説明

溶融ポリマーフィルター装置

【課題】 プレフィルター型装置において、溶融ポリマー流路への装着・交換を容易にし、生産性の向上に一層寄与するようにした溶融ポリマーフィルター装置を提供する。
【解決手段】 ヒータ4を備えた筒状のハウジング2と該ハウジングに上方から脱着可能に挿入されるフィルターパック1とを有し、ハウジング2の片方の側面に溶融ポリマー移送管60,70に接続される流入孔6及び流出孔7を設けると共に、反対側の側面にフィルターパック1を押圧する押圧手段24を設け、フィルターパック1の側面にハウジング側の流入孔6及び流出孔7と対応するように流入孔10及び流出孔11を設けると共に、底面側に該フィルターパックとハウジングとの流入孔6,10同士及び流出孔7,11同士を位置合わせするスペーサ26を介在させたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶融ポリマーフィルター装置に関し、更に詳しくは、溶融紡糸機におけるポリマーの溶融部から紡糸パックに至る流路の途中にプレフィルターとして組み込まれる溶融ポリマーフィルター装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融紡糸機で繊維を製造する場合、紡糸前に溶融ポリマー中の固形異物やゲル状異物を濾過することは、繊維の品質安定のために必須である。従来、溶融紡糸機における濾過手段は、紡糸パック内に紡糸口金とともにフィルターを内蔵させるようにしたものが一般的であった。
【0003】
一方、近年のように1dtex以下の細繊度の繊維の需要が多くなってきたり、また生産性向上のため紡糸速度の高速化や紡糸口金の多孔化が進むにつれ、濾過を強化することが必要になっている。また、近年、ヤング率が低く、伸張弾性回復率が優れ、化学的にも安定していることから注目されているポリトリメチレンテレフタレートは、熱分解されやすく、添加粒子の凝縮物が生成しやすい特殊なポリマーであるが、このような特定のポリマーの場合にも一層の濾過強化が必要とされる。
【0004】
しかし、従来の溶融紡糸パックのように紡糸パック内にフィルターを内臓した濾過方式では、紡糸口金の大きさ等の制約から濾過面積を十分にとれないため、上記のような特殊な溶融紡糸を行う場合の濾過強化は困難になる。例えば、フィルターのメッシュを細かくするという方法があるが、単にメッシュを細かくするだけでは初期濾過圧損が高くなり、短い周期でパック交換しなければならないという問題を生じる。
【0005】
このような紡糸パック内蔵型フィルターの限界は、特許文献1や特許文献2に開示されているようなフィルター装置を、ポリマーの溶融部から紡糸パックに至る流路の途中にプレフィルターとして設けることにより解決することができる。しかし、従来のプレフィルター型の装置は、溶融ポリマーの流入孔と流出孔を互いに反対側の側面に設けているため、これをポリマー流路の途中に組み込むときは、左右に分離したポリマー移送管の端部にそれぞれ取り付けたフランジの間に挟み、ボルトで固定することになる。
【0006】
しかし、左右のフランジ間に挟まれたフィルター装置を交換するには、周囲を囲むハウジングまで加熱ヒータや保温材と共に取り外す必要があるため、その取り外し時に温度低下が発生し、交換後に紡糸を再スタートするまでの時間が長くなり、生産性を低下させるという問題があった。また、溶融ポリマーが高温下にある時の作業であるため、上記フランジの締め付けボルトを弛める時、溶融ポリマーや熱分解により発生したガスが噴出するため危険な作業になり、交換時間を延長する原因になっていた。
【特許文献1】特開平8−10522号公報
【特許文献2】特開2003−26721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、プレフィルター型装置において、溶融ポリマー流路への装着・交換を容易にし、生産性の向上に一層寄与するようにした溶融ポリマーフィルター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の溶融ポリマーフィルター装置は、ヒータを備えた筒状のハウジングと該ハウジングに上方から脱着可能に挿入されるフィルターパックとを有し、前記ハウジングの片方の側面に溶融ポリマー移送管に接続される流入孔及び流出孔を設けると共に、反対側の側面に前記フィルターパックを押圧する押圧手段を設け、前記フィルターパックの側面に前記ハウジング側の流入孔及び流出孔と対応するように流入孔及び流出孔を設けると共に、底面側に該フィルターパックと前記ハウジングとの流入孔同士及び流出孔同士を位置合わせするスペーサを介在させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポリマーフィルター装置は、加熱部を備えた筒状のハウジングに上方からフィルターパックを脱着可能に挿入するようにし、フィルターパックのみを単独で取り出せるようにしたので、そのフィルターパックの交換をホイストクレーン等で吊り下げて上方から容易に挿入したり、取り出したりすることができる。
【0010】
また、溶融ポリマーの流入孔及び流出孔をハウジング及びフィルターパックの片方の側面に設け、その反対側の側面に押圧手段を設けているため、押圧手段の押し付けだけで流入孔同士及び流出孔同士を容易にシールすることができ、交換作業を数分間程度の短時間で行うことができる。
【0011】
また、フィルターパックの取り外し時には、ハウジングに収納状態のまま押圧手段を弛めるようにすれば、残圧による溶融ポリマーや熱分解ガスの噴出を回避し、安全に作業することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を示す溶融ポリマーフィルター装置を参照して、具体的に説明する。
【0013】
図1及び図2の溶融ポリマーフィルター装置において、1はフィルターパック、2はハウジング、3は加温箱である。ハウジング2は円筒状に形成され、周囲にバンド状のヒータ4が巻回され、かつその外側が加温箱3の断熱材5により覆われている。ハウジング2には、その一方の側面に溶融ポリマーの流入孔6と流出孔7が上下に設けられている。また、この流入孔6と流出孔7に対し、外部から溶融ポリマー移送管60、70が接続されている。このハウジング2の中に、上方からフィルターパック1が底面に高さ調節用のスペーサ26が挟み込むようにして挿入されている。
【0014】
さらに、ハウジング2の上面と加温箱3の上面とに、それぞれ中蓋27と上蓋28が被せられている。また、ハウジング2には温度センサー29が埋設され、その検知信号に基づいてヒータ4による加熱温度が制御されるようになっている。加熱温度はポリマーの種類や溶融紡糸条件により任意に設定されるが、200〜300℃が一般的である。
【0015】
図3に詳細を示すように、フィルターパック1は上下一対の円柱状の分割部材8,9が組み合わされて構成されている。上部側の分割部材8は内部に空間12を形成し、その空間12は、下端の開口から上方側に順次径が3段階に縮小する円筒が連続して形成されている。また、分割部材8の側面に流入孔10がハウジング2側の流入孔6に対応するように設けられ、その流入孔10は分割部材8の中心軸に直交するように延長し、空間12の円錐状の頂部に連通している。
【0016】
一方、下部側の分割部材9は、径の大きい基部9aとそれより径が小さいロッド状のフィルター取付部9bとを有する。基部9aは、上部側分割部材8の3段形状の空間12の中段の円筒部に嵌合し、またフィルター取付部9bは最上段の円筒部に挿入されるようになっている。空間12の最下段円筒部には内壁にメネジ13が設けられ、このメネジ13にリング状の締付ネジ14が螺合することにより、分割部材9の基部9aの上面外周をパッキン15を介して空間12の中段円筒と上段円筒の境界部に密着させるようになっている。
【0017】
また、上記分割部材8には、流入孔10が開口する側と同じ側面の下部に門型の切欠き16が設けられ(図3及び図4参照)、その切欠き16は空間12の内外に貫通している。他方、この切欠き16に対応して分割部材9の基部9aに突起部23が形成され、その突起部23が切欠き16に挿入されて係合している。この突起部23の端面には溶融ポリマーの流出孔11がハウジング2側の流出孔7に対向するように開口している。その流出孔11は基部9a内を軸心に向け延長し、さらに軸心で上方へ折れ曲がってフィルター取付部9bの軸心に延びるように延長している。
【0018】
上記のように分割部材9の突起部23が分割部材8の切欠き16に係合することにより、分割部材9を締付ネジ14で締め付けて分割部材8に密着させるとき分割部材9の共回りを防止し、流出孔11と7との周方向のずれを防止する。
【0019】
フィルター取付部9bの表面には複数本の縦溝18が軸方向に平行に設けられ、かつこれらの溝底に複数の透孔19が内側の流出孔11に貫通するように設けられている。この構成のフィルター取付部9bに、リーフディスク状の多数のフィルターエレメント20が積み重ねられるように装着されている(図5参照)。
【0020】
上記ハウジング2の内壁には、内壁の上縁から下方に向け、かつ流入孔6と流出孔7の開口を横断するようにした案内溝21が設けられている(図6参照)。また、上記ハウジング2の側面には、上記流入孔6及び流出孔7が設けられた側と反対側に押圧手段24が設けられている。その押圧手段24は側面に螺合し、回動により前後に進入後退するようになっている。
【0021】
他方、フィルターパック1の側面には、上下2箇所に二つの突起部22,23が形成され、これら突起部22,23の端面にそれぞれ流入孔10と流出孔11が開口している。二つの突起部22,23は上記ハウジング2側の案内溝21に係合し、この係合により、流入孔10と流出孔11がそれぞれ流入孔6と流出孔7に対して周方向に位置ずれを起こさないようにしている。
【0022】
また、押圧手段24を回動し前進させてフィルターパック1を押し込むと、フィルターパック1側の流入孔10と流出孔11がそれぞれパッキン25を介してハウジング2側の流入孔6と流出孔7に密着する。これら突起部22,23は押圧手段24の押圧力を局部的に上昇させるため、流入孔同士間及び流出孔間のシール効果を一層高めることができる。押圧手段24は、二つの突起部22,23の正反対側にそれぞれ1箇所づつ設けることもできる。しかし、図示の例のように突起部22,23間の中央に対応する正反対側に設けた場合に比べて、押圧手段24のネジを回す作業などが増えること、締付け力にアンバランスが生じる懸念があるので、好ましくは図示の例のように突起部22,23間の中央に対応する位置に設けることが望ましい。
【0023】
また、フィルターパック1の底面に挿入したスペーサ26は、フィルターパック1側の流入孔10と流出孔11の開口部の高さを、ハウジング2側の流入孔6と流出孔7の開口部の高さに位置合わせする調節用に設けられている。高さ調整は、例えば、ハウジング2の案内溝21の下端を所定高さにすることでも可能である。しかし、案内溝21の下端による高さ調整は、フィルターパック1が非常に重量体であるため早期に溝変形や磨滅を招き、流入孔6,10間及び流出孔7,11間の高さ方向の位置ずれが早期に発生し、上記のスペーサ26による高さ調整に比べて耐久性が劣る欠点がある。
【0024】
上記フィルター装置による溶融ポリマーの濾過は、以下のように行われる。
【0025】
エクスとルーダなどのポリマー溶融部で溶融されたポリマーは、溶融ポリマー移送管60から流入孔6及び10を経てフィルターパック1の空間12に流入する。空間12に流入した溶融ポリマーは、多数枚が積層されたフィルターエレメント20を外側から内側に向かって濾過されたのち、縦溝18から透孔19を経てフィルター取付部9bの内側の流出孔11に流出する。次いで、流出孔11からハウジング2の流出孔7を経て溶融ポリマー移送管70へ排出され、図示しない紡糸パックへ移送される。
【0026】
上述したフィルター装置においてフィルターパック交換するときは、まず上蓋28及び中蓋27を装着したままにして押圧手段24を緩めるようにする。この押圧手段24の緩め操作により、溶融ポリマーの残圧や熱分解ガスがリークし、ガスなどが急激に噴出するのを防止することができる。次いで、上蓋28及び中蓋27を取り外し、交換が必要になったフィルターパック1をホイストクレーン等で吊り下げて取り出し、その後に予め別の場所で予熱しておいた新たなフィルターパック1をホイストクレーン等で上方向から吊り下げながらハウジング2内に収納する。次いで、押圧手段24を締め付けて流入孔6,10間及び流出孔7,11間をシールし、最後に中蓋27及び上蓋28を装着する。これによりフィルターパック1の交換作業を数分間程度の短時間で行うことができる。
【0027】
本発明の溶融ポリマーフィルター装置において、側面部に溶融ポリマーの流入孔及び流出孔は、ハウジング及びフィルターパックに対してそれぞれ同一側の側面に設けてあることが重要である。流入孔及び流出孔を設ける側面は、ハウジングにフィルターパックを挿入する方向に対して略平行になっている。上記のように流入孔及び流出孔が設けられた側面に対して、押圧手段が反対側のハウジングの側面に設けることが重要である。このような流入孔及び流出孔と押圧手段の配置関係により、フィルターパックをハウジング内に押圧手段の一方向への押圧作用だけで溶融ポリマーの流入孔及び流出孔を簡単にシールすることができる。
【0028】
フィルターパック及びハウジングの形状としては、円柱状及び円筒状が好ましいが、正多角柱状又は正多角筒状(特に四角形以上)にしたものであってもよい。このような形状にすることにより、フィルターパック内部の溶融ポリマーをハウジングから均一に加熱されるようにすることができる。勿論、円柱状又は正多角柱状とは、幾何学的に完全な真円や正多角形であることを意味せず、表面に部分的な突起や切り欠きを有することは許される。
【0029】
ハウジング側の流入孔及び流出孔とフィルターパック側の流入孔及び流出孔との上下方向の位置合わせは、フィルターパックの底部にスペーサを介在させて行う。このような上下方向の位置合わせは、ハウジング側の内壁面に設けた案内溝とフィルターパック側に設けた突起部との係合によっても可能ではあるが、案内溝を利用したものは長期使用により、フィルターパックの重量により溝が変形し、精度の高いシールが確保できなくなる欠点がある。
【0030】
また、フィルターパックに設ける流入孔及び流出孔は、少なくとも一方はフィルターパックの側面から突出した突起部に開口するように設けることが好ましく、より好ましくは流入孔及び流出孔の両方とも突起部に開口するように設けるとよい。このように突起部に流入孔や流出孔を開口させた形態にすることにより、フィルターパックのハウジングに対する位置決めを容易にすると共に、押圧手段の押し付け力を突起部に集中させることで、流入孔同士及び流出孔同士のシールを確実・強固にすることができる。また、図示の例では、押圧手段がネジ機構により押圧力を発生するようにしたが、その手段としては油圧シリンダなどの他の手段であってもよい。
【0031】
ハウジングとフィルターパックの側面にそれぞれ上下に設ける流入孔と流出孔は、図示の例では流入孔が上部側で、流出孔が下部側であるが、これを逆にして、流入孔が下部側で、流出孔が上部側にする配置にしてもよい。また、フィルターパックを組み立てる分割部材についても、図示の例の上下の位置関係を、分割部材8を下部側にし、分割部材9を上部側にする配置にしてももよい。
【0032】
フィルターパックを構成する上下一対の分割部材は、互いに嵌合し合う組立構造にし、かつその嵌合部において外側の嵌合側部には端部から切れ込む切欠きを設け、内側の嵌合側部には側方へ突出する突起部を形成し、その切欠きに突起部が係合するような構成にする。かかる構造形態にすることにより、上下一対の分割部材を締付けネジの回転を利用して組み付けるとき、締付けネジに接する方の分割部材が共回りすることで、流入孔又は流出孔がハウジング側の流入孔又は流出孔に対して周方向への位置ずれを発生することを防止し、密閉性の高いフィルターパックを構成することができる。
【0033】
本発明のフィルター装置により濾過する溶融ポリマーの種類は、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなど特に限定されないが、特に熱分解されやすく、添加粒子の凝縮物が生成しやすいポリトリメチレンテレフタレートの濾過に好適である。また、特に1dtex以下の極細繊度の繊維の製造に使用すると好適である。
【0034】
ポリトリメチレンテレフタレートとは、1,3−プロパンジオール成分とテレフタル酸成分からなるものであるが、その特性を損なわない範囲でエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールスルホンのEO付加物、1,4−ブタンジオール、ε−カプロラクトン、イソフタル酸、無水フタル酸、フタル酸、コハク酸、アジピン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸カリウム、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸リチウム、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチルなどが共重合されていてもよい。
【0035】
また、艶消し剤として、二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤として、ヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
【0036】
本発明の溶融ポリマーフィルターは、特に溶融紡糸用のフィルターとして有効であるが、プラスチックパイプ、プラスチック板材などの一般成形物の溶融成形にも適用することができる。溶融紡糸用には、直接連続重合紡糸及びチップ紡糸のいずれにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の溶融ポリマーフィルター装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図1におけるフィルターパックの縦断面図である。
【図4】図3におけるB矢視図である。
【図5】図3のフィルターパックにおける要部断面図である。
【図6】図1の溶融ポリマーフィルター装置のハウジング内壁面に設けられる案内溝の部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 フィルターパック
2 ハウジング
3 加温箱
4 ヒータ
5 断熱材
6、10 流入孔
7、11 流出孔
8、9 分割部材
9a 基部
9b フィルター取付部
12 空間
13 メネジ
14 締付ネジ
16 空間
18 縦溝
19 透孔
20 フィルターエレメント
21 案内溝
22、23 突起部
24 押圧手段
26 スペーサ
27 中蓋
28 上蓋
60、70 溶融ポリマー移送管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータを備えた筒状のハウジングと該ハウジングに上方から脱着可能に挿入されるフィルターパックとを有し、前記ハウジングの片方の側面に溶融ポリマー移送管に接続される流入孔及び流出孔を設けると共に、反対側の側面に前記フィルターパックを押圧する押圧手段を設け、前記フィルターパックの側面に前記ハウジング側の流入孔及び流出孔と対応するように流入孔及び流出孔を設けると共に、底面側に該フィルターパックと前記ハウジングとの流入孔同士及び流出孔同士を位置合わせするスペーサを介在させた溶融ポリマーフィルター装置。
【請求項2】
前記フィルターパックの流入孔及び流出孔の少なくとも一方を側面から突出する突起部に開口させ、前記ハウジングの内壁面に該内壁面の上縁から下方に延び、かつ前記流入孔及び流出孔が底面に開口させるようにした案内溝を設け、該案内溝に前記突起部を係合させた請求項1に記載の溶融ポリマーフィルター装置。
【請求項3】
前記フィルターパックの外殻を上下一対の分割部材を組み合わせた構造体とし、一方の分割部材の側面に前記流入孔又は流出孔が開口する突起部を設け、該突起部を他方の分割部材の端部に設けた切り欠きに係合させた請求項1又は2に記載の溶融ポリマーフィルター装置。
【請求項4】
前記ハウジングを断熱材で構成された加温箱で被覆した請求項1、2又は3に記載の溶融ポリマーフィルター装置。
【請求項5】
前記溶融ポリマーがポリトリメチレンテレフタレート又はポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする共重合ポリマーである請求項1〜4のいずれかに記載の溶融ポリマーフィルター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−161222(P2006−161222A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355671(P2004−355671)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】