溶接方法及び鋼床版
【課題】溶融スラグの残留を防ぎつつ、安定した溶け込み量を確保することが可能な溶接方法及び鋼床版を提供すること。
【解決手段】閉断面リブ3のリブ端3aのルート部にルートフェース3bが設けられており、デッキプレート2の表面2aに閉断面リブ3のルートフェース3bを当接させた状態で、デッキプレート2と閉断面リブ3とを溶接することとしたので、溶融スラグ5やブローホールがルートフェース3bの手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ5及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶融スラグ5及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。
【解決手段】閉断面リブ3のリブ端3aのルート部にルートフェース3bが設けられており、デッキプレート2の表面2aに閉断面リブ3のルートフェース3bを当接させた状態で、デッキプレート2と閉断面リブ3とを溶接することとしたので、溶融スラグ5やブローホールがルートフェース3bの手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ5及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶融スラグ5及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接方法及び鋼床版に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁等の建造物に用いられる床材として、例えば鋼床版が知られている。鋼床版は、鋼板(デッキプレート)の板面に補剛材(リブ)が複数配置された構成になっており、当該デッキプレートとリブとは縦方向溶接によって一体的に固定された状態になっている(例えば、特許文献1〜3参照)。リブとしては、例えば閉断面リブと呼ばれる断面V字状又は断面U字状の鋼材が知られている。デッキプレートと閉断面リブとを溶接する場合、溶接部の溶け込み量がリブ板厚の75%以上であることが要求されている。特に海外においては、溶接部の溶け込み量がリブ板厚の80%以上であることが要求される場合もある。
【0003】
溶接法としては、一般に、裏当てを用いた完全溶け込み溶接法や、ガスシールドアーク溶接法、サブマージアーク溶接法といった手法が知られている。中でも完全溶け込み溶接法は、高い溶け込み量を安定して確保することが可能な手法であるため、特に有効な手法として知られている。
【0004】
一方、デッキプレートと閉断面リブとを溶接する場合、閉断面リブの構造上裏当てを用いることが困難なため、完全溶け込み溶接法を行うことは困難である。このため、従来では、ガスシールドアーク溶接法やサブマージアーク溶接法などの手法によって鋼板と閉断面リブとの溶接が行われている。これらの手法においては、閉断面リブのリブ端をデッキプレートに当接させた状態で溶接が行われる。リブ端のうちデッキプレートに当接させる部分はルート部と呼ばれている。
【0005】
リブ端は、通常、ルート部が直角あるいは直角に近い角度に切断されたままの状態になっている。このため、リブ端をデッキプレートに当接させた場合、ルート部のみがデッキプレートに当接されることになり、当該デッキプレートとリブ端との間には取り付け角に応じた隙間(開先)が生じる。
【0006】
この状態で溶接を行うと、溶接中に発生する溶融スラグが開先に侵入することがある。また、溶接中に発生するガスによるブローホールが生じやすい。目標とする溶け込み量よりも奥まで溶融スラグやブローホールが侵入した場合、当該溶融スラグ及びブローホールはそのまま残留することになる。溶融スラグ及びブローホールが残留すると、スラグ巻き込みや溶け込み量不足の原因となる。
【0007】
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤとして、特開平08−281476号公報では、ワイヤの成分組成を限定することによって、溶接部の形状、外観が良好なビードが得られる技術が記載されている。また、特開2003−80396号公報では、ワイヤの成分組成に加えてフラックスの充填率を限定することによって、深い溶け込みが得られる技術も記載されている。しかし、ルート部のスラグ巻き込みを完全に防止できず、安定した溶け込みが得られない問題がある。
【0008】
これに対して、溶融スラグ及びブローホールの侵入位置よりも深い位置まで溶融するように溶け込み量を大きくすることによって、上記の欠陥の発生を回避する手法が考えられている。しかしながら、溶け込み量を大きくすると、閉断面リブの裏面側(U字の内側の面)まで溶融されてしまうことがあり、安定した溶け込み量の制御が困難になる。このため、ビード形状の不安定化の原因となる。
【特許文献1】特開2003−183769号公報
【特許文献2】特開平08−281476号公報
【特許文献3】特開2003−080396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、溶融スラグの残留を防ぎつつ、安定した溶け込み量を確保することが可能な溶接方法及び鋼床版を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る溶接方法は、鋼床版を構成するデッキプレートと閉断面リブとを溶接する溶接方法であって、前記閉断面リブのルート部が前記デッキプレートの表面に平行となる平坦面になっており、前記デッキプレートの表面に前記閉断面リブの前記平坦面を当接させた状態で、前記デッキプレートと前記閉断面リブとを溶接することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、閉断面リブのリブ端のルート部が平坦面になっており、デッキプレートの表面に閉断面リブの平坦面を当接させた状態で、デッキプレートと閉断面リブとを溶接することとしたので、溶融スラグやブローホールが当接部の手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶け込み量を大きくすること無く溶融スラグ及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。加えて、平坦面の寸法を調節することによって溶け込み量を制御することができるので、溶接条件の変動によって溶け込み量が変動するのを抑えることができる。これにより、安定的な溶け込み量を得ることができる。さらに、溶接中、閉断面リブとデッキプレートとの当接部において熱伝導が活発に行われるため、溶接温度を高くした場合であっても閉断面リブが溶接熱によって溶融するのを抑えることができる。これにより、溶接条件を拡大することができるという利点もある。
【0012】
上記の溶接方法は、前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%であることを特徴とする。
本発明では、デッキプレートの表面方向における平坦面の寸法が、閉断面リブのリブ厚の5%〜50%とすることにより、閉断面リブのリブ厚に応じて平坦面の寸法を適宜設定することができる。平坦面の寸法がリブ厚の5%よりも小さい場合、閉断面リブの裏面側まで溶融する虞がある。本発明では、「5%以上」としたことにより、閉断面リブの裏面側まで溶融するのを回避することができる。また、平坦面の寸法がリブ厚の50%よりも大きい場合、リブ端とデッキプレートとの間に形成される開先部分が小さくなってしまい、溶け込み量が低くなる虞がある。本発明では、「50%以下」としたことにより、高い溶け込み量を確保することができる。
【0013】
上記の溶接方法は、溶接の溶け込みが前記平坦面の一部を覆うように前記溶接を行うことを特徴とする。
本発明によれば、溶接の溶け込みが平坦面の一部を覆うように当該溶接を行うこととしたので、溶け込みがリブ端とデッキプレートとの間に形成される開先部分を完全に覆うことになる。これにより、開先部分に発生する溶融スラグやブローホールを除去することができる。
【0014】
本発明に係る鋼床版は、デッキプレートと、前記デッキプレートの表面に設けられ、リブ端のルート部が前記デッキプレートの表面に平行な平坦面になっており、前記平坦面が前記デッキプレートの表面に当接された閉断面リブと、前記デッキプレートと前記閉断面リブとを固定する溶接部とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、デッキプレートの表面に溶接部を介して設けられる閉断面リブが、リブ端のルート部に平坦面を有しており、この平坦面がデッキプレートの表面に当接されているので、溶融スラグ及びブローホールが残留しにくに鋼床版を得ることができる。これにより、静的な強度が高く弾性強度の高い鋼床版を得ることができる。
【0016】
上記の鋼床版は、前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%であることを特徴とする。
本発明によれば、デッキプレートの表面方向における平坦面の寸法が、閉断面リブのリブ厚の5%〜50%とすることにより、閉断面リブのリブ厚に応じて平坦面の寸法を適宜設定することができる。「5%以上」としたことにより、閉断面リブの裏面側まで溶融するのを回避することができる。「50%以下」としたことにより、高い溶け込み量を確保することができる。
【0017】
上記の鋼床版は、前記溶接部が、前記平坦面の一部を覆っていることを特徴とする。
本発明によれば、溶接部が平坦面の一部を覆っていることとしたので、溶接部がリブ端とデッキプレートとの間に形成される開先部分を完全に覆うことになる。これにより、開先部分に溶融スラグやブローホールの無い鋼床版を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、閉断面リブのリブ端のルート部が平坦面になっており、デッキプレートの表面に閉断面リブの平坦面を当接させた状態で、デッキプレートと閉断面リブとを溶接することとしたので、溶融スラグやブローホールが当接部の手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶融スラグ及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。加えて、平坦面の寸法を調節することによって溶け込み量を制御することができるので、溶接条件の変動によって溶け込み量が変動するのを抑えることができる。これにより、安定的な溶け込み量を得ることができる。さらに、溶接中、閉断面リブとデッキプレートとの当接部において熱伝導が活発に行われるため、溶接温度を高くした場合であっても閉断面リブが溶接熱によって溶融するのを抑えることができる。これにより、溶接条件を拡大することができるという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る鋼床版1の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、鋼床版1は、デッキプレート2と、閉断面リブ3とを主体として構成されている。この鋼床版1は、例えば橋梁等の建造物の床材として用いられる。
【0020】
デッキプレート2は、鋼材からなり、所定の厚さを有する矩形の板状部材である。
閉断面リブ3は、デッキプレート2の表面2aに複数設けられ、所定の厚さを有する鋼製の平板を曲げ加工した断面U字状の形鋼である。各閉断面リブ3は、デッキプレート2の一辺に沿って延在しており、当該延在方向に対して直交する方向に所定のピッチで配置されている。閉断面リブ3は、デッキプレート2に溶接によって接合されている。
【0021】
図2は、鋼床版1のデッキプレート2上の構成をと閉断面リブ3との構成を示す斜視図である。
同図に示すように、デッキプレート2と閉断面リブ3との接合部には、溶接部4が設けられている。溶接部4は、閉断面リブ3のU字の外側を覆うように、リブ端3aに沿って設けられている。溶接部4は、例えばソリッドワイヤ、溶融型フラックス、フラックス入りワイヤなど、一般的な溶接材料により溶接される。
【0022】
図3は、図2のA−A断面に沿った断面構成を示す図である。同図では、説明の簡単のため、閉断面リブ3のうち一方のリブ端3aのみについて示しているが、他方のリブ端3aについても同様の構成になっている。
同図に示すように、閉断面リブ3のそれぞれのリブ端3aは、デッキプレート2の表面2aに対して所定の角度θで傾くように取り付けられている。この取付角度θは、例えば65°〜85°の範囲に設定することが好ましい。リブ端3aのルート部には、平坦面(ルートフェース)3bが設けられている。ルートフェース3bは、デッキプレート2の表面2aに当接している。リブ端3aの外側からルートフェース3bまでの部分は、デッキプレート2に接しておらず、デッキプレート2との間に隙間(開先)3cが形成されている。溶接部4は、この開先3cの全部及びルートフェース3bの一部を覆うように設けられている。
【0023】
図4は、閉断面リブ3の一部(リブ端3a)の構成を示す図である。
同図に示すように、閉断面リブ3は、リブ板厚tがほぼ6mm〜18mmの範囲に設定されている。ルートフェース3bの寸法RFは、リブ板厚tのほぼ0.05倍〜0.5倍の範囲に設定するのが好ましく(RF=0.05t〜0.5t)、リブ板厚tのほぼ0.05倍〜0.4倍に設定するのが更に好ましい(RF=0.05t〜0.4t)。
【0024】
リブ板厚方向における開先3cの寸法sは、リブ板厚t及び目標とする溶け込み量に応じて適宜設定される。例えばリブ板厚tを12mm程度とし、開先3cのリブ板厚方向の寸法sを7.5mm程度とし、目標とする溶け込み量Dを板厚tの75%〜80%程度に設定すると、ルートフェース3bのうち溶接部4が設けられる部分の寸法lは、ほぼ1mm〜1.5mmの範囲内に収まるようになっている。また、安定的な溶け込み量Dを確保するため、ルートフェース3bの寸法を適宜調節することで溶け込み量を制御しても良い。
【0025】
次に、上記のように構成された鋼床版1の製造方法を説明する。鋼床版1は、デッキプレート2に閉断面リブ3が溶接されて製造される。
まず、図5に示すように、閉断面リブ3のルートフェース3bをデッキプレート2の表面2aに当接させ、この状態で図6に示すように、開先3c側から溶接を行う。溶接方法については、例えばサブマージアーク溶接法やガスシールドアーク溶接法など、一般的な溶接方法で行う。電源特性についても、例えば直流定電圧、直流垂下(定電流)特性、交流垂下特性など、一般的な電源特性で行う。
【0026】
溶接中には溶融スラグ5やブローホールなどが発生するが、ルートフェース3bの手前までしか浸入しない。開先3cからルートフェース3bの一部にまで溶接を行うため、溶接の過程で溶融スラグ5やブローホールは溶融金属によって除去されることになる。溶接中は、閉断面リブ3とデッキプレート2との当接部において熱伝導が活発に行われる。溶接入熱を高くした場合であっても閉断面リブ3が溶接熱によって溶融するのが抑えられることになる。
【0027】
このように、本実施形態によれば、閉断面リブ3のリブ端3aのルート部にルートフェース3bが設けられており、デッキプレート2の表面2aに閉断面リブ3のルートフェース3bを当接させた状態で、デッキプレート2と閉断面リブ3とを溶接することとしたので、溶融スラグ5やブローホールがルートフェース3bの手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ5及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶け込み量を大きくすること無く溶融スラグ5及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。
【実施例】
【0028】
リブ板厚tが6mm〜18mm、リブ取付角度θが65°〜85°の範囲において、表1に示す各種のルートフェイス(RF)をとった試験体(SM490A、1000mm 長さ)を作成し、サブマージアーク溶接およびガスシールドアーク溶接で評価試験を実施した。
【0029】
【表1】
【0030】
サブマージアーク溶接については、ワイヤはソリッドワイヤ(JIS Z3351 YS−S6)、フラックスは溶融タイプ(JIS Z3352 FS−FP1)を供し、ガスシールドアーク溶接については、フラックス入りワイヤ(JIS Z3313 YFW−C50DM)を供して実施した。また、各種溶接方法とリブ板厚毎に、表2に示す溶接条件を用いて溶接を実施した。
【0031】
【表2】
【0032】
表3に溶接評価試験結果をまとめて示す。溶け込み量Dは、溶接後の試験体から断面マクロ試験片を3個採取して測定した平均値とした。スラグ巻き込みの有無は、先述の断面マクロ試験片の観察と残りの試験体の溶接部のビード表面にVノッチを入れて溶接長さ方向に割り、破断面の観察によって調査した。ブローホール発生の有無も先の破断面観察によって調査した。
【0033】
【表3】
【0034】
記号1〜10の本発明例は、いずれもスラグ巻き込みやブローホールの発生が無く、かつ裏面側への溶け抜けも無い良好な溶け込みを確保している結果が得られた。発明例中の記号3、記号6および記号9を除いた例は、70%以上の深い溶け込み率を確保しつつ、溶け抜けに対しても余裕がある(溶け込み率が95%以下とした)結果であった。記号11〜記号15はリブ端にルートフェイスを設けていない比較例である。記号11と記号13は、リブの裏面側まで溶融されてしまい、溶け抜けが発生した。記号12、記号14、記号15は、溶接中にリブ端のルート部に侵入した溶融スラグまで溶融金属が届かずにスラグ巻き込みが発生し、ブローホールも発生した。
【0035】
発明例の一例として記号4の断面マクロを図9、破断面を図10に示す。
比較例の一例として記号14の断面マクロを図7、破断面を図8に示す。
【0036】
このように、本実施例によれば、溶接中に溶融スラグ5やブローホールを排除することができるので、溶融スラグ5及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る鋼床版の構成を示す図。
【図2】本実施形態に係る鋼床版の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る鋼床版の接続部の構成を示す図。
【図4】本実施形態に係る閉断面リブの構成を示す図。
【図5】本実施形態に係る溶接の様子を示す工程図。
【図6】同、工程図。
【図7】従来の鋼床版の接続部の様子を示す写真図。
【図8】同、写真図。
【図9】本実施例に係る鋼床版の接続部の様子を示す写真図。
【図10】同、写真図。
【符号の説明】
【0038】
1…鋼床版 2…デッキプレート 2a…表面 3…閉断面リブ 3a…リブ端 3b…ルートフェース 3c…開先 4…溶接部 5…溶融スラグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接方法及び鋼床版に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁等の建造物に用いられる床材として、例えば鋼床版が知られている。鋼床版は、鋼板(デッキプレート)の板面に補剛材(リブ)が複数配置された構成になっており、当該デッキプレートとリブとは縦方向溶接によって一体的に固定された状態になっている(例えば、特許文献1〜3参照)。リブとしては、例えば閉断面リブと呼ばれる断面V字状又は断面U字状の鋼材が知られている。デッキプレートと閉断面リブとを溶接する場合、溶接部の溶け込み量がリブ板厚の75%以上であることが要求されている。特に海外においては、溶接部の溶け込み量がリブ板厚の80%以上であることが要求される場合もある。
【0003】
溶接法としては、一般に、裏当てを用いた完全溶け込み溶接法や、ガスシールドアーク溶接法、サブマージアーク溶接法といった手法が知られている。中でも完全溶け込み溶接法は、高い溶け込み量を安定して確保することが可能な手法であるため、特に有効な手法として知られている。
【0004】
一方、デッキプレートと閉断面リブとを溶接する場合、閉断面リブの構造上裏当てを用いることが困難なため、完全溶け込み溶接法を行うことは困難である。このため、従来では、ガスシールドアーク溶接法やサブマージアーク溶接法などの手法によって鋼板と閉断面リブとの溶接が行われている。これらの手法においては、閉断面リブのリブ端をデッキプレートに当接させた状態で溶接が行われる。リブ端のうちデッキプレートに当接させる部分はルート部と呼ばれている。
【0005】
リブ端は、通常、ルート部が直角あるいは直角に近い角度に切断されたままの状態になっている。このため、リブ端をデッキプレートに当接させた場合、ルート部のみがデッキプレートに当接されることになり、当該デッキプレートとリブ端との間には取り付け角に応じた隙間(開先)が生じる。
【0006】
この状態で溶接を行うと、溶接中に発生する溶融スラグが開先に侵入することがある。また、溶接中に発生するガスによるブローホールが生じやすい。目標とする溶け込み量よりも奥まで溶融スラグやブローホールが侵入した場合、当該溶融スラグ及びブローホールはそのまま残留することになる。溶融スラグ及びブローホールが残留すると、スラグ巻き込みや溶け込み量不足の原因となる。
【0007】
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤとして、特開平08−281476号公報では、ワイヤの成分組成を限定することによって、溶接部の形状、外観が良好なビードが得られる技術が記載されている。また、特開2003−80396号公報では、ワイヤの成分組成に加えてフラックスの充填率を限定することによって、深い溶け込みが得られる技術も記載されている。しかし、ルート部のスラグ巻き込みを完全に防止できず、安定した溶け込みが得られない問題がある。
【0008】
これに対して、溶融スラグ及びブローホールの侵入位置よりも深い位置まで溶融するように溶け込み量を大きくすることによって、上記の欠陥の発生を回避する手法が考えられている。しかしながら、溶け込み量を大きくすると、閉断面リブの裏面側(U字の内側の面)まで溶融されてしまうことがあり、安定した溶け込み量の制御が困難になる。このため、ビード形状の不安定化の原因となる。
【特許文献1】特開2003−183769号公報
【特許文献2】特開平08−281476号公報
【特許文献3】特開2003−080396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、溶融スラグの残留を防ぎつつ、安定した溶け込み量を確保することが可能な溶接方法及び鋼床版を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る溶接方法は、鋼床版を構成するデッキプレートと閉断面リブとを溶接する溶接方法であって、前記閉断面リブのルート部が前記デッキプレートの表面に平行となる平坦面になっており、前記デッキプレートの表面に前記閉断面リブの前記平坦面を当接させた状態で、前記デッキプレートと前記閉断面リブとを溶接することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、閉断面リブのリブ端のルート部が平坦面になっており、デッキプレートの表面に閉断面リブの平坦面を当接させた状態で、デッキプレートと閉断面リブとを溶接することとしたので、溶融スラグやブローホールが当接部の手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶け込み量を大きくすること無く溶融スラグ及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。加えて、平坦面の寸法を調節することによって溶け込み量を制御することができるので、溶接条件の変動によって溶け込み量が変動するのを抑えることができる。これにより、安定的な溶け込み量を得ることができる。さらに、溶接中、閉断面リブとデッキプレートとの当接部において熱伝導が活発に行われるため、溶接温度を高くした場合であっても閉断面リブが溶接熱によって溶融するのを抑えることができる。これにより、溶接条件を拡大することができるという利点もある。
【0012】
上記の溶接方法は、前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%であることを特徴とする。
本発明では、デッキプレートの表面方向における平坦面の寸法が、閉断面リブのリブ厚の5%〜50%とすることにより、閉断面リブのリブ厚に応じて平坦面の寸法を適宜設定することができる。平坦面の寸法がリブ厚の5%よりも小さい場合、閉断面リブの裏面側まで溶融する虞がある。本発明では、「5%以上」としたことにより、閉断面リブの裏面側まで溶融するのを回避することができる。また、平坦面の寸法がリブ厚の50%よりも大きい場合、リブ端とデッキプレートとの間に形成される開先部分が小さくなってしまい、溶け込み量が低くなる虞がある。本発明では、「50%以下」としたことにより、高い溶け込み量を確保することができる。
【0013】
上記の溶接方法は、溶接の溶け込みが前記平坦面の一部を覆うように前記溶接を行うことを特徴とする。
本発明によれば、溶接の溶け込みが平坦面の一部を覆うように当該溶接を行うこととしたので、溶け込みがリブ端とデッキプレートとの間に形成される開先部分を完全に覆うことになる。これにより、開先部分に発生する溶融スラグやブローホールを除去することができる。
【0014】
本発明に係る鋼床版は、デッキプレートと、前記デッキプレートの表面に設けられ、リブ端のルート部が前記デッキプレートの表面に平行な平坦面になっており、前記平坦面が前記デッキプレートの表面に当接された閉断面リブと、前記デッキプレートと前記閉断面リブとを固定する溶接部とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、デッキプレートの表面に溶接部を介して設けられる閉断面リブが、リブ端のルート部に平坦面を有しており、この平坦面がデッキプレートの表面に当接されているので、溶融スラグ及びブローホールが残留しにくに鋼床版を得ることができる。これにより、静的な強度が高く弾性強度の高い鋼床版を得ることができる。
【0016】
上記の鋼床版は、前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%であることを特徴とする。
本発明によれば、デッキプレートの表面方向における平坦面の寸法が、閉断面リブのリブ厚の5%〜50%とすることにより、閉断面リブのリブ厚に応じて平坦面の寸法を適宜設定することができる。「5%以上」としたことにより、閉断面リブの裏面側まで溶融するのを回避することができる。「50%以下」としたことにより、高い溶け込み量を確保することができる。
【0017】
上記の鋼床版は、前記溶接部が、前記平坦面の一部を覆っていることを特徴とする。
本発明によれば、溶接部が平坦面の一部を覆っていることとしたので、溶接部がリブ端とデッキプレートとの間に形成される開先部分を完全に覆うことになる。これにより、開先部分に溶融スラグやブローホールの無い鋼床版を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、閉断面リブのリブ端のルート部が平坦面になっており、デッキプレートの表面に閉断面リブの平坦面を当接させた状態で、デッキプレートと閉断面リブとを溶接することとしたので、溶融スラグやブローホールが当接部の手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶融スラグ及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。加えて、平坦面の寸法を調節することによって溶け込み量を制御することができるので、溶接条件の変動によって溶け込み量が変動するのを抑えることができる。これにより、安定的な溶け込み量を得ることができる。さらに、溶接中、閉断面リブとデッキプレートとの当接部において熱伝導が活発に行われるため、溶接温度を高くした場合であっても閉断面リブが溶接熱によって溶融するのを抑えることができる。これにより、溶接条件を拡大することができるという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る鋼床版1の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、鋼床版1は、デッキプレート2と、閉断面リブ3とを主体として構成されている。この鋼床版1は、例えば橋梁等の建造物の床材として用いられる。
【0020】
デッキプレート2は、鋼材からなり、所定の厚さを有する矩形の板状部材である。
閉断面リブ3は、デッキプレート2の表面2aに複数設けられ、所定の厚さを有する鋼製の平板を曲げ加工した断面U字状の形鋼である。各閉断面リブ3は、デッキプレート2の一辺に沿って延在しており、当該延在方向に対して直交する方向に所定のピッチで配置されている。閉断面リブ3は、デッキプレート2に溶接によって接合されている。
【0021】
図2は、鋼床版1のデッキプレート2上の構成をと閉断面リブ3との構成を示す斜視図である。
同図に示すように、デッキプレート2と閉断面リブ3との接合部には、溶接部4が設けられている。溶接部4は、閉断面リブ3のU字の外側を覆うように、リブ端3aに沿って設けられている。溶接部4は、例えばソリッドワイヤ、溶融型フラックス、フラックス入りワイヤなど、一般的な溶接材料により溶接される。
【0022】
図3は、図2のA−A断面に沿った断面構成を示す図である。同図では、説明の簡単のため、閉断面リブ3のうち一方のリブ端3aのみについて示しているが、他方のリブ端3aについても同様の構成になっている。
同図に示すように、閉断面リブ3のそれぞれのリブ端3aは、デッキプレート2の表面2aに対して所定の角度θで傾くように取り付けられている。この取付角度θは、例えば65°〜85°の範囲に設定することが好ましい。リブ端3aのルート部には、平坦面(ルートフェース)3bが設けられている。ルートフェース3bは、デッキプレート2の表面2aに当接している。リブ端3aの外側からルートフェース3bまでの部分は、デッキプレート2に接しておらず、デッキプレート2との間に隙間(開先)3cが形成されている。溶接部4は、この開先3cの全部及びルートフェース3bの一部を覆うように設けられている。
【0023】
図4は、閉断面リブ3の一部(リブ端3a)の構成を示す図である。
同図に示すように、閉断面リブ3は、リブ板厚tがほぼ6mm〜18mmの範囲に設定されている。ルートフェース3bの寸法RFは、リブ板厚tのほぼ0.05倍〜0.5倍の範囲に設定するのが好ましく(RF=0.05t〜0.5t)、リブ板厚tのほぼ0.05倍〜0.4倍に設定するのが更に好ましい(RF=0.05t〜0.4t)。
【0024】
リブ板厚方向における開先3cの寸法sは、リブ板厚t及び目標とする溶け込み量に応じて適宜設定される。例えばリブ板厚tを12mm程度とし、開先3cのリブ板厚方向の寸法sを7.5mm程度とし、目標とする溶け込み量Dを板厚tの75%〜80%程度に設定すると、ルートフェース3bのうち溶接部4が設けられる部分の寸法lは、ほぼ1mm〜1.5mmの範囲内に収まるようになっている。また、安定的な溶け込み量Dを確保するため、ルートフェース3bの寸法を適宜調節することで溶け込み量を制御しても良い。
【0025】
次に、上記のように構成された鋼床版1の製造方法を説明する。鋼床版1は、デッキプレート2に閉断面リブ3が溶接されて製造される。
まず、図5に示すように、閉断面リブ3のルートフェース3bをデッキプレート2の表面2aに当接させ、この状態で図6に示すように、開先3c側から溶接を行う。溶接方法については、例えばサブマージアーク溶接法やガスシールドアーク溶接法など、一般的な溶接方法で行う。電源特性についても、例えば直流定電圧、直流垂下(定電流)特性、交流垂下特性など、一般的な電源特性で行う。
【0026】
溶接中には溶融スラグ5やブローホールなどが発生するが、ルートフェース3bの手前までしか浸入しない。開先3cからルートフェース3bの一部にまで溶接を行うため、溶接の過程で溶融スラグ5やブローホールは溶融金属によって除去されることになる。溶接中は、閉断面リブ3とデッキプレート2との当接部において熱伝導が活発に行われる。溶接入熱を高くした場合であっても閉断面リブ3が溶接熱によって溶融するのが抑えられることになる。
【0027】
このように、本実施形態によれば、閉断面リブ3のリブ端3aのルート部にルートフェース3bが設けられており、デッキプレート2の表面2aに閉断面リブ3のルートフェース3bを当接させた状態で、デッキプレート2と閉断面リブ3とを溶接することとしたので、溶融スラグ5やブローホールがルートフェース3bの手前までしか浸入せず、当該溶融スラグ5及びブローホールは溶融金属によって排除されることになる。これにより、溶け込み量を大きくすること無く溶融スラグ5及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。
【実施例】
【0028】
リブ板厚tが6mm〜18mm、リブ取付角度θが65°〜85°の範囲において、表1に示す各種のルートフェイス(RF)をとった試験体(SM490A、1000mm 長さ)を作成し、サブマージアーク溶接およびガスシールドアーク溶接で評価試験を実施した。
【0029】
【表1】
【0030】
サブマージアーク溶接については、ワイヤはソリッドワイヤ(JIS Z3351 YS−S6)、フラックスは溶融タイプ(JIS Z3352 FS−FP1)を供し、ガスシールドアーク溶接については、フラックス入りワイヤ(JIS Z3313 YFW−C50DM)を供して実施した。また、各種溶接方法とリブ板厚毎に、表2に示す溶接条件を用いて溶接を実施した。
【0031】
【表2】
【0032】
表3に溶接評価試験結果をまとめて示す。溶け込み量Dは、溶接後の試験体から断面マクロ試験片を3個採取して測定した平均値とした。スラグ巻き込みの有無は、先述の断面マクロ試験片の観察と残りの試験体の溶接部のビード表面にVノッチを入れて溶接長さ方向に割り、破断面の観察によって調査した。ブローホール発生の有無も先の破断面観察によって調査した。
【0033】
【表3】
【0034】
記号1〜10の本発明例は、いずれもスラグ巻き込みやブローホールの発生が無く、かつ裏面側への溶け抜けも無い良好な溶け込みを確保している結果が得られた。発明例中の記号3、記号6および記号9を除いた例は、70%以上の深い溶け込み率を確保しつつ、溶け抜けに対しても余裕がある(溶け込み率が95%以下とした)結果であった。記号11〜記号15はリブ端にルートフェイスを設けていない比較例である。記号11と記号13は、リブの裏面側まで溶融されてしまい、溶け抜けが発生した。記号12、記号14、記号15は、溶接中にリブ端のルート部に侵入した溶融スラグまで溶融金属が届かずにスラグ巻き込みが発生し、ブローホールも発生した。
【0035】
発明例の一例として記号4の断面マクロを図9、破断面を図10に示す。
比較例の一例として記号14の断面マクロを図7、破断面を図8に示す。
【0036】
このように、本実施例によれば、溶接中に溶融スラグ5やブローホールを排除することができるので、溶融スラグ5及びブローホールの残留を防ぐことができ、安定した溶け込み量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る鋼床版の構成を示す図。
【図2】本実施形態に係る鋼床版の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る鋼床版の接続部の構成を示す図。
【図4】本実施形態に係る閉断面リブの構成を示す図。
【図5】本実施形態に係る溶接の様子を示す工程図。
【図6】同、工程図。
【図7】従来の鋼床版の接続部の様子を示す写真図。
【図8】同、写真図。
【図9】本実施例に係る鋼床版の接続部の様子を示す写真図。
【図10】同、写真図。
【符号の説明】
【0038】
1…鋼床版 2…デッキプレート 2a…表面 3…閉断面リブ 3a…リブ端 3b…ルートフェース 3c…開先 4…溶接部 5…溶融スラグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼床版を構成するデッキプレートと閉断面リブとを溶接する溶接方法であって、
前記閉断面リブのルート部が前記デッキプレートの表面に平行となる平坦面になっており、
前記デッキプレートの表面に前記閉断面リブの前記平坦面を当接させた状態で、前記デッキプレートと前記閉断面リブとを溶接する
ことを特徴とする溶接方法。
【請求項2】
前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%である
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
【請求項3】
溶接の溶け込みが前記平坦面の一部を覆うように前記溶接を行う
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶接方法。
【請求項4】
デッキプレートと、
前記デッキプレートの表面に設けられ、リブ端のルート部が前記デッキプレートの表面に平行な平坦面になっており、前記平坦面が前記デッキプレートの表面に当接された閉断面リブと、
前記デッキプレートと前記閉断面リブとを固定する溶接部と
を具備することを特徴とする鋼床版。
【請求項5】
前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%である
ことを特徴とする請求項4に記載の鋼床版。
【請求項6】
前記溶接部が、前記平坦面の一部を覆っている
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の鋼床版。
【請求項1】
鋼床版を構成するデッキプレートと閉断面リブとを溶接する溶接方法であって、
前記閉断面リブのルート部が前記デッキプレートの表面に平行となる平坦面になっており、
前記デッキプレートの表面に前記閉断面リブの前記平坦面を当接させた状態で、前記デッキプレートと前記閉断面リブとを溶接する
ことを特徴とする溶接方法。
【請求項2】
前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%である
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
【請求項3】
溶接の溶け込みが前記平坦面の一部を覆うように前記溶接を行う
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶接方法。
【請求項4】
デッキプレートと、
前記デッキプレートの表面に設けられ、リブ端のルート部が前記デッキプレートの表面に平行な平坦面になっており、前記平坦面が前記デッキプレートの表面に当接された閉断面リブと、
前記デッキプレートと前記閉断面リブとを固定する溶接部と
を具備することを特徴とする鋼床版。
【請求項5】
前記デッキプレートの表面方向における前記平坦面の寸法が、前記閉断面リブのリブ厚の5%〜50%である
ことを特徴とする請求項4に記載の鋼床版。
【請求項6】
前記溶接部が、前記平坦面の一部を覆っている
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の鋼床版。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−22963(P2009−22963A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−186047(P2007−186047)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
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