説明

炊飯器

【課題】炊飯中に排出される蒸気の低温化をはかった炊飯器において、吸排気口の目詰まりやユーザお手入れが可能な着脱構造の送風経路の場合、送風経路のセット忘れやセットミスによる本体の故障、ケガや火傷をする危険性を防止して安全で安心に使用出来る炊飯器を提供すること。
【解決手段】炊飯器蓋本体3内に、送風手段4と、蓋本体3と着脱可能な送風経路5と、送風経路5の着脱を検知する送風経路着脱検知手段7と、送風手段4を制御して調理動作中に鍋内から排出される蒸気の温度を下げる制御を行う制御手段8を備え、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7により送風経路5が外されたことを検知した場合に、送風手段4の駆動を停止することにより、送風経路5のセット忘れで動作している時に送風手段4に異物やユーザの指等が入ると本体の故障やユーザのケガや火傷をする危険を未然に防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯中に排出される蒸気の低温化をはかった炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器としては、炊飯器の蓋本体に送風手段を配置し、炊飯中に排出される蒸気へ送風して蒸気の濃度を下げ、空気混合蒸気を蓋本体の前方に排出するようにしたもの(例えば、特許文献1参照)、あるいは空気混合蒸気を蓋本体の上方から排出するようにしたもの(例えば、特許文献2参照)、などが知られている。
【特許文献1】特許第1823119号公報
【特許文献2】特許第3560203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の炊飯器では、送風手段が正常に動作し、また送風経路も正常にセットされていれば問題ないが、吸排気口の目詰まりや送風経路の衛生面よりユーザお手入れなどができる送風経路が着脱できる構造の場合、送風経路のセット忘れで動作すると送風手段に異物やユーザの指等が入ると本体の故障になるだけでなくケガや火傷をする危険性があると共に、送風経路が確実にセットなされない状態で動作すると、送風経路と本体の隙間より排出される蒸気の温度が上昇したまま動作し続けることとなり、ユーザがそのことに気付かずに低温だと思っていた蒸気に触れると火傷などする危険性があるという課題があった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、送風手段が蒸気の低温化を実現するために空気混合蒸気を確保するために着脱可能な送風経路の有無を検知することにより、送風経路の取付け忘れによるケガや火傷の防止と、排出される蒸気の低温化ができない状態のまま動作し続けることで火傷の危険性を防止して安全で安心に使用出来る炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、炊飯器本体の内部に形成された鍋収納部に収納される鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体と、前記蓋本体内に配置され、一端を外気と連通する吸気口とし前記吸気口から取り込んだ外気を他端に送風する送風手段と、前記送風手段と一端を連結するとともに他端を外気と連通する排気口と、前記蓋本体と着脱可能な送風経路と、前記送風経路の着脱を検知する送風経路着脱検知手段と、一端を前記送風経路と連結するとともに他端を鍋内と連通させた蒸気経路と、前記鍋加熱手段を制御して炊飯や保温などの調理動作を行い、調理動作中に前記鍋内から排気口へ排出される蒸気の温度を下げる前記送風手段を制御する制御手段と、調理動作の設定や各種動作情報を表示する表示手段と、調理開始などの操作を行うための操作手段を備え、制御手段は、前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外されたことを検知した場合に、前記送風手段の駆動を停止させるようにしたものである。
【0006】
これによって、送風手段が蒸気の低温化を実現するために空気混合蒸気を確保するために着脱可能な送風経路が確実にセットされていない状態でも炊飯器を安全で且つ安心して使用することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の炊飯器は、ユーザの送風経路の取付け忘れによるケガや火傷の防止と、排出される蒸気の低温化ができない状態のまま動作し続けることで火傷の危険性を防止して安全で且つ安心して炊飯器が使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、炊飯器本体の内部に形成された鍋収納部に収納される鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体と、前記蓋本体内に配置され、一端を外気と連通する吸気口とし前記吸気口から取り込んだ外気を他端に送風する送風手段と、前記送風手段と一端を連結するとともに他端を外気と連通する排気口と、前記蓋本体と着脱可能な送風経路と、前記送風経路の着脱を検知する送風経路着脱検知手段と、一端を前記送風経路と連結するとともに他端を前記鍋内と連通させた蒸気経路と、前記鍋加熱手段を制御して炊飯や保温などの調理動作を行い、調理動作中に前記鍋内から排気口へ排出される蒸気の温度を下げる前記送風手段を制御する制御手段と、調理動作の設定や各種動作情報を表示する表示手段と、調理開始などの操作を行うための操作手段を備え、制御手段は、前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外されたことを検知した場合に、前記送風手段の駆動を停止することにより、前記送風経路のセット忘れで動作している時に送風手段に異物やユーザの指等が入ると本体の故障やユーザが誤って蒸気の排気口に手をかざした場合のケガや火傷をする危険性を未然に防ぐことができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明の炊飯器において、制御手段は、調理動作中に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外されたことを検知した場合に、前記鍋加熱手段による加熱を停止させ、調理動作を停止させると共に、報知手段によるエラー報知と表示手段によるエラー表示を行うことにより、前記送風経路が確実にセットされていない場合や動作途中に前記送風経路が外れた場合に、加熱動作を停止することで炊飯器から出る蒸気を軽減できると共に、報知手段でユーザに注意や警告を音で知らせ、また表示手段にてエラー内容を明示することで、送風手段に異物やユーザの指等が入ると本体の故障やユーザのケガや火傷をする危険を未然に防ぐことができると共に、調理が停止した原因を明確にすることで、ユーザは安全で且つ安心して炊飯器を使用できる。
【0010】
第3の発明は、特に、第2の発明の炊飯器において、制御手段は、表示手段によるエラー表示中に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路がセットされたことを検知した場合に、表示手段によるエラー表示を解除し、前記エラー表示を行う直前の状態に戻って調理動作を再開することにより、前記送風経路が不意に外れたり、ノイズにより誤検知した場合などで、一旦エラー表示で調理が停止しても再度送風経路が確実にセットできた事を検知すれば前記エラー表示を行う直前の状態で調理動作を再開することで調理完了まで動作させ、調理食材を無駄に廃棄することを防ぐことができる。
【0011】
第4の発明は、特に、第3の発明の炊飯器において、表示手段によるエラー表示中に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路がセットされたことを検知した場合であっても、エラー表示開始から所定の時間以上経過していた場合に、エラー表示を行う直前の状態とは異なる所定の調理動作状態に移行して調理動作を再開することにより、前記送風経路が不意に外れたり、ノイズにより誤検知した場合などで、一旦エラー表示で調理が停止しても再度送風経路が確実にセットできた事を検知すればエラー表示を行う直前の状態と異なる調理動作状態に移項することで調理完了まで動作させることができ、調理食材を無駄に廃棄することなく、調理停止期間の食味低下を補う調理過程に移項して、食材のおいしさを保つことができる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1から第4のいずれか1つの発明の炊飯器において、制御手段は、調理動作中以外に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外されたことを検知した場合に、報知手段による注意報知と表示手段による注意表示を行うことにより、調
理開始時や予約時間をセットして調理を行う場合の前記送風経路のセット忘れで調理動作を行われない事を未然に防ぐことができ、安心して使用することができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1から第5のいずれか1つの発明の炊飯器において、制御手段は、前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外れたことを最初に検知してから所定の時間を測定し、外れた検知が所定時間連続して検知できた場合のみ前記送風経路が外れたと判定する事により、前記送風経路着脱検知手段の検知がノイズや前記検知の判定基準値付近でのチャタリングや地震や不意の振動により一時的に前記送風経路が外れたと検知した場合の前記送風経路着脱検知手段の検知誤作動を防ぎ、検知精度を上げることで調理停止による食材の無駄な廃棄を出さないことと共に調理食材の食味低下を防ぐことができる。
【0014】
第7の発明は、特に、第1から第5のいずれか1つの発明の炊飯器において、制御手段は、前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外れたことを最初に検知してから所定の時間を測定し、所定時間内に前記送風経路が外れた時間の積算を行い所定の積算時間以上の検知時間があった場合のみ前記送風経路が外れたと判定する事により、前記送風経路着脱検知手段の検知がノイズや前記検知の判定基準値付近でのチャタリングや地震や不意の振動により前記送風経路の有無を不規則に検知した場合の前記送風経路着脱検知手段の検知誤作動を防ぎ、検知精度を上げることで調理停止による食材の無駄な廃棄を出さないと共に調理食材の食味低下を防ぐことができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器本体の断面図である。図1において、鍋1は炊飯器本体の内部に収納され、鍋1の内部に米と水を入れてインバータと加熱コイルからなる鍋加熱手段2によって加熱される。鍋1の温度はサーミスタである鍋温度検知手段12によって検知され、制御手段8に入力される。蓋本体3は、ファンなどで構成される送風手段4と、送風手段4の吸気側と外気を連通させる吸気口(図示せず)と、送風手段4からの気流を蓋本体3外側へ導出する排気口13と、送風手段排気側と排気口とを連通接続する送風経路5と、鍋1と送風経路5とを連通接続する蒸気経路6などを内装し、鍋1の上面を覆うように炊飯器本体に設けられる。送風経路5は永久磁石14を装着しており、送風経路着脱検知手段7は、磁力を検知できる非接触検知回路で、送風経路5の有無を出力し、出力された信号は制御手段8に入力される。制御手段8として、マイクロコンピュータを用いて、鍋加熱手段2、送風手段4、表示手段9及び報知手段10の制御を行う。操作手段11はユーザが炊飯器の各種設定や調理動作開始などの操作を行うための入力スイッチであり、ユーザにより操作された信号は制御手段8に入力される。表示手段9は、LCDやLEDであり、炊飯器からユーザへの各種情報を視覚的に伝達するためのものである。報知手段10はブザーであり、操作受付や調理動作の終了、異常発生などの際にその旨をユーザに音で伝達するためのものである。
図2は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器のブロック図を示すものである。制御手段8は計時手段102、調理シーケンス記憶手段103などが内装されている。計時手段102は、制御手段8に内蔵されているタイマであり、制御手段8が各種制御を行うための時間を計測する。調理シーケンス記憶手段103は、制御手段8に内蔵される記憶領域で、鍋温度検知手段12によって検知された鍋1の温度や計時手段102が計時した時間などに基づいて鍋加熱手段2を制御して鍋1内の調理物を調理するための情報(炊飯シーケンスおよび保温シーケンス)を、操作手段11によって選択可能なメニュー毎に予め記憶している。以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0016】
図3は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の調理開始前から調理終了までの動作を示すフローチャートである。図3において、ステップS1では、ユーザは操作手段11によって調理メニューの選択などの各種設定を行い(既に設定されている状態のままで調理する場合は何も行わない)、ステップS2に進む。ステップS2では、ユーザが操作手段11によって調理開始入力を行ったかを判定し、調理開始入力が無かった場合はステップS1に戻り、調理開始入力があった場合はステップS3に進む。ステップS3では、制御手段8は、調理シーケンス記憶手段103に記憶されているステップS1でユーザが設定した調理メニューに対応した調理シーケンスデータと、計時手段102が計時した時間と、鍋温度検知手段12が検知した鍋1の温度に基づいて鍋加熱手段2を制御して鍋1を加熱することにより調理を行う。次にステップS4では、制御手段8は、送風経路5の有無を送風経路着脱検知手段7により出力された信号を受取る。ステップ5では、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の検知電圧Vinに対して、判定基準電圧V1と比較し、Vin>V1の場合は、送風経路5が正常にセットされたと判断し、ステップS8へ進み、送風手段4を調理シーケンス記憶手段103に記憶されたシーケンスに従い制御し、鍋1内から発生した後、蒸気経路6、送風経路5を介して炊飯器外部へ排出される蒸気の低温化を行い、ステップS7に進む。またステップ5において、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の検知電圧Vin が判定基準電圧V1を超えていない場合は、送風経路5が正常にセットされていないと判断し、ステップ8へ進み、送風手段4の動作を停止させ、ステップ7へ進む。ステップS7では、調理が完了したかを判定し、調理が完了した場合は動作を終了し、調理が完了していない場合はステップS3に戻り、調理制御を継続する。
【0017】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯器本体の内部に形成された鍋収納部に収納される鍋1と、鍋1を加熱する鍋加熱手段2と、炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体3と、蓋本体3内に配置され、一端を外気と連通する吸気口とし吸気口から取り込んだ外気を他端に送風する送風手段4と、送風手段4と一端を連結するとともに他端を外気と連通する排気口13と、蓋本体3と着脱可能な送風経路5と、送風経路5の着脱を検知する送風経路着脱検知手段7と、一端を送風経路5と連結するとともに他端を鍋内と連通させた蒸気経路6と、鍋加熱手段2を制御して炊飯や保温などの調理動作を行い、調理動作中に鍋1内から排気口13へ排出される蒸気の温度を下げる送風手段4を制御する制御手段8と、調理動作の設定や各種動作情報を表示する表示手段9と、調理開始などの操作を行うための操作手段11を備え、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7により送風経路5が外されたことを検知した場合に、送風手段4の駆動を停止することにより、送風経路5のセット忘れで動作している時に送風手段4に異物やユーザの指等が入ると本体の故障やユーザが誤って蒸気の排気口に手をかざした場合のケガや火傷をする危険性を未然に防ぐことができる。
【0018】
なお、本実施の形態においては、ステップ5において、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7により出力される検知電圧Vinで判断する方法以外にも、送風経路着脱検知手段7により出力する方法として、パルス信号のパルス幅の変化や電流値の変化により判断することでも良い。また、送風経路着脱検知手段7は、送風経路5に永久磁石14を装着して、磁力を検知できる非接触検知回路を用いる構成で説明をしたが、非接触検知ができる構成として、送風経路5内にコイルを装着して電磁石による磁力変化による検知や、送風経路5の移動を検知するモーションセンサによる検知や、送風経路5の温度を測定し温度変化により検知を行う方法も用いることができ、更に、送風経路着脱検知手段7として、送風経路5に接触することで検知できる、機械的なスイッチや非接触検知回路と同様の前記電磁石による検知や、送風経路5の温度測定による温度変化による検知方法も用いることができる。
(実施の形態2)
図1及び図2は上記実施の形態1と同じ構成をしており、図4は、本発明の第2の実施
の形態における炊飯器の調理開始前から調理終了までの動作を示すフローチャートである。
【0019】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を図4のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS7までの動作は、上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。図4において、ステップS5で送風経路着脱検知7からの入力電圧VinがV1を越えない場合はステップS8へ進み、ステップS8では、制御手段8は送風手段4を停止させてステップS9へ進む。ステップS9では、制御手段8は、調理動作を停止して、ステップS10へ進む。ステップS10では、制御手段8は表示手段9にエラー表示を表示し、また報知手段10において、エラー発生をユーザに音で伝達して、調理動作を終了する。
【0020】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段8は、調理動作中に送風経路着脱検知手段7により送風経路5が外されたことを検知した場合に、鍋加熱手段2による加熱を停止させ、調理動作を停止させると共に、報知手段10によるエラー報知と表示手段9によるエラー表示を行うことにより、送風経路5が確実にセットされていない場合や動作途中に送風経路5が外れた場合に、加熱動作を停止することで炊飯器から出る蒸気を軽減できると共に、報知手段10でユーザに注意や警告を音で知らせ、また表示手段9にてエラー内容を明示することで、送風手段4に異物やユーザの指等が入ると本体の故障やユーザが誤って蒸気のでる排気口に手をかざしてケガや火傷をする危険性を未然に防ぐことができると共に、調理が停止した原因を明確にすることで、ユーザは安全で且つ安心して炊飯器を使用できる。
(実施の形態3)
図1及び図2は上記実施の形態2と同じ構成をしており、図5は、本発明の第3の実施の形態における炊飯器の調理開始前から調理終了までの動作を示すフローチャートである。
【0021】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を図5のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS9までの動作は、上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。図5において、ステップS10では、制御手段8は表示手段9にエラー表示を表示したのち、ステップS11へ進む。ステップS11では、制御手段8は、所定の時間の間、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の電圧Vinに対して、判定基準電圧V1と比較し、Vin>V1を連続で検知した場合は、送風経路5が正常にセットされたと判断し、ステップS12へ進み、ステップS12では、ステップS5よりステップS8へ進む直前の調理の状態より調理を再開し、ステップS7へ進む。また、ステップS11において、制御手段8は、所定の時間の間、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の電圧Vinに対して、判定基準電圧V1を超えない場合は、調理動作を終了する。
以上のように、本実施の形態においては、制御手段8は、表示手段9によるエラー表示中に送風経路着脱検知手段7により送風経路5がセットされたことを検知した場合に、表示手段9によるエラー表示を解除し、エラー表示を行う直前の状態に戻って調理動作を再開することにより、送風経路5が不意に外れたり、ノイズにより誤検知した場合などで、一旦エラー表示で調理が停止しても再度送風経路5が確実にセットできた事を検知すればエラー表示を行う直前の状態で調理動作を再開することで調理完了まで調理を行うことで調理食材を無駄にすることを防ぐことができる。
(実施の形態4)
図1及び図2は上記実施の形態3と同じ構成をしており、図6は、本発明の第4の実施の形態における炊飯器の調理開始前から調理終了までの動作を示すフローチャートである。
【0022】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を図6のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS11までの動作は、前記実施の形態3の動作と同じであるので説明を省略する。図6において、ステップS13では、制御手段8は、ステップS11において、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の電圧Vinに対して、判定基準電圧V1と比較し、Vin>V1を連続で検知した場合は、送風経路5が正常にセットされたと判断したのちに、ステップS11より進んで、エラー表示が計時手段102によりカウントした時間tが所定T1の時間以内の場合、ステップS12へ進み、ステップS5よりステップS8へ進む直前の調理の状態と同じ調理動作状態に移項して、ステップS7へ進む。また、ステップS13において、エラー表示が計時手段102によりカウントした時間tが所定T1の時間以上経過していた場合、ステップS14へ進み、ステップS5よりステップS8へ進む直前の調理の状態とは異なる調理動作状態に移項して、ステップS7へ進む。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段8は、表示手段9によるエラー表示中に送風経路着脱検知手段7により送風経路5がセットされたことを検知した場合であっても、エラー表示開始から所定の時間以上経過していた場合に、エラー表示を行う直前の状態とは異なる所定の調理動作状態に移行して調理動作を再開することにより、送風経路が不意に外れたり、ノイズにより誤検知した場合などで、一旦エラー表示で調理が停止しても再度送風経路が確実にセットできた事を検知すればエラー表示を行う直前の状態と異なる調理動作状態に移項することで調理停止による調理食材を無駄な廃棄を出すことを防ぐことだけでなく、調理停止期間の食味低下を補う調理過程に移項して、食材のおいしさを保つことができる。
(実施の形態5)
図1及び図2は上記実施の形態4と同じ構成をしており、図7は、本発明の第5の実施の形態における炊飯器の調理開始前から調理開始まで動作を示すフローチャートである。なお、調理開始後の炊飯器の動作、作用については、上記実施の形態1及び2及び3及び4と同じであるので説明を省略する。
【0024】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を図7のフローチャートを用いて説明する。ステップS15では、制御手段8は、送風経路5の有無を送風経路着脱検知手段7により出力された信号を受取る。ステップS15では、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の検知電圧Vin が判定基準電圧V1を超えていない場合は、送風経路5が正常にセットされていないと判断し、ステップ16へ進み、ステップS16では、制御手段8は表示手段9にエラー表示を表示し、また報知手段10において、エラー発生をユーザに音で伝達し、再びステップS15へ進む。また、ステップ15おいて、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の電圧Vinに対して、判定基準電圧V1と比較し、Vin>V1の場合は、送風経路5が正常にセットされたと判断し、ステップS1へ進み、ステップS1では、ユーザは操作手段11によって調理メニューの選択などの各種設定を行い(既に設定されている状態のままで調理する場合は何も行わない)、ステップS17に進む。ステップS17では、ステップS15と同様に、制御手段8は、送風経路5の有無を送風経路着脱検知手段7により出力された信号を受取る。ステップS17では、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の検知電圧Vin が判定基準電圧V1を超えていない場合は、送風経路5が正常にセットされていないと判断し、ステップ18へ進み、ステップS18では、制御手段8は表示手段9にエラー表示を表示し、また報知手段10において、エラー発生をユーザに音で伝達し、再びステップS17へ進む。また、ステップ17おいて、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の電圧Vinに対して、判定基準電圧V1と比較し、Vin>V1の場合は、送風経路5が正常にセットされたと判断し、ステップS2へ進み、ステップS2では、ステップS2では、ユーザが操作手段11によって調理開始入力を行ったかを判定し、調理開始入力が無かった場合はステップS1に戻り、調理開始入力があった場合は調理を開
始する。
【0025】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段8は、調理動作中以外に送風経路着脱検知手段7により送風経路5が外されたことを検知した場合に、報知手段10による注意報知と表示手段9による注意表示を行うことにより、調理開始時や予約時間をセットして調理を行う場合の送風経路5のセット忘れで調理動作を行われない事を未然に防ぐことができる。
(実施の形態6)
図1及び図2は上記実施の形態5と同じ構成をしており、図8は、本発明の第6及び第7の実施の形態における炊飯器の調理開始前から調理終了までの動作を示すフローチャートである。
【0026】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を図8のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1からステップS11までの動作は、前記実施の形態4の動作と同じであるので説明を省略する。図8において、ステップS20では、制御手段8は、ステップS11において、送風経路着脱検知手段7より入力された信号の検知電圧Vinに対して、判定基準電圧V1と比較し、検知電圧Vin>V1を検知した場合に、ステップS11より進んで、所定の時間内においては、検知電圧Vin>V1と検知した時間を計時手段102により積算した時間Tcと判断基準時間T2の時間を比較して、積算時間Tc<T2の場合、ステップS12へ進み、ステップS5よりステップS8へ進む直前の調理の状態と同じ調理動作状態に移項して、ステップS7へ進む。また、ステップS20において、制御手段8は、前記所定の時間内においては、検知電圧Vin>V1と検知した時間を計時手段102により積算した時間Tcと判断基準時間T2の時間を比較して、積算時間Tcよりも判断基準時間T2が長い場合は、ステップS14へ進み、ステップS5よりステップS8へ進む直前の調理の状態とは異なる調理動作状態に移項して、ステップS7へ進む。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7により送風経路5が外れたことを最初に検知してから所定の時間tcを測定し、外れた検知が所定時間連続して検知できた場合のみ送風経路5が外れたと判定する事により、送風経路着脱検知手段7の検知がノイズや判定基準値付近でのチャタリングや地震や不意の振動により一時的に送風経路5が外れたと検知した場合に食材の無駄を出さないと共に調理食材の食味低下を防ぐことができる。また、制御手段8は、送風経路着脱検知手段7により送風経路5が外れたことを最初に検知してから所定の時間tcを測定し、所定時間内に送風経路5が外れた時間の積算を行い所定の積算時間T2以上の検知時間があった場合のみ送風経路5が外れたと判定する事により、送風経路着脱検知手段7の検知がノイズや判定基準値付近でのチャタリングや地震や不意の振動により送風経路5の有無を不規則に検知した場合の前記送風経路着脱検知手段の検知誤作動を防ぎ、検知精度を上げることで調理停止による食材の無駄な廃棄を出さないと共に調理停止期間の調理食材の食味低下を防ぐことができる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、制御手段8は、ステップS20において、判断基準時間T2を調理シーケンス毎に異なる時間設定を行うこともよく、また判断基準時間T2を調理シーケンスの各工程に設定することも調理食材の食味低下を防ぐことには有効である。また、制御手段8は、ステップS20において、送風経路着脱検知手段7により送風経路5が外れたことを最初に検知してから所定の時間tcを測定する方法として、連続で検知するだけでなく、制御手段8による任意の周波数のタイミングで検知した積算時間でもよく、また制御手段8による所定の測定時間内での任意の周波数のタイミングで検知した検知回数をカウントして判断することでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、調理中に排出される蒸気の冷却機能に関するものであるので、他の蒸気を排出する調理機器の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態における炊飯器の断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態における炊飯器のブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態における炊飯器の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施の形態における炊飯器の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の第3の実施の形態における炊飯器の動作を示すフローチャート
【図6】本発明の第4の実施の形態における炊飯器の動作を示すフローチャート
【図7】本発明の第5の実施の形態における炊飯器の動作を示すフローチャート
【図8】本発明の第6及び第7の実施の形態における炊飯器の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0031】
1 鍋
2 鍋加熱手段
3 蓋本体
4 送風手段
5 送風経路
6 蒸気経路
7 送風経路着脱検知手段
8 制御手段
9 表示手段
10 報知手段
11 操作手段
12 鍋温度検知手段
13 排気口
14 永久磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体の内部に形成された鍋収納部に収納される鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体と、前記蓋本体内に配置され、一端を外気と連通する吸気口とし前記吸気口から取り込んだ外気を他端に送風する送風手段と、前記送風手段と一端を連結するとともに他端を外気と連通する排気口と、前記蓋本体と着脱可能な送風経路と、前記送風経路の着脱を検知する送風経路着脱検知手段と、一端を前記送風経路と連結するとともに他端を前記鍋内と連通させた蒸気経路と、前記鍋加熱手段を制御して炊飯や保温などの調理動作を行い、調理動作中に前記鍋内から排気口へ排出される蒸気の温度を下げる前記送風手段を制御する制御手段と、調理動作の設定や各種動作情報を表示する表示手段と、調理開始などの操作を行うための操作手段を備え、前記制御手段は、前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外されたことを検知した場合に、前記送風手段の駆動を停止することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
制御手段は、調理動作中に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外されたことを検知した場合に、鍋加熱手段による加熱を停止させ、調理動作を停止させると共に、報知手段によるエラー報知と表示手段によるエラー表示を行うこと特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
制御手段は、表示手段によるエラー表示中に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路がセットされたことを検知した場合に、表示手段によるエラー表示を解除し、前記エラー表示を行う直前の状態に戻って調理動作を再開することを特徴とする請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
制御手段は、表示手段によるエラー表示中に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路がセットされたことを検知した場合であっても、エラー表示開始から所定の時間以上経過していた場合に、前記エラー表示を行う直前の状態とは異なる所定の調理動作状態に移行して調理動作を再開することを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。
【請求項5】
制御手段は、調理動作中以外に前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外されたことを検知した場合に、報知手段による注意報知と表示手段による注意表示を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項6】
制御手段は、前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外れたことを最初に検知してから所定の時間を測定し、外れた検知が所定時間連続して検知できた場合のみ前記送風経路が外れたと判定する事を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項7】
制御手段は、前記送風経路着脱検知手段により前記送風経路が外れたことを最初に検知してから所定の時間を測定し、所定時間内に前記送風経路が外れた時間の積算を行い所定の積算時間以上の検知時間があった場合のみ前記送風経路が外れたと判定する事を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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