説明

炊飯器

【課題】電源プラグをコンセントから抜かれたときの商用電源のバックアップ機能を有する炊飯器において、蓋の開閉や炊飯器本体への衝撃による電池にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避するとともに、電池の接続部が破壊した場合でも電池の発熱を回避する。
【解決手段】マイクロコンピュータ1により炊飯器の動作を制御し、商用電源から電源回路を通してマイクロコンピュータ1に駆動電圧を供給し、商用電源がないときに複数のバックアップ回路26、27、28よりマイクロコンピュータ1に電力を供給する。複数のバックアップ回路26、27、28は、それぞれバックアップ電力を供給する電池4、7、10と逆流防止用ダイオード5、8、11を含む電子部品とで構成するとともに、マイクロコンピュータ1を搭載した基板13上に並列に配線し、複数あるバックアップ電力を供給する電池4、7、10の電池間距離を少なくとも電池の直径よりも離して配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源プラグをコンセントから抜かれたときの商用電源のバックアップ機能を有する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、炊飯器においては、時計を持った予約機能付きのものが主流になっており、炊飯器に搭載されるマイクロコンピュータは電源プラグをコンセントから抜かれても時計機能や炊飯器として調理可能なメニュー等の記憶機能を継続できるように、マイクロコンピュータの動作用電源として電池を配し、マイクロコンピュータの電源バックアップを行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、炊飯器として可能な調理メニューの増加によりマイクロコンピュータのロム容量を増大させ、また、調理メニューの複雑化な動作制御のためにマイクロコンピュータの駆動速度が向上したことによって、マイクロコンピュータの動作電流も多く必要になっている。
【0004】
また、近年の省エネルギー化を反映して、炊飯器の使用者は炊飯器を使用しないときは電源プラグを抜く場合が多く、バックアップ電池の消耗は早くなる傾向がある。
【特許文献1】特開2002−374638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の構成では、使用者の使い方によっては電池の消耗によるマイクロコンピュータのバックアップが不能になり、電池交換が必要になる場合も発生する場合があった。
【0006】
また、通常使用においても炊飯器の多機能化からの電池の大容量化で電池が重くなることで電池を支える接続部にかかる負荷が多くなっていた。
【0007】
さらに、炊飯器の多機能化により炊飯器の蓋部には多くの機構部品が搭載され、従来の炊飯器よりもより一層蓋部の重量が重くなっており、炊飯器の蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際によって起こった振動が炊飯器内に搭載された基板に伝わり、振動による衝撃によって電池の脚部に負荷がかかり、脚部が折れたり、電池と脚部の溶接が外れたりして電源のバックアップができなくなるといった問題があった。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃による電池にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避するとともに、電池の接続部が破壊した場合でも、他の電池に接触することがないようにして、電池の接触による電池の発熱を回避し、信頼性を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、上面が開口した炊飯器本体を蓋により開閉自在に覆い、この炊飯器本体内に鍋を着脱自在に収納し、、鍋を加熱手段により加熱し、マイクロコンピュータにより炊飯器の動作を制御し、商用電源から電源回路を通してマイクロコンピュータに駆動電圧を供給し、商用電源がないときに複数のバックアップ回路よりマイクロコンピュータに電力を供給するよう構成し、複数のバックアップ回路は、それぞれ少なくともバックアップ電力を供給する電池と電流の逆流防止用ダイオードを含む電子部品
とで構成するとともに、マイクロコンピュータを搭載した同一基板上に並列に配線し、複数あるバックアップ電力を供給する電池の電池間距離を少なくとも電池の直径よりも離して配置したものである。
【0010】
これにより、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃による電池にかかる衝撃を分散することができて電池の破壊を回避できるとともに、電池の接続部が破壊した場合でも、他の電池に接触することがなく、電池の接触による電池の発熱を回避することができ、信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の炊飯器は、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃による電池にかかる衝撃を分散することができて電池の破壊を回避できるとともに、電池の接続部が破壊した場合でも、他の電池に接触することがなく、電池の接触による電池の発熱を回避することができ、信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御するマイクロコンピュータと、商用電源から前記マイクロコンピュータに駆動電圧を供給する電源回路と、前記商用電源がないときに前記マイクロコンピュータに電力を供給する複数のバックアップ回路とを備え、前記複数のバックアップ回路は、それぞれ少なくともバックアップ電力を供給する電池と電流の逆流防止用ダイオードを含む電子部品とで構成するとともに、前記マイクロコンピュータを搭載した同一基板上に並列に配線し、複数あるバックアップ電力を供給する電池の電池間距離を少なくとも電池の直径よりも離して配置したものであり、バックアップ電力を供給する電池を複数個搭載することによりバックアップ時間を長時間化することができるとともに、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃が基板へ伝わり、基板と電池との接続部分の破壊に対して、電池にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避することができ、また、ある電池がバックアップ不能となっても他方の電池によりマイクロコンピュータの電源のバックアップが可能になるとともに電池の接続部が破壊した場合にでも、他のバックアップ電力を供給する電池に接触することがなく、電池の接触による電池の発熱が回避することができ、信頼性を向上することができる。
【0013】
第2の発明は、上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御するマイクロコンピュータと、商用電源から前記マイクロコンピュータに駆動電圧を供給する電源回路と、前記商用電源がないときに前記マイクロコンピュータに電力を供給する複数のバックアップ回路とを備え、前記複数のバックアップ回路は、それぞれ少なくともバックアップ電力を供給する電池と電流の逆流防止用ダイオードを含む電子部品とで構成するとともに、前記マイクロコンピュータの電源とグランド間に並列に接続し、かつ前記バックアップ回路は前記マイクロコンピュータを搭載した基板以外の少なくとも1個の基板に配置し、前記バックアップ回路を搭載した基板の各々の基板間距離を電池の直径よりも離して配置したものであり、バックアップ回路を複数個搭載することによるバックアップ時間を長時間化することができるともに、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃が基板へ伝わり、基板と電池との接続部分の破壊に対して、バックアップ回路の基板に搭載した電池にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避することができる。
【0014】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、バックアップ電力を供給する電池は、基板に直接はんだ付けしたものであり、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本
体への衝撃が基板へ伝わり、基板と電池の特に電池側の接続部分の破壊に対して、電池にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避することができる。
【0015】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、バックアップ電力を供給する電池は、基板と前記電池の間に挟み込むような位置に少なくとも1つの緩衝手段を有するものであり、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃が基板へ伝わったとき、基板と電池の間の緩衝手段で電池にかかる衝撃を更に分散し、かつ緩和することができて電池の破壊を回避することができる。
【0016】
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか1つの発明において、バックアップ電力を供給する少なくとも1つの電池の近傍に温度センサを有するものであり、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃が基板へ伝わり、この衝撃によりバックアップ回路の電池が破壊または故障して発熱した場合には、温度センサからの温度情報により、バックアップ機能の状態を使用者に知らせることができるとともに、危険な状態の場合においては炊飯器の強制停止を行い、使用者が安全に炊飯器を使用できる。
【0017】
第6の発明は、上記第1〜5のいずれか1つの発明において、バックアップ電力を供給する複数の電池は、基板に直接はんだ付けできる構造を有し、前記複数の電池の配置方向をそれぞれ変えたものであり、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃が基板へ伝わり、基板と電池との接続部分の破壊に対して、電池の配置方向をそれぞれ変えることで、電池にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避することができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の炊飯器の基板の上面図を示し、図2は、同炊飯器の断面図を示し、図3は、同炊飯器の一部ブロック化した回路図を示し、図4は、同炊飯器の蓋内の基板配置を示す透視図を示すものである。
【0020】
図2に示すように、炊飯器本体30は、内部に鍋24を着脱自在に収納しており、上部には蓋31を開閉可能に設け、ヒンジ軸32を軸として蓋31は開閉できるようにしている。炊飯器本体30の下部には、鍋24の下部と対向する位置に鍋24を電磁誘導加熱する加熱コイル(加熱手段)23を設けている。蓋31内には、図4に示すように、基板13を設置している。
【0021】
基板13には、図1に示すように、炊飯器の動作を制御するマイクロコンピュータ1を実装しており、時刻や炊飯器で調理可能な調理メニューや予約時刻や炊飯器の機能を示す表示装置2と、商用電源がないときにマイクロコンピュータ1に駆動電圧の電力を供給する複数のバックアップ回路26、27、28を実装している。
【0022】
バックアップ回路26は、図3に示すように、バックアップ電力を供給する電池4と電池4への電流の逆流防止用ダイオード5と電池4への充電電流を制限する抵抗6を直列に接続して構成している。バックアップ回路27は、バックアップ電力を供給する電池7と電池7への電流の逆流防止用ダイオード8と電池7への充電電流を制限する抵抗9を直列に接続して構成している。また、バックアップ回路28は、バックアップ電力を供給する電池10と電池10への電流の逆流防止用ダイオード11と電池10への充電電流を制限する抵抗12を直列に接続して構成している。
【0023】
ここで、電池4、7、10のそれぞれの電池間の距離は、電池4、7、10の直径より
離して配置している。例えば、電池7の直径をLとして、最も近傍の電池4までの距離をHとした場合、L<Hの関係で配置している。また、電池4と電池11は基板13上の配置方向を同一にしないように配置している。
【0024】
つぎに、図3に示すように、鍋24は加熱コイル23により誘導加熱される。商用電源21から交流電源が供給され、電源手段3によりマイクロコンピュータ1へ直流の駆動電圧を供給している。マイクロコンピュータ1は現在時刻や炊飯器の調理メニューや予約時刻などを表示する表示装置2の制御と、鍋24を加熱するために加熱手段23を駆動させる加熱駆動手段22を制御している。停電などで商用電源からの交流電源供給が途絶えたときは、マイクロコンピュータ1に電池4、電池7、電池10から駆動電圧が供給され、マイクロコンピュータ1は停電時の処理を行う。
【0025】
上記構成において動作、作用を説明する。まず、炊飯器の使用方法として、鍋24に米、または調理したい食べ物を入れて調理を行う。その場合、必ず蓋31を開けて炊飯器本体30に鍋24をセットして使用する。蓋31は近年の多機能化により多くの機構部品が搭載され、重量が重くなっており、蓋31を閉じたときには炊飯器本体30の下部のみならず、蓋31にも衝撃を与える構造になっている。特に、図2に示すように、蓋31内に炊飯器を制御するマイクロコンピュータ1を搭載した基板13への衝撃は、図4の構造よりヒンジ軸32から離れた位置にある電池ほど可動範囲が広く、大きくなる。また、蓋31の開閉による衝撃は基板13に搭載された電池4へも伝達され、特に大容量化された電池では重量が重く、例えば、電池4と基板13の接続部で接続部当たり5gを超える電池については、その接続部あるいは電池を支える部位が破壊される場合がある。また、炊飯器の持ち運びの際にも発生する衝撃に対しても同様の破壊が起こる可能性がある。
【0026】
以上のような場合に備え、本発明のマイクロコンピュータ1に電力を供給する複数のバックアップ回路26、27、28を備え、かつ各々のバックアップ回路26、27、28に構成された電池4、7、10の電池間距離を電池の直径よりも離して配置することで、複数ある電池のうちある電池が破壊してバックアップが不能になった場合でも、他方の電池で炊飯器の修理なく電源供給ができるとともに、電池の破壊の際も電池間距離を電池の直径よりも離すことで、蓋31の開閉の衝撃や炊飯器本体30の持ち運びの際に発生する衝撃に対して、基板13の受ける衝撃の分散ができ、電池の破壊のリスクを回避することができるばかりでなく、電池の接続部が破壊した場合にでも、他のバックアップ電力を供給する電池に接触することがなく、電池の接触による電池の発熱が回避することができる。
【0027】
また、本実施の形態の電池の配置で、蓋31の開閉の軸となるヒンジ軸32からの各々の電池までの距離を同じにしないことで、更に基板13へかかる衝撃の分散が向上し、電池破壊の防止効果も上げることができる。
【0028】
以上のように、本実施の形態においては、商用電源がないときにマイクロコンピュータ1に電力を供給する複数のバックアップ回路26、27、28を備え、複数のバックアップ回路26、27、28は、マイクロコンピュータ1を搭載した基板13上に並列に配線し、複数あるバックアップ電力を供給する電池4、7、10の電池間距離を少なくとも電池の直径よりも離して配置したので、バックアップ電力を供給する電池4、7、10を複数個搭載することによりバックアップ時間を長時間化することができるとともに、蓋31の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体30への衝撃が基板13へ伝わり、基板13と電池4、7、10との接続部分の破壊に対して、電池4、7、10にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避することができ、また、ある電池がバックアップ不能となっても他方の電池によりマイクロコンピュータ1の電源のバックアップが可能になるとともに、電池4、7、10の接続部が破壊した場合にでも、他のバックアップ電力を供給する電池に
接触することがなく、電池の接触による電池の発熱が回避することができ、信頼性を向上することができる。
【0029】
また、バックアップ電力を供給する電池4、7、10は、基板13に直接はんだ付けできる構造を有し、電池4、7、10の配置方向をそれぞれ変えたので、蓋31の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体30への衝撃が基板へ伝わり、基板13と電池4、7、10との接続部分の破壊に対して、電池4、7、10の配置方向をそれぞれ変えることで、電池4、7、10にかかる衝撃を分散して電池の破壊を回避することができる。
【0030】
また、炊飯器の構造として、基板13が蓋12内に配置されていない場合も、上記衝撃に対する効果は同じである。
【0031】
なお、本発明の実施の形態については、炊飯器以外の例えば、ホームベーカリーなどのマイクロコンピュータを搭載した産業機器において、商用電源からの電源供給がないときにマイクロコンピュータにバックアップ電圧を供給する構造を持って、なおかつ機器の通常使用にて炊飯器本体に衝撃がかかる機器において、同様の効果があるものである。
【0032】
(実施の形態2)
図5(a)は、本発明の実施の形態2の炊飯器のバックアップ回路を搭載する基板の上面図を示し、図5(b)は同バックアップ回路を搭載する基板の断面図を示すものである。
【0033】
図5に示すように、バックアップ回路基板17は、バックアップ回路を構成する電池14と電池14への電流の逆流防止用ダイオード15と電池14への充電電流を制限する抵抗16を直列に接続して配置している。また、電池14はバックアップ回路基板17への接続方法の例の1つとして直接はんだ付けしている。バックアップ回路基板17は、図1に示すマイクロコンピュータ1を実装した基板13とは別の基板で構成し、コネクタ18で図3に示すマイクロコンピュータ1の電源手段3に並列に接続している。このとき、電池4、7、10に追加して複数のバックアップ回路基板17をマイクロコンピュータ1の電源手段3に並列に接続してもよく、電池4、7、10に代えてバックアップ回路基板17をマイクロコンピュータ1の電源手段3に並列に接続してもよい。そして、バックアップ回路基板17と基板13とは電池14の直径よりも離して配置している。他の構成は上記実施の形態1と同じあり、説明を省略する。
【0034】
上記構成において動作、作用を説明する。なお、鍋24に米、または調理したい食べ物を入れて調理する動作は上記実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0035】
バックアップ回路基板17と基板13では、図2で示す炊飯器の蓋31の開閉および炊飯器本体30の持ち運びによって発生する衝撃に対して、重量が重い電池を複数の基板に分けて配置することと、基板間距離を電池の直径よりも離して配置することで、バックアップ回路基板17と基板13の受ける衝撃を分散することができ、この衝撃による電池14の破壊のリスクを回避することができるとともに、バックアップ回路基板17と同様の複数のバックアップ回路基板を備えることで、衝撃によって、ある電池が破壊した場合でも他方のバックアップ回路の電池でバックアップができることで、電池交換修理が発生しない信頼性の高い炊飯器を実現することができる。
【0036】
以上のように、本実施の形態においては、バックアップ回路はマイクロコンピュータ1を搭載した基板13以外のバックアップ回路基板17に配置し、バックアップ回路を搭載した基板の各々の基板間距離を電池14の直径よりも離して配置したので、蓋31の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体30への衝撃がバックアップ回路基板17へ伝わり
、バックアップ回路基板17に搭載した電池14にかかる衝撃を分散して電池14の破壊を回避することができる。
【0037】
また、電池14は、バックアップ回路基板17に直接はんだ付けしたので、蓋31の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体30への衝撃が基板へ伝わり、電池14にかかる衝撃を分散して電池14の破壊を回避することができる。
【0038】
(実施の形態3)
図6(a)は、本発明の実施の形態3の炊飯器のバックアップ回路を搭載する基板の上面図を示し、図6(b)は同バックアップ回路を搭載する基板の断面図を示すものである。
【0039】
図6に示すように、緩衝手段20は、シリコンを塗布することにより構成しており、バックアップ回路基板17とバックアップ電力を供給する電池14の間に挟み込むような位置に設けている。他の構成は上記実施の形態2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
上記構成において動作、作用を説明する。なお、鍋24に米、または調理したい食べ物を入れて調理する動作は上記実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0041】
図2に示す炊飯器の蓋31の開閉および炊飯器本体30の持ち運びによって発生する衝撃に対して、上記実施の形態1及び2よりも、さらに衝撃による電池14の破壊のリスクを回避することができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態においては、バックアップ回路基板14とバックアップ電力を供給する電池14の間に挟み込むような位置に緩衝手段20を有するので、蓋31の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体30への衝撃がバックアップ回路基板17へ伝わったとき、緩衝手段20で電池14にかかる衝撃をさらに分散し、かつ緩和することができて電池14の破壊を回避することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、緩衝手段20をバックアップ回路基板17とバックアップ電力を供給する電池14の間に設けているが、図1に示す基板13と電池4、7、10の少なくともいずれか1つ間に設けてもよいことはいうまでもない。
【0044】
また、本実施の形態では、緩衝手段20としてシリコンを使用したが、ウレタンやその他、衝撃緩衝材や衝撃吸収材として使用できる材料であれば使用可能であり、その効果も有効であるのはいうまでもない。
【0045】
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4の炊飯器の基板の上面図を示すものである。
【0046】
図7に示すように、温度センサ40は、バックアップ電力を供給する電池4の近傍に設けている。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
上記構成において動作、作用を説明する。なお、鍋24に米、または調理したい食べ物を入れて調理する動作は上記実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0048】
電池4の近傍に温度センサ40を配置することで、図2に示す炊飯器の蓋31の開閉および炊飯器本体30の持ち運びによって発生する衝撃により、電池4の破壊もしくは故障
により、電池4あるいは電池4の接続部が発熱し、電池4近傍の温度が上がり、その熱で基板13に搭載された電子部品が故障あるいは破壊し、炊飯器が使用不能になる場合や、異常発熱により使用者へ危険が及ぶことが発生したとき、温度センサ40で電池4近傍温度を感知し、マイクロコンピュータ1へ温度情報を伝え、炊飯器の状態を表示手段2に知らせる表示を表示する、あるいはブザー等の音での警告を使用者へ行うことができる。
【0049】
また、特に、炊飯器を商用電源から電源を供給して使用している場合には、温度センサ40による温度情報から、炊飯器が使用することが危険な状態であることを検知すると、マイクロコンピュータ1で強制的に加熱駆動手段22の動作停止や電源手段3の電源供給停止を行い、電池4の発熱を防止するとともに、使用者の安全を確保することができる。
【0050】
以上のように、本実施の形態においては、バックアップ電力を供給する電池4の近傍に温度センサ40を有するので、蓋31の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体30への衝撃が基板13へ伝わり、この衝撃によりバックアップ回路の電池4が破壊または故障して発熱した場合には、温度センサ40からの温度情報により、バックアップ機能の状態を使用者に知らせることができるとともに、危険な状態の場合においては炊飯器の強制停止を行い、使用者が安全に炊飯器を使用できる。
【0051】
なお、本実施の形態では、電池4の近傍に温度センサ40を設けたが、電池4、7、10の少なくとも1つに設けてもよく、また、上記実施の形態2または3の電池14の近傍に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、蓋の開閉や炊飯器の持ち運びの際に炊飯器本体への衝撃による電池にかかる衝撃を分散することができて電池の破壊を回避できるとともに、電池の接続部が破壊した場合でも、他の電池に接触することがなく、電池の接触による電池の発熱を回避することができ、信頼性を向上することができるので、電源プラグをコンセントから抜かれたときの商用電源のバックアップ機能を有する炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1の炊飯器の基板の上面図
【図2】同炊飯器の断面図
【図3】同炊飯器の一部ブロック化した回路図
【図4】同炊飯器の蓋内の基板配置を示す透視図
【図5】(a)本発明の実施の形態2の炊飯器のバックアップ回路を搭載する基板の上面図(b)同炊飯器のバックアップ回路を搭載する基板の断面図
【図6】(a)本発明の実施の形態3の炊飯器のバックアップ回路を搭載する基板の上面図(b)同炊飯器のバックアップ回路を搭載する基板の断面図
【図7】本発明の実施の形態4の炊飯器の基板の上面図
【符号の説明】
【0054】
1 マイクロコンピュータ
3 電源回路
4 電池
5 逆流防止用ダイオード
7 電池
8 逆流防止用ダイオード
10 電池
11 逆流防止用ダイオード
21 商用電源
23 加熱コイル(加熱手段)
24 鍋
26 バックアップ回路
27 バックアップ回路
28 バックアップ回路
30 炊飯器本体
31 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御するマイクロコンピュータと、商用電源から前記マイクロコンピュータに駆動電圧を供給する電源回路と、前記商用電源がないときに前記マイクロコンピュータに電力を供給する複数のバックアップ回路とを備え、前記複数のバックアップ回路は、それぞれ少なくともバックアップ電力を供給する電池と電流の逆流防止用ダイオードを含む電子部品とで構成するとともに、前記マイクロコンピュータを搭載した同一基板上に並列に配線し、複数あるバックアップ電力を供給する電池の電池間距離を少なくとも電池の直径よりも離して配置した炊飯器。
【請求項2】
上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器の動作を制御するマイクロコンピュータと、商用電源から前記マイクロコンピュータに駆動電圧を供給する電源回路と、前記商用電源がないときに前記マイクロコンピュータに電力を供給する複数のバックアップ回路とを備え、前記複数のバックアップ回路は、それぞれ少なくともバックアップ電力を供給する電池と電流の逆流防止用ダイオードを含む電子部品とで構成するとともに、前記マイクロコンピュータの電源とグランド間に並列に接続し、かつ前記バックアップ回路は前記マイクロコンピュータを搭載した基板以外の少なくとも1個の基板に配置し、前記バックアップ回路を搭載した基板の各々の基板間距離を電池の直径よりも離して配置した炊飯器。
【請求項3】
バックアップ電力を供給する電池は、基板に直接はんだ付けした請求項1または2記載の炊飯器。
【請求項4】
バックアップ電力を供給する電池は、基板と前記電池の間に挟み込むような位置に少なくとも1つの緩衝手段を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
バックアップ電力を供給する少なくとも1つの電池の近傍に温度センサを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項6】
バックアップ電力を供給する複数の電池は、基板に直接はんだ付けできる構造を有し、前記複数の電池の配置方向をそれぞれ変えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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