説明

潤滑剤塗布装置、これを具備するプロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】潤滑剤塗布動作の初期時に消費率の多い固形潤滑剤を用いた潤滑剤塗布装置に対し、初期時の消費率を低減させることで、必要な固形潤滑剤の総量を低減できる潤滑剤塗布装置および画像形成装置の提供。
【解決手段】固形潤滑剤30と、固形潤滑剤を支持する潤滑剤保持部材45と、固形潤滑剤と潤滑剤保持部材とを収容する潤滑剤ホルダ11と、固形潤滑剤を摺動によって掻き取り被塗布対象物に塗布する潤滑剤塗布手段29と、潤滑剤保持部材と潤滑剤ホルダとの間に潤滑剤保持部材を押圧する潤滑剤保持部材押圧手段3とを備える潤滑剤塗布装置28において、潤滑剤塗布装置は、潤滑剤が所定量消費されるまで押圧手段の押圧力を抑制して、潤滑剤が所定量消費されてから押圧力を抑制しない加圧力抑制部材4を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる潤滑剤塗布装置に関し、さらにこれを具備するプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トナーを用いた電子写真方式の画像形成装置において、固形潤滑剤を塗布ブラシにより感光体に塗布する潤滑剤塗布装置が知られている。
【0003】
図6に、このような潤滑剤塗布装置に用いられる潤滑剤の消費量プロファイルの典型例を示す。図6に示す潤滑剤Iはその消費のプロファイルを示す1つの例であり、このような潤滑剤Iを固形潤滑剤として有する潤滑剤塗布装置を用いた場合、経時的に固形潤滑剤の消費率の変動が少ないという特性が得られる。上記した潤滑剤Iは脂肪酸金属塩(金属石鹸)の潤滑剤であり、このような金属石鹸のみの潤滑剤を用いた場合、帯電工程において像担持体近傍で行われる放電の影響により、分解あるいは変性してその潤滑性を失い、クリーニングブレードと像担持体との潤滑性が損なわれ、トナーがすり抜け、画像不良となってしまう問題がある。この潤滑剤Iのような消費プロファイルを示す潤滑剤を用いた問題点を解決するために、たとえば、特許文献1〜2に示す出願が本願出願人によりなされている。上記の特許文献の技術は、経時により固形潤滑剤の潤滑剤塗布手段への加圧力を低下させていく機構を提案しているものである。
【0004】
一方、図6に示すもう1つの消費プロファイルを示す潤滑剤IIは脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を併用した潤滑剤であり、このような潤滑剤を用いた場合、放電の影響が少なく、潤滑性を維持でき、画像不良になりにくいという特性が得られる。しかしながら、このような消費プロファイルを示す潤滑剤IIでは、潤滑剤塗布動作の初期における固形潤滑剤の消費率が極めて多く、画像形成ユニットの寿命を達成するために多くの固形潤滑剤を必要とする。これでは、画像形成装置の大型化につながってしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した従来技術における問題を解決すべく成されたものであり、潤滑剤IIのような消費プロファイルを示す潤滑剤を使用する際の上記問題を防止するために、潤滑剤塗布動作の初期において、固形潤滑剤の消費率を抑制する手段が求められていることに鑑みて成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するために成されたものであって、以下の課題解決手段を有することを特徴としている。
(1) 固形潤滑剤と、前記固形潤滑剤を支持する潤滑剤保持部材と、前記固形潤滑剤と前記潤滑剤保持部材とを収容する潤滑剤ホルダと、前記固形潤滑剤を摺動によって掻き取り被塗布対象物に塗布する潤滑剤塗布手段と、前記潤滑剤保持部材と前記潤滑剤ホルダとの間に前記潤滑剤保持部材を押圧する潤滑剤保持部材押圧手段とを備える潤滑剤塗布装置において、
前記潤滑剤塗布装置は、前記潤滑剤が所定量消費されるまで前記押圧手段の押圧力を抑制し、前記潤滑剤が所定量消費された後は押圧力を開放する加圧力抑制部材を有することを特徴とする。
(2) 前記(1)に記載の潤滑剤塗布装置において、前記加圧力抑制部材は、前記潤滑剤の所定量が消費されるまでは前記潤滑剤保持部材の長手方向両端と前記対向する前記潤滑剤ホルダ内面との両方に接し、前記潤滑剤の所定量が消費された後は前記潤滑剤ホルダ内面から離間される構造としたことを特徴とする。
(3) 前記(1)または(2)に記載の潤滑剤塗布装置において、前記保持部材の押圧方向に対してその下部に前記保持部材の長手方向に対して縮径した階段構造を設け、前記潤滑剤の所定量の消費を調節したことを特徴とする。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤保持部材の長手幅をL1とし、前記押圧力抑制手段の自由長をL2とし、前記潤滑剤ホルダの押圧方向に対してその下部の側面間距離をL3とし、前記潤滑剤ホルダの押圧方向に対してその上部の側面間距離をL4とすると、前記潤滑剤が所定量消費されるまでは、
L1<L2<(L1+L2×2)
であり、前記潤滑剤が所定量消費された後は、
(L1+L2×2)<L4
となることを特徴とする。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載の潤滑剤塗布装置において、前記保持部材の押圧方向に対してその下部の内面に、前記潤滑剤ホルダ内面よりも高い摩擦係数を有する面を形成したことを特徴とする。
(6) 静電潜像の担持面を有する像担持体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中から選択された少なくとも一つのプロセス手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に形成されたプロセスカートリッジにおいて、前記プロセスカートリッジは、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の潤滑剤塗布装置を備えることを特徴とする。
(7) 像担持体と、この像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像担持体の表面に画像情報に基づいて露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、前記像担持体と接触しつつ移動する中間転写体を介して又は直接に、前記可視像を記録媒体上に転写させる転写手段と、転写後の前記像担持体表面に残留したトナーを回収するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、前記画像形成装置は、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の潤滑剤塗布装置又は前記(6)に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
潤滑剤塗布動作の初期時に消費率の多い固形潤滑剤を用いた潤滑剤塗布装置に対し、初期時の消費率を低減させることで、必要な固形潤滑剤の総量を低減でき、潤滑剤塗布装置および画像形成装置の大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の潤滑剤塗布装置を有する画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】潤滑剤塗布装置の要部構成を説明するための模式図である。
【図3】加圧力抑制部材の形状を示す斜視図である。
【図4】塗布動作の初期時における潤滑剤塗布装置の状態を示す平面図である。
【図5】潤滑剤塗布動作が進み、固形潤滑剤が研削されて最終状態に到達した状態を示す平面図である。
【図6】潤滑剤の経時による消費傾向のプロファイルを示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の潤滑剤塗布装置は、トナーを用いた電子写真方式の画像形成装置に使用されるものである。このような画像形成装置の構成を図1に示す。
図1に示すように、画像形成装置は、回転可能に保持された像担持体であるドラム状の感光体23と、その周囲に配置された帯電装置(帯電手段)33、現像装置(現像手段)20、クリーニング装置(クリーニング手段)24、潤滑剤塗布装置28を備えている。そして、図示しない光書込装置(露光手段)から出射されたレーザー光Lが感光体ドラム23の表面に向けて照射されるように、スリットSが感光体23の軸心方向に沿って細長く形成されている。
【0010】
本発明の潤滑剤塗布装置28は、図2に示すように、固形潤滑剤30と、ブラシローラ29と、バネなどの弾性体3とを備えている。固形潤滑剤30は潤滑剤保持部材45に支持されている。ブラシローラ29は固形潤滑剤30に接触して削り取った潤滑剤30を被塗布対象物である図1に示す感光体ドラム23の表面に供給する。このブラシローラ29は潤滑剤塗布手段としての機能を有する。またバネなどの弾性体3は、潤滑剤保持部材45を被塗布対象物である感光体ドラム23に向けて押圧可能な潤滑剤保持部材の押圧手段としての機能を有している。
固形潤滑剤30は、図1に示す図と垂直な方向が長手方向となる直方体状に形成されている。固形潤滑剤30に接触するブラシローラ29も固形潤滑剤30の長手方向と平行に配置されている。これら潤滑剤塗布装置の要部構成を以下に図2を参照しながら説明する。
【0011】
本発明の潤滑剤塗布装置28は、潤滑剤塗布動作の初期時に、保持部材押圧手段3により固形潤滑剤30をブラシローラ29に押圧するための加圧力を抑制することができる構成を備えている点にある。
【0012】
図2は、潤滑剤塗布装置28の要部構成を説明するための模式図である。
同図において潤滑剤塗布装置28は、回転移動可能なブラシローラ29と、このブラシローラ29と対向する位置で固形潤滑剤30を支持する潤滑剤保持部材45を備えている。前記ブラシローラ29は固形潤滑剤30に接触して回転移動可能となっている。また前記潤滑剤保持部材45は、固形潤滑剤30を挟んでブラシローラ29と対向する位置で固形潤滑剤30を支持する。前記潤滑剤保持部材45は、潤滑剤ホルダ11の内部において摺動可能に収容されている。
【0013】
弾性体3は、潤滑剤保持部材45を被塗布部材である感光体ドラム(図2に示さず)23に向けて押圧する押圧手段として用いられる。この弾性体3は、潤滑剤保持部材45に基端2Tが回動可能に支持されて揺動可能な一対の支持脚2の揺動端側に、延長方向の弾性体3の両端が、掛け止められている。
【0014】
支持脚2は、弾性体3を牽引することによって起立する付勢を与えられることにより、支持している固形潤滑剤30をブラシローラ29の軸方向でこれに均一に押圧するようになっている。
【0015】
一方、潤滑剤保持部材45の長手方向は、図2に示すようにブラシローラ29の軸方向と平行であり、感光体ドラム23に対する押圧方向と直角な方向に相当している。そして、潤滑剤保持部材45における長手方向両端には、本実施形態の特徴部である、加圧力抑制部材4が潤滑剤保持部材45に一体化されて設けられている。
【0016】
図3は加圧力抑制部材4の形状を示す斜視図である。加圧力抑制部材4は、撓み変形可能なように肩部4sを有した断面Z字形状の板バネ材により構成されている。加圧力抑制部材4はその肩部4sの復元力により潤滑剤ホルダ11の内面に潤滑剤保持部材45を圧接する部材であり、潤滑剤塗布動作の初期時、図2に示すように、その肩部は潤滑剤ホルダの内面11iと潤滑剤保持部材45とが対向し、固形潤滑剤30が所定量消費されるまではこれらの面に押圧して接触している。本発明の潤滑剤塗布装置に用いられる固形潤滑剤30は、脂肪酸金属塩(金属石鹸など)と無機潤滑剤(二硫化モリブデン、セラミックなど)とを有して構成され、その使用初期における塗布量が非常に大きいものとなっている。したがって使用初期には押圧力を最大とし、その使用と共に徐々に或いは段階的(階段状)に小さくなる弾性を有する部材が必要となる。このような弾性を有する部材として、潤滑剤保持部材45の両端から均等に押圧しつつ固形潤滑剤30方向への押圧を初期には最大で、徐々に弱まる弾性部材が挙げられる。このためには、加圧力抑制部材4の形状が潤滑剤保持部材45の両端と潤滑剤ホルダの内面11iとに平行な面を有し、かつ、潤滑剤ホルダの内面11iと徐々に摩擦抵抗力rが固形潤滑剤30の消費に従って減少する部材が好ましい。その減少の度合いが潤滑剤保持部材45の両端で等しく、潤滑剤ホルダ内面11iおよび潤滑剤保持部材45の一端の面の両方と当接可能である上記した形状の弾性体が加圧力抑制部材4として選択される。潤滑剤保持部材45は対称に形成されており、この潤滑剤保持部材45の中心を通る長手方向と直交する対称軸に鏡を置くと、一方の加圧力抑制部材4は他方の加圧力抑制部材4の鏡映となる構造体ともなっている。
【0017】
潤滑剤ホルダ11の内面11iの側面形状は、図4の潤滑剤ホルダ11の左右両端に示すように、潤滑剤ホルダ11の下部11dが上部11uよりもせり出した階段形状となっている。潤滑剤ホルダ11側面の下部11dの長手幅L1は、潤滑剤保持部材45を配置したとき、潤滑剤保持部材45両端の加圧力抑制部材4が潤滑剤保持部材45を圧接するように接触する幅となっている。換言すれば潤滑剤保持部材45の押圧方向に対してその下部が潤滑剤保持部材45の長手方向に対して縮径した階段構造となっている。
【0018】
つまり、潤滑剤保持部材45の長手幅をL1とし、加圧力抑制部材4の自由長をL2とし、潤滑剤ホルダ下部11d側面間距離をL3とすると、
L1 < L3 < (L1+L2×2)
の関係になっている。
【0019】
図4に示すように、潤滑剤塗布装置28では、その塗布動作の初期時には、潤滑剤保持部材45は潤滑剤ホルダ下部11dに位置している。前述のように、潤滑剤保持部材45両端の加圧力抑制部材4が潤滑剤保持部材45を圧接するように接触している。
【0020】
このとき、加圧力抑制部材4が潤滑剤ホルダ11の内面に接触すると、図4に示すように、加圧力抑制部材4の接触面が受ける潤滑剤ホルダ11内面からの摩擦抵抗力rが生じ、その向きは、潤滑剤保持部材45が塗布ブラシ29方向へ押圧される向きとは逆向きであるため、潤滑剤保持部材押圧手段の加圧力が抑制されることになる。
【0021】
このように、潤滑剤保持部材45に設けられた加圧力抑制部材4が、潤滑剤塗布動作の初期時に、対向する潤滑剤ホルダ11と接することで、押圧方向とは逆方向の摩擦抵抗力rを生じさせることができ、固形潤滑剤30が潤滑剤塗布手段に押圧するための加圧力を抑制できる。
【0022】
潤滑剤塗布動作が進み、固形潤滑剤30が研削されて最終状態に到達した状態を、図5に示す。潤滑剤保持部材45が押圧方向に変位し、潤滑剤ホルダの上部11uに位置している。 潤滑剤ホルダ側面の上部11uの長手幅は、加圧力抑制部材4が潤滑剤ホルダ11内面に接触しない幅となっている。これによって潤滑剤保持部材45は加圧力抑制部材4が接触しなくなると、これからの抑制力が開放され、摩擦抵抗力による抑制力が無くなる。
【0023】
つまり、潤滑剤ホルダ上部側面間距離をL4とすると、
(L1+L2×2)< L4
の関係になっている。
【0024】
初期からの潤滑剤塗布動作が進み、加圧力抑制部材4が潤滑剤ホルダ11内面に接触しないようになると、潤滑剤保持部材押圧手段が潤滑剤保持部材を押圧している加圧力が、抑制されること無く固形潤滑剤30に伝わり、固形潤滑剤30がブラシローラ29に押圧される加圧力は初期よりも増すこととなる。
【0025】
このような、加圧力抑制部材4の働きによる「潤滑剤塗布動作の初期で加圧力を抑制して経時で加圧力を増大させる作用」と、「固形潤滑剤の消費率が初期時で大きく、その後安定する(変動が少なくなる)性質」とを組み合わせることにより、潤滑性の優れた固形潤滑剤30の初期からの消費率の変動を抑制でき、必要な固形潤滑剤30の総量を抑制できる。そのため、潤滑剤塗布装置28の大型化を抑制でき、またこれを有する画像形成装置におけるスペースの確保ができる。
【0026】
前記した潤滑剤ホルダの下部11d内面側について、加圧力抑制部材4と潤滑剤ホルダ11内面との接触では十分な摩擦抵抗力を得られない場合には、下部11d内面側に潤滑剤ホルダ素材の表面が持つ摩擦係数よりも大きな摩擦係数をもつ面を形成する。これによって、本発明の潤滑剤塗布装置では、大きな摩擦抵抗力を得ることができる。たとえばこの面に不規則な凹凸面を形成したり、下部11d内面側にシリコンラバーなどの弾性体を薄膜状に形成して、大きな摩擦抵抗力を得ることができるようにする。また酸、塩基などで下部11dの内面を処理して粗面化したり、ブラスト処理して粗面化して、摩擦抵抗を増加させることもできる。
【0027】
上記した本発明の潤滑剤塗布装置は、プロセスカートリッジに搭載可能となっている。このようなプロセスカートリッジは、静電潜像の担持面を有する像担持体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中から選択された少なくとも一つのプロセス手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に設けられるものとなっている。
【0028】
このようなプロセスカートリッジあるいは上記した本発明の潤滑剤塗布装置のいずれかを有して本発明の画像形成装置は構成されている。
本発明の画像形成装置は、前記したように、像担持体である感光体と、この像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像担持体の表面に画像情報に基づいて露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、前記像担持体と接触しつつ移動する中間転写体を介して又は直接に、前記可視像を記録媒体上に転写させる転写手段と、転写後の前記像担持体表面に残留したトナーを回収するクリーニング手段とを備え、潤滑剤塗布装置28として、前記した潤滑剤塗布装置を備えている。又はこれらの前記手段の少なくとも1つと、潤滑剤塗布装置を備えた前記したプロセスカートリッジを備えている。
【0029】
このようなプロセスカートリッジおよび画像形成装置では、前記した潤滑剤塗布装置を備えており、潤滑剤塗布における初期時の潤滑剤の消費率を低減させることができるので、必要な固形潤滑剤の総量を低減でき、画像形成装置の大型化を抑制できる。
【符号の説明】
【0030】
2 支持脚、2T 支持脚の基端、3 弾性体、4 加圧力抑制部材、11 潤滑剤ホルダ、11u 潤滑剤ホルダの上部、11d 潤滑剤ホルダの下部、28 潤滑剤塗布装置、29 ブラシローラ、30 固形潤滑剤、45 潤滑剤保持部材、r 摩擦抵抗力
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開2006−113421
【特許文献2】特開2007−058169

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形潤滑剤と、前記固形潤滑剤を支持する潤滑剤保持部材と、前記固形潤滑剤と前記潤滑剤保持部材とを収容する潤滑剤ホルダと、前記固形潤滑剤を摺動によって掻き取り被塗布対象物に塗布する潤滑剤塗布手段と、前記潤滑剤保持部材と前記潤滑剤ホルダとの間に前記潤滑剤保持部材を押圧する潤滑剤保持部材押圧手段とを備える潤滑剤塗布装置において、
前記潤滑剤塗布装置は、前記潤滑剤が所定量消費されるまで前記押圧手段の押圧力を抑制し、前記潤滑剤が所定量消費された後は押圧力を解放する加圧力抑制部材を有することを特徴とする潤滑剤塗布装置。
【請求項2】
前記加圧力抑制部材は、前記潤滑剤の所定量が消費されるまでは前記潤滑剤保持部材の長手方向の一端の面と前記対向する前記潤滑剤ホルダ内面との両方に接し、前記潤滑剤の所定量が消費された後は前記潤滑剤ホルダ内面から離間される構造としたことを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項3】
前記保持部材の押圧方向に対してその下部に前記保持部材の長手方向に対して縮径した階段構造を設け、前記潤滑剤の所定量の消費を調節したことを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項4】
前記潤滑剤保持部材の長手幅をL1とし、前記押圧力抑制手段の自由長をL2とし、前記潤滑剤ホルダの押圧方向に対してその下部の側面間距離をL3とし、前記潤滑剤ホルダの押圧方向に対してその上部の側面間距離をL4とすると、
前記潤滑剤が所定量消費されるまでは、
L1<L2<(L1+L2×2)であり、
前記潤滑剤が所定量消費された後は、
(L1+L2×2)<L4
となることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項5】
前記保持部材の押圧方向に対してその下部の内面に、前記潤滑剤ホルダ内面よりも高い摩擦係数を有する面を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑剤塗布装置。
【請求項6】
静電潜像の担持面を有する像担持体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中から選択された少なくとも一つのプロセス手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に形成されたプロセスカートリッジにおいて、前記プロセスカートリッジは、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
像担持体と、この像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像担持体の表面に画像情報に基づいて露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、前記像担持体と接触しつつ移動する中間転写体を介して又は直接に、前記可視像を記録媒体上に転写させる転写手段と、転写後の前記像担持体表面に残留したトナーを回収するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑剤塗布装置又は請求項6に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−158710(P2011−158710A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20333(P2010−20333)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】