説明

漆抽出物の製造方法及びそれを含有する薬剤組成物

本発明は漆に水と有機溶媒を使用して有効成分を抽出する方法において、(a)漆に水又は水とアルコールの混合物を溶媒として可溶成分を抽出した後、濾過して得られた濾液を濃縮乾燥して固形分を得るステップと、(b)前ステップで得た固形分を高濃度エタノールで再抽出した後、濾過して得られた濾液を濃縮乾燥して固形分を得るステップと、(c)前ステップで得た固形分に炭素原子5〜7の飽和炭化水素を加え、アレルギー誘発成分を溶解させた後、これを蒸発させて固形分を得るステップと、(d)前ステップで得た固形分に水を加え、水に可溶性の成分を抽出するステップと、を含んで構成される漆抽出物の製造方法を提供する。本発明の漆抽出物の製造方法により得た抽出物は、漆の毒性物質を効果的に除去でき、アレルギーを全く誘発しない。また、従来の方法に比べて、漆固有の様々な有効成分を高収率で抽出することができる特徴がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は漆抽出物の製造方法とその抽出物を含有する薬剤組成物に関するものであり、さらに詳細には、漆を抽出して乾燥し、溶媒として水とアルコールの混合物、高濃度アルコール、飽和炭化水素及び水を順次に使用することにより、従来の漆からアレルギーの誘発物質を除去するために、高温で熱処理する方法や抽出及び分画を繰り返す方法に比べ、漆の有効成分を高収率で得られる方法であり、アレルギーを全く誘発せずに、漆固有の薬理効果を有する漆抽出物の製造方法と有効成分として、前記抽出物を含有する記憶力向上のための薬剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
漆(ウルシ、Rhus verniciflua 又は Rhus vernicifera)は、ウルシ科(Anacardiaceae)、ウルシ属の落葉高木で、中央アジア高原およびヒマラヤが原産地で、現在、全世界的に熱帯地方を中心にする亜熱帯地方と温帯地方に広く分布し、韓国、日本、中国などの東北アジア地域で主に漆液を得るために栽培されている。
【0003】
漆の樹液を漆(漆液)というが、漢方では昔から乾漆がお血を取り除き、血液循環を促し、駆虫、腹痛、胃酸過多、咳、結核症、月経、便秘、糖尿、マラリヤなどに効果があると知られており、最近には抗癌効果に対しても報告されている(Namba, T., Colored Illustrations of Wakan Yaku. P215, Hoikusha Publishing Co. Ltd., Osaka, 1980)。
【0004】
特に、韓国では元気を回復させるか医薬用として漆を漆鶏、漆カモなどに使用されてきた。
【0005】
その外にも漆の樹液は、耐久性の特性があり、天然塗料などに使用され、耐薬品性があり、飛行機、船舶及び海底光ケーブルなどに使用される特別な外装塗料として活用できる。
【0006】
しかし、漆に対する敏感な人にとっては、非常に少ない漆との接触によっても皮膚炎(アレルギー)を起こす場合があり、大部分の人々が漆に対する接触を嫌う傾向があり、実際漆に敏感な反応を見せない人は10名のうち2名〜4名に過ぎない。
【0007】
このようなアレルギーを誘発する成分として漆の樹液の主要成分の一つであるウルシオール(Urushiol)は、漆工芸に使用される濃い茶色の液体で有機溶媒によく溶ける。ウルシオールの化学的構造は、側鎖の炭素原子が15〜17個であるのが主流になっており、ここに不飽和結合が多数存在する。ウルシオールはそのものがアレルギーを誘発する性質が非常に強いため、漆抽出物を摂取して薬理効果を得ることに大きな制約となっている。
【0008】
漆の薬理効果を発揮する主要成分には、ウルシオール、フスティン、フィセチン、スルフレチン及びバトウィンなどが報告されており、これらの成分を基づいた組成物及びその機能に対する研究が行われて来た。
【0009】
漆の主な薬理作用で抗癌、抗酸化、二日酔い治療作用などが公知した事があり(韓国食品科学技術、31、1997、238-245)、その他にも胃病、心臓病、関節炎、高血圧、糖尿、脳卒中、慢性疲労などに効果があることが知られている。
【0010】
このような様々な薬理作用があるにもかかわらず、いまだに商用化されていないのは、人体に対する毒性のためである。 従って、漆が有する薬理効果を極大化し、これを商業化するために、漆又はその抽出液の摂取時に発生するアレルギーを最小化できる方法の考案が切実に必要としている。
【0011】
今まで漆の毒性を除去し、抽出物の製造方法には、ハンノキを添加して漆の健康飲料を製造するか(参照: 韓国特許公開第2001-0035052号)、漆を松の葉、桑白皮、貢砂仁などのように水に入れて煮込む工程によって飲料を製造する方法(韓国特許公開第1995-0023317号)が公知されている。このような方法は、漆の毒性を減らすために、単に他の材料を一緒に入れて煮込むことで、十分に毒性を除去できないため、商用化するに難しい問題点がある。
【0012】
また、分画による方法(韓国特許公開第2002-0002096号)及びエタノール抽出物を定置する方法(韓国特許公開 2003-0079255)などは、有効成分抽出及び毒性を除去のために最終的にはカラムクロマトグラフィーを使用するので、工程が複雑で多くの時間が必要となり、高いコストが要求される問題がある。
【0013】
その他に、熱風乾燥工程及び溶媒抽出工程によって毒性を除去する方法(韓国特許公開第2002-0023439号)、熱処理による毒性物質の除去方法(韓国特許登録第0394089号)などの熱処理技術が提示されているが、この方法は100〜400℃程度の高温で熱処理するので、熱に弱い有効成分の破壊が起こるなどの副作用が発生することができる。
【0014】
一方、漆の特定有効成分の抽出及びその用途に対しては、次のような技術が提示され、大部分がウルシオール、フスティン、フィセチンなどの成分を抽出するのに重きを置いて開発された。そういう例で、ウルシオール系化合物の抗酸化活性を含む抗癌剤としての新しい用途とその製造方法(韓国特許出願第1997-0013163号、 韓国特許登録第0215390号)、抗酸化活性が高い分画を製造する方法(韓国特許公開 2003-0079255)、逆転写酵素阻害剤としての漆抽出物の用途(韓国特許公開第2002-0084333号)、フスティン、フィセチン、スルフレチン、バトウィンなどを主要成分とする漆抽出物の肝保護組成物(韓国特許公開第2002-0077833号)、肝疾患治療剤としての漆抽出物(韓国特許公開第2004-0043255号)などがあり、 前記成分の抽出及び分離は主にシリカカラムを使用した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明は前記のような従来技術の問題点と、過去から要求されて来た技術的課題を解決することを目的とする。
【0016】
即ち、本発明の目的は、漆抽出物でアレルギーを誘発しない抽出物を製造するにあたって、既存の発明者が利用した高温熱処理、抽出及び分画、そしてシリカカラムを使用する方法とは異なり、特定溶媒を順次に使用して抽出及び乾燥を繰り返す工程により、アレルギー誘発成分を完全に除去しながらも、漆の有効成分を高収率で得ることができる新しい漆抽出物の製造方法を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、前記のように製造した抽出物と、これを含有することにより記憶力を増進し、痴呆に対する治療効果を持つ薬剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
従って、本発明による漆抽出物の製造方法は、漆に水と有機溶媒を使用して有効成分を抽出する方法において、
(a)漆に水又は水とアルコールの混合物を溶媒として可溶成分を抽出した後、濾過して得られた濾液を濃縮乾燥して固形分を得るステップと、
(b)前ステップで得た固形分を高濃度エタノールで再抽出した後、濾過して得られた濾液を濃縮乾燥して固形分を得るステップと、
(c)前ステップで得た固形分に炭素原子5〜7の飽和炭化水素を加え、アレルギー誘発成分を溶解させた後、前記炭化水素を除去して固形分を得るステップと、
(d)前ステップで得た固形分に水を加え、水に可溶性の成分を抽出するステップと、を含んで構成される。
【0019】
このような本発明の特徴は、漆の毒性を除去するにあたって、既存に用いられて来たカラムクロマトグラフィー方法代りに、適切な溶媒を選択使用して抽出及び乾燥を繰り返すことのみで、毒性物質を完全に除去することができる。
【0020】
本発明のまた他の特徴は、既存の高温で熱処理する方法とは異なり、直接加熱する工程が無く、抽出時にも高温条件ではないので、熱に弱い成分の損失がなく、漆固有の薬理有効成分をそのまま抽出できるという点である。
【0021】
以下、本発明の製造方法を各ステップ別にさらに詳細に説明すると次のようである。
【0022】
先ず、前記ステップ(a)では、漆に水又は水とアルコールの混合物を加えて可溶成分を抽出する。 漆は細かく粉砕したものを使用するのが好ましく、アルコールは基本的に水と混合できるため、全てのアルコールを使用できるが、その中で特にエタノールが好ましい。前記アルコールの含量は、水に対して0〜90体積%であり、水とアルコールの使用量は、漆重量対比3〜15倍でできる。溶媒の使用量が小さ過ぎる場合には、抽出が十分に達成できないため、収率が低下する問題があり、溶媒を使い過ぎると、濃縮乾燥するのに時間が長くかかるので、好ましくない。
【0023】
抽出温度は30〜100℃範囲が望ましく、抽出収率を高めて抽出にかかる時間を減らすために前記の温度範囲に加温する。抽出後濾過して不溶性物質を除去して得られた抽出液には、様々な可溶成分及び漆の毒性を示すことが知られたウルシオール成分が一部含有されてあり得る。従って、追加の工程で、このようなウルシオール成分を除去するステップが必要である。濾過後得られた抽出物を真空濃縮することにより、溶媒を完全に除去して固形分を得た後、次のステップに使用する。
【0024】
ステップ(b)では、ステップ(a)で得た固形分に高濃度のエタノール溶媒を加えて抽出する。このとき、エタノールは、95〜99.9%(v/v)純度の高濃度エタノールを使用するのが好ましく、固形分の対比3〜30倍(体積基準)を使用することができる。 本工程は水溶性溶媒に容易に溶解し、高濃度のエタノールに溶解しない多糖類など高分子物質を除去するために実行する。従って、前記ステップ(a)で濃縮時、水を完全に除去することが重要でり、もし、水が残っている場合、エタノールを用いて再抽出する工程で、エタノールの濃度低下を引き起こし、エタノール不溶性の成分も再抽出する結果をもたらす。エタノール抽出ステップ後、濾過して不溶成分を除去し、得られた濾液は真空濃縮して溶媒を除去する。本工程でも溶媒であるエタノールを完全に除去しなければならず、これは残留エタノールの濃度が1%以下でなければならない。
【0025】
エタノールが前記濃度以上に残る場合、次のステップの炭化水素と混合し、エタノール可溶成分が炭化水素層に移動して除去されることにより収率の低下をもたらすからである。
【0026】
前記ステップ(c)では、ステップ(b)で得た固形分にC5-C7の飽和炭化水素を加え、可溶である成分を溶出させた後、濾過して除去する工程を行う。ここで、前記炭化水素には最終目的とする物質が抽出されるものではなく、除去されなければならない物質が抽出される。即ち、前記炭化水素に可溶の物質はウルシオールのような成分で、摂取時にアレルギーを誘発するなど副作用をもたらす成分である。
【0027】
ウルシオールは水と混合しない炭化水素に溶解して除去できるが、このような炭化水素の中でも、炭素原子5〜7の飽和炭化水素を使用するのが好ましく、その中でも、ヘキサンを使用するのがさらに好ましい。前記炭化水素は、固形分重量に対して1〜30倍の量で添加することができる。ヘキサンを使用する場合を例をあげて本工程を説明すれば、固形分に存在したウルシオール系の化合物がヘキサンに溶出してヘキサンは薄黄色を帯びる。濾過によって薄黄色ヘキサンを除去すれば、ウルシオール系化合物がヘキサンに洗浄されて除去される。濾過後には沈殿物に残っているヘキサンを完全に蒸発させ、固形分を得て次のステップに使用する。
【0028】
前記ステップ(d)では、ステップ(c)で得た固形分から水溶性成分を抽出する水抽出工程を行う。水は固形分重量の1〜50倍の量で加えることができ、このとき、量又は回数を調節して数回にわたって抽出することができる。水抽出工程後、水に不溶性の沈殿物は濾過して除去する。この沈殿物は、ほとんど黒色に近い沈殿物で、容易に濾過して除去される。
【0029】
好ましくは、前記ステップ(d)から得られた濾液にアルミナを加え、アレルギー誘発成分を完全に吸着除去し、これを濾過して得られた濾液を濃縮及び凍結乾燥するステップを追加に行うことができる。
【0030】
前記ステップ(d)での水抽出工程によって得られた濾液はワイン色を帯び、ここにアルミナを濾液体積の1 〜10%(w/v)で加えて20〜50℃で1〜5時間混合する。この過程で、その他アレルギーを誘発する物質及び不溶性成分はアルミナに吸着されて完全に除去されるので、最終的に得られる粉末は、水及びエタノールに対するさらに完全な溶解性を持つようになる。添加したアルミナを濾過して除去して得られた濾液を濃縮した後、凍結乾燥すれば、粉末化した水溶性の漆抽出物を得る。
【0031】
場合によって、本発明の効果に影響を与えない範囲内で、その他の公知の工程が追加可能であり、これらは全部本発明の範囲に含まれるものと考えなければならない。
【0032】
本発明は、また、前記方法で製造された脳神経細胞の保護機能がある漆抽出物を提供する。
【0033】
本発明による抽出物は、主要成分としてフラボノイド化合物である1〜30重量%のフスティン(fustin, 3,3’,4’,7-tetrahydroxyflavanone)、0.5〜20重量%のフィセチン(fisetin, 3,3’,4’,7-tetrahydroxyflavone)、0〜5重量%のスルフレチン(sulfuretin, 3’,4’,6-trihydroxyaurone)、及び0〜3重量%のバトウィン(butein, 3,4,2’,4’-tetrahydroxychalcone)を含んで構成されている。これらフラボノイド化合物の化学式は下記の[化1]〜[化4]ようである。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【0034】
抽出物の中で、その他の成分は漆で由来したレジン類、水溶性多糖類、糖類などである。
【0035】
本発明による抽出物でこれらの組成及び含量は、漆が天然材料であることを勘案すれば、漆の採取地域、採取時期及び採取部位によって変わるので、一定の範囲で可変的な部分が多い。
【0036】
前記抽出物は脳神経細胞の保護機能を持つので、記憶力改善に効果があることが確認された。
【0037】
また、(a)有効成分として薬理学的有効量の前記抽出物、及び(b)薬剤学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせを含んで構成された薬剤組成物を提供する。
【0038】
用語「薬剤組成物(pharmaceutical composition)」は、本発明の抽出物と希釈剤又は担体のような他の化学成分の混合物を意味する。薬剤組成物は、生物体内に化合物の投与を容易にする。薬理学的有効成分を投与する様々な技術が存在し、ここには経口、注射、エアゾール、非経口、及び局所投与などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0039】
用語「薬理学的有効量(therapeutically effective amount)」は、投与される化合物の量が治療する障害の一つ又はその以上の症状をある程度軽減することを意味する。従って、薬理学的有効量は、(1)疾患の進行速度を逆転させる効果と、(2)疾患のその以上の進行をある程度禁止させる効果と、又は(3)疾患と関連した一つ又はその以上の症状をある程度軽減(好ましくは、除去)する効果を有する量を意味する。
【0040】
用語「担体(carrier)」は、細胞又は組織内に有効成分の合体を容易にする化合物で定義される。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、生物体の細胞又は組織内への多くの有機化合物の投入を容易にする一般に使用される担体である。
【0041】
用語「希釈剤(diluent)」は、対象有効成分の生物学的活性形態を安定化させるだけでなく、有効成分を溶解させる水で希釈される化合物で定義される。緩衝液に溶解されている塩類は当該分野で希釈剤として使用される。一般に使用される緩衝液はリン酸緩衝液食塩水であり、それは人間体液の浸透圧状態を模倣しているからである。緩衝塩は低濃度で溶液のpHを制御できるため、緩衝希釈剤が化合物の生物学的活性を変更することは珍しい。
【0042】
用語「薬理学的に許容される(physiologically acceptable)」は、有効成分の生物学的活性と物性を損傷させない担体又は希釈剤で定義される。
【0043】
本発明による抽出物は人間患者にそのものとして、又は複合治療のように他の活性成分とともに、又は適当な担体や賦形剤とともに混合した薬剤組成物として投与することができる。本応用での化合物の剤形及び投与に関する技術は「Remington's Pharmaceutical Sciences,」 Mack Publishing Co., Easton, PA, 18th edition, 1990で確認することができる。
【0044】
a)投与経路
適切な投与経路は、例えば、経口、鼻腔内、粘膜内、又は腸投与;包膜内、直接心室内、腹腔内、又は眼内注射だけではなく、筋肉内、皮下、静脈内、骨髄内注射を含む非経口伝達を含む。
【0045】
b)組成物/剤形
本発明の薬剤組成物は、例えば、通常の混合、溶解、顆粒化、糖剤-製造、粉末化、乳化、カプセル化、トラッピング、又は凍結乾燥過程の手段によって、公知方式で製造することができる。
【0046】
従って、本発明による使用のための薬剤組成物は、薬剤学的に使用できる剤形への活性化合物の処理を容易にする賦形剤又は補助剤からなっている一つ又はその以上の薬理学的に許容される担体を使用して通常の方法で製造することができる。好適な剤形は選択された投与ルートによって左右される。周知技術、担体及び賦形剤のうち、どれでも適合に、当該分野、例えば、前に説明したRemingston's Pharmaceutical Sciencesで理解するように使用することができる。
【0047】
注射のため、本発明の成分は液状溶液で、好ましくは、ハンクス液 、リンゲル液、又は生理食塩水緩衝のような薬理学的に合う緩衝で製剤することができる。経粘膜の透過投与のために、通過するバリアに適した浸透剤が剤形に使用される。そうような浸透剤は一般に公知されている。
【0048】
経口投与のため、当業界に公知されている薬理学的に許容される担体を有効成分と組み合わせることにより容易に製剤することができる。このような担体は、本発明の抽出物が錠剤、丸薬、糖剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などに製剤化(剤形化)できるようにする。経口使用のための薬剤準備は、本発明の抽出物と一つ又は二つ以上の賦形剤を混合し、場合によっては、このような混合物を粉砕し、必要であれば適切な補助剤を透過した後、顆粒の混合物を処理して錠剤又は糖剤コアを得ることができる。
【0049】
適切な賦形剤は、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールのような充填剤(フィラー);とうもろこし澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又はポリビニルピロリドン(PVP)のようなセルロース系物質などである。必要であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天(天草)、又はアルギン酸又はアルギン酸ナトリウムのような塩などの分解剤が添加できる。
【0050】
糖剤コアは適切にコーティングして供給する。このような目的のために、場合によっては、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、カーボポルゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は、二酸化チタン、ラッカ溶液、及び好適な有機溶媒、又は溶媒混合物を含んだりする濃縮砂糖溶液が使われ得る。活性化合物用量の確認、又はこれらの他の組み合わせを特徴づけるために、染料や顔料が錠剤又は糖剤に含まれたりする。
【0051】
経口に使用可能な医薬品は、ゼラチン及びグリコール、又はソルビトールのような可塑剤で作られた柔らかい密封カプセルだけでなく、ゼラチンで作られた押し込み型のカプセルを含むことができる。押し込み型のカプセルは、ラクトースのような充填剤(フィラー)、澱粉のようなバインダー、及び/又は滑石又はステアリン酸マグネシウムのような滑剤との混合物として、活性成分を含むことができる。軟カプセルで、活性化合物は脂肪酸、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールのような適当な溶体に溶解又は分散することができる。また、安定化剤を含むことができる。経口投与のための全ての製剤は、そのような投与に適当な含量でなければならない。
【0052】
頬側投与のために、組成物は通常の方法によって製剤化(剤形化)した錠剤又は菱形の錠剤を取ることができる。
【0053】
吸入による投与のために、本発明による抽出物は一般的に、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、二酸化炭素又は他の適切なガスのような適切な推進薬を使用し、加圧パック又はネブライザー(nebuliser)からエアゾールスプレー提供の形態で伝達することができる。吸入剤又は吸入器での使用のために、化合物とラクトース又は澱粉のような適切な粉末の粉末状混合物を含む、例えば、ゼラチンのようなカプセル及びカートリッジが製剤化できる。
【0054】
抽出物は、注射によって、例えば、巨丸の注射や持続注入によって、非経口投与用として製剤化(剤形化)が可能である。注射用剤形は、例えば、防腐剤を添加したアンプル又はマルチ・ドーズとして単位用量形態で提供できる。組成物は油性又は水性のビヒクル(vehicle)状の懸濁液、溶液、エマルションのような形態を取ることもでき、懸濁液剤、安定化剤及び/又は分散剤のような剤形用成分を含むことができる。
【0055】
非経口投与用の液剤剤形は、水溶性形態で有効成分の液状溶液を含む。その上に、有効成分の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として準備することができる。適当な親油性溶媒又はビヒクル(vehicle)には、ゴマ油のような脂肪酸、オレイン酸エチル又はトリグリセライドのような合成脂肪酸エステル、又はリポソームなどがある。液状注射懸濁液は、懸濁液の粘度を高める物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどを含むことができる。場合によって、懸濁液に高濃縮溶液の製造が可能にするように、化合物の溶解度を増加させる成分や安定化剤を含むことができる。
【0056】
また、有効成分は、使用前に無菌の発熱物質の水のような適切なビヒクルとの構成のために粉末の形態である可能性がある。
【0057】
有効成分は、例えば、カカオバターや他のグリセリドのような一般的な座薬基剤を含有する、座薬又は停留浣腸のような直腸投与組成物に製剤することができる。
【0058】
本発明による抽出物用の剤形担体は、ベンジルアルコール、無極性の界面活性剤、水混和性有機高分子、及び液状からなる共溶媒系である。共溶媒系はVPD共溶媒系である可能性がある。
【0059】
VPDは、無水エタノールから体積まで作られたベンジルアルコール3% w/v、無極性の界面活性剤ポリソルベート(Polysorbate)80TM 85 w/v、及びポリエチレングリコール300 65% w/vの溶液である。VPD共溶媒系(VPD:D5W)は、水溶液で5%デキストロースで1:1希釈されたVPDからなる。このような共溶媒系は疎水性化合物をよく溶解させ、全身投与時、低毒性をそのものが提供する。自然に共溶媒系の割合はそれの溶解度及び毒性特性を阻害することなく、かなり変化することができる。さらに、共溶媒成分の確認は変化することができる: 例えば、他の低毒性の無極性の界面活性剤がポリソルベート(Polysorbate) 80TM代りに使用することができる;ポリエチレングリコールの分画のサイズは変化することができる;他の生体適合性高分子が例えばポリビニルピロリドンのようなポリエチレングリコールを代替し得る。また、他の糖と多糖類がデキストロースに代わることができる。
【0060】
また、他のデリバリー系を使用することができる。リポソームとエマルションは、疎水性薬剤用伝達ビヒクルの公知の例である。通常より高い毒性を犠牲しても、ジメチルスルホキシドのような任意の有機溶媒を使用することができる。その上、治療成分を含有する固体の疎水性ポリマーの半透性のマトリックスのような徐放性系を使用して有効成分が伝達することができる。様々な徐放性物質が開発され、当業者に公知されている。徐放性カプセルは、それの化合物特性によって2又は3週から100日まで化合物を放出することができる。治療剤の化学的特性及び生物学的安定性により、タンパク質安定のための追加的な戦略を使用することができる。
【0061】
c)有効量
本発明で使用に適切な薬剤組成物には、有効成分がそれの意図された目的を達成するのに有効な量に含有されている組成物を含む。さらに詳細には、治療的有効量は治療される主体の生存を延長し、疾患の症状を防止、軽減又は改善に有効な化合物の量を意味する。治療的有効量の決定は、特に、ここに提供された詳細な開示で、当業者の能力範囲内にある。
【0062】
本発明の抽出物に対する治療的有効量は、細胞培養分析から初期に推測することができる。例えば、線量(dose)は、細胞培養で決定されたIC50を含む循環濃度範囲を得るために動物モデルで計算することができる。そのような情報は、人間にとって有用な線量をより正確に決定するのに使用することができる。
【0063】
投与量は使用された投与形態と利用された投与ルートにより前記範囲内で変化することができる。正確な算定、投与ルート及び投与量は、患者の状態を考慮して個個の医者によって選択され得る(例えば、 Fingl et al. 1975, in 「The Pharmacological Basis of Therapeutics」, Ch. 1 p. 1参照)。 通常、患者に投与される組成物の線量範囲は、患者体重のおよそ0.5乃至1000mg/kgである可能性がある。投与量は、患者に必要な程度によって、一度に又は一日又はその以上の過程で、一連の二度又はその以上提供することができる。
【0064】
局所投与又は選択的取込み(uptake)の場合には、薬剤の有効局所濃度が血漿濃度と関連しない可能性がある。
【0065】
勿論、投与される組成物の量は、治療される主体によって、主体の体重によって、痛みの症状によって、投与方式及び医者の判断によって変わる。
【0066】
本発明によるこのような薬剤組成物は、痴呆予防及び治療用組成物として好ましく使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、実施例及び実験例を参照して本発明の内容を説明するが、本発明の範囲がそれにより限定されるものではない。
【実施例1】
【0068】
抽出物の製造
漆100gを大きさ1cm以下で細かく粉砕した後、ここに10倍の水を加え、60℃で12時間抽出した。抽出物を濾過紙を利用して濾過することにより不溶性固形分を除去して抽出液940mlを得た。これを濃縮して固形分3.9gを得た。ここに純度95%のエタノール300mlを加えて35℃で抽出し、エタノールに可溶性の成分を溶解させた後、濾過して不溶成分を除去し、エタノール抽出物286mlを得た。これを濃縮して溶媒を完全蒸発させた後、固形分 3.1 gを得た
ここにヘキサンを100ml加えてヘキサン可溶成分を洗浄して除去した。残っている固形分の量は3.0gであった。ここに水300mlを加えて水に可溶性の成分を抽出した。これを濾過して残留固形物を除去し、ワイン色を帯びる最終抽出液290mlを得た。ここにアルミナ13gを加えて35℃で3時間混合して不純物を吸着させた。これを濾過してアルミナなどを除去して得られた濾液280mlを濃縮して110 mlに作った後、これを凍結乾燥して黄色の粉末1.0gを得た。このように得られた粉末は、漆の毒性成分であるウルシオールが含有されておらず、完全な水溶性物質として水とエタノールに非常によく溶解した。
【0069】
このような抽出物を分析してみた結果、フラボノイド化合物として、フスティン19.3%(w/w)、フィセチン13.2%(w/w)、スルフレチン0.85%(w/w)及びバトウィン0.12%(w/w)を含んでいた。
【0070】
(実験例1)
アレルギー誘発実験
前記実施例1で得られた抽出物を5%水溶液で製造し、漆に非常に敏感な9人を対象にしてアレルギー誘発テストを行い、その結果を下の表1に示した。
【表1】

前記表1の結果に分かるように本発明の抽出物はどんな場合でもアレルギーを誘発しなかった。
【0071】
(実験例 2)
記憶力増進効果(Hidden Platform Test)
前記実施例1の抽出物を利用して記憶力増進効果をテストした。本テストはマウスを利用したモリス水迷路(Morris water maze)方法によって行った。このためにマウスを Aβ(ベータアミロイド)を利用し、記憶力及び学習能力を損傷させた後、これをモデルとして使用して実施例1の抽出物を投与して対照群と比較した。本実験は、学習遂行に必要な参照記憶(reference memory)と、作業記憶(working memory)を評価するためのテストであり、下の実験例3と実験例4にも記憶力増進効果に対するテストを続いた。
【0072】
1)マウスの処置
テストに使用したマウスを7日間適応させ、このステップで本発明の抽出物を65mg/Kgの割合で、毎12時間ごとに経口投与した。7日経過、6時間後、記憶力を損傷させて痴呆を誘発する物質と知られたベータアミロイド Aβ(1-42)と、Aβ(40-1)を匹当たり400pmoleで注射し、注射してから3日経過後、「Hidden Platform Test」を4日間行った。
【0073】
2)テスト方法
水迷路(water maze)にプラットフォームを置き、これを水面より低くし、マウスからは見えないように(これをhidden platformという)水面下にあるプラットフォームを正確に探して行くためには、4方向に配置されている4個の互いに違うキュー(cue)を通じて、プラットフォームの位置と方向および距離を正確に記憶しなければならない。
【0074】
4日の実験の間に毎日5回の実行を繰り返し、出発点の位置を変え続けて誤差を減らす。迷路に入った時間から「hidden platform」に到逹する時間を測定する。参照記憶(reference memory)は、長期記憶(long-term memory)とも言い、脳の海馬部位の損傷と関連があることが報告されている。
【0075】
3)テスト結果
前記結果を図1に示した。図1に分かるように、本発明の抽出物を投与した場合、投与しない場合に比べ、水中のプラットフォームを見つけるのにかかる時間が、3日後には相対的に非常に短いことが示された。このように本発明の抽出物がマウスの記憶力を増進させ、痴呆を誘発する物質から記憶を維持できるということがわかる。
【0076】
また、図2は前記テストの中で、マウスのトレーシング・パターン(tracing pattern)を示す図であり、ここで、円はプラットフォームの位置を示す。図2のように実施例1の抽出物を投与したマウスの場合、水中のプラットフォームを見つけるパターンが、3日以後に著しく簡単になり、学習した記憶を示すことが分かる。
【0077】
(実験例3)
記憶力増進効果(Probe test)
本テストは、前記実験例2のマウスを対象にして水中のプラットフォームを除去した場合、その場所を記憶して通過する回数を測定したものである。その結果として除去したプラットフォームの位置を通過した回数を次の表2に示した。
【表2】

【0078】
表2に示すように本発明の抽出物を投与した群の場合、対照群に比べてプラットフォームがあった場所を記憶し、これを通過する回数が有意に多いことがわかる。これは本発明の抽出物が記憶能の向上効果があることが証明する。
【0079】
また、本テストの中でマウスのトレーシング・パターンを示した図3も同じ結果を示し、本発明の抽出物が投与された群の場合、プラットフォームがあった場所を記憶して集中的な通過パターンを示すことが明らかになった。
【0080】
(実験例4)
作業記憶能力の増進効果(Working Memory Test)
作業記憶能力テストは3日間行われ、毎日プラットフォームの位置を変え、プラットフォームを見つける時間を測定する。
【0081】
その結果、図4に示すように本発明の抽出物を投与したマウスの場合、移動されたプラットフォームを見つける時間が、そうでない場合に比べて、時間が著しく短くなることがわかる。
【0082】
(実験例5)
神経細胞の保護機能
前記実施例1の抽出物を利用した神経細胞の保護機能の効果を確認した結果、本発明の抽出物は、次のように相当な神経細胞の保護機能があることが分かった。
【0083】
マウスにカイニン酸 (kainic acid)を処理すれば、てんかん性痙攣により神経細胞が損傷を受ける症状が現れる。これを基に本発明の抽出物を投与した場合を対照群と比較し、神経細胞の損傷に対する指標となる「Fos-related antigen(FRA)」の発現を調査した。大脳の歯状回(dentate gyrus)でのFRA-免疫反応性(immunoreactivity)を比較した結果、salineを投与した群に比べて30%以上の低い値を示している。このように本発明の抽出物は、神経細胞の損傷を予防する効果があることがわかる。
【0084】
前述したように、本発明の実施例1で得られる漆抽出物の摂取時アレルギーを全く誘発しない。また、漆の薬理的な効果をそのまま維持し、人間の健康維持に多様に利用することができる。特に本発明の方法により得られた抽出物は、記憶力の増進及び老人性痴呆の治療に卓越した効果を有する。
【0085】
本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記の内容を基に、本発明の範囲内に様々に応用および変形して実施することが可能なのは明らかなことである。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上説明したように、本発明による漆抽出物の製造方法は、不溶性の不純物を除去し、完全水溶性の薬理効果を出す成分を錠剤することにより、記憶力増進および痴呆治療機能など漆の薬理効果をそのまま維持し、アレルギーを誘発する副作用なしに摂取することができ、健康機能食品および医薬品などの原料に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実験例2による記憶力増進効果の試験(Hidden platform test)結果を示すグラフである。
【図2】実験例2による記憶力増進効果の試験でマウスのトレーシング・パターン(tracing pattern)を示す図である。
【図3】実験例3による記憶力増進効果の試験(Probe test)でマウスのトレーシング・パターンを示す図面である。
【図4】実験例4による作業記憶能力の増進効果の試験(Working Memory Test)結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
漆に水と有機溶媒を使用して有効成分を抽出する方法として、
(a)漆に水又は水とアルコールの混合物を溶媒として可溶成分を抽出した後、濾過して得られた濾液を濃縮乾燥して固形分を得るステップと、
(b)前ステップで得た固形分を高濃度エタノールで再抽出した後、濾過して得られた濾液を濃縮乾燥して固形分を得るステップと、
(c)前ステップで得た固形分に炭素原子5〜7の飽和炭化水素を加え、アレルギー誘発成分を溶解させた後、前記炭化水素を除去して固形分を得るステップと、
(d)前ステップで得た固形分に水を加え、水に可溶性の成分を抽出するステップと、を含んで構成された漆抽出物の製造方法。
【請求項2】
前記ステップ(d)から得られた濾液にアルミナを加え、アレルギー誘発成分を吸着除去し、これを濾過して得られた濾液を濃縮及び凍結乾燥して固形分を得るステップを、追加で行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ(a)で使用する溶媒で、水とアルコールの混合物は、アルコールの含量が0〜90体積%であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ(b)で高濃度エタノールは95〜99.9%(v/v)の純度を持つことを特徴とする 請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
前記ステップ(b)でエタノールは、固形分対比3〜30倍(体積基準)で添加することを特徴とする請求項1又は4記載の製造方法。
【請求項6】
前記ステップ(c)で炭素原子5〜7の飽和炭化水素はヘキサンであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ(c)で炭素原子5〜7の飽和炭化水素は、固形分対比1〜30倍の重量で添加することを特徴とする請求項1又は6記載の製造方法。
【請求項8】
前記ステップ(d)で水は、固形分対比1〜50倍の重量で添加することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項9】
前記アルミナは、ステップ(d)で得られた濾液に対して1〜10%(w/v)で加えることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項10】
脳神経細胞の保護機能がある請求項1乃至9のうちいずれか1つに記載の漆抽出物。
【請求項11】
主要成分には、フラボノイド化合物の1〜30重量%のフスティン(fustin, 3,3’,4’,7-tetrahydroxyflavanone)、 0.5〜20重量%のフィセチン(fisetin, 3,3’,4’,7-tetrahydroxyflavone)、 0〜5重量%のスルフレチン(sulfuretin, 3’,4’,6-trihydroxyaurone)、 および0〜3重量%のバトウィン(butein, 3,4,2’,4’-tetrahydroxychalcone)と、を含有することを特徴とする請求項10記載の漆抽出物。
【請求項12】
前記抽出物は、記憶力の改善に効果があることを特徴とする請求項10記載の漆抽出物。
【請求項13】
(a)有効成分として第10項による薬理学的有効量の抽出物、および(b)薬剤学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせを含んで構成された記憶力向上用の薬剤組成物。
【請求項14】
前記薬剤組成物は、痴呆予防および治療目的で使用することを特徴とする請求項13記載の薬剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−512449(P2008−512449A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531075(P2007−531075)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002976
【国際公開番号】WO2006/043752
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(506402322)エージアィ カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】