説明

炭素化層を有する繊維集合体シート

【課題】 本発明の課題は、軽量であって、難燃性に優れる航空機用途に最適な断熱・吸音材料であり、航空機の軽量化、燃費向上という効果を奏する材料を得ることである。更には、航空機用途に限らず、断熱の必要な配管の保温・断熱や、吸音の必要な空間の吸音材料、更には、嵩密度を上げることで防振や制震等の機能も発揮する材料を得ることにある。
【解決手段】 少なくとも、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層と炭素化層とから構成されている繊維集合体シートであって、繊維集合体シートの少なくとも片方の最外層に炭素化層が位置している、繊維集合体シートを用いることで上記課題を克服しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐延焼性に優れた炭素化層を有する繊維集合体シートに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の建築物の外壁の断熱・吸音材や、各種発熱体の断熱材料、各種音響設備の吸音材等の多くには、ガラスウールからなる断熱・吸音材が広く用いられている。これは、吸音特性・断熱性能・難燃性能に優れる材料であることから一般的には用いられている。また、軽量が要求される航空機の外壁用の断熱・吸音用途にも、低嵩密度のガラスウール繊維を袋に詰めたもの(Insulation Blanket)が広く用いられている。ガラスウールの特徴としては、不燃であり、断熱性能に優れ、しかも、吸音特性に優れる材料であることから現在の航空機用途には広く用いられている(例えば、非特許文献1〜2、特許文献1〜2参照)。
【0003】
一方で、非熱可塑性繊維と熱可塑性繊維を組み合わせて上記ガラスウールの代替製品として用いる為の材料が開発されている(例えば、特許文献3〜4参照)。
【非特許文献1】航空技術、No.581、34項〜39項(2003年)
【非特許文献2】「日本航空宇宙学会 第40回飛行機シンポジウム」 267項〜270項 (2002年)
【特許文献1】米国特許第6551951号公報
【特許文献2】米国特許第6627561号公報
【特許文献3】米国特許第6383623号公報
【特許文献4】米国特許第6579396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記非特許文献1〜2にも記載があるように、航空機用途の断熱・吸音材料には難燃性の基準に適合する材料であることは少なくとも必要であり、現行で用いられているガラスウールは、難燃性の基準はクリアーするものの、ガスバーナー等の強力な炎の下ではバインダー樹脂が燃焼し、さらにガラスが溶融することで穴が開いてしまう問題があった。また、特許文献3〜4では、非熱可塑性繊維を熱可塑性樹脂で繋ぎ合せて作製したものの報告があるが、この製造方法で製造された繊維集合体もガスバーナー等の強力な炎の下では燃焼してしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、炭素化層を有する繊維集合体シートを用いることで上記問題点を解決しうることを見出した。本発明の繊維集合体の構成を詳述すると下記の構成となる。
【0006】
すなわち、少なくとも、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層と炭素化層とから構成されている繊維集合体シートであって、繊維集合体シートの少なくとも片方の最外層に炭素化層が位置している、繊維集合体シートである。
【0007】
更に、前記炭素化層は、前記繊維集合体層の一部を炭素化したものであることを特徴とする繊維集合体シートである。
【0008】
更に、前記ポリイミド繊維が、少なくともピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む原料からなるポリイミド繊維であり、繊維集合体シートの嵩密度が1.0〜80.0kg/mであることを特徴とする繊維集合体シートである。
【0009】
また、本願発明の別の発明は、繊維集合体を用いた断熱・吸音材である。
【0010】
また、本願発明の別の発明は、繊維集合体を用いて得られる吸音材料である。
【0011】
また、本願発明の別の発明は、繊維集合体を用いて得られる断熱材料である。
【0012】
また、本願発明の別の発明は、繊維集合体を用いて得られる難燃マットである。
【0013】
また、本願発明の別の発明は、繊維集合体を用いて得られる濾布である。
【0014】
また、本願発明の別の発明は、繊維集合体を用いて得られる耐熱服である。
【0015】
また、本願発明の別の発明は、繊維集合体を用いて得られる航空機用途断熱吸音材である。
【0016】
また、本願発明の別の発明は、少なくとも、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層と炭素化層とから構成されている繊維集合体シートの製造方法において、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層の一部を炭素化することにより、炭素化層を形成することを特徴とする、繊維集合体シートの製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の炭素化層を有する繊維集合体シートは、軽量であって、難燃性に優れる航空機用途に最適な断熱・吸音材料であり、航空機の軽量化、燃費向上という効果を奏する。更には、航空機用途に限らず、断熱の必要な配管の保温・断熱や、吸音の必要な空間の吸音材料、更には、嵩密度を上げることで防振や制震等の機能も発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本願発明の炭素化層を有する繊維集合体シートは、少なくとも、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層と炭素化層とから構成されている繊維集合体シートであって、繊維集合体シートの少なくとも片方の最外層に炭素化層が位置している、繊維集合体シートである。
【0019】
また、本願発明におけるポリイミド繊維を含む繊維集合体層とは、ポリイミド繊維を含む層であれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、耐熱性に優れる他の繊維も混合しながら使用することも可能である。混合することの出来る繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、PPS繊維等を混合することができる。特に、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維等は耐熱性及び難燃性に優れた繊維であり本願発明に好適に用いることができる。特に、本願発明の繊維集合体シートは、ポリイミド繊維を重量割合で、50重量%以上含有していることが好ましく、特に好ましくは70重量%以上含有していることが好ましい。
【0020】
このような含有割合に調整することで繊維集合体層の表面に直接に炭素化層を形成する場合に、炭素化層が形成しやすくなるので好ましい。
【0021】
本願発明における上記ポリイミド繊維とは、酸二無水物とジアミンからなるポリイミド樹脂、もしくは、酸二無水物とジイソシアネートからなるポリイミド樹脂を成形加工して得られるポリイミド繊維である。
【0022】
前記ポリイミド樹脂の原料として用いられる酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’―オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラカルボキシブタン二無水物から選ばれる酸二無水物を用いることで耐熱性の高いポリイミド繊維が得られるので好ましい。上記酸二無水物の中でも特に、ピロメリット酸二無水物を用いることでポリイミド繊維の耐熱性、難燃性を向上させることができると共に、表面に炭素化層を形成するのに適したポリイミド繊維になるので好ましい。
【0023】
また、本願発明のポリイミド繊維の原料として用いられるジアミンは、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等の構造骨格中に芳香環を有するジアミンを用いることでポリイミド繊維の耐熱性を向上させることができるので好ましい。
【0024】
中でも特に、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを用いることでポリイミド繊維の耐熱性を向上させることができると共に、炭化層を形成する上で好ましい。更に、耐熱性を向上させるためには、p−フェニレンジアミンを併用することが好ましい。
【0025】
また更には、側鎖にカルボキシル基や水酸基を有するジアミノ化合物として、例えば、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、[ビス(4-アミノ-2-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-4-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-5-カルボキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニルを一部併用することもできる。
【0026】
このような側鎖にカルボキシル基や、水酸基を有するジアミノ化合物を併用することでポリイミド繊維を他の反応性樹脂(例えば、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂)で硬化させるときに、硬化しやすくなるので好ましい。また、硬化の際に生成する結合点を持たせることで繊維同士の結合ができるので繊維同士の絡み合いが増え、層の厚み方向の弾性回復力が向上するので好ましい。
【0027】
エポキシ樹脂等の反応性樹脂の反応方法としては、出来上がったポリイミド繊維を反応性樹脂溶液に浸漬したのち、加熱乾燥することで架橋したポリイミド繊維を得る方法や紡糸の際に反応性樹脂溶液を噴霧しながら紡糸する方法等の方法を採用することでポリイミド繊維を含む繊維集合体層を形成することができる。
【0028】
本願発明で、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが好ましく、このジアミンに併用することのできるジアミンの使用量は、全ジアミンを100モルとした場合に、80モル以下で使用することが耐熱性を損なわないので好ましい。特に好ましい使用量は、70モル以下で使用することが好ましい。また、芳香族系のジアミンと側鎖にカルボキシル基や水酸基を有するジアミノ化合物の使用割合は、適宜選定することが好ましい。特に、側鎖にカルボキシル基や水酸基を有するジアミノ化合物は、全ジアミンを100モルとした場合に、20モル以下で使用することでポリアミド酸溶液の貯蔵安定性を向上させることができるので好ましい。また、特に好ましい使用量は15モル以下である。
【0029】
本願発明のポリイミド繊維は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液を紡糸することにより製造される。このポリアミド酸溶液に用いられる有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン等の有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の水溶性エーテル化合物、プロピレングリコール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等が用いられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。中でもN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンを用いることがポリアミド酸溶液の樹脂濃度を高くすることができるので好ましい。
【0030】
本願発明に好適に用いられるポリアミド酸溶液は、上記の酸二無水物とジアミンを上記有機溶剤中で反応させて得られるポリアミド酸溶液である。
【0031】
特に、ポリアミド酸の製造には、純度の高い酸二無水物を用いることが分子量を上げて紡糸し易いポリアミド酸溶液にする上で好ましい。本願発明で好ましい酸二無水物の純度は閉環構造を有する酸二無水物が、98%以上の高純度で含有されている物を用いることが好ましく、特に好ましくは、99%以上の高純度である。
【0032】
本願発明におけるポリアミド酸溶液の製造方法では、前記酸二無水物と前記ジアミンの使用量がそれぞれのモル数に対する比として好ましくは0.90〜1.10で制御することで本願発明の紡糸に適したポリアミド酸溶液を調整することができる。より好ましくは0.95〜1.05で反応させポリアミド酸とすることが好ましい。このような反応比率で反応ささせることでポリアミド酸からポリイミドへのイミド化の際に分子量の低下が起きず、耐熱性、耐薬品性に優れるポリイミド繊維を製造することができるので好ましい。
【0033】
ポリアミド酸溶液のポリマー濃度としては、固形分濃度として0.1〜50重量%、特に好ましくは1〜40重量%である。ポリアミド酸の重合条件としては、不活性ガス雰囲気下で−20〜60℃、好ましくは50℃以下で攪拌することで、目的とするポリアミド酸を重合することができる。
【0034】
必要に応じて、三級アミン類、アルカリ金属、アルカリ土類金属、錫、亜鉛、チタニウム、コバルト等の金属又は半金属化合物等の触媒存在下に反応を行っても良い。
【0035】
上記ポリアミド酸溶液もしくは、ポリイミド溶液は、紡糸する前に、脱水剤、イミド化触媒、各種フィラー、酸化防止剤、難燃剤、消泡剤、潤滑材、着色剤等を1種あるいは2種以上、混合しておくこともできる。脱水剤としては、無水酢酸が好ましく用いられる。イミド化触媒としては、3級アミンを用いることが好ましく、より好ましいものは、ピリジン、ピコリン、イソキノリンを用いることが好ましい。
【0036】
尚、本願発明のポリアミド酸溶液は、B型粘度計で測定した場合に、23℃で300ポイズ以上10000ポイズ以下の溶液粘度を有することが紡糸したときに安定して紡糸できるので好ましい。特に好ましくは、溶液粘度は500ポイズ以上6000ポイズ以下、特に好ましい溶液粘度は1000ポイズ以上4000ポイズ以下に制御することが好ましい。
【0037】
さらに、B型粘度計で10回転/分で測定した場合と、2回転/分で測定した場合の粘度から下記一般式(1)を用いて算出されるチキソ指数が1.5以下であることが、紡糸繊維を気流で引き伸ばした時に安定して紡糸されやすいので好ましい。特に、チキソ指数が1.5より大きくなると溶液を気流で紡糸する際に、ポリアミド酸溶液が伸びなくなるので紡糸が難しくなり好ましくない。
【0038】
チキソ指数 = (2回転/分におけるポリアミド酸の粘度)/(10回転/分におけるポリアミド酸の粘度) 一般式(1)。
【0039】
<紡糸方法>
本願発明のポリイミド繊維の製造方法は、上記ポリアミド酸溶液を、気流にて引き取りながら紡糸し、積層してなるポリイミド繊維の製造方法を用いることで作製しうる。気流にて引き取るとは、紡糸工程において、ポリアミド酸溶液を気流にて引き延ばしながら紡糸する方法である。より詳細な製造方法を製造装置図(図1)を用いて説明を行う。
【0040】
本願発明のポリイミド繊維の製造方法は、図1に示す気流発生装置1により発生した気流4により、紡糸口金2から吐出されたポリアミド酸溶液5をひきとることにより表面の有機溶剤を一部除去しながら紡糸する方法である。
【0041】
本願発明のポリイミド繊維の繊維径は、紡糸口金2のオリフィス径及び、ポリアミド酸溶液の吐出量により制御することができる。オリフィス径が小さい程、ポリイミド繊維の繊維径を小さくすることができ、ポリアミド酸溶液の吐出量が少ない程、ポリイミド繊維の繊維径を小さくすることができる。
【0042】
本願発明の紡糸口金2のオリフィス径としては、直径0.01mm〜1.00mmの物を用いることが繊維を紡糸する際に安定的に紡糸できると共に、最終的に得られるポリイミド繊維の平均繊維径を100μm以下、好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは1〜10μmの範囲に制御し易くなるので好ましい。特に、平均繊維径の範囲を1〜10μmの範囲に制御するには、直径が0.01mm〜0.25mmのオリフィス径の紡糸口金を用いることが好ましい。また、紡糸口金2の吐出口のオリフィス形状は、円形、楕円形、星型、アレイ型等、どのような形状でも使用することができる。特に、円形のオリフィスを用いることが紡糸繊維表面の溶剤量をコントロールし易くなるので好ましい。
【0043】
上記オリフィスに流すポリアミド酸溶液の流量は、オリフィス径とポリアミド酸溶液の固形分濃度から適宜選定される。特に、ポリイミド繊維が太い場合には、ポリアミド酸溶液の吐出量を低下させることで100μm以下、好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは1〜10μmの平均繊維径に制御することができる。
【0044】
本願発明におけるポリアミド酸溶液5を引き取るための気流4は5m/秒以上の風速を有していることが好ましく、特に好ましくは10m/分以上であることが紡糸繊維を細くすることができるので好ましい。また、紡糸繊維の表面から効率よく溶剤を揮発させることができるので好ましい。
【0045】
上記、気流によりひきとられたポリアミド酸溶液は、捕集装置8により捕集される。捕集装置8の表面は、気流を上手く逃がすために、金網状の捕集装置11のようになっていることが好ましい。また、捕集装置8と紡糸口金2との距離は、1m以上が好ましく、特に2m以上であることが好ましい。捕集装置8と紡糸口金2の距離を1m以上に制御することで紡糸されたポリアミド酸繊維表面の溶剤濃度が低くなり、嵩密度の小さいポリアミド酸繊維の繊維集合体層となる。尚、この繊維集合体層の厚みは、紡糸時間を調整することで厚みを自由にコントロールすることができる。層の厚みは、最終的に得られるポリイミド繊維の繊維集合体シートで、1mm以上100mm以下になるように積層することが好ましく、特に好ましくは、最終的に得られるポリイミド繊維からなる繊維集合体シートの厚みが、1mm以上50mm以下に制御することが好ましい。繊維集合体シートの厚みが1mm以下の場合には、吸音材や断熱材として使用した場合に、十分な特性を発現することが出来ないので好ましくない。また、100mm以下に制御することで、シート中の溶剤量を少なくすることができるので好ましい。また、本願発明のポリイミド繊維からなる繊維集合体シートの嵩密度は、捕集距離を制御することで、1.0〜80.0kg/m3に制御することができる。特に、嵩密度を低くするには、捕集装置8と紡糸口金2の距離を遠くすることが好ましい。また、嵩密度を高めるには、捕集装置8と紡糸口金2の距離を近くすることが好ましい。繊維集合体シートの嵩密度が、1.0kg/m3以下の場合には、吸音材や断熱材として使用した場合に、十分な特性を発現しないので好ましくない。一方、80.0kg/m3以下に制御することで、断熱材・吸音材として各種の用途に使用できるので好ましい。特に、軽量化が望まれている航空機用途の断熱・吸音材料には、1.0〜50.0kg/m3の繊維集合体シートを用いることが好ましく、特に好ましくは、1.0〜10.0kg/m3の繊維集合体シートを用いることが好ましい。
【0046】
次いで、積層したポリアミド酸繊維の繊維集合体層3は、ベルトから引き剥がされて搬送方向6の方向に搬送される。搬送されたポリアミド酸繊維の繊維集合体層3は、インライン中或いはオフラインの加熱・乾燥装置9により残留揮発分を乾燥・除去すると共に、加熱イミド化される。また、ポリアミド酸繊維の繊維集合体層3は、端部を固定して搬送し、加熱・乾燥を実施する。或いは、搬送台上にのせて加熱・乾燥することができる。また、オフライン装置では、ポリアミド酸繊維の繊維集合体層3を特定の成形装置に入れて焼成することでポリイミド繊維の繊維集合体層を作製することも可能である。
【0047】
ポリアミド酸繊維の加熱・乾燥は80℃以上700℃以下の温度で、実施することが好ましく、特に好ましい温度範囲は、100℃以上600℃以下の温度で加熱・乾燥することが好ましい。このような温度範囲で加熱することで残留溶剤を完全に除去できると共に、イミド化反応を効率良く進めることができるので好ましい。また、加熱時間については、適宜選定することが好ましく、さらに、加熱炉の温度ステップは、適宜選定することが好ましい。
【0048】
ポリアミド酸繊維の集合体3は、焼成することでポリイミド繊維を含む繊維集合体層7となる。このポリイミド繊維を含む繊維集合体層7は、巻き取り装置10により巻き取られることで、ロール状のポリイミド繊維を含む繊維集合体層のロール12を形成することができる。
【0049】
<炭素化層形成工程>
本願発明の炭素化層を有する繊維集合体シートは、繊維集合体シートの少なくとも片方の最外層に炭素化層が位置している、繊維集合体シートである。繊維集合体シートは、繊維集合体層及び炭素化層のみからなっていても良く、それらが複数層存在する場合や、その他の層が存在していても良いが、本願発明の特徴の1つとしては、繊維集合体シートの少なくとも片方の最外層に炭素化層が位置している。両方の最外層に炭素化層が位置していても良い。
【0050】
本願発明の炭素化層を有する繊維集合体シートの形態としては繊維集合体層に炭素化層を積層した構造でもよく、上記ポリイミド繊維を含む繊維集合体層の一部を炭素化した繊維集合体シートでもよい。さらには、薄いポリイミド繊維集合体層を炭素化した炭素化層を作製しその炭素化層を積層した構造でもよい。製造方法が簡便なことから特に、炭素化層が繊維集合体層の一部を炭素化したものを用いることが好ましい。
【0051】
上記炭素化層とは、炭素のみで構成されている層であればどのような層でもよい。例えば、本願発明における炭素化層とは、炭素繊維を織り込んで作製された炭素クロスや、黒鉛を押し固めて作った炭素シート、更には、有機シートを焼成して作製した炭素シートでもよい。このような炭素化層と繊維集合体層の積層方法は、各種接着材を使用して結合することもできるが、なんら結合させずに繊維集合体層表面に被覆するだけでも良い。
【0052】
また、上記繊維集合体層の一部を炭素化する方法としては、繊維集合体層表面を火炎処理することで作製することができる。本願発明における火炎処理とは、600℃以上の炎や遠赤外線により表面を加熱・燃焼させる方法である。火炎処理に用いることのできる装置は、上記範囲の加熱・燃焼させることのできる装置であればどのような装置を用いることもできる。例えば、遠赤外線ヒーターによる加熱・燃焼装置や、レーザー光線による加熱・燃焼装置、メタンガスや、プロパンガス、ブタンガス等の有機ガスの炎による加熱・燃焼装置、更には、有機溶剤を噴霧してその溶剤を燃焼させることでも表面に炭素化層を形成する方法等が挙げられる。中でもより簡便な方法であることから、有機ガスの炎による加熱・燃焼装置を用いることが好ましい。本願発明の炭素化層形成工程に好適に用いることのできる装置の模式図は、図2に示す炭素化層形成装置である。この装置は、得られた繊維集合体層のロールから、繊維集合体層を繰り出しながら、火炎処理装置20からの炎21により表面を焼成することで炭素化層22を得ることができる。このときの炭素化層22の厚みは、繊維集合体層の繰り出し、巻き取り速度と、火炎の火力により調整することができる。上記方法により得られる炭素化層の厚みは全シート厚みの0.5%以上30%以下であることが好ましく、特に好ましくは、1%以上20%以下であることが好ましい。このような範囲とすることで、ポリイミド繊維を含む繊維集合体シートの強度を落とすことなく、靭性の高い繊維集合体シートになるので好ましい。また、上記範囲とすることで炎からの延焼を十分に食い止めることができ、ガスバーナー等の炎に対して高い耐性を持つので好ましい。
【0053】
本願発明の炭素化層を含む繊維集合体シートは、高い空隙率を有するので吸音特性に優れており、特に、航空機用途の断熱・吸音材料としては好適に用いられる。また、他の用途としては例えば建築部材用途の吸音材料、車内や列車内の騒音を減らすための吸音材料、音響設備に用いられる吸音材料等の各種吸音材料に好適に用いることができる。特に好適には、軽量であることから航空機用途の断熱材料や難燃カーペット代替、難燃毛布代替等の難燃マットの用途として好適に用いることができる。
【実施例】
【0054】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
<平均繊維径>
平均繊維径の測定方法は、電子顕微鏡(日本電子データム株式会社製、JSM−6380LA)により繊維径を30本測定した。異形断面を有する繊維に関しては、繊維の最大の幅を直径として算出した。その平均値を平均繊維径とした。尚、焼成部位と未焼成部位では繊維径が異なるので、未焼成部位の繊維径を本願発明の平均繊維径とした。
【0056】
<垂直入射吸音率測定>
ASTM−E−1050の垂直入射吸音率試験に準じて、サンプル径φ29mm、厚み2.54cm(1インチ)、背後空気層0mm、測定周波数域500〜6300Hz(1/3オクターブバンド)の条件にて測定した。
【0057】
<嵩密度の測定方法>
炭素化層を有する繊維集合体シートを10cm×10cm×2.5cmに切り出して、その重量を測定して嵩密度を測定した。
【0058】
<燃焼性試験方法>
FAR 25.856(a)に準拠した方法で測定を行った。この規格では、延焼範囲により規定されているが、本願発明では、全厚みが25mm厚みのシートに片面から炎をあてて、裏面にまで延焼が進まなければ〇、延焼が進むものは×と判定を行った。
【0059】
(合成例1)
チッソ置換を行った2Lのガラス製セパラブルフラスコ中に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。まず、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(以下、4,4’-ODAと略す)91.8g(0.458モル)をN,N−ジメチルホルムアミド779gに溶解する。この溶液を40℃に保温した。この溶液中に、ピロメリット酸二無水物(以下PMDAと略す)95.0g(0.436mol)を投入して完全に溶解した。この溶液に5.0gのPMDAを66.5gのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した溶液を少量づつ添加して、溶液の粘度が23℃で3100ポイズになった時点で添加を止めて紡糸用の高分子樹脂溶液とした。尚、この溶液の23℃での粘度をB型粘度計で10回転/分と5回転/分の2つの回転数で溶液の粘度測定を行い、その溶液粘度からチキソ指数を求めると1.01であった。固形分濃度は18.5%であった。
【0060】
(実施例1)
合成例1で得られたポリアミド酸溶液を用いて紡糸実験を行った。紡糸実験は図1と同様の装置を用いて行った。但し、捕集装置8は固定した状態で紡糸を行い、得られたポリアミド酸繊維の集合体を下記条件で焼成して繊維集合体シートを得た。
ポリアミド酸溶液の吐出量及びオリフィス径は表1に記載の条件で吐出して紡糸を行った。図1記載の紡糸方法に沿って説明を行うと、まず、紡糸口金2のオリフィスから気流発生装置1の吐出口までの距離は20cmに設置し、気流4はポリアミド酸溶液をひきとるように、ポリアミド酸溶液の吐出方向に垂直に気流があたるように設定して紡糸を行った。気流発生装置1からの風速はポリアミド酸繊維と交差するポイントでの風速を測定した結果を表1に記載する。この紡糸繊維を、2.5m飛行させて捕集ネット11上で捕集した。この状態で72時間捕集を行い、一部溶剤が残ったポリアミド酸繊維の集合体を得た。このポリアミド酸繊維の集合体を、捕集ネット11から取り外して、金属製の容器に入れて加熱・乾燥を行った。加熱温度は、100℃のオーブンで3分間乾燥を行い、100℃から440℃に1時間かけて温度を上げた。440℃の状態で5分間焼成を行い25mm厚みで、長さ300mm、幅200mmのポリイミド繊維の繊維集合体層を得た。
このポリイミド繊維の繊維集合体層の両面から、プロパンガスのバーナーの炎で表面を燃焼して厚みが0.5mmの炭素化層を形成した。
得られた炭素化層を有する繊維集合体シートの物性評価を行った。その結果を表1に纏める。
【0061】
(参考例1)
現在航空機用途に使用されている低嵩密度のガラスウール製の断熱・吸音材料(Johns Manville社製、Microlite(登録商標)AA Premium NR、嵩密度5.5kg/m3品)について同一条件で測定を行った。この製品と同等の吸音率を示せば、航空機用途の断熱・吸音材料として最適であると判断することができる。
【0062】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本願発明の紡糸装置の模式図
【図2】炭素化層の作成装置の模式図
【符号の説明】
【0064】
1 気流発生装置
2 紡糸口金
3 ポリアミド酸の繊維集合体層
4 気流
5 ポリアミド酸溶液
6 搬送方向
7 ポリイミド繊維を含む繊維集合体層
8 捕集装置
9 加熱・乾燥装置
10 巻き取り装置
11 金網状の捕集装置
12 ポリイミド繊維を含む繊維集合体層のロール
20 火炎処理装置
21 炎
22 炭素化層
23 ポリイミド繊維を含む繊維集合体シートの搬送方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層と炭素化層とから構成されている繊維集合体シートであって、繊維集合体シートの少なくとも片方の最外層に炭素化層が位置している、繊維集合体シート。
【請求項2】
前記炭素化層は、前記繊維集合体層の一部を炭素化したものであることを特徴とする請求項1記載の繊維集合体シート。
【請求項3】
前記ポリイミド繊維が、少なくともピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含む原料からなるポリイミド繊維であり、繊維集合体シートの嵩密度が1.0〜80.0kg/mであることを特徴とする請求項1または2記載の繊維集合体シート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維集合体シートを用いて得られる吸音材料。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維集合体シートを用いて得られる断熱材料。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維集合体シートを用いて得られる難燃マット。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維集合体シートを用いて得られる濾布。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維集合体シートを用いて得られる耐熱服。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維集合体シートを用いて得られる航空機用途断熱吸音材。
【請求項10】
少なくとも、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層と炭素化層とから構成されている繊維集合体シートの製造方法において、ポリイミド繊維を含む繊維集合体層の一部を炭素化することにより、炭素化層を形成することを特徴とする、繊維集合体シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−174079(P2009−174079A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13287(P2008−13287)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】