説明

点滴計測用センサおよび点滴計測装置

【課題】 低コストでかつ小型化が可能であり、看護師等の計測作業が簡便かつ正確に行うことができる点滴計測装置を提供すること。
【解決手段】 自然落下式点滴セット2の点滴筒3に取り付け可能な点滴計測用センサ1であって、点滴筒3に取り付け可能な本体ケース4と、該本体ケース4に設けられ点滴筒3で自然落下する輸液の滴下又は滴下数を検知又は計測するセンサ部5と、を備え、本体ケース4が、点滴筒を収納可能な溝部4aと、該溝部4a内に設けられ点滴筒3の収納時に点滴筒3を着脱可能に嵌め込む弾性保持部材16と、を備え、センサ部5が、溝部4a内に収納状態の点滴筒3の両側に弾性保持部材16を避けた位置で互いに対向状態に配された発光部5Aと受光部5Bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然落下式の点滴セットにおける輸液の点滴速度を計測可能な点滴計測用センサおよび点滴計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院等において自然落下式の点滴セットを用いて点滴を行う場合、看護師が時計を見ながら点滴落下部である点滴筒における輸液の落下を目視して滴下数を計測し、この滴下数から点滴速度を計算して滴下数を調節している。この場合、滴下数の計測に手間がかかると共に、目視に依存するため、正確性に欠ける不都合がある。特に、夜間においては、暗闇中で懐中電灯等によって点滴筒を照らしながら計測を行うことから、手間が非常にかかると共に正確な計測が難しい。
【0003】
このため、点滴数を自動計測するセンサ部を備えた自動点滴速度調節装置や点滴の自動計測装置等が種々提案されていると共に、既に製品化もされている。例えば特許文献1には、点滴筒内で落下する輸液の滴下数を計測するセンサと、計測値を表示する表示部と、これらの演算処理を行うCPUと、これらに電力を供給するバッテリー等と、これらを全て内蔵した筐体と、からなる点滴液体の計測装置が提案されている。
【0004】
この装置では、筐体の一辺に形成され、点滴筒を受け入れ可能とし、点滴筒内で落下する点滴液体の単位時間当たりの落下数を計測するセンサをその内面に備えてなる凹部を備えており、点滴筒を凹部内の外周3点で保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3134916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、従来の特許文献1に記載の点滴の自動計測装置では、点滴筒を凹部内において外周3点で保持して位置決めを図っているが、患者が動いた際の振動等により位置ずれが生じて正確な計測ができないという不都合があった。また、凹部内の外周3点で点滴筒を保持するのみでは上下方向での位置決めができず、設置時に看護師等が上下位置を調整する手間が必要であった。特に、点滴筒はメーカーによって形状に差異があり、適切な位置に確実に固定することが困難であった。また、何種類かのアダプタを用意して適切なものを選択し交換する方法もあるが、アダプタの選択および交換の煩わしい手間が必要になり、看護師等の計測作業の効率低下を招いてしまう。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、点滴筒の取り付けおよび位置決めが容易であると共に、位置ずれが生じ難く高精度に点滴量を計測可能な点滴計測用センサおよび点滴計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の点滴計測用センサは、自然落下式点滴セットの点滴筒に取り付け可能な点滴計測用センサであって、前記点滴筒に取り付け可能な本体ケースと、該本体ケースに設けられ前記点滴筒で自然落下する輸液の滴下又は滴下数を検知又は計測するセンサ部と、を備え、前記本体ケースが、前記点滴筒を収納可能な溝部と、該溝部内に設けられ前記点滴筒の収納時に前記点滴筒を着脱可能に嵌め込む弾性保持部材と、を備え、前記センサ部が、前記溝部内に収納状態の前記点滴筒の両側に、前記弾性保持部材を避けた位置で互いに対向状態に配された発光部と受光部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の点滴計測装置は、上記本発明の点滴計測用センサと、前記センサ部で検知又は計測した前記滴下又は滴下数に基づいて点滴速度を算出する演算部と、算出した前記点滴速度を表示する表示部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
これらの点滴計測用センサおよび点滴計測装置では、本体ケースが、点滴筒を収納可能な溝部と、該溝部内に設けられ点滴筒の収納時に点滴筒を着脱可能に嵌め込む弾性保持部材と、を備えているので、点滴筒を溝部内の弾性保持部材に嵌め込むことでワンタッチで着脱でき、容易に取り付け可能であると共に、弾性保持部材で確実に前後左右に位置決めおよび保持されることで振動等によって位置ずれが生じ難い。また、センサ部が、溝部内に収納状態の点滴筒の両側に、弾性保持部材を避けた位置で互いに対向状態に配された発光部と受光部とを備えているので、溝部内に点滴筒が収納されると点滴筒に対するセンシング位置も正確にセットされ、正確な計測が可能になる。すなわち、発光部からの光が滴下によって遮断されたことで滴下を受光部が検知し、滴下数をカウントする光センサとしてセンサ部が機能するが、振動等を受けても点滴筒と発光部と受光部との位置関係にずれが生じ難いため、滴下を正確に検知することができる。なお、発光部および受光部が弾性保持部材を避けて設置されているので、滴下の計測に弾性保持部材が邪魔になることがない。
【0011】
また、本発明の点滴計測用センサは、前記本体ケースが、前記溝部の上端部に設けられ前記溝部に前記点滴筒を収納した際に前記点滴筒の上端面に当接可能な上部位置決め部を有していることを特徴とする。
すなわち、この点滴計測用センサでは、本体ケースが、溝部の上端部に設けられ溝部に点滴筒を収納した際に点滴筒の上端面に当接可能な上部位置決め部を有しているので、点滴筒を弾性保持部材に嵌め込んで取り付ける際に点滴筒の上端面を上部位置決め部に当接状態とすることで、前後左右だけでなく上下方向も容易に位置決めを行うことができる。
【0012】
また、本発明の点滴計測用センサは、前記本体ケースの上面が、前記溝部の上端部から外方に向けて下方に傾いた傾斜面とされていることを特徴とする。
すなわち、この点滴計測用センサでは、本体ケースの上面が、溝部の上端部から外方に向けて下方に傾いた傾斜面とされているので、万一、本体ケースの上面上に薬液が漏れた場合でも、傾斜面とされた上面を伝わって外側に薬液が落ちることから液だれした薬液が溝部内に入ることを抑制できる。したがって、薬液の滴が点滴筒の外周面に付着したり、センサ部へ悪影響を及ぼしたりすることを防止できる。
【0013】
また、本発明の点滴計測用センサは、前記センサ部が、前記溝部の内壁に互いの一端が対向状態に配され前記発光部からの出射光を透過または導光する発光側光路ガイドおよび受光側光路ガイドを備え、前記発光部が、前記発光側光路ガイドの他端に設置されていると共に、前記受光部が、前記受光側光路ガイドの他端に設置されていることを特徴とする。
すなわち、この点滴計測用センサでは、発光部が、発光側光路ガイドの他端に設置されていると共に、受光部が、受光側光路ガイドの他端に設置されているので、発光部および受光部が直接、溝部内に露出している場合に比べて外乱光の影響を抑制することができ、より正確な計測が可能になる。特に、安価であるが外乱光の影響を受けやすい波長850nmのLEDを発光部に採用し、赤外線受光センサを受光部に採用した場合に、好適である。また、発光部および受光部が溝部に露出していないため、発光部および受光部が汚れて検出能力が低下することを防ぐことができる。
【0014】
また、本発明の点滴計測用センサは、前記溝部が、前記点滴筒の全体を収納可能な長さに設けられていることを特徴とする。
すなわち、この点滴計測用センサでは、溝部が、点滴筒の全体を収納可能な長さに設けられているので、点滴筒全体が溝部内に入り込むことでセンサ部に対する外乱光の影響を抑制することができる。
【0015】
また、本発明の点滴計測装置は、前記演算部および前記表示部が、前記本体ケースに設けられていることを特徴とする。
すなわち、この点滴計測装置では、演算部および表示部が本体ケースに設けられているので、点滴計測用センサと演算部と表示部とが本体ケースに一体化されており、持ち運び性に優れ、持ち物が多い看護師等の利便性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の点滴計測装置は、前記演算部および前記表示部が、前記点滴計測用センサとは別体の制御部本体に設けられ、前記センサ部で検知又は計測した前記滴下又は滴下数を滴下信号として前記の制御部本体に有線送信または無線送信する情報送信機能を、備えていることを特徴とする。
すなわち、この点滴計測装置では、演算部および表示部が、点滴計測用センサとは別体の制御部本体に設けられ、情報送信機能により滴下信号を制御部本体に有線送信または無線送信するので、別体として分離した点滴計測用センサのみを点滴筒に取り付けると共に、制御部本体を点滴台に取り付けることができ、点滴筒への負荷を軽くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る点滴計測用センサおよび点滴計測装置によれば、本体ケースが、点滴筒を収納可能な溝部と、該溝部内に設けられ点滴筒の収納時に点滴筒を着脱可能に嵌め込む弾性保持部材と、を備えているので、点滴筒をワンタッチで着脱できると共に、確実かつ簡便に位置決めおよび保持可能で、振動等による位置ずれを抑制することができる。また、センサ部が、溝部内に収納状態の点滴筒の両側に弾性保持部材を避けた位置で互いに対向状態に配された発光部と受光部とを備えているので、点滴筒に対するセンシング位置も正確にセットされ、正確な計測が可能になる。
したがって、本発明の点滴計測用センサおよび点滴計測装置を採用すれば、点滴に関し、看護業務の効率化、合理化及び安全性の向上、医療過誤の防止等を低コストで図ることができ、看護師等の負担を軽減して看護の品質を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る点滴計測用センサおよび点滴計測装置の第1実施形態において、点滴筒に装着した点滴計測装置を示す内部を透視して図示した正面図である。
【図2】第1実施形態において、点滴筒に装着した点滴計測装置を示す上面図である。
【図3】第1実施形態において、丸型(a)と角形(b)との2種類の弾性保持部材を示す上面図である。
【図4】第1実施形態において、点滴計測装置による計測方法を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態において、点滴計測装置による計測方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る点滴計測用センサおよび点滴計測装置の第2実施形態において、点滴筒に装着した点滴計測用センサを示す内部を透視して図示した正面図である。
【図7】第2実施形態において、点滴台支柱に装着した制御部本体を示す正面図である。
【図8】第2実施形態において、点滴台支柱に装着した制御部本体を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る点滴計測用センサおよび点滴計測装置の第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
【0020】
本実施形態の点滴計測装置10は、図1および図2に示すように、自然落下式点滴セット2の点滴筒3に取り付け可能な点滴計測用センサ1と、該点滴計測用センサ1のセンサ部5で検知又は計測した滴下又は滴下数に基づいて点滴速度を算出するCPU等からなる演算部6と、算出した点滴速度を表示する滴下量表示灯(表示部)7と、を備え、これらが本体ケース4に設けられている。
上記点滴計測用センサ1は、点滴筒3に取り付け可能な上記本体ケース4と、該本体ケース4に設けられ点滴筒3で自然落下する薬液(輸液)Lの滴下又は滴下数を検知又は計測する上記センサ部5と、を備えている。
【0021】
また、点滴計測装置10は、滴下したときに点灯する滴下確認ランプ8と、液切れ時に警報を発すると共に点灯する警報ブザー9および警報ランプ11Bと、電源電圧が所定以下に下がった場合に点灯する電源電圧警報ランプ11Aと、これらを制御して装置の動作制御を担うと共に演算部6が設けられた電装基盤12と、電源をON/OFFする電源スイッチ13と、を本体ケース4に備えている。
【0022】
上記点滴セット2は、例えば、薬液Lが封入された薬液バッグ14と、該薬液バッグ14のスパイク挿入口14aにスパイク3aを突き刺して接続された点滴筒3と、を備えている。なお、他の点滴セットとしては、薬液等を入れた薬液ビンと、該薬液ビンの下端に一端が接続され他端が患者の腕等に接続された輸液チューブと、該輸液チューブの途中に設けられた点滴筒と、で構成されたものでも構わない。
【0023】
上記スパイク挿入口14aは、ゴムなどのエラストマー材料でできており、点滴筒3に一体化して取り付けられたスパイク3aをスパイク挿入口14aに突き刺し、内部の薬液Lを点滴筒3に導くようになっている。なお、スパイク3aと点滴筒3との間に、ビニール製のチューブが介在したものでも構わない。この点滴筒3の先は、輸液管である点滴チューブT、注射針(図示略)とつながり、患者の血管に挿入される。
【0024】
このように、患者への輸液の準備ができたところで、点滴チューブTに取り付けられた点滴量調節装置で、点滴チューブTをつぶし、つぶし加減を調節して、滴下量(注入量)を調節する。
なお、上記点滴筒3は、自然落下する輸液Lの滴下を視認可能に透明な円筒形状とされている。
【0025】
上記本体ケース4は、点滴筒3を収納可能な溝部4aと、該溝部4a内に設けられ点滴筒3の収納時に点滴筒3を着脱可能に嵌め込む弾性保持部材16と、を備えている。
この本体ケース4は、溝部4aの上端部に設けられ溝部4aに点滴筒3を収納した際に点滴筒3の上端面に当接可能な上部位置決め部4bを有している。
また、本体ケース4の上面4cは、溝部4aの上端部から外方に向けて下方に傾いた傾斜面とされている。
上記溝部4aは、点滴筒3の全体を収納可能な長さに設けられている。
【0026】
上記センサ部5は、溝部4a内に収納状態の点滴筒3の両側に、弾性保持部材16を避けた位置で互いに対向状態に配された発光部5Aと受光部5Bとを備えている。
このセンサ部5は、発光部5Aからの光が滴下によって遮断されたことで滴下を受光部5Bで検知し、滴下数をカウントする光センサである。
このセンサ部5は、溝部4aの内壁に互いの一端が対向状態に配され発光部5Aからの出射光を透過または導光する発光側光路ガイド17Aおよび受光側光路ガイド17Bを備えている。そして、発光部5Aが、発光側光路ガイド17Aの他端に設置されていると共に、受光部5Bが、受光側光路ガイド17Bの他端に設置されている。
【0027】
すなわち、溝部4aの両サイド(対向する内面)には、点滴を検知するために光を通過させるための小穴が開けられ、片側には発光側光路ガイド17Aが配置され、もう一方には、受光側光路ガイド17Bが配置されている。発光側光路ガイド17Aと受光側光路ガイド17Bとの中心線Kは、一致し、取り付けられた点滴筒3の中心線と直角に交わるように配置されている。
上記発光側光路ガイド17Aの内面は、金属表面のような光沢があるのが望ましいが、白色系の明るい色でも良い。また、発光側光路ガイド17Aの端部には、発光部5Aが点滴筒3の方向に発光方向を向けて取り付けられている。
【0028】
上記受光側光路ガイド17Bの内面は、つやのない黒系統の暗い色で仕上げることが好ましい。また、受光側光路ガイド17Bの端部には、受光部5Bが点滴筒3の方向に受光面を向けて取り付けられている。
発光側光路ガイド17Aの一端から発光部5Aの先端までは、発光部5Aの発光面直径の1倍から3倍程度の距離に設定することが好ましい。この設定によって、有効的にLEDの発光部5Aから発せられた光を受光側に照射することができる。
【0029】
また、受光側光路ガイド17Bの一端から受光部5Bの先端までは、受光部5Bの受光面直径の1.5倍〜3倍程度の距離に設定することが好ましい。この設定によって、発光部5Aから発せられる光以外の外光或いは外乱光が受光部5Bまで到達しづらく、より正確な測定が可能となる。また、このように発光部5Aおよび受光部5Bを本体ケース4の奥に配置することによって、薬液Lやダストなどで発光部5Aや受光部5Bが汚され難くなることも利点である。これらの距離は、長いほど光の強度が減衰するので、長すぎても計測精度が低下するため、上記の適切な範囲内に設定される。
【0030】
上記発光部5Aは、例えば安価な近赤外線波長領域を発光する赤外線LEDが採用される。このLEDは、発光波長が800〜1000nmの一般的な安価な近赤外線域のLEDであり、例えば、本実施形態では、波長850nmのLEDを発光部5Aとして採用している。同様に、受光部5Bは、検知波長が800〜1000nmの一般的な安価な受光センサである。
【0031】
発光側光路ガイド17Aおよび受光側光路ガイド17Bの中心線Kから点滴筒3の滴下口までの距離Aは、2mm〜10mmが良く、4mm〜6mmが最適である。距離Aの寸法をこの範囲よりも大きく設定すると、滴の落下スピードが増し、発光部5Aの光を液滴が遮断する時間がごく短時間となってしまい、検知ミスが発生するためである。逆に小さくし過ぎると、液滴の動きが緩やかで検知しやすいが、主たる液滴以外の滴を検知したり、次の滴が落ちかかけた状態を検知したりで、一滴を2滴、3滴に検知してしまうことがあるためである。
【0032】
なお、より波長の長い特定周波数の狭い波長帯域の光を発する発光部5Aと、特定周波数のみ反応する受光部5Bとを組み合わせれば、外乱光に強いセンシングが可能であるが、このような発光部5Aや受光部5Bでは非常に高価となってしまうため、上述した波長に対応した発光部5Aおよび受光部5Bが好ましい。このような安価な発光部5Aおよび受光部5Bであっても、発光側光路ガイド17Aおよび受光側光路ガイド17Bと発光部5Aおよび受光部5Bとの配置を適切に保つことによって、充分に精度のよい計測が可能である。
【0033】
上記本体ケース4は、前面パネルと背面パネルとで囲われた構造を有している。
上記溝部4aは、本体ケース4の前面パネル側の中央に、点滴筒3が充分収まる程度の凹部として形成されている。
この溝部4aの下端は開放されていると共に、上端は上部位置決め部4bが形成されて一部を除いて閉塞されている。すなわち、上部位置決め部4bの中央部には、スパイク3a或いはチューブが通過できる程度の切り欠き部4dが形成されている。
【0034】
この切り欠き部4dは、点滴筒3を溝部4a内の弾性保持部材16に嵌め込んだとき、発光部5Aと受光部5Bとを結ぶ光軸の中心線K(発光側光路ガイド17Aと受光側光路ガイド17Bとの中心線K)に、点滴筒3の中心が一致する位置になる深さまで切り込んで形成されている。
【0035】
上記弾性保持部材16は、溝部4a内に上下に2つ設けられているが、1つまたは3つ以上設定しても構わない。
これら弾性保持部材16は、図3の(a)に示すように、断面半円形状に曲がった一対の板バネ部16aが互いに向かい合った状態に形成された板バネ部材、または図3の(b)に示すように、断面くの字状に曲がった一対の板バネ部16aが互いに向かい合った状態に形成された板バネ部材等が採用される。この弾性保持部材16の板バネ部16aが向き合った間の空間は、点滴筒3の非取り付け時では、点滴筒3の直径より小さな寸法となっている。
【0036】
したがって、点滴筒3を溝部4a内に押し込むと、一対の板バネ部16aを左右に押し広げるようにして弾性保持部材16内に点滴筒3が収まり、挟持されるようになっている。このとき、点滴筒3は、弾性保持部材16内の空間に収まり、前後左右に固定されると共に、点滴筒3の上部は上部位置決め部4bに当接した位置で上下位置が固定される。なお、一対の板バネ部16aの先端部は、点滴筒3の挿入時に押されて左右に開くように外側に曲げられている。
【0037】
点滴計測装置10に供給される電源は、装置下部に配置された電源コネクタ17から取り込まれる。ここに接続される接続端子は、AC100Vを用いるAC−DC電源でも良く、電池電源からでも構わない。なお、電池電源(電池ボックス)からは、AC−DC電源と同等の接続端子をもつコードを出しておき、電源を選択可能にしておくことが好ましい。
【0038】
上記電源スイッチ13は、使用開始時にONとし、これによって演算部6が設けられた電装基盤12に通電され、点滴の計測が始まるように設定されている。なお、看護の作業中は、手が濡れている場合もあり、電源スイッチ13の表面は、防水カバー13aを施すことが好ましい。
上記電源電圧警報ランプ11Aは、電池電圧が、動作可能電圧の下限に近づいたときに発光するように設定され、発光した際に、電池を交換するか、AC−DCアダプタに電源を交換することを看護師等に促すものである。
【0039】
上記警報ブザー9は、所定時間内に、滴下を検知しなかったとき発報するブザーである。患者の体勢等で一時的に点滴は止まることがあるので、即座には警報は出さない設定とされているが、薬液Lが停止することによって、血液が凝固してしまい、薬液Lを再度流せなくなる可能性があるので、5分以内には、警報を発する必要があり、本実施形態では、1〜4分の間で警報を発するように設定されている。
【0040】
上記滴下確認ランプ8は、液滴が、発光部5Aの光を遮った信号により発光するように設定されている。この滴下確認ランプ8の点灯によって、夜間でもどのような間隔で落ちているのか、ベテランの看護師等では直感でき、液量の変更時などは、液量の表示を待たずに、狙った流量近辺に調節しやすくなる。
【0041】
上記滴下量表示灯7は、暗い場所でも明瞭に見えるLEDやLCDの7セグメント表示が使われ、1時間あたりの滴下量をmlで表示可能である。看護師等は、時間単位で、終了時刻や、点滴速度を予想しているので、mlで表示することが良いが、これはユーザーの要望によって、別な単位で表示させても構わない。この滴下量表示灯7は、流量だけでなく、異常発生時の警告表示としても使用可能である。例えば、流量が、規定した閾値を外れた場合に、点滅させたり、あらかじめ決定したエラーコードを表示させたりすることが可能になっている。
【0042】
次に、本実施形態の点滴計測装置10における滴下量の計測方法について、図4および図5のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
まず、図5に示すように、患者へ点滴の準備を完了し、点滴を開始したあと(ステップS01)、点滴計測装置10を点滴筒3に、図1のように取り付ける(ステップS02)。そして、点滴計測装置10を電源スイッチ13によりONにすると(ステップS03)、発光部5Aが点灯し、計測が始まる(ステップS04)。
【0044】
液滴が落下し、発光部5Aの光が寸断されると受光部5Bは、光検知がOFF状態となり(ステップS05)、これを滴下検知として演算部6に記憶される(ステップS06)。また、同時に、滴下確認ランプ8が点灯する(ステップS07)。なお、短時間に(例えば200msec以内)に二つ以上の光検知がOFF状態になった場合は、1つの滴下検知として演算部6に記憶される(ステップS08)。
【0045】
次に、滴下検知がn回行われると、演算部6で滴下量が演算される(ステップS09)。1滴目からn滴目までの時間経過をt秒とすると20滴で1mlの点滴筒3では、流量Mは、次の式で算出される。
【数1】

【0046】
また、60滴で1mlの点滴筒3では、次の式で算出される。
【数2】

なお、計測のn滴は、正確性を重視すれば、多い滴数にし、早い計測表示を望むなら、3〜1滴とすればよい。
電源投入時は、まず2滴を検知したら上式による演算値の表示を開始し、滴数を検知するごとに、nの値を変更して演算値を表示し、所定の滴数nに達したら、n値をnに固定してn滴前からの時間経過tをもとに上式により計測・表示を継続する。
【0047】
この演算の結果は、滴下量表示灯7に表示される(ステップS11)。この表示は、一桁ずつ順次点灯させて電池の消耗を防ぐように設定されている。なお、見た目には、点滅しているように見えないよう、点灯の周期は短く設定されている。
以降、滴下検知するごとに、n−1滴前の滴下検知からの時間をtとして、上式によって滴下量を更新して、演算値を表示する。
【0048】
なお、図5に示すように、演算の結果が基準の流量(演算値閾値)以上だった場合(ステップS10)は、流量の異常表示を行って(ステップS12)、所定の時間内(ステップS13)に流量調節を行って(ステップS14)、基準の流量以下になれば、滴下量表示灯7に流量が表示される(ステップS11)。
また、所定の時間内(ステップS13)に正しく調節されないと、警報を発する(ステップS15)。
【0049】
また、計測中に、3分間の間、滴下の検知がない場合(ステップS16)は、滴下停止とみなして、警報を発する(ステップS15)。この後、点滴計測装置10を電源スイッチ13によりOFF状態とすることで計測がリセットされ(ステップS17)、警報も解除される(ステップS18)。
なお、常時、電源電圧を監視しており、規定の電圧以下になったら(ステップS19)、電源電圧警報ランプ11Aを点滅させる(ステップS20)。
最後に、計測を終了する際には、電源スイッチ13により点滴計測装置10の電源をOFFにして終了する(ステップS21)。
【0050】
このように本実施形態の点滴計測用センサ1およびこれを備えた点滴計測装置10では、本体ケース4が、点滴筒3を収納可能な溝部4aと、該溝部4a内に設けられ点滴筒3の収納時に点滴筒3を着脱可能に嵌め込む弾性保持部材16と、を備えているので、点滴筒3を溝部4a内の弾性保持部材16に嵌め込むことでワンタッチで着脱でき、容易に取り付け可能であると共に、弾性保持部材16で確実に前後左右に位置決めおよび保持されることで振動等によって位置ずれが生じ難い。
【0051】
また、センサ部5が、溝部4a内に収納状態の点滴筒3の両側に弾性保持部材16を避けた位置で互いに対向状態に配された発光部5Aと受光部5Bとを備えているので、溝部4a内に点滴筒3が収納されると点滴筒3に対するセンシング位置も正確にセットされ、正確な計測が可能になる。すなわち、発光部5Aからの光が滴下によって遮断されたことで滴下を受光部5Bが検知し、滴下数をカウントする光センサとしてセンサ部5が機能するが、振動等を受けても点滴筒3と発光部5Aと受光部5Bとの位置関係にずれが生じ難いため、滴下を正確に検知することができる。なお、発光部5Aおよび受光部5Bが弾性保持部材16を避けて設置されているので、滴下の計測に弾性保持部材16が邪魔になることがない。
【0052】
また、本体ケース4が、溝部4aの上端部に設けられ溝部4aに点滴筒3を収納した際に点滴筒3の上端面に当接可能な上部位置決め部4bを有しているので、点滴筒3を弾性保持部材16に嵌め込んで取り付ける際に点滴筒3の上端面を上部位置決め部4bに当接状態とすることで、前後左右だけでなく上下方向も容易に位置決めを行うことができる。
さらに、本体ケース4の上面4cが、溝部4aの上端部から外方に向けて下方に傾いた傾斜面とされているので、万一、本体ケース4の上面4c上に薬液Lが漏れた場合でも、傾斜面とされた上面4cを伝わって外側に薬液Lが落ちることから液だれした薬液Lが溝部4a内に入ることを抑制できる。したがって、薬液Lの滴が点滴筒3の外周面に付着したり、センサ部5へ悪影響を及ぼしたりすることを防止できる。
【0053】
また、発光部5Aが、発光側光路ガイド17Aの他端に設置されていると共に、受光部5Bが、受光側光路ガイド17Bの他端に設置されているので、発光部5Aおよび受光部5Bが直接、溝部4a内に露出している場合に比べて外乱光の影響を抑制することができ、より正確な計測が可能になる。特に、安価であるが外乱光の影響を受けやすい波長850nmのLEDを発光部5Aに採用し、赤外線受光センサを受光部5Bに採用した場合に、好適である。また、発光部5Aおよび受光部5Bが溝部4aに露出していないため、発光部5Aおよび受光部5Bが汚れて検出能力が低下することを防ぐことができる。
【0054】
また、溝部4aが、点滴筒3の全体を収納可能な長さに設けられているので、点滴筒3全体が溝部4a内に入り込むことでセンサ部5に対する外光や外乱光の影響を抑制することができる。
そして、この点滴計測装置10では、演算部6および滴下量表示灯7が本体ケース4に設けられているので、点滴計測用センサ1と演算部6と滴下量表示灯7とが本体ケース4に一体化されており、持ち運び性に優れ、持ち物が多い看護師等の利便性を向上させることができる。
【0055】
さらに、本実施形態の点滴計測装置10では、以下のような効果を有している。
本実施形態では、滴下量表示灯7が一桁ずつ点滅するために、電池の消耗を最小限にすることができる。
また、電源コネクタ17を備えているために、電池またはAC−DCアダプタから電源の供給を受けることができる。このため、電池を内蔵せず、軽量で、点滴チューブTの外れ等のおそれが最小限に抑えることができる。また、就寝中は、AC電源より電力を供給し、トイレなどの移動中は、電池電源による供給に切り替えて、使い分けができ、電池の交換時期を延ばすことができる。
【0056】
また、滴下検知の滴下数とその間の時間とから滴下数を演算して滴下量を算出すると共に、これを滴下ごとに、継続的に表示するため、リアルタイムで流量が確認でき、待ち時間を少なくできる。
また、液切れ警報機能を備えるため、万一の液滴の停止に対して早期の対応ができる。
さらに、電源電圧警報機能を備えるため、動作が停止する前に電池の交換ができる。
【0057】
また、滴下ごとに発光する滴下確認ランプ8を備えるため、使用者が滴下量の表示を待たずに、おおよその滴下量の予測ができる。
さらに、滴下したときの信号を検知したあと、短時間内の光の遮断は、1滴の滴下とみなすため、滴のはね返りや、次の滴の落ちかけなどによる誤検知を防ぐことができる。
【0058】
次に、本発明に係る点滴計測用センサおよび点滴計測装置の第2実施形態について、図6から図8を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0059】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態の点滴計測装置10では、演算部6および滴下量表示灯7が本体ケース4に設けられて点滴計測用センサ1と一体化されているのに対し、第2実施形態の点滴計測装置では、図6から図8に示すように、演算部6および滴下量表示灯7が、点滴計測用センサ21とは別体の制御部本体24に設けられている点である。
【0060】
すなわち、第2実施形態の点滴計測装置は、センサ部5で検知又は計測した滴下又は滴下数を滴下信号として制御部本体24に有線送信する情報送信機能を備えている。
この点滴計測装置は、点滴計測用センサ21が別体として点滴筒3に取り付けられていると共に、制御部本体24が点滴台支柱100に取り付けられ、電源供給線と信号線とからなる接続線22で互いに有線接続されている。
【0061】
上記点滴計測用センサ21には、接続線22の接続用コネクタ22aが本体ケース4の側面に設けられており、この接続用コネクタ22aと発光部5および受光部5Bとは内部配線22bで接続されている。したがって、制御部本体24の演算部6により接続線22を介して発光部5Aの発光が制御され、受光部5Bで検知した信号は接続線22を介して演算部6へ送信される。
【0062】
上記制御部本体24は、点滴台支柱100が着脱可能に嵌め込まれる取り付け用キャッチャー25Aを、制御部ケース25の背面パネルに備えている。また、この制御部本体24には、演算部6、滴下量表示灯7、電源スイッチ13、電源電圧警報ランプ11A、警報ランプ11B、電源コネクタ17、滴下確認ランプ8、滴下量表示灯7、警報ブザー9、電装基盤13および電池Bが設けられている。
なお、第1実施形態でも説明したように、点滴チューブTの途中には滴下量調節装置35が取り付けてあり、回転つまみ35aを回転つまみ軸を中心に回動させることで、点滴チューブTのつぶし量を調節して滴下量を調節可能になっている。
【0063】
このように第2実施形態の点滴計測装置では、演算部6および滴下量表示灯7が、点滴計測用センサ21とは別体の制御部本体24に設けられ、情報送信機能により滴下信号を制御部本体24に有線送信するので、別体として分離した点滴計測用センサ21のみを点滴筒3に取り付けると共に、制御部本体24を点滴台支柱100に取り付けることができ、点滴筒3への負荷を軽くすることができる。
【0064】
なお、第2実施形態の他の例として、センサ部からの滴下信号を制御部本体に無線送信する情報送信機能を備えた点滴計測装置を採用しても構わない。
例えば、点滴計測用センサに、滴下信号を無線送信するRFID(Radio Frequency Identification)タグ部を設け、制御部本体に、電磁誘導又は電磁結合によりRFIDタグ部と交信して滴下信号を受信するRFIDリーダ部を設けて、互いに無線通信させても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の点滴計測用センサおよび点滴計測装置は、自然落下式の点滴セットにおける輸液の点滴速度を計測するものである。特に、今後の少子高齢化社会に備えたものであり、医療現場の看護師達の精神的・肉体的重労働の軽減につながり、看護業務の効率化、安全性、医療過誤の防止などに大きく貢献できるものである。また、経管栄養用の点滴チェッカー装置としても、病院だけでなく、介護福祉施設にも使用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1,21…点滴計測用センサ、2…自然落下式点滴セット、3…点滴筒、4…本体ケース、4a…溝部、4b…上部位置決め部、4c…本体ケースの上面、5…センサ部、5A…発光部、5B…受光部、10…点滴計測装置、16…弾性保持部材、17A…発光側光路ガイド、17B…受光側光路ガイド、24…制御部本体、L…薬液(輸液)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然落下式点滴セットの点滴筒に取り付け可能な点滴計測用センサであって、
前記点滴筒に取り付け可能な本体ケースと、
該本体ケースに設けられ前記点滴筒で自然落下する輸液の滴下又は滴下数を検知又は計測するセンサ部と、を備え、
前記本体ケースが、前記点滴筒を収納可能な溝部と、
該溝部内に設けられ前記点滴筒の収納時に前記点滴筒を着脱可能に嵌め込む弾性保持部材と、を備え、
前記センサ部が、前記溝部内に収納状態の前記点滴筒の両側に、前記弾性保持部材を避けた位置で互いに対向状態に配された発光部と受光部とを備えていることを特徴とする点滴計測用センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の点滴計測用センサにおいて、
前記本体ケースが、前記溝部の上端部に設けられ前記溝部に前記点滴筒を収納した際に前記点滴筒の上端面に当接可能な上部位置決め部を有していることを特徴とする点滴計測用センサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の点滴計測用センサにおいて、
前記本体ケースの上面が、前記溝部の上端部から外方に向けて下方に傾いた傾斜面とされていることを特徴とする点滴計測用センサ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の点滴計測用センサにおいて、
前記センサ部が、前記溝部の内壁に互いの一端が対向状態に配され前記発光部からの出射光を透過または導光する発光側光路ガイドおよび受光側光路ガイドを備え、
前記発光部が、前記発光側光路ガイドの他端に設置されていると共に、前記受光部が、前記受光側光路ガイドの他端に設置されていることを特徴とする点滴計測用センサ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の点滴計測用センサにおいて、
前記溝部が、前記点滴筒の全体を収納可能な長さに設けられていることを特徴とする点滴計測用センサ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の点滴計測用センサと、
前記センサ部で検知又は計測した前記滴下又は滴下数に基づいて点滴速度を算出する演算部と、算出した前記点滴速度を表示する表示部と、を備えていることを特徴とする点滴計測装置。
【請求項7】
請求項6に記載の点滴計測装置において、
前記演算部および前記表示部が、前記本体ケースに設けられていることを特徴とする点滴計測装置。
【請求項8】
請求項6に記載の点滴計測装置において、
前記演算部および前記表示部が、前記点滴計測用センサとは別体の制御部本体に設けられ、
前記センサ部で検知又は計測した前記滴下又は滴下数を滴下信号として前記の制御部本体に有線送信または無線送信する情報送信機能を、備えていることを特徴とする点滴計測装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−206082(P2011−206082A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73907(P2010−73907)
【出願日】平成22年3月27日(2010.3.27)
【出願人】(508096149)フジファルマ株式会社 (2)
【出願人】(590002389)静岡県 (173)
【Fターム(参考)】