説明

炭酸泉生成方法および装置

【課題】浴用に適した40℃前後の温水において効果の高いとされる1000ppmの炭酸泉を生成しようとすると、少しの衝撃でも温水中の炭酸ガスが多量に気泡として大気中に抜けてしまうと言う問題があった。これは、経済的にも問題であるだけではなく、入浴者が炭酸ガス中毒になる危険性もあった。
【解決手段】ポンプ3により浴槽水や足浴槽水を炭酸ガスが圧力充填された圧力容器12に噴射送水し、炭酸ガスを効率よく溶解して炭酸泉を生成して浴槽や足浴槽に戻す循環を行う過程で、圧力容器から排出された高圧の炭酸泉を急激な断面積変化のない減圧機構あるいは多孔質部材でできた減圧機構27で、徐々に減圧することにより、炭酸泉への衝撃を防ぐことができ、必要以上の炭酸ガスの気化を防止する。また、その減圧装置27の洗浄および交換が簡単に行えるように、炭酸泉の浴槽への供給口(出口)に減圧機構を設け、簡単に着脱できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽や足浴槽の温水を過熱、保温、ろ過などを行う循環管路において、炭酸ガスを溶け込ませて前記浴槽水や足浴槽水中の炭酸ガス溶存濃度を高め、極めて高濃度の人工炭酸泉を生成する技術に関するものである。
【0002】
本発明は、炭酸ガスを充填した圧力容器内に浴槽水や足浴槽水を噴射および/又は散水して、浴槽水や足浴槽水中の溶存炭酸ガス濃度を高めて、天然の炭酸泉と同等かそれ以上の治療効果を有する人工炭酸泉を生成することができる技術に関するものである。
【0003】
また、特に家庭用の24時間風呂や足浴装置に適した人口炭酸泉装置の技術に関するもので、高濃度の炭酸濃度を実現すると共に、浴槽や足浴槽の温水の効果的な殺菌方法も併せ持つ方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0004】
従来から、さまざまな名称の家庭用炭酸泉浴用剤の投入により得られる炭酸泉が知られているが、これらは重炭酸ナトリウムに有機酸を混合して加熱水中で炭酸ガスを生成させるものであった。また、炭酸ガス入り飲料の生成技術としては、古くから冷却した水の中に炭酸ガスを吹き込む形の高濃度炭酸水生成方法が知られていた。
また、炭酸水生成方法で別の生成方法としては炭酸ガス空間に散水して炭酸ガスを溶け込ませ、飲料用の炭酸水を生成する方法などが知られていた。
【0005】
人体の皮膚は、冷水に触れたときに体温の低下を防ぐために毛細血管の収縮が起こり、皮膚近傍での血流が減少する。これに対して、適度な温度の炭酸ガス含有加熱水に肌が接すると、皮膚の下に炭酸ガスが浸透して酸素欠乏状態になり、この酸素欠乏状態の信号を受けた毛細血管は大量の血液を流せるように毛細血管の入口を開き、この結果、皮膚近傍の血流が増大し、皮膚の紅潮現象となって現れる。このメカニズムが、炭酸含有加熱水の浴用効果と考えられている。ここに、温泉として適温である40〜42℃程度の温度での炭酸ガスの飽和溶存濃度は約1000ppmである。
【0006】
炭酸泉は、保温効果に優れた皮膚に優しい温泉として世界的に知られている。このことだけでなく、高濃度の炭酸含有加熱水は治療効果があると認識され始めている。例えば、糖尿病患者に多く見られるように、例えば足のキズが悪化して壊死状態になり、このため足の切断手術が必要になる事例が世界的に増加しているが、このような事例に対して高濃度炭酸含有加熱水に入浴する治療方法が効果的であると考えられている。
【0007】
炭酸泉の生成方法としては、ガス透過性中空糸を使った炭酸泉生成装置が提案されている。この炭酸泉生成装置は、中空糸を収容した炭酸ガス溶解器と浴槽とが循環管路で連結され、ポンプで浴槽から汲み上げた温水を炭酸ガス溶解器の中に供給し、炭酸ガス溶解器で炭酸ガスを溶解させて高濃度の炭酸泉を生成して、これを浴槽に供給するようになっている。
【0008】
また、この炭酸泉生成装置は、浴槽内に設置した濃度センサーを有し、この濃度センサーで浴槽内の炭酸泉の炭酸ガス濃度を検知して、炭酸ガス溶解器に供給する炭酸ガスの流量を制御することを提案している。
【0009】
また、他の形式の炭酸泉生成装置の提案もある。この炭酸泉生成装置は、圧力タンク内に温水を送水し、この圧力タンク内で、圧力下で炭酸ガスをバブリングすることにより温水に炭酸ガスを溶解させて炭酸泉を生成する方法である。
【0010】
さらに、他の装置としては、浴槽から温水を取り出す管路に炭酸ガスを供給して温水と炭酸ガスとを合流させた後にポンプの吸い込み口からポンプ内に入れ、このポンプで炭酸ガスと温水とを混合させて炭酸ガスを温水に溶解させて炭酸泉を生成し、ポンプから送り出される炭酸泉をタンクに供給して、このタンクで未溶解の炭酸ガスを回収した後にタンクの底から炭酸泉を浴槽に戻す構成を採用している。
【0011】
また、この炭酸泉生成装置は、タンクと浴槽との間の配管に絞りが設けられ、タンク内の炭酸ガスの増加に伴ってタンク内の炭酸泉の水位が低下すると電磁弁を開いてタンクから炭酸ガスを排出し、タンク内の炭酸泉の水位が増加すると電磁弁を閉じる制御が行われる。
【0012】
さらに、他の装置としては、圧力容器内に炭酸ガスを圧力充填し、ポンプにより、その圧力容器内に浴槽水を噴射あるいは散水して炭酸ガスを溶解して炭酸泉を生成し、その炭酸泉を浴槽に戻す循環工程を用いて炭酸泉を生成する装置が提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
浴用に適する40℃前後の温水における大気圧での炭酸ガスの飽和溶解濃度は約1000ppmで、最も効果があるとされる1000ppmの炭酸泉を生成しようとすると、飽和溶解濃度の炭酸水を生成することになる。
【0014】
炭酸ガスを浴槽水や足浴槽水に溶解して1000ppm程度の炭酸泉を生成する場合は、大気圧以上に加圧された状態で炭酸ガスを浴槽水や足浴槽水に溶解させる方法が一般的である。
【0015】
すなわち、圧力下においては、飽和溶解濃度は増大するため、大気圧における飽和溶解濃度よりも高い濃度の炭酸泉を生成することが出来る。しかし、最終的には浴槽や足浴槽に戻した時点で減圧されるため、過飽和状態の炭酸泉中に含まれる余分な炭酸ガスは大気中に放出される。
【0016】
さらに、飽和状態の炭酸泉は僅かな衝撃で溶解している炭酸ガスが気化するため、過飽和の余分な炭酸ガスのみならず、炭酸泉中の炭酸ガスが気化してしまう現象が起きる。つまり、急激な圧力減少や管路断面積の変化により過度に気化した炭酸ガスは泡となって、炭酸泉と一緒に浴槽に排出され、最終的には大気中に放出される。
【0017】
これは、炭酸泉の濃度が低下するばかりか、多量の炭酸ガスが浴室内に放出されるため、入浴者が炭酸ガス中毒を起こす危険性も含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の1つは、浴槽水や足浴槽水をポンプにより炭酸ガスが充填された圧力容器に送水し、送水された浴槽水や足浴槽水を圧力容器内に噴射や散水して炭酸ガスを溶解したのち、再び浴槽や足浴槽に戻す循環システムを形成し、圧力容器内に炭酸ガスを供給すると共に、圧力容器内の炭酸ガスが浴槽に逃げないように、噴射や散水された浴槽水や足浴槽水を圧力容器の底部に所定の水位で貯留するようになされている。
【0019】
そして、その圧力容器の排水管路に断面積が緩やかに減少した後、緩やかに増加する絞り状の減圧機構を有するものである。この緩やかな断面積変化を有する絞りにより、乱流が起きるのを防止すると共に、急激な圧力変化を起こさないように徐々に減圧して、炭酸泉に衝撃を加えずに圧力容器内の圧力から大気圧近傍までゆっくりと減圧する物である。
【0020】
本発明の2つ目は、圧力容器からの排水管路に緩やかな断面積変化を有する前記の減圧機構を複数直列に設置し、それぞれの減圧機構の前後で、少しずつ圧力を落とす方法である。
【0021】
本発明の3つ目は、圧力容器からの排水管路に多孔質部材を設け、圧力容器からの排水を、その多孔質部材内を通過させることにより、緩やかに減圧する方法を提案している。
【0022】
また、これらの減圧機構を浴槽への出口部に設けて、定期的に洗浄あるいは交換する構造とすることもあわせて提案している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1〜9を用いて、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の代表的な実施例であり、浴槽1内にフィルター2と圧力容器12からの排水口に設けられた減圧機構27と管路103からの排水口を内臓した浴槽内ユニットを有し、フィルター2の下流に浴槽1から浴槽水を吸い上げるポンプ3を有し、ポンプ3で給水口32から吸い上げられた浴槽水は、フィルター2で濾過された後、ポンプ3下流のヒーター4で加温される。
【0024】
ここで、フィルターや減圧機構27は浴槽の外でも良く、フィルターと減圧機構と管路103の排水口が1つのユニットになっていなくても良い。
【0025】
そして、ヒーター4下流の分岐部5で、3つの管路101,102,103に分岐送水される。管路102に送水された浴槽水は電動開閉バルブ43が開放されると、岩塩などが入った電解質添加部6で電解質を溶解し、無隔膜電解槽7に送水される。
【0026】
さらに、無隔膜電解槽7で電気分解されて次亜塩素酸ナトリウム水溶液となり、管路110を介して添加部8で浴槽から吸い上げられた浴槽水に合流する。このとき、無隔膜電解槽7を流れる流量が多いと、電解効率が低下するため、管路110には絞り47が設けられ、電解流量を適正な流量に制限する。
【0027】
一方、管路101に送水された浴槽水は、逆止弁49を通って圧力容器12上部の空間9に送水され、噴射孔10から炭酸ガスが充填された空間11に噴射され、炭酸ガスを溶解して炭酸泉となる。この時、噴射孔10からの噴射流は、少なくとも2つの噴射孔10からの噴射がお互いに衝突するようにされていると、噴射された浴槽水が空間11内で細かい水滴となり、炭酸ガスの溶解が容易に出来て、さらに良い。また、噴射孔10は単なる穴になっているが、噴射された噴射流を霧状にする噴霧ノズルであっても良い。
【0028】
また、炭酸ガスは、炭酸ガスボンベ19から手動バルブ20を介して、減圧弁21および22で減圧されたのち圧力容器12内の空間11に大気圧以上の所定の圧力で供給される。
【0029】
圧力容器12内で炭酸ガスを含有した浴槽水は、炭酸泉となり圧力容器12の底部に貯留し、排水管路106により浴槽に戻される。この時、排水管路の浴槽への出口部に設けられた減圧機構により、圧力容器12内の圧力から、ほぼ大気圧に減圧される。
【0030】
また、管路103に送水された浴槽水は電動開閉バルブ29が開放されると、そのまま浴槽に戻る。
逆止弁49は、ポンプ3が停止した場合や、電動開閉バルブ29が開放されて浴槽水が管路103に送水されたときに管路101内の圧力が低下することにより、圧力容器12内の炭酸ガスが管路101を逆流するのを防止する。
【0031】
次に、準備動作について説明する。
まず、電動開閉バルブ23、29、43を閉じ、電動開閉バルブ25を開放する。管路102と103の電動開閉バルブ43と29を閉じた状態で、ポンプにより送水された浴槽水は全てが管路101に送水され、さらに、圧力容器12の空間9に送られ、噴射孔10から空間11に噴射送水され、圧力容器12の下部に貯留する。
【0032】
ここで、排水管路106出口に設けられた減圧機構27により、空間11の圧力が大気圧のときは、噴射孔10から空間11に噴射送水される浴槽水よりも圧力容器から排出される浴槽水が少なくなり、空間11の圧力が所定の圧力以上になると、噴射孔10から空間11に噴射送水される浴槽水よりも圧力容器から排出される浴槽水が多くなるようになされている。
【0033】
これにより、圧力容器内の炭酸泉の水位が上昇すると共に、フロート13が上昇し、空間11内の空気は管路105を通って、合流部26を介して排水管路106に送られ、圧力容器12から排出される炭酸泉に混ざり浴槽1内に排出される。フロート13にはマグネット14が取り付けられており、このマグネット14により、圧力容器12の側面に設けられたリミットスイッチ15、16,17,18が順番に反応する。
【0034】
最も高い位置のリミットスイッチ18が反応したら、電動開閉バルブ25を閉鎖すると共に、電動開閉バルブ29を開放し、ポンプ3により送水される浴槽水を管路103を通して浴槽に戻す循環運転にすると共に、ポンプの回転数を下げて、初期動作が完了したことを表示する。このとき、ポンプの回転数を下げても、管路103の抵抗が少ないため、ポンプによる循環水量は減少せず、場合によっては、全量を圧力容器12に送水しているときよりも増大する。そして、消費電力および騒音ともに軽減される。この一連の動作により、空間11内の空気が完全に排出された状態となる。
【0035】
この時、圧力容器への炭酸ガスの供給は行われていないが、ポンプ3により送水される浴槽水の一部は管路101を介して、圧力容器12にも送水されており、圧力容器内に浴槽水が淀むことが無いようになされている。
【0036】
次に、高濃度の炭酸泉を生成する動作を説明する。
炭酸泉の生成ボタン(図示せず)が押されると、ポンプ3の回転数を所定の回転に上げると共に、電動開閉バルブ29を閉鎖して、ポンプ3から送水される浴槽水の全てを圧力容器12へ送水する。さらに、リミットスイッチ18が反応していない場合は、電動開閉バルブ25を開放しリミットスイッチ18が反応するまで待ち、電動開閉バルブ25を閉鎖すると共に、電動開閉バルブ23を開放して炭酸ガスボンベ19より炭酸ガスを圧力容器12内の空間11へ大気圧以上の所定の圧力で供給する。これにより、空間11内の気体は、ほぼ炭酸ガスだけになる。
【0037】
圧力容器12内の水位は、供給された炭酸ガスの圧力により徐々に下がり、それに伴いフロート13も下降して、リミットスイッチ17、16の順に反応する。リミットスイッチ16が反応したら、電動開閉バルブ23を閉鎖して炭酸ガスの供給を止める。すると、噴射孔10から噴射された浴槽水が空間11内の炭酸ガスを溶解して空間11内の圧力が徐々に下がり、水位は再び上昇する。リミットスイッチ17が反応したら、再び電動開閉バルブ23を開放して炭酸ガスを供給する。すると、再び水位が下降し始める。
【0038】
これらの動作により、圧力容器12内の水位はリミットスイッチ16と17の間に保たれ、生成された炭酸泉は排水管路106を通って浴槽に戻される。
【0039】
浴槽水はポンプ3により再び吸引され、炭酸ガスを溶解した後に浴槽に戻され、この繰り返しにより浴槽水全体の炭酸ガス濃度が上昇し、高濃度の炭酸泉となる。
【0040】
次に、高濃度の炭酸泉を生成する場合のもう一つの動作について説明する。
この場合は、ポンプ3により全ての浴槽水が圧力容器12に送水されていて、圧力容器12に炭酸ガスが圧力供給されている状態でも、排水管路106の出口部に設けられた減圧機構27により、噴射孔10から噴射される浴槽水が圧力容器12から排水される浴槽水よりも多くなるようになされている。
【0041】
炭酸泉の生成ボタン(図示せず)が押されると、ポンプの回転数を所定の回転に上げる。そして、リミットスイッチ18が反応していない場合は、電動開閉バルブ25を開放し、リミットスイッチ18が反応するまで待ち、電動開閉バルブ25を閉鎖すると共に電動開閉バルブ23を開放して炭酸ガスボンベ19より炭酸ガスを圧力容器12内の空間11へ大気圧以上の所定の圧力で供給するとともに、電動開閉バルブ29を適度に開放して、管路103へも送水する。
【0042】
すると、圧力容器12へ送水される浴槽水の水量が減少するので、圧力容器12内の水位は徐々に下がり、それに伴いフロート13も下降して、リミットスイッチ17、16の順に反応する。リミットスイッチ16が反応したら、電動開閉バルブ29を閉鎖してポンプ3により送水される浴槽水を全て圧力容器12に送水する。すると、圧力容器12に送水される浴槽水の水量が増加し水位は再び上昇する。リミットスイッチ17が反応したら、再び電動開閉バルブ29を適度に開放して浴槽水を管路103にも送水する。すると、再び水位が下降し始める。
【0043】
これらの動作により、圧力容器12内の水位はリミットスイッチ16と17な間に保たれ、生成された炭酸泉は排水管路106を通って浴槽に戻される。
【0044】
浴槽水はポンプ3により吸引され、炭酸ガスを溶解した後に浴槽に戻され、この繰り返しにより浴槽水全体の炭酸ガス濃度が上昇し、高濃度の炭酸泉となる。
【0045】
また、上記2つの動作における高濃度炭酸泉生成状態においては、常に所定の時間だけ電動開閉バルブ43を開放して、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を生成して浴槽水に添加して、浴槽水の殺菌を行うと良い。
【0046】
これとは別に、浴槽水の殺菌状態を維持するために、所定の時間間隔で以下に記載する殺菌運転を行う。すなわち、ポンプ3の回転数を所定の回転に上げると共に、電動開閉バルブ29を閉鎖して、ポンプ3から送水される浴槽水の全てを圧力容器12へ送水する。さらに、リミットスイッチ18が反応していない場合は、電動開閉バルブ25を開放して、リミットスイッチ18が反応するまで待ち、電動開閉バルブ25を閉鎖すると共に、電動開閉バルブ23と43を開放して、炭酸ガスボンベ19より炭酸ガスを圧力容器12内の空間11へ大気圧以上の所定の圧力で供給すると共に、浴槽水の一部を管路102へ送り無隔膜電解槽で次亜塩素酸ナトリウム水溶液を生成して、添加部8により浴槽水に添加する。
【0047】
次亜塩素酸ナトリウム水溶液が添加された浴槽水はポンプ3により圧力容器12に送られ、炭酸ガスが添加されて弱酸性になり、殺菌効果を増強されて再び浴槽に戻される。また、この時、圧力容器12内の水位維持は前記2つの方法いずれかで行う。
【0048】
この場合、高濃度炭酸泉を生成することが目的ではなく、浴槽水を弱酸性にすることが目的なので、所定の時間経過後に、ポンプの回転数を下げると共に、電動開閉バルブ23を閉鎖して炭酸ガスの供給を止め、電動開閉バルブ29を開放して浴槽水の大半を管路103に送る循環動作に戻す。
【0049】
ただし、電動開閉バルブ43は開放状態を保ち、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加は続ける。そして、さらに所定の時間が経過したのち電動開閉バルブ43を閉鎖して次亜塩素酸ナトリウム水溶液の生成と添加を停止する。
【0050】
もちろん、必要に応じて、前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加を行っている間は常に炭酸泉の生成を行っても良いし、間欠的に炭酸泉の生成を行っても良い。この殺菌運転により、浴槽水は常に殺菌されてクリーンな状態を保つことが出来る。
【0051】
炭酸泉生成運転時に圧力容器12内の水位が上がり、リミットスイッチ18が反応すると、供給される炭酸ガスの圧力が不足しているとして、炭酸ガス供給不足の警告を表示する機能も有している。
【0052】
また、フロート13の底部に弾性体45を有し、万が一圧力容器12内の水位が下降してフロートが圧力容器12の最下部まで下がっても、弾性体45により圧力容器底部の排水口46を閉鎖し、圧力容器12内の炭酸ガスが浴槽1に排出するのを防ぐ。
【0053】
次に図2は、減圧機構27が浴槽外にある場合の実施例で、圧力容器12の直後に設けられている。そして、減圧機構が2つ直列に設けられている実施例である。これにより、1つ目の減圧機構で圧力容器12内の圧力と大気圧の間の圧力に減圧し、2つ目の減圧機構で、さらに大気圧近傍の圧力まで減圧する。
【0054】
圧力容器12内で生成された炭酸泉は、急激に減圧されないため、必要以上に炭酸ガスが炭酸泉中から抜けることがない。減圧機構17は、緩やかな断面積変化を有する長いオリフィスであれば1つでも良いし、3つ以上の減圧機構を設けてさらにゆっくりと減圧しても良い。
【0055】
また、減圧機構27は管路116に設けても良いし、複数の減圧機構27を、管路106と116のそれぞれの管路に設けても良い。
【0056】
さらに、図2においては、管路103は合流部28により圧力容器12の排水管路に連結されており、電動開閉バルブ29を開放すると、ポンプにより送水された浴槽水は圧力容器12からの排水とともに、浴槽1に戻るようになっているが、図1同様に排水管路108とは別に浴槽に戻るようになっていても良い。
【0057】
次に図3および4を用いて、高濃度炭酸泉生成動作における圧力容器12内の水位をリミットスイッチ16と17の間に維持する動作に関して、別の動作を説明する。
【0058】
図3においては、圧力容器12の上流の管路101に電動開閉バルブ37を有しており、さらに、ポンプ3はポンプ出口圧力が所定の圧力を超えると自動的にポンプ3からの送水がポンプ3の入口側に戻るリリーフ機能を有し(図示せず)、炭酸ガスを供給する電動開閉バルブ23は開放状態、管路103の電動開閉バルブ29は閉鎖状態を維持し、圧力容器12内の水位が変動してリミットスイッチ17が反応すると、電動開閉バルブ37を閉鎖して圧力容器への送水を遮断し、リミットスイッチ16が反応すると、電動開閉バルブ37を開放して、送水を再開する動作である。
【0059】
図4は、圧力容器12の給水側と排水側の管路に設けられた電動式流量調整バルブにより圧力容器に供給される水量、あるいは、排水される水量を調整して、圧力容器12内の水位を維持する実施例である。
【0060】
ポンプ3の直後に電動式流量調整バルブ38を有し、排水管路108には電動式流量調整バルブ39を有し、圧力容器のリミットスイッチ17が反応すると、電動式流量調整バルブ38を絞って送水量を減らすか電動式流量調整バルブ39を開いて排水量を増やし、リミットスイッチ16が反応したら、電動式開閉バルブ38を開いて送水量を増やすか電動式流量調整バルブ29を絞って排水量を減らすことにより圧力容器12内の水位を維持する動作である。
【0061】
この場合、可能であれば、電動式流量調整バルブ38および39はどちらか1つであっても良い。
【0062】
次に図5〜8を用いて、減圧機構27の具体例を説明する。
図5は入り口および出口共に断面積変化が非常に緩やかな絞り状の減圧機構であり、この減圧機構を流れる炭酸泉が本絞り機構により減圧されるときに、層流状態を保てる形状となっており、乱流による渦流を防止した構造となっている。
【0063】
図6は図5に対して絞り形状の出口だけが緩やかな断面積変化部を有しており、絞りの下流での乱流発生を防止している。期待する効果は図5と同様である。
【0064】
図7は焼結材料やスポンジあるいは微細球形状材の接合のように内部に無数の隙間がある多孔質を管路途中に設けたものである。この多孔質を通って流れる炭酸泉は多孔質の抵抗により減圧されるが、渦流の発生が無く、多孔質の入り口から出口に掛けて徐々に減圧されるため、炭酸泉に衝撃が加わることがない。したがって、この場合も溶解している炭酸ガスが大きな気泡になるのを防ぐ効果がある。
【0065】
図8は図7と同様の多孔質で作られた円筒を用いた実施例で、円筒の一端がケース35に液蜜に挿入されており、多端にフタ34が挿入されている。したがって、炭酸泉はこの円筒の外側から内側に向かって通過し、この時全体的にやわらかく減圧される。
【0066】
この場合、円筒を長くすることにより、炭酸泉が通過する多孔質の通過面積を大きく取れるので、浴槽水などのように汚濁物質を含んだ炭酸泉でも、目詰まりしにくい特徴がある。
【0067】
最後に、図9により図1に示した浴槽内ユニットの1つの実施例を紹介する。
浴槽水は第1フィルター36で髪の毛や大きなゴミが取り除かれ、第2フィルター40に送られる。そして第2フィルター40で細かいゴミや湯垢などが取り除かれた後ポンプに吸引される。
【0068】
圧力容器12から戻ってきた炭酸泉は出口部に設けられた筒状の多孔質材で減圧された後、浴槽内に戻される。また、図1に示した電動開閉バルブ29を開放することにより管路103に送られた浴槽水は排水口31から浴槽へ戻される。
【0069】
このように、圧力容器12からの排水と管路103からの排水を別々の出口部から浴槽に戻すことにより、圧力容器12からの排水、すなわち炭酸泉は出口部に設けられた多孔質材33の直前まで大気圧以上の圧力を維持して送水されるため、炭酸泉中の炭酸ガスが抜けにくい状態になっており、多孔質材33でやわらかく減圧されて浴槽に戻るため、この減圧部分でも必要以上の炭酸ガスが炭酸泉から抜け出さない構造となっている。
そして、一方の管路103からの排水は多孔質材33を通らないので、管路内圧力が高くならず、ポンプの回転数が低回転でも容易に循環送水ができる。
【0070】
ここで、第1フィルター36および第2フィルター40は、カバー41および42を外すことで、容易に取り出して洗浄あるいは交換が出来るようになっており、装置本体のカバーをあけてフィルターを取り出す必要がない。また、多孔質材33もねじ込み式になされているソケット44を外すと、ソケット44と共に取り外すことができ、多孔質材33の周囲についたゴミや湯垢などを除去するために、単体で洗浄あるいは交換が簡単にできるようになっている。
【0071】
図3および4では、管路103は直接浴槽に戻るようになっているが、図1あるいは9に示されるように浴槽内ユニットに接続されていても良いし、図2に示すように、圧力容器12の排水管路106と合流していても良い。
【0072】
また、上記のすべての実施例においては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加が、無隔膜電解槽により生成された次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いているが、無隔膜電解槽を用いずに、タンクに充填された次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加しても良いし、亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加しても良い。
【0073】
さらに、上述の全ての実施例では、圧力容器12内の水位に検出が、マグネット14を有したフロート13とリミットスイッチ15〜18により行われているが、液面を直接検出できるセンサーなどの、その他の検出機器を用いてもかまわない。
【0074】
また、上述の全ての実施例では、浴槽1を例に挙げて説明しているが、浴槽は足浴槽でも、その他の温水を貯留する容器でもかまわない。
【発明の効果】
【0075】
本発明により、大気圧以上の圧力下で炭酸ガスが溶解された炭酸泉を、浴槽と同じ大気圧に減圧する工程で、必要以上に炭酸ガスが液中から抜けることが無く、炭酸ガスの無駄を極限まで少なくすることができ、経済的な効果が大きい。
【0076】
また、多量の炭酸ガスが浴槽水から抜けて、浴槽内の水面近傍に炭酸ガスが淀み、入浴者が炭酸ガス中毒を起こすような危険性も回避できる。
【0077】
本発明により、浴槽水のような、ある意味汚れた温水であっても、循環管路や減圧機構において目詰まりを起こすことがなく、循環して炭酸ガスを溶解させることにより手軽に高濃度の炭酸泉を生成することが出来き、フィルターや減圧機構の洗浄や交換程度のメンテナンスで、長期間初期の性能を保つことが出来る。
【0078】
また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液や亜塩素酸水溶液は、それ自体がアルカリ性であり、殺菌力があまり強くないため多量に入れなければ十分な効果が得られなかったが、本発明のように、炭酸ガスを溶解した温水と共に使用すると、弱酸性の次亜塩素酸水溶液あるいは亜塩素酸水溶液となり、低濃度でも十分な殺菌効果が得られ、不快な塩素臭もほとんど無くなる。
【0079】
そして、24時間風呂のようなヒーターとフィルターを介して循環濾過しながら浴槽水を保温する場合においても、温水が強力な次亜塩素酸や亜塩素酸により常に殺菌されているため、フィルターや管路における菌の繁殖も防止され、熱湯によるフィルターや管路の殺菌、あるいは、幾重ものフィルターを使用して頻繁にフィルターを交換する必要もなくなる。
【0080】
したがって、本発明により、一般家庭においても24時間保温されたクリーンな風呂を、欲しいときにいつでも簡単に高濃度炭酸泉にすることができるようになり、高齢化とストレスが進む現代社会に不可欠な商品を安価に提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の代表的な実施例を示す
【図2】減圧機構を圧力容器直後に複数有する実施例
【図3】圧力容器の水位維持を送水を遮断して行う実施例を示す
【図4】圧力容器の水位維持を循環管路の流量を制御して行う実施例を示す
【図5】減圧機構の第1の具体例を示す
【図6】減圧機構の第2の具体例を示す
【図7】減圧機構の第3の具体例を示す
【図8】減圧機構の第4の具体例を示す
【図9】浴槽内ユニットの詳細な説明図を示す
【符号の説明】
【0082】
1 浴槽、2 フィルター、3 ポンプ
4 ヒーター、5 分岐部、6 電解質添加部
7 無隔膜電解槽、8 添加部、9 空間、10 噴射孔
11 空間、12 圧力容器、13 フロート
14 マグネット、15 リミットスイッチ、16 リミットスイッチ
17 リミットスイッチ、18 リミットスイッチ
19 炭酸ガスボンベ、20 手動バルブ、21 減圧弁
22 減圧弁、23 電動開閉バルブ、24 逆止弁
25 電動開閉バルブ、26 合流部、27 減圧機構
28 合流部、29 電動開閉バルブ、30 浴槽内ユニット
31 排水口、32 給水口、33 多孔質材
34 フタ、35 ケース、36 第1フィルター
37 電動開閉バルブ、38 電動式流量調整バルブ
39 電動式流量調整バルブ、40 第2フィルター
41 カバー、42 カバー、43 電動開閉バルブ
44 ソケット、45 弾性体、46 排水口
47 絞り、48 分岐部、49 逆止弁
101〜105:管路、106 排水管路、107 管路
108 排水管路、109〜116 管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽水や足浴槽水に炭酸ガスを溶解して炭酸泉を生成する工程を有し、ポンプにより浴槽や足浴槽から前記炭酸ガス溶解工程に浴槽水を送水し、炭酸ガスを溶解した後、再び浴槽や足浴槽に戻す循環工程を有し、該炭酸ガス溶解工程が圧力容器に炭酸ガスを大気圧以上の所定の圧力で供給する工程を有し、浴槽水や足浴槽水を炭酸ガスが充填された圧力容器内に噴射および/または散水する工程を有し、該圧力容器から浴槽水や足浴槽水を排水する排水工程を有し、圧力容器内に噴射および/または散水された浴槽水や足浴槽水が圧力容器底部に所定の範囲の水位で貯留する水位維持工程を有し、該炭酸ガス溶解工程からの排水工程において、圧力容器内の圧力から大気圧に徐々に圧力を減圧する工程を有することを特徴とする炭酸泉生成方法
【請求項2】
前記圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持工程が、前記圧力容器底部近傍に排水管路を持ち、該圧力容器内の圧力が所定の値以下のときは排水管路からの排水量よりも該圧力容器への浴槽水や足浴槽水の噴射および/または散水による供給量が多く、該圧力容器内の圧力が所定の圧力を超えると、噴射および/または散水による供給量よりも排水量が多くなる流量調整工程を排水工程に有し、少なくとも該圧力容器内の上下2点の水位を検知する検知手段を有し、上部検知手段が水位を検知すると炭酸ガスの供給を開始し、下部検知手段が水位を検知すると炭酸ガスの供給を停止する炭酸ガス供給調整手段であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸泉生成方法
【請求項3】
前記圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持工程が、前記圧力容器底部近傍に排水管路を持ち、常に排水管路からの排水量が該圧力容器への浴槽水や足浴槽水の供給量よりも少ない排水工程を有し、少なくとも該圧力容器内の2点の水位を検知する検知手段を有し、上部検知手段が水位を検知すると浴槽水や足浴槽水の供給を停止し、下部検知手段が水位を検知すると再び供給を開始する工程であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸泉生成方法
【請求項4】
前記圧力容器上部に開閉自在の排気手段を有し、排気手段を開放すると共に、該圧力容器内に浴槽水や足浴槽水を送水して、前記圧力容器内を浴槽水や足浴槽水で満たすことにより、圧力容器内の空気を排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項5】
前記圧力容器内に水位を検知する検知手段を少なくとも1つ有し、圧力容器内に炭酸ガスを圧力供給している状態で、該水位検知手段が水位を検知した場合、炭酸ガスの供給が不足していると判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項6】
前記炭酸ガス溶解工程からの排水工程において、圧力容器内の圧力から大気圧に徐々に圧力を減圧する工程が、緩やかな断面積減少と緩やかな断面積増加を有する絞りを1つあるいは複数使用して圧力を少しずつ減少させる工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項7】
前記炭酸ガス溶解工程からの排水工程において、圧力容器内の圧力から大気圧に徐々に圧力を減圧する工程が、焼結材又は微細球形状材の接合により形成された微細な隙間を多数有する部材に圧力容器からの排水を通過させる工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項8】
浴槽水や足浴槽水をポンプにより浴槽や足浴槽から前記圧力容器に送水し、炭酸ガスを溶解した後、再び浴槽や足浴槽に戻す循環工程の一部に、浴槽水や足浴槽水を加温する工程を有し、および/または、前記循環工程の一部で前記ポンプの上流側にごみや湯垢を除去する濾過工程を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項9】
浴槽水や足浴槽水をポンプにより浴槽や足浴槽から前記圧力容器に送水し、炭酸ガスを溶解した後、再び浴槽や足浴槽に戻す循環工程において、前記ポンプの下流で少なくとも2つ以上の管路に分岐する分岐工程を有し、分岐工程下流の一方の管路に圧力容器を有し、他方の管路に電動開閉バルブあるいは電動式流量調整バルブなどの流量調整手段を有するか、あるいは、前記分岐工程に各管路への流量を調整できる流量調整手段を有することにより、それぞれの管路を流れる量を調整する流量調整工程を有し、圧力容器からの排水工程に徐々に減圧する工程を有し、圧力容器からの排水管路と前記圧力容器を有さない管路から別々に浴槽や足浴槽に送水するか、該圧力容器の下流で、しかも、圧力容器からの排水を徐々に減圧する工程の下流で圧力容器からの排水管路と前記圧力容器を有さない管路を合流して浴槽や足浴槽に送水することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項10】
前記分岐工程下流の圧力容器を有さない管路への送水を行う場合、ポンプの回転数を落として消費電力および騒音を軽減することを特徴とする請求項9に記載の炭酸泉生成方法
【請求項11】
前記循環工程のいずれかの位置に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液や亜塩素酸ナトリウム水溶液、あるいは浴槽水や足浴槽水や足浴槽水に塩化物溶液を含む電解質を添加した後で無隔膜電解することにより生成した次亜塩素ナトリウム水溶液を添加することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項12】
浴槽水や足浴槽水をポンプにより浴槽や足浴槽から前記圧力容器に送水し、炭酸ガスを溶解した後、再び浴槽や足浴槽に戻す循環工程において、前記ポンプの下流で少なくとも2つ以上の管路に分岐する分岐工程を有し、分岐工程下流の一方の管路に圧力容器を有し、他方の管路に電動開閉バルブあるいは電動式流量調整バルブなどの流量調整手段を有するか、あるいは、前記分岐工程に各管路への流量を調整できる流量調整手段を有し、通常は前記電動開閉バルブを開放するか、電動式流量調整バルブあるいは分岐工程の流量調整手段により圧力容器を有さない管路への送水を行い、次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは亜塩素酸水溶液を添加する場合には、所定の時間だけ前記電動開閉バルブを閉じるか、所定の時間だけ前記電動式流量調整バルブあるいは分岐工程の流量調整手段により浴槽水や足浴槽水を全て圧力容器へ送水し、前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは亜塩素酸水溶液の添加を、所定の時間間隔あるいは決められた時間に所定の時間だけ行う事を特徴とする請求項11に記載の炭酸泉生成方法
【請求項13】
圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持工程が、浴槽水や足浴槽水を送水するポンプの下流で少なくとも2つ以上の管路に分岐する分岐工程を有し、分岐工程下流の一方の管路に圧力容器を有し、他方の管路に電動開閉バルブあるいは電動式流量調整バルブなどの流量調整手段を有するか、あるいは、前記分岐工程に各管路への流量を調整できる流量調整手段を有することにより、それぞれの管路を流れる量を調整する流量調整工程を有し、少なくとも該圧力容器内の2点の水位を検知する検知手段を有し、上部検知手段が水位を検知すると、前記電動開閉バルブを開放するか、あるいは電動式流量調整バルブや分岐工程の流量調整手段により圧力容器への送水を少なくし、下部検知手段が水位を検知すると、前記電動開閉バルブを閉鎖するか、あるいは電動式流量調整バルブや分岐工程の流量調整手段により圧力容器への送水を増やす工程であることを特徴とする請求項9〜12いずれか1項に記載の炭酸泉生成方法
【請求項14】
浴槽水や足浴槽水に炭酸ガスを溶解して炭酸泉を生成する機構を有し、浴槽水や足浴槽水を浴槽や足浴槽から前記炭酸ガス溶解機構に送水するポンプを有し、炭酸ガスを溶解した浴槽水や足浴槽水を再び浴槽や足浴槽に戻す管路を有する循環管路を有し、前記炭酸ガス溶解機構が、炭酸ガスが充填された圧力容器を有し、該圧力容器に炭酸ガスを大気圧以上の所定の圧力で供給する管路を有し、浴槽水や足浴槽水を炭酸ガスが充填された圧力容器内に噴射および/または散水する機構を有し、該圧力容器内に噴射および/または散水された浴槽水や足浴槽水を排出する排出管路を有し、圧力容器内に噴射および/または散水された浴槽水や足浴槽水が圧力容器底部に所定の範囲の水位で貯留する水位維持機構を有し、該圧力容器からの排水管路に減圧機構を有することを特徴とする炭酸泉生成装置
【請求項15】
前記圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持機構が、前記圧力容器底部近傍に排水管路を有し、該圧力容器内の圧力が所定の値以下のときは排水管路からの排水量よりも該圧力容器への浴槽水や足浴槽水の噴射および/または散水による供給量が多く、該圧力容器内の圧力が所定の圧力を超えると、噴射および/または散水による供給量よりも排水量が多くなる絞りまたは流量調整機構を排水管路に有し、圧力容器への炭酸ガス供給管路に電動開閉バルブを有し、少なくとも該圧力容器内の上下2点の水位を検知する検知機構を有し、上部検知機構が水位を検知すると前記電動開閉バルブを開放して炭酸ガスの供給を開始し、下部検知手段が水位を検出すると前記電動開閉バルブを閉鎖して炭酸ガスの供給を停止する炭酸ガス供給調整機構であることを特徴とする請求項14に記載の殺菌水生成装置
【請求項16】
前記圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持機構が、前記圧力容器底部近傍に排水管路を有し、常に排水管路からの排水量が該圧力容器への浴槽水や足浴槽水の供給量よりも少なくできる絞りあるいは流量調整バルブを排水管路に有し、少なくとも該圧力容器内の2点の水位を検知する検知機構を有し、ポンプの出口側圧力が所定の圧力を超えると自動的に送水をポンプの入り口側に戻すリリーフ機構を具備したポンプを有し、該ポンプの下流に電動開閉バルブを有し、上部検知機構が水位を検知すると前記電動開閉バルブを閉鎖して浴槽水や足浴槽水の供給を停止し、下部検知手段が水位を検知すると前記電動開閉バルブを開放して再び供給を開始する機構であることを特徴とする請求項14に記載の殺菌水生成装置
【請求項17】
前記圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持機構が、前記浴槽水や足浴槽水を供給するポンプを有し、前記圧力容器底部近傍に排水管路を有し、常に排水管路からの排水量が該圧力容器への浴槽水や足浴槽水の供給量よりも少なくできる絞りあるいは流量調整機構を排水管路に有し、少なくとも該圧力容器内の2点の水位を検知する検知機構を有し、上部検知機構が水位を検知すると前記ポンプを停止して浴槽水や足浴槽水の供給を停止し、下部検知手段が水位を検知すると前記ポンプを起動して再び供給を開始する機構であることを特徴とする請求項14に記載の殺菌水生成装置
【請求項18】
前記圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持機構が、排水管路および/または浴槽水や足浴槽水の供給管路に電動式流量調整バルブを有した機構であることを特徴とする請求項14に記載の殺菌水生成装置
【請求項19】
前記圧力容器上部に電動開閉バルブを有する排気管路を有し、該圧力容器が浴槽水や足浴槽水で満たされたことを検知する水位センサーなどの検知機構を有することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項20】
前記圧力容器内の水位を検知する検知機構を少なくとも1つ有し、炭酸ガス供給管路に電動開閉バルブを有し、該バルブが開放している状態で前記水位検知機構が水位を検知した場合、炭酸ガスの供給が不足していると判断し、警告を出力することを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項21】
前記圧力容器からの排水管路に緩やかな断面積減少後、再び緩やかに断面積が増大する絞りを設けたことを特徴とする特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項22】
前記圧力容器からの排水管路に緩やかな断面積減少後、再び緩やかに断面積が増大する絞りを、少なくとも2つ以上設けたことを特徴とする特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項23】
前記圧力容器からの排水管路に焼結材又は微細球形状材の接合により形成された多孔質部材の絞りを設けたことを特徴とする特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項24】
浴槽水や足浴槽水を浴槽や足浴槽から前記圧力容器に送水して炭酸ガスを溶解した浴槽水や足浴槽水を再び浴槽や足浴槽に戻す管路を有する循環管路の一部に、浴槽水や足浴槽水を加温する機構を有し、および/または、前記循環管路の一部で前記ポンプの上流側にごみや湯垢を除去するフィルターを有することを特徴とする請求項14〜23のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項25】
浴槽水や足浴槽水をポンプにより浴槽や足浴槽から前記圧力容器に送水し、炭酸ガスを溶解した後、再び浴槽や足浴槽に戻す循環管路において、前記ポンプの下流で少なくとも2つ以上の管路に分岐する分岐部を有し、分岐部下流の一方の管路に圧力容器を有し、他方の管路に電動開閉バルブあるいは電動式流量調整バルブを有するか、あるいは、前記分岐部に各管路への流量を調整できる電動式流量調整バルブを有し、圧力容器からの排水管路に減圧機構を有し、圧力容器からの排水管路と前記圧力容器を有さない管路から別々に浴槽や足浴槽に送水するか、該圧力容器の下流で、しかも、減圧機構の下流で圧力容器からの排水管路と前記圧力容器を有さない管路を合流して浴槽や足浴槽に送水することを特徴とする請求項14〜24のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項26】
前記循環管路のいずれかの位置に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液や亜塩素酸ナトリウム水溶液、あるいは塩化物溶液を含む電解質を添加した後で無隔膜電解することにより生成した次亜塩素ナトリウム水溶液を添加する添加部を有し、該添加部には逆流防止機構を有することを特徴とする請求項14〜25のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項27】
浴槽水や足浴槽水をポンプにより浴槽や足浴槽から前記圧力容器に送水し、炭酸ガスを溶解した後、再び浴槽や足浴槽に戻す循環管路において、前記ポンプの下流で少なくとも2つ以上の管路に分岐する分岐部を有し、分岐部下流の一方の管路に圧力容器を有し、他方の管路に電動開閉バルブあるいは電動式流量調整バルブを有するか、あるいは、前記分岐部に各管路への流量を調整できる流量調整バルブを有し、通常は前記電動開閉バルブを開放するか、電動式流量調整バルブにより圧力容器を有さない管路への送水を行い、次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは亜塩素酸水溶液を添加する場合には、所定の時間だけ前記電動開閉バルブを閉じるか、所定の時間だけ前記電動式流量調整バルブにより浴槽水や足浴槽水を全て圧力容器へ送水し、前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは亜塩素酸水溶液の添加を、所定の時間間隔あるいは決められた時間に所定の時間だけ行う事を特徴とする請求項26に記載の炭酸泉生成装置
【請求項28】
圧力容器内に貯留する浴槽水や足浴槽水を所定の範囲の水位にする水位維持機構程が、浴槽水や足浴槽水を送水するポンプの下流で少なくとも2つ以上の管路に分岐する分岐部を有し、分岐部下流の一方の管路に圧力容器を有し、他方の管路に電動開閉バルブあるいは電動式流量調整バルブを有するか、あるいは、前記分岐部に各管路への流量を調整できる電動式流量調整バルブを有し、少なくとも該圧力容器内の2点の水位を検知する検知手段を有し、上部検知手段が水位を検知すると、前記電動開閉バルブを開放するか、あるいは電動式流量調整バルブにより圧力容器への送水を少なくし、下部検知手段が水位を検知すると、前記電動開閉バルブを閉鎖するか、あるいは電動式流量調整バルブにより圧力容器への送水を増やすことを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項29】
前記圧力容器からの排水管路の浴槽への出口部に前記絞りあるいは多孔質材の減圧部材を有し、該減圧部材が容易に着脱でき、洗浄および交換が出来ることを特徴とする請求項14〜28のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置
【請求項30】
浴槽水や足浴槽水をポンプにより浴槽や足浴槽から前記圧力容器に送水し、炭酸ガスを溶解した後、再び浴槽や足浴槽に戻す循環管路において、前記ポンプの下流で少なくとも2つ以上の管路に分岐する分岐部を有し、分岐部下流の一方の管路に圧力容器を有し、他方の管路に電動開閉バルブあるいは電動式流量調整バルブを有するか、あるいは、前記分岐部に各管路への流量を調整できる電動式流量調整バルブを有し、圧力容器からの排水管路の浴槽への出口部に前記減圧部材を有し、該減圧部材を有した出口部と、もう一方の管路の浴槽への出口部と、浴槽から浴槽水や足浴槽水を取込む給水口とさらに給水口直後に設けられたフィルターが、1つのユニットに収められており、該フィルターおよび減圧部材が容易に着脱できることを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載の炭酸泉生成装置

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−239353(P2006−239353A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99644(P2005−99644)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(000122483)
【出願人】(500235386)ヴィータ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】