 支持部格納ドラム
23 支持アーム
24 鉄筋鋼棒ホルダ
25 インパクトシートメタル
26 チェーンコンベヤ
27 フリクションローラ駆動部
28 配送エリア
29 位置判断用油圧シリンダ
30 長手方向のリブ
31 位置保護部






【特許請求の範囲】
【請求項1】
静荷重をほとんど受けないDIN準拠の鉄筋コンクリート部材の製造に用いる鋼体間に溶接接続部を形成するための方法であって、
a)少なくとも1つの溶接装置(1)と、リブの付いた鉄筋鋼棒(2)、支持部(4)、鋼棒または互いにそれぞれのコア径と比較して増大した直径からなる領域を備えた鋼製要素によって形成された群のうちの少なくとも2つの同一のまたは異なる要素とを配置するステップと、
b)それらのリブ(3)のうちの少なくとも1つの領域、またはそれらのコア径と比較して増大した直径からなる領域内で、要素(2)を溶接するステップと、
c)所望の数の溶接接続部が形成されるまで、ステップa)〜ステップb)を繰返すことと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップb)は、それぞれのリブ(3)の最大高さの30%以上、好ましくは60%以上の領域で、最も好ましくは、80%以上の領域で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
位置制御と、該当する場合、溶接すべき前記要素の位置の補正とがステップa)で、またはステップa)の後に実行され、前記位置制御は、機械的センサまたは光学センサ、特に測定センサを利用し、および/または前記位置の補正は、前記要素を回転させることにより、または、前記要素をその長手方向に移動させることによって実現されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
溶接線を制御することに関するステップd)が実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ステップb)は、溶接制御下で、特に、エネルギ入力を制御することによって実行されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
溶接パラメータ制御は、予め選択された溶接点が、前記鉄筋鋼棒マットの注文書の影響を受けない領域において除外されるような方法で、前記溶接パラメータ制御部が溶接装置(1)を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの溶接装置(1)および少なくとも1つの鋼棒供給部を備え、静荷重をほとんど受けないDIN準拠の鉄筋コンクリート部材の製造に用いる溶接鉄筋鋼棒マットを製造するための機械であって、溶接装置(1)は、前記装置が、リブ付きの鋼棒(2)、支持部(4)およびそれぞれのコア径と比較して増大した直径からなる領域を有する鋼棒からなる群の2つ以上の同一のまたは異なる要素を相互接続するように実現されることを特徴とする機械。
【請求項8】
前記機械が、前記要素の所望の溶接位置を保証する、前記要素のための位置制御および補正装置(10)を備え、位置制御および補正装置(10)が機械的測定センサを備えることを特徴とする請求項7に記載の機械。
【請求項9】
前記機械が、鉄筋鋼棒格納マガジン(5)と、鉄筋鋼棒格納マガジン(5)とマット形成部(6)との間に配置された鉄筋鋼棒インレット(7)とをさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の機械。
【請求項10】
位置制御および補正装置(10)は、要素、特に鉄筋鋼棒(2)を互いの間に収容するローラ(17)と、前記要素に機能的に作用するために、および好ましくは、前記要素に対するそれらの長さを変えるためにデザインされている駆動ユニット(18)とを備えることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の機械。
【請求項11】
溶接パラメータ制御を備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の機械。
【請求項12】
静荷重をほとんど受けない鉄筋コンクリート部材および鉄筋コンクリート構造に用いられる溶接鉄筋鋼棒マットであって、それらのリブ(3)の少なくとも一部の領域において、それらのリブ(3)の少なくとも一部の領域における他の鉄筋鋼棒(2)に、または、支持部(4)に溶接される鉄筋鋼棒(2)を備えることを特徴とする溶接鉄筋鋼棒マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−506559(P2013−506559A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532509(P2012−532509)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061909
【国際公開番号】WO2011/042240
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512089472)ハウスラー.イノバチオーン.ゲゼルシャフト.ミット.ベシュレンクテル.ハフツング (1)
【Fターム(参考)】