説明

炭素繊維強化樹脂板による鋼製構造物の補修方法、該方法に使用される炭素繊維強化樹脂板及び補修された鋼製構造物

【課題】 炭素繊維強化樹脂板(CFRP板)を用いた鋼製構造物の疲労き裂の補修方法を提供する。
【解決手段】 鋼製母材1の面外にガセット継手2が回し溶接されてなる鋼製構造物における、前記ガセット継手の止端部に発生したき裂をCFRP板4を貼付して補修する方法であって、少なくとも前記CFRP板4を前記ガセット2の両側面及び止端部の母材1面に略コの字状に貼付すると同時に、前記母材1とガセット2との溶接部の溶接ビード3に密着して前記CFRP板4を貼付する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼橋等の鋼製構造物の補修に関し、溶接部のき裂、特に母材の面外にいわゆるガセット継手と呼ばれる継手鋼部材の止端部近傍の母材に発生する疲労き裂の進展を抑制する部材及び該部材を用いた補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の大型化、交通量の増加に伴う振動、衝撃等による疲労、及び腐食などにより、鋼橋の各部材へ損傷が数多く報告されている。また、荷重増加に対処するため、補強を必要とする鋼橋も多くなっている。鋼部材に一旦疲労き裂が発生すると、徐々にき裂が進行し、主要部材が破断に至るおそれもある。特にき裂の発生箇所の多くは鋼板の溶接接合部に集中していることが知られている。
【0003】
このような既設鋼橋の各部材の補修・補強には、従来、鋼板を高力ボルトにて締結したり、鋼板を更に溶接したりして添接する工法が主に行われていた。しかし、このような補修・補強を必要とする箇所は、部材の取り合いが複雑な狭隘な部分であることが多く、高力ボルト接合、溶接接合のいずれの場合においても作業性が極めて悪いという問題があった。そこで、簡便且つ効率的な施工方法が望まれている。
【0004】
このような要求に対し、特許文献1では、鋼製構造物の繰り返し応力の掛かる部分に生じたき裂に、簡便に携行することができる繊維強化型合成樹脂シートを貼付して、発見されたき裂の進展を遅延させる方法が開示されている。ここでは、未硬化のプリプレグシートを用いて、鋼製構造物に貼付した後、熱や紫外線を照射して硬化させる方法が提案されている。実施例ではガラス繊維強化合成樹脂プリプレグを貼付し、き裂進展の遅延速度を測定している。補強シートを貼付しない場合に比較して、き裂進展速度が1/3程度に減速することが開示されている。
【0005】
しかしながら、該方法は、単にき裂の進展速度を抑えるというもので、恒久的な補修までのつなぎとして実施するものであり、恒久的な補修自体は上記従来工法に頼らざるを得ない。また、プリプレグを硬化させるために、熱や紫外線の照射が必要となり、特に狭隘な部分では十分な効果を得られないおそれがある。又、シートは柔軟性に富むため現場での加工性に優れるが、シートでは1枚あたりの繊維量が少ないことから十分な剛性を確保するためにはかなり積層する必要がある。
【0006】
これに対して、非特許文献1には、炭素繊維強化樹脂板(以下、CFRP板と略称)の既設鋼橋の補修・補強への適用性を明らかにすることを目的にその研究成果の概要が示されている。このような板状であれば、特許文献1のシートよりもVfを大きく取ることができるため、所要の剛性を容易に得られやすく、本発明の目的とする面外ガセットの回し溶接部に対して、高い剛性を付与して補修・補強するには作業性の点で都合がよい。ここには、ガセットを有する鋼部材のき裂発生時から破断時までの繰り返し回数(余寿命)を評価した結果、応力範囲が低いほど補修による余寿命の改善効果があること、応力範囲が高い場合、初期の段階でCFRP板が剥離することで補修の効果がないこと、又、予防保全的な観点から、最適なCFRP板の貼付位置は、CFRP板と接着剤を溶接ビードに密着させて貼付することで、塑性ひずみ領域が平面的に最も抑制されることがが開示されている。具体的には、図7に示されるように、ガセット102の両側面からき裂発生箇所にかけて鋼製母材101上にCFRP板104を溶接ビード103の端部に接触させて貼付する方法が良いとされている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−211338
【非特許文献1】中村 一史、”炭素繊維強化樹脂板による鋼部材の補修工法に関する研究”、[online]、[平成16年8月6日検索]、インターネット<URL:http://www.metro-u.ac.jp/toku_kenkyu/2002/w/h-nakamura.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術による方法は、き裂の進展を遅延するという応急処置的な補強効果は認められるが、更にき裂進展速度を抑制して、余寿命の延長を図ることが要望されている。
【0009】
本発明の目的は、CFRP板の貼付方法を検討することにより、従来技術よりもき裂進展速度の遅延に効果的であり、さらに補修材料としてのCFRP板の適用を可能とするものである。特に本発明では、鋼製母材の面外に継手鋼部材が回し溶接されてなる鋼製構造物における、前記継手鋼部材の止端部に発生したき裂を炭素繊維強化樹脂板を貼付して補修する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、鋼製母材の面外に継手鋼部材が回し溶接されてなる鋼製構造物における、前記継手鋼部材の止端部に発生したき裂を炭素繊維強化樹脂板を貼付して補修する方法であって、少なくとも前記炭素繊維強化樹脂板を前記継手鋼部材の両側面及び止端部の母材面に略コの字状に貼付すると同時に、該略コの字状の内側面が前記母材と継手鋼部材との溶接部の溶接ビードに密着して貼付されていることを特徴とする補修方法である。
【0011】
前記炭素繊維強化樹脂板は複数積層して貼付されるものであって、貼付される炭素繊維強化樹脂板のそれぞれが前記溶接ビードに密着していることを特徴とする前記補修方法。
【0012】
前記炭素繊維強化樹脂板は予め複数のプリプレグを積層して一体としたものであることを特徴とする前記補修方法。
【0013】
前記炭素繊維強化樹脂板は略コの字状の開口部を有し、前記継手鋼部材の止端部から該開口部を挿入して、前記開口部内側面を前記溶接ビードに密着させて貼付することを特徴とする前記補修方法。
【0014】
又、本発明は、鋼製母材の面外に継手鋼部材が回し溶接されてなる鋼製構造物における、前記継手鋼部材の止端部母材に発生したき裂を母材表面に貼付して補修するための炭素繊維強化樹脂板からなる補修部材であって、該樹脂板の一端部に略コの字状の開口部を有し、該略コの字状開口部の内側面が、前記継手鋼部材の溶接部の溶接ビード面に密着するものであることを特徴とする前記補修部材にも関する。
【0015】
更に本発明は、鋼製母材の面外に継手鋼部材が回し溶接されてなる鋼製構造物であって、前記の補修方法により補修されてなる鋼製構造物に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、CFRP板を特定の方法で貼付することにより継手鋼部材、即ち面外ガセットの止端部近傍に発生した疲労き裂の進展が顕著に抑えられ、従来技術によるき裂進展の遅延による補強から、さらに補修方法への適用の目処が見出された。
【0017】
本発明で使用するCFRP板は、比重が鋼材の約1/5程度であるにもかかわらず、引張強度が鋼材の約6倍と高強度であり、容易に携行可能であり、又、接着剤を塗布して貼付するという簡便な方法であるため、狭隘な部分の補修も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明で補修対象となる鋼製構造物は、母材となる鋼材の側面に垂直にガセットを溶接した、いわゆる面外ガセットにおいて、繰り返し作用する応力により溶接部に疲労き裂を生じたものである。このような面外ガセットにおいては、疲労き裂はガセットのすみ溶接部の止端部から発生しやすく、そのまま放置すればき裂が進展して母材の破壊を生ずるものである。
【0019】
本発明で使用するCFRP板は、例えば、JIS K 7073に準拠した炭素繊維強化樹脂の引張試験方法において、標準品(Sタイプ)では、1.52×105N/mm2以上、中弾性品(Mタイプ)では1.96×105N/mm2以上、高弾性品(Hタイプ)では2.94×105N/mm2以上の引張弾性率を有する材料を使用する。
【0020】
特に、CFRP板としては、連続的に炭素繊維をクリールスタンドから所定量繰り出し、引き揃え、レジンバスを通して加熱された成形型で硬化させる、いわゆる引抜成形により成型されるものが望ましいい。また、一方向に引き揃えられた繊維に樹脂を含浸させたプリプレグシートを、所望の強度が得られるように所要枚数同一方向に積層して、この積層体を加圧・加熱して樹脂を硬化させることにより得ることもできる。
【0021】
本発明においてCFRP板の貼付位置は、図1に示すように、面外ガセットの両側面及び止端部(長手方向の先端部)を覆うように貼付する。この例では母材1の両面にガセット2が溶接されているため、母材1の両面にCFRP板4を貼付している。片面のみにガセット2が溶接されている場合、ガセット溶接面には同図のようにCFRP板を貼付し、反対の面にもCFRP板を貼付するようにしても良い。
【0022】
又、図1に示す例では、コの字開口幅及び開口長さの異なるCFRP板を積層して用いている。このとき、各層のCFRP板がそれぞれ溶接ビード3に密着するように上に積層するものほど、その開口幅及び開口長さが小さくなるものを使用する。また、予めコの字開口幅及び開口長さの異なるプリプレグシートを積層して積層体を得、加圧・加熱して樹脂を硬化させることにより図2に示すような一体成型した積層CFRP板4とすることもできる。あるいは、単純に複数のプリプレグシートを積層して積層体を得、加圧・加熱して樹脂を硬化させることにより一体成型した積層CFRP板を得た後、切削等により溶接ビード形状に沿う形状に開口部を形成しても良い。
【0023】
上記の例では、コの字状の開口を形成したCFRP板を使用する例を示したが、これに限定されず、矩形のCFRP板を組み合わせて最終的な貼付状態が略コの字になるようにしても良い。その場合、ガセット両側面に貼付するCFRP板はき裂部にかかる長さとし、その間にガセット止端部の溶接ビードを覆うようにもう一枚のCFRP板を貼付するなどの方法が挙げられる。なお、本発明における「略コの字」とは、溶接ビードの形状が必ずしも直線的な矩形形状にはなるとは限らないため、ガセット側面及び止端部の溶接ビードの形状に沿う形状を意味する。例えば、ガセット止端部の溶接ビードは図6に示したように湾曲した形状になりやすいが、本発明ではそのような形状に沿う形も含むものである。もちろん、溶接ビードの微妙な凹凸にまで完全に一致させる必要はなく、このような微妙な凹凸には接着剤の塗布厚を調整することで容易に追従できる。
【0024】
このようなCFRP板の貼付には、常温硬化型の接着剤を用いる。一般的にCFRP板のマトリックス樹脂がエポキシ系樹脂であることから、エポキシ系接着剤を用いると好ましい結果が得られやすい。このような接着剤の接着強度としては、特に制限されるものではないが、貼付したCFRP板が容易に剥離しない強度であればよい。又、CFRP板貼付後にはみ出した接着剤は硬化前にふき取ることで容易に除去できる。
【0025】
又、CFRP板の貼付に先だって、貼付する鋼製構造物の表面の塗装を剥がしたり、あるいは露出した鋼材表面に接着性改良剤、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等でカップリング処理することも有効である。
【0026】
溶接ビード部についても、その形状をグラインダー等で研磨して調整したり、あるいは、逆にCFRP板の溶接ビード当接部の形状を溶接ビードの形状に合うように研磨することにより、溶接ビード部とCFRP板との密着性をより良好なものとすることもできる。
【0027】
CFRP板の母材への貼付面積は、特に限定されるものではないが、少なくとも発生したき裂を完全に覆うことができる面積が確保できればよい。例えば、略コの字状の開口を形成したCFRP板を使用する場合、CFRP板の中心にき裂が位置するようにその幅及び長さを調整すればよい。使用するCFRP板を厚くすることで、ガセットによる構造的な応力集中も緩和され、応力をスムーズに伝達する効果も得られるために好ましい。このため、厚いCFRP板を用いたり、薄いCFRP板を複数積層したりして、所定の厚みまで溶接ビードを覆うようにすればよい。最適には、ビードの厚みと同程度とするのが望ましい。
【実施例】
【0028】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0029】
<試験片の作製>
図1に示すように、鋼板母材1(JIS SM400A, 250×9×1040mm)の中央部の両面にガセット2(JIS SM400A, 100×9×140mm)を回し溶接して試験片を作製した。
【0030】
次に、このようにして作製した試験片をI型断面の載荷桁に高力ボルトで接合し、単純桁の4点曲げ載荷時における下フランジの引張領域を利用して、試験片に引張応力を作用させる方法とした。疲労試験における応力範囲の形状は、正弦波とし、最小応力を20MPaとして、最大応力を変化させた。載荷には、容量1000kNの電気油圧式サーボアクチュエータを使用した。
【0031】
疲労き裂を発生させるために繰り返し載荷を行った。き裂長さaが試験片の中心から幅方向へ片側に15mmまで達したときに載荷を止め、一旦載荷桁から試験片を取り外し、以下の方法で補修を行った。
【0032】
<補修方法>
まず、比較例1として溶接止端部から発生したき裂に対し、CFRP板(25×1.2×100mm)をガセットの両側に、エポキシ樹脂接着剤で1枚ずつ貼付して補修を行った(図6参照)。反対の面にも同様に貼付した。この方法では、応力集中が最も大きくなるき裂の先端にCFRP板がちょうどかかるように補修を行うものであり、非特許文献1に開示される方法である。
【0033】
一方、本発明の実施例になる補修方法は、まず、溶接ビードの断面形状を8mm等脚に仕上げ、その後、CFRP板(50×1.2×200mm)に図1に示すような矩形の切り込みを入れ、切り込み部が溶接ビードに密着するように、段階的にCFRP板を5枚積層してエポキシ系樹脂接着剤で貼付した。このときのCFRP板の接着状態を図3及び図4の断面写真に示す。図3は図1(b)に、図4は図1(c)にそれぞれ相当する。図3に示されるように、き裂5は、ガセット止端部近傍の母材に発生していることが分かる。この例ではき裂5の開口部を積層したCFRP板で完全に覆い、き裂の開口変位を抑制することにより、補修効果を高めることを期待する方法である。
【0034】
ここで使用した接着剤は、比較例及び実施例共に常温硬化型であり、接着剤の養生条件のバラツキを抑えるため、CFRP板貼付後、1週間保温養生を行った。又、CFRP板を貼付する母材表面もグラインダーを使用して表面処理した。
【0035】
使用した鋼板、CFRP板の機械的性質、接着剤の物性値を表1及び表2にそれぞれ示す。なお、使用したCFRP板は、炭素繊維を長手方向の一方向に配し、樹脂で硬化させた厚さ1.2mmの一方向強化樹脂板である。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
<疲労試験>
このように、補修した試験片(比較例1,実施例)及び補修処理を施していない試験片(比較例2)を載荷桁に戻し、前記同様の条件で繰り返し載荷を行った。それぞれの試験片が破断するまでの繰り返し回数(余寿命)を測定した。結果を図5に示す。
【0039】
図5から分かるように、CFRP板を貼付することで比較例1でも低応力範囲ではある程度余寿命の延長が可能であるが、本発明の方法によれば応力範囲にかかわらず格段に優れた補修効果が認められ、余寿命は補修処理を施していない場合の約16倍にも達している。
【0040】
又、本発明の実施例では、全破断直前までCFRP板が剥離することはなかったが、比較例1では中心から片側あたりのき裂長さが75mm前後(全幅に対して約60%のき裂長さ)で剥離した。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明では、疲労き裂の発生後の補修について説明しているが、疲労き裂の発生が予測される部位に予め本発明の方法によりCFRP板を貼付しておくことで、き裂の発生を抑制し、最終的な破断に至るまでの全寿命を延長することもでき、補強としても有用である。
【0042】
又、本発明の適用範囲は、鋼橋等の既存建造物に限定されるものではなく、船舶等のガセット継手適用部位にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の補修方法を説明する図であり、(a)は上面図、(b)はA−A’線での断面図、(c)はB−B’線での断面図を示す。
【図2】本発明で使用する積層CFRP板の外観を示す斜視図である。
【図3】実施例におけるCFRP板の接着状態を示す断面写真であり、図1(b)に相当する。
【図4】実施例におけるCFRP板の接着状態を示す断面写真であり、図1(c)に相当する。
【図5】補修時から破断までの繰り返し回数の測定結果を示す図である。
【図6】従来技術(比較例1)によるCFRP板の貼付方法を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 母材
2 ガセット
3 溶接ビード
4 積層CFRP板
5 き裂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製母材の面外に継手鋼部材が回し溶接されてなる鋼製構造物における、前記継手鋼部材の止端部に発生したき裂を炭素繊維強化樹脂板を貼付して補修する方法であって、少なくとも前記炭素繊維強化樹脂板を前記継手鋼部材の両側面及び止端部の母材面に略コの字状に貼付すると同時に、該略コの字状の内側面が前記母材と継手鋼部材との溶接部の溶接ビードに密着して貼付されていることを特徴とする補修方法。
【請求項2】
前記炭素繊維強化樹脂板は複数積層して貼付されるものであって、貼付される炭素繊維強化樹脂板のそれぞれが前記溶接ビードに密着していることを特徴とする請求項1に記載の補修方法。
【請求項3】
前記炭素繊維強化樹脂板は予め複数のプリプレグを積層して一体としたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の補修方法。
【請求項4】
前記炭素繊維強化樹脂板は略コの字状の開口部を有し、前記継手鋼部材の止端部から該開口部を挿入して、前記開口部内側面を前記溶接ビードに密着させて貼付することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の補修方法。
【請求項5】
鋼製母材の面外に継手鋼部材が回し溶接されてなる鋼製構造物における、前記継手鋼部材の止端部母材に発生したき裂を母材表面に貼付して補修するための炭素繊維強化樹脂板からなる補修部材であって、該樹脂板の一端部に略コの字状の開口部を有し、該略コの字状開口部の内側面が、前記継手鋼部材の溶接部の溶接ビード面に密着するものであることを特徴とする前記補修部材。
【請求項6】
鋼製母材の面外に継手鋼部材が回し溶接されてなる鋼製構造物であって、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の補修方法により補修されてなる鋼製構造物。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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