説明

漏電検出器

【課題】 車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間での漏電状態を検出する簡易な漏電検出器を提供する。
【解決手段】 車両に搭載された高圧バッテリーユニットと車両のシャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出する携帯型の器体10を備えた漏電検出器であって、器体10に着脱自在に取り付けられ、車両のシャーシに接触させる接地用プローブ14と、器体10の先端に設けられ、高圧バッテリーユニットに接触させる検知子15と、器体10に内蔵され、絶縁抵抗の低下により流れる漏電電流で発生する電圧を検出する検知回路部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車などに搭載された高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出する漏電検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などの環境問題から、内燃機関を搭載したガソリン自動車に代わるものとして、モータ駆動用として高圧バッテリーユニットを搭載したハイブリッド車や電気自動車が開発されている。これらハイブリッド車や電気自動車では、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間で絶縁抵抗が所定値を保持するように、高圧バッテリーユニットが車両シャーシに対してフローティング状態で搭載されている。
【0003】
しかしながら、経年劣化や事故などで、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間の絶縁抵抗が低下して漏電状態が発生すると、高圧バッテリーユニットの電圧低下により車両の走行に支障を来たすばかりでなく、車両シャーシに触れて感電する危険性もある。そのため、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出する漏電検出器が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−218569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した特許文献1に開示された漏電検出器は、ハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載されたものである。一方、車両のメンテナンス時や、車両事故現場におけるレスキュー時に、感電防止を目的として作業上の安全性を確保するため、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間の絶縁抵抗が低下して漏電状態が発生しているか否かを判定する必要がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された漏電検出器が、ハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載されたものであることから、車両のメンテナンス時や、車両事故現場におけるレスキュー時に、この漏電検出器により、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間での漏電状態を検出し得る簡易な漏電検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、車両に搭載された高圧バッテリーユニットと車両のシャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出する携帯型の器体を備えた漏電検出器であって、器体に着脱自在に取り付けられ、車両のシャーシに接触させる接地用プローブと、器体の先端に設けられ、高圧バッテリーユニットに接触させる検知子と、器体に内蔵され、絶縁抵抗の低下により流れる漏電電流で発生する電圧を検出する検知回路部とを具備したことを特徴とする。
【0009】
本発明では、携帯型の器体を備えていることから、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、感電防止を目的として作業上の安全性を確保するため、作業者が、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間での漏電状態を簡易に検出することができ、次のメンテナンス作業やレスキュー作業へ速やかに移行することが可能となる。
【0010】
この漏電検出器を使用するに際しては、器体の先端に設けられた検知子を高圧バッテリーユニットに接触させると共に、器体に着脱自在に取り付けられた接地用プローブを車両シャーシに接触させる。この状態で、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間の絶縁抵抗の低下により漏電状態が発生していると、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間で漏電検出器により形成された閉回路に漏電電流が流れる。この漏電電流が流れることにより発生する電圧を検知回路部で検出することにより、漏電状態の発生を判定することができる。
【0011】
本発明における検知子は、50kΩ〜500kΩの内部抵抗を有することが望ましい。このようにすれば、漏電電流が流れることにより発生する電圧(50V程度)を閾値として設定すると、作業者が車両シャーシに触れた時にその作業者に流れる漏電電流が0.1mA〜1mAとなる。この値の漏電電流を作業者が体感しない上限として漏電状態の発生を判定することで、この値よりも大きな漏電電流が流れた場合に感電することを未然に防止して作業上の安全性を確保する。
【0012】
本発明を適用する車両としては、ハイブリッド車あるいは電気自動車のいずれかが好適である。ハイブリッド車や電気自動車は、200〜300V程度の高圧バッテリーユニットを搭載していることから、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、感電防止を目的として作業上の安全性を確保するため、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間での漏電状態を検出する作業を必要とする。
【0013】
本発明における接地用プローブは、その基端部が器体内で巻回状態に収容されたリード線の先端に取り付けられて器体に着脱自在に係止され、先端部が器体に形成された凹部に着脱自在に係止状態で格納されている構造が望ましい。このような構造とすれば、漏電検出作業の開始時には、接地用プローブを器体から取り外して車両シャーシに接触させ、漏電検出作業が終了すれば、その接地用プローブを器体に格納することができ、接地用プローブの取り扱い性が向上する。
【0014】
本発明における検知子は、器体の先端に突設されて尖端棒状をなし、検知子を囲撓する筒状体を段階的に突出可能に器体に取り付けた構造が望ましい。このように尖端棒状の検知子を囲撓する筒状体を突出可能に器体に取り付ければ、漏電検出器を携行する際に、検知子の全体を筒状体で囲撓することにより安全性を確保することができる。また、この筒状体の突出状態を段階的にすれば、検知子の基端を部分的に囲撓することができるので、近接する端子との短絡など、周辺機器との干渉を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両に搭載された高圧バッテリーユニットと車両のシャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出する携帯型の器体を備え、器体に着脱自在に取り付けられ、車両のシャーシに接触させる接地用プローブと、器体の先端に設けられ、高圧バッテリーユニットに接触させる検知子と、器体に内蔵され、絶縁抵抗の低下により流れる漏電電流で発生する電圧を検出する検知回路部とを具備したことにより、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、感電防止を目的として作業上の安全性を確保するため、作業者が、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間での漏電状態を簡易に検出することができ、次のメンテナンス作業やレスキュー作業へ速やかに移行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る漏電検出器の実施形態で、(A)は背面図、(B)は上面図、(C)は正面図、(D)は下面図である。
【図2】図1の漏電検出器の内部回路構成図である。
【図3】図1の漏電検出器の使用状態を示す正面図である。
【図4】図1の漏電検出器の使用状態で、高圧バッテリーユニットおよび車両シャーシに対する漏電検出器の接続状態を示す回路図である。
【図5】図1の漏電検出器における筒状体の構造で、(A)は筒状体を後退させて検知子の全体を露呈させた状態を示す部分断面図、(B)は筒状体から検知子の先端のみを露呈させた状態を示す部分断面図、(C)は筒状体で検知子全体を囲撓した状態を示す部分断面図である。
【図6】図1(C)の漏電検出器で、(A)は筒状体から検知子の先端のみを露呈させた状態を示す正面図、(B)は筒状体で検知子全体を囲撓した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る漏電検出器の実施形態を、図面を参照しながら以下に詳述する。なお、図1は漏電検出器の外観を示し、図2は漏電検出器の内部回路構成を示す。
【0018】
この実施形態における漏電検出器は、図1(A)〜(D)に示すように、ハイブリッド車や電気自動車(EV車)などの車両に搭載された高圧バッテリーユニットと車両のシャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出する携帯型の器体10を備えている。この器体10は、作業者が把持し易いように基端部11から先端部12に向けて先細り形状をなす樹脂製のものであり、ポケットなどに収納して携行できる大きさを有する。なお、ポケットなどに収納して携行し易いように、器体10の基端部11にクリップ13が設けられている。
【0019】
この漏電検出器は、器体10に着脱自在に取り付けられ、車両のシャーシに接触させる接地用プローブ14と、器体10の先端に設けられ、高圧バッテリーユニットに接触させる検知子15と、器体10に内蔵され、絶縁抵抗の低下により流れる漏電電流で発生する電圧を検出して漏電状態を報知する検知回路部16とを具備している。
【0020】
接地用プローブ14は、棒状の把持部17とその把持部17の先端に設けられた導電性の接触子18とで構成され、接触子18は、把持部17の基端から導出されたリード線19により、器体10に内蔵された検出回路部16と電気的に接続されている。この接地用プローブ14の把持部17の基端部は、器体10の基端部11に形成された凹部20に係止可能な構造でもって着脱自在に収容されている。また、器体10の先端部12に突起部21が配設され、接地用プローブ14の把持部17の先端の接触子18は、器体10の突起部21に形成された凹部22に係止可能な構造でもって着脱自在に格納されている。これにより、接地用プローブ14の先端部の接触子18に過度のストレスが加わらないようにしている。
【0021】
この接地用プローブ14の把持部17の基端部から導出されたリード線19は、器体10の基端部11に形成された凹溝23に収容されて器体10の内部に導入され、その器体10の基端部11の内部で巻回された状態で収容されている。漏電検出器の使用に際しては、接地用プローブ14を器体10から取り外してリード線19を引き出し、その漏電検出器の使用後、引き出されたリード線19は、器体10の基端部11の背面側に設けられた円盤24を図1(A)の矢印方向に回転させることにより巻き取られる。この円盤24には、手動での巻取りが容易なように指を嵌め込むための凹部25が形成されている。
【0022】
検知子15は、器体10の先端部12に突設されて尖端棒状をなす導電性のもので、50kΩ〜500kΩの内部抵抗26を有する(図2参照)。このようにすれば、漏電電流が流れることにより発生する電圧(50V程度)を閾値として設定すると、作業者が車両シャーシに触れた時にその作業者に流れる漏電電流が0.1mA〜1mAとなる。この値の漏電電流を作業者が体感しない上限として漏電状態の発生を判定することで、この値よりも大きな漏電電流が流れた場合に作業者が漏電電流を体感する状態(感電状態)が生じることを未然に防止して作業上の安全性を確保する。なお、この内部抵抗26が50kΩよりも小さいと、作業者が体感するような大きな漏電電流が流れても検出することが困難となる。逆に、内部抵抗26が500kΩよりも大きいと、作業者が体感しないような小さな漏電電流が流れた場合でも検出することになってしまう。
【0023】
検知回路部16は、図2に示すように、検知子15がその内部抵抗26を介して電気的に接続されたレベル検出回路27、断続音発生回路28、音響発振回路29および電池電圧検出回路30を構成する電子部品が実装された配線基板(図示せず)を有する。この検知回路部16は、配線基板上の実装回路部品の他、発光ダイオード31、ブザー32、テスト用押しボタンスイッチ33および電池34を具備する。なお、前述の接地用プローブ14は、レベル検出回路27から電気的に導出されている。また、図1中の符号44は、前述の発光ダイオード31が配置された表示部(ランプカバー)である。
【0024】
この検知回路部16では、電池34による電源電圧でもってレベル検出回路27、断続音発生回路28および音響発振回路29を駆動し、検知子15から接地用プローブ14に向けて漏電電流が流れると、その漏電電流が流れることにより発生する電圧をレベル検出回路27により検出し、そのレベル検出回路27の出力により断続音発生回路28を介して音響発振回路29の出力でもって発光ダイオード31を断続的に発光させると共にブザー32を断続的に発音させることにより漏電状態を報知する。なお、テスト用押しボタンスイッチ33を押せば、電池電圧検出回路30により検知回路部16の動作確認が可能となっている。
【0025】
ハイブリッド車や電気自動車は、200〜300V程度の高圧バッテリーユニットを搭載していることから、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、感電防止を目的として作業上の安全性を確保するため、高圧バッテリーユニットと車両シャーシとの間での漏電状態を検出する作業を必要とする。
【0026】
この実施形態の漏電検出器では、携帯型の器体10を備えていることから、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、作業者が、車両に搭載された高圧バッテリーユニットとその車両のシャーシとの間での漏電状態を簡易に検出することができ、次のメンテナンス作業やレスキュー作業へ速やかに移行することが可能となる。
【0027】
この漏電検出器を使用するに際しては、まず、図3に示すように接地用プローブ14の把持部17の基端部を器体10の基端部11の凹部20から抜脱すると共に、接地用プローブ14の接触子18を器体10の先端部12の突起部21の凹部22から抜脱することにより、接地用プローブ14を器体10から取り外してその器体10からリード線19を引き出す。
【0028】
この状態で、図4に示すように、器体10の先端部12の検知子15を高圧バッテリーユニット35に接触させると共に、器体10から取り外された接地用プローブ14の接触子18を車両シャーシ36に接触させる。ここで、ハイブリッド車や電気自動車では、高圧バッテリーユニット35と車両シャーシ36との間で絶縁抵抗37が所定値を保持するように、高圧バッテリーユニット35が車両シャーシ36に対してフローティング状態で搭載されている。
【0029】
しかしながら、経年劣化や事故などで、高圧バッテリーユニット35と車両シャーシ36との間の絶縁抵抗37が低下して漏電状態が発生していると、高圧バッテリーユニット35と車両シャーシ36との間で漏電検出器により形成された閉回路に漏電電流iが流れる。この漏電電流iが流れることにより発生する電圧をレベル検出回路27により検出し、そのレベル検出回路27の出力により断続音発生回路28を介して音響発振回路29の出力でもって発光ダイオード31が断続的に発光すると共にブザー32が断続的に発音する(図2参照)。
【0030】
このようにして検知回路部16で検出することにより、漏電状態の発生を作業者に報知することができる。その結果、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、感電防止を目的として作業上の安全性を確保することができる。
【0031】
図4に示すように、高圧バッテリーユニット35の直流回路のプラス側に漏電検出器の検知子15を接触させた状態で、高圧バッテリーユニット35と車両シャーシ36との間の絶縁抵抗37の低下により漏電状態が発生した場合、絶縁抵抗37が低下して漏電状態が発生している箇所が高圧バッテリーユニット35の直流回路のマイナス側であると判別できる。このように、漏電検出器の検知子15を高圧バッテリーユニット35の直流回路の一方の極側に接触させた時に、漏電電流iが流れた場合、高圧バッテリーユニット35の直流回路の他方の反対極側で漏電状態が発生していることが判別できる。
【0032】
なお、車両のメンテナンス時や車両事故現場におけるレスキュー時に、高圧バッテリーユニット35に検知子15を接触させると共に車両のシャーシ36に接地用プローブ14の接触子18を接触させた状態で、高圧バッテリーユニット35と車両シャーシ36との間の絶縁抵抗37の低下により漏電状態が発生していると、電池38を切り離して停電状態とした場合、この実施形態の漏電検出器では、50kΩ〜500kΩ程度の小さな内部抵抗26(通常の検電器の場合は、数MΩ〜数十MΩの内部抵抗)を有することから、高圧バッテリーユニット35の負荷39に蓄積された残留電荷が速やかに放電し、その放電時間の短縮化が容易となる。その結果、次のメンテナンス作業やレスキュー作業へより一層速やかに移行することが可能となる。
【0033】
この漏電検出器における接地用プローブ14は、その把持部17の基端部が器体10内で巻回状態に収容されたリード線19の先端に取り付けられて器体10の基端部11の凹部20に係止可能な構造でもって着脱自在に収容され、先端部が器体10の突起部21に形成された凹部22に係止可能な構造でもって着脱自在に格納されている構造としている。これにより、漏電検出作業の開始時には、接地用プローブ14を器体10から取り外してリード線19を引き出して車両シャーシ36に接触させ、漏電検出作業が終了すれば、リード線19を巻き取って接地用プローブ14を器体10に格納することができ、接地用プローブ14の取り扱い性が向上する。
【0034】
また、漏電検出器では、図5(A)〜(C)に示すように、尖端棒状の検知子15を囲撓する筒状体40を段階的に突出可能に器体10の先端部12に取り付けた構造としている。この筒状体40の基端には操作部41が一体的に形成され、その操作部41が器体10の中央部の先端寄り部位にスライド自在に配設されている。この操作部41の一部にストッパ42が突設され、そのストッパ42が嵌まり込む凹部43を筒状体40の突出方向に沿って三箇所に形成している。このストッパ42が三箇所の凹部43のいずれかに嵌まり込むことにより、筒状体40をその三箇所で位置規制することが可能となり、筒状体40を段階的(三段階)に突出可能な構造としている。
【0035】
つまり、図5(A)に示すように操作部41を手前位置にすれば、筒状体40が最も後退した位置になって検知子15の全体が露呈した状態となり〔図1(C)参照〕、その検知子15を高圧バッテリーユニット35に接触させることができる使用状態となる。また、図5(B)に示すように操作部41をスライドさせて中央位置にすれば、筒状体40の先端が突出した位置になって検知子15の基端側が筒状体40で囲撓されて検知子15の先端のみが露呈した状態となり〔図6(A)参照〕、近接する端子との短絡など、周辺機器との干渉を未然に防止することができる。さらに、図5(C)に示すように操作部41をさらにスライドさせて先端位置にすれば、筒状体40が最も突出した位置になって検知子15の全体を筒状体40で囲撓した状態となり〔図6(B)参照〕、漏電検出器をポケット等に収容した状態で携行する際の安全性が確保できる。
【0036】
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0037】
10 器体
14 接地用プローブ
15 検知子
16 検知回路部
19 リード線
22 凹部
26 内部抵抗
35 高圧バッテリーユニット
36 シャーシ
37 絶縁抵抗
40 筒状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された高圧バッテリーユニットと前記車両のシャーシとの間の絶縁抵抗の低下により発生する漏電状態を検出する携帯型の器体を備えた漏電検出器であって、前記器体に着脱自在に取り付けられ、前記車両のシャーシに接触させる接地用プローブと、前記器体の先端に設けられ、高圧バッテリーユニットに接触させる検知子と、前記器体に内蔵され、前記絶縁抵抗の低下により流れる漏電電流で発生する電圧を検出する検知回路部とを具備したことを特徴とする携帯型漏電検出器。
【請求項2】
前記検知子は、50kΩ〜500kΩの内部抵抗を有する請求項1に記載の携帯型漏電検出器。
【請求項3】
前記車両は、ハイブリッド車あるいは電気自動車のうちから選択される一つである請求項1又は2に記載の携帯型漏電検出器。
【請求項4】
前記接地用プローブは、その基端部が器体内で巻回状態に収容されたリード線の先端に取り付けられて器体に着脱自在に係止され、先端部が器体に形成された凹部に着脱自在に係止状態で格納されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯型漏電検出器。
【請求項5】
前記検知子は、器体の先端に突設されて尖端棒状をなし、前記検知子を囲撓する筒状体を段階的に突出可能に器体に取り付けた請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯型漏電検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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