説明

漂白ブースターの製造法

本発明は、漂白ブースターとして有用である化合物の製造法ならびに該方法を用いて得ることができる化合物、および該化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漂白ブースターとして有用である化合物の製造法ならびに該方法を用いて得ることができる化合物、および該化合物の使用に関する。
【0002】
酸素漂白剤、例えば過酸化水素は、典型的には衣服および種々の表面からの染みおよび汚れの除去を簡易化するために使用される。残念ながら、このような薬剤は、極めて温度定格に依存している。結果として、このような薬剤がよりいっそう低温の溶液中に使用される場合には、このような溶液の漂白作用は、著しく減少される。
【0003】
上記された性能の問題の解決のために、当工業界では、"漂白活性剤"または"漂白ブースター"として公知である材料の1種を開発したが、この場合これら双方の用語は、同一に使用される。しかし、このような材料は、40℃未満の溶解温度で有効性を急速に失うので、新規の有機触媒、例えば3,4−ジヒドロ−2−[2−(スルホオキシ)デシル]イソキノリミウム、分子内塩が開発された。"有機触媒"の用語は、本明細書を通して"漂白活性剤"または"漂白ブースター"の別の用語として使用される。一般に、このような常用の触媒は、低温の水の状態時に有効であるけれども、該触媒は、一定の酵素を不活性化しうる。殆んどの洗濯用組成物および洗浄用組成物は、酵素を一緒に配合しているように、このような触媒を有する洗浄用製品の配合は、問題を含みうる。
【0004】
従って、配合の柔軟性、低い水温での漂白性能および酵素との相容性の組み合わされた利点を提供しうる有機触媒が必要とされる。
【0005】
漂白ブースターであることが公知である1−(4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン)デカン−2−スルフェートを製造する方法は、WO 01/16273中に記載されている:
1,2−デカンジオールは、四塩化炭素中に溶解される。塩化チオニルは、室温で滴加され、この反応混合物は、60℃に加熱される。数時間後、この反応混合物は、氷浴を用いて冷却される。水およびアセトニトリルが添加され、ならびに塩化ルテニウム水和物および過ヨウ素酸ナトリウムが添加される。室温で1時間攪拌した後、反応混合物は、ジエチルエーテルで抽出され(4回);その後に、有機相は、水で洗浄され(5回)、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄され(3回)、食塩水で洗浄され(2回)、セライト/シリカゲルを通して濾過され、および硫酸マグネシウム上で乾燥される。その後、生じる液体は、濃縮され、澄明な油を生じ、この場合この油は、1,2−デカンジオール環状スルフェートである。次の反応工程で4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリンおよびアセトニトリルは、1,2−デカンジオール環状スルフェートと組み合わされ、この場合この1,2−デカンジオール環状スルフェートは、1回で添加される。更に、アセトニトリルが添加された後、反応混合物は、数時間攪拌される。次に、沈殿物は、捕集され、アセトンで洗浄され、乾燥され、1−(4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン)デカン−2−スルフェートを生じる。
【0006】
この方法は、実験室規模で使用されうるが、工業的規模で使用することができる方法、即ち高価なエダクト、例えば塩化チオニルの使用を避ける方法が特に必要である。それ故に、本発明の1つの目的は、塩化チオニルの使用を避ける方法を見出すことである。本発明の別の目的は、本方法を用いて得ることができ、漂白ブースター、好ましくは上記したような合わされた利点を有する漂白ブースターとして使用することができる新規の化合物を見出すことである。
【0007】
意外なことに、前記の要件は、請求項1から6までのいずれか1項に記載の化合物および請求項7から22までのいずれか1項に記載の方法によって適合されることが見い出された。
【0008】
本明細書中で使用されているように、"洗浄用組成物"の用語は、別記しない限り、顆粒状または粉末状の万能または"ヘビーデューティー"洗浄剤、殊に洗濯用洗剤;液体、ゲルまたはペースト状の万能洗浄剤、殊に所謂ヘビーデューティー液体タイプ;液体ファインファブリック用洗剤;手洗い皿洗い用洗剤またはライトデューティー皿洗い用洗剤、殊に高発泡タイプの手洗い皿洗い用洗剤またはライトデューティー皿洗い用洗剤;家庭用および業務用の使用のための種々のタブレット、顆粒状、液体およびすすぎ洗いタイプを含む機械用皿洗い用洗剤;抗菌手洗いタイプを含む液体洗浄剤および消毒剤、洗濯用棒状洗浄剤(laundry bars)、口内洗浄剤、義歯洗浄剤、車用またはカーペット用シャンプー、浴用洗浄剤;ヘアーシャンプーおよびヘアーリンス;シャワージェルおよび浴用フォームおよび金属洗浄剤;ならびに洗浄助剤、例えば漂白添加剤および"染色スティック(stain-stick)"または前処理タイプを含む。
【0009】
本明細書中で使用されているように、"から構成される群から独立に選択される"の記載は、参照されるマーカッシュ群から選択される成分または要素が同一であってもよいし、異なっていてもよいし、要素の任意の混合物であってもよいことを意味する。
【0010】
本明細書の試験法の項目に開示された試験法は、本発明のパラメーターのそれぞれの価値を定めるために使用されなければならない。
【0011】
別記しない限り、全ての成分または組成物のレベルは、該成分または該組成物の活性レベルに関連し、商業的に入手可能な源中に存在しうる不純物、例えば残留溶剤または副生成物を除外している。
【0012】
全ての百分率および割合は、別記しない限り、質量によって計算される。全ての百分率および割合は、別記しない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0013】
本明細書を通じて記載された全ての最大の数字限定は、全ての下限の数字限定を含み、このような下限の数字限定は、本明細書中に明記されている。本明細書を通じて記載された全ての最小の数字限定は、全ての上限の数字限定を含み、このような上限の数字限定は、本明細書中に明記されている。本明細書を通じて記載された全ての数字範囲は、このようなよりいっそう広い数字範囲に入る全ての狭い数字範囲を含み、このような狭い数字範囲は、全てが本明細書中に明記された。
【0014】
引用された全ての刊行物は、該当部分が参考のために本明細書中に組み込まれており;刊行物の引用は、必ずしも本発明に関連する公知技術水準として容認されるものとして構成されうるものではない。
【0015】
式(I)または(II):
【化1】

〔式中、R1、R2およびGは、互いに独立にR1=H、C1〜C20−アルキル、例えばC1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C19−、C20−アルキル、C1〜C20−シクロアルキル、例えばC5−、C6−、C7−、C8−、C19−、C20−シクロアルキル、C1〜C20−アリール、例えばC5−、C6−、C7−、C8−、C19−、C20−アリールまたはC1〜C20−アラルキル、R2=C1〜C20−アルキル、C1〜C20−シクロアルキル、C1〜C20−アリールまたはC1〜C20−アラルキルおよびG=−O−、−CH2O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−から選択される〕で示される化合物は、本発明の対象を形成する。
【0016】
1、R2およびGが互いに独立にR1=H、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−シクロアルキル、C1〜C12−アリールまたはC1〜C12−アラルキル、R2=C1〜C12−アルキル、C1〜C12−シクロアルキル、C1〜C12−アリールまたはC1〜C12−アラルキルおよびG=−O−、−CH2O−、−(CH22−、−CH2、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−から選択される上記したような化合物は、好ましい。
【0017】
1、R2およびGが互いに独立にR1=H、C1〜C4−アルキル、C1〜C6−シクロアルキル、C1〜C8−アリールまたはC1〜C8−アラルキル、R2=C1〜C4−アルキル、C4〜C8−アルキル、C1〜C6−シクロアルキル、C1〜C8−アリールまたはC1〜C8−アラルキルおよびG=−CH2から選択される上記したような化合物は、よりいっそう好ましい。
【0018】
Gがn−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘキシルメチル、n−オクチル、ベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、4−エチルベンジル、4−イソプロピルベンジルおよび4−第三ブチルベンジルから選択される上記したような化合物は、本発明の特に好ましい実施態様を形成する。
【0019】
適当なC1〜C4アルキル成分は、メチル、エチル、イソプロピルおよび第三ブチルを含むが、しかし、これに限定されるものではない。R1、R2の少なくとも一方がメチル、エチル、イソプロピルおよび第三ブチルである化合物は、好ましい。
【0020】
それぞれR2は、好ましくは独立にC4〜C8アルキル、C1〜C12−シクロアルキル、ベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、4−エチルベンジル、4−イソプロピルベンジルおよび4−第三ブチルベンジルから選択される。適当なC4〜C8アルキル成分は、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルおよびオクチルを含むが、しかし、これに限定されるものではない。C1〜C12−シクロアルキルは、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシルメチルを含む。
【0021】
本発明の1つの視点でGは、−O−および−CH2−から選択される。R1は、H、メチル、エチル、イソプロピルおよび第三ブチルから選択される。それぞれR2は、独立にC4〜C6アルキル、ベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジルおよび4−メチルベンジルから選択される。
【0022】
本発明の1つの視点でGは、−CH2−であり、R1は、Hであり、それぞれR2は、独立にn−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、ベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジルおよび4−メチルベンジルから選択される。
【0023】
意外なことに、本発明による化合物は、洗浄用組成物中に使用した場合によりいっそう良好に低い水温での漂白性能を生じることが見出された。
【0024】
その上、良好な酵素適合性の予想しなかった効果が見出された。本出願人は、本発明による有機触媒のR1およびR2を適切に選択することにより、改善された酵素適合性を生じることを見出した。理論とは関連しないけれども、出願人は、前記事実が前記成分を前記のように適切に選択した結果として水性の環境中での触媒の好ましい分配によるものと確信している。
【0025】
本発明の1つの視点において、有機触媒は、70以上または80以上の酵素適合値を有する。洗浄用組成物中に使用される典型的な酵素は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクタテリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノロキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、ペルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼ、またはその混合物を含むが、しかし、これらの限定されるものではない。
【0026】
前記に詳細に記載された化合物を含有する洗浄用組成物および洗浄用組成物添加剤は、有利に例えば、洗濯への適用、硬質表面の清浄化、自動皿洗いへの適用、ならびに化粧品への適用、例えば義歯、歯、毛髪および皮膚に使用されることができる。しかし、低温の溶液中での増大された有効性と卓越した酵素適合性の双方の特殊な利点のために、本発明による有機触媒は、理想的に洗濯への適用、例えば漂白剤含有洗剤または洗濯用漂白添加剤の使用による織物の漂白に適している。更に、本発明による有機触媒は、顆粒状組成物および液体組成物の双方に使用されることができる。
【0027】
本発明による有機触媒は、洗浄用添加剤製品中に使用されてもよい。この添加剤製品は、最も簡単な形で本発明による有機触媒であることができるけれども、本発明による有機触媒を含む洗浄用添加剤製品は、理想的には付加的な漂白効果が望まれる場合に洗浄工程で混入するのに適している。このような場合は、低温の溶液での清浄化の適用を含めてもよいが、しかし、この適用に制限されるものではない。
【0028】
洗浄用組成物および洗浄用添加剤は、触媒有効量の本発明による有機触媒を必要とする。このような触媒の必要とされるレベルは、本発明による触媒の1つ以上の種を添加することによって達成されうる。実際の要件として、これに限定されるものではないが、本明細書中の組成物および洗浄工程は、洗浄液中に本発明による触媒を少なくとも0.001ppm、約0.001ppm〜約500ppm、約0,005ppm〜約150ppm、またはさらに約0.05ppm〜約50ppm程度備えさせるために調節することができる。洗浄液中でこのようなレベルを得るために、本明細書中で典型的な組成物は、洗浄用組成物の質量によって有機触媒を約0.0002%〜約5%、またはさらに約0.001%〜約1.5%含有することができる。
【0029】
本発明による有機触媒が顆粒状組成物中に使用される場合には、本発明による有機触媒は、封入された粒子の形であることが望ましく、本発明による有機触媒は、貯蔵中に顆粒状の組成物の湿分および/または他の成分から保護される。更に、封入は、本発明による有機触媒の有用性を洗浄処理中に制御する1つの手段であり、本発明による有機触媒の漂白性能を増大させうる。これに関連して、本発明による有機触媒は、刊行物中に公知の任意の封入材料で封入されてよい。
【0030】
封入材料は、典型的には少なくとも一部分、好ましくは全ての本発明による触媒を封入する。典型的には、封入材料は、水溶性および/または水分散性である。封入材料は、0℃以上のガラス転移温度(Tg)を有することができる。
【0031】
封入材料は、好ましくは炭水化物、天然または合成のゴム、キチンおよびキトサン、セルロースおよびセルロース誘導体、珪酸塩、燐酸塩、硼酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、パラフィンワックスおよびこれらの組合せ物から構成される群から選択される。好ましくは、封入材料は、典型的には単糖類、オリゴ糖類、多糖類およびその組合せ物から構成される群から選択される。最も好ましくは、封入材料は、澱粉である。好ましい澱粉は、欧州特許第0922499号明細書;米国特許第4977252号明細書;米国特許第5354559号明細書および米国特許第5935826号明細書中に記載されている。
【0032】
封入材料は、プラスチック、例えば熱可塑性プラスチック、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルおよびその混合物から形成された微小球;Expancel of Stockviksverken, Swedenによって商標Expancel(登録商標)で供給された微小球およびPQ Corp. of Valley Forge, Pennsylvania USAによってPM 6545、PM 6550、PM 7220、PM 7228、Extendospheres(登録商標)、Luxsil(登録商標)、Q-cel(登録商標)およびSphericel(登録商標)で供給された微小球であることができる。
【0033】
本明細書中の洗浄用組成物は、好ましくは水性の洗浄化処理での使用中に洗浄水が約6.5〜約11、またはさらに約7.5〜10.5のpHを有するように配合される。液体皿洗い用製品の配合物は、約6.8〜約9.0のpHを有することができる。洗濯用製品は、典型的には約9〜約11のpHを有する。推奨される使用量レベルでpHを制御するための技術は、緩衝液、アルカリ金属、酸等の使用を含み、当業者に十分に公知である。
【0034】
本発明の目的にとって本質的なことではないけれども、下記に詳説される添加剤の制限のない一覧は、当該組成物中での使用に適しており、望ましくは本発明の一定の実施態様において組み込まれてよく、例えば清浄化すべき支持体の処理のために清浄化性能を補助するかまたは増大させ、或いは香料、着色剤、染料等を用いた場合のように洗浄用組成物の審美性を変更させる。前記の付加的な成分の正確な性質および該成分の配合レベルは、前記組成物の物理的形および使用される清浄化処理の性状に依存する。適当な添加剤材料は、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、染料移行抑制剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒材料、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、前形成された過酸、ポリマー分散剤、粘土の汚れ除去剤/再沈殿防止剤、光沢剤、石けん水の抑泡制剤、染料、香料、構造可塑剤(structure elasticizing agents)、織物柔軟剤、キャリヤー、ヒドロトロープ、処理助剤、溶剤および/または顔料を含む。下記の開示に加えて、このような他の添加剤の適当な例および使用レベルは、米国特許第5576282号明細書、米国特許第6306812号明細書B1および米国特許第6326348号明細書B1中に見出され、この場合これらの刊行物は、参考のために援用されている。
【0035】
洗浄用組成物は、任意の適当な形で配合されることができ、配合者によって選択される任意の方法によって製造されることができ、その制限のない例は、本明細書中の実施例および米国特許第5879584号明細書;米国特許第5691297号明細書;米国特許第5574005号明細書;米国特許第5569645号明細書;米国特許第5565422号明細書;米国特許第5516448号明細書;米国特許第5489392号明細書;米国特許第5486303号明細書中に記載されており、この場合これらの刊行物は、参考のために援用されている。
【0036】
有機触媒/酵素の適合性試験
下記に記載された試験は、α−アミラーゼ活性アッセイを使用して、酵素上の有機触媒の影響力を測定する。
【0037】
機器。@415nmを測定しうるUV/Vis分光光度計、40℃に加熱しうる電磁攪拌機、5mlのLuerロックシリンジおよびフィルター(Acrodisc0.45μm)、pHメーター、および天秤(4個所分析用)
試薬。メルク社のアミラーゼキット(Merck Amylase Kit)(Merck Eurolab, Cat. No. 1, 19718.0001);トリズマ塩基(Trizma Base)(Sigma Cat # T-1503、または当量);塩化カルシウム二水和物(Sigma Cat # C-5080、または当量);チオ硫酸ナトリウム五水和物(Sigma Cat # S-6672または当量);
塩酸塩(VWR Cat # JT9535-0、または当量);カルシウム硬度を有する溶液(Hardness solution)(CTC群、3.00gr/ccまたは当量);過炭酸ナトリウム;過酢酸(Aldrich, Cat. # 26933-6または当量);アミラーゼ酵素:Termamyl, NatalaseおよびDuramyl(Novozymaes, Denamark);酵素、有機触媒または漂白剤を含有しない顆粒状の洗剤マトリックス。
【0038】
1.) 溶液の調製:次のように調製する:
a)TRISアッセイ緩衝液。0.1MのTRIS緩衝液1リットル、チオ硫酸ナトリウム0.5%(W/V)、塩化カルシウム0.11%(W/V)をpH8.3で調製する。
【0039】
b)ブランク洗剤溶液(Blank Detergent Solution)。H2O2250ppm(過炭酸塩0.77gm)および硬度10gpg(硬度880UI)である脱イオン水(W/V)中の0.5%の酵素1リットルおよび漂白剤不含の顆粒状洗剤製品を調製する。
【0040】
c)テルマミル(Termamyl)、ドゥラミル(Duramyl)およびナタラーゼ(Natalase)の原液。それぞれTRIS緩衝液1ml当たり活性テルマミル0.1633mg、TRIS緩衝液1ml当たり活性ナタラーゼ0.1159mgおよびTRIS緩衝液1ml当たり活性ドゥラミル0.1596mgの溶液100mlを作製する。
【0041】
d)有機触媒の原液。500ppmのメタノール溶液を作製する。
【0042】
e)過酢酸原液。脱イオン水中の過酢酸3955ppmを作製する。
【0043】
f)アミラーゼ試薬。メルクキットの仕様書に従って小瓶(容器)1および2を小瓶3を用いて調製し、その後に小瓶1と2を混合し、アミラーゼ活性分析に使用される最終試薬を生じさせる。
【0044】
2)試料分析
a)酵素だけを有する試料の分析:ブランク洗剤溶液100mlを150mlのビーカーに添加する。ビーカーを加熱された攪拌板上に置き、攪拌しながら温度を40℃にもたらす。酵素原液Yμlを前記ビーカーに添加し、この場合Yは、ドゥラミルについて612μlであり、テルマミルについて306μlであり、またはナタラーゼについて918μlである。興味のある酵素だけを加える。試料を1分間攪拌する。タイマーの開始。7分45秒で試料を取出し、この試料を0.45μmのシリンジフィルター(5mlのシリンジ)を用いて濾過する。濾過された試料6μlをアミラーゼ試料250μlとキュベット中で混合し、このキュベットをUV/VIS分光光度計中に置き、吸光度の変化を415nmで監視する。それぞれの酵素に対して1.0で読取る吸光度を得るために必要とされる、最も近い2番目に対する時間の長さ(tE)を測定する。それぞれの酵素のtEを下記の工程2)b)および2)c)で使用する。
【0045】
b)酵素および過酢酸だけを有する試料の分析。酵素添加後を除外して工程2)a)に従って、溶液を1分間攪拌させ、次に過酢酸原液127μlを添加し、タイマーを開始させる。試料を7分45秒で工程2)a)と同様に取出す。試料と試薬を混合したら直ちに、それぞれの酵素について吸光度をtEで記録する。このような吸光度をAbと呼ぶ。
【0046】
c)酵素、過酢酸および有機触媒を有する試料の分析。酵素添加後を除外して工程2)a)に従って、溶液を1分間攪拌させ、次に過酢酸原液127μlおよび有機触媒原液100μlを添加し、タイマーを開始させる。試料を7分45秒で工程2)a)と同様に取出す。試料と試薬を混合したら直ちに、それぞれの酵素について吸光度をtEで記録する。このような吸光度をAcと呼ぶ。
【0047】
3)酵素適合性値(ECV)の計算
a)それぞれの特異的な酵素についてECVを計算する:テルマミル(ECVter)、ドゥラミル(ECVdur)およびナタラーゼ(ECVnat)。任意の特異的な酵素のECVは、(Ac/Ab)×100であり、この場合AbおよびAcは、それぞれ前記酵素について工程2)b)および2)c)で測定された値である。
【0048】
b)記載された有機触媒のECVは、3つの酵素についての個々のECV値の平均である。従って、ECV=(ECVter+ECVdur+ECVnat)/3である。
【0049】
本発明は、化合物を論じるだけでなく、このような化合物の製造方法も論じる。それ故に、次の工程:
a)シアン化ベンゼンのビスアルキル化、
b)工程a)で得られたニトリルを還元してアミンを生成すること、
c)工程b)で得られたアミンのアミド化、
d)工程c)で得られた生成物の閉環、
工程d)で得られた生成物の四級化を有する1つの方法は、本発明の別の対象を形成する。
【0050】
全ての方法は、次のように説明することができる:
【化2】

【0051】
この一般的な方法に基づいて、好ましい実施態様が存在し、この実施態様の1つは、工程a)でアルキルクロリド、アルキルブロミド、アルキルヨージドまたはアルキルトシレート、または置換されたアリールクロリド、アリールブロミド、アリールヨージドまたはアリールトシレートがシアン化ベンジルに対して2〜4当量の量で使用される方法である。工程a)でアルキルクロリドまたは置換されたアルキルクロリドがシアン化ベンジルに対して2〜2.5当量の量で使用される方法は、よりいっそう好ましい。
【0052】
工程a)の反応が塩基2〜4当量(シアン化ベンジルに対して)の存在で行なわれる、上記したような方法は、本発明の別の好ましい実施態様であり、この場合、塩基がKOtBuまたはKOH/tBuOHであることは好ましく、また、溶剤とアルキル化剤とシアン化ベンジルとが最初に混合されて反応が塩基の添加によって開始されることは好ましい。前記の実施態様を行なった場合には、副生成物の形成は、減少させることができる。
【0053】
工程a)での反応のための予想される溶剤は、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)等であり、この場合トルエンが好ましい。工程a)の反応は、大気圧で、ならびに正圧下または軽い真空下で実施されてよい。中性ガスの使用は、可能である。温度は、−40℃〜200℃の範囲内にあり、この場合0〜120℃の範囲が好ましい。
【0054】
工程b)が水素を用いて触媒の存在で実施される、上記したような方法は、好ましい。ボラン−THF複合体を用いた場合には、数多くの副生成物が得られる。触媒、例えばラニーニッケルを用いた場合には、このような副生成物の出現は、回避されうるかまたは少なくとも減少させることができ、生成物の純度は、増加される。
【0055】
工程b)での反応のための予想される溶剤は、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)等であり、この場合トルエンが好ましい。工程b)の反応は、ほぼ大気圧で、ならびに正圧下で実施されてよく、この場合正圧が好ましい。温度は、−40℃〜200℃の範囲内にあり、この場合0〜120℃の範囲が好ましい。
【0056】
工程c)が蟻酸および/または蟻酸エステルを用いて実施される、上記したような方法は、本発明の別の好ましい実施態様を形成し、この場合蟻酸エステルの使用は、好ましい。特に好ましくは、蟻酸メチルエステルが使用される。それというのも、この蟻酸メチルエステルは、34℃の沸点を有し、100℃の沸点を有する蟻酸と比較してよりいっそう簡単に除去されるからである。工程c)の反応は、有利にほぼ室温の温度で実施されることができる。任意の場合には、前記化合物の沸騰温度以下で実施される。通常大気圧である圧力を増加させた場合には、温度も増加させることができ、これは、反応の完結に必要とされる時間の減少を生じる。
【0057】
工程d)は、ビシュラー・ナピエラルスキー反応を用いて実施されることができる:
【化3】

【0058】
工程d)が五酸化燐および1つの酸を用いて実施される、上記したような方法は、本発明の別の好ましい対象であり、この場合酸がポリ燐酸(polyphosphorous acid)、トリフルオロメタン酸、蟻酸およびメタンスルホン酸から構成される群から選択されることは、好ましい。標準のビシュラー・ナピエラルスキー反応条件と比較して、燐含有化合物の量ならびに反応時間は、減少させることができた。これは、反応を僅かに安価にし、方法の全ての環境性能に関連してプラスの効果を有する。ポリ燐酸(PPA)の代わりに、メタンスルホン酸(MSA)が使用されてよい。前記方法は、MSAだけを用いた場合には不可能である。約140℃であるMSAの分解温度を上廻る約160℃の温度で、良好な結果を得ることができる。
【0059】
更に、上記したような方法で工程d)の反応混合物がKOHを用いて中和されることは、好ましい。それというのも、この中和は、よりいっそう高い溶解性を有する塩を生じるからである。
【0060】
この工程のための他の選択可能な方法は、
【化4】

であり、(4)から(13)へのピクテット・スペングラー反応を実施し、引続きアミドの開裂を行ない、(14)を生じ、その後に次亜塩素酸ナトリウムを用いて酸化を実施する。この他の選択可能な方法の大きな利点は、反応を一槽反応として実施することができるという事実に見出すことができる。付加的な利点は、これが燐酸塩不含の経路であり、望ましい生成物が得られるという事実にあり、この場合この利点とは、廃棄物のためのよりいっそう低い価格および環境保護性の方法を意味する。
【0061】
ホルムアルデヒド源としてトリオキサンは、有利である。それというのも、このトリオキサンは、62℃の融点を有し、それ故に液体として簡単に適用することができる。加熱された供給管を有利に使用することができることは、明らかである。酸として、全ての種類の強酸、例えばトリフルオロ酢酸、蟻酸またはメタンスルホン酸を使用することができる。
【0062】
工程d)で中和後にアミンが酸化され、次亜塩素酸ナトリウムを用いてイミンを生じる、上記したような方法は、好ましく、この工程でアルキル化剤が工程d)からの生成物に対して1〜1.2当量の量で使用されることは、よりいっそう好ましい。
【0063】
【化5】

【0064】
工程a)〜e)の少なくとも1つの工程で1つの溶剤が使用される、上記したような方法が実施されることは、特に好ましく、この場合同じ溶剤が1工程より多い複数の工程で使用されることは、好ましい。
【0065】
溶剤がトルエンである、上記したような方法は、特に好ましく、工程a)〜d)の溶剤がトルエンであり、工程e)の溶剤がアセトンまたはアセトニトリルである方法は、最も好ましい。アセトンは、低い沸点を有する付加的な利点を有し、この利点は、溶剤の除去を簡易化するということである。
【0066】
適当な有機触媒は、多種多様な反応容器ならびにバッチ法、半バッチ法および連続的方法を含む方法を用いて製造されることができる。
【0067】
前記触媒の変形を含有するオキサジリジニウム環は、前記触媒の変形を含有するイミニウムを、酸素移行剤、例えばペルオキシカルボン酸またはペルオキシモノスルホン酸と接触させることによって製造されうる。このような種は、原位置で形成させることができ、精製なしに使用されてよい。
【0068】
本発明をよりいっそう良く理解するために、本発明は、次の実施例によって詳説され、この場合この実施例は、請求の範囲に記載されている発明の範囲を制限するものではないと理解すべきである。
【0069】
実施例1:
a)2 lの四口フラスコ中で塩化ベンジル(118g、1.0モル、1.0当量)、4−メチルベンジルクロリド(286g、2.0モル、2.0当量)およびトルエン(510g)を混合した。カリウム第三ブチラート(288g、2.52モル、2.52当量)を25℃で攪拌しながら添加した。25℃で3.5時間の攪拌後、水(550g)を添加し、この混合物をさらに10分間攪拌した。相を分離し、有機相を水(200g)で洗浄することにより、溶剤の除去後に、ガスクロマトグラフィー(GC)に従い98%の純度を有するビスアルキル化ベンジルシアニド(315g、理論値の95%)を生じる。
【0070】
b)ビスアルキル化ベンジルシアニド(50g、0.15モル、1.0当量)をトルエン50g中に溶解し、ラニーニッケル10gを添加した。65バールの水素圧の圧力で100℃で25時間のオートクレーブ中での水素化後、反応は、完結した。ラニーニッケルを濾別し、溶剤を除去することにより、GCに従い95%の純度を有する望ましいアミン(49g、理論値の99%)を生じた。
【0071】
c)第1アミン(74g、0.22モル)を蟻酸メチルエステル(70g、1.17モル)で25℃の温度で10時間処理した。溶剤の除去後、望ましいアミドを白色の固体(78g、理論値の97%)として得た。
【0072】
d)五酸化燐(33g、0.22モル)およびポリ燐酸(114g)を窒素雰囲気下で150℃で1時間、攪拌した。アミド(78g、0.22モル)を添加し、反応混合物を170℃で1時間、攪拌した。80℃への冷却後、水(150g)を添加し、中和をKOH(水中で50%)を用いて行なった。第三ブチルメチルエーテル(600ml)を添加し、相を分離し、有機相を乾燥することにより、溶剤の除去後にGCに従い91%の純度を有する4,4−二置換ジヒドロイソキノリン(60g、理論値の80%)を生じた。
【0073】
e)工程d)の4,4−二置換ジヒドロイソキノリン(50g、純度91%、0.134モル、1.0当量)をアセトニトリル(280ml)中に溶解し、プロパンスルホン(18g、0.147モル、1.1当量)を添加した。この混合物を50℃の温度で2時間、攪拌した。25℃への冷却および第三ブチルメチルエーテル(200ml)の添加の後、望まし生成物が沈殿した。固体の乾燥後、目的化合物をベージュ色の粉末(47g、理論値の76%)として得た。
【0074】
実施例2〜26
次の反応を種々の条件を用いて実施した:
【化6】

この場合、条件および結果は、第1表中に記載されている。
【0075】
【表1】

【0076】
実施例27〜46:
また、次の反応工程を変更した:
【化7】

【0077】
この場合、条件および結果は、下記の第2表中に記載されている。
【0078】
【表2】

【0079】
実施例47〜65:
また、次の反応工程は、他の実験の対象であった。この実験は、下記の第3表中に記載されている。
【0080】
【化8】

【0081】
【表3】

【0082】
溶剤の変形、温度および他の反応条件と共に、エダクトも次の実施例中に示されたように変更された:
別記しない限り、材料は、Aldrich, P.O. Box 2060, Milwaukee, WI 53201, USAから入手可能である。
【0083】
実施例66:3,4−ジヒドロ−4,4−ジベンジル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
【化9】

【0084】
工程1
α,α−ジブチルベンゼンアセトニトリル(2)の製造:乾燥アルゴン入口管、電磁攪拌棒および温度計を装備した、火炎乾燥された500mlの三口丸底フラスコに、シアン化ベンジル((1)、5.0g、0.043モル)およびテトラヒドロフラン(100ml)を添加した。この反応に水素化ナトリウム(油中で60%)(7.2g、0.1075モル)を1時間に亘って徐々に添加する。添加が完結したら直ちに、反応物を室温で1時間、攪拌する。この反応物に臭化ベンジル(18.4g、0.043モル)を添加し、反応物を50℃で18時間攪拌する。この反応物を蒸発させて乾燥し、残留物をトルエン中に溶解し、1N HClで洗浄した。
【0085】
工程2
1−アミノ−2,2−ジブチル−2−フェニルエタン(3)の製造:α,α−ジブチルベンゼンアセトニトリル((2)、7.0g;0.0237モル)をボラン−THF複合体(1.1当量)中に室温で18時間、溶解する。反応が完結したら直ちに、エタノール(50ml)を添加し、反応物を蒸発させ乾燥する。乾燥したら直ちに残留物を1M HCl100ml中に懸濁させ、この懸濁液をロータリーエバポレーター上で蒸発させて乾燥する。この方法を3回繰り返す。最終的な蒸発後、白色の残留物を1M NaOH(100ml)中に溶解し、ジエチルエーテル(2×150ml)で抽出する。抽出液を合わせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、および蒸発させて乾燥し、1−アミノ−2,2−ジブチル−2−フェニルエタン(3)、質量=6.4g(90%)を生じる。
【0086】
工程3
3,4−ジヒドロ−4,4−ジベンジルイソキノリン(5)の製造:付加的な漏斗、乾燥アルゴンの入口、電磁攪拌棒、温度計、ディーン・シュタルク・トラップ(Dean Stark trap)および加熱浴を装備した、火炎乾燥された100mlの三口丸底フラスコに1−アミノ−2,2−ジブチル−2−フェニルエタン((3)、5.0g、0.0166モル)およびトルエン(25ml)を添加した。付加的な漏斗に蟻酸(5.0g)を添加する。蟻酸を攪拌しながら反応溶液に60分間に亘って添加し、固体を形成させる。添加が完結したら直ちに、反応を還流下にもたらし、水をディーン・シュタルク・トラップを介して除去する。反応が完結したら直ちに、トルエンを除去し、N−ホルミル−β,β−ジブチル−β−フェネチルアミン(4)、質量=4.9g(90%)を生じる。次に、ホルムアミド(4)を標準のビシュラー・ナピエラルスキー反応条件を用いて170℃で18時間、ポリ燐酸(30g)/五酸化燐(6g)と接触させる。次に、反応をNaOH水溶液で中和し、温度を60〜80℃に維持する。中和されたら直ちに、生成物をトルエンで抽出し、3,4−ジヒドロ−4,4−ジベンジルイソキノリン(5)を生じる。更に、生成物をシリカゲル上で精製することができる。
【0087】
工程4
3,4−ジヒドロ−4,4−ジブチル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造:火炎乾燥された100mlの丸底フラスコに3,4−ジヒドロ−4,4−ジベンジル−イソキノリン((5)、3.0g;0.010モル)およびアセトニトリル(25ml)を添加する。この溶液を室温でアルゴン雰囲気下に攪拌し、この溶液に1,2−オキサチオラン−2,2−ジオキシド(1.34g;0.011モル)を添加する。この反応物を50℃に昇温させ、18時間攪拌する。この反応物を室温に冷却し、室温で一晩中、放置する。形成された固体を濾過によって捕集し、冷却されたアセトニトリルで洗浄し、3,4−ジヒドロ−4,4−ジベンジル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム(6)を生じる。
【0088】
実施例67:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジペンチル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、塩化ペンチルを工程1の塩化ベンジルに代替する。
【0089】
実施例68:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジヘキシル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、塩化ヘキシルを工程1の塩化ベンジルに代替する。
【0090】
実施例69:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジブチル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、塩化ブチルを工程1の塩化ベンジルに代替する。
【0091】
実施例70:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジブチル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、2−メチルベンジルクロリドを工程1の塩化ベンジルに代替する。
【0092】
実施例71:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(3−メチルフェニルメチル)−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、3−メチルベンジルクロリドを工程1の塩化ベンジルに代替する。
【0093】
実施例72:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(4−メチルフェニルメチル)−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、4−メチルベンジルクロリドを工程1の塩化ベンジルに代替する。
【0094】
実施例73:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(シクロヘキシルメチル)−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、クロロメチルシクロヘキサン(Coe et al., Polyhedron 1992, 11(24), pp. 3123-3128の記載によりシクロヘキサンメタノールから製造した)を工程1の塩化ベンジルに代替する。
【0095】
実施例74:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(フェニルメチル)−2−(3−スルホブチル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、1,2−オキサチアン−2,2−ジオキシドを工程4の1,2−オキサチオラン−2,2−ジオキシドに代替する。
【0096】
実施例75:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(フェニルメチル)−2−[3−(スルホオキシ)エチル]−イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、1,3.2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシドを工程4の1,2−オキサチオラン−2,2−ジオキシドに代替する。
【0097】
実施例76:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(フェニルメチル)−2−[3−(スルホオキシ)プロピル]−イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66の記載により製造し、1,3.2−ジオキサチアン−2,2−ジオキシドを工程4の1,2−オキサチオラン−2,2−ジオキシドに代替する。
【0098】
実施例77:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(4−メチルフェニルメチル)−7−メチル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
工程1:
4−メチル−α−(4−メチルフェニル)−α−[(4−メチルフェニル)メチル]−ベンゼンプロパンニトリル
部分a:
シリカ触媒の製造:シリカ(MKC−500、比表面積m2-1;Nikki Chemicalから入手)を6N HClでの処理によって活性化し、真空中で120℃で乾燥する。活性化シリカゲル7.0gとトルエン80mlとの混合物をフラスコ中に入れ、1時間攪拌する。次に、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン25ml(SH−6020;Troy Siliconeから入手)をシリンジによって注入し、生じる混合物を油浴を用いて8時間還流させる。冷却後、シリカゲルを濾過し、ベンゼンでソックスレー抽出器中で12時間洗浄する。精製されたシリカを再び3回ジエチルエーテルで洗浄し、空気中に一晩中放置する。次に、精製されたシリカを1gジオキサン1.5ml中に8時間懸濁させ、その後に1,10−ジブロモデカン4.3mlを添加し、この混合物を油浴中で80℃で一晩中攪拌する。次に、このシリカをガラスフィルター上で濾過し、ジオキサンで洗浄し、アセトンで洗浄し、1% NH4OHで洗浄し、その後にアセトンで洗浄し、およびジエチルエーテルで洗浄する。こうして得られたシリカを50℃で減圧下で一晩中乾燥する。
【0099】
部分b:
4−メチル−α−(4−メチルフェニル)−α−[(4−メチルフェニル)メチル]−ベンゼンプロパンニトリルの製造50%のNaOH水溶液5ml中に溶解したシアン化ナトリウム(95%)1.0g(2ミリモル)を含有するフラスコにシリカ触媒0.3gを装入し、引続き4−メチルベンジルクロリド(6.8ミリモル)およびトルエン1mlを装入する。このフラスコを油浴中に置き、40℃で攪拌しながら48時間加熱し、その後にトルエン10mlを添加する。有機相を濾過し、濾液を蒸発させ、4−メチル−α−(4−メチルフェニル)−α−[(4−メチルフェニル)メチル]−ベンゼンプロパンニトリルを生じる。
【0100】
工程2
4−メチル−α−(4−メチルフェニル)−α−[(4−メチルフェニル)メチル]−ベンゼンプロパンアミンの製造
望ましい生成物を実施例66、工程2の記載により製造し、4−メチル−α−(4−メチルフェニル)−α−[(4−メチルフェニル)メチル]−ベンゼンプロパンニトリルをα,α−ジブチルベンゼンアセトニトリルに代替する。
【0101】
工程3
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(4−メチルフェニルメチル)−7−メチルイソキノリンの製造:望ましい生成物を実施例66、工程3の記載により製造し、4−メチル−α−(4−メチルフェニル)−α−[(4−メチルフェニル)メチル]−ベンゼンプロパンアミンを1−アミノ−2,2−ジブチル−2−フェニルエタンに代替する。
【0102】
工程4
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(4−メチルフェニルメチル)−7−メチル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例66、工程4の記載により製造し、3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(4−メチルフェニルメチル)−7−メチル−イソキノリンを3,4−ジヒドロ−4,4−ジベンジルイソキノリンに代替する。
【0103】
実施例78:
3,4−ジヒドロ−4,4−ジ(4−イソプロピルフェニルメチル)−7−イソプロピル−2−(3−スルホプロピル)イソキノリニウム、分子内塩の製造
望ましい生成物を実施例77の記載により製造し、4−イソプロピルベンジルクロリドを4−メチルベンジルクロリドに代替する。
【0104】
実施例79:
式3の触媒を有する有機触媒混合物の同時製造、但し、R1は、独立にH、メチル、エチルおよびその混合物である。
【0105】
【化10】

【0106】
生成物の望ましい混合物を実施例77の記載により製造し、塩化ベンジル(R1=Hのための源)と4−メチルベンジルクロリド(R1=メチルのための源)と4−エチルベンジルクロリド(Oakwood Products, Inc., West Columbia, SC 29172, USA, R1=エチルのための源)との混合物を4−メチルベンジルクロリドに代替する。これは、18個の異なる有機触媒化合物の混合物を生じる。
【0107】
実施例80
下記の一覧に記載された有機触媒は、出願人の有機触媒/酵素適合性試験により[過酢酸]=5.0ppm;[有機触媒]=0.5ppmであり、および次の結果が得られる。
【0108】
【表4】

【0109】
*項目1および2は、それぞれ硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−((1,1−ジメチルエトキシ)メチル)エチル]エステル、分子内塩および硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2−イル)−1−(2−エチルヘキシルオキシメチル)−エチル]エステル、分子内塩であり、これらは、本明細書中の式1および2には含まれない。
【0110】
**R1は、項目3〜5のためのHである。
【0111】
本発明の特殊な実施態様が説明され、記載されているけれども、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の他の変化および変更を行なうことができることは明らかなことである。それ故に、本発明の範囲内にある全てのこのような変化および変更を係属されている請求の範囲の記載で網羅することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)または(II):
【化1】

〔式中、R1、R2およびGが互いに独立にR1=H、C1〜C20−アルキル、C1〜C20−シクロアルキル、C1〜C20−アリールまたはC1〜C20−アラルキル、R2=C1〜C20−アルキル、C1〜C20−シクロアルキル、C1〜C20−アリールまたはC1〜C20−アラルキルおよびG=−O−、−CH2O−、−CH2、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−から選択される〕で示される化合物。
【請求項2】
1、R2およびGが互いに独立にR1=H、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−シクロアルキル、C1〜C12−アリールまたはC1〜C12−アラルキル、R2=C1〜C12−アルキル、C1〜C12−シクロアルキル、C1〜C12−アリールまたはC1〜C12−アラルキルおよびG=−O−、−CH2O−、−(CH22−、−CH2、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−から選択されている、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1、R2およびGが互いに独立にR1=H、C1〜C4−アルキル、C1〜C6−シクロアルキル、C1〜C8−アリールまたはC1〜C8−アラルキル、R2=C1〜C4−アルキル、C1〜C6−シクロアルキル、C1〜C8−アリールまたはC1〜C8−アラルキルおよびG=−CH2−から選択されている、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Gがn−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘキシルメチル、n−オクチル、ベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、4−エチルベンジル、4−イソプロピルベンジルおよび4−第三ブチルベンジルから構成される群から選択されている、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
70以上の酵素適合値を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
80以上の酵素適合値を有する、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
7.次の工程:
a)シアン化ベンゼンのビスアルキル化、
b)工程a)で得られたニトリルを還元してアミンを生成すること、
c)工程b)で得られたアミンのアミド化、
d)工程c)で得られた生成物の閉環、
工程d)で得られた生成物の四級化を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
工程a)でアルキルクロリド、アルキルブロミド、アルキルヨージドまたはアルキルトシレート、または置換されたアリールクロリド、アリールブロミド、アリールヨージドまたはアリールトシレートがシアン化ベンジルに対して2〜4当量の量で使用される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
工程a)でアルキルクロリドまたは置換された塩化ベンジルがシアン化ベンジルに対して2〜2.5当量の量で使用される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
工程a)の反応が塩基2〜4当量(シアン化ベンジルに対して)の存在で行なわれる、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
塩基がKOtBuまたはKOH/tBuOHである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
溶剤とアルキル化剤とシアン化ベンジルとを最初に混合して反応を塩基の添加によって開始させる、請求項7から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程b)を水素を用いて触媒の存在で実施する、請求項7から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程c)を蟻酸および/または蟻酸エステルを用いて実施する、請求項7から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程d)を五酸化燐および1つの酸を用いて実施する、請求項7から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
酸をポリ燐酸、トリフルオロメタン酸、蟻酸およびメタンスルホン酸から構成される群から選択する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
工程d)の反応混合物をKOHを用いて中和する、請求項15または16記載の方法。
【請求項18】
工程d)で中和後にアミンを酸化し、次亜塩素酸ナトリウムを用いてイミンを生じさせる、請求項7から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記工程でアルキル化剤を工程d)からの生成物に対して1〜1.2当量の量で使用する、請求項7から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
工程a)〜e)の少なくとも1つで溶剤を使用する、請求項7から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
同じ溶剤を1つ以上の工程で使用する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
溶剤はトルエンである、請求項20または21記載の方法。

【公表番号】特表2008−543812(P2008−543812A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516322(P2008−516322)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063238
【国際公開番号】WO2006/134144
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】