説明

溶融亜鉛合金めっき鋼線

【課題】優れた耐食性と加工性を兼ね備えた溶融亜鉛合金めっき鋼線を提供する。
【解決手段】平均組成が質量%で、Al:4〜20%、Mg:0.1〜1.0%を含み、残部がZn及び不可避不純物からなる溶融めっき層を有し、前記溶融めっき層中に鋼線の軸方向の長さLとクロス方向の長さCとのアスペクト比L/Cを2.0以上とするα相を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に暴露して使用される、特に海水などに曝される高腐食環境下の養殖設備や構造物に使用される加工性と耐食性を高めた溶融亜鉛合金めっき鋼線に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼線に耐食性を付与する方法として一般に溶融亜鉛めっきが行われているが、さらに耐食性を改善した溶融ZnAl合金めっきしたZnAl合金めっき鋼線が種々の腐食環境に用いられている。しかし、ZnAl合金めっき鋼線といえどもその耐食性には限りがあり、海水などに浸漬される湿潤な高腐食環境下で使用される場合には寿命が短い。このため、溶融ZnAl合金めっき鋼線よりも更に耐食性に優れたものとして、さらにマグネシウムを含む溶融ZnAlMg合金めっき鋼線が河川護岸工事用のかごマットなどに用いられている。このように耐食性を更に改善した溶融ZnAlMg合金めっき鋼線は、例えば特許文献1〜3においてそれぞれ提案されている。
【特許文献1】特許第3854468号公報
【特許文献2】特許第3857882号公報
【特許文献3】特許第3599680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1〜3の溶融ZnAlMg合金めっきは、溶融亜鉛めっきや溶融ZnAl合金めっきに比べてFe−Zn合金層が硬いために加工性に劣るという欠点がある。すなわち、めっき後に伸線加工や圧延加工や曲げ加工を実施すると、合金層に微細なひび割れが発生し、これが成長して亀裂や剥離となって防食被覆層としての機能が損なわれる。
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、優れた耐食性と加工性を兼ね備えた溶融亜鉛合金めっき鋼線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る溶融亜鉛合金めっき鋼線は、平均組成が質量%で、Al:4〜20%、Mg:0.1〜1.0%を含み、残部がZn及び不可避不純物からなる溶融めっき層を有し、前記溶融めっき層中に鋼線の軸方向(伸線加工方向)の長さLとクロス方向の長さCとのアスペクト比L/Cを2.0以上とするα相を含むことを特徴とする。
【0006】
溶融めっき層中のα相のアスペクト比L/Cを2.0以上とすることにより加工性が向上し、めっき層に亀裂や剥離を生じなくなる。このように細長い形状のα相は、総減面率の大きな減面加工として伸線加工や冷間圧延加工あるいはスキンパス(調質圧延)を行うことにより形成される。真歪εが増大するにしたがってα相のアスペクト比L/Cも増大していき、例えば真歪εが0.40以上の減面加工を行うと、α相のアスペクト比L/Cがほぼ2.0以上になる(図4)。
【0007】
さらに、上記のめっき鋼線において、溶融めっき層と鋼線との間に形成されるFe−Zn合金層の平均厚みを10μm以下とすることが好ましい。Fe−Zn合金層の平均厚みを10μm以下に調整するためには、鋼線のめっき浴への浸漬時間、めっき浴の温度、めっき浴の組成をそれぞれ所望の範囲に制御する。特に、Fe−Zn合金層の厚みは、鋼線のめっき浴への浸漬時間に強い依存性がある。従って、この浸漬時間を高精度にコントロールすることによりFe−Zn合金層の厚みを所望値に調整することが可能となる。Fe−Zn合金層の平均厚みを10μm以下にすると、加工性が大幅に向上する(図8)。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、めっき層中のα相のアスペクト比(L/C)を2.0以上の細長い形状に制御することにより、従来品では亀裂や剥離を生じていた自己径ワイヤの巻き付け試験に合格する程度、すなわち巻き付け試験後のめっき表面が図5の(a)と同等の優れた加工性を得ることができる。本発明では、たとえ合金層に亀裂を生じたとしても、めっき層中のアスペクト比2.0以上の細長いα相によって亀裂の進展が阻止されるため、その亀裂がめっき層中を伝播することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の溶融亜鉛合金めっき鋼線は、平均組成が質量%で、Al:4〜20%、Mg:0.1〜1.0%を含み、残部がZn及び不可避不純物からなる溶融めっき層を有し、この溶融めっき層中には鋼線の長手軸方向(伸線加工方向)の長さLとクロス方向の長さCとのアスペクト比L/Cを2.0以上とするα相が含まれていることを特徴とする。
【0010】
以下、本発明の各構成要素の限定理由を述べる。
【0011】
1)Al:4〜20質量%
Alは、耐食性を高める効果がある。また、Alはめっき層中の他の元素の酸化防止効果がある。Al量が4質量%未満では、めっき浴中におけるMgの酸化防止効果が得られない。一方、Al量が20質量%を超えると、めっき層が硬く脆くなり、加工性が劣化する。よって、本発明ではAl量を4質量%以上、20質量%以下の範囲とする。
【0012】
2)Mg:0.1〜1.0質量%
Mgは、均一な腐食生成物の成長を促進させて局部的な腐食の進行を防止する耐食性向上効果を有する重要な元素である。Mg量が0.1質量%未満になると耐食性が低下する。さらにMg量が不足すると耐食性が著しく低下して、例えば護岸用かごマット設備において要求される基本的な耐食性レベルを満たすことができない。
【0013】
一方、Mg量が1.0質量%を超えると、Fe−Zn合金層が著しく硬化して加工性が低下する。例えば、伸線加工や冷間圧延加工時にFe−Zn合金層に亀裂や剥離が発生する。よって、本発明ではMg量を0.1質量%以上、1.0質量%以下の範囲とする。
【0014】
3)その他の添加元素
Al,Mg以外の他の添加元素として、Ti,Li,Be,Na,K,Ca,Cu,La,Hf,Mo,W,Nb,Ta,Pb,Bi,Sr,V,Cr,Mn,Snなどの種々の元素を添加することができる。
【0015】
耐食性を向上させる効果がある元素としてはLi,Be,Na,K,Ca,Cu,La,Hfなどがある。これらのうち1種又は2種以上の元素を0.01〜1.0%添加することにより耐食性が向上する。
【0016】
Sr,V,Cr,Mn,Snは、加工性を向上させる効果がある。Sr等を0.5%超えて添加すると、偏析が顕著となり、めっき鋼材を加工する際に割れやすくなる。よって、Sr等を添加する場合は0.5%以下とする。
【0017】
4)不可避不純物
不可避不純物は、めっきライン中の種々の要素から、特にめっき浴からめっき層中に不可避的に混入してくる。不可避不純物には、耐食性に有害なもの、加工性に有害なもの、その効果が不明なものなど種々のものが混在しているが、C,P,S,O,Nなどがある。
【0018】
5)α相のアスペクト比L/C:2.0以上
α相は、Al濃度が高いAlリッチZnAl合金相である。α相は凝固過程において初晶として晶出するものである。このα相はMgをほとんど含まない。これに対して、β相は、Al濃度が低いか又はAlをほとんど含まないZn単相またはZnMg合金相である。
【0019】
本発明では加工性を向上させるために、図1に示すように、α相において鋼線の軸に直交するクロス方向の長さCに対する鋼線の軸方向の長さLのアスペクト比L/Cを2.0以上とする必要がある。α相のアスペクト比L/Cを2.0以上とすることにより、伸線加工時にFe−Zn合金層に亀裂や剥離を生じなくなる。このように細長い形状のα相は、総減面率の大きな減面加工、すなわち伸線加工や冷間圧延加工あるいはスキンパス(調質圧延)を行うことにより形成される。
【0020】
総減面率の大きな減面加工では材料内部に発生する真歪εが大きい。真歪εが増大するにしたがってα相のアスペクト比L/Cも増大していき、例えば図4に示すように、真歪εが0.40以上の減面加工を行うと、アスペクト比L/Cが2.5〜2.8程度となるα相を得ることができる。同図4から、2.0以上のアスペクト比L/Cを得るためには少なくとも0.40以上の真歪εが必要になることが分かる。
【0021】
6)Fe−Zn合金層の厚み:10μm以下
Fe−Zn合金層の厚みは10μm以下とすることが好ましい。Fe−Zn合金層の厚みを10μm以下に調整するためには、鋼線のめっき浴への浸漬時間、めっき浴の温度、めっき浴の組成をそれぞれ所望の範囲に制御する必要がある。このうち特に、鋼線のめっき浴への浸漬時間が重要である。鋼線のめっき浴への浸漬時間は、例えば3秒以上、60秒以下の範囲とすることが望ましい(めっき浴温度;450℃、めっき浴組成;Mg=0.1〜1.0%、Al=4〜20%、残部Zn)。浸漬時間が60秒を超えると、Fe−Zn合金層の厚みが10μmを超えて厚くなりすぎるからである。図8に示すように、Fe−Zn合金層の平均厚みを10μm以下にするとめっき鋼線の加工性が大幅に向上する。なお、加工性の評価は後述する同径鋼線の巻付試験により評価した。
【0022】
7)めっき付着量
伸線後の単位面積当たりの平均めっき付着量は、素線径φ1.91mmの場合で換算した値として、150〜400g/m2の範囲とすることが望ましい。平均めっき付着量が150g/m2を下回ると、基本特性である耐食性が損なわれる。一方、平均めっき付着量が400g/m2を上回ると、純めっき層が引張応力に耐えられず、めっき表面に亀裂が発生する等の不都合を生じる。
【実施例】
【0023】
以下、図2を参照して本発明のめっき鋼線を製造するための方法を説明する。
【0024】
先ず、JIS G3506に規定された硬鋼線を準備する(工程S1)。準備した鋼線の直径はφ5.0mm、SWRH72A(平均組成:0.72%C-0.25%Si-0.45%Mn)である。
【0025】
この鋼線を伸線加工または冷間圧延により、初期径φ5.0mmから仕上径3.6mmまでに減面加工した(工程S2)。なお、この工程S2の加工は、本発明において任意であり、工程S2を省略して工程S1から次の工程S3を実施してもよい。
【0026】
次に、減面加工した鋼線をめっき処理する。めっき処理には二段めっき法を用いる。二段めっき法では、先ず前記鋼線を溶融亜鉛めっき浴または5質量%以下の濃度でAlを含む溶融亜鉛アルミニウムめっき浴に浸漬通過させて下地めっき層を形成した(工程S3)。めっき浴温度を約450℃とし、鋼線のめっき浴への浸漬時間を3秒以上、60秒以下の範囲に制御した。
【0027】
引き続き前記下地めっきした鋼線を、0.1〜1.0質量%のMgおよび4〜20質量%のAlを含む溶融亜鉛アルミニウム・マグネシウム浴に浸漬通過させてZnAlMg合金めっき層を形成した(工程S4)。めっき浴組成をMg:0.5%、Al:9.5%、残部Znとし、めっき浴温度を約450℃とし、鋼線のめっき浴への浸漬時間を3秒以上、60秒以下の範囲に制御した。これによりZn-11%Al-0.5%Mgの組成のめっき層が下地めっき層の上に形成した。なお、平均めっき付着量を495g/m2とした。
【0028】
このような二段めっき法(工程S3〜S4)によるめっき処理を鋼線に施すことにより、最終的なFe−Zn合金層の厚さを10μm以下に抑えることができた。
【0029】
次いで、溶融ZnAlMg合金めっきした鋼線を、伸線加工するか、または冷間圧延するか、またはスキンパスした(工程S5)。溶融ZnAlMg合金めっき鋼線を伸線加工、冷間圧延またはスキンパスにより、総減面率が真歪εで0.4以上となるように減面加工した。このような減面加工により、α相のアスペクト比L/Cを2.0以上に制御した。なお、伸線加工は、乾式または湿式のいずれで行ってもよい。
【0030】
次に、種々の実施例を比較例と参照しながら説明する。
【0031】
<α相アスペクト比L/C測定およびめっき層組織>
図3を参照して実施例A,Bおよび比較例C,Dのサンプルめっき層の組織について説明する。
【0032】
実施例および比較例のサンプルは次のようにしてそれぞれ作製した。
【0033】
実施例A:冷間伸線5.0mm→3.6mm、めっき後3.72mm、伸線加工3.72mm→2.34mm、ε=0.93
実施例B:冷間伸線5.0mm→3.6mm、めっき後3.72mm、伸線加工3.72mm→2.95mm、ε=0.46
比較例C:冷間伸線5.0mm→3.6mm、めっき後3.72mm、伸線加工3.72mm→3.30mm、ε=0.24
比較例D:冷間伸線5.0mm→3.6mm、めっき後3.72mm、伸線加工なし、ε=0
めっき層の金属組織は、走査型電子顕微鏡(SEM)で3視野以上を観察した。
【0034】
図3の(a)に、実施例Aのサンプルめっき層の組織を示す。
【0035】
図3の(b)に、実施例Bのサンプルめっき層の組織を示す。
【0036】
図3の(c)に、比較例Cのサンプルめっき層の組織を示す。
【0037】
図3の(d)に、比較例Dのサンプルめっき層の組織を示す。
【0038】
実施例A,Bの各サンプルではα相のアスペクト比L/Cが2.0以上であった。
【0039】
比較例C,Dのサンプルではα相のアスペクト比L/Cが2.0以下であった。
【0040】
また、SEMの各視野から任意にα相の粒を10個選択してアスペクト比L/Cを測定し、その平均値を求めた。求めた平均アスペクト比L/Cと真歪εとの関係を図4にプロットした。
【0041】
図4は、横軸に真歪εをとり、縦軸にα相のアスペクト比L/Cをとって、伸線加工の総減面率とアスペクト比との関係を示す特性図である。Zn-11.4%Al-0.32%Mgめっき層について測定した。この図から明らかなように、真歪εが0.40以上の範囲ではα相の平均アスペクト比L/Cが2.0を超えることを確認した。
【0042】
<加工性の評価方法>
次に図5を参照して溶融めっき層を評価する方法について説明する。
巻付け試験法を用いてめっき層の加工性を評価した。巻付け試験法は、適当な長さ(例えば30cm)に切断しためっきワイヤの外周に同径のめっきワイヤを8周巻き付け、巻き付けワイヤの外観を図5の(a)〜(d)に示すように4段階に分けて点数を付け、加点評価することにより行った。
【0043】
<評価結果>
図5の(a)に示すように、サンプル全体にわたって光学顕微鏡で観察できる亀裂が確認されないものを3点(最高評点)とした。
【0044】
図5の(b)に示すように、サンプル全体で10箇所以下の亀裂が光学顕微鏡で確認できるものを2点とした。
【0045】
図5の(c)に示すように、サンプル全体で10箇所を超える亀裂が光学顕微鏡で確認できるものを1点とした。
【0046】
図5の(d)に示すように、サンプル全体で1箇所以上の地鉄(母材)が(肉眼で)見える大きな亀裂又は剥離が認められるものを0点(評点なし)とした。
【0047】
図6は、横軸にα相のアスペクト比L/Cをとり、縦軸に巻付け試験結果(点数)をとって、Zn-11.4%Al-0.32%Mgめっき層の結果を示す特性図である。
【0048】
図7は、横軸にα相のアスペクト比L/Cをとり、縦軸に巻付け試験結果(点数)をとって、Zn-11.5%Al-0.31%Mgめっき層の結果を示す特性図である。Fe-Zn合金層の厚みを10μm超えとした比較例であり、α相のアスペクト比L/Cが2以上であっても巻き付け試験の評点が悪いことが分かる。
【0049】
図8は、横軸に合金層厚み(μm)をとり、縦軸に巻付け試験結果(点数)をとって、Zn-11.5%Al-0.31%Mgめっき層(真歪ε=0.46)の結果を示す特性図である。
【0050】
表1にMg含有量を種々変えた実施例1〜5および比較例1,2における伸線加工性についてそれぞれ調べた結果を示した。
【0051】
実施例1〜5では、めっき層に亀裂を生じることなく伸線加工することができた。
【0052】
比較例1(Mg:1.95%)では、伸線加工中にダイス内でめっき層または合金層に亀裂が発生し、健全な状態に伸線することができなかった。
【0053】
比較例2(Mg:1.10%)では、伸線加工すること自体は可能であるが、全体としてはやや不良となる。
【表1】

【0054】
<腐食試験方法>
JIS Z2371に規定された塩水噴霧試験を用いてめっき層の耐食性を評価した。
【0055】
<評価結果>
図9は、横軸にMg量をとり、縦軸に腐食試験結果(g/m2)をとって、Mg量を種々変えたZn-11%Al-xMgめっき層の結果を示す特性図である。供試材として初期径3.2mmから仕上径2.14mmまで段階的に伸線した鋼線を用いた。この図から明らかなようにMg量が増加するにしたがって耐食性が向上することが分かる。
【0056】
図10は、横軸に真歪εをとり、縦軸に腐食試験結果(g/m2)をとって、Zn-14.8%Al-0.59%Mgめっき層の結果を示す特性図である。図中にて特性プロット線Aは溶融Zn-14.8Al-0.59Mgめっき(実施例)の結果を、特性プロット線Bは溶融ZnAlめっき(比較例)の結果を、特性プロット線Cは溶融亜鉛めっき(比較例)の結果を示した。図から明らかなように、溶融ZnAlMgめっきのほうが溶融ZnAlめっきや溶融亜鉛めっきよりも耐食性に優れていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の溶融亜鉛合金めっき鋼線は、金網用ワイヤ、養殖用ワイヤ、コンクリート補強用ファイバー、橋梁用ワイヤ、PWSワイヤ、PC鋼線、ロープ、スプリングなど広範な分野にわたり様々な用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】α相のアスペクト比L/Cを説明するためにα相を模式的に示す図。
【図2】本発明の溶融亜鉛合金めっき鋼線の製造方法を示す工程図。
【図3】(a)〜(d)は伸線加工後の純めっき層組織をそれぞれ示すSEM写真。
【図4】Zn-Al-Mg合金めっき層におけるα相のアスペクト比L/Cと真歪εとの相関を示す特性線図。
【図5】(a)は巻付け試験の評価点が3点のサンプルを示す外観写真、(b)は巻付け試験の評価点が2点のサンプルを示す外観写真、(c)は巻付け試験の評価点が1点のサンプルを示す外観写真、(d)は巻付け試験の評価点が0点のサンプルを示す外観写真。
【図6】図4と同じ成分系のZn-Al-Mg合金めっき層におけるα相のアスペクト比L/Cと巻付け試験結果との関係を示す特性線図。
【図7】他の成分系のZn-Al-Mg合金めっき層におけるα相のアスペクト比L/Cと巻付け試験結果との関係を示す特性線図。
【図8】図7と同じ成分系のZn-Al-Mg合金めっき層における合金層厚みと巻付け試験結果との関係を示す特性線図。
【図9】合金めっき層のMg含有量と腐食減量との関係を示す特性線図。
【図10】Znめっき層、ZnAl合金めっき層、ZnAlMg合金めっき層を対比して真歪εと腐食減量との相関を示す特性線図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均組成が質量%で、Al:4〜20%、Mg:0.10〜1.00%を含み、残部がZn及び不可避不純物からなる溶融めっき層を有し、前記溶融めっき層中に鋼線の軸方向の長さLとクロス方向の長さCとのアスペクト比L/Cを2.0以上とするα相を含むことを特徴とする溶融亜鉛合金めっき鋼線。
【請求項2】
前記溶融めっき層と鋼線との間に形成されるFe−Zn合金層の平均厚みを10μm以下としたことを特徴とする請求項1記載の溶融亜鉛合金めっき鋼線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−24210(P2009−24210A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187518(P2007−187518)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】