説明

炉底耐火構造及び該炉底耐火構造を備えた溶融炉

【課題】プレキャスト材を用いて浮き上がり防止でき安全性が高く且つ低コストの炉底耐火構造及び該耐火構造を備えた溶融炉を提供する。
【解決手段】外側をケーシング20により覆われた炉本体の底部に配設された溶融炉の炉底耐火構造10において、前記炉底耐火構造10は、プレキャスト材を予め成型したプレキャストブロック11、12からなり、前記プレキャストブロックは炉底に対して複数に分割して配置され、隣接するプレキャストブロック同士の接合部位に、固定された側のプレキャストブロックにより隣接する他側のプレキャストブロックの上方向への移動を阻止する浮き上がり防止手段13を設けた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融炉の炉底に耐火物を施工して形成される炉底耐火構造及び該炉底耐火構造を備えた溶融炉に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融炉は、廃棄物の無害化、減容化及び資源化の観点からその必要性が高まりつつある。溶融炉には、重油等を燃料として被処理物を溶融するバーナ式溶融炉や、電気を熱源として被処理物を溶融する電気抵抗式溶融炉及びプラズマ式溶融炉等が知られている。
【0003】
一例として、プラズマ式溶融炉につき図7を参照して説明する。プラズマ式溶融炉50は、炉頂部から垂下される主電極51と、炉底59に配設される炉底電極52とを有し、これらの両電極間に直流電圧53を印加することによりプラズマアークを発生する。そして、投入ホッパ55より炉本体54内に投下された被処理物をプラズマ熱により加熱して溶融する。被処理物は溶融して溶融スラグ56と、これより密度が高く比重が大きい溶融メタル57が炉本体54内に溜まる。炉本体54内は高温に維持されるため、その内部は耐火材58により形成され、この耐火材58を鋼板製のケーシング59により被覆した構造となっている。
炉底の耐火構造60は、溶融メタル57に接触する内側は耐火レンガ61を配設し、このレンガ61とケーシング59の間に耐火レンガ62を配設し、間隙にスタンプ材63を充填した構成などがある。
【0004】
このような溶融炉炉底の耐火構造60においては、炉運転中に溶融メタル57が耐火レンガ61下に回りこみ、浮力で炉底レンガ61を崩壊させてケーシング59を溶損させることがあり、これを防止するために、溶融スラグ57と接触する耐火レンガ61によりアーチ構造を形成させて万が一の事故を未然に防止している。
しかし、アーチ構造を有する耐火レンガは、製造時の公差の点で施工が難しく、現場で仮組を繰り返してどの位置にどのレンガを使用するかを決定する等、手間がかかるために工期が長くなってしまう。また溶融メタルと接する炉底レンガは目地へのメタル差し込みが避け難く、量が多いと下側まで回り込んでしまうという問題があった。
【0005】
耐火レンガは、粉末材料を用いてこれを高圧で押し固めて成型した成型品を高温で焼成してさらに焼き固めたものである。成型するための型は、硬い粉末材料に高圧をかけるため非常に高価であり、また高温焼成にもコストがかさむが、極めて緻密で耐食性等の性能が高いため、特に耐熱性や耐食性が要求される部位には耐火レンガを用いることが多い。例えば、特許文献1(特開昭62−283869号公報)等には、SiC、SiO、Alを主成分とする燃焼炉用耐火レンガが開示されている。
それに比べて、不定型耐火物であるキャスタブルは、レンガが積み難い部位、或いは断熱、耐食性の対策を立てる必要がある部位に好適に適用される。通常は、現場にてキャスタブル原料を水で混練して流し込む方法や吹き付けて施工する方法等により施工するもので、実機環境下での昇温で緻密に焼き固めることとなる。
【0006】
これに対して、工場にて水練りと流し込みを行い成型して焼成するものをプレキャスト材という。現場施工では温度や湿度の関係で、水の量や練り方を微妙に調節する必要があり、作業者の勘や経験が必要とされることが多く、場合によっては施工精度にばらつきが生じてしまうが、工場ではこれらを管理して施工するため、その材料の性能を十分に発揮でき、ばらつきも少ない製品となる。プレキャスト材を固める型枠は耐火レンガのような高圧は不要であるため安価であり、また形状の自由度も高いため、耐火レンガでは非常にコストの高い製品、或いは成型不可能な大型の製品がプレキャスト材では安価に作製できる。特許文献2(特開平10−324561号公報)には、炭化けい素とアルミナからなる材質のプレキャストブロックを用いた灰溶融炉用耐火物が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭62−283869号公報
【特許文献2】特開平10−324561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載されるようなプレキャスト材は、耐火レンガよりも比重が小さく成型も容易であるため大型の炉底材を製造できるが、運搬等の問題により一体に作製することは難しく、一方耐火レンガのようにブロック化して作製すると、比重の大きい溶融メタルが目地に侵入し、比重の小さいプレキャストブロックが浮き上がってしまうという問題があった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、プレキャスト材を用いて浮き上がり防止でき安全性が高く且つ低コストの炉底耐火構造及び該耐火構造を備えた溶融炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
外側をケーシングにより覆われた炉本体の底部に配設された溶融炉の炉底耐火構造において、
前記炉底耐火構造は、プレキャスト材を予め成型したプレキャストブロックからなり、
前記プレキャストブロックは炉底に対して複数に分割して配置され、隣接するプレキャストブロック同士の接合部位に、固定された側のプレキャストブロックにより隣接する他側のプレキャストブロックの上方向への移動を阻止する浮き上がり防止手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、溶融炉の炉底耐火物としてプレキャストブロックを用いているため、現場での仮組不要などにより大幅な工期短縮と低コスト化が図れるだけでなく、万が一の溶融メタル炉底への大量回り込みの際にもアーチ状レンガのような炉底構造崩壊を抑制でき、安全上の寄与も大きい。
プレキャストブロックとすることにより大型化が可能で施工が容易となり、また型もレンガのように高圧をかけるのではなく、ただ自重に耐えられれば良いので、安価にすることができる。
さらに本発明では、プレキャストブロック同士の接合部に、浮き上がり防止手段を設けたことにより、溶融メタルが目地に入り込み、ブロックが浮き上がり炉底が崩壊することを防止し、安全性を高く保つことができる。
【0011】
また、前記浮き上がり防止手段は、前記プレキャストブロック同士の接合部位を傾斜状又は階段状に形成することにより構成され、前記他側のプレキャストブロックの接合部位下方を拡径させたことを特徴とする。
このように、接合部位を傾斜状又は階段状に形成することによりプレキャストブロックの浮き上がりをより一層防止することができる。また、プレキャストブロック同士の接合部位を傾斜状又は階段状に形成することにより、接合部位の上端から下端までの距離を長くすることができ、メタルを差込み難くする効果も奏する。
【0012】
さらに、一端側が前記プレキャストブロックに固定され、他端側が前記ケーシングに固定されて前記プレキャストブロックと前記ケーシングとを固定する固定支持体を備え、該固定支持体は、軸方向に変位自由度を有することを特徴とする。
このように、固定支持体にてプレキャストブロックをケーシングに固定することにより、より一層安全性を高めることができる。また固定支持体が軸方向に変位自由度を有することにより、熱膨張を吸収することが可能である。
【0013】
さらにまた、前記隣接するプレキャストブロック同士の接合部位に目地材が充填され、該目地材が窒化ホウ素を添加したモルタルで形成されることを特徴とする。
これにより、目地へのメタル侵入を防止でき、プレキャストブロックの下にメタルが入った際の構造崩壊を抑制することができ、安全性を向上できる。
【発明の効果】
【0014】
以上記載のごとく本発明によれば、溶融炉の炉底耐火物としてプレキャストブロックを用いているため、現場での仮組不要などにより大幅な工期短縮と低コスト化が図れるだけでなく、万が一の溶融メタル炉底への大量回り込みの際にもアーチ状レンガのような炉底構造崩壊を抑制でき、安全上の寄与も大きい。プレキャストブロックとすることにより大型化が可能で施工が容易となり、また型もレンガのように高圧をかけるのではなく、ただ自重に耐えられれば良いので、安価にすることができる。
さらに本発明では、プレキャストブロック同士の接合部に、浮き上がり防止手段を設けたことにより、溶融メタルが目地に入り込み、ブロックが浮き上がり炉底が崩壊することを防止し、安全性を高く保つことができる。
【0015】
また、浮き上がり防止手段として、接合部位を傾斜状又は階段状に形成することによりプレキャストブロックの浮き上がりをより一層防止することができる。また、プレキャストブロック同士の接合部位を傾斜状又は階段状に形成することにより、接合部位の上端から下端までの距離を長くすることができ、メタルを差込み難くする効果も奏する。
さらに、固定支持体にてプレキャストブロックをケーシングに固定することにより、より一層安全性を高めることができる。また固定支持体が軸方向に変位自由度を有することにより、熱膨張を吸収することが可能である。
さらにまた、目地材として窒化ホウ素を添加したモルタルを用いることにより、目地へのメタル侵入を防止でき、プレキャストブロックの下にメタルが入った際の構造崩壊を抑制することができ、安全性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る炉底耐火構造の平面図、図2及び図3は炉底耐火構造の分割例を示す炉底耐火構造の平面図、図4は本発明の実施形態に係る炉底耐火構造の側断面拡大図で、(A)は基本図、(b)は支持体を取り付けた応用図、図5は本実施形態に係る接合部を示す模式図、図6はレンガとプレキャスト材の耐食性を比較したグラフである。
本実施形態に係る炉底耐火構造は溶融炉の炉底に適用される。該溶融炉は、焼却残渣、都市ごみ、或いは産業廃棄物を溶融処理する溶融炉を対象とし、特に廃棄物を焼却処理後の灰を処理する灰溶融炉に適しており、具滝的にはプラズマ式溶融炉、電気抵抗式溶融炉、バーナ式溶融炉、旋回式溶融炉、反射式溶融炉等の溶融炉全般に適用可能である。
【0017】
図1を参照して本実施形態に係る炉底耐火構造につき説明する。
炉底耐火構造は、プレキャスト材を成型したプレキャストブロックからなり、炉底に対して分割して配置されたプレキャストブロックを炉底全面に敷設した構成となっている。プレキャストブロックは、SiCを主成分とし、これに結合剤等の添加剤を適宜加えたプレキャスト材料を、工場等で予め成型したものである。
ここで、プレキャストブロックの耐食性を評価する試験を行なった結果を図6に示す。図6は、従来炉底耐火物に使用されていた耐火レンガと、本実施形態で使用されるプレキャストブロックにおいて、1400℃と1500℃の高温雰囲気下における耐食量を測定した。これによれば、プレキャストブロックの平均侵食量は、何れの温度においても耐火レンガより少なかった。従って、プレキャストブロックの高温雰囲気下における耐食性は耐火レンガと同等以上であることがわかる。
【0018】
また本実施形態では、上記したプレキャストブロックを炉底に対して分割して配置し、隣接するプレキャストブロック同士の接合部位に浮き上がり防止手段を設ける構成とする
図1及び図4に示すように、鋼板製のケーシング20に囲繞された側壁耐火物21の底部に、炉底耐火構造10が形成される。中心には電極23が位置する。ケーシング20と炉底耐火構造10の間、及び側壁耐火物21の間にはスタンプ材16が充填される。また、必要に応じて、炉底耐火構造10とケーシング20の間に、炉底レンガ等の他の炉底耐火物を配置してもよい。
前記炉底耐火構造10は、内周側プレキャストブロック11と、外周側プレキャストブロック12とに半径方向に分割して構成され、該内周側プレキャストブロック11と外周側プレキャストブロック12の接合部位に浮き上がり防止手段13が設けられている。
【0019】
プレキャストブロックは、図1に示すように半径方向に分割してもよいし、図中、分割線Aに示すように周方向に分割してもよい。また、分割線Aに示すように周方向に分割する場合、内周側プレキャストブロック11と外周側プレキャストブロック12の両方とも分割してもよいし、内周側プレキャストブロック11と外周側プレキャストブロック12の何れか一方だけ分割するようにしてもよい。
図2及び図3に、炉底耐火構造の分割例を示す。図2は、内周側プレキャストブロック11は分割せず、外周側プレキャストブロック12は分割線Bにて2つに分割している。これは、小型の溶融炉に好ましく適用される。
図3は、内周側プレキャストブロック11を分割線Cにて3つに分割し、外周側プレキャストブロック12を分割線Dにて5つに分割している。同図に示されるように、内周側と外周側の両方に分割線を設ける場合には、内周側と外周側の分割線が互いに離間するように分割することが好ましい。
【0020】
前記浮き上がり防止手段13は、側壁により固定される外周側プレキャストブロック12により、内周側プレキャストブロック11の上方向への移動を阻止するように構成される。浮き上がり防止手段13の模式図を、図5(a)〜(d)に示す。
図5(a)は、ブロック同士の接合部が傾斜して形成され、これらの傾斜面が対向して接合するようになっている。内周側プレキャストブロック11は、傾斜面が下方に向けて拡径するように構成される。図5(b)は、ブロック同士の接合部が階段状に形成され、内周側プレキャストブロック11の下部が拡径し、上部が縮径して、外周側プレキャストブロック12により下方に押さえ付ける構成となっている。図5(c)は、ブロック同士の接合部が階段状に形成されるとともに、下部の段差を曲面にした構成としている。図5(d)は、外周側プレキャストブロック12に凹部を設け、内周側プレキャストブロック11に凸部を設けて、これらを嵌合した構成となっている。尚、浮き上がり防止手段13は上記した構成に限定されず、固定されたプレキャストブロックにより自由度のあるプレキャストブロックの少なくとも上方向への移動を阻止する手段であれば何れの構成を用いてもよい。
さらに、内周側プレキャストブロック11の分割線A、C及び外周側プレキャストブロック12の分割線A、B、Dにも、上記した浮き上がり防止手段13を設けるようにしてもよい。これにより、より一層耐火構造物の浮き上がりを防止することが可能となる。
【0021】
また、本実施形態の炉底耐火構造は、図4(B)に示すように、ケーシング20に対してプレキャストブロックを固定するための固定支持体14を設けてもよい。固定部材14は、アイボルトや金属フック等が用いられる。該固定支持体14の一端側はケーシング20に溶接等により固定され、他端側はプレキャストブロック11、12に固定される。これによりプレキャストブロックはケーシング20に支持される。該固定支持体14は、タングステン(W)等の高融点金属材料で構成される。また該固定支持体14は、軸方向に変位自由度を有することが好ましい。例えば、バネ構造やガタ構造を有し、これにより熱膨張を吸収することが可能である。尚、プレキャストブロック側の支持体端部は、プレキャストブロックを成型する時に予め鋳込んでおくことが好ましい。
さらに、プレキャストブロックの表面に、吊り下げフック等の運搬用金具15を設けることが好ましい。これらは施工時のみ必要なものであるため、施工後は機能不要であるため溶融炉運転時に溶解させてしまってよい。
【0022】
本実施形態によれば、溶融炉の炉底耐火物としてプレキャストブロックを用いているため、現場での仮組不要などにより大幅な工期短縮と低コスト化が図れるだけでなく、万が一の溶融メタル炉底への大量回り込みの際にもアーチ状レンガのような炉底構造崩壊を抑制でき、安全上の寄与も大きい。
プレキャストブロックとすることにより大型化が可能で施工が容易となり、また型もレンガのように高圧をかけるのではなく、ただ自重に耐えられれば良いので、安価にすることができる。
【0023】
本実施形態では、プレキャストブロック同士の接合部に、浮き上がり防止手段を設けたことにより、溶融メタルが目地に入り込み、ブロックが浮き上がり炉底が崩壊することを防止し、安全性を高く保つことができる。
また、ケーシング20に対してプレキャストブロックを固定するための固定支持体14を設けることにより、プレキャストブロックの浮き上がりをより一層防止することができる。さらに、固定支持体14が軸方向に変位自由度を有することにより、熱膨張を吸収することが可能である。
【0024】
またプレキャストブロック11、12の接合部位に充填する目地材として、窒化ホウ素(BN)を混合したモルタルを用いることが好ましい。一般的に溶融メタルは低粘度、高表面張力であるので、目地などに隙間があると毛細管現象によりメタルは吸い込まれる。接触角が90°より大きいと、毛細管から吐き出される方向であり、目地が開いた際にもメタルが吸い込まれにくくなる。BNは融点2967℃の高温下で安定な物質であり、固体潤滑材としての用途が多い。BNの融点2967℃は不活性雰囲気下の融点であるが、溶融炉内は不活性雰囲気に維持されるため本実施形態に適用できる。溶融炉と近い条件である溶融Cu(+Ag)に対するBNとの接触角は約160°と大きく、これは非常に濡れ難いことになり、毛細管現象が作用し難くなる。
【0025】
従って、目地材にBNが混入していると、メタルが差し込みにくくなり、メタルが炉底下に大量に入り込んで浮力によりプレキャストブロックを持ち上げて損傷させるような事故が起き難くなる。
また、目地材として混入するだけでなく、プレキャストブロック表面へのコーティング材としても適用が可能である。
これにより、目地へのメタル侵入を防止でき、プレキャストブロックの下にメタルが入った際の構造崩壊を抑制することができ、安全性を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、安全性が高く且つ耐火物更新時の低コスト化が図れる炉底耐火構造とすることができるため、プラズマ式溶融炉、電気抵抗式溶融炉、バーナ式溶融炉、旋回式溶融炉、反射式溶融炉等の各種溶融炉に好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る炉底耐火構造の平面図である。
【図2】炉底耐火構造の分割例を示す平面図である。
【図3】炉底耐火構造の他の分割例を示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る炉底耐火構造の側断面拡大図で、(A)は基本図、(b)は支持体を取り付けた応用図である。
【図5】本実施形態に係る接合部を示す模式図である。
【図6】レンガとプレキャスト材の耐食性を比較したグラフである。
【図7】従来のプラズマ式溶融炉の断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 炉底耐火構造
11 内周側プレキャストブロック
12 外周側プレキャストブロック
13、13a〜13d 浮き上がり防止手段
14 固定支持体
15 運搬用金具
16 スタンプ材
20 ケーシング
21 側壁耐火物
22 炉底電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側をケーシングにより覆われた炉本体の底部に配設された溶融炉の炉底耐火構造において、
前記炉底耐火構造は、プレキャスト材を予め成型したプレキャストブロックからなり、
前記プレキャストブロックは炉底に対して複数に分割して配置され、隣接するプレキャストブロック同士の接合部位に、固定された側のプレキャストブロックにより隣接する他側のプレキャストブロックの上方向への移動を阻止する浮き上がり防止手段を設けたことを特徴とする溶融炉の炉底耐火構造。
【請求項2】
前記浮き上がり防止手段は、前記プレキャストブロック同士の接合部位を傾斜状又は階段状に形成することにより構成され、前記他側のプレキャストブロックの接合部位下方を拡径させたことを特徴とする請求項1記載の溶融炉の炉底耐火構造。
【請求項3】
一端側が前記プレキャストブロックに固定され、他端側が前記ケーシングに固定されて前記プレキャストブロックと前記ケーシングとを固定する固定支持体を備え、該固定支持体は、軸方向に変位自由度を有することを特徴とする請求項1記載の溶融炉の炉底耐火構造。
【請求項4】
前記隣接するプレキャストブロック同士の接合部位に目地材が充填され、該目地材が窒化ホウ素を添加したモルタルで形成されることを特徴とする請求項1記載の溶融炉の炉底耐火構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−198093(P2009−198093A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40778(P2008−40778)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(501370370)三菱重工環境エンジニアリング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】