説明

演奏装置および電子楽器

【課題】音色、音高を含む楽音構成要素を、演奏者が所望のように変化させる。
【解決手段】演奏装置本体11の位置が、メイン領域内に位置し、かつ、その位置が、サブ領域に位置するときを発音タイミングとして、CPU21は、メイン領域・音色テーブルに格納された、メイン領域に対応付けられた音色、および、サブ領域・音高テーブルに格納された、サブ領域に対応付けられた音高にて、ノートオンイベントを生成する。ノートオンイベントは、演奏装置本体11から電子楽器10に送信され、電子楽器の音源部31がノートオンイベントにしたがった音色および音高の楽音を生成して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏者が手で保持して、振ることにより楽音を発生させる演奏装置および電子楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スティック状の部材にセンサを設け、演奏者が部材を手で保持して振ることで、センサが、当該部材の動きを検出し、楽音を発音するように構成された電子楽器が提案されている。特に、この電子楽器では、スティック状の部材は、ドラムのスティックや太鼓の撥のような形状を備え、演奏者があたかもドラムや太鼓をたたくような動作に応じて、打楽器音が発声されるようになっている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、スティック状の部材に加速度センサを設け、加速度センサからの出力(加速度センサ値)が、所定の閾値に達した後、所定時間が経過すると、楽音を発音するように構成された演奏装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2663503号公報
【特許文献2】特願2007−256736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された演奏装置では、スティック状の部材の加速度センサ値に基づいて楽音の発音が制御されるだけであり、演奏者の所望のような楽音の変化を実現するのが容易ではないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献2には、複数の音色を発音可能として、地磁気センサを用いて、スティック状の部材が向けられる方向にしたがって、複数の音色のうち、何れかを発音する装置が提案されている。特許文献2に開示された装置においては、部材の方向によって音色を変化させるため、発音すべき音色の種別が増大すると、その音色に割り当てられる方向(角度範囲)が小さくなるため、所望の音色の楽音を発生することが容易ではないという問題点があった。
【0007】
本発明は、音色および音高を含む楽音構成要素を、演奏者が所望のように変化させることができる演奏装置および電子楽器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、演奏者が手で保持可能な装置本体と、空間中少なくとも側面が地表面と垂直な面により画定されたメイン領域を特定する情報、及び当該メイン領域に対応付けられた楽音の音色を記憶する音色記憶手段と、前記メイン領域中に位置するサブ領域を特定する情報、及び当該サブ領域と対応付けられた楽音の音高を記憶する音高記憶手段と、前記装置本体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報手段により取得された前記装置本体の位置が、前記メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に属するときに、前記装置本体の位置が属するメイン領域に対応付けられた音色を前記音色記憶手段から読み出すとともに、前記装置本体の位置が属するサブ領域に対応付けられた音高を前記音高記憶手段から読み出す読み出し手段と、楽音発生手段に対して、当該読み出し手段により読み出された音色及び音高を有する楽音の発音の指示を与える発音指示手段と、を有する演奏装置により達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音色および音高を含む楽音構成要素を、演奏者が所望のように変化させることができる演奏装置および電子楽器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる電子楽器の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる演奏装置本体の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】図3は、本実施の形態にかかる演奏装置本体において実行される処理の例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本実施の形態にかかる現在位置取得処理の例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施の形態にかかるメイン領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図6】図6、本実施の形態にかかる音色設定処理の例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本実施の形態にかかるメイン領域の決定を概略的に示す図である。
【図8】図8は、本実施の形態にかかるRAM中のメイン領域・音色テーブルの例を示す図である。
【図9】図9は、本実施の形態にかかるサブ領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本実施の形態にかかる音高設定処理の例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本実施の形態にかかるサブ領域の決定を概略的に示す図である。
【図12】図12は、本実施の形態にかかるRAM中のサブ領域・音高テーブルの例を示す図である。
【図13】図13は、本実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、本実施の形態にかかる演奏装置本体のサブ領域設定処理および音高設定処理において設定されたサブ領域および対応する音高の例を概略的に示す図である。
【図16】図16は、本実施の形態にかかる楽器部において実行される処理の例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、第2の実施の形態にかかるサブ領域設定処理の例を示す図である。
【図18】図18は、本実施の形態にかかる演奏装置本体のサブ領域設定処理および音高設定処理において設定されたサブ領域および対応する音高の例を概略的に示す図である。
【図19】図19は、第3の実施の形態にかかるメイン領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図20】図20は、第4の実施の形態にかかるサブ領域・音高設定処理の例を示すフローチャートである。
【図21】図21は、本実施の形態にかかる演奏装置本体のサブ領域・音高設定処理において設定されたサブ領域を概略的に示す図である。
【図22】図22は、第5の実施の形態にかかる第2の音色設定処理の例を示すフローチャートである。
【図23】図23は、組み合わせにかかる実施の形態でのメイン領域およびサブ領域を概略的に示す例である。
【図24】図24は、他の実施の形態にかかるメイン領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図25】図25は、他の実施の形態にかかるサブ領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図26】図26は、他の実施の形態にかかるメイン領域およびサブ領域の例を示す図である。
【図27】図27は、他の態様に係る発音タイミング検出処理のフローチャートである。
【図28】図28は、他の態様に係るサブ領域の構成を示した図である。
【図29】図29は、他の態様に係るノートオンイベント生成処理のフローチャートである。
【図30】図30は、第4の実施形態に係るサブ領域の形状の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる電子楽器の構成を示すブロックダイヤグラムである。図1に示すように、本実施の形態にかかる電子楽器10は、演奏者が手に持って振るための、長手方向に延びるスティック状の演奏装置本体11を有している。また、電子楽器10は、楽音を発生するための楽器部19を備え、楽器部19は、CPU12、インタフェース(I/F)13、ROM14、RAM15、表示部16、入力部17およびサウンドシステム18を有する。演奏装置本体11は、後述するように、演奏者が保持する根元側と反対側である先端側の付近に加速度センサ23と、地磁気センサ22とを有する。
【0012】
楽器部19のI/F13は、演奏装置本体11からのデータ(たとえばノートオンイベント)を受け入れて、RAM15に格納するとともに、CPU12にデータの受け入れを通知する。本実施の形態においては、たとえば、演奏装置本体11の根元側端部に赤外線通信装置24が設けられ、I/F13にも赤外線通信装置33が設けられている。したがって、楽器部19は、演奏装置本体11の赤外線通信装置24が発した赤外線を、I/F13の赤外線通信装置33が受信することで、演奏装置本体11からのデータを受信することができる。
【0013】
CPU12は、電子楽器10全体の制御、特に、電子楽器の楽器部19の制御、入力部17を構成するキースイッチ(図示せず)の操作の検出、I/F13を介して受信したノートオンイベントに基づく楽音の発生など、種々の処理を実行する。
【0014】
ROM14は、電子楽器10全体の制御、特に、電子楽器の楽器部19の制御、入力部17を構成するキースイッチ(図示せず)の操作の検出、I/F13を介して受信したノートオンイベントに基づく楽音の発生など、種々の処理プログラムを格納する。また、ROM14は、種々の音色の波形データ、特に、バスドラム、ハイハット、スネア、シンバルなど打楽器の波形データを格納する波形データエリアを含む。無論、打楽器の波形データに限定されず、ROM22には、フルート、サックス、トランペットなどの管楽器、ピアノなどの鍵盤楽器、ギターなどの弦楽器、マリンバ、ヴィブラフォン、ティンパニなど他の打楽器の音色の波形データが格納されていても良い。
【0015】
RAM15は、ROM14から読み出されたプログラムや、処理の過程で生じたデータやパラメータを記憶する。処理の過程で生じたデータには、入力部17のスイッチの操作状態、I/F13を介して受信したセンサ値、楽音の発音状態(発音フラグ)などが含まれる。
【0016】
表示部16は、たとえば、液晶表示装置(図示せず)を有し、選択された音色や後述するメイン領域と楽音の音色とを対応付けたメイン領域・音色テーブル、サブ領域と楽音の音高とを対応付けたサブ領域・音高テーブルの内容などを表示することができる。また、入力部17は、スイッチ(図示せず)を有し、音色の指定などを指示することができる。
【0017】
サウンドシステム18は、音源部31、オーディオ回路32およびスピーカ35を備える。音源部31は、CPU12からの指示にしたがって、ROM15の波形データエリアから波形データを読み出して、楽音データを生成して出力する。オーディオ回路32は、音源部31から出力された楽音データをアナログ信号に変換し、変換されたアナログ信号を増幅してスピーカ35に出力する。これによりスピーカ35から楽音が出力される。
【0018】
図2は、本実施の形態にかかる演奏装置本体の構成を示すブロックダイヤグラムである。図2に示すように、演奏装置本体11は、演奏者が保持する根元側と反対側である先端側に、地磁気センサ22および加速度センサ23を有する。地磁気センサ22の位置は、先端側に限定されず、根元側に配置されていても良い。しかしながら、演奏者は、演奏装置本体11の先端の位置を基準と考えて(つまり、先端を目でみながら)演奏装置本体11を振ることが多い。したがって、演奏装置本体11の先端の位置情報を取得することを考慮して、地磁気センサ22は先端側に位置するのが望ましい。加速度センサ22は、特に、加速度の変化が大きく現れるように、演奏装置本体11の先端側に配置されるのが望ましい。
【0019】
地磁気センサ22は、磁気抵抗効果素子やホール素子を有し、x、y、z方向のそれぞれの磁界の成分を検出することができる、3軸地磁気センサである。したがって、本実施の形態においては、3軸地磁気センサのセンサ値に基づいて、演奏装置本体11の位置情報(座標値)を取得することができる。また、加速度センサ23は、たとえば、静電容量型或いはピエゾ抵抗素子型のセンサであり、生じた加速度を示すデータ値を出力することができる。本実施の形態にかかる加速度センサ23は、たとえば、演奏装置本体11の長軸、長軸に垂直な2つの軸の3軸方向の加速度値(成分)を得ることができる。加速度センサから得られる3軸方向の成分のそれぞれにより、演奏装置本体11の移動量を算出することができる。また、演奏装置本体11の長軸方向の成分により、楽音の発音タイミングを決定することができる。
【0020】
また、演奏装置本体11は、CPU21、赤外線通信装置24、ROM25、RAM26、インタフェース(I/F)27および入力部28を有する。CPU21は、演奏装置本体11におけるセンサ値の取得、地磁気センサ22のセンサ値および加速度センサ23のセンサ値にしたがった位置情報の取得、楽音の発音を可能にする領域であるメイン領域の設定、メイン領域において発音すべき楽曲の音高を規定する領域であるサブ領域の設定、加速度センサ22のセンサ値(加速度センサ値)に基づく楽音の発音タイミングの検出、ノートオンイベントの生成、I/F27および赤外線通信装置24を介したノートオンイベントの送信制御などの処理を実行する。
【0021】
ROM25には演奏装置本体11におけるセンサ値の取得、地磁気センサ22のセンサ値および加速度センサ23のセンサ値にしたがった位置情報の取得、楽音の発音を可能にする領域であるメイン領域の設定、メイン領域において発音すべき楽曲の音高を規定する領域であるサブ領域の設定、加速度センサ値に基づく楽音の発音タイミングの検出、ノートオンイベントの生成、I/F27および赤外線通信装置24を介したノートオンイベントの送信制御などの処理プログラムが格納される。RAM26には、センサ値等、処理において取得され或いは生成された値が格納される。I/F27は、CPU21からの指示にしたがって赤外線通信装置24にデータを出力する。また、入力部28は、スイッチ(図示せず)を有する。
【0022】
図3は、本実施の形態にかかる演奏装置本体において実行される処理の例を示すフローチャートである。図3に示すように、演奏装置本体11のCPU21は、RAM26のデータやフラグのクリアなどを含むイニシャライズ処理を実行する(ステップ301)。イニシャライズ処理においては、タイマインタラプトが解除される。タイマインタラプトが解除されると、演奏装置本体11において、所定の時間間隔で、地磁気センサ22のセンサ値、および、加速度センサ23のセンサ値が、CPU21により読み込まれ、それぞれがRAM26に格納される。また、イニシャライズ処理においては、地磁気センサ22の初期値と、加速度センサ値23の初期値とに基づいて、演奏装置本体11の初期位置が取得され、これもRAM26に格納される。以下に説明する現在位置取得処理(ステップ304)において取得される現在位置は、上記初期位置に対する相対位置となる。イニシャライズ処理の後、ステップ302〜310は繰り返し実行される。
【0023】
CPU21は、インタラプト処理により得られている加速度センサ23のセンサ値(加速度センサ値)を取得してRAM26に格納する(ステップ302)。また、CPU21は、インタラプト処理により得られている地磁気センサ22のセンサ値(地磁気センサ値)を取得する(ステップ303)。
【0024】
次いで、CPU21は、現在位置取得処理を実行する(ステップ304)。図4は、本実施の形態にかかる現在位置取得処理の例を示すフローチャートである。図4に示すように、CPU21は、RAM26に格納された、前回実行されたステップ303で得られた地磁気センサ値と、今回実行されたステップ303で得られた地磁気センサ値と、に基づいて、演奏装置本体11の移動方向を算出する(ステップ401)。前述したように、本実施の形態にかかる地磁気センサ22は、3軸地磁気センサであるため、x成分、y成分、z成分の各成分の差からなる3次元のベクトルに基づいて方向を得ることができる。
【0025】
また、CPU21は、RAM26に格納された、前回実行されたステップ302で得られた加速度センサ値と、今回実行されたステップ302で得られた加速度センサ値と、に基づいて、演奏装置本体11の移動量を算出する(ステップ402)。これは、加速度センサ値、および、それぞれの加速度センサ値の取得時刻の差(時間間隔)を用いて、2回積分をすることにより取得できる。次いで、CPU21は、RAM26に格納された前回の位置情報、ステップ401、402でそれぞれ得られた移動方向および移動量に基づき、現在位置の座標を算出する(ステップ403)。CPU21は、算出された座標が、前回の位置座標から変化があったかを判断する(ステップ404)。ステップ404でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26中、新たな位置情報として、算出された現在位置の座標を格納する(ステップ405)。
【0026】
現在位置取得処理(ステップ304)の後、CPU21は、メイン領域設定処理を実行するステップ305)。本実施の形態においては、演奏者が演奏装置本体11を用いて、領域の頂点を指定し、頂点により画定される2次元平面を射影した地表面上の平面と、当該平面の頂点から延びる垂線と、により画定される領域がメイン領域となるように構成される。また、本実施の形態においては、演奏装置本体10を用いた楽音の発生が可能となるメイン領域が画定される。また、後述するように、メイン領域内に実際に発音すべき楽音の音高を関連付けたサブ領域を設定することで、実際の楽音が発生される。以下、4つの頂点を用いてメイン領域を設定する場合について説明する。図5は、本実施の形態にかかるメイン領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【0027】
図5に示すように、CPU21は、入力部18中のメイン領域設定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ501)。ステップ501でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26に格納された位置情報を取得して、頂点の座標(頂点座標)としてRAM26に格納する(ステップ502)。次いで、CPU21は、RAM26中、頂点数を示すパラメータNをインクリメントする(ステップ503)。なお、本実施の形態では、上記パラメータNは、イニシャライズ処理(図3のステップ301)において「0」に初期化される。次いで、CPU21は、パラメータNが「4」より大きいかを判断する(ステップ504)。ステップ504でNoと判断された場合には、メイン領域設定処理を終了する。
【0028】
ステップ504でYesと判断されたことは、4つの頂点座標が、RAM26中に格納されたことを意味する。したがって、ステップ504でYesと判断された場合には、CPU21は、4つの頂点座標により画定される2次元平面(四辺形)の情報を取得する(ステップ505)。次いで、CPU21は、取得した四辺形を示す情報に基づき、当該四辺形を地表面に射影して得られる四辺形の頂点の位置を取得し、メイン領域の情報を、RAM26中のメイン領域・音色テーブルに格納する(ステップ506)。その後、CPU21は、RAM26中のパラメータNを「0」に初期化するとともに、メイン領域設定フラグを「1」にセットする(ステップ507)。
【0029】
本実施の形態においては、演奏者が頂点を指定することにより、頂点により画定される平面に基づくメイン領域を設定することができる。上記実施の形態では、頂点の数が4である平面(四辺形)をメイン領域として設定しているが、頂点の数を変更することにより、三角形など任意の多角形のメイン領域を設定することが可能となる。
【0030】
図7は、本実施の形態にかかるメイン領域の決定を概略的に示す図である。符号71〜74は、それぞれ、演奏者が、メイン設定スイッチをオンしたときの演奏装置本体を示す。符号71〜74における演奏装置本体の先端位置は、それぞれ、
P1(符号71):(x、y、z
P2(符号72):(x、y、z
P3(符号73):(x、y、z
P4(符号74):(x、y、z
である。これら4つの座標を直線で結ぶことにより得られる平面が符号700で示される。
【0031】
また、平面700を地表面(z座標=z)に射影した平面701において頂点の座標yは、
(x、y、z
(x、y、z
(x、y、z
(x、y、z
となる。
【0032】
本実施の形態では、4つの座標(x、y、z)、(x、y、z)、(x、y、z)、(x、y、z)により画定される平面と、当該4つの座標から延びる垂線75〜78により画定される空間710をメイン領域としている。後述するように、演奏装置本体11が、上記空間710内に位置しているときに、演奏装置本体11を振ることによる楽音の発生が可能となる。なお、領域の設定や形状については、他の形態もあり得る。これについては後述する。
【0033】
メイン領域設定処理(ステップ305)が終了すると、CPU21は、音色設定処理を実行する(ステップ306)。図6、本実施の形態にかかる音色設定処理の例を示すフローチャートである。図6に示すように、CPU21は、メイン領域設定フラグが「1」であるかを判断する(ステップ601)。ステップ601でNoと判断された場合には、音色設定処理を終了する。
【0034】
ステップ601でYesと判断された場合には、CPU21は、音色確認スイッチがオンされたかを判断する(ステップ602)。ステップ602でYesと判断された場合には、CPU21は、音色を示すパラメータTNにしたがった音色情報を含むノートオンイベントを生成する(ステップ603)。このパラメータTNは、たとえば、音色を一意的に特定するための音色番号である。このノートオンイベントにおいては、音量レベルや音高を示す情報は予め定められたものであれば良い。次いで、CPU21は、生成されたノートオンイベントをI/F26に出力する(ステップ604)。I/F27は、赤外線通信装置24にノートオンイベントを赤外線信号として送信させる。赤外線通信装置24からの赤外線信号は楽器部19の赤外線通信装置33に受信される。これにより、楽器部19において所定の音高の楽音が発音される。楽器部19における発音については後述する。
【0035】
ステップ604の後、CPU21は、確定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ605)。ステップ605でNoと判断された場合には、CPU21は、音色を示すパラメータTNをインクリメントして(ステップ606)、ステップ602に戻る。ステップ605でYesと判断された場合には、CPU21は、パラメータNNに示す音色情報を、メイン領域の情報と関連付けて、RAM26中のメイン領域・音色テーブルに格納する(ステップ607)。次いで、CPU21は、メイン領域設定フラグを「0」にリセットする(ステップ608)。
【0036】
図8は、本実施の形態にかかるRAM中のメイン領域・音色テーブルの例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態にかかるメイン領域・音色テーブル800のレコード(たとえば、符号801参照)は、メイン領域ID、頂点位置(頂点1〜頂点4)の座標、および、音色という項目を有する。メイン領域IDは、レコードを一意的に特定するためのもので、メイン領域・音色テーブル800のレコード生成の際に、CPU21により採番される。本実施の形態においては、音高が変化可能な楽器の音色が指定できるようになっている。図8の例では、ヴィブラフォン、マリンバ、ティンパニのような、音高が変化可能な打楽器の音色が設定されている。無論、上記打楽器以外の楽器(鍵盤楽器、弦楽器、管楽器など)の音色が設定できるように構成しても良い。
【0037】
また、頂点位置の座標としてx方向、y方向の2次元座標(x、y)が格納される。これは、上述したように、本実施の形態にかかるメイン領域は、地表面上の、たとえば4つの頂点に基づく平面と、当該4つの頂点から延びる垂線75〜78により画定される3次元空間であり、z座標は任意としているからである。
【0038】
音色設定処理(ステップ306)が終了すると、CPU21は、サブ領域設定処理を実行する(ステップ307)。図9は、本実施の形態にかかるサブ領域設定処理の例を示すフローチャートである。図9に示すように、CPU21は、RAM26に格納された演奏装置本体11の位置情報を取得して(ステップ901)、演奏装置本体11が、何れかのメイン領域内に位置しているかを判断する(ステップ902)。ステップ902でNoと判断された場合には、サブ領域設定処理は終了する。
【0039】
ステップ902でYesと判断された場合には、CPU21は、演奏装置本体11の入力部28中、中心設定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ903)。ステップ903でNoと判断された場合には、サブ領域設定処理を終了する。ステップ903でYesと判断された場合には、CPU21は、中心設定スイッチが新規オンであるかを判断する(ステップ904)。ステップ904でYesと判断された場合には、CPU21は、演奏装置本体11の位置情報を、中心位置Cの位置情報(座標(x,y,z))として、RAM26に格納する(ステップ905)。この位置は、以下で設定されるサブ領域の基準位置となる。
【0040】
ステップ904でNoと判断された場合、つまり、スイッチがオン中である場合、或いは、ステップ905が実行された後に、CPU21は、中心設定スイッチがオフされたかを判断する(ステップ906)。ステップ906でNoと判断された場合には、サブ領域設定処理を終了する。ステップ906でYesと判断された場合には、CPU21は、演奏装置本体11の位置情報を、中心設定スイッチがオフされたときの演奏装置本体11の位置Pの位置情報(座標(x,y,z))として、RAM26に格納する(ステップ907)。また、ステップ907において、CPU21は、位置Cと位置Pとの間の距離dを算出する。CPU21は、中心位置を位置Cとして位置Pを通る半径dの範囲(円盤:円形の平面)を、サブ領域と決定して(ステップ908)、サブ領域を特定する情報(中心位置Cの座標、位置P(「通過位置」とも称する)の座標および半径d)を、RAM26中のサブ領域・音高テーブルに格納する(ステップ909)。ステップ909においてサブ領域・音高テーブルに格納される情報には、サブ領域が属するメイン領域を特定するメイン領域ID、サブ領域を特定するサブ領域IDも含まれる。その後、CPU21は、RAM26中のサブ領域設定フラグを「1」にセットする(ステップ910)。
【0041】
上述したように、第1の実施の形態においては、演奏者は、中心位置Cと設定したい位置にて、演奏装置本体11の中心設定スイッチをオンして、その状態を維持したまま、半径に相当する位置まで移動し、その位置で、中心設定スイッチをオフすることにより、中心設定スイッチがオンされた位置を中心位置Cとして、中心設定スイッチがオフされた位置Pを通る、半径d(d:中心位置Cと位置Pとの間の距離)の円形の平面を、サブ領域として設定することができる。
【0042】
図11は、本実施の形態にかかるサブ領域の決定を概略的に示す図である。符号100は、中心設定スイッチがオンされたときの演奏装置本体を示し、符号101は、中心設定スイッチがオフされたときの演奏装置本体を示す。便宜上、図11においては、演奏者が、演奏装置本体を水平に移動させ、それを、上側から見ている状態としている。
【0043】
演奏者が演奏装置本体の中心設定スイッチをオンすることで、演奏装置本体100の先端位置が、中心位置Cの座標(x,y,z)としてRAM26に格納され、中心設定スイッチがオンされた状態のまま、演奏装置本体11を移動して所望の位置にてオフすると、演奏装置本体101の先端位置が、位置Pの座標(x,y,z)として得られ、かつ、中心位置Cと位置Pとの間の距離dが算出される。これにより、中心を中心位置Cとした、位置Pを通る半径dの円形の平面1000がサブ領域として設定される。後述するように、演奏装置本体11の先端(地磁気センサ22)が、このサブ領域上に位置し、或いは、サブ領域を通過することにより、楽音が発生することになる。
【0044】
なお、図11の例では、演奏者が演奏装置本体11を水平に移動させており、そのため、円形の平面は地表面から平行に位置しているが、これに限定されるものではなく、上記演奏者により設定される円形の平面は地表面に対して任意の角度をもって位置していて良い。また、領域の設定については、他の手法を考えることも可能である。
【0045】
サブ領域設定処理(ステップ307)が終了すると、CPU21は、音高設定処理を実行する(ステップ308)。図10は、本実施の形態にかかる音高設定処理の例を示すフローチャートである。なお、入力部28は、音高を指定するために、音高確認スイッチと確定スイッチとを有する。このスイッチとして、前述した他のスイッチを切り替えることにより用いても良い。また、図10の音高設定処理にて使用される音高を示すパラメータ(たとえば、MIDIに基づく音高情報)は、イニシャライズ処理(ステップ301)において、初期値(たとえば、最低音)に設定される。図10に示すように、CPU21は、サブ領域設定フラグが「1」であるかを判断する(ステップ1001)。ステップ1001でNoと判断された場合には、音高設定処理を終了する。
【0046】
ステップ1001でYesと判断された場合には、CPU21は、音高確認スイッチがオンされたかを判断する(ステップ1002)。ステップ1002でYesと判断された場合には、CPU21は、音高を示すパラメータNNにしたがった音高情報を含むノートオンイベントを生成する(ステップ1003)。このノートオンイベントにおいては、音量レベルや音色を示す情報は予め定められたものであれば良い。次いで、CPU21は、生成されたノートオンイベントをI/F26に出力する(ステップ1004)。I/F27は、赤外線通信装置24にノートオンイベントを赤外線信号として送信させる。赤外線通信装置24からの赤外線信号は楽器部19の赤外線通信装置33に受信される。これにより、楽器部19において所定の音高の楽音が発音される。
【0047】
ステップ1004の後、CPU21は、確認スイッチがオンされたかを判断する(ステップ1005)。ステップ1005でNoと判断された場合には、CPU21は、音高を示すパラメータNNをインクリメントして(ステップ1006)、ステップ1002に戻る。ステップ1005でYesと判断された場合には、CPU21は、パラメータNNに示す音高情報を、サブ領域の情報と関連付けて、RAM26中のサブ領域・音高テーブルに格納する(ステップ1007)。次いで、CPU21は、サブ領域設定フラグを「0」にリセットする(ステップ1008)。
【0048】
図10に示す音高設定処理においては、音高確認スイッチがオンされるたびに、前回より1つ高い音高の楽音が発音される。演奏者は、所望の音高の楽音が発音されたときに、確認スイッチをオンすることにより、所望の音高を、サブ領域と対応付けることが可能となる。図12は、本実施の形態にかかるRAM中のサブ領域・音高テーブルの例を示す図である。図12に示すように、本実施の形態にかかるサブ領域・音高テーブル1200のレコード(たとえば、符号1201参照)は、メイン領域ID、サブ領域ID、中心位置Cの座標、通過位置Pの座標、半径d、および、音高という項目を有する。
【0049】
メイン領域IDは、サブ領域が位置するメイン領域を特定するメイン領域IDである。サブ領域IDは、サブ領域・音高テーブル1200のレコード生成の際に、CPU21により採番される。
【0050】
音高設定処理(ステップ308)が終了すると、CPU21は、発音タイミング検出処理を実行する(ステップ309)。図13は、本実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。CPU21は、RAM26に格納された位置情報を取得して(ステップ1301)、RAM26中のメイン領域・音色テーブルを参照して、演奏装置本体11がメイン領域内に位置しているかを判断する(ステップ1302)。ステップ1302でNoと判断された場合には、RAM26に格納された加速度センサの最大値を「0」にリセットする(ステップ1303)。
【0051】
ステップ1302でYesと判断された場合には、CPU21は、ステップ302で取得された加速度センサ値が所定値αより大きいかを判断する(ステップ1304)。所定値αは0より大きな任意の値であって良く、演奏者により演奏装置本体11が振られていることが検出できれば良い。ステップ1304でNoと判断された場合には、ステップ1307に進む。ステップ1304でYesと判断された場合には、CPU21は、加速度センサ値が、RAM26に格納されている最大値よりも大きいかを判断する(ステップ1305)。ステップ1305でNoと判断された場合には、ステップ1307に進む。
【0052】
ステップ1305でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26中の最大値として、取得された加速度センサ値を格納する(ステップ1306)。次いで、CPU21は、演奏装置本体11の位置が、サブ領域に接し或いはサブ領域を通過したかを判断する(ステップ1307)。ステップ1307において、CPU21は、サブ領域・音高テーブルにおいて、ステップ1302でその領域内と判断されたメイン領域のメイン領域IDを有するレコード群を特定し、当該レコードの各々の、中心位置Cの座標、通過位置Pの座標および半径を参照して、サブ領域を規定する円形の平面を特定する情報を取得して、RAM26に格納された、地磁気センサ22等から得られた今回の演奏装置本体11の位置が、サブ領域の平面に接し、或いは、前回の処理による座標および今回の処理による座標から得られる演奏装置本体11の軌跡が、サブ領域の平面と交差しているかを判断する。ステップ1307でNoと判断された場合には、発音タイミング検出処理を終了する。
【0053】
ステップ1307でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26に格納された、当該サブ領域に対応付けられた発音ステータスが「消音中」であるかを判断する(ステップ1308)。ステップ1308でYesと判断された場合には、CPU21は、ノートオンイベント処理を実行する(ステップ1309)。本実施の形態においては、発音ステータスは、サブ領域ごとに対応付けられてRAM26中に格納され、楽器部19の音源部31において、当該サブ領域に関連付けられた音色が発音中であるか(発音ステータス=発音中)、或いは、消音されているか(発音ステータス=消音中)を示す。
【0054】
図14は、本実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。図14に示すように、CPU21は、RAM26に格納された加速度センサ値の最大値に基づき音量レベル(ベロシティ)を決定する(ステップ1401)。
【0055】
加速度センサの最大値をAmax、音量レベル(ベロシティ)の最大値をVmaxとすると、音量レベルVelは、たとえば、以下のように求めることができる。
【0056】
Vel=a・Amax
(ただし、a・Amax>Vmaxであれば、Vel=Vmax、また、aは所定の正の係数)
次いで、CPU21は、RAM26中のメイン領域・音色テーブルを参照して、演奏装置本体11が位置するメイン領域についてのレコードを特定し、特定されたレコード中の音色を、発音すべき楽音の音色として決定する(ステップ1402)。また、CPU21は、RAM23中のサブ領域・音高テーブルを参照して、演奏装置本体11が位置するメイン領域において、演奏装置本体が接した或いは通過したサブ領域についてのレコードを特定し、特定されたレコード中の音高を、発音すべき楽音の音高と決定する(ステップ1403)。CPU21は、決定された音量レベル(ベロシティ)、音色および音高を含むノートオンイベントを生成する(ステップ1404)。
【0057】
CPU21は、生成されたノートオンイベントをI/F27に出力する(ステップ1405)。I/F27は、赤外線通信装置24にノートオンイベントを赤外線信号として送信させる。赤外線通信装置24からの赤外線信号は楽器部19の赤外線通信装置33に受信される。その後、CPU21は、RAM26中の発音ステータスを「発音中」に変更する(ステップ1406)。
【0058】
発音タイミング検出処理(ステップ309)が終了すると、CPU21は、パラメータ通信処理を実行する(ステップ310)。パラメータ通信処理(ステップ310)については、後述する楽器部19におけるパラメータ通信処理とともに説明する。
【0059】
図15は、本実施の形態にかかる演奏装置本体のサブ領域設定処理および音高設定処理において設定されたサブ領域および対応する音高の例を概略的に示す図である。この例では、サブ領域設定処理において、射影面1510およびその頂点から延びる垂線により画定されるメイン領域(符号1500参照)中に、サブ領域(符号150〜153参照)が設定されている。サブ領域150〜153のサブ領域IDはそれぞれ「0」〜「3」であり、サブ領域150〜153のそれぞれには、C3〜F3の音高が割り当てられている。これらの情報は、RAM26のサブ領域・音高テーブルに格納される。
【0060】
たとえば、演奏者が、演奏装置本体(符号1501)を振り下ろし、当該演奏装置本体(符号1502参照)の先端が、サブ領域150を通過すると、C3の音高の楽音が発音される。同様に、演奏者が、演奏装置本体(符号1503参照)を振り上げ、当該演奏装置本体(符号1504参照)の先端が、サブ領域151を通過すると、D3の音高の楽音が発音される。なお、音色は、メイン領域1500に対応付けられたものとなる。
【0061】
図16は、本実施の形態にかかる楽器部において実行される処理の例を示すフローチャートである。楽器部19のCPU12は、RAM15のデータのクリア、表示部16の画面上の画像のクリア、音源部31のクリアなどを含むイニシャライズ処理を実行する(ステップ1601)。次いで、CPU12は、スイッチ処理を実行する(ステップ1602)。スイッチ処理においては、たとえば、CPU12は、入力部17のスイッチ操作にしたがって、発音すべき楽音についての効果音のパラメータなどを設定する。設定された効果音のパラメータ(たとえば、リバーブのデプスなど)は、RAM15に格納される。また、スイッチ処理においては、後述するパラメータ通信処理により演奏装置本体11から送信され、楽器部19のRAM15に記憶されるメイン領域・音色テーブル、および、サブ領域・音高テーブルを、スイッチ操作により編集することもできる。この編集では、メイン領域を規定する頂点位置を修正し、また、音色を変更すること、或いは、サブ領域の位置やサイズを修正し、また、音高を変更することも可能である。
【0062】
次いで、CPU12は、I/F13が、ノートオンイベントを新たに受信しているかを判断する(ステップ1603)。ステップ1603でYesと判断された場合には、CPU12は発音処理を実行する(ステップ1604)。発音処理においては、CPU12は、受信したノートオンイベントを音源部31に出力する。音源部31は、ノートオンイベントに含まれる音色にしたがってROMの波形データを読み出す。また、その読み出し速度は、ノートオンイベントに含まれる音高に従う。また、音源部31は、読み出された波形データに、ノートオンイベントに含まれる音量データ(ベロシティ)にしたがった係数を乗算して、所定の音量レベルの楽音データを生成する。生成された楽音データはオーディオ回路32に出力され、最終的に、所定の楽音がスピーカ35から発生される。
【0063】
その後、CPU12は、パラメータ通信処理を実行する(ステップ1605)。パラメータ通信処理(ステップ1605)においては、CPU12の指示によって、たとえば、スイッチ処理(ステップ1602)で編集されたメイン領域・音色テーブル、サブ領域・音高テーブルのデータが、演奏装置本体11に送信される。演奏装置本体11において、赤外線通信装置24が、データを受信すると、CPU21は、I/F27を介してデータを受け入れ、RAM26に格納する(図3のステップ310)。
【0064】
図3のステップ310においても、演奏装置本体11のCPU21は、パラメータ通信処理を実行する。演奏装置本体11のパラメータ通信処理においては、ステップ305〜308で設定されたメイン領域および音色、並びに、サブ領域および音高に基づき生成され、RAM26中に格納されたメイン領域・音色テーブルおよびサブ領域・音高テーブルのデータが、楽器部19に送信される。
【0065】
楽器部19のパラメータ通信処理(ステップ1605)が終了すると、CPU12は、その他の処理、たとえば、表示部16の画面上に表示される画像の更新などを実行する(ステップ1606)。
【0066】
第1の実施の形態によれば、演奏装置本体11の位置が、メイン領域内に位置し、かつ、その位置が、サブ領域に位置するときを発音タイミングとして、CPU21は、メイン領域・音色テーブルに格納された、メイン領域に対応付けられた音色、および、サブ領域・音高テーブルに格納された、サブ領域に対応付けられた音高にて、ノートオンイベントを生成する。これにより、演奏者は、所定の音色について設定されたメイン領域において、所定のサブ領域に向けて演奏装置本体11を操作することで、所望の音色および音高の楽音を発音することが可能となる。
【0067】
また、本実施の形態においては、CPU21は、3以上の頂点の位置情報に基づき、頂点を結ぶ平面を地表面に射影することにより得られる平面を底面として、当該底面となる平面とその頂点から延びる垂線とにより画定される空間をメイン領域と決定する。
このように、演奏者が頂点を指定することにより、頂点を結んだ平面に基づくメイン領域を設定することができる。なお、上記実施の形態では、頂点の数が4である平面(四辺形)をメイン領域として設定しているが、頂点の数を変更することにより、三角形など任意の底面形状のメイン領域を設定することが可能となる。
【0068】
さらに、本実施の形態においては、CPU21は、指定された中心位置の位置情報と、当該中心位置と異なる他の位置の位置情報とに基づき、中心位置を中心として、他の位置を通る円形の平面をサブ領域として特定する。これにより、中心位置と他の位置(通過位置)とを指定することにより円形の2次元平面をサブ領域として設定することが可能となる。
【0069】
また、本実施の形態においては、 また、本実施の形態においては、演奏装置本体11は、地磁気センサ22と、加速度センサ23とを有し、CPU21は、地磁気センサ22のセンサ値に基づき、演奏装置本体11の移動方向を検出するとともに、加速度センサ23のセンサ値に基づき、演奏装置本体11の移動量を算出する。移動方向および移動量によって、演奏装置本体11の現在位置が取得される。これにより、大規模な装置を用いず、また、複雑な演算なく、演奏装置本体11の位置を得ることが可能となる。
【0070】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、メイン領域として、複数の頂点を結ぶ多角形を地表面に射影した平面および頂点から延びる垂線により確定される領域が設定される。また、サブ領域としては、中心位置および半径により確定される円形の平面領域が設定される。しかしながら、領域の形状はこれらに限定されるものではない。
【0071】
たとえば、第2の実施の形態において、サブ領域として、複数の頂点を結ぶ多角形の平面領域が設定される。図17は、第2の実施の形態にかかるサブ領域設定処理の例を示す図である。第2の実施の形態において、サブ領域設定処理以外の処理(たとえば、メイン領域設定処理、音色設定処理、音高設定処理、発音タイミング検出処理など)は、第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0072】
図17に示すように、CPU21は、RAM26に格納された演奏装置本体11の位置情報を取得して(ステップ1701)、演奏装置本体11が、何れかのメイン領域内に位置しているかを判断する(ステップ1702)。ステップ1702でNoと判断された場合には、サブ領域設定処理は終了する。
【0073】
ステップ1702でYesと判断された場合には、CPU21は、入力部18中のサブ領域設定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ1703)。ステップ1703でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26に格納された位置情報を取得して、頂点の座標(頂点座標)としてRAM26に格納する(ステップ1704)。次いで、CPU21は、RAM26中、頂点数を示すパラメータMをインクリメントする(ステップ1705)。なお、第1の実施の形態と同様に、上記パラメータMは、イニシャライズ処理(図3のステップ301)において「0」に初期化される。次いで、CPU21は、パラメータMが「4」より大きいかを判断する(ステップ1706)。ステップ1706でNoと判断された場合には、サブ領域設定処理を終了する。
【0074】
ステップ1706でYesと判断されたことは、4つの頂点座標が、RAM26中に格納されたことを意味する。したがって、ステップ1706でYesと判断された場合には、CPU21は、4つの頂点座標により画定される2次元平面(四辺形)の情報を取得する(ステップ1707)。次いで、CPU21は、取得した2次元平面の情報を、RAM26中のサブ領域・音高テーブルに格納する(ステップ1708)。その後、CPU21は、RAM26中のパラメータMを「0」に初期化するとともに、サブ領域設定フラグを「1」にセットする(ステップ1709)。
【0075】
このようにして、第2の実施の形態によれば複数の頂点(本実施の形態では4つの頂点)により画定される2次元平面であるサブ領域を設定することが可能となる。サブ領域の各々には、第1の実施の形態と同様に、音高設定処理により、所望の音高を設定することができる。図18は、本実施の形態にかかる演奏装置本体のサブ領域設定処理および音高設定処理において設定されたサブ領域および対応する音高の例を概略的に示す図である。この例では、サブ領域設定処理において、4つの頂点により画定される四辺形がサブ領域として設定されている。図18においては、射影1810およびその頂点から延びる垂線により画定されるメイン領域(符号1800参照)中に、それぞれが四辺形の、6つのサブ領域180〜185が例示されている。サブ領域180〜185の領域IDは、それぞれ、「0」〜「5」である。また、サブ領域180〜185のそれぞれには、C3〜A3の音高が割り当てられている。これらの情報は、RAM26のサブ領域・音高テーブルに格納される。たとえば、演奏者が、演奏装置本体(符号1801)を振り下ろし、当該演奏装置本体(符号1802)の先端が、サブ領域182を通過すると、E3の音高の楽音が発音される。
【0076】
また、メイン領域として、第1の実施の形態と同様に、中心位置Cおよび半径dに基づく円形の2次元平面を取得し、当該平面を地表面に射影した射影面と当該射影面から延びる垂線とにより画定される領域を設定しても良い。
【0077】
さらに、中心位置と半径を取得して平面の情報を取得するのではなく、演奏者が、演奏装置本体11を空間において所望の領域に沿って移動させることにより、円形或いは楕円形の平面の情報を取得することも可能である。以下、演奏装置本体11の軌跡に基づきメイン領域を設定する場合を、第3の実施の形態として説明する。第3の実施の形態においても、円形(或いは楕円形)を底面とする柱状のメイン領域が設定される。つまり、第3の実施の形態においては、演奏者が、演奏装置本体11を空間において所望の領域に沿って移動させることにより、円形或いは楕円形の平面を画定し、画定された平面の地表面への射影面が、メイン領域を規定する円柱(或いは楕円柱)の底面となる。図19は、第3の実施の形態にかかるメイン領域設定処理の例を示すフローチャートである。第3の実施の形態においては、メイン領域の設定のために、演奏装置本体11のスイッチ部28が設定開始スイッチおよび設定終了スイッチを有する。なお、第3の実施の形態において、メイン領域設定処理以外の処理(たとえば、音色設定処理、サブ領域設定処理、音高設定処理、発音タイミング検出処理など)は、第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0078】
図19に示すように、CPU21は、設定開始スイッチがオンされたかを判断する(ステップ1901)。ステップ1901でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26に格納された位置情報を取得して、始点位置の座標(始点座標)として、RAM26に格納する(ステップ1902)。また、CPU21は、設定中フラグを「1」にセットする(ステップ1903)。
【0079】
ステップ1901でNoと判断された場合には、CPU21は、設定中フラグが「1」であるかを判断する(ステップ1904)。ステップ1704でYesと判断された場合には、RAM26に格納された位置情報を取得して、経過位置の座標(経過位置座標)としてRAM26に格納する(ステップ1905)。なお、ステップ1905は、演奏者により演奏装置本体11の終了スイッチがオンされるまで、複数回実行される。したがって、ステップ1905においては、RAM26に、ステップ1705の実行回数と関連付けて経過位置座標が格納される。
【0080】
その後、CPU21は、終了スイッチがオンされたかを判断する(ステップ1906)。ステップ1906でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26に格納された位置情報を取得して、終点位置の座標(終点座標)としてRAM26に格納する(ステップ1907)。次いで、CPU21は、終点座標が、始点座標から所定の範囲内に位置しているかを判断する(ステップ1908)。ステップ1908でNoと判断された場合には、領域設定処理を終了する。ステップ1904、1906でNoと判断された場合にも、同様に、領域設定処理は終了する。
【0081】
ステップ1908でYesと判断された場合には、始点座標、経過位置座標、終点位置座標に基づいて、これら座標を通るような楕円或いは円を特定する情報を取得する(ステップ1909)。CPU21は、隣接する座標を結ぶ閉曲線を作成し、この閉曲線に近似する円或いは楕円を得れば良い。たとえば、近似においては、最小二乗法など既知の手法を適用することができる。また、CPU21は、ステップ1909にて特定された楕円或いは円を地表面に射影した射影面に対応する楕円或いは円の情報を算出し、当該射影による楕円或いは円の情報を、メイン領域の情報として、RAM26中のメイン領域・音色テーブルに格納する(ステップ1910)。その後、CPU21は、RAM26中の設定中フラグを「0」にリセットするとともに、メイン領域設定フラグを「1」にセットする(ステップ1911)。
【0082】
第3の実施の形態によれば、演奏者により設定された所望の形状の平面の地表への射影面と、射影面から垂直に延びる壁により画定される柱状のメイン領域を設定することができる。特に、第3の実施の形態では、演奏者が演奏装置本体11を移動させた軌跡を外郭の側面とするような、メイン領域を設定することが可能である。なお、サブ領域も第3の実施の形態に記載した手法にて設定できることも言うまでもない。
【0083】
また、メイン領域の設定は、上記演奏装置本体11の軌跡に基づくものに限られない。たとえば、第1の実施の形態におけるサブ領域の設定と同様に、中心位置Cおよび半径dに基づく円形の2次元平面を取得し、当該平面を地表面に射影した射影面と当該射影面から延びる垂線とにより画定される領域を設定しても良い。これについては、図24を参照して後述する。
【0084】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態においては、メイン領域内に、演奏者が、単一の領域を設定すると、当該領域を所定数だけ分割して、分割された領域それぞれがサブ領域として設定され、かつ、当該サブ領域の各々に自動的に音高が割り当てられる。
【0085】
第4の実施の形態においては、図3におけるサブ領域設定処理(ステップ307)および音高設定処理(ステップ308)の代わりに、サブ領域・音高設定処理として実行される。図20は、第4の実施の形態にかかるサブ領域・音高設定処理の例を示すフローチャートである。図20に示すように、CPU21は、RAM26に格納された演奏装置本体11の位置情報を取得して(ステップ2001)、演奏装置本体11が、何れかのメイン領域内に位置しているかを判断する(ステップ2002)。ステップ2002でNoと判断された場合には、サブ領域・音高設定処理は終了する。
【0086】
ステップ2002でYesと判断された場合には、CPU21は、入力部18中のサブ領域設定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ2003)。ステップ2003でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26に格納された位置情報を取得して、頂点の座標(頂点座標)としてRAM26に格納する(ステップ2004)。次いで、CPU21は、RAM26中、頂点数を示すパラメータMをインクリメントする(ステップ2005)。なお、第1の実施の形態と同様に、上記パラメータMは、イニシャライズ処理(図3のステップ301)において「0」に初期化される。次いで、CPU21は、パラメータMが「4」より大きいかを判断する(ステップ2006)。ステップ2006でNoと判断された場合には、サブ領域設定処理を終了する。
【0087】
ステップ2006でYesと判断されたことは、4つの頂点座標が、RAM26中に格納されたことを意味する。したがって、ステップ2006でYesと判断された場合には、CPU21は、4つの頂点座標により画定される2次元平面(四辺形)の情報を取得する(ステップ2007)。次いで、CPU21は、得られた2次元平面をP等分して、P個の部分平面の各々の位置情報(4点の頂点座標の情報)を取得する。CPU21は、この得られた各部分平面の位置情報を、サブ領域の情報として、RAM26中のサブ領域・音高テーブルに格納する(ステップ2008)。
【0088】
その後、CPU21は、パラメータpを「0」に初期化し(ステップ2009)、第p番のサブ領域(サブ領域ID=p)に対して、所定の音高Note(p)を割り当て、サブ領域・音高テーブル中、サブ領域IDに関連付けて、音高Note(p)を格納する(ステップ2010)。CPU21は、パラメータpをインクリメントして(ステップ2011)、パラメータpがP以上であるかを判断する(ステップ2012)。ステップ2012でNoと判断された場合には、ステップ2010に戻る。ステップ2012でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26中のパラメータMを「0」に初期化する(ステップ2013)。
【0089】
図21は、本実施の形態にかかる演奏装置本体のサブ領域・音高設定処理において設定されたサブ領域を概略的に示す図である。図21に示すように、射影面2110および頂点から延びる垂線により画定されるメイン領域(符号2100参照)中、演奏者により2次元平面2120が設定されている。サブ領域・音高設定処理より、2次元平面2120は、P個の部分平面(たとえば符号2130、2131参照)に分割され、それぞれにサブ領域IDおよび対応する音高Note(p)が割り当てられる。サブ領域の位置情報(頂点座標)および音高は、それぞれ、サブ領域IDと関連付けられて、サブ領域・音高テーブルに格納される。
【0090】
第4の実施の形態によれば、メイン領域中に、演奏者が演奏装置本体11を操作することで2次元平面を設定すると、当該2次元平面が分割されて、所定数のサブ領域が生成され、その位置情報がサブ領域・音高テーブルに格納されるとともに、各サブ領域に割り当てるべき音高もサブ領域・音高テーブルに格納される。これにより、演奏者による簡単な操作により所望のサブ領域の設定が完了する。
この第4の実施形態により、空間上に木琴、あるいは鉄琴等のように、異なる音高に対応した被打撃体が並列した楽器を擬似的作り出すことが可能となる(例えば図30(A))。
しかしながら、サブ領域2120の二次元平面上の形状を演奏者がより演奏しやすいように変更することも可能である。例えば、図30(B)に示すように、演奏者を取り囲むように多角形状としてもよい。
【0091】
上記第1の実施の形態ないし第4の実施の形態においては、メイン領域に関連付けて発音すべき楽音の音色を設定し、サブ領域の各々に関連付けて発音すべき楽音の音高を設定している。第5の実施の形態においては、メイン領域に関連付けて音色カテゴリに相当する第1の音色を設定し、サブ領域に関連付けて、第1の音色より細かいサブカテゴリに相当する第2の音色を設定する。
【0092】
第5の実施の形態においては、図3のステップ308の音高設定処理の代わりに、第2の音色設定処理が実行される点を除くと、第1の実施の形態とほぼ同様の処理が実行される。特に、第5の実施の形態としては、第1の音色は打楽器が該当し、第2の音色は打楽器というカテゴリに含まれる、たとえば、ハイハット、スネア、バスドラム、タム、シンバルなどが該当する。また、図6の音色設定処理においては、音色確認スイッチのオンに応答して、打楽器のカテゴリに含まれる第2の音色の何れか(たとえばスネア)の楽音を発音すればよい。
【0093】
図22は、第5の実施の形態にかかる第2の音色設定処理の例を示すフローチャートである。図22に示すように、CPU21は、サブ領域設定フラグが「1」であるかを判断する(ステップ2201)。ステップ2201でNoと判断された場合には、第2の音色設定処理を終了する。
【0094】
ステップ2201でYesと判断された場合には、CPU21は、音色確認スイッチがオンされたかを判断する(ステップ2202)。ステップ2202でYesと判断された場合には、CPU21は、打楽器音色を示すパラメータDTNにしたがった音色情報を含むノートオンイベントを生成する(ステップ2203)。このパラメータDTNは、たとえば、打楽器の音色を一意的に特定するための音色番号である。このノートオンイベントにおいては、音量レベルや音高を示す情報は予め定められたものであれば良い。次いで、CPU21は、生成されたノートオンイベントをI/F26に出力する(ステップ2204)。I/F27は、赤外線通信装置24にノートオンイベントを赤外線信号として送信させる。赤外線通信装置24からの赤外線信号は楽器部19の赤外線通信装置33に受信される。これにより、楽器部19において所定の打楽器の楽音が発音される。
【0095】
ステップ2204の後、CPU21は、確定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ2205)。ステップ2205でNoと判断された場合には、CPU21は、音色を示すパラメータDTNをインクリメントして(ステップ2206)、ステップ2202に戻る。ステップ2205でYesと判断された場合には、CPU21は、パラメータDTNに示す音色情報を、サブ領域の情報と関連付けて、RAM26中のサブ領域・音色テーブルに格納する(ステップ2207)。次いで、CPU21は、サブ領域設定フラグを「0」にリセットする(ステップ2208)。
【0096】
第5の実施の形態においては、RAM26中にはサブ領域・音高テーブルの代わりに、サブ領域・音色テーブルが設けられる。図12に示すサブ領域・音高テーブル中、音高の項目の代わりに、打楽器についての第2の音色の項目が設けられる。
【0097】
第5の実施の形態によれば、メイン領域として、第2の音色を設定可能な領域を設定し、メイン領域内において、サブ領域を設定して、これらに種々の第2の音色を割り当てることができる。
【0098】
本発明の第1の実施の形態〜第5の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることはない。たとえば、第1の実施の形態および第5の実施の形態を組み合わせることが可能である。この組み合わせにかかる実施の形態では、図6に示す音色設定処理で、メイン領域に、ヴィブラフォン、マリンバなど音高変化できる楽器の音色が割り当てられた場合には、サブ領域設定処理(図9参照)に引き続いて、音高設定処理(図10参照)が実行される。その一方、音色設定処理で、メイン領域に打楽器の音色が設定された場合には、サブ領域設定処理(図9参照)に引き続いて、第2の音色設定処理(図22参照)が実行される。この実施の形態では、サブ領域設定処理の後、CPU21は、音色設定処理(図6)で設定された音色が、打楽器の音色であるかそれ以外の音色であるかを判断すればよい。
【0099】
図23は、組み合わせにかかる実施の形態でのメイン領域およびサブ領域を概略的に示す例である。図23において、左側は第4の実施の形態にしたがって設定されたメイン領域およびサブ領域を示し、右側は、第5の実施の形態にしたがって設定されたメイン領域およびサブ領域を示す。左側には、メイン領域2300中に、演奏者により設定された領域2310が含まれ、さらにその複数の領域が分割されて、分割された部分平面がそれぞれサブ領域となっている(符号2311、2112参照)。また、それぞれのサブ領域には所定の音高が割り当てられている。
【0100】
その一方、右側には、メイン領域2320中に複数のサブ領域(符号2321、2322参照)が設定され、それぞれに、打楽器のサブカテゴリである種々の第2の音色が設定されている。
【0101】
演奏者が、メイン領域2300内に位置するときには、演奏装置本体11がサブ領域上に位置することで、メイン領域2300に割り当てられた音色(たとえばヴィブラフォン)で、サブ領域に割り当てられた音高の楽音が発せられる。その一方、演奏者が、メイン領域2320内に位置するときには、演奏装置本体11がサブ領域上に位置することで、サブ領域に割り当てられた第2の音色で楽音が発せられる。このようにして、異なるメイン領域内に移動することにより、異なる楽器の演奏を疑似的に実現することが可能となる。
【0102】
また、メイン領域およびサブ領域の設定についてはさらに他の手法を適用することも可能である。図24は、他の実施の形態にかかるメイン領域設定処理の例を示すフローチャートである。図24の例は、図9に示すサブ領域の設定とほぼ同様であり、中心位置Cおよび通過位置Pを設定することで、中心位置Cを中心として、通過位置Pを通るような円形の2次元平面を得て、これに基づきメイン領域が設定される。
【0103】
CPU21は、演奏装置本体11の入力部28中、中心設定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ2401)。ステップ2401でNoと判断された場合には、メイン領域設定処理を終了する。ステップ2401でYesと判断された場合には、CPU21は、中心設定スイッチが新規オンであるかを判断する(ステップ2402)。ステップ2402でYesと判断された場合には、CPU21は、演奏装置本体11の位置情報を、中心位置Cの位置情報(座標(x,y,z))として、RAM26に格納する(ステップ2403)。この位置は、以下で設定されるメイン領域およびサブ領域の基準位置となる。
【0104】
ステップ2402でNoと判断された場合、つまり、スイッチがオン中である場合、或いは、ステップ2403が実行された後に、CPU21は、中心設定スイッチがオフされたかを判断する(ステップ2404)。ステップ2404でNoと判断された場合には、メイン領域設定処理を終了する。ステップ2404でYesと判断された場合には、CPU21は、演奏装置本体11の位置情報を、中心設定スイッチがオフされたときの演奏装置本体11の位置Pの位置情報(座標(x,y,z))として、RAM26に格納する(ステップ2405)。また、ステップ2405において、CPU21は、位置Cと位置Pとの間の距離dを算出する。CPU21は、中心位置を位置Cとして位置Pを通る半径dの円形の平面の情報を取得する(ステップ2406)。次いで、CPU21は、取得した情報に基づくメイン領域の情報を、RAM26中のメイン領域・音色テーブルに格納する(ステップ2407)。その後、CPU21は、RAM26中のメイン領域設定フラグを「1」にセットする(ステップ2408)。
【0105】
次に、他の実施の形態にかかるサブ領域設定処理について説明する。図25は、他の実施の形態にかかるサブ領域設定処理の例を示すフローチャートである。図25に示すように、CPU21は、RAM26に格納された演奏装置本体11の位置情報を取得して(ステップ2501)、演奏装置本体11が、何れかのメイン領域内に位置しているかを判断する(ステップ2502)。ステップ2502でNoと判断された場合には、サブ領域設定処理は終了する。
【0106】
ステップ2502でYesと判断された場合には、CPU21は、演奏装置本体11の入力部28中、設定スイッチがオンされたかを判断する(ステップ2503)。ステップ2503でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26中のメイン領域・音色テーブルに格納された中心位置Cと、ステップ2501で取得された演奏装置本体11の位置とを通る線と、メイン領域の外郭との交点の座標を取得する(ステップ2404)。この交点の座標はRAM26中に格納される。CPU21は、上記中心と演奏装置本体11の位置とを通る線に対して所定の角度方向に位置する他の交点の情報がRAM26に格納されているかを判断する(ステップ2405)。ステップ2405でYesと判断した場合には、ステップ2404で得られた交点およびRAM26に格納された他の交点、および、中心位置から所定の半径に位置する他の2点を含む扇形の平面をサブ領域と特定して(ステップ2406)、上記交点および2点を含む座標情報を、サブ領域・音高テーブルに格納する(ステップ2407)。なお、上記他の2点は、ステップ2404で得られた交点およびRAM26に格納された他の交点と、中心位置とをそれぞれ結ぶ線上、中止位置から所定の半径となる点を用いるのが望ましい。次いで、CPU21は、RAM26に格納されたサブ領域設定フラグを「1」にセットする(ステップ2408)。
【0107】
図26は、他の実施の形態にかかるメイン領域およびサブ領域の例を示す図である。図26に示すように、メイン領域2600中に、所定の扇形のサブ領域(たとえば、符号2501、2502参照)が設定され、それぞれに音高が割り当てられる。さらに、メイン領域に打楽器の音色が割り当てられた場合には、サブ領域に打楽器の音色のサブカテゴリとなる第2の音色(スネア、ハイハット、タムなど具体的な音色)が設定されてもよい。
【0108】
他の実施の形態によれば、CPU21は、指定された中心位置および当該中心位置と異なる他の位置を地表面に射影した地表面上の中心位置および地表面上の他の位置に基づき、地表面上の中心位置を中心として、地表面上の他の位置を通る円を底面とした円柱をメイン領域と決定する。これにより、中心位置および所定の位置(通過位置)により所望の円形の2次元平面に基づくメイン領域を設定することができる。
【0109】
また、当該他の実施の形態によれば、CPU21は、指定された中心位置および当該中心位置と異なる他の位置を地表面に射影した地表面上の中心位置および地表面上の他の位置に基づき決定されたメイン領域において、保持部材の位置および前記中心位置を通る線とメイン領域の外郭との2つの交点および中心位置から所定の半径に位置する他の2点とを含む扇形の領域をサブ領域として特定する。これにより、メイン領域中に扇形のサブ領域を設定することが可能となる。
【0110】
また、前記第1〜第4の実施の形態においては、演奏装置本体11のCPU21は、演奏者が演奏装置本体11を振っている際の地磁気センサ値および加速度センサ値を検出して、これらセンサ値に基づき演奏装置本体11の位置情報を取得し、演奏装置本体11が、メイン領域内に位置しているかを判断している。CPU21は、演奏装置本体11がメイン領域内に位置した状態で、演奏装置本体11が振られて、サブ領域上に位置し、或いは、サブ領域を通過したと判断すると、メイン領域に対応付けられた音色およびサブ領域に対応付けられた音高を含むノートオンイベントを生成して、I/F27および赤外線通信装置24を介して楽器部19に送信している。その一方、楽器部19においては、ノートオンイベントを受信すると、CPU12が、受信したノートオンイベントを音源部31に出力して楽音を発生させている。上記構成は、楽器部19が、MIDIボードなどが取り付けられたパーソナルコンピュータやゲーム機など、楽音生成の専用機ではないときに好適である。
【0111】
しかしながら、演奏装置本体11における処理、および、楽器部19における処理の分担は、上記実施の形態のものに限定されない。たとえば、演奏装置本体11は、メイン領域・音色テーブルおよびサブ領域・音高テーブルの情報を楽器部19に送信し、また、センサ値に基づき演奏装置本体に位置情報を取得して、楽器部19に送信するように構成しても良い。この場合には、発音タイミング検出処理(図13)、ノートオンイベント生成処理(図14)は、楽器部19において実行される。上述した構成は、楽器部19が、楽音生成の専用機である電子楽器について好適である。
【0112】
また、本実施の形態においては、演奏装置本体11と楽器部19との間は、赤外線通信装置24、33を用いて赤外線信号にてデータが通信されているが、これに限定されるものではない。たとえば、打楽器本体11と楽器部19とは他の無線通信でデータ通信してもよいし、ワイヤケーブルによって有線でデータ通信するように構成しても良い。
【0113】
さらに、前記実施の形態においては、地磁気センサ23により演奏装置本体11の移動方向を検出するとともに、加速度センサ22により演奏装置本体11の移動量を検出し、これらに基づき演奏装置本体11の位置を取得しているが、このような手法に限定されず、他の位置検出装置、たとえば、3軸加速度センサによるセンサ値や、角速度センサのセンサ値を用いて、演奏装置本体11の位置を取得しても良いことは言うまでも無い。
【0114】
一方、上述した実施形態においては、演奏装置本体11が、メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に位置したときを楽音の発音タイミングとしているが、他の態様に変更することも可能である。
例えば、加速度センサ22により、演奏装置本体11に振り動作が加えられた否かを判別し、振り動作が加えられたと判別されたタイミングを楽音の発音タイミングとする。
【0115】
図27は、この他の態様に適用される発音タイミング検出処理のフローチャートである。この図27における各ステップ2701〜2709の処理は、図13の発音タイミング検出処理フローチャートのステップ1301〜1309夫々の処理と同じである。唯一異なる点は、図13においては、ステップ1304及び1305でNOと判断された場合は、ステップ1307に進むのに対して、ステップ2704及び2705でNOと判断された場合は、このフローの処理を終了することである。
従って、図27においては、加速度センサ22で検出された加速度がα以上である場合(ステップ2704でYES)でかつ、その検出された加速度が予め定められた最大値を超えた場合(ステップ2705でYES)に、演奏装置本体11に振り動作が加えられたと判断した場合にのみ、ステップ2707、2708を介してステップ2709のノートオンイベント処理に進むことができ、楽音の発音が可能となる。
このような態様を適用することにより、実際の打楽器の発音動作に近い振り動作を行ったときのみ、楽音の発音が可能となるため、より演奏にリアル感を感じさせることが可能となる。
【0116】
また、上述の実施態様においては、演奏装置本体11がひとつのサブ領域内のいずれの位置に属したとしても、発音される楽音の音高は変わらないように構成されている。しかしながら、演奏装置本体11がひとつのサブ領域内に属する位置に応じて、発音される楽音の音高を可変する態様も考えられる。
【0117】
例えば図28に示すように、演奏操作子11により指定された位置を中心とする円で囲まれた領域をサブ領域2801とする。このサブ領域2801には、所定の音高が対応付けられている。そしてこのサブ領域2801は、同心円状の小エリア2801A、2801B、2801C・・・に分割され、この各エリアには、上述の音高がその値を少しずつ変更して割り当てられる。例えば中心に近いエリアほど、高い音高が割り当てられる。
【0118】
図29は、本態様に係るノートオンイベント生成処理のフローチャートである。同図においては、図14と同一の部分は、同一の番号を付して説明を省略する。
図29のステップ1403において、サブ領域・音高テーブルを参照して音高が決定された後、ステップ2901に進む。このステップ2901においては、演奏装置本体11がサブ領域内のいずれの位置を通過したかに基づいて、決定された音高の値を変更する。
そしてこの値の変更された音高を決定された音高として、ステップ1404に進む。
【0119】
このような構成とすることにより、実際の打楽器の演奏のように、打撃された位置に応じて、発音すべき楽音の音高を微妙に変更することができる。
上述の態様においては、演奏装置本体11がひとつのサブ領域内に属する位置に応じて、発音される楽音の音高を可変していたが、音色その他の楽音パラメータを可変するように構成することも、もちろん可能である。
【0120】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲が、本発明の範囲内に包含される。以下、本出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載された発明を付記する。なお、付記に記載した請求項の項番は、本出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の項番に相当する。
【0121】
[付記]
<請求項1>
演奏者が手で保持可能な装置本体と、
空間中少なくとも側面が地表面と垂直な面により画定されたメイン領域を特定する情報、及び当該メイン領域に対応付けられた楽音の音色を記憶する音色記憶手段と、
前記メイン領域中に位置するサブ領域を特定する情報、及び当該サブ領域と対応付けられた楽音の音高を記憶する音高記憶手段と、
前記装置本体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報手段により取得された前記装置本体の位置が、前記メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に属するときに、前記装置本体の位置が属するメイン領域に対応付けられた音色を前記音色記憶手段から読み出すとともに、前記装置本体の位置が属するサブ領域に対応付けられた音高を前記音高記憶手段から読み出す読み出し手段と、
楽音発生手段に対して、当該読み出し手段により読み出された音色及び音高を有する楽音の発音の指示を与える発音指示手段と、
を有する演奏装置。
<請求項2>
前記演奏装置はさらに、
指定された3以上の頂点の位置情報に基づき、前記頂点を結ぶ平面を地表面に射影することにより得られる平面を底面として、当該底面となる平面とその頂点から延びる垂線とにより画定される空間をメイン領域と決定し、前記メイン領域を特定する情報と音色とを対応付けて、前記音色記憶手段に記憶する音色設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項3>
前記演奏装置はさらに、
指定された中心位置および当該中心位置と異なる他の位置を地表面に射影した地表面上の中心位置および地表面上の他の位置に基づき、前記地表面上の中心位置を中心として、前記地表面上の他の位置を通る円を底面とした円柱をメイン領域と決定し、前記メイン領域を特定する情報と音色とを対応付けて、前記音色記憶手段に記憶する音色設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項4>
前記演奏装置はさらに、
前記装置本体の軌跡を、位置情報を所定の時間間隔で取得することにより特定し、当該装置本体の軌跡を地表上に射影した地表面上の閉曲線を底面とする柱状の領域をメイン領域と決定し、前記メイン領域を特定する情報と音色とを対応付けて、前記音色記憶手段に記憶する音色設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項5>
前記演奏装置はさらに、
指定された3以上の頂点の位置情報に基づき、前記頂点を結ぶ平面をサブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に記憶する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項6>
前記演奏装置はさらに、
指定された中心位置の位置情報と、当該中心位置と異なる他の位置の位置情報とに基づき、前記中心位置を中心として、前記他の位置を通る円形の平面をサブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に格納する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項7>
前記演奏装置はさらに、
前記装置本体の軌跡を、位置情報を所定の時間間隔で取得することにより特定し、当該装置本体の軌跡を、サブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に記憶する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項8>
前記音高設定手段は、前記設定された単一の領域を所定数に分割し、分割されたそれぞれの部分領域をサブ領域と決定するとともに、当該サブ領域のそれぞれに、所定の音高を割り当て、サブ領域を特定する情報および割り当てられた音高とをそれぞれ対応付けて前記音高記憶手段に格納する請求項5に記載の演奏装置。
<請求項9>
前記演奏装置はさらに、
指定された中心位置および当該中心位置と異なる他の位置を地表面に射影した地表面上の中心位置および地表面上の他の位置に基づき決定されたメイン領域において、前記装置本体の位置および前記中心位置を通る線と前記メイン領域の外郭との2つの交点および中心位置から所定の半径に位置する他の2点とを含む扇形の領域をサブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に記憶する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項10>
前記発音指示手段は、前記位置情報手段により取得された前記装置本体の位置が、前記メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に属したときを発音タイミングとして、前記楽音発生手段に対して楽音の発音の指示を与える請求項1に記載の演奏装置。
<請求項11>
前記演奏装置はさらに、前記装置本体に対して振り動作が加えられたか否かを判別する判別手段を有し、
前記発音指示手段は、前記判別手段により前記装置本体に対して振り動作が加えられたと判別したときを発音タイミングとして、前記楽音発生手段に対して楽音の発音の指示を与える請求項1に記載の演奏装置。
<請求項12>
前記発音指示手段はさらに、前記装置本体が前記サブ領域内に属する位置に応じて、前記音高記憶手段から読み出された音高を可変する音高可変手段を有し、前記楽音発生手段に対して、前記読み出し手段により読み出された音色、及び前記音高可変手段により可変された音高を有する楽音の発音の指示を与える請求項1に記載の演奏装置。
<請求項13>
演奏者が手で保持可能な装置本体と、
空間中少なくとも側面が地表面と垂直な面により画定されたメイン領域を特定する情報、及び当該メイン領域に対応付けられた楽音の音色のカテゴリを記憶するカテゴリ記憶手段と、
前記メイン領域中に位置するサブ領域を特定する情報、及び当該サブ領域と対応付けられ、前記カテゴリを細分化したサブカテゴリに該当する音色を記憶する音色記憶手段と、
前記装置本体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報手段により取得された前記装置本体の位置が、前記メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に属するときに、前記装置本体の位置が属するサブ領域に対応付けられた音高を前記音高記憶手段から読み出す読み出し手段と、
楽音発生手段に対して、当該読み出し手段により読み出された音色を有する楽音の発音の指示を与える発音指示手段と、
を有する演奏装置。
<請求項14>
前記位置情報取得手段が、地磁気センサと、加速度センサとを有し、
前記地磁気センサのセンサ値に基づき、前記装置本体の移動方向を検出するとともに、前記加速度センサのセンサ値に基づき、前記装置本体の移動量を算出するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
<請求項15>
請求項1に記載の演奏装置と、
前記楽音発生手段を備えた楽器部と、を備え、
前記演奏装置と、前記楽器部とが、それぞれ、通信手段を備えた電子楽器。
【符号の説明】
【0122】
10 電子楽器
11 演奏装置本体
12 CPU
13 I/F
14 ROM
15 RAM
16 表示部
17 入力部
18 サウンドシステム
19 楽器部
21 CPU
22 地磁気センサ
23 加速度センサ
24 赤外線通信装置
25 ROM
26 RAM
27 I/F
31 音源部
32 オーディオ回路
33 赤外線通信装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏者が手で保持可能な装置本体と、
空間中少なくとも側面が地表面と垂直な面により画定されたメイン領域を特定する情報、及び当該メイン領域に対応付けられた楽音の音色を記憶する音色記憶手段と、
前記メイン領域中に位置するサブ領域を特定する情報、及び当該サブ領域と対応付けられた楽音の音高を記憶する音高記憶手段と、
前記装置本体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報手段により取得された前記装置本体の位置が、前記メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に属するときに、前記装置本体の位置が属するメイン領域に対応付けられた音色を前記音色記憶手段から読み出すとともに、前記装置本体の位置が属するサブ領域に対応付けられた音高を前記音高記憶手段から読み出す読み出し手段と、
楽音発生手段に対して、当該読み出し手段により読み出された音色及び音高を有する楽音の発音の指示を与える発音指示手段と、
を有する演奏装置。
【請求項2】
前記演奏装置はさらに、
指定された3以上の頂点の位置情報に基づき、前記頂点を結ぶ平面を地表面に射影することにより得られる平面を底面として、当該底面となる平面とその頂点から延びる垂線とにより画定される空間をメイン領域と決定し、前記メイン領域を特定する情報と音色とを対応付けて、前記音色記憶手段に記憶する音色設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項3】
前記演奏装置はさらに、
指定された中心位置および当該中心位置と異なる他の位置を地表面に射影した地表面上の中心位置および地表面上の他の位置に基づき、前記地表面上の中心位置を中心として、前記地表面上の他の位置を通る円を底面とした円柱をメイン領域と決定し、前記メイン領域を特定する情報と音色とを対応付けて、前記音色記憶手段に記憶する音色設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項4】
前記演奏装置はさらに、
前記装置本体の軌跡を、位置情報を所定の時間間隔で取得することにより特定し、当該装置本体の軌跡を地表上に射影した地表面上の閉曲線を底面とする柱状の領域をメイン領域と決定し、前記メイン領域を特定する情報と音色とを対応付けて、前記音色記憶手段に記憶する音色設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項5】
前記演奏装置はさらに、
指定された3以上の頂点の位置情報に基づき、前記頂点を結ぶ平面をサブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に記憶する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項6】
前記演奏装置はさらに、
指定された中心位置の位置情報と、当該中心位置と異なる他の位置の位置情報とに基づき、前記中心位置を中心として、前記他の位置を通る円形の平面をサブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に格納する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項7】
前記演奏装置はさらに、
前記装置本体の軌跡を、位置情報を所定の時間間隔で取得することにより特定し、当該装置本体の軌跡を、サブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に記憶する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項8】
前記音高設定手段は、前記設定された単一の領域を所定数に分割し、分割されたそれぞれの部分領域をサブ領域と決定するとともに、当該サブ領域のそれぞれに、所定の音高を割り当て、サブ領域を特定する情報および割り当てられた音高とをそれぞれ対応付けて前記音高記憶手段に格納する請求項5に記載の演奏装置。
【請求項9】
前記演奏装置はさらに、
指定された中心位置および当該中心位置と異なる他の位置を地表面に射影した地表面上の中心位置および地表面上の他の位置に基づき決定されたメイン領域において、前記装置本体の位置および前記中心位置を通る線と前記メイン領域の外郭との2つの交点および中心位置から所定の半径に位置する他の2点とを含む扇形の領域をサブ領域と決定し、前記サブ領域を特定する情報と音高とを対応付けて、前記音高記憶手段に記憶する音高設定手段を有する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項10】
前記発音指示手段は、前記位置情報手段により取得された前記装置本体の位置が、前記メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に属したときを発音タイミングとして、前記楽音発生手段に対して楽音の発音の指示を与える請求項1に記載の演奏装置。
【請求項11】
前記演奏装置はさらに、前記装置本体に対して振り動作が加えられたか否かを判別する判別手段を有し、
前記発音指示手段は、前記判別手段により前記装置本体に対して振り動作が加えられたと判別したときを発音タイミングとして、前記楽音発生手段に対して楽音の発音の指示を与える請求項1に記載の演奏装置。
【請求項12】
前記発音指示手段はさらに、前記装置本体が前記サブ領域内に属する位置に応じて、前記音高記憶手段から読み出された音高を可変する音高可変手段を有し、前記楽音発生手段に対して、前記読み出し手段により読み出された音色、及び前記音高可変手段により可変された音高を有する楽音の発音の指示を与える請求項1に記載の演奏装置。
【請求項13】
演奏者が手で保持可能な装置本体と、
空間中少なくとも側面が地表面と垂直な面により画定されたメイン領域を特定する情報、及び当該メイン領域に対応付けられた楽音の音色のカテゴリを記憶するカテゴリ記憶手段と、
前記メイン領域中に位置するサブ領域を特定する情報、及び当該サブ領域と対応付けられ、前記カテゴリを細分化したサブカテゴリに該当する音色を記憶する音色記憶手段と、
前記装置本体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報手段により取得された前記装置本体の位置が、前記メイン領域内でかつ、前記サブ領域内に属するときに、前記装置本体の位置が属するサブ領域に対応付けられた音高を前記音高記憶手段から読み出す読み出し手段と、
楽音発生手段に対して、当該読み出し手段により読み出された音色を有する楽音の発音の指示を与える発音指示手段と、
を有する演奏装置。
【請求項14】
前記位置情報取得手段が、地磁気センサと、加速度センサとを有し、
前記地磁気センサのセンサ値に基づき、前記装置本体の移動方向を検出するとともに、前記加速度センサのセンサ値に基づき、前記装置本体の移動量を算出するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
【請求項15】
請求項1に記載の演奏装置と、
前記楽音発生手段を備えた楽器部と、を備え、
前記演奏装置と、前記楽器部とが、それぞれ、通信手段を備えた電子楽器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−194524(P2012−194524A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226534(P2011−226534)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】