説明

溶鉄の製造方法

【課題】回転炉床炉と鉄浴式溶解炉とを備えた溶鉄製造プロセスにおいて、回転炉床炉および鉄浴式溶解炉の操業をより安定化しつつ、燃料原単位をさらに低減できる溶鉄の製造方法を提供する。
【解決手段】回転炉床炉14の炉床上に床敷炭材Hを装入し、この床敷炭材Hの上に粉状鉄鉱石Aと粉状石炭Bとを含む炭材内装ペレットDを載置し、回転炉床炉14内で前記炉床を移動させて炭材内装ペレットDを加熱還元して金属化率92%以上、炭素含有量10質量%以下の固体還元鉄Fとなすとともに、床敷炭材Hを加熱乾留してチャーGとする。ついで、鉄浴式溶解炉16に、これら固体還元鉄FおよびチャーGを実質的に冷却することなく装入するとともに、酸素ガスを吹き込み、固体還元鉄Fを溶解して溶鉄Kを得る。鉄浴式溶解炉16の排ガスMの少なくとも一部は、冷却除塵後、回転炉床炉14の燃料ガスとして使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶鉄の製造方法に関し、詳しくは、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを備えた溶鉄製造プロセスにて、鉄鉱石などの酸化鉄源を石炭などの炭素質還元剤とともに加熱還元し、鉄分純度の高い溶鉄を効率よく製造し得るように改善された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、回転炉床炉(移動炉床式還元炉)と溶解炉(鉄浴式溶解炉)を備えた溶鉄製造プロセスにおいて、酸化鉄と炭素質還元剤を含む成形体を回転炉床炉で加熱還元して金属化率60%以上の固体還元鉄とした後、この固体還元鉄を溶解炉へ送り、燃料として供給される炭材を酸素で燃焼させて該溶解炉内における二次燃焼率を40%以下に制御しつつ、前記固体還元鉄を溶解させて鉄溶湯を得る溶鉄の製造方法を開発した。そして、溶解炉に燃料として供給する炭材の一部または全部を回転炉床炉の炉床上に床敷炭材として供給し得ることを示唆した(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記床敷炭材を用いる方法については、定性的な作用効果を示唆するにとどまっており、回転炉床炉および溶解炉の操業をより安定化しつつ燃料原単位をさらに低減化するための具体的な操業条件は未確定であり、改善の余地があった。
【0004】
いっぽう、本出願人は、回転炉床炉の炉床上に粉粒状の雰囲気調整用の床敷炭材を敷いたのち、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む原料を供給し、炉内で加熱し、還元・溶融して金属鉄を製造するプロセスにおいて、回転炉床炉から排出された床敷炭材を回転炉床炉にリサイクルして使用することにより、粉粒状の床敷炭材が煎餅状に固結する現象を防止する方法を提案した(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、上記プロセスは溶解炉を有せず、回転炉床炉のみで金属鉄を製造するプロセスであり、床敷炭材に要求される物理・化学性状やそのリサイクルの条件等は、上記特許文献1に記載の回転炉床炉と溶解炉を備えた溶鉄製造プロセスにそのまま適用できるものではない。
【特許文献1】特開2004−176170号公報(特許請求の範囲、[0039]〜[0042])
【特許文献2】特開2003−213312号公報(特許請求の範囲、図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを備えた溶鉄製造プロセスにおいて、移動炉床式還元炉および鉄浴式溶解炉の操業をより安定化しつつ、燃料原単位をさらに低減できる溶鉄の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを備えた溶鉄製造プロセスを用いて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄の製造方法である。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
(2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して金属化率92%以上の固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
(3)前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に装入する溶解炉装入工程
(4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記(4)の工程のあとに、下記(5)の工程を設けた請求項1に記載の溶鉄の製造方法である。
(5)前記鉄浴式溶解炉の排ガスの少なくとも一部を前記移動炉床式還元炉の燃料ガスとして使用する溶解炉排ガス循環工程。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記(2)の工程において、前記固体還元鉄の炭素含有量を10質量%以下とする請求項1または2に記載の溶鉄の製造方法である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記(4)の工程において、二次燃焼率40%以下の条件下で溶解を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0011】
ここに、「二次燃焼率」とは、溶解炉からの排出ガス(溶解炉の排ガス)を連続的にサンプリングし、得られるガス成分の分析値から下記式によって算出される値である。
二次燃焼率=100×(CO+HO)/(CO+CO+H+HO)
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記炉床上に装入された前記床敷炭材の厚みを1〜10mmとする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記床敷炭材の平均粒径を1〜5mmとする請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記床敷炭材のギーセラ最高流動度MFをlogMF≦2とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0015】
ここに、ギーセラ最高流動度MFはJIS M8801に基づいて測定した値である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記床敷炭材の揮発分を、乾量基準で10質量%以上とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記床敷炭材の揮発分を、乾量基準で50質量%以下とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、前記(3)の工程において、別の炭材を追加して前記鉄浴式溶解炉に装入する請求項1〜9のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0019】
請求項11に記載の発明は、前記鉄浴式溶解炉に装入する全炭材(ただし、前記固体還元鉄中の含有炭素は除く)の平均揮発分を、乾量基準で15質量%以下とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0020】
請求項12に記載の発明は、前記(2)および(3)の工程の間に、下記(6)の工程を設けた請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
(6)前記固体還元鉄およびチャーを熱いまま一緒に成形する熱間成形工程。
【0021】
請求項13に記載の発明は、前記(3)の工程において、前記固体還元鉄およびチャーの温度を500〜1100℃とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
【0022】
請求項14に記載の発明は、前記(3)の工程に代えて、下記(7)〜(9)の工程を設けた請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法である。
(7)前記移動炉床式還元炉から前記固体還元鉄およびチャーを一緒に取り出した後、熱いまま粗粒と細粒とに分級する熱間分級工程
(8)前記粗粒を前記鉄浴式溶解炉に重力により装入する粗粒装入工程
(9)前記細粒を前記鉄浴式溶解炉にインジェクションにより装入する細粒インジェクション工程。
【0023】
請求項15に記載の発明は、前記(8)の工程において、前記粗粒の温度を500〜1100℃とする請求項14に記載の溶鉄の製造方法である。
【発明の効果】
【0024】
上記本発明によれば、床敷炭材を用いたことによって炉床がより確実に保護されて炉床剥離などのトラブルが回避され、より長期的な移動炉床式還元炉の連続操業が可能となる。また、床敷炭材が移動炉床式還元炉内で加熱されて脱揮された揮発分は、鉄浴式溶解炉の排ガスの少なくとも一部とともに、移動炉床式還元炉の燃料として有効に利用され、移動炉床式還元炉の燃料消費量を低減できる。さらに、脱揮後のチャーは揮発分を含まないので、鉄浴式溶解炉内での揮発分の燃焼による耐火物損傷が防止され、鉄浴式溶解炉の耐火物寿命が延長される。また、床敷炭材を用いたことにより、移動炉床式還元炉内における固体還元鉄の再酸化が防止されて、92%以上という高い金属化率が達成され、鉄浴式溶解炉における炭材消費量が大幅に減少する。
【0025】
この結果、移動炉床式還元炉および鉄浴式溶解炉の操業をより安定化しつつ、燃料原単位のさらなる低減が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を示す図面を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
【0027】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態を示す溶鉄製造プロセスのフロー図であり、本溶鉄製造プロセスは、移動炉床式還元炉としての回転炉床炉14と鉄浴式溶解炉16とで構成されている。
【0028】
酸化鉄源としての鉄鉱石aおよび炭素質還元剤としての石炭bを必要に応じて別個に粉砕し、それぞれ粒径1mm未満程度の粉状とする。得られた粉状酸化鉄源としての粉状鉄鉱石Aと粉状炭素質還元剤としての粉状石炭Bを所定の割合で配合し、必要に応じて適量のバインダや適量の水分を添加し(さらには鉄浴溶解炉16で添加する造滓剤としての副原料の全部または一部をここで添加してもよい)、これらを混合機8で混合したのち、造粒機11で6〜20mm径程度の粒径に造粒して炭材内装塊成化物としての炭材内装ペレットDとする。なお、石炭(炭素質還元剤)bの揮発分は、高すぎると炭材内装ペレットDが回転炉床炉14内で加熱された際に爆裂を起こしやすくなるので、30質量%以下程度とするのが望ましい。
【0029】
この炭材内装ペレットDは、回転炉床炉14内でのバースティング(爆裂)を防止するため、乾燥機13で水分量1質量%程度以下となるまで乾燥しておくことが好ましい(特開平11−193423号公報の特許請求の範囲参照)。
【0030】
(1)還元炉装入工程
ついで、図2(a)に模式的に示すように、回転炉床炉14の炉床32上に床敷炭材Eとして例えば石炭を所定の厚みになるように装入し、この床敷炭材Eの上に炭材内装ペレットDを2層以下の厚さに載置する。
【0031】
炉床32上に装入された床敷炭材Eの厚みは1〜10mmとするのが好ましい。1mm未満では床敷炭材Eの厚みが薄すぎて炉床32の表面全体を確実に覆うことが困難になることに加え、再酸化防止効果が不十分となるおそれがあるためであり、いっぽう10mmを超えると炉床32の表面を介して炭材内装ペレットDをその下面から加熱する効果が少なくなることに加え、鉄浴式溶解炉16に装入される炭材量が過剰となり、燃料原単位が上昇するおそれが高いためである。より好ましい床敷炭材Eの厚みは2〜5mmである。
【0032】
床敷炭材Eの平均粒径は1〜5mmとするのが好ましい。1mm未満では回転炉床炉14装入時および鉄浴式溶解炉16装入時に飛散しやすくなるので、炭材歩留りが低下するためであり、いっぽう5mmを超えると上記床敷炭材Eの厚みの好ましい上限に近づき床敷炭材Eを均一な厚さに敷くことが困難となるうえ、炭材粒子間の隙間が大きくなってその隙間に炭材内装ペレットDが嵌まり込むので、炭材内装ペレットDを床敷炭材Eの層上に均一に敷き詰めることが困難となり、生産性や金属化率の低下を来たすおそれが高まるためである。より好ましい床敷炭材Dの平均粒径は2〜4mmである。
【0033】
なお、石炭bを粉砕したのち、所定の粒径(たとえば1mmの篩目)で篩い分けて、その篩下を粉状炭素質還元剤Bに、篩上を床敷き炭材Eとしてもよい。
【0034】
床敷炭材Eのギーセラ最高流動度MFはlogMF≦2とするのが好ましい。logMFが2を超えると回転炉床炉14内で加熱された際における炭材粒子の軟化溶融の度合いが過剰となり炉床32上に付着物が形成されやすくなるためである。より好ましい床敷炭材Eのギーセラ最高流動度MFはlogMF≦1である。
【0035】
床敷炭材Eの揮発分は、乾量基準で10質量%以上とするのが好ましい。揮発分が少ない無煙炭等の石炭は組織が緻密で見掛け密度が高く、揮発分が少ないにもかかわらずバースティングを起こし粉化しやすいためである。
【0036】
床敷炭材Eの揮発分は、乾量基準で50質量%以下、さらには40質量%以下とするのが好ましい。床敷炭材E中の揮発分は回転炉床炉14内で加熱されてほぼ完全に脱揮され、回転炉床炉14内で燃料ガスとして利用できるが、揮発分が多すぎると、回転炉床炉14内の還元初期段階で、床敷炭材から必要量以上の可燃性ガスが発生し、消費しきれない可燃性ガスが回転炉床炉14の排ガス中に残存したまま排出されるので、エネルギ効率が低下するためである。また、揮発分が多すぎると、加熱による揮発分の脱揮によって炭材が軽量化し、回転炉床炉14から排出される際に飛散しやすくなって、炭材の歩留が低下するためである。さらに、床敷炭材Eは回転炉床炉14に装入する前に乾燥しておくのが望ましいが、褐炭のように揮発分が50質量%程度ないしそれを超える炭材を乾燥させると多孔質となり発火しやすくなるためハンドリングが難しくなるためである。
【0037】
なお、上記好ましい揮発分量を有する床敷炭材としては、単銘柄である必要はなく、2種類以上の揮発分量の異なる炭材を適宜混合して用いるようにしてもよい。混合する炭材には、別プロセスで熱処理済みのもの、たとえばコークス粉、石油コークスなどを用いてもよい。
【0038】
(2)還元工程
このようにして炉床32上に層状に載置された炭材内装ペレットDと床敷炭材Eを、1100〜1450℃、より好ましくは1250〜1450℃の雰囲気温度に加熱された回転炉床炉14内を6min以上、より好ましくは8min以上の滞留時間で通過させる。これにより、炭材内装ペレットDは回転炉床炉14内で加熱されて、炭材内装ペレットD中の酸化鉄が炭素質還元剤で還元されて金属化し、固体還元鉄Fとなるが、このようにして得られる固体還元鉄Fの金属化率は92%以上、炭素含有量は好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とする。いっぽう、床敷炭材Eは回転炉床炉14内で加熱されて揮発分が脱揮され(乾留され)チャーGとなる。脱揮された揮発分は、回転炉床炉14内で燃焼し、燃料として有効に利用される。
【0039】
雰囲気温度が1350℃以上の場合、炭材内装ペレットDは還元が終わると炉床上32で溶解し、鉄分とスラグ成分の分離が生じる。溶解したままでは回転炉床炉14から排出しにくいので、回転炉床炉14内で冷却し固化してから排出することになる。この場合の固体還元鉄Fは粒鉄と固体スラグの混合物となる。しかしながら、回転炉床炉14でいったん溶解したものを冷却固化し鉄浴溶解炉16で再度溶解することは、プロセス全体の生産性とエネルギ効率の観点からは好ましくない。したがって、プロセス全体の生産性とエネルギ効率をより向上するため、回転炉床炉14における還元中の雰囲気温度を1350℃以上にして回転炉床炉14での生産性を高めつつ、炭材内装ペレットDが炉床上で溶解する前に回転炉床炉14から排出し、鉄浴溶解炉16で溶解することが望ましい。
【0040】
なお、万一炉床32上で炭材内装ペレットDが溶解してしまった場合に溶融鉄や溶融スラグが炉床耐火物を損傷させるのを防止するため、図2(b)に示すように、炉床32と床敷炭材Eの間に溶融物の浸透を防ぐ微粒の炭材である炉床保護用炭材Pの層を設けることも有効である。
【0041】
ここで、固体還元鉄Fの金属化率を92%以上、炭素含有量を好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下としたのは以下の理由による。
【0042】
まず、金属化率を92%以上とした理由について述べる。すなわち、固体還元鉄Fの金属化率が高くなるほど、鉄浴式溶解炉16において固体還元鉄F中に残存する酸化鉄(FeOなど)を金属化するのに必要な炭素量が少なくてよく、鉄浴式溶解炉16全体の炭材消費量が低減できるので、金属化率はできるだけ高くするのが望ましい(特許文献1の図2、図3参照)。しかしながら、従来、床敷炭材を用いないで回転炉床炉により炭材内装ペレットを還元すると、固体還元鉄が回転炉床炉内の酸化性雰囲気によって再酸化してしまうため、図3(a)に示すように、安定的に90%以上の金属化率を得ることは非常に困難であった。これに対し、床敷炭材Eを用いると、上記酸化性雰囲気中の酸化性ガス成分COおよびHOが、床敷炭材Eから生じたチャーGによって、CO+C→2COおよびHO+C→H+COの反応により還元性ガス成分に改質され、固体還元鉄Fの再酸化が抑制ないし防止されるので、図3(b)に示すように、92%以上の金属化率が容易に得られ、操業条件によっては94%以上の金属化率も達成可能である。よって、固体還元鉄Fの金属化率は92%以上とした。より好ましい固体還元鉄Fの金属化率は94%以上である。
【0043】
つぎに、炭素含有量を好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とした理由について述べる。すなわち、固体還元鉄F中の炭素含有量が高いほど、鉄浴式溶解炉16内において、固体還元鉄F中に残存する酸化鉄(FeOなど)を金属化するのに必要な炭素量を賄ったうえ、残りの炭素量が、固体還元鉄が溶解されてできた溶鉄への加炭に利用されるので、鉄浴式溶解炉16における炭材消費量の観点からは炭素含有量は高いほど好ましい。しかしながら、図4に示すように、炭素含有量(残留炭素量)が高くなるほど固体還元鉄Fの圧潰強度が低下して、回転炉床炉14からの排出時や鉄浴式溶解炉への装入時等に粉化されやすくなり、ダストロスが増加するので、鉄歩留および炭素歩留の観点からは炭素含有量は低いほど好ましい。よって、固体還元鉄Fの炭素含有量の上限は、圧潰強度が過度に低下しない範囲で、かつ、できるだけ炭素含有量の高い、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とした。なお、固体還元鉄Fの炭素含有量の好ましい下限は、金属化率92%の場合、固体還元鉄F中に残存する酸化鉄(FeOなど)を金属化するのに必要な1.5質量%程度である。
【0044】
なお、炭材内装ペレットDに内装する粉状炭素質還元剤Bとして流動性を有する石炭を使用すると、固体還元鉄Fの強度を維持しながら炭素含有量を10質量%程度まで高めることができる。しかしながら、流動性を有する石炭は、資源的にも豊富とはいえず一般に高価であるため、流動性を有しない石炭を使用し、固体還元鉄F中の炭素含有量を5質量%以下にする製法を採用するのが望ましい。
【0045】
このような固体還元鉄Fの金属化率および炭素含有量は、炭材内装ペレットD中の鉄鉱石(酸化鉄源)aと石炭(炭素質還元剤)bとの配合割合、床敷炭材Eの厚みおよび平均粒径、回転炉床炉14の雰囲気温度、回転炉床炉14内における炭材内装ペレットDの滞留時間などを適宜調整することにより得られる。
【0046】
(3)溶解炉装入工程
このようにして得られた固体還元鉄FおよびチャーGを回転炉床炉14から、例えば排出スクリュ(図示せず)により一緒に取り出す。排出した固体還元鉄FおよびチャーGは、たとえば一旦、中間ホッパ(図示せず)に保持した後、これらを熱いまま一緒に(篩い分けることなく)断続的に(バッチ的に)切り出し、たとえば重力を利用して鉄浴式溶解炉16に落とし込みにより装入する。固体還元鉄FおよびチャーGを熱いまま(加熱・高温状態のまま)、言い換えると、実質的に冷却することなく装入することにより、固体顕熱を有効に回収でき、鉄浴式溶解炉16の炭材消費量を低減できる。また、固体還元鉄FおよびチャーGを断続的(バッチ的に)に切り出し、鉄浴式溶解炉16へ短時間にまとめて落とし込むことにより、チャーGなどの微粉の飛散割合を低減できる。
ここで、固体還元鉄FおよびチャーGを実質的に冷却することなく鉄浴式溶解炉16に装入する温度とは、上記中間ホッパから排出した固体還元鉄FおよびチャーGを鉄浴式溶解炉16に装入した際、炉内に熱的な負荷をかけることなく装入できる温度のことであり、その温度は500〜1100℃である。
【0047】
また、鉄浴式溶解炉16に装入する際の固体還元鉄FおよびチャーGの温度は、以下の点からも500〜1100℃とするのが好ましい。すなわち、500℃未満では固体顕熱回収の効果が小さく、いっぽう1100℃を超えると上記排出スクリュの耐熱性等が問題となり、操業トラブルが発生しやすくなるためである。
【0048】
固体還元鉄F中の炭素含有量とチャーGのみでは、鉄浴式溶解炉で必要とされる炭材消費量を賄えない場合は、別の炭材(以下、「追加炭材」という。)Hを追加して鉄浴式溶解炉16に装入してもよい。
【0049】
鉄浴式溶解炉16に装入する全炭材(ただし、前記固体還元鉄F中の含有炭素は除く)の平均揮発分は、乾量基準で15質量%以下とするのが好ましい。追加炭材Hを装入する場合には、追加炭材Hの揮発分は、この追加炭材Hの揮発分とチャーGの揮発分(通常、ほぼ0質量%)とを加重平均して得た平均揮発分が乾量基準で15質量%以下となるように、炭種を選定するのが望ましい。平均揮発分が15質量%を超えると、鉄浴式溶解炉16内での揮発分の燃焼により気相側温度が過度に上昇し、耐火物損傷のおそれが高まるためである。
【0050】
(4)溶解工程
鉄浴式溶解炉16に酸素含有ガスとしての酸素ガスJをランスで吹き込み、炭材(チャーG、追加炭材H)を燃焼させ、固体還元鉄Fを溶解してスラグLを分離することにより溶鉄Kが得られる。
【0051】
本溶解工程においては、二次燃焼率40%以下の条件で溶解を行うことが好ましい。二次燃焼率が40%を超えると、固体還元鉄Fの金属化率92%以上では炭材消費量の低減効果がほとんど認められなくなる(たとえば、特許文献1の図2および図3参照)ことに加え、鉄浴式溶解炉16の気相側温度が過度に上昇して耐火物が損傷するおそれが高まるなど鉄浴式溶解炉16への負荷が高まるためである。二次燃焼率のより好ましい範囲は、炭材消費量が十分に低くなる20〜40%、さらに好ましい範囲は、鉄浴式溶解炉16の負荷をより軽くする20〜35%である。
【0052】
(5)溶解炉排ガス循環工程
鉄浴式溶解炉16の排ガス(溶解炉排ガス)Mは、高濃度にCOおよびH成分を含んでいるので、ガス冷却除塵装置24で冷却・除塵した後、その少なくとも一部を回転炉床炉14に送り、必要により外部燃料Nを追加して、回転炉床炉14の燃料ガスとして使用するのが望ましい。
【0053】
このようにして、本発明によれば、床敷炭材Eを用いたことにより炉床32がより確実に保護されて炉床剥離などのトラブルが回避され、より長期的な回転炉床炉14の連続操業が可能となる。また、床敷炭材Eが回転炉床炉14内で加熱されて脱揮された揮発分は、鉄浴式溶解炉16の排ガスの少なくとも一部とともに、回転炉床炉の燃料ガスとして有効に利用され、回転炉床炉14の燃料消費量を低減できる。さらに、脱揮後のチャーGは揮発分を含まないので、鉄浴式溶解炉16内での揮発分の燃焼による耐火物損傷が防止され、鉄浴式溶解炉16の耐火物寿命が延長される。また、床敷炭材Eを用いたことにより、回転炉床炉14内における固体還元鉄Fの再酸化が防止されて、92%以上という高い金属化率が達成され、鉄浴式溶解炉16における炭材消費量を大幅に低減できる。さらに、固体還元鉄Fの金属化率と床敷炭材Eの使用量や揮発分量を調整し、鉄浴式溶解炉16から発生する排ガスの全熱量を回転炉床炉14で必要かつ十分な熱量に一致させることにより、還元と溶解を含めた全体プロセスをエネルギ的に自己完結したプロセスとすることができる。
【0054】
〔実施形態2〕
還元工程(上記(2)の工程)および溶解炉装入工程(上記(3)の工程)の間に、下記(6)の工程を設けてもよい。
(6)固体還元鉄FおよびチャーGを熱いまま一緒に成形する熱間成形工程。
【0055】
具体的には、たとえば、上記中間ホッパから固体還元鉄FおよびチャーGを熱いまま一緒に切り出し、熱間成形機により加圧成形してホットブリケットアイアン(HBI)とし、このHBIを冷却することなく、たとえば500〜1100℃の温度で、鉄浴式溶解炉16に落とし込みにより装入するとよい。
【0056】
これにより、鉄浴式溶解炉16への装入時における微粉の飛散が防止され、鉄浴式溶解炉16からの排ガス中のダスト量を大幅に低減できるので、鉄歩留、炭素歩留を大幅に改善できる。
【0057】
なお、ここでの成形の目的は微粉をなくすことにあるので、成形体の形状はブリケット状に限定されるものではなく、板状、不揃いの塊状等であってもよい。また、鉄浴式溶解炉16に装入するまでのハンドリングの衝撃により再び微粉に戻らない限り、成形体の強度は不要である。
【0058】
〔実施形態3〕
溶解炉装入工程(上記(3)の工程)に代えて、下記(7)〜(9)の工程を設けてもよい。
(7)回転炉床炉14から固体還元鉄FおよびチャーGを一緒に取り出した後、熱いまま粗粒と細粒とに分級する熱間分級工程
(8)上記粗粒を鉄浴式溶解炉16に重力により装入する粗粒装入工程
(9)上記細粒を鉄浴式溶解炉16にインジェクションにより装入する細粒インジェクション工程。
【0059】
具体的には、たとえば、以下のような設備構成を採用すればよい。すなわち、回転炉床炉14の固体還元鉄FおよびチャーGの排出部に2〜5mm程度の篩目のスクリーンを設け、固体還元鉄FおよびチャーGを熱いまま篩い分けて、篩上の粗粒と篩下の細粒とを別々の中間ホッパに一旦保持する。そして、粗粒は重力を利用した落とし込みにより、たとえば500〜1100℃の温度で、鉄浴式溶解炉16の上部から装入する。いっぽう、細粒はN等の不活性ガスをキャリアガスとしてインジェクションランスや鉄浴式溶解炉16の炉側および/または炉底に設けた羽口を介して鉄浴式溶解炉16内の溶鉄中および/または溶鉄の上に形成された溶融スラグ中に吹き込む。
【0060】
これにより、微粉は溶鉄および/または溶融スラグ中に捕捉されるので、上記実施形態2と同様に、鉄浴式溶解炉16への装入時における微粉の飛散が防止され、鉄浴式溶解炉16からの排ガス中のダスト量を大幅に低減できるので、鉄歩留、炭素歩留を大幅に改善できる。
【0061】
〔変形例〕
上記実施形態では、酸化鉄源として鉄鉱石を例示したが、酸化鉄を含む高炉ダスト、ミルスケール等を併用してもよく、さらには酸化鉄とともに非鉄金属やその酸化物を含むもの、たとえば金属精錬設備から排出されるダストやスラグ等を使用することもできる。
【0062】
また、炭素質還元剤、床敷炭材、および追加炭材として石炭を例示したが、コークス、オイルコークス、木炭、木材チップ、廃プラスチック、古タイヤ等を用いることもできる。
【0063】
また、炭材内装塊成化物として炭材内装ペレットを例示し、造粒機で造粒する例を示したが、炭材内装ペレットの代わりに炭材内装ブリケットとし、加圧成形機で圧縮成形するようにしてもよい。この場合は、バインダの種類によっては成形時に水分を添加するのではなく、むしろ乾燥させた原料を使用することがある。また、加圧成形機の加圧力を増すことにより、炭材内装ブリケットの強度を高めて加熱時の爆裂を抑制できるので、30質量%以上の揮発分を含有する炭材も内装炭材として使用できるようになる。
【0064】
また、酸素含有ガスとして酸素ガスを例示したが、高温空気や、高温空気に酸素富化したものを用いてもよい。
【0065】
また、移動炉床式還元炉として回転炉床炉を例示したが、直線炉を用いてもよい。
【0066】
また、鉄浴式溶解炉のエネルギ源として炭材を酸素含有ガスで燃焼する例を示したが、電気エネルギを併用してもよい。
【0067】
また、熱間分級工程における分級手段としてスクリーンを例示したが、斜面から自由空間に落下させて粒度による到達距離の相違で分級する手段や、流動層で分級する手段などを用いることもできる。
【実施例】
【0068】
図1に示したプロセスフロー図に基づいて、表1に示す化学組成の鉄鉱石と石炭を用い、床敷炭材を用いる場合(発明例1,2)と床敷炭材を用いない場合(比較例)のそれぞれについて表2に示す条件で試験操業を行い、表2に併記する操業結果を得た。ここに、発明例1は追加炭材をまったく用いずに床敷炭材由来のチャ−のみを鉄浴溶解炉に装入する例、発明例2は床敷炭材由来のチャ−に加えて追加炭材を鉄浴溶解炉に装入する例、比較例は鉄浴溶解炉に装入する全炭材(ただし、固体還元鉄中の含有炭素は除く)を回転炉床炉を経由させずに直接、鉄浴溶解炉に装入する例である。参考として、表3に、表2の操業結果の欄に示した回転炉床炉と鉄浴溶解炉の合計石炭消費量の内訳を示す。なお、本試験操業においては、発明例1,2および比較例とも、鉄鉱石は粉砕して粒径1mm未満として用い、上記石炭は、篩い分けと粉砕の操作を組み合わせて粒度調整し、粒径1mm未満を炭素質還元剤に、1〜5mm(平均粒径2.2mm)を床敷炭材に、5mm超を追加炭材に用いた。また、炭材内装ペレットの粒径範囲は6〜20mmとし、炉床上に載置する炭材内装ペレットの層数は平均0.9層とした。
【表1】


【表2】


【表3】

【0069】
表2に示すように、床敷炭材を用いない比較例に対し、床敷炭材を用いる発明例1,2では、固体還元鉄の金属化率は85%(90%未満)から95%(92%超)へと上昇し、回転炉床炉と鉄浴式溶解炉の合計石炭消費量は溶鉄1トン当たり150kgないし187kg低減できた。
【0070】
また、比較例では回転炉床炉の炉床保護のため、定期的に炉床表面の付着物を削り取るための休転を必要としたが、発明例1,2では炉床表面への付着物の生成はほとんど認められず、このような目的の休転は実質的に不要であった。
【0071】
さらに、比較例に対し、発明例1,2では、鉄浴式溶解炉に装入する炭材(チャー+追加炭材)の平均揮発分は15.9質量%(15質量%超)から11.9質量%ないし1質量%未満(15質量%以下)に減少でき、鉄浴式溶解炉の上部鉄皮温度があきらかに低下することが認められ、熱負荷の低減効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態を示す溶鉄製造プロセスのフロー図である。
【図2】回転炉床炉の炉床付近の様子を模式的に示す断面図である。
【図3】床敷炭材の厚みと固体還元鉄の金属化率との関係を示すグラフ図である。
【図4】固体還元鉄の、炭素含有量と圧潰強度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0073】
14:移動炉床式還元炉(回転炉床炉)
16:鉄浴式溶解炉
32:炉床
A:粉状酸化鉄源(粉状鉄鉱石)
B:粉状炭素質還元剤(粉状石炭)
D:炭材内装塊成化物(炭材内装ペレット)
E:床敷炭材
F:固体還元鉄
G:チャー
H:追加炭材
J:酸素含有ガス(酸素ガス)
K:溶鉄
M:溶解炉排ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動炉床式還元炉と鉄浴式溶解炉とを備えた溶鉄製造プロセスを用いて溶鉄を製造する方法であって、下記(1)〜(4)の工程を備えたことを特徴とする溶鉄の製造方法。
(1)前記移動炉床式還元炉の炉床上に床敷炭材を装入し、この床敷炭材の上に粉状酸化鉄源と粉状炭素質還元剤とを含む炭材内装塊成化物を載置する還元炉装入工程
(2)前記移動炉床式還元炉内で前記炉床を移動させて前記炭材内装塊成化物を加熱還元して金属化率92%以上の固体還元鉄となすとともに、前記床敷炭材を加熱乾留してチャーとなす還元工程
(3)前記固体還元鉄およびチャーを実質的に冷却することなく前記鉄浴式溶解炉に装入する溶解炉装入工程
(4)前記鉄浴式溶解炉に酸素含有ガスを吹き込み、前記固体還元鉄を溶解して溶鉄となす溶解工程。
【請求項2】
前記(4)の工程のあとに、下記(5)の工程を設けた請求項1に記載の溶鉄の製造方法。
(5)前記鉄浴式溶解炉の排ガスの少なくとも一部を前記移動炉床式還元炉の燃料ガスとして使用する溶解炉排ガス循環工程。
【請求項3】
前記(2)の工程において、前記固体還元鉄の炭素含有量を10質量%以下とする請求項1または2に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項4】
前記(4)の工程において、二次燃焼率40%以下の条件下で溶解を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項5】
前記炉床上に装入された前記床敷炭材の厚みを1〜10mmとする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項6】
前記床敷炭材の平均粒径を1〜5mmとする請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項7】
前記床敷炭材のギーセラ最高流動度MFをlogMF≦2とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項8】
前記床敷炭材の揮発分を、乾量基準で10質量%以上とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項9】
前記床敷炭材の揮発分を、乾量基準で50質量%以下とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項10】
前記(3)の工程において、別の炭材を追加して前記鉄浴式溶解炉に装入する請求項1〜9のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項11】
前記鉄浴式溶解炉に装入する全炭材(ただし、前記固体還元鉄中の含有炭素は除く)の平均揮発分を、乾量基準で15質量%以下とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項12】
前記(2)および(3)の工程の間に、下記(6)の工程を設けた請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
(6)前記固体還元鉄およびチャーを熱いまま一緒に成形する熱間成形工程。
【請求項13】
前記(3)の工程において、前記固体還元鉄およびチャーの温度を500〜1100℃とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
【請求項14】
前記(3)の工程に代えて、下記(7)〜(9)の工程を設けた請求項1〜11のいずれか1項に記載の溶鉄の製造方法。
(7)前記移動炉床式還元炉から前記固体還元鉄およびチャーを一緒に取り出した後、熱いまま粗粒と細粒とに分級する熱間分級工程
(8)前記粗粒を前記鉄浴式溶解炉に重力により装入する粗粒装入工程
(9)前記細粒を前記鉄浴式溶解炉にインジェクションにより装入する細粒インジェクション工程。
【請求項15】
前記(8)の工程において、前記粗粒の温度を500〜1100℃とする請求項14に記載の溶鉄の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−152432(P2006−152432A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295302(P2005−295302)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】