説明

溶接用電極及びその製造方法

【課題】高電流で溶接することにより使用温度が500℃以上の高温になっても強度を維持しつつ摩耗及び溶着を抑制できる溶接用電極及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る溶接用電極2は、SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させ、残部がCuからなる電極材料によって形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接用電極及びその製造方法に係わり、特に、高電流で溶接することにより使用温度が500℃以上の高温になっても強度を維持しつつ摩耗及び溶着を抑制できる溶接用電極及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、従来の溶接用電極について説明する。
溶接用電極(例えばコンタクトチップ、電極チップ等)の材料の要求特性としては下記の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)チップが発熱するのを抑制するために導電率が高い材料であること。
(2)耐摩耗性、耐焼きつき性を向上させるため、またコンタクトチップから供給されるワイヤが供給停止に陥るのを防止するために、高温強度が高い材料であること。
(3)スパッタが付着しにくい材料であること。
(4)酸化しにくい材料であること。
【0003】
特に、上記(2)の高温強度を高くする対応として、従来の電極材料には、通電性、熱伝導性を得るために銅を基軸とする合金が用いられ、その合金には、高温硬度を維持するためにクロムやジルコニウムなどの金属元素が含有されている。この金属元素を含有させるのは、析出効果により高硬度を得るためである。
【0004】
従来の電極チップの具体例としては、析出効果により硬化させたクロム銅が最も汎用的に使用されている。このクロム銅は、Cu中にCrを0.3〜1.2質量%含有させている。このCrは、熱処理により析出物を作り、電極の銅の硬度を上昇させるものである(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−111483号公報(0008段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近の溶接においては、大電流化の方向に進んでおり、それに伴い、溶接時における溶接用電極の温度が上昇する傾向にある。例えば400アンペアを超える高電流では、溶接用電極の温度が500℃を超えることがある。上述したクロム銅からなる溶接用電極では、使用温度が500℃程度までは必要な硬度を保つが、使用温度が500℃を超えるとクロム銅が軟化し始める。一度軟化したクロム銅は再び硬度を取り戻すことがない。従って、溶接用電極を繰り返し使用することにより加えられる繰り返し熱に弱い。このため、溶接用電極が早期に摩耗、溶着し、それにより、溶接用電極の交換頻度が多くなり、全体として設備稼働率が低下するという問題が生じていた。
【0007】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、高電流で溶接することにより使用温度が500℃以上の高温になっても強度を維持しつつ摩耗及び溶着を抑制できる溶接用電極及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る溶接用電極は、SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させ、残部がCuからなる電極材料によって形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る溶接用電極において、前記電極材料には、Zn、Sn、Mn、Al及びPからなる群から選択される少なくとも一の元素がさらに含有されており、前記Znの上限含有量は0.9重量%であり、前記Snの上限含有量は0.14重量%であり、前記Mnの上限含有量は0.1重量%であり、前記Alの上限含有量は0.1重量%であり、前記Pの上限含有量は0.02重量%であることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る溶接用電極において、前記電極材料からなる粉末が成形され、焼結によって作製されていることも可能である。
また、本発明に係る溶接用電極において、前記電極材料を含む混練物が射出成形され、焼結によって作製されていることも可能である。
【0011】
本発明に係る溶接用電極の製造方法は、SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させ、残部がCuからなる溶接用電極の製造方法であって、
SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子粉末とCu粉末を混合する工程と、
前記混合粉末を圧粉成形する工程と、
前記圧粉末成形した成形体を900℃〜1100℃の温度で焼結する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る溶接用電極の製造方法は、SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させ、残部がCuからなる溶接用電極の製造方法であって、
SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子粉末とCu粉末とバインダを混合する工程と、
前記混練した混練物を射出成形する工程と、
前記射出成形した成形体を900℃〜1100℃の温度で焼結する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る溶接用電極の製造方法において、前記溶接用電極にはZn、Sn、Mn、Al及びPからなる群から選択される少なくとも一の元素がされに含有されており、前記混合する工程ではZn、Sn、Mn、Al及びPからなる群から選択される少なくとも一の元素を含む粉末をさらに混合することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、高電流で溶接することにより使用温度が500℃以上の高温になっても強度を維持しつつ摩耗及び溶着を抑制できる溶接用電極及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による溶接用電極の一例であるコンタクトチップを用いて溶接する様子を模式的に示す図である。
【0016】
溶接機のノズル1にはコンタクトチップ2が取り付けられており、このコンタクトチップ2には溶接ワイヤ3を繰り出すための穴(図示せず)が設けられている。コンタクトチップ2によって溶接電流を溶接ワイヤ3に供給し、溶接ワイヤ3を狙い位置へ正確に供給することにより溶接対象物4に溶接を行う。この際、コンタクトチップ2には大電流が流されるため、コンタクトチップ2の温度が高温になる。
【0017】
コンタクトチップ2の材料として好ましい特性としては下記の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)チップの発熱を抑制するために導電率が高い材料であること。
(2)高温で使用されたり、また温度が変動することで繰り返し熱が加えられても、コンタクトチップ2の硬度又は強度が低下しないこと。即ち、溶接ワイヤ3を狙い位置へ正確に供給するというターゲット性を確保するには、高温での耐摩耗性を高くしてコンタクトチップ2の穴が広がらないこと。
(3)溶接ワイヤ3の供給停止を抑制するには、焼付き難く、融着し難いこと。
(4)スパッタが付着し難いこと。
(5)酸化しにくいこと。
【0018】
1.コンタクトチップの材料
コンタクトチップ2の材料は、電気伝導率に優れたCuを母材として用い、この母材に1重量%以下の焼結緻密化材を含有させ、且つ0.1〜2重量%の硬質粒子を分散させたものである。この硬質粒子は、600℃から800℃の温度域においても硬度が低下せず、熱衝撃に強く、従来のクロム銅よりも耐摩耗性に優れている。硬質粒子を分散させることにより耐摩耗性、耐焼付き性を確保することができる。尚、コンタクトチップ2の材料中に母材が含有する下限量は97重量%である。
【0019】
前記硬質粒子としては、SiO、MoC及びTiCが挙げられる。これらの硬質粒子は1種を1重量%以下含有させても良いし、複数種を合計で1重量%以下含有させても良い。硬質粒子としてSiOを挙げたのは、Cu−10重量%Sn−10重量%PにSiOを0.5重量%含有させた摺動材料は耐摩耗性が向上することが確認されているからである。また、硬質粒子としてのMoCは、Moよりも耐摩耗性及び耐焼付き性に優れており、非油潤滑特性が良好である。また、TiCは高温耐焼付き性及び耐摩耗性に大変優れている。
【0020】
Cuに不純物を含有させると電気伝導度が下がるが、コンタクトチップ2の電気伝導度は35m/Ohm・mm以上とすることが好ましい。ここで、Cu母材の電気伝導度は50m/Ohm・mm程度である。このため、コンタクトチップ2を35m/Ohm・mm以上の電気伝導度とするには、焼結緻密化材として機能する各元素のCu母材への最大添加量は表1に示すとおりであり、母材の組成例は表2に示すとおりである。尚、焼結緻密化材の一例としてはCu−10重量%Sn−0.2重量%Pがある。
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】
2.コンタクトチップの製造方法
2−1.プレス成形−焼結
図2は、本発明の実施の形態1による第1の製造方法(プレス成形−焼結)を示す図である。
【0024】
まず、硬質粒子の粉末が0.5〜1重量%、Cu−10重量%Sn−0.2重量%Pの粉末が1重量%、残部がCu粉末(日鉱金属株式会社製#51)となるように秤量し、混合する。
【0025】
次に、100tアムスラーで4t/cmの圧粉成形を行う。これにより、10mm×12mm×80mmの成形体が形成される。
【0026】
次に、前記成形体を900℃〜1100℃(好ましくは1050℃)の温度で真空焼結する。焼結緻密化材の融点より高い温度で且つCuの融点直下で焼結することにより焼結緻密化材を液相化させて焼結密度を上げることができる。
【0027】
次に、前記真空焼結した焼結体に15%の圧延を行う。これにより、酸化膜を破壊して密度を上げることができる。
【0028】
次に、前記圧延を行った圧延体に400℃以上の温度(好ましくは400℃)で真空焼鈍を行う。温度を400℃としたのは、銅系材料で最も導電率が回復する温度であること、加工歪を完全に除くために再結晶温度以上とするためである。
【0029】
次に、外径加工及び内径加工を機械加工によって行う。これにより、コンタクトチップ2が製造される。
【0030】
2−2.押出し成形−脱脂−焼結(金属射出成形法)
図3は、本発明の実施の形態1による第2の製造方法(金属射出成形法)を示す図である。
【0031】
まず、硬質粒子の粉末が0.5〜1重量%、Cu−10重量%Sn−0.2重量%Pの粉末が1重量%、残部がCu粉末(日鉱金属株式会社製#51)となるように秤量する。これらの金属粉末とアミド化合物のバインダを混練する。
【0032】
次に、前記混練した混練物を射出成形する。
次に、この射出成形した成形体を400℃±10℃の温度で40時間保持することにより、成形体の脱脂を行う。次に、脱脂後の成形体を900℃〜1100℃(好ましくは1050℃)の温度で真空焼結する。焼結緻密化材の融点より高い温度で且つCuの融点直下で焼結することにより焼結緻密化材を液相化させて焼結密度を上げることができる。
【0033】
次に、外径加工及び内径加工を機械加工によって行う。これにより、コンタクトチップ2が製造される。
【0034】
尚、本実施の形態では、コンタクトチップ2の製造方法として2−1.プレス成形−焼結、2−2.金属射出成形法を説明しているが、これに限定されるものではなく、コンタクトチップ2を鋳込みによって製造することも可能である。
【0035】
3.溶接試験及びその結果
3−1.試験
試験用コンタクトチップの材料としては、Cuに焼結緻密化材としてCu−10重量%Sn−0.2重量%Pを1重量%含有させるとともに硬質粒子としてSiOを0.5重量%添加した材料(0.5SiO2)、Cuに焼結緻密化材としてCu−10重量%Sn−0.2重量%Pを1重量%含有させるとともに硬質粒子としてMoCを1重量%添加した材料(1Mo2C)、Cuに焼結緻密化材としてCu−10重量%Sn−0.2重量%Pを1重量%含有させるとともに硬質粒子としてTiCを1重量%添加した材料(1TiC)を用いた。これらの材料を用いて前述した第1の製造方法(プレス成形−焼結)によりコンタクトチップを製造した。
【0036】
前記コンタクトチップそれぞれによって30分間連続して溶接長11mを溶接した際の溶接性と耐久性の評価を行った。具体的には下記の(1)〜(3)の評価を行った。
(1)コンタクトチップが溶着して溶接ワイヤの送給が停止しないかを評価した。
(2)溶接の電圧、電流の安定性を評価した。
(3)コンタクトチップの穴先端の消耗量を溶接前後の真円度の変化で評価した。
【0037】
尚、真円度はチップ穴径を4点測定し、そのうちの最大値と最小値の差によって求めた。また、溶接条件は下記のとおりである。
・ビードオンプレート
・電源 松下AEII−500
・電流400アンペア
・電圧36V
・送り37cm/min
・溶接線径φ1.4
・突出量25mm
・Ar80%、CO20%の混合ガス使用
【0038】
3−2.結果
上記評価に対する結果を表3に示している。表3に示すように、耐摩耗性は従来のコンタクトチップより良好であり、硬質粒子による耐摩耗性の向上効果が確認できた。また、溶接ワイヤの送給が停止することはなく、溶接ワイヤの詰まりや焼付きは発生しなかった。また、0.5重量%SiOを添加したコンタクトチップは、電流、電圧の安定度が従来材よりも高く、溶接中のスパッタの飛散量も少なかった。また、溶接前後の真円度の結果からターゲット性は良好であることが予想される。
【0039】
【表3】

【0040】
上記実施の形態1によれば、硬質粒子を分散させることにより耐熱性を向上させているため、従来の析出効果型のクロム銅のように再固溶することがない。従って、溶接用電極に高電流が流れることで500℃を超える温度で溶接用電極を使用しても、軟化しにくく、耐摩耗性及び耐焼付き性を高く維持することができ、強度及び導電率が低下することが少なく、繰り返し加熱などの熱衝撃に強い。このため、溶接用電極の寿命を延ばすことができ、溶接用電極の交換頻度を少なくでき、全体として設備稼働率を高くすることができる。また、より過酷な溶接条件になるほど従来の溶接用電極材料であるクロム銅よりも高寿命とすることができる。
【0041】
また、従来のクロム銅からなる溶接用電極では、鉄分が電極内に拡散しやすく、鉄分が異常に溶け込むことによって導電率が低下し、溶接ワイヤと溶接用電極との間の接触抵抗が異常に高まることによって溶着が発生する。これに対し、本実施の形態による溶接用電極では、硬質粒子によって鉄分の拡散を抑制し、母材の歪を抑えることができ、高温下でも高強度を維持できると考えられる。
【0042】
また、上記実施の形態1では、粉体焼結によって溶接用電極を製造するため、形状の自由度を大きくすることができ、ニアネットシェイプで作製でき、製造コストを低減することができる。
【0043】
(実施の形態2)
図4(A)は、本発明の実施の形態2による溶接用電極の一例であるスポット溶接電極を示す平面図であり、図4(B)は、図4(A)に示すスポット溶接電極を用いてワークを溶接する様子を模式的に示す図である。
【0044】
溶接対象物であるワーク4をスポット溶接電極5,6で圧着しつつ+電極から−電極に通電し、抵抗熱で金属を溶かして溶接接合する。
【0045】
スポット溶接電極5,6の材料としては、実施の形態1のコンタクトチップと同様の材料を用いる。また、スポット溶接電極の製造方法は、実施の形態1と同様の製造方法、即ち、第1の製造方法(プレス成形−焼結)及び第2の製造方法(金属射出成形法)を用いることができる。
【0046】
上記実施の形態2においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
尚、本発明は上記実施の形態及び上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1,2では、SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のいずれか1種の硬質粒子を0.1重量%〜2重量%分散させた溶接用電極を用いているが、これに限定されるものではなく、SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させた溶接用電極を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態1による溶接用電極の一例であるコンタクトチップを用いて溶接する様子を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1による第1の製造方法(プレス成形−焼結)を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1による第2の製造方法(金属射出成形法)を示す図である。
【図4】(A)は実施の形態2による溶接用電極の一例であるスポット溶接電極を示す平面図であり、(B)は(A)に示すスポット溶接電極を用いてワークを溶接する様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1…ノズル
2…コンタクトチップ
3…溶接ワイヤ
4…溶接対象物(ワーク)
5,6…スポット溶接電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させ、残部がCuからなる電極材料によって形成されていることを特徴とする溶接用電極。
【請求項2】
請求項1において、前記電極材料には、Zn、Sn及びPからなる群から選択される少なくとも一の元素がさらに含有されており、前記Znの上限含有量は0.9重量%であり、前記Snの上限含有量は0.14重量%であり、前記Pの上限含有量は0.02重量%であることを特徴とする溶接用電極。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記電極材料からなる粉末が成形され、焼結によって作製されていることを特徴とする溶接用電極。
【請求項4】
請求項1又は2において、前記電極材料を含む混練物が射出成形され、焼結によって作製されていることを特徴とする溶接用電極。
【請求項5】
SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させ、残部がCuからなる溶接用電極の製造方法であって、
SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子粉末とCu粉末を混合する工程と、
前記混合粉末を圧粉成形する工程と、
前記圧粉末成形した成形体を900℃〜1100℃の温度で焼結する工程と、
を具備することを特徴とする溶接用電極の製造方法。
【請求項6】
SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子を合計で0.1重量%〜2重量%分散させ、残部がCuからなる溶接用電極の製造方法であって、
SiO硬質粒子、MoC硬質粒子及びTiC硬質粒子のうち少なくとも1種の硬質粒子粉末とCu粉末とバインダを混合する工程と、
前記混練した混練物を射出成形する工程と、
前記射出成形した成形体を900℃〜1100℃の温度で焼結する工程と、
を具備することを特徴とする溶接用電極の製造方法。
【請求項7】
請求項5又は6において、前記溶接用電極にはZn、Sn及びPからなる群から選択される少なくとも一の元素がされに含有されており、前記混合する工程ではZn、Sn及びPからなる群から選択される少なくとも一の元素を含む粉末をさらに混合することを特徴とする溶接用電極の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−223091(P2008−223091A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63417(P2007−63417)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】