説明

炭化水素処理用触媒の硫化方法

【課題】オイル精製及び石油化学の分野における、炭化水素処理触媒の硫化方法を提供すること。
【解決手段】炭化水素処理触媒の硫化方法であって:該触媒の表面上に、以下の式(I)で表される1以上の硫化助剤を堆積させ、


(ここで、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、夫々水素原子又は直鎖又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、1〜30個の炭素原子を含み、如何なる芳香族リングをも含まない炭化水素を基本とする基を表す)その後、水素及び硫黄化合物を含む硫黄-含有ガス状混合物を接触させて硫化処理することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にオイル精製及び石油化学の分野における、炭化水素の処理を目的とした、触媒の硫化方法に関するものである。
本発明は、また炭化水素の処理を目的とした、触媒の気相硫化方法の性能を改善するための、特定の硫化助剤の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石油化学製油所及び/又はその装置において行われる炭化水素処理法は、場合により水素の存在下で行われる幾つかの処理を含み、これらの処理は、該炭化水素分子の構造を改善し及び/又は炭化水素画分から望ましからぬ化合物、例えば特に硫黄-含有、窒素含有、芳香族及び金属化合物を除去することを意図するものである。列挙可能な該処理の非-限定的な例は、水素化分解又は水素化転化(hydroconversion)、精製(改質)、異性化、アルキル化、水素添加及び脱水素化工程及び「水素化精製」工程、例えば水素化脱硫(hydrodesulfurization)、水素化脱窒素(hydrodenitrogenation)、水素化脱芳香族化合物(hydrodearomatization)、水素化脱金属(hydrodemetallization)及び水素化脱酸素(hydrodeoxygenation)工程を包含する。
これら工程は、特定の触媒を使用しており、該触媒は、1種又はそれ以上の耐火性無機酸化物で作られた、多孔質支持体を含み、該支持体の上に1種又はそれ以上の触媒的に活性な金属が堆積されている。これらの金属は、通常1種又はそれ以上の、元素周期律表の第VIII族金属、及び/又は1種又はそれ以上の同第VIB族金属を含む。
【0003】
該触媒の製造後、あるいは既に使用した後の触媒の場合には、その再生後に、該金属は金属酸化物形態にあって、それ自体は不活性である。
該触媒を、様々な炭化水素処理工程において活性なものとするためには、該金属酸化物を該触媒の活性相を構成する混合硫化物に転化する目的で、該触媒の硫化を行うこと、即ち該触媒を硫黄化合物で処理することが必要である。
この硫化段階は、その後の使用における該触媒の活性を状態調節することから、特に重要である。
多くの硫化方法が、従来技術において記載されている。
【0004】
一般に、これらの識別された方法は、液相硫化法であって、この方法では該触媒は、水素の存在下において、硫黄化合物を含有する液相(一般に、ガスオイル等の液状炭化水素)を使用して処理されており、また該方法は、気相硫化法であって、この方法では該触媒は、硫黄を含むガス状混合物(典型的には、硫化水素の形状にある)で処理されている。
従って、特許出願EP 1,634,939は、4を越えるH2S/H2のモル比及び少なくとも1kPaに等しいH2S分圧にて、硫化水素(H2S)及び(H2)を含むガスを用いる、気相硫化法を記載している。
該触媒硫化方法の性能を改善するための多くの手段が、これまでに記載されている。
即ち、本件出願人による特許出願EP 0,993,868は、水素及び少なくとも1種の硫黄化合物の存在下で、炭化水素の水素化転化用触媒を硫化する方法を記載している。この方法は、該触媒をも、少なくとも1種の炭化水素化合物との接触状態に置くことにより特徴付けられる。
【0005】
同様に、本件出願人の特許出願EP 1,077,085は、該触媒をも予め炭化処理して、主として浸出し得ない炭素化合物を、該触媒の孔内に堆積させることを特徴とする、硫化方法を記載している。
さらに、特許出願WO 01/76741は、第VI族元素及び/又は第VIII族元素の少なくとも1種の水素添加金属及び有機添加剤を含む触媒を硫化する方法を記載しており、この方法において、該触媒は、第一段階において、有機液体との接触状態に置かれ、次いで第二段階において、硫黄を含むガス状化合物及び水素との接触状態に置かれる。但し、該流化された触媒中に存在する硫黄の40%未満は、該有機液体によって与えられることを条件とする。
【発明の概要】
【0006】
水素化処理触媒の硫化における研究を継続する過程において、本出願人は、実際の硫化段階に先立って、該触媒の表面上に、特定の硫化助剤を堆積することにより、該気相硫化法を改善し得ることを、今や見出した。この発見が、本発明の基礎を成している。
従って、本発明の第一の主題は、炭化水素処理触媒の硫化方法にあり、該方法は、
− 該触媒の表面上に、以下の一般式(I)で表される1又はそれ以上の硫化助剤を堆積する、少なくとも一つの第一の段階:
【0007】
【化1】

【0008】
ここで、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、夫々水素原子又は直鎖又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、1〜30個の炭素原子を含み、如何なる芳香族リングをも含まない炭化水素を基本とする基を表し、該基は場合により、酸素、窒素又は硫黄原子から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含むことができ;及び
− 該触媒を、水素及び硫黄化合物を含む硫黄-含有ガス状混合物とを接触状態に置く、少なくとも一つの第二の段階、ここで該第二の段階は、該第一の段階の完了後に実施される;
を含み、
かつ該方法は、該触媒の表面上に、前記一般式(I)の硫化助剤以外の炭素源を由来とする如何なる堆積物をも含まない。
本発明の硫化方法は、公知技術の幾つかの方法について観測された活性レベルよりも高い、優れた活性レベルを持つ触媒を与える。特に、本出願人は、該硫化された触媒の表面における、該一般式(I)の硫化助剤の存在が、該触媒の活性を改善することを見出した。
【0009】
さらに、本出願人は、該一般式(I)の硫化助剤が、該触媒に対する硫黄の結合を容易にすることをも見出した。特に、該触媒を該硫黄-含有ガス状混合物との接触状態に置くことにより、上記の実際の硫化段階は、従来技術において一般的に適用されている温度よりも低い温度にて行うことができる。
該硫化段階の実施温度を下げることにより、多くの利点がもたらされる。第一に、該温度低下は、エネルギーを節減し、また結果的に該方法の稼働コストを減じる。
第二に、該硫化段階の温度を下げることによって、この段階中の、上記式(I)の硫化助剤、及び該触媒の表面に存在する可能性のあるあらゆる他の化合物の、あらゆる可能な分解を制限することが可能となる。従って、大量の該助剤が、本発明の方法の後に該触媒の表面に保持され、このことは含浸すべき該助剤の量を制限する。
最後に、本出願人は、公知技術の硫化法において使用されている他の有機化合物と比較して、該一般式(I)で表される特定の脱硫添加剤の使用が、一酸化炭素の発生を実質的に減じ、あるいは排除さえもすることを可能とすることを見出した。
【0010】
具体的には、幾つかの有機化合物は、一旦該触媒上に堆積されると、一酸化炭素(CO)を発生する恐れがあり、これは特に有害かつ汚染性のガスである。
この現象は、本発明における如き2-段階法において、特に望ましからぬ現象であり、そこにおいて該触媒は、えてして該2つの段階間で取扱われる(例えば、一反応器から他の反応器に移される)。具体的に、この場合において、該触媒の取扱いに係っている人々は、とりわけ起り得る一酸化炭素の発生に暴露される。
しかし、本出願人は、驚いたことに、本発明の方法が、有機添加剤を用いる幾つかの従来技術の方法について観測される、一酸化炭素の発生を実質的に減じ、あるいは排除さえもすることを可能とすることを観測した。
本発明の方法は、該触媒の表面上に、1種又はそれ以上の、上記一般式(I)で表される硫化助剤を堆積する第一の段階を含む。
【0011】
好ましい一態様によれば、上記一般式(I)において、同一又は異なっていてもよい上記基R1及びR2は、水素原子又は直鎖又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、1〜8個の炭素原子を含み、如何なる芳香族リングをも含まない炭化水素を基本とする基を表し、該基は場合により、酸素、窒素又は硫黄原子から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含むことができる。
より好ましくは、該一般式(I)において、同一又は異なっていてもよい該基R1及びR2は、水素原子又は直鎖又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、1〜4個の炭素原子を含む、炭化水素を基本とする基を表し、該基は-OH、-OR、-SH、-SR、-NH2、-NHR又はNRR'から選択される1又はそれ以上の基で置換されていてもよく、ここでR及びR'は、1〜4個の炭素原子及び好ましくは1〜2個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
より一層好ましくは、該2つの基R1及びR2の少なくとも一方は、水素原子を表す。
本発明の特に好ましい一態様によれば、該基R1及びR2は、両者共に水素原子を表す。
【0012】
該一般式(I)の硫化助剤は、該助剤と該触媒とを接触状態に置くことにより、該触媒の表面上に堆積される。これは数通りの方法により、例えば純粋な硫化助剤(特に、液体又は気体状態にある)、あるいは液体、気体又は超臨界状態にあってもよい担体流体中に該硫化助剤を含有する組成物と、該触媒とを接触状態に置くことにより実施することができる。好ましくは、該一般式(I)の硫化助剤は、該触媒と、担体液体中に分散された該助剤の溶液又は懸濁液とを接触状態に置くことによって堆積される。
従って、この方法は、適当な水性液体及び/又は有機液体中に該硫化助剤を含む、溶液又は分散液を用いて、該触媒を含浸することにより行うことが、特に好ましい。
本発明の特に有利な一態様によれば、該一般式(I)の硫化助剤は、これら助剤を含有する、1又はそれ以上の水性溶液で含浸することによって、前記触媒上に堆積される。
【0013】
好ましくは、使用する該水性溶液は、如何なる有機補助溶媒をも含まないものである。
本発明の方法は、該触媒の乾式含浸により(即ち、該触媒の孔体積に等しいか、又はそれより小さい体積の溶液を使用)、過剰量の溶液の存在下における該触媒の含浸により、あるいは該触媒を過剰量の溶液に浸漬することにより実施することができる。
該触媒と該硫化助剤とを接触状態に置くこの作業は、瞬間的であるか、あるいは20時間まで続けることができる。好ましくは、この触媒と硫化助剤とを接触状態に置く作業は、約2時間継続し、また好ましくは約1時間継続する。この作業は、大気圧乃至約0.5MPa(5バール)なる範囲、好ましくは大気圧にて行うことができ、また室温乃至100℃なる範囲内の好ましい温度にて行うことができる。
溶媒が残存している場合には、これを、例えば加熱して蒸発させることにより、あるいは吸引により、あるいは場合により加熱しつつ、ガス流を用いた乾燥により除去する。何れの場合にも、あらゆる残留溶媒の除去は、該触媒表面上に堆積された該硫化助剤の全てを、あるいはその実質的部分を保存するように、かつ該堆積硫化助剤の分解を防止するように行う必要がある。
【0014】
一般に、該第一の段階を、十分な量の該一般式(I)で示される硫化助剤の、該触媒表面上への堆積を可能とする条件の下で行って、活性における所定の利得を得る必要がある。
好ましくは、該第一段階の後において、該触媒の表面上に堆積された該一般式(I)の硫化助剤の全量は、触媒的に活性な金属の全モル量に対する該一般式(I)の化合物のモル量の比で表して、該触媒的に活性な金属1モル当たり、少なくとも0.01モルの該一般式(I)で示される化合物である。好ましくは、該一般式(I)で示される化合物の量は、該触媒的に活性な金属1モル当たり、0.01〜10モルなる範囲にあり、より好ましくは0.05〜5モルなる範囲、またより一層好ましくは0.1〜1.5モルなる範囲内にある。
例えば、該触媒が、該触媒的に活性な金属として、第VIII族及び第VIB族金属を含む場合、上記第一段階後の、該触媒表面上に堆積されている該一般式(I)の硫化助剤の全量は、該第VIII族及び第VIB族金属1モル当たり、少なくとも0.01モルであることが好ましい。好ましくは、この一般式(I)の化合物の量は、該第VIII族及び第VIB族金属1モル当たり、0.01〜10モルなる範囲、より好ましくは0.05〜5モルなる範囲及びより一層好ましくは0.1〜1.5モルなる範囲内にある。
【0015】
本発明の方法は、また少なくとも一つの第二の段階をも含み、該段階中、該触媒は、水素及び硫黄化合物を含む、硫黄-含有ガス状混合物との接触状態に置かれる。
有利には、該硫黄化合物は、硫化水素(H2S)又は該第二の段階における稼働条件の下での水素化分解によって、硫化水素を遊離し得る化合物である。この目的のために使用できる該化合物としては、例えば元素硫黄、CS2、及び有機硫黄化合物、例えばメルカプタン、硫化物、二硫化物、ポリスルフィド、チオール、チオフェン、又はスルホキシド等が挙げられる。
この硫黄化合物は、該水素に付随して導入することができ、あるいは該触媒上に予め堆積することができる。
従って、第一の態様によれば、該触媒を、水素及び該硫黄化合物を含有する、予め作成したガス状混合物と接触状態に置くことにより、該触媒は、同時に、水素及び該硫黄化合物との接触状態に置かれる。
【0016】
好ましくは、このガス状混合物は、水素と硫化水素とを含む。本発明の方法は、例えば特許出願EP 1,634,939に記載されている方法で実施することができる。
第二の態様によれば、該触媒は、第一段階において、例えば該触媒の表面上に該硫黄化合物を堆積することにより、該硫黄化合物との接触状態に置かれ、また引続き第二段階において、該触媒は、該硫黄化合物が分解し、かつ硫化水素を発生するような条件下にて、水素を含むガスとの接触状態に置かれる。このようにして、該硫黄含有ガス状混合物が得られる。
この態様において、該硫黄化合物は、好ましくは元素硫黄及び有機硫黄化合物、特にメルカプタン、硫化物、二硫化物、ポリスルフィド及びスルホキシドから選択される。
該硫黄化合物は、その本来の形態で、液体又は気体状態で、該触媒上に堆積することができる。これは、またガス状又は液状担体流体中に分散された溶液又は懸濁液として、堆積することも可能である。従って、本発明の方法は、該硫黄化合物を含有する溶媒を用いて、該触媒を含浸し、引続き随意の乾燥処理を行って、該溶媒を蒸発させることにより実施することができる。この方法は、例えば特許出願EP 0,707,890に記載されている方法で実施することができる。
【0017】
該第二段階の好ましい態様は、該触媒を、水素及び硫化水素を含む予め作成した硫黄-含有ガス状混合物との接触状態に置くというものである。
該第二段階の特定の態様が如何なるものであれ、使用する該硫黄化合物の量は、硫化水素が、該硫化水素と水素との混合物の体積の5%〜70容量%なる範囲、及び好ましくはその10%〜60容量%なる範囲となるような値である。
該硫黄-含有ガス状混合物は、水素及び該硫黄化合物に加えて、1種又はそれ以上の他のガス、特に例えば窒素ガス等の不活性希釈ガスをも含むことができる。このような追加のガスの量は、例えば該ガス混合物を基準として、5%〜80容量%なる範囲に相当する値であり得る。
該硫黄化合物が該水素と共に直接導入されたものであれ、あるいは該触媒表面上に予め堆積された化合物から発生したものであれ、実際の該触媒と該硫黄-含有ガス状混合物とを接触状態に置く操作は、150〜500℃なる範囲及び好ましくは200〜350℃なる範囲の温度にて行われる。
【0018】
好ましくは、該温度は時間の経過を通して変動する。即ち、本発明の方法は、温度が徐々に上昇する第一段階及びその後の200〜350℃なる範囲の温度にて行われる、第二の定常状態に置く段階からなる、少なくとも2段階で行うことができる。
本発明の特に好ましく且つ有利な一態様によれば、実際の該触媒と該硫黄-含有ガス状混合物とを接触状態に置く操作は、300℃に満たない温度、より好ましくは275℃未満の温度、及びより一層好ましくは250℃未満の温度にて行われる。
具体的には、上記一般式(I)の硫化助剤が該触媒の表面上に存在するために、該硫黄-含有ガス状混合物による該触媒の処理は、より効率的なものとなり、また一般的には少なくとも300℃である、従来技術において通常適用されている温度よりも低い温度にて、該処理を行うことができる。
圧力は、一般的に大気圧乃至10MPa(100バール)なる範囲内にある。好ましくは、該触媒と該硫黄-含有ガス状混合物とを接触状態に置く操作は、大気圧下で行われる。
【0019】
該第二の段階は、固定床又は移動床において、例えば流動床又は沸騰床(boiling bed)、又は回転オーブン内で行うことができる。移動床の場合に、該硫黄-含有ガス状混合物は、該触媒の床に対して、順流式にあるいは向流式に循環させることができ、好ましくは向流式に循環させることができる。
該第二段階中に該触媒に取り込まれる硫黄の量は、該触媒の表面上に存在する活性金属の量に依存する。好ましくは、配合される該硫黄の量は、該活性金属の全てをその金属硫化物の形態するのに要する硫黄の化学量論量の、50%〜200%なる範囲、好ましくは80%〜120%なる範囲及びより好ましくは90%〜110%なる範囲内の量に相当する。
例えば、活性金属がコバルト及びモリブデンであるような触媒の場合、化学量論的に100%に対応するその硫化物の形態は、夫々CoS及びMoS2であると考えることができる。
さらに、本発明の方法は、好ましくは上記方法によって得られた該硫化された触媒が、酸化物の形態にある該触媒の全量に対して、上記一般式(I)の硫化助剤を起源とする炭素を、少なくとも1質量%含むような条件下で行われる。好ましくは、この含有率は、少なくとも1.5質量%である。
【0020】
該一般式(I)で表される助剤を起源とする炭素の含有率の測定は、該硫化された触媒の炭素含有率を測定し、500℃における強熱減量(この測定については、以下において詳述する)につき該測定値を補正して、酸化物触媒の質量に対する相対値として表し、この含有率から、本発明の方法により処理する前の、該初めの触媒の考え得る炭素含有率を差し引くことにより行うことができる。
本発明の方法において、上記第二の段階は、該第一の段階の後に行われる。該第二の段階は、該第一の段階後に直接行うことができ、あるいは1又はそれ以上の中間段階によって、これら第一及び第二段階を分離することも可能である。
このように、本発明の硫化方法は、上記した2段階以外に、場合により1又はそれ以上の追加の段階を含むことができ、これら追加の段階は、上記第一及び第二段階の前及び/又はその後に行うことができ、あるいはまたこれら2段階の間に挿入することも可能である。
【0021】
従って、本発明の方法は、また該第一段階の後に、該触媒を乾燥する段階を含むことができ、該乾燥段階は、開放系において、又は空気、不活性ガス、例えば窒素、又は任意の他の適当なガスの流れの存在下で、80〜350℃なる範囲及び好ましくは100〜200℃なる範囲の温度にて行うことができる。
さらに、該第二の段階は、一般に冷却段階を伴い、該冷却段階中、該触媒は室温まで、あるいは室温近傍の温度まで冷却される。一般的には徐々に行われるこの冷却段階は、上記硫黄-含有ガス状混合物、又は任意の他の適当なガス、例えば水素、窒素等の不活性ガス、酸素、又はこのようなガスの混合物、若しくは連続的に使用される様々なガス混合物の存在下で実施することができる。
かくして、硫黄-含有ガス状混合物を用いる第一の冷却段階、及びこれに伴う窒素等の不活性ガス雰囲気下での第二の冷却段階を実施することができる。
【0022】
本発明の好ましい一態様によれば、該方法は、該第二段階の後に、該触媒を不動態化する段階をも含み、該不動態化は、好ましくは酸化的不動態化である。
この酸化的不動態化は、該触媒を、酸素又は酸素含有ガス混合物と接触状態に置くことからなっている。30%未満の酸素を含むガス状混合物を使用することが好ましい。該ガス状混合物は、特に空気であり得る。該触媒は、経時的に酸素含有率を徐々に高めつつ、数段階で酸素を含むガスと接触状態に置くことができる。
該不動態化段階は、好ましくは一般的に24時間未満という期間に渡り、150℃に等しいかそれ未満の温度にて行われる。この段階は、特に、該第二段階後に行われる該触媒の冷却段階と同時に行うことができる。
エクスシチュー(ex situ)で行われる硫化工程の場合には、不動態化は、特に該触媒の表面上に存在する硫化物相の発火傾向を減じるという利点、及びその結果として搬送又は保存、例えば金属ドラム又は他の型の容器内での保存又はその輸送を容易にするという利点を持つ。
【0023】
本発明による該硫化方法では、該触媒表面上に、上記一般式(I)で表される硫化助剤以外の炭素源由来の如何なる堆積物をも含まない。特に、本発明の方法では、該一般式(I)で表される硫化助剤以外の炭化水素の如何なる堆積物を含まない。
本発明の方法は、精油及び石油化学の分野における、炭化水素の処理を目的とするあらゆる触媒の、硫化処理を可能とする。
これらの触媒は、1種又はそれ以上の耐火性無機酸化物で作られた支持体上に堆積された、少なくとも1種の活性金属、特に例えば水素化金属を含むことができる。
該用語「水素化金属」とは、元素周期律表の第VIII族及び第VIB族から選択される金属を表す。
【0024】
好ましくは、本発明の方法によって処理される該触媒は、少なくとも1種の元素周期律表第VIII族に属する金属、例えばコバルト、ニッケル、鉄、白金又はパラジウムと、同第VIB族に属する少なくとも1種の金属、例えばモリブデン、タングステン又はクロムとの組合せを含むものである。該第VIII族金属の含有率は、一般的に該触媒の全質量を基準として、0.1〜10質量%なる範囲にあり、また該第VIB族金属の含有率は、一般に該触媒の全質量を基準として、1〜20質量%なる範囲にある。
該水素化金属は、1種又はそれ以上の耐火性無機酸化物、例えば特にアルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、ゼオライト、ジルコニア、チタン及びホウ素酸化物、及びこのような酸化物の混合物で作られた支持体上に堆積される。
【0025】
本発明の方法は、とりわけ、アルミナ、シリカ及びシリカ-アルミナから選択される非-ゼオライト系支持体上に堆積された活性金属を含む、水素化処理触媒の硫化のために最も適している。より好ましくは、該を非-ゼオライト系支持体は、少なくとも30質量%及び好ましくは少なくとも50質量%のアルミナを含む。
本発明の方法は、アルミナを主成分とする支持体上に堆積された、CoMo、NiMo、NiW、NiCoMo等の金属の組合せを含有する触媒を硫化するのに特に適している。
本発明の方法によって処理された該触媒は、該水素化金属以外に、任意の適当な追加の成分を含むことができる。即ち、該触媒は、例えば、1種又はそれ以上のハロゲン、ホウ素又はリン化合物、元素周期律表第IIIB族、第IVB族、第VB族に属する金属から選択される1種又はそれ以上の元素を含むことができるが、これに限定されない。
本発明の方法は、とりわけ、如何なる有機添加物をも含まない触媒の硫化にとって最も適している。即ち、本発明の方法は、とりわけ、500℃における強熱減量と150℃における強熱減量との差が、該触媒の初めの質量に対して、2質量%に等しいか又はそれ未満である触媒の硫化にとって、最も適している。
当業者には周知の如く、該用語「強熱減量」(又はLOI)とは、物質の加熱の結果としての、揮発性物質の喪失による、質量減を意味する。
【0026】
有機添加剤等の有機物質を含む触媒は、これら有機物質の分解に起因する、500℃における大きな強熱減量を持つ。さらに、該有機物質の大きな比表面積及びその吸湿特性のために、該触媒は、とりわけ空気中の水分を起源とするかなりの量の水を吸収することができ、これは、5〜10質量%なる範囲となり得る、150℃における強熱減量によって特徴付けられる。即ち、触媒が有機添加物を含むか否かを決定するためには、500℃における強熱減量と150℃における強熱減量との差を考察すべきである。
炭化水素-処理触媒は、一般に小さな固体粒子、例えばビーズ、ほぼ円筒状の粒子又は押出し物等の形状にある。これらは、一般的に100〜300m2/gなる範囲の、BET法により測定した比表面積、0.25〜1mL/gなる範囲の、窒素の吸着により測定した孔体積、及び7〜20nmなる範囲の、窒素の吸着により測定した平均孔径を持つ。
本発明の方法は、新規な触媒及び予め再生された使用済み触媒の両者を硫化するのに適している。
一旦本発明の方法により処理されると、該触媒は直ぐに使用でき、また意図された炭化水素処理工程において直接、有利に使用できる。
【0027】
また、該触媒の第二の硫化処理を行うことも可能であり、これは、特にその場で、該触媒を使用する直前に行われる。これは、特に、典型的には硫黄-含有炭化水素画分及び/又は硫黄-含有炭化水素に富む画分等の硫黄を含む液相、例えば場合によりジメチルジスルフィドを補充した流出物に、該触媒を通すことによる、水素の存在下で行われる硫化処理であり得る。
このようにして、本発明の方法は、該触媒を予め状態調節し、その場で行われる該最終的な硫化処理の強さ及び期間を低下又は短縮し、また結果として処理時間を節約し、さらに該炭化水素処理工程の効率を高めるための、予備硫化工程として使用することが可能である。
本発明の方法によって得られるこれらの触媒は、硫黄-含有触媒を用いる任意の工業的方法において利用することができる。これらの触媒は、より具体的には石油留分、天然ガス、石炭から作られた炭化水素、及び植物起源の炭化水素等の炭化水素を処理するための方法での使用を目的とする。
列挙可能な例は、水素化分解又は水素化転化、改質、異性化、アルキル化、水素添加及び脱水素化工程及び「水素化精製」工程、例えば、水素化脱硫黄、水素化脱窒素、水素化脱芳香族物質、水素化脱金属及び水素化脱酸素工程を含む。
【0028】
本発明の方法は、とりわけ、石油画分の水素化処理法で使用する触媒の硫化、及び特に水素化脱硫黄工程にとって最も適したものである。
同様に、本発明の主題は、上記の如き一般式(I)で表される硫化助剤の、炭化水素の処理を目的とする触媒を硫化する方法の性能を改善するための使用にも関連する。特に、該硫化工程中にこの特定の助剤を使用することにより、活性の改善された触媒が得られる。
最後に、本発明の主題は、1又はそれ以上の金属酸化物を含む触媒を硫化するための方法における、該金属酸化物の硫化の化学量論性を改善するための、上記の如き一般式(I)で表される硫化助剤の使用にある。
該一般式(I)で表される硫化助剤が、任意の硫化工程、例えば液相又は気相における硫化工程において使用できることに留意すべきである。この使用は、気相硫化工程の場合に特に有利である。
【実施例】
【0029】
以下の実施例は、純粋に本発明を例示する目的で与えられるものである。
比較例1
本比較例は、γ-アルミナ上に担持された、23.1質量%のMoO3及び4.2質量%のCoOを含む従来の水素化精製触媒Clを使用して行った。これは、0.1質量%未満の炭素を含んでいた。
この触媒は、1.5質量%なる、500℃にて測定した強熱減量と150℃にて測定した強熱減量との差を有していた。
該強熱減量は、以下のようにして測定した:即ち、既知の初期質量(mi)を持つ該触媒をオーブン内に導入し、与えられた温度Tにおいて2時間に渡り維持した。次いで、この触媒を、該オーブンから取出し、このものをデシケータに入れて、再度水分を取込むことのないように、該触媒を冷却させ、次いで秤量した。かくして、最終的な質量:mfを得た。次いで、以下の式に従って目的とする強熱減量を算出した:
強熱減量(T℃における) = [(mi - mf)/mi]×100
以下の表1は、出発触媒Clの諸特徴をまとめたものである。
【0030】
【表1】

【0031】
この触媒Clを、H2S/H2ガス混合物を用いて、0.4なるH2Sの分圧及び300 h-1なるガスの時間当たりの空間速度(HSV)にて、大気圧下で硫化した。昇温速度は、320℃まで5℃/分とし、この温度にて2時間の定常段階を設けた。このようにして、硫化されたサンプルSlを得た。この硫化されたサンプルSlについて分析を行ったところ、以下の表2に示すような結果が得られた。
【0032】
【表2】

【0033】
該化学量論性は、該金属酸化物の完全な硫化に相当する(CoS及びMoS2形態にある流化物が形成されるものと考えて)、計算された硫黄含有率に対する測定された硫黄含有率(酸化物触媒の質量に対する)の比である。
比較例2
本比較例は、上記比較例1に記載したものと同様な従来の水素化処理触媒Clを用いて行った。
この触媒Clを、H2S/H2ガス混合物を用いて、0.4なるH2Sの分圧及び300 h-1なるHSVgasにて、大気圧下で硫化した。昇温速度は、225℃まで5℃/分とし、この温度にて2時間の定常段階を設けた。このようにして、硫化されたサンプルS2を得た。
この硫化されたサンプルS2について分析を行ったところ、以下の表3に示すような結果が得られた。
【0034】
【表3】

【0035】
比較例3
本比較例は、上記比較例1に記載したものと同様な従来の水素化処理触媒Clを用いて行った。
100gの該触媒Clを、10gの炭化水素(0.87g/cm3なる単位体積当たりの質量及び121mm2/sなる粘度を持つ、150ニュートラル(Neutral)型の基剤鉱油)で含浸して、触媒A1を得た。
この触媒A1を、H2S/H2ガス混合物を用いて、0.4なるH2Sの分圧及び300 h-1なるHSVgasにて、大気圧下で硫化した。昇温速度は、225℃まで5℃/分とし、この温度にて2時間の定常段階を設けた。
このようにして、硫化されたサンプルS3を得た。この硫化されたサンプルS3について分析を行ったところ、以下の表4に示すような結果が得られた。
【0036】
【表4】

【0037】
実施例1 (本発明)
本実施例は、上記比較例1に記載されたものと同様な従来の水素化処理触媒Clを用いて行った。
100gの該触媒Clを、10gのマレイン酸と35gの脱イオン水とを混合することにより得た溶液を用いて、室温にて該触媒の孔体積が飽和するまで含浸させた。該含浸の完了後、該サンプルを、窒素雰囲気下で、140℃にてオーブン内で乾燥し、触媒A2を得た。
この触媒A2を、H2S/H2ガス混合物を用いて、0.4なるH2Sの分圧及び300 h-1なるHSVgasにて、大気圧下で硫化した。昇温速度は、320℃まで5℃/分とし、この温度にて2時間の定常段階を設けた。このようにして、硫化されたサンプルS4を得た。この硫化された触媒S4について分析を行ったところ、以下の表5に示すような結果が得られた。
【0038】
【表5】

【0039】
実施例2 (本発明)
実施例1に記載した触媒A2を、H2S/H2ガス混合物を用いて、0.4なるH2Sの分圧及び300 h-1なるHSVgasにて、大気圧下で硫化した。昇温速度は、225℃まで5℃/分とし、この温度にて2時間の定常段階を設けた。
このようにして、硫化されたサンプルS5を得た。この硫化された触媒S5について分析を行ったところ、以下の表6に示すような結果が得られた。
【0040】
【表6】

【0041】
実施例3:比較例1〜3及び実施例4〜5で製造した触媒の水素化脱硫黄性能
次に、各硫化された触媒S1、S2、S3、S4及びS5の炭化水素の水素化脱硫黄活性を、パイロット試験により評価した。使用した装入材料は、「直留」ガスオイルであり、これは以下の表に示すような特徴を持つ。
【0042】
【表7】

【0043】
このテストのために使用した該触媒の体積は、10mLであった。
該ガスオイルによる、室温での3時間に渡る湿潤期間の経過後、昇温は、40℃/時なる勾配にて、テスト温度まで行い、該ガスオイルの単位時間当たりの空間速度を、2 h-1に設定し、H2/ガスオイル比を300(NL/h)/(L/h)とし、また全圧力を3MPaとした。
従って、該テストの条件は以下の通りであり:3MPaなる圧力;300なるH2/ガスオイル比;HSV = 2 h-1;該テストは、各サンプルに対して、装置温度340、345及び350℃にて実施した。
該装入材料の硫黄含有率は、分析器を用い、UV蛍光法によって、装置出口において測定した。得られた結果を、以下の表7に示す。
【0044】
【表8】

【0045】
上記結果は、本発明の方法によって硫化された触媒S4及びS5が、従来技術の方法によって硫化された触媒S1、S2及びS3と比較して、極めて顕著に改善された、水素化脱硫黄活性を持つことを立証している。活性におけるこの利得は、また実際の硫化(硫黄-含有ガス状混合物を用いる処理)の温度が、実質上320℃から225℃に低下された場合にも観測される。
その上、上記触媒サンプルについて行った該分析は、本発明による上記硫化助剤の使用が、該触媒の表面に存在する金属酸化物の硫化に関する化学量論性を、実質的に改善し得ることをも示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素処理触媒を硫化する方法であって、以下の工程:
− 該触媒の表面上に、以下の一般式(I)で表される1又はそれ以上の硫化助剤を堆積する少なくとも一つの第一の段階:
【化1】

ここで、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、夫々水素原子又は直鎖又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、1〜30個の炭素原子を含み、如何なる芳香族リングをも含まない炭化水素を基本とする基を表し、該基は場合により、酸素、窒素又は硫黄原子から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含むことができ;及び
− 該触媒と、水素及び硫黄化合物を含む硫黄-含有ガス状混合物とを接触状態に置く、少なくとも一つの第二の段階、ここで該第二の段階は、該第一の段階の後に実施される;
を含み、
かつ該方法が、該触媒の表面上に、前記一般式(I)の硫化助剤以外の炭素源を由来とする如何なる堆積物をも含まないことを特徴とする、前記炭化水素処理触媒の硫化方法。
【請求項2】
前記一般式(I)において、同一又は異なっていてもよい、前記置換基R1及びR2が、水素原子又は直鎖又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、1〜8個の炭素原子を含み、如何なる芳香族リングをも含まない炭化水素を基本とする基を表し、該基は場合により、酸素、窒素又は硫黄原子から選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含むことができる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記一般式(I)において、同一又は異なっていてもよい、前記置換基R1及びR2が、水素原子又は直鎖又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、1〜4個の炭素原子を含む、炭化水素を基本とする基を表し、該基は場合により、-OH、-OR、-SH、-SR、-NH2、-NHR又はNRR'から選択される1又はそれ以上の基で置換されていてもよく、ここでR及びR'は、1〜4個の炭素原子及び好ましくは1〜2個の炭素原子を含むアルキル基を表す、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記2つの基R1及びR2の少なくとも一つが水素原子を表し、また好ましくは該基R1及びR2両者が水素原子を表す、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記一般式(I)の硫化助剤が、1又はそれ以上の、これら助剤を含む溶液で含浸することによって、該触媒上に堆積される、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第二の段階において使用する前記硫黄化合物が、硫化水素(H2S)、又は水素化分解により硫化水素を遊離することのできる化合物である、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の段階において、前記硫黄化合物を前記触媒の表面上に堆積することにより、該触媒が該硫黄化合物との接触状態に置かれ、かつ前記第二の段階において、該硫黄化合物が分解され、硫化水素を発生する条件下で、該触媒が水素-含有ガスとの接触状態に置かれる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記触媒を、水素及び硫化水素を含有する、予め作成した硫黄-含有ガス状混合物との接触状態に置くことにより、前記第二の段階を実施する、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記触媒を硫黄-含有ガス状混合物との接触状態に置く段階が、300℃未満、好ましくは275℃未満及びより一層好ましくは250℃未満の温度にて行われる、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
本方法によって得られる硫化された触媒が、酸化物型の該触媒の全質量に対して、少なくとも1質量%及び好ましくは少なくとも1.5質量%の、前記一般式(I)で表される硫化助剤を由来とする炭素を含む条件下で、前記方法を実施する、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記第一及び第二段階の前及び/又はその後、又はこれら2つの段階の間に、1又はそれ以上の追加の段階をも含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記第二段階の後に、前記触媒を不動態化する段階をも含み、該不動態化が、好ましくは酸化的不動態化である、請求項11記載の方法。

【公開番号】特開2011−56503(P2011−56503A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−222741(P2010−222741)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(509301769)ユーレキャット ソシエテ アノニム (4)
【Fターム(参考)】