説明

濾材洗浄装置とそれを備える浄水器

【課題】小型で、簡単に、安全に濾材を洗浄できる濾材洗浄装置と浄水器を提供する。
【解決手段】浄水器1が備える濾材洗浄装置400は、第1通水路421と第2通水路422と第3通水路423とを含み、マイクロフィルター114を洗浄するための水を流通させる通水路420と、通水路420の外部に配置されて、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを発生させるイオン発生装置410と接続路430とを備える。第1通水路421は、通水路内を流通する水が流れる方向において相対的に上流側に配置される。第2通水路422は、第1通水路421の下流側に形成されて水を加圧する。第3通水路423は、第2通水路422の下流側に形成されて水を減圧する。第2通水路422の径の大きさは通水路420の径とのうちで最小である。接続路430は第2通水路422に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、濾材洗浄装置と、それを備える浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾンを含む水や、除菌や殺菌の効果を有するイオンを含む水を用いて、浄水器のフィルターなどの濾材を洗浄することが提案されている。
【0003】
例えば、特開2003−33764号公報(特許文献1)には、ろ過体内部にオゾン含有ガス及びオゾン含有ガスを注入した逆洗水を供給する、ろ過体の洗浄装置が記載されている。
【0004】
一方、特開2007−134209号公報(特許文献2)には、水中に気泡を発生させ、発生した気泡内で大気圧放電を起こさせて気泡内部に正負のイオンを発生させるイオン発生装置が記載されている。このイオン発生装置では、容器内の水を介して互いに対向するように配置された一対の電極の間に高周波の高い交流駆動電圧を印加して、水中放電を生じさせて、イオンを含む気泡を発生させている。また、このイオン発生装置によって水中の気泡にイオンを発生させられた水を、飲料用や洗浄用に利用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−33764号公報
【特許文献2】特開2007−134209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2003−33764号公報(特許文献1)に記載のろ過体の洗浄装置では、オゾンを使用するため、悪臭がする場合がある。また、オゾンによって、使用者に健康上の悪影響を及ぼす場合がある。そのため、このようなろ過体の洗浄装置を、例えば家庭用の浄水器に用いることは難しい。
【0007】
また、特開2007−134209号公報(特許文献2)に記載のイオン発生装置では、高周波の高い交流駆動電圧を印加される一対の電極が、水を介して互いに対向するように配置されている。そのため、水の電気分解を避けるために、水中放電させるための水として、使用者が蒸留水を用意する必要があり煩雑である。さらに、水中放電させるための水を貯める容器が必要であるので、装置全体を小型化することが難しい。したがって、このようなイオン発生装置を、例えば家庭用の浄水器に用いることは難しい。
【0008】
そこで、この発明の目的は、小型で、簡単に、安全に濾材を洗浄することが可能な濾材洗浄装置とそれを備える浄水器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従った濾材洗浄装置は、通水路と、イオン発生部と、接続路とを備える。通水路は、濾材を洗浄するための水を流通させるものである。イオン発生部は、通水路の外部に配置されて、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを発生させる。接続路は、通水路とイオン発生部とを接続するものである。通水路は、第1通水路と第2通水路と第3通水路とを含む。第1通水路は、通水路内を流通する水が流れる方向において相対的に上流側に配置される。第2通水路は、第1通水路の下流側に形成されて水を加圧するものである。第3通水路は、第2通水路の下流側に形成されて水を減圧するものである。第2通水路の径の大きさは、第1通水路の径と第2通水路の径と第3通水路の径とのうちで最小である。接続路は第2通水路に接続されている。
【0010】
通水路の外部に配置されているイオン発生部では、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とが発生させられる。これらの正イオンと負イオンには、殺菌、除菌、脱臭などの効果があることが知られている。これらの正イオンと負イオンとは、イオン発生部から、接続路を通って、イオン発生部内の空気とともに第2通水路内の水に供給される。
【0011】
一方、濾材洗浄装置の通水路内の水は、第1通水路から、相対的に径の小さい第2通水路に流入すると、加圧される。第2通水路内の水には、上述のように、正負のイオンを含む空気が供給される。第2通水路内において、正負のイオンを含む空気が供給された水が加圧されると、正負のイオンを含む空気が水中に溶解される。
【0012】
加圧された第2通水路内の水は、相対的に径の大きい第3通水路内に流入すると減圧される。第3通水路内で水が減圧されることによって、第3通水路内の水中に気泡が発生する。第2通水路内から第3通水路内に流入する水には、上述の正負のイオンを含む空気が溶解されているので、第3通水路内の水中に発生する気泡には、上述の正負のイオンが含まれる。
【0013】
このように、第3通水路内の水中には、上述の正負のイオンが含まれる気泡が発生させられる。第3通水路内の水を濾材の洗浄に用いることによって、上述の正負のイオンが含まれる気泡が発生させられた水を用いて、濾材を効果的に洗浄することができる。
【0014】
このようにすることにより、小型で、簡単に、安全に濾材を洗浄することが可能な濾材洗浄装置を提供することができる。
【0015】
この発明に従った浄水器は、上記の濾材洗浄装置と、濾材洗浄装置によって洗浄される濾材と、通水路に水を供給する給水部と、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断と給水部の制御とを行う制御部とを備えることが好ましい。制御部は、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であって当該浄水器が使用されない時間帯において、通水路に水を供給させるように給水部を制御するように構成されていることが好ましい。
【0016】
濾材の使用可能な期間の残余が0になった後は、浄水器は浄水を供給することができない。一方、濾材の洗浄にはある程度の時間がかかる。濾材の洗浄を行っている間も、浄水器は浄水を供給することができない。
【0017】
そこで、制御部が使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断し、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であって当該浄水器が使用されない時間帯において、濾材洗浄装置による濾材の洗浄を行うように給水部を制御することによって、使用者が浄水を使用したいときに使用できない状況になることを防ぐことができる。
【0018】
この発明に従った浄水器は、濾材を通過する水量を検知する水量検知部を備えることが好ましい。制御部は、水量検知部によって検知される水量の積算値に基づいて、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断をするように構成されていることが好ましい。
【0019】
このようにすることにより、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを簡単に判断することができる。
【0020】
この発明に従った浄水器においては、制御部は、水量検知部によって検知される水量の積算値と、水量検知部によって検知される水量の1日当たりの平均値とに基づいて、濾材の使用可能な期間の残余を算出するように構成されていることが好ましい。
【0021】
このようにすることにより、濾材の使用可能な期間の残余を簡単に算出することができる。
【0022】
この発明に従った浄水器は、濾材の原水側の水圧、または、濾材の原水側の水圧と濾過水側の水圧との差圧を検知する水圧検知部を備えることが好ましい。制御部は、水圧検知部によって検知される圧力または差圧に基づいて、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断をするように構成されていることが好ましい。
【0023】
このようにすることにより、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを簡単に判断することができる。
【0024】
この発明に従った浄水器においては、制御部は、水圧検知部によって検知される圧力または差圧と、水圧検知部によって検知される水圧または差圧の1日当たりの平均値とに基づいて、濾材の使用可能な期間の残余を算出するように構成されていることが好ましい。
【0025】
このようにすることにより、濾材の使用可能な期間の残余を簡単に算出することができる。
【0026】
この発明に従った浄水器は、濾材の濾過水の濁度を検知する濁度検知部を備えることが好ましい。制御部は、濁度検知部によって検知される濁度に基づいて、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断をするように構成されていることが好ましい。
【0027】
このようにすることにより、濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを簡単に判断することができる。
【0028】
この発明に従った浄水器においては、制御部は、濁度検知部によって検知される濁度と、濁度検知部によって検知される濁度の1日当たりの平均値とに基づいて、濾材の使用可能な期間の残余を算出するように構成されていることが好ましい。
【0029】
このようにすることにより、濾材の使用可能な期間の残余を簡単に算出することができる。
【0030】
この発明に従った浄水器は、当該浄水器の周囲の照度を検知する照度検知部を備えることが好ましい。制御部は、照度検知部によって検知される照度が所定の値よりも小さい場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されていることが好ましい。
【0031】
浄水器が使用されない時間帯は、例えば夜間であると考えられる。そこで、照度検知部を備えることにより、夜間であること、すなわち、浄水器が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【0032】
この発明に従った浄水器は、時刻を検知する時計部を備えることが好ましい。制御部は、時計部によって検知される時刻が所定の範囲内である場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されていることが好ましい。
【0033】
このようにすることにより、夜間であること、すなわち、浄水器が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【0034】
この発明に従った浄水器は、当該浄水器の周囲の温度を検知する温度検知部を備えることが好ましい。制御部は、温度検知部によって検知される温度が所定の値よりも小さい場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されていることが好ましい。
【0035】
このようにすることにより、夜間であること、すなわち、浄水器が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【0036】
この発明に従った浄水器は、当該浄水器の周囲の人を検知する人検知部を備えることが好ましい。制御部は、人検知部によって人が検知されない場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されていることが好ましい。
【0037】
浄水器が使用されない時間帯は、例えば、夜間や、使用者が留守中であると考えられる。そこで、このようにすることにより、留守中であること、すなわち、浄水器が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、この発明によれば、小型で、簡単に、安全に濾材を洗浄することが可能な濾材洗浄装置とそれを備える浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の第1実施形態の浄水器の構成を模式的に示す図である。
【図2】この発明の第1実施形態の浄水器が備える濾材洗浄装置の全体を示す断面図である。
【図3】この発明の第1実施形態の浄水器のマイクロフィルターを通過する水の流れを模式的に示す図である。
【図4】この発明の第1実施形態の浄水器の制御関連の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の第1実施形態の浄水器のマイクロフィルターを濾材洗浄装置で洗浄するときの水の流れを模式的に示す図である。
【図6】この発明の第1実施形態の浄水器のマイクロフィルター洗浄用通水路に濾材洗浄装置を取り付けた別の状態を示す図である。
【図7】この発明の第1実施形態の浄水器における自動洗浄行程の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図8】この発明の第1実施形態の浄水器における自動洗浄行程の別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図9】この発明の第1実施形態の浄水器における自動洗浄行程のまた別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図10】この発明の第1実施形態の浄水器における自動洗浄行程のさらに別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図11】この発明の第1実施形態の浄水器における自動洗浄行程のさらにまた別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図12】この発明の第1実施形態の浄水器における自動洗浄行程のさらにまた別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図13】この発明の第2実施形態の浄水器の制御関連の構成を示すブロック図である。
【図14】この発明の第2実施形態の浄水器における自動洗浄行程の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図15】この発明の第2実施形態の浄水器における自動洗浄行程の別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図16】この発明の第2実施形態の浄水器における自動洗浄行程のまた別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図17】この発明の第3実施形態の浄水器の制御関連の構成を示すブロック図である。
【図18】この発明の第3実施形態の浄水器における自動洗浄行程の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図19】この発明の第3実施形態の浄水器における自動洗浄行程の別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図20】この発明の第3実施形態の浄水器における自動洗浄行程のまた別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図21】この発明の第4実施形態の浄水器の制御関連の構成を示すブロック図である。
【図22】この発明の第4実施形態の浄水器における自動洗浄行程の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図23】この発明の第4実施形態の浄水器における自動洗浄行程の別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図24】この発明の第4実施形態の浄水器における自動洗浄行程のまた別の例の制御処理を順に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0041】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の浄水器1は、主に、主通水路101と、主通水路101に配置されるプレフィルター111と活性炭112とイオン交換樹脂113と濾材としてマイクロフィルター114と、水量検知部として流量センサ121と水圧検知部として差圧センサ122と濁度検知部として濁度センサ123と、照度検知部として光/照度センサ124と、制御部131と、ポンプ150と、洗浄専用タンク301と、濾材洗浄装置400とを備える。制御部131は、後述するようにマイクロコンピュータの一部である。浄水器1は他に、加熱装置141や冷却装置142を備えていてもよい。
【0042】
主通水路101は、水を流通させるためのものである。主通水路101には、浄水器1の外部から、水道水や井戸水、河川水などの原水が供給される。原水は、主通水路101内において、プレフィルター111、活性炭112、イオン交換樹脂113、マイクロフィルター114を順に通過して浄水にされ、浄水器1の外部に供給される。
【0043】
プレフィルター111は、比較的、目の粗い不織布によって構成されている。プレフィルター111を通過する水は、プレフィルター111によって濾過されて、水中の比較的大きな不純物が取り除かれる。活性炭112は、水中の有機物を吸着して水から除去する。イオン交換樹脂113は、硬水をイオン交換して軟水にする。マイクロフィルター114は、比較的、目の細かい不織布によって構成されている。マイクロフィルター114は膜によって構成されていてもよい。水がマイクロフィルター114を通過することによって、細かい不純物も濾し取られる。マイクロフィルター114を通過した水は、浄水になる。
【0044】
流量センサ121は、プレフィルター111を通過する水の瞬時流量を計測し、制御部131が含まれるマイクロコンピュータに信号を送信する。
【0045】
差圧センサ122は、マイクロフィルター114の原水側の水圧と濾過水側の水圧との差圧を検知して、制御部131が含まれるマイクロコンピュータに信号を送信する。浄水器1は、差圧センサ122の代わりに、原水側の水圧を検知する水圧検知部を備えていてもよい。
【0046】
濁度センサ123は、マイクロフィルター114を通過した水の濁度を検知して、制御部131が含まれるマイクロコンピュータに信号を送信する。濁度センサ123は、例えば、発光部と受光部とから構成されている。
【0047】
光/照度センサ124は、浄水器1の周囲の照度を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータに信号を送信する。
【0048】
主通水路101においてイオン交換樹脂113とマイクロフィルター114との間には、イオン交換樹脂再生用通水路104の一方の端部が接続されている。イオン交換樹脂再生用通水路104の他方の端部は、濁度センサ123の下流側において主通水路101に接続されている。
【0049】
主通水路101においてマイクロフィルター114と濁度センサ123との間には、マイクロフィルター洗浄用通水路105の一方の端部が接続されている。マイクロフィルター洗浄用通水路105の他方の端部は、濁度センサ123の下流側において主通水路101に接続されている。
【0050】
マイクロフィルター洗浄用通水路105には、濾材洗浄装置400が配置されている。濾材洗浄装置400は、マイクロフィルター洗浄用通水路105の外側に配置されるイオン発生装置を含む。濾材洗浄装置400は、マイクロフィルター洗浄用通水路105内を流通する水中にマイクロバブルを発生させる。イオン発生装置は、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを発生させる。濾材洗浄装置400によって発生させられるマイクロバブルには、イオン発生装置によって発生させられる上述の正負のイオンが加えられる。
【0051】
濁度センサ123の下流側には、第1副通水路102と第2副通水路103とを介して洗浄専用タンク301が主通水路101に接続されている。洗浄専用タンク301の内部には、食塩を含む水が貯められる。第2副通水路103には、洗浄専用タンク301内の水を送出するためのポンプ150が配置されている。また、第2副通水路103は、イオン交換樹脂再生用通水路104とマイクロフィルター洗浄用通水路105に接続されている。すなわち、洗浄専用タンク301は、第2副通水路103を介して、イオン交換樹脂再生用通水路104とマイクロフィルター洗浄用通水路105とに接続されている。
【0052】
洗浄専用タンク301には、洗浄専用タンク301の内部に使用者が食塩を供給するための食塩供給部302が形成されている。また、洗浄専用タンク301内の水位を検知するための水位センサ303が配置されている。水位センサ303は、洗浄専用タンク301内の水位を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータに信号を送信する。
【0053】
加熱装置141は、マイクロフィルター114によって濾過された浄水を加熱するためのものである。冷却装置142は、マイクロフィルター114によって濾過された浄水を冷却するためのものである。
【0054】
主通水路101には、複数の弁が配置されている。これらの弁は、制御部131によって開閉を制御される。主通水路101において原水が供給される側の端部には、電磁弁A201が配置されている。電磁弁A201は、主通水路101内への原水の供給と供給停止とを切り換えるためのものである。
【0055】
活性炭112とイオン交換樹脂113との間においては、第1の排水路106が主通水路101から分岐している。第1の排水路106には電磁弁B202が配置されている。電磁弁B202は、主通水路101内の水を第1の排水路106を通して浄水器1の外部に排出する排水と排水停止とを切り換えるためのものである。
【0056】
主通水路101においてイオン交換樹脂再生用通水路104の上流側の端部とマイクロフィルター114との間には、電磁弁C203が配置されている。電磁弁C203とマイクロフィルター114との間において、主通水路101から第2の排水路107が分岐している。第2の排水路107には、電磁弁D204が配置されている。電磁弁D204は、主通水路101内の水を第2の排水路107を通して浄水器1の外部に排出する排水と排水停止とを切り換えるためのものである。
【0057】
主通水路101において濁度センサ123と第1副通水路102の端部との間には、電磁弁E205が配置されている。また、第1副通水路102には、電磁弁F206が配置されている。電磁弁F206は、主通水路101から洗浄専用タンク301への水の供給と供給停止とを切り換えるためのものである。
【0058】
主通水路101において第2副通水路103の端部の下流側では、主通水路101から第3の排水路108が分岐している。第3の排水路108には、電磁弁G207が配置されている。電磁弁G207は、主通水路101内の水を第3の排水路108を通して浄水器1の外部に排出する排水と排水停止とを切り換えるためのものである。第3の排水路108は、主通水路101側の端部と電磁弁G207との間で、さらに熱水供給路108aと冷水供給路108bに分岐しており、熱水供給路108aには電磁弁K211と加熱装置141が配置され、冷水供給路108bには電磁弁L212と冷却装置142が配置されている。
【0059】
主通水路101において浄水が供給される側の端部には、電磁弁H208が配置されている。電磁弁H208は、主通水路101から浄水器1の外部への浄水の供給と供給停止とを切り換えるためのものである。
【0060】
マイクロフィルター洗浄用通水路105には、電磁弁I209が配置されている。電磁弁I209は、マイクロフィルター洗浄用通水路105から濾材洗浄装置400への洗浄専用タンク301内の水の供給と供給停止とを切り換えるためのものである。
【0061】
イオン交換樹脂再生用通水路104には、電磁弁J210が配置されている。電磁弁J210は、イオン交換樹脂再生用通水路104からイオン交換樹脂113への洗浄専用タンク301内の水の供給と供給停止とを切り換えるためのものである。
【0062】
主通水路101においては、活性炭112とイオン交換樹脂113との間に、逆止弁213が配置されている。
【0063】
ポンプ150と電磁弁A201と電磁弁C203と電磁弁E205と電磁弁F206と電磁弁I209とは、給水部の一例である。
【0064】
図2に示すように、濾材洗浄装置400は、主に、通水路420が形成される筐体401と、イオン発生装置410と、イオン発生装置410と筐体401内の通水路420とを接続する接続路430とから構成されている。
【0065】
筐体401の内部には、第1通水路421と第2通水路422と第3通水路423とを含む通水路420と、空気路431とが形成されている。第1通水路421の一方の端部は濾材洗浄装置400の筐体401の端面において開口されている。第1通水路421の他方の端部は第2通水路422の一方の端部に接続され、第2通水路422の他方の端部には第3通水路423が接続されている。
【0066】
第1通水路421の径W1はほぼ一定である。第2通水路422の径W2はほぼ一定である。第3通水路423の径は、第3通水路423において第2通水路422側の端部では径W2の大きさであり、第2通水路422から離れるに従って大きくなり、他方の端部では径W3になるように形成されている。第1通水路421の径W1は、第2通水路422の径W2よりも大きい。また、第3通水路423の径W3も、第2通水路422の径W2よりも大きい。すなわち、第2通水路422の径は、第1通水路421、第2通水路422、第3通水路423のうちで最小の径である。
【0067】
第2通水路422には、空気路431が接続されている。空気路431の一方の端部は筐体401の端面において開口され、空気路431の他方の端部は第2通水路422に接続されている。
【0068】
空気路431において筐体401の端面で開口されている端部には、接続管432が接続されている。空気路431は、接続管432を介してイオン発生装置410と接続されている。空気路431と接続管432とは、接続路430を構成する。
【0069】
イオン発生装置410は、通水路420の外部に配置されて、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを発生させる。
【0070】
この実施形態においては、例えば、第1通水路421の径W1は6mm、第2通水路422の径W2は2mm、第3通水路423の筐体401の端面の位置における径W3は4mm、空気路431の径W4は1mm、筐体401において通水路の径の方向の幅W5は10mmである。また例えば、第1通水路421の長さW6は15mm、第2通水路422の長さW7は10mm、第3通水路423の長さW8は15mmである。
【0071】
図3に示すように、濾材洗浄装置400は、マイクロフィルター洗浄用通水路105とマイクロフィルター114との間に配置されている。マイクロフィルター114は、マイクロフィルターケース114aと、マイクロフィルターケース114aの内部に収容されるマイクロフィルター本体114bとから構成される。マイクロフィルター本体114bは、比較的、目の細かい不織布によって構成されている。マイクロフィルターケース114aには、原水導入管114cと浄水導出管114dとが形成されている。マイクロフィルターケース114aとマイクロフィルター本体114bとの間には空間が形成されている。マイクロフィルターケース114aとマイクロフィルター本体114bとの間の空間には、シール材114eが取り付けられている。シール材114eは、原水と浄水とが混ざらないようにするためのものである。図3に示す状態では、濾材洗浄装置400はシール材114eよりも原水導入管114c側に取り付けられている。濾材洗浄装置400は、シール材114eよりも浄水導出管114d側に取り付けられていてもよい。
【0072】
マイクロフィルター114内においては、原水導入管114cからマイクロフィルターケース114a内に流入する水は図中に矢印で示すように流れて、マイクロフィルター本体114bで濾過される。マイクロフィルター本体114bは、原水中の微細なコンタミ、すなわち、濁質や細菌を濾過する。マイクロフィルター本体114bを通過した水は浄水となって、浄水導出管114dからマイクロフィルターケース114aの外部に流出する。
【0073】
図4に示すように、浄水器1は制御関連の構成として、流量センサ121と差圧センサ122と濁度センサ123と光/照度センサ124と水位センサ303と操作部160と、マイクロコンピュータ130と、電磁弁A201と電磁弁B202と電磁弁C203と電磁弁D204と電磁弁E205と電磁弁F206と電磁弁G207と電磁弁H208と電磁弁I209と電磁弁J210と電磁弁K211と電磁弁L212と、ポンプ150と、加熱装置141と、冷却装置142と、濾材洗浄装置400(図1)のイオン発生装置410とを含む。マイクロコンピュータ130は、制御部131と読み込み部132と記憶部133と計時部134とを含む。
【0074】
流量センサ121は水量を検知して読み込み部132に信号を送信する。差圧センサ122はマイクロフィルター114の原水側の水圧と濾過水側の水圧との差圧を検知して読み込み部132に信号を送信する。濁度センサ123は濁度を検知して読み込み部132に信号を送信する。光/照度センサ124は浄水器1の周囲の照度を検知して読み込み部132に信号を送信する。水位センサ303は、洗浄専用タンク301内の水位を検知して読み込み部132に信号を送信する。
【0075】
操作部160は、使用者が操作するためのスイッチやボタンを含むものである。操作部160には、マイクロフィルター114の洗浄行程とイオン交換樹脂113の再生行程を開始させるスイッチが含まれる。操作部160を通して、使用者は、例えば、浄水器1が浄水を供給する浄水モードと、浄水器1が原水を浄化せずにそのまま供給する原水モードとを選択することができる。また使用者は、操作部160を操作することによって、例えば、浄水器1によって供給される浄水の温度を選択することができる。使用者はまた、操作部160を操作して、浄水器1のマイクロフィルター114の洗浄行程とイオン交換樹脂113の再生行程を自動的に行う自動洗浄モードを選択することができる。また、使用者は、操作部160を操作して、マイクロフィルター114の洗浄行程とイオン交換樹脂113の再生行程を手動で行う手動洗浄モードを選択することができる。操作部160は、使用者によって操作されると、読み込み部132に信号を送信する。
【0076】
読み込み部132は記憶部133と信号の送受信を行い、各部材から送信された信号を記憶部133に送信する。
【0077】
記憶部133は、読み込み部132から送信された信号を記憶する。記憶部133はまた、制御部131と信号の送受信を行い、制御部131に信号を送信する。
【0078】
制御部131は、受信した信号に基づいて、電磁弁A201と電磁弁B202と電磁弁C203と電磁弁D204と電磁弁E205と電磁弁F206と電磁弁G207と電磁弁H208と電磁弁I209と電磁弁J210と電磁弁K211と電磁弁L212と、ポンプ150と、加熱装置141と、冷却装置142と、イオン発生装置410とを制御する。制御部131はまた、計時部134と信号の送受信を行う。
【0079】
計時部134は、制御部131と信号の送受信を行い、時間を計測する。
【0080】
以上のように構成された浄水器1の動作について説明する。まず、初期状態では、すべての電磁弁が閉じられている。
【0081】
浄水を供給する場合には、まず、制御部131は、電磁弁A201と電磁弁C203と電磁弁E205とを開けるように制御する。使用者が操作部160を操作して、常温の浄水を供給することが選択されている場合には、制御部131は、電磁弁H208を開けて、電磁弁K211と電磁弁L212とを閉じるように制御する。このようにすることにより、浄水器1から常温の浄水が供給される。
【0082】
一方、使用者が操作部160を操作して、熱水の浄水を供給することが選択されている場合には、制御部131は、加熱装置141を駆動させるように制御し、電磁弁H208を閉じ、電磁弁K211を開け、電磁弁L212を閉じるように制御する。このようにすることにより、浄水器1から熱水の浄水が供給される。
【0083】
また、使用者が操作部160を操作して、冷水の浄水を供給することが選択されている場合には、制御部131は、冷却装置142を駆動させるように制御し、電磁弁H208と電磁弁K211とを閉じ、電磁弁L212を開くように制御する。このようにすることにより、浄水器1から冷水の浄水が供給される。
【0084】
次に、浄水器1のマイクロフィルター114の洗浄行程について説明する。
【0085】
マイクロフィルター114の洗浄行程では、まず、すべての電磁弁が閉じられる。次に、制御部131は、電磁弁A201、電磁弁C203、電磁弁E205、電磁弁F206を開くように制御する。このようにすることにより、浄水器1の外部から主通水路101内に流入した原水は、主通水路101と第1副通水路102とを通って洗浄専用タンク301内に貯められる。制御部131は、水位センサ303によって検知される水位に基づいて、洗浄専用タンク301内が満水になるまで、電磁弁A201、電磁弁C203、電磁弁E205、電磁弁F206を開くように制御する。洗浄専用タンク301は、2Lの水を収容して満水になる。
【0086】
次に、制御部131は、電磁弁A201、電磁弁C203、電磁弁E205、電磁弁F206を閉じ、電磁弁I209と電磁弁D204とを開き、ポンプ150を駆動させるように制御する。このようにすることにより、洗浄専用タンク301内に満水に貯められた水は、マイクロフィルター洗浄用通水路105内を図1に矢印Cで示す方向に流通して、濾材洗浄装置400に流れ込む。
【0087】
濾材洗浄装置400においては、図中に矢印Cで示す方向に、第1通水路421、第2通水路422、第3通水路423の順に水が流される。このように水が流されると、イオン発生装置410で発生させられた正負のイオンと、イオン発生装置410内の空気とは、第2通水路422内の水の流れによって、矢印Pの方向に引き込まれる。
【0088】
一方、濾材洗浄装置400の通水路420内の水は、第1通水路421から、相対的に径の小さい第2通水路422に流入すると、加圧される。第2通水路422内の水には、上述のように、正負のイオンを含む空気が供給される。第2通水路422内において、正負のイオンを含む空気が供給された水が加圧されると、正負のイオンを含む空気が水中に溶解される。
【0089】
加圧された第2通水路422内の水は、相対的に径の大きい第3通水路423内に流入すると減圧される。第3通水路423内で水が減圧されることによって、第3通水路423内の水中に気泡が発生する。第2通水路422内から第3通水路423内に流入する水には、上述の正負のイオンを含む空気が溶解されているので、第3通水路423内の水中に発生する気泡には、上述の正負のイオンが含まれる。
【0090】
この実施形態においては、通水路の径と長さを上述のように構成することによって、水中に発生する気泡がマイクロバブルになる。
【0091】
正負のイオンが加えられたマイクロバブルを含む水は、マイクロフィルター114を通過しながら、マイクロフィルター114を洗浄する。
【0092】
図5に示すように、マイクロフィルター洗浄用通水路105内から濾材洗浄装置400を通ってマイクロフィルターケース114a内に流入した水は、図中に矢印で示す方向に流れて、マイクロフィルター本体114bの表面のコンタミを洗い流し、原水導入管114cを通ってマイクロフィルターケース114aの外部に排出される。マイクロフィルター114を洗浄した水は、電磁弁D204が配置される第2の排水路107を通って浄水器1の外部に排水される。
【0093】
図6に示すように、濾材洗浄装置400は、シール材114eよりも浄水導出管114d側に取り付けられていてもよい。濾材洗浄装置400がこのように取り付けられている場合にも、マイクロフィルター洗浄用通水路105内から濾材洗浄装置400を通ってマイクロフィルターケース114a内に流入した水は、図中に矢印で示す方向に流れて、マイクロフィルター本体114bに捕獲されているコンタミを洗い流し、原水導入管114cを通ってマイクロフィルターケース114aの外部に排出される。
【0094】
以上のように、第1実施形態の浄水器1が備える濾材洗浄装置400は、通水路420と、イオン発生装置410と、接続路430とを備える。通水路420は、マイクロフィルター114を洗浄するための水を流通させるものである。イオン発生装置410は、通水路420の外部に配置されて、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを発生させる。接続路430は、通水路420とイオン発生装置410とを接続するものである。通水路420は、第1通水路421と第2通水路422と第3通水路423とを含む。第1通水路421は、通水路420内を流通する水が流れる方向において相対的に上流側に配置される。第2通水路422は、第1通水路421の下流側に形成されて水を加圧するものである。第3通水路423は、第2通水路422の下流側に形成されて水を減圧するものである。第2通水路422の径の大きさは、第1通水路421の径と第2通水路422の径と第3通水路423の径とのうちで最小である。接続路430は第2通水路422に接続されている。
【0095】
通水路420の外部に配置されているイオン発生装置410では、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とが発生させられる。これらの正イオンと負イオンには、殺菌、除菌、脱臭などの効果があることが知られている。これらの正イオンと負イオンとは、イオン発生装置410から、接続路430を通って、イオン発生装置410内の空気とともに第2通水路422内の水に供給される。
【0096】
一方、濾材洗浄装置400の通水路420内の水は、第1通水路421から、相対的に径の小さい第2通水路422に流入すると、加圧される。第2通水路422内の水には、上述のように、正負のイオンを含む空気が供給される。第2通水路422内において、正負のイオンを含む空気が供給された水が加圧されると、正負のイオンを含む空気が水中に溶解される。
【0097】
加圧された第2通水路422内の水は、相対的に径の大きい第3通水路423内に流入すると減圧される。第3通水路423内で水が減圧されることによって、第3通水路423内の水中に気泡が発生する。第2通水路422内から第3通水路423内に流入する水には、上述の正負のイオンを含む空気が溶解されているので、第3通水路423内の水中に発生する気泡には、上述の正負のイオンが含まれる。
【0098】
このように、第3通水路423内の水中には、上述の正負のイオンが含まれる気泡が発生させられる。第3通水路423内の水をマイクロフィルター114の洗浄に用いることによって、上述の正負のイオンが含まれる気泡が発生させられた水を用いて、マイクロフィルター114を効果的に洗浄することができる。
【0099】
このようにすることにより、小型で、簡単に、安全にマイクロフィルター114を洗浄することが可能な濾材洗浄装置400を提供することができる。
【0100】
なお、この実施形態においては、濾材洗浄装置400に供給される水は浄水であるとして説明している。このように、濾材洗浄装置400に供給される水が浄水であることによって、濁質や細菌が取り除かれた水でマイクロフィルター114をより効果的に洗浄することができる。しかし、濾材洗浄装置400に供給される水は、マイクロフィルター114を通過していない原水であってもよい。
【0101】
次に、イオン交換樹脂113を再生させるイオン交換樹脂再生行程について説明する。
【0102】
イオン交換樹脂再生行程では、まず、すべての電磁弁が閉じられる。使用者は、洗浄専用タンク301に、食塩供給部302を通して食塩を投入する。次に、制御部131は、電磁弁A201、電磁弁C203、電磁弁E205、電磁弁F206を開くように制御する。このようにすることにより、浄水器1の外部から主通水路101内に流入した原水は、主通水路101と第1副通水路102とを通って洗浄専用タンク301内に貯められる。制御部131は、水位センサ303によって検知される水位に基づいて、洗浄専用タンク301内が満水になるまで、電磁弁A201、電磁弁C203、電磁弁E205、電磁弁F206を開くように制御する。
【0103】
次に、制御部131は、電磁弁A201、電磁弁C203、電磁弁E205、電磁弁F206を閉じ、電磁弁J210と電磁弁B202とを開き、ポンプ150を駆動させるように制御する。このようにすることにより、洗浄専用タンク301内に満水に貯められ食塩水は、イオン交換樹脂再生用通水路104内を図1に矢印Bで示す方向に流通して、イオン交換樹脂113に流れ込み、イオン交換樹脂113の再生が開始される。イオン交換樹脂113を通過した食塩水は、第1の排水路106を通って、浄水器1の外部に排出される。
【0104】
次に、浄水器1の自動洗浄行程について説明する。
【0105】
図7に示すように、ステップS101では、制御部131は、自動洗浄モードが選択されているかどうかを判断する。自動洗浄モードが選択されていれば、ステップS102に進む。自動洗浄モードが選択されていなければ、ステップS111に進む。
【0106】
ステップS102では、制御部131は記憶部133と信号の送受信を行い、規定流量値を自動洗浄用の値に設定する。自動洗浄用の規定流量値は、例えば、マイクロフィルター114によって濾過することができる水量の積算値が2500Lである場合には、2500Lの80%にあたる2000Lに設定される。
【0107】
ステップS103では、流量センサ121が、マイクロフィルター114を流通する瞬時水量を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータ130に信号を送信する。
【0108】
ステップS104では、制御部131は、流量センサ121から受信した信号に基づいて、積算流量を算出する。
【0109】
ステップS105では、制御部131は、積算流量値と規定流量値とを比較する。積算流量値と規定流量値とを比較することによって、制御部131は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断することができる。
【0110】
積算流量値と規定流量値とを比較することによって、マイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が求められる。マイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が多ければ多いほど、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が大きい。そこで、マイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が所定の値以下であれば、すなわち、積算流量が規定流量値以上であれば、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であると判断することができる。
【0111】
ステップS106では、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えたかどうかを判断する。積算流量が規定流量値を超えていれば、ステップS107に進む。積算流量が規定流量値を超えていなければ、ステップS103に戻る。例えば、規定流量値が2000Lであり、積算流量が1000Lである場合には、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えていないと判断してステップS103に戻る。
【0112】
ステップS107では、光/照度センサ124が光または照度を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータ130に信号を送信する。
【0113】
ステップS108では、制御部131は、光/照度センサ124から受信した信号に基づいて、光/照度センサ124によって検知された光量または照度が、規定の光量または照度よりも小さいかどうかを判断する。光/照度センサ124によって検知された光量または照度が規定の光量または照度よりも小さければ、ステップS109に進む。光/照度センサ124によって検知された光量または照度が規定の光量または照度よりも小さくなければ、ステップS103に戻る。
【0114】
ステップS109では、制御部131は、浄水が供給されていないかどうかを判断する。制御部131は、例えば、流量センサ121によって水量が検知されていない場合に、浄水が供給されていないと判断する。浄水が供給されていなければ、ステップS110に進む。浄水が供給されていれば、ステップS103に戻る。
【0115】
ステップS110では、制御部131は、自動洗浄行程を開始する。自動洗浄行程では、制御部131は、上述のマイクロフィルター114の洗浄行程とイオン交換樹脂再生行程を行うように、電磁弁など浄水器1の各部材を制御する。
【0116】
光/照度センサ124によって検知された光量または照度が規定の光量または照度よりも小さければ、夜間であると判断される。このように、浄水器1の自動洗浄モードでは、使用者が浄水器1を使用する可能性が低い夜間に、マイクロフィルター114の洗浄行程が行われる。
【0117】
ステップS111では、制御部131は、規定流量値を手動洗浄用の値に設定する。手動洗浄用の値は、例えば、マイクロフィルター114によって濾過することができる水量の積算値が2500Lである場合には、2500Lに設定される。
【0118】
手動洗浄モードが選択されている場合には、制御部131は、積算流量値が2500L以上になったときに、例えば報知部(図示しない)を制御して、使用者にイオン交換樹脂113の再生とマイクロフィルター114の洗浄が必要であることを報知することができる。
【0119】
以上のように、第1実施形態の浄水器1は、上記の濾材洗浄装置400と、濾材洗浄装置400によって洗浄されるマイクロフィルター114と、通水路420に水を供給するポンプ150と電磁弁A201と電磁弁C203と電磁弁E205と電磁弁F206と電磁弁I209と、制御部131とを備える。制御部131は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断と、ポンプ150と電磁弁A201と電磁弁C203と電磁弁E205と電磁弁F206と電磁弁I209との制御とを行う。制御部131は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であって当該浄水器1が使用されない時間帯において、通水路420に水を供給させるようにポンプ150と電磁弁A201と電磁弁C203と電磁弁E205と電磁弁I209とを制御するように構成されている。
【0120】
マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が0になった後は、浄水器1は浄水を供給することができない。一方、マイクロフィルター114の洗浄にはある程度の時間がかかる。マイクロフィルター114の洗浄を行っている間も、浄水器1は浄水を供給することができない。
【0121】
そこで、制御部131が使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断し、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であって当該浄水器1が使用されない時間帯において、濾材洗浄装置400によるマイクロフィルター114の洗浄を行うようにポンプ150と電磁弁A201と電磁弁C203と電磁弁E205と電磁弁F206と電磁弁I209とを制御することによって、使用者が浄水を使用したいときに使用できない状況になることを防ぐことができる。
【0122】
また、浄水器1は、マイクロフィルター114を通過する水量を検知する流量センサ121を備える。制御部131は、流量センサ121によって検知される水量の積算値に基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断するように構成されている。
【0123】
このようにすることにより、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを簡単に判断することができる。
【0124】
また、浄水器1は、当該浄水器1の周囲の照度を検知する光/照度センサ124を備える。制御部131は、光/照度センサ124によって検知される照度が所定の値よりも小さい場合に、当該浄水器1が使用されない時間帯であると判断するように構成されている。
【0125】
浄水器1が使用されない時間帯は、例えば夜間であると考えられる。そこで、このようにすることにより、夜間であること、すなわち、浄水器1が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【0126】
次に、浄水器1の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0127】
図8に示す自動洗浄行程では、図7に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS104が行われる。しかし、図8に示す自動洗浄行程では、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS104からステップS105に進む代わりに、ステップS104からステップS201に進む。
【0128】
ステップS201では、制御部131は、記憶部133と計時部134と制御信号の送受信を行い、積算流量値の1日当たりの平均値を求める。その後、ステップS105に進む。
【0129】
ステップS105では、制御部131は、積算流量値と規定流量値とを比較する。その後、ステップS202に進む。
【0130】
ステップS202では、制御部131は、ステップS201で求められた積算流量値の1日当たりの平均値と、ステップS105で比較された積算流量値と規定流量値との差とに基づいて、規定流量値に達するまでの予定日数を算出する。その後、ステップS203に進む。規定流量値に達するまでの予定日数は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余である。
【0131】
ステップS203では、制御部131は、ステップS202で算出された予定日数が、所定の日数よりも少ないかどうかを判断する。所定の日数は、例えば、1日であってもよい。その後、ステップS107に進む。
【0132】
ステップS107からステップS111は、図7に示す自動洗浄行程と同様である。
【0133】
以上のように、浄水器1においては、制御部131は、流量センサ121によって検知される水量の積算値と、流量センサ121によって検知される水量の1日当たりの平均値とに基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余を算出するように構成されている。
【0134】
このようにすることにより、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余を簡単に算出することができる。
【0135】
次に、浄水器1の自動洗浄行程の別の例について説明する。この自動洗浄行程では、制御部131は、差圧センサ122によって検知される差圧に基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断する。
【0136】
図9に示す自動洗浄行程では、図7に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101が行われる。ステップS101では、制御部131は、自動洗浄モードが選択されているかどうかを判断する。自動洗浄モードが選択されていれば、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS302に進む。自動洗浄モードが選択されていなければ、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS311に進む。
【0137】
ステップS302では、制御部131は記憶部133と信号の送受信を行い、規定圧損値を自動洗浄用の値に設定する。自動洗浄用の規定圧損値は、例えば、マイクロフィルター114によって原水を濾過することができなくなる圧損の値が12.5psiである場合には、12.5psiの80%にあたる10psiに設定される。その後、ステップS303に進む。
【0138】
ステップS303では、差圧センサ122が、マイクロフィルター114の原水側の水圧と濾過水側の水圧との差圧を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータ130に信号を送信する。その後、ステップS304に進む。
【0139】
ステップS304では、制御部131は、ステップS303で検知された差圧に基づいて、マイクロフィルター114の圧損を算出する。その後、ステップS305に進む。
【0140】
ステップS305では、制御部131は、圧損値と規定圧損値とを比較する。圧損値と規定圧損値とを比較することによって、制御部131は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断することができる。
【0141】
圧損値と規定圧損値とを比較することによって、圧損が規定圧損値になるまでの間にマイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が求められる。マイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が多ければ多いほど、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が大きい。そこで、マイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が所定の値以下であれば、すなわち、圧損が規定圧損値以上であれば、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であると判断することができる。
【0142】
ステップS306では、制御部131は、圧損値が規定圧損値を超えたかどうかを判断する。圧損が規定圧損値を超えていれば、ステップS107に進む。圧損が規定圧損値を超えていなければ、ステップS303に戻る。例えば、規定圧損値が10psiであり、圧損が1psiである場合には、制御部131は、圧損が規定圧損値を超えていないと判断してステップS303に戻る。
【0143】
ステップS107からステップS110は、図7に示す自動洗浄行程と同様である。
【0144】
ステップS311では、制御部131は、規定圧損値を手動洗浄用の値に設定する。手動洗浄用の値は、例えば、マイクロフィルター114によって原水を濾過することができなくなる圧損の値が12.5psiである場合には、12.5psiに設定される。
【0145】
手動洗浄モードが選択されている場合には、制御部131は、圧損が12.5psi以上になったときに、例えば報知部(図示しない)を制御して、使用者にイオン交換樹脂113の再生とマイクロフィルター114の洗浄が必要であることを報知することができる。
【0146】
また、浄水器1が、差圧センサ122の代わりに、マイクロフィルター114の原水側の水圧を検知する水圧検知部を備える場合には、水圧検知部によって検知される水圧が規定の水圧以上であれば、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以上であると判断することができる。
【0147】
以上のように、浄水器1は、マイクロフィルター114の原水側の水圧、または、マイクロフィルター114の原水側の水圧と濾過水側の水圧との差圧を検知する差圧センサ122を備える。制御部131は、差圧センサ122によって検知される圧力または差圧に基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断するように構成されている。
【0148】
このようにすることにより、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを簡単に判断することができる。
【0149】
次に、浄水器1の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0150】
図10に示す自動洗浄行程では、図9に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS304が行われる。しかし、図10に示す自動洗浄行程では、図9に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS304からステップS305に進む代わりに、ステップS304からステップS401に進む。
【0151】
ステップS401では、制御部131は、記憶部133と計時部134と制御信号の送受信を行い、圧損値の1日当たりの平均値を求める。その後、ステップS305に進む。
【0152】
ステップS305では、制御部131は、圧損値と規定圧損値とを比較する。その後、ステップS402に進む。
【0153】
ステップS402では、制御部131は、ステップS401で求められた圧損値の1日当たりの平均値と、ステップS305で比較された圧損値と規定圧損値との差とに基づいて、規定圧損値に達するまでの予定日数を算出する。その後、ステップS403に進む。規定圧損値に達するまでの予定日数は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余である。
【0154】
ステップS403では、制御部131は、ステップS402で算出された予定日数が、所定の日数よりも少ないかどうかを判断する。所定の日数は、例えば、1日であってもよい。その後、ステップS107に進む。
【0155】
ステップS107からステップS110とステップS311は、図9に示す自動洗浄行程と同様である。
【0156】
以上のように、浄水器1においては、制御部131は、差圧センサ122によって検知される圧力または差圧と、差圧センサ122によって検知される水圧または差圧の1日当たりの平均値とに基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余を算出するように構成されている。
【0157】
このようにすることにより、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余を簡単に算出することができる。
【0158】
次に、浄水器1の自動洗浄行程の別の例について説明する。この自動洗浄行程では、制御部131は、濁度センサ123によって検知される濁度に基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断する。
【0159】
図11に示す自動洗浄行程では、図7に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101が行われる。ステップS101では、制御部131は、自動洗浄モードが選択されているかどうかを判断する。自動洗浄モードが選択されていれば、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS502に進む。自動洗浄モードが選択されていなければ、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS511に進む。
【0160】
ステップS502では、制御部131は記憶部133と信号の送受信を行い、規定濁度値を自動洗浄用の値に設定する。自動洗浄用の規定濁度値は、例えば、マイクロフィルター114によって濾過された水を浄水として使用することができなくなる濁度の値が2.5NTUである場合には、2.5NTUの80%にあたる2NTUに設定される。その後、ステップS503に進む。
【0161】
ステップS503では、濁度センサ123が、マイクロフィルター114の濾過水側の水の濁度を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータ130に信号を送信する。その後、ステップS504に進む。
【0162】
ステップS504では、制御部131は、ステップS503で検知された濁度に基づいて、マイクロフィルター114の濾過水側の水の濁度を算出する。その後、ステップS505に進む。
【0163】
ステップS505では、制御部131は、濁度と規定濁度値とを比較する。濁度と規定濁度値とを比較することによって、制御部131は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断することができる。
【0164】
濁度と規定濁度値とを比較することによって、濁度が規定濁度値になるまでの間にマイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が求められる。マイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が多ければ多いほど、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が大きい。そこで、マイクロフィルター114が濾過することのできる水量の残量が所定の値以下であれば、すなわち、積算流量が規定流量値以上であれば、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であると判断することができる。
【0165】
ステップS506では、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えたかどうかを判断する。濁度が規定濁度値を超えていれば、ステップS107に進む。濁度が規定濁度値を超えていなければ、ステップS503に戻る。例えば、規定濁度値が2NTUであり、濁度が1NTUである場合には、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えていないと判断してステップS503に戻る。
【0166】
ステップS107からステップS110は、図7に示す自動洗浄行程と同様である。
【0167】
ステップS511では、制御部131は、規定濁度値を手動洗浄用の値に設定する。手動洗浄用の値は、例えば、マイクロフィルター114によって濾過された水を浄水として使用することができなくなる濁度の値が2.5NTUである場合には、2.5NTUに設定される。
【0168】
手動洗浄モードが選択されている場合には、制御部131は、濁度の値が2.5NTU以上になったときに、例えば報知部(図示しない)を制御して、使用者にイオン交換樹脂113の再生とマイクロフィルター114の洗浄が必要であることを報知することができる。
【0169】
以上のように、浄水器1は、マイクロフィルター114の濾過水の濁度を検知する濁度センサ123を備える。制御部131は、濁度センサ123によって検知される濁度に基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを判断するように構成されている。
【0170】
このようにすることにより、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかを簡単に判断することができる。
【0171】
次に、浄水器1の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0172】
図12に示す自動洗浄行程では、図11に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS504が行われる。しかし、図12に示す自動洗浄行程では、図11に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS504からステップS505に進む代わりに、ステップS504からステップS601に進む。
【0173】
ステップS601では、制御部131は、記憶部133と計時部134と制御信号の送受信を行い、濁度の1日当たりの平均値を求める。その後、ステップS505に進む。
【0174】
ステップS505では、制御部131は、濁度と規定濁度値とを比較する。その後、ステップS602に進む。
【0175】
ステップS602では、制御部131は、ステップS601で求められた濁度の1日当たりの平均値と、ステップS505で比較された濁度と規定濁度値との差とに基づいて、規定濁度値に達するまでの予定日数を算出する。その後、ステップS603に進む。規定濁度値に達するまでの予定日数は、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余である。
【0176】
ステップS603では、制御部131は、ステップS602で算出された予定日数が、所定の日数よりも少ないかどうかを判断する。所定の日数は、例えば、1日であってもよい。その後、ステップS107に進む。
【0177】
ステップS107からステップS110とステップS511は、図11に示す自動洗浄行程と同様である。
【0178】
以上のように、浄水器1においては、制御部131は、濁度センサ123によって検知される濁度と、濁度センサ123によって検知される濁度の1日当たりの平均値とに基づいて、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余を算出するように構成されている。
【0179】
このようにすることにより、マイクロフィルター114の使用可能な期間の残余を簡単に算出することができる。
【0180】
(第2実施形態)
図13に示すように、第2実施形態の浄水器2は、第1実施形態の浄水器1の光/照度センサ124の代わりに、時計部として(電波)時計125を備える。(電波)時計125は、時刻を検知して、マイクロコンピュータ130の読み込み部132に信号を送信する。第2実施形態の浄水器2のその他の構成は、第1実施形態の浄水器1と同様である。
【0181】
以上のように構成される浄水器2の自動洗浄行程について説明する。
【0182】
図14に示すように、浄水器2の自動洗浄行程では、ステップS101からステップS106まで、図7に示す浄水器1の自動洗浄行程と同様に行われる。
【0183】
ステップS106では、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えたかどうかを判断する。積算流量が規定流量値を超えていれば、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS707に進む。積算流量が規定流量値を超えていなければ、ステップS103に戻る。例えば、規定流量値が2000Lであり、積算流量が1000Lである場合には、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えていないと判断してステップS103に戻る。
【0184】
ステップS707では、(電波)時計125が時刻を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータ130に信号を送信する。その後、ステップS708に進む。
【0185】
ステップS708では、制御部131は、(電波)時計125から受信した信号に基づいて、(電波)時計125によって検知された時刻が、所定の時刻よりも遅いかどうかを判断する。(電波)時計125によって検知された時刻が所定の時刻よりも遅ければ、ステップS109に進む。(電波)時計125によって検知された時刻が所定の時刻よりも遅くなければ、ステップS103に戻る。
【0186】
ステップS109からステップS111は、図7に示す第1実施形態の自動洗浄行程と同様に行われる。
【0187】
(電波)時計125によって検知された時刻が所定の時刻よりも遅ければ、夜間であると判断される。このように、浄水器2の自動洗浄モードでは、使用者が浄水器2を使用する可能性が低い夜間に、第1実施形態と同様のマイクロフィルター114の洗浄行程が行われる。
【0188】
以上のように、第2実施形態の浄水器2は、時刻を検知する(電波)時計125を備える。制御部131は、(電波)時計125によって検知される時刻が所定の範囲内である場合に、当該浄水器2が使用されない時間帯であると判断するように構成されている。
【0189】
このようにすることにより、夜間であること、すなわち、浄水器2が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【0190】
次に、浄水器2の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0191】
図15に示す自動洗浄行程では、図9に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS306が行われる。
【0192】
ステップS306では、制御部131は、圧損値が規定圧損値を超えたかどうかを判断する。圧損が規定圧損値を超えていれば、図9に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS707に進む。圧損が規定圧損値を超えていなければ、ステップS303に戻る。例えば、規定圧損値が10psiであり、圧損が1psiである場合には、制御部131は、圧損が規定圧損値を超えていないと判断してステップS303に戻る。
【0193】
ステップS707からステップS110は、図14に示す自動洗浄行程と同様である。また、ステップS311は、図9に示す自動洗浄行程と同様である。
【0194】
次に、浄水器2の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0195】
図16に示す自動洗浄行程では、図11に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS506が行われる。
【0196】
ステップS506では、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えたかどうかを判断する。濁度が規定濁度値を超えていれば、ステップS707に進む。濁度が規定濁度値を超えていなければ、ステップS503に戻る。例えば、規定濁度値が2NTUであり、濁度が1NTUである場合には、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えていないと判断してステップS503に戻る。
【0197】
ステップS707からステップS110は、図15に示す自動洗浄行程と同様である。また、ステップS511は、図11に示す自動洗浄行程と同様である。
【0198】
第2実施形態の浄水器2のその他の構成と効果は、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図17に示すように、第3実施形態の浄水器3は、第1実施形態の浄水器1の光/照度センサ124の代わりに、温度検知部として温度センサ126を備える。温度センサ126は、浄水器3の周囲の温度を検知して、マイクロコンピュータ130の読み込み部132に信号を送信する。第3実施形態の浄水器3のその他の構成は、第1実施形態の浄水器1と同様である。
【0199】
以上のように構成される浄水器3の自動洗浄行程について説明する。
【0200】
図18に示すように、浄水器3の自動洗浄行程では、ステップS101からステップS106まで、図7に示す浄水器1の自動洗浄行程と同様に行われる。
【0201】
ステップS106では、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えたかどうかを判断する。積算流量が規定流量値を超えていれば、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS807に進む。積算流量が規定流量値を超えていなければ、ステップS103に戻る。例えば、規定流量値が2000Lであり、積算流量が1000Lである場合には、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えていないと判断してステップS103に戻る。
【0202】
ステップS807では、温度センサ126が温度を検知して制御部131が含まれるマイクロコンピュータ130に信号を送信する。その後、ステップS808に進む。
【0203】
ステップS808では、制御部131は、温度センサ126から受信した信号に基づいて、温度センサ126によって検知された温度が、所定の温度よりも低いかどうかを判断する。温度センサ126によって検知された温度が所定の温度よりも低ければ、ステップS109に進む。温度センサ126によって検知された温度が所定の温度よりも低くなければ、ステップS103に戻る。
【0204】
ステップS109からステップS111は、図7に示す第1実施形態の自動洗浄行程と同様に行われる。
【0205】
温度センサ126によって検知された温度が所定の温度よりも低ければ、夜間であると判断される。このように、浄水器3の自動洗浄モードでは、使用者が浄水器3を使用する可能性が低い夜間に、第1実施形態と同様のマイクロフィルター114の洗浄行程が行われる。
【0206】
以上のように、第3実施形態の浄水器3は、当該浄水器3の周囲の温度を検知する温度センサ126を備える。制御部131は、温度センサ126によって検知される温度が所定の値よりも小さい場合に、当該浄水器3が使用されない時間帯であると判断するように構成されている。
【0207】
このようにすることにより、夜間であること、すなわち、浄水器3が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【0208】
次に、浄水器3の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0209】
図19に示す自動洗浄行程では、図9に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS306が行われる。
【0210】
ステップS306では、制御部131は、圧損値が規定圧損値を超えたかどうかを判断する。圧損が規定圧損値を超えていれば、図9に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS807に進む。圧損が規定圧損値を超えていなければ、ステップS303に戻る。例えば、規定圧損値が10psiであり、圧損が1psiである場合には、制御部131は、圧損が規定圧損値を超えていないと判断してステップS303に戻る。
【0211】
ステップS807からステップS110は、図18に示す自動洗浄行程と同様である。また、ステップS311は、図9に示す自動洗浄行程と同様である。
【0212】
次に、浄水器3の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0213】
図20に示す自動洗浄行程では、図11に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS506が行われる。
【0214】
ステップS506では、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えたかどうかを判断する。濁度が規定濁度値を超えていれば、ステップS807に進む。濁度が規定濁度値を超えていなければ、ステップS503に戻る。例えば、規定濁度値が2NTUであり、濁度が1NTUである場合には、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えていないと判断してステップS503に戻る。
【0215】
ステップS807からステップS110は、図18に示す自動洗浄行程と同様である。また、ステップS511は、図11に示す自動洗浄行程と同様である。
【0216】
第3実施形態の浄水器3のその他の構成と効果は、第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図21に示すように、第4実施形態の浄水器4は、第1実施形態の浄水器1の光/照度センサ124の代わりに、人検知部としてカメラ/赤外線センサ127を備える。カメラ/赤外線センサ127は、浄水器4の周囲の映像または赤外線を検知して、マイクロコンピュータ130の読み込み部132に信号を送信する。制御部131は、読み込み部132に送信された信号に基づいて、カメラ/赤外線センサ127によって人が検知されていないかどうかを判断する。例えば、赤外線が検知されることによって、浄水器4の周囲に人がいると判断される。また、人の映像が撮影されることによって、浄水器4の周囲に人がいると判断される。第4実施形態の浄水器4のその他の構成は、第1実施形態の浄水器1と同様である。
【0217】
以上のように構成される浄水器4の自動洗浄行程について説明する。
【0218】
図22に示すように、浄水器4の自動洗浄行程では、ステップS101からステップS106まで、図7に示す浄水器1の自動洗浄行程と同様に行われる。
【0219】
ステップS106では、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えたかどうかを判断する。積算流量が規定流量値を超えていれば、図7に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS907に進む。積算流量が規定流量値を超えていなければ、ステップS103に戻る。例えば、規定流量値が2000Lであり、積算流量が1000Lである場合には、制御部131は、積算流量が規定流量値を超えていないと判断してステップS103に戻る。
【0220】
ステップS907では、カメラ/赤外線センサ127が人または赤外線を検知して制御部131に信号を送信する。その後、ステップS908に進む。
【0221】
ステップS908では、制御部131は、カメラ/赤外線センサ127から受信した信号に基づいて、カメラ/赤外線センサ127によって人が検知されていないかどうかを判断する。カメラ/赤外線センサ127によって人が検知されていなければ、ステップS109に進む。カメラ/赤外線センサ127によって人が検知されていれば、ステップS103に戻る。
【0222】
ステップS109からステップS111は、図7に示す第1実施形態の自動洗浄行程と同様に行われる。
【0223】
カメラ/赤外線センサ127によって人が検知されていなければ、夜間または留守中であると判断される。このように、浄水器4の自動洗浄モードでは、使用者が浄水器4を使用する可能性が低い夜間や留守中に、第1実施形態と同様のマイクロフィルター114の洗浄行程が行われる。
【0224】
以上のように、第4実施形態の浄水器4は、当該浄水器4の周囲の人を検知するカメラ/赤外線センサ127を備える。制御部131は、カメラ/赤外線センサ127によって人が検知されない場合に、当該浄水器4が使用されない時間帯であると判断するように構成されている。
【0225】
浄水器4が使用されない時間帯は、例えば、夜間や、使用者が留守中であると考えられる。そこで、このようにすることにより、留守中であること、すなわち、浄水器4が使用されない時間帯であることを容易に判断することができる。
【0226】
次に、浄水器4の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0227】
図23に示す自動洗浄行程では、図9に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS306が行われる。
【0228】
ステップS306では、制御部131は、圧損値が規定圧損値を超えたかどうかを判断する。圧損が規定圧損値を超えていれば、図9に示す自動洗浄行程とは異なり、ステップS907に進む。圧損が規定圧損値を超えていなければ、ステップS303に戻る。例えば、規定圧損値が10psiであり、圧損が1psiである場合には、制御部131は、圧損が規定圧損値を超えていないと判断してステップS303に戻る。
【0229】
ステップS907からステップS110は、図22に示す自動洗浄行程と同様である。また、ステップS311は、図9に示す自動洗浄行程と同様である。
【0230】
次に、浄水器4の自動洗浄行程の別の例について説明する。
【0231】
図24に示す自動洗浄行程では、図11に示す自動洗浄行程と同様に、ステップS101からステップS506が行われる。
【0232】
ステップS506では、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えたかどうかを判断する。濁度が規定濁度値を超えていれば、ステップS907に進む。濁度が規定濁度値を超えていなければ、ステップS503に戻る。例えば、規定濁度値が2NTUであり、濁度が1NTUである場合には、制御部131は、濁度が規定濁度値を超えていないと判断してステップS503に戻る。
【0233】
ステップS907からステップS110は、図22に示す自動洗浄行程と同様である。また、ステップS511は、図11に示す自動洗浄行程と同様である。
【0234】
第4実施形態の浄水器4のその他の構成と効果は、第1実施形態と同様である。
【0235】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0236】
1,2,3,4:浄水器、114:マイクロフィルター、121:流量センサ、122:差圧センサ、123:濁度センサ、124:光/照度センサ、125:(電波)時計、126:温度センサ、127:カメラ/赤外線センサ、131:制御部、150:ポンプ、201:電磁弁A、203:電磁弁C、205:電磁弁E、206:電磁弁F、209:電磁弁I、400:濾材洗浄装置、410:イオン発生装置、420:通水路、421:第1通水路、42:第2通水路、423:第3通水路、430:接続路、431:空気路、432:接続管。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾材を洗浄するための水を流通させる通水路と、
前記通水路の外部に配置されて、正イオンとしてH+(H2O)m(mは任意の自然数)と負イオンとしてO2-(H2O)n(nは任意の自然数)とを発生させるイオン発生部と、
前記通水路と前記イオン発生部とを接続する接続路とを備え、
前記通水路は、前記通水路内を流通する水が流れる方向において相対的に上流側に配置される第1通水路と、前記第1通水路の下流側に形成されて水を加圧する第2通水路と、前記第2通水路の下流側に形成されて水を減圧する第3通水路とを含み、
前記第2通水路の径の大きさは、前記第1通水路の径と前記第2通水路の径と前記第3通水路の径とのうちで最小であり、
前記接続路は前記第2通水路に接続されている、濾材洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の濾材洗浄装置と、
前記濾材洗浄装置によって洗浄される濾材と、
前記通水路に水を供給する給水部と、
前記濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断と前記給水部の制御とを行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であって当該浄水器が使用されない時間帯において、前記通水路に水を供給させるように前記給水部を制御するように構成されている、浄水器。
【請求項3】
前記濾材を通過する水量を検知する水量検知部を備え、
前記制御部は、前記水量検知部によって検知される水量の積算値に基づいて、前記濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断をするように構成されている、請求項2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記制御部は、前記水量検知部によって検知される水量の積算値と、前記水量検知部によって検知される水量の1日当たりの平均値とに基づいて、前記濾材の使用可能な期間の残余を算出するように構成されている、請求項3に記載の浄水器。
【請求項5】
前記濾材の原水側の水圧、または、前記濾材の原水側の水圧と濾過水側の水圧との差圧を検知する水圧検知部を備え、
前記制御部は、前記水圧検知部によって検知される圧力または差圧に基づいて、前記濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断をするように構成されている、請求項2に記載の浄水器。
【請求項6】
前記制御部は、前記水圧検知部によって検知される圧力または差圧と、前記水圧検知部によって検知される水圧または差圧の1日当たりの平均値とに基づいて、前記濾材の使用可能な期間の残余を算出するように構成されている、請求項5に記載の浄水器。
【請求項7】
前記濾材の濾過水の濁度を検知する濁度検知部を備え、
前記制御部は、前記濁度検知部によって検知される濁度に基づいて、前記濾材の使用可能な期間の残余が所定の値以下であるかどうかの判断をするように構成されている、請求項2に記載の浄水器。
【請求項8】
前記制御部は、前記濁度検知部によって検知される濁度と、前記濁度検知部によって検知される濁度の1日当たりの平均値とに基づいて、前記濾材の使用可能な期間の残余を算出するように構成されている、請求項7に記載の浄水器。
【請求項9】
当該浄水器の周囲の照度を検知する照度検知部を備え、
前記制御部は、前記照度検知部によって検知される照度が所定の値よりも小さい場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されている、請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項10】
時刻を検知する時計部を備え、
前記制御部は、前記時計部によって検知される時刻が所定の範囲内である場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されている、請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項11】
当該浄水器の周囲の温度を検知する温度検知部を備え、
前記制御部は、前記温度検知部によって検知される温度が所定の値よりも小さい場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されている、請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項12】
当該浄水器の周囲の人を検知する人検知部を備え、
前記制御部は、前記人検知部によって人が検知されない場合に、当該浄水器が使用されない時間帯であると判断するように構成されている、請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の浄水器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−200787(P2011−200787A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69872(P2010−69872)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】