説明

点火ユニットのための固定装置及び炭素析出装置

本発明は、点火ユニット(20)のための固定装置及び炭素析出装置に関する。点火ユニットのための固定装置は、第1及び第2のホルダ(85,90)を有しており、この場合、前記点火ユニット(20)は2つのホルダ(85,90)間に配置されていて、これらのホルダ(85,90)は少なくとも1つの固定手段(95)によって結合されている。この場合、第1のホルダ(85)は、第1のホルダ(85)の長手方向軸線(105)に対して0゜〜45゜の間の角度(110)を有する平面(100)を有している。点火ユニット(20)は、点火ユニット(20)の端面側(55)が前記平面(100)に対して直角を形成するように、配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点火ユニットのための固定装置及び炭素析出装置に関する。
【0002】
工作物、特に摩擦学的に強く負荷されると同時に、付加的に多重負荷例えば温度又はキャビテーションにさらされる構成部材をコーティングするために、多くの物理的な析出法が公知である。プラズマコーティング技術の分野から、金属及び水素を含有しない炭素層(いわゆる四面体構造で並列配置されたアモルファス炭素、ta−c)が挙げられる。スパッター又はアーク蒸着によってグラファイトターゲットを析出する。
【0003】
しかしながらスパッター法は、低い析出率を特徴としているので、この方法は、経済的な利用には適していない。
【0004】
アーク蒸着法においては、典型的な形式で、蒸着しようとする材料がカソード(陰極)電位にさらされ、これに対してアノード(陽極)として特別な電極が設けられているか、又はコーティング室の壁部も陽極として用いられる。ターゲット材料を蒸着するために、アノードとカソードとの間にアーク放電が点火され、このアーク放電は、ターゲット材料が気相に移行し、工作物上に析出する程度に強く、カソードを局所的に焦点上で(カソード上の焦点で分かる)加熱する。アノードとカソードとの間のアーク放電を生ぜしめるために点火装置が必要となる。
【0005】
可動な点火装置以外に、ターゲットカソードの近くに不動に配置された複数の点火電極も公知である。これらの点火電極間でアーク放電が点火され、次いでこのアーク放電は点火電極からアノードに移行する。
【0006】
コントロールされた炭素のdcアーク蒸着は困難であると分かった。何故ならばアーク放電の焦点は、ターゲットの箇所で焼き付き、焼き切れる可能性があるからである。蒸着時にいわゆる液滴(マクロ粒子)が、工作物上に視覚的な粗さを生ぜしめる。従って、このような方法も限定的にしか用いることができない。
【0007】
これに対して、パルス化されたアーク放電においては、アノードとカソードとの間の電圧はパルス状に印加され、これによって、ターゲット上の焦点は、dcアーク蒸着に対して約100倍の速度に加速され、それによって焼き付きが避けられる。パルス化されたアーク放電は、一般的に、ミリ秒(msec)の範囲のパルス長さを有しており、それによって放電は、点火箇所の空間的な近傍に限定される。
【0008】
従って、パルス化されたアーク放電の技術を大面積のターゲットに適用する場合、多数の個別の点火源を有する構成が好都合となる。
【0009】
RU2153782C1によれば、工作物に炭素層を塗布するための炭素プラズマパルス源が公知である。この炭素プラズマパルス源は、特にグラファイトカソード、アノード、容量性のメモリー回路、及びグラファイトカソードの外周面に配置された少なくとも2つの点火ユニットとを有している。このような配置によって、1つだけの点火ユニットを備えた装置と比較して、炭素層をコーティングした領域を拡大することができ、それと同時に工作物に塗布した層の厚さをより均一にすることができる。点火ユニットは、それぞれロッド状の金属電極と、リング状のグラファイト電極とから成っている。これらの電極は、それぞれ点火カソード若しくは点火アノードとして用いられる。点火カソードと点火アノードとの間に、誘電材料より成るリングが配置されており、この場合、誘電材料は、ターゲットカソードに向いた側が導電性の材料によってコーティングされている。この場合、各点火ユニットの長手方向軸線は、ターゲットカソードの作業面の、アーク放電の開始時に設けられた相応の領域に向けられている。このような配置によって、点火が行われる端面側を備えた点火ユニットは、ターゲットカソードに対して所定の角度を成して傾斜される。
【0010】
例えば機能しなくなった点火ユニットを新しい点火ユニットと交換することが必要になった場合、新しい点火ユニットを組み付ける際に、初期の配置が再び得られるように注意する必要がある。このために特に、点火ユニットをターゲットカソードに対して所定の角度で正しく傾ける必要がある。
【0011】
しかしながら、上記従来技術からは、点火ユニットの所望の傾斜をどのようにして得るかについては記載されていない。実際には、点火ユニットの所望の傾斜が簡単かつ迅速に得られ、特に点火ユニットの交換後に傾斜を新たに調整する必要がないようにすることが望まれている。交換された点火ユニットを後から調整するためには、コーティング装置の運転中における多大な時間的コスト及び保守整備コストがかかる。
【0012】
発明の利点
本発明による、点火ユニットのための固定装置及び炭素析出装置は、点火ユニットの簡単な交換が可能であって、しかもこの際に、新たに組み込まれた点火ユニットの、組み込み時に得られた傾斜を調整する必要がない、という利点を有している。本発明による固定装置によって点火ユニットを組み込むことによって、コーティング装置のターゲットカソードに対する点火ユニットの傾斜が自動的に得られる。しかも、固定装置を簡単に操作することによって、複数の点火ユニットをより迅速に交換することができる。さらにまた、例えば固定装置の整備又はコントロールのための付加的な費用は事実上必要ない。
【0013】
本発明による固定装置及び炭素析出装置の有利な実施態様は、従属請求項に記載されており、また以下に詳しく説明されている。
【0014】
図面
本発明の実施例を図面及び以下の説明を用いて詳しく説明する。
【0015】
図1は、固定装置の横断面図、
図2は、組み込まれた点火ユニット及びターゲットカソードを備えた固定装置の横断面図、
図3は、第1の点火ユニットの斜視図、
図4は、第2の点火ユニットの斜視図、
図5は、炭素析出装置の主要な構成部分を示す図、
図6は、冷却水循環路、ベース電極及び複数の点火ユニットを備えたターゲットカソードの平面図である。
【0016】
実施例の説明
図1に横断面で示された、特に炭素析出装置の点火ユニットのための固定装置82は、第1及び第2のホルダ85,90を有している。2つのホルダ85,90は、図2に示されているように、固定手段95によって保持されている。2つのホルダ85,90の長さ寸法はそれぞれ、その厚さ寸法よりも大きい。図1に示されているように、2つのホルダ85,90の長手方向に沿ってそれぞれ長手方向軸線105,107が延びている。標準的な実施例では、第1のホルダ85の全長は、第2のホルダ90の全長よりも大きい。
【0017】
第1のホルダ85は第1の孔104を有しており、この第1の孔104は、ホルダ85の厚さを貫通して延びている。この孔104は、段付けされていて、小さい直径を有する平均的な区分を有している。孔104は、ホルダ85の表面若しくは長手方向軸線105に対して傾斜して延在している。さらに、ホルダ85の長手方向に切欠102が形成されていて、この切欠102は、第2のホルダ90に向かって開放している。この場合、切欠102は、この切欠102によってホルダ85の下側に、第1のホルダ85の長手方向軸線105に対して0°〜45°の第1の角度110を形成する壁部100が形成されるような形状を有している。この切欠102内に、点火ユニットが少なくとも部分的に挿入されていてよい。
【0018】
第2のホルダ90は、同様に第2の孔106及び第2の切欠92を有している。第2の孔106は一定の直径を有していて、第2のホルダ90の表面若しくはその長手方向軸線107に対して垂直に延びている。第2の孔106は、ホルダ90の厚さを貫通して延びている。切欠92は、ホルダ90の長手方向の端部領域に形成されていて、第1のホルダ85の切欠102に向かって開放している。切欠92は、第2のホルダ90の長手方向軸線107に対して平行に延びる壁部を有している。この切欠92内に、点火ユニットが少なくとも部分的に挿入されていてよい。
【0019】
図2に示されているように、2つのホルダ85,90は固定手段95によって保持される。固定手段95は有利にはねじ115である。固定手段95を取り付けるために2つの孔104,106が設けられている。標準的な実施例では、孔104,106は互いに同軸に整列している。これは例えば、第1のホルダ85の孔104が、平面100に対して垂直に延びていて、第2のホルダ90の孔106が第2のホルダ90の長手方向軸線107に対して垂直に延びていることによって得られる。この場合、孔104,106と、点火が行われる点火ユニット20の端面側とは、互いに平行に延びている。固定装置82のために複数特に2つの固定手段95が可能である。この場合、相応に孔104,106の数も増やされる。
【0020】
2つのホルダ85,90は、切欠102,92が互いに向き合うように配置されている。点火ユニット20は、2つのホルダ85,90間に配置されていて、この場合、点火ユニット20は、2つの切欠102,92内に同時に少なくとも部分的に挿入されている。
【0021】
さらにまた、点火ユニット20は、点火が行われる点火ユニット20の端面側が平面100に対する垂線を形成するように、2つのホルダ85,90間に配置されている。平面100は、前述のように、第1のホルダ85の長手方向軸線105に対して、0°〜45°の間の固定角度110を有しているので、この組み合わせによって常に、点火ユニット20の端面側と第1のホルダ85の長手方向軸線105との間の45°〜90°の固定角度が形成される。
【0022】
図5に示されているように、有利な形式で、固定装置82と炭素析出装置のターゲットカソード10とは、第1のホルダ85の長手方向軸線105とターゲットカソード10の表面とが互いに平行に延びるように配置されている。それによって得られる、点火ユニット20の端面側とターゲットカソード10の表面との間の第2の角度135は、90°から正確に第1の角度110の値だけ差し引いた角度である。第2の角度135の適当な値は、特に45°〜90°である。
【0023】
固定手段95の解除後に、点火ユニット20が交換される。第1のホルダ85は、炭素析出装置のターゲット130に堅固に結合されている。従って、ターゲットカソード10に対する第1のホルダ85の相対的な位置を変える必要はない。新しい点火ユニット20を簡単に交換してから、それに続いて2つのホルダ85,90が再び固定手段95によって保持され、この際に、固定装置82の前記特徴によって、なんらかの調整なしに、点火ユニット20を所望に傾斜させることができる。
【0024】
炭素析出装置の支持体130は、真空室内の枠組みによって形成されるか、又は室壁の一部であってよい。
【0025】
有利な形式で平面状(フラット)に構成された点火ユニット20が挿入される。何故ならばそれによって本発明の別の利点が得られるからである。図3に示されているように、点火ユニット20は、互いに平行に配置された金属製の平面状の電極25,30を有しており、この場合、電極25と30との間の中間室内に平面状の絶縁セラミック35が配置されている。金属製の電極25,30は、例えばタングステン、タングステン/ランタン又はグラファイト等の耐火性の材料より成っていてよい。
【0026】
点火ユニット20の第2実施例は図4に示されており、この場合、絶縁セラミックは有利な形式で2分割されている。前述のように第1の部分は、平面状の絶縁セラミック35によって形成されている。絶縁セラミックの第2の部分はセラミック周壁37であって、このセラミック周壁37は、点火ユニット20の側面45、50も裏面40も覆っている。これによって、セラミック周壁37によって覆われていない端面55においてのみ、2つの平面状の電極25,30間で電気火花が発生する。絶縁セラミックの第1及び第2の部分は、関連し合う個別部分として構成されていてもよい。
【0027】
点火ユニット20の平面状の構成によって、点火ユニット20の表面上の絶縁セラミック35のためのリニア(線)状に延びた構造が得られる。実際には、絶縁セラミック35の長さは約10cmである。点火ユニット20が相次いで何回も点火されると、電気火花は、新たな点火時に、リニア状に延びた構造部に沿って種々異なる箇所で静力学的に分配されて発生する。それによってターゲットカソード10上の焦点も、各点火時にややずらされる。簡単な形式で、ターゲットカソード1は全面に亘って均一に利用され、次いで工作物の均一なコーティングが実施される。
【0028】
その他の利点は、非平面状の例えば円形の若しくは丸い点火ユニットの数に対して平面状の点火ユニット20の必要な数を比較した場合に得られる。平面状の点火ユニット及び非平面状の点火ユニットにおいて、いずれもターゲットカソード10が同じ長さ38(図6参照)を有していれば、平面状の点火ユニット20の数は少なくて済む。何故ならば、それぞれの平面状の点火ユニット20が、ターゲットカソード10上の大きい面を均一に除去するからである。点火ユニット10の数が少ないことによって、保守整備作業が減少され、より長い耐用年数が得られる。
【0029】
さらにまた、平面状の点火ユニット20は、その形状に基づいてターゲットカソード10の直ぐ近くに位置決めすることができる。ターゲットカソード10に対する点火ユニット20の間隔22は、ターゲットカソード10に対する非平面状の点火ユニットの間隔と比較して、より小さく選択することができる。それによって点火の確実性は著しく高められ、コーティングを全体的により確実に実施することができる。
【0030】
またこの実施例では、点火ユニット20の絶縁セラミック35は、端面側55において導電性の材料60をコーティングすることができる。点火ユニット20に電流パルスを印加すると、ターゲットカソード10に向けられた電流路が得られる。何故ならば、部分的に絶縁セラミック35の導電性の被膜は気化されて、高電離プラズマが発生するからである。このようなプラズマから形成された電流路は、やはり図5に示されているように、ターゲットカソード10からアノード5への本来の主放電を可能にする。絶縁セラミック35上の導電性材料60の部分的な消費は、主放電中に新たなコーティングによって補償され、それによって導電性の被膜が再生される。この過程は、運転中においても長時間に亘って点火ユニット20の持続的安定性を保証する。
【0031】
確実な点火を得るためには、点火電極25,30の極性は、点火ユニット20とカソード10との間の最大電位差が生ぜしめられるように、設計されている。このために、ターゲットカソード10の、より近くに配置された方の金属製の電極30が陽極として用いられ、ターゲットカソード10の、より遠くに配置された方の金属製の電極25が陰極として用いられる。
【0032】
平面状の点火ユニット20をターゲットカソード10に関連して良好に配置したことによって、ターゲット材料の均一な除去、若しくは工作物の均一なコーティングがさらに高められる。図6にはターゲットカソード10の平面図が示されており、この場合、複数の点火ユニット20がターゲットカソード10の縁部に配置されている。
【0033】
主放電をターゲット面の種々異なる箇所において均一に分配して局所的に点火させるために、各点火ユニット20の全作用が、ターゲットカソード10の全領域に亘って、最適なつまり均一な除去を生ぜしめるように、複数の点火ユニット20はターゲット縁部領域に沿って配置されている。このようなやり方は、点火ユニット20間の可変な間隔65によっても、また可変な長さ70を有する点火ユニット20を使用する選択可能性によっても可能である。従来公知であった、不都合な縁効果(Randeffekt)、つまりターゲット面の上部領域及び下部領域におけるコーティングの層厚が減少するというような不都合な縁効果は、相応の領域における点火ユニット20の狭い間隔65によって補償することができる。
【0034】
図5には、炭素析出のための装置およびその主要な構成部材が示されている。炭素析出装置は、主にアノード5と、平面状のターゲットカソード10と、パルスエネルギー源15と、固定装置82のための支持体130と、少なくとも2つの点火ユニット20及び固定装置82とから成っている。点火ユニット20は、ターゲットカソード10の縁部領域に配置されている(図6参照)。点火ユニット20は、図示していない点火ディストリビュータに電気的に接続されており、この点火ディストリビュータは各点火ユニット20の点火を制御する。2つの電極25,30間に、十分に高圧の電圧を有する電流パルスを印加するとグロー放電が発生する。このグロー放電によって、ターゲットカソード10からアノード5への本来のアーク放電が促進される。
【0035】
炭素より成るターゲットカソード10とアノード5との間にパルスエネルギー源15が介在されており、このパルスエネルギー源15は、一般的な形式でコンデンサ層によって実現される。コンデンサ層は、図示していない給電網によって給電され、まず充電状態に維持される。何故ならばアノード5とターゲットカソード10との間に真空が形成されていて、それによって電流回路が閉じられていないからである。アノード5とターゲットカソード10との間のアーク放電点火し、ひいてはターゲットカソード10からアノード5に向かって炭素を除去するために、少なくとも2つの点火ユニット20が設けられている。
【0036】
本発明による固定装置との組み合わせにおける、平面状の点火ユニット20のさらに別の利点は、簡単な形式で、真っ直ぐに延びる1つの共通のベース電極75を挿入することができる可能性にある。
【0037】
このために2つのホルダ85,90は導電性の材料より成っており、この場合、固定手段95は、絶縁体112特にセラミック製の絶縁スリーブ114によって、電気的に分離されている。導電性のホルダ85,90は、点火ユニット20の接触し合う平面状の電極25,30と協働して1つの共通の点火カソード120若しくは共通の点火アノード125を形成している。次いで少なくとも2つの点火ユニット20が、真っ直ぐに延びる1つの共通のベース電極75を有している。例えば、各点火ユニット20のすべての陰極の電極25は互いに接続されていて、それによって電気的に接触し合っている。
【0038】
このような真っ直ぐに延びる1つの共通のベース電極75によって、冷却水循環路80をベース電極75内に組み込むことができる。例えば図2及び図6に示されているように、ベース電極75は、冷却水管路として用いられる内側の管路80を有している。これによって、すべての点火ユニット20の冷却が簡単な形式で得られる。特に高い点火頻度において点火ユニット20は高い熱負荷にさらされるので、安定した継続運転のために点火ユニット20を冷却する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】固定装置の概略的な横断面図である。
【図2】組み込まれた点火ユニット及びターゲットカソードを備えた固定装置の概略的な横断面図である。
【図3】第1の点火ユニットの斜視図である。
【図4】第2の点火ユニットの斜視図である。
【図5】炭素析出装置の主要な構成部分を示す概略図である。
【図6】冷却水循環路、ベース電極及び複数の点火ユニットを備えたターゲットカソードの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殊に炭素析出装置の点火ユニット(20)のための固定装置において、
前記点火ユニット(20)が2つの金属製の電極(25,30)を有しており、これら2つの電極(25,30)間の中間室内に絶縁セラミック(35)が配置されており、
前記点火ユニット(20)が、第1のホルダ(85)と第2のホルダ(90)との間に配置されており、
前記2つのホルダ(85,90)が少なくとも1つの固定手段(95)によって結合されており、
第1のホルダ(85)は、この第1のホルダ(85)の長手方向軸線(105)に対して0゜〜45゜の間の第1の角度(110)で傾斜する平面(100)を有していて、
点火ユニット(20)の、点火が行われる端面側(55)が、前記平面(100)に対して垂直に配置されていることを特徴とする、点火ユニットのための固定装置。
【請求項2】
前記平面(100)が、第1のホルダ(85)内に形成された第1の切欠(102)の壁部の一部であって、前記切欠(102)内に点火ユニット(20)が少なくとも部分的に挿入されている、請求項1記載の固定装置。
【請求項3】
第2のホルダ(90)が第2の切欠(92)を有していて、該第2の切欠(92)内に点火ユニット(20)が少なくとも部分的に挿入されている、請求項1又は2記載の固定装置。
【請求項4】
第1のホルダ(85)と第2のホルダ(90)とが、前記固定手段(95)を取り付けるための孔(104,106)をそれぞれ1つ有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の固定装置。
【請求項5】
第1のホルダ(85)の孔(104)と第2のホルダ(90)の孔(106)とが互いに同軸的に整列している、請求項4記載の固定装置。
【請求項6】
前記固定手段(95)がねじ(115)である、請求項1から5までのいずれか1項記載の固定装置。
【請求項7】
2つのホルダ(85,90)が導電性の材料より成っている、請求項1から6までのいずれか1項記載の固定装置。
【請求項8】
前記固定手段(95)が絶縁体(112)によって少なくとも1つの前記ホルダ(85,90)に対して電気的に分離されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の固定装置。
【請求項9】
絶縁体(112)がセラミック製の絶縁スリーブ(114)である、請求項8記載の固定装置。
【請求項10】
殊に四面体構造の並列されたアモルファス炭素層(ta−C)を析出するための炭素析出装置であって、炭素より成るターゲットカソード(10)と、少なくとも2つの点火ユニット(20)と固定装置(82)とを有しており、この場合、点火ユニット(20)が固定装置(82)によってターゲットカソード(10)の縁部領域に固定されていて、点火が行われる端面側(55)がターゲットカソード(10)側に向いている形式のものにおいて、
固定装置が第1及び第2のホルダ(85,90)を有していて、これら2つのホルダ(85,90)が少なくとも1つの固定手段(95)によって結合されており、第1のホルダ(85)が装置の支持体(130)に堅固に結合されていて、第2のホルダ(90)と共に、点火ユニット(20)を2つのホルダ(85,90)間で傾いて配置しており、それによって、点火ユニット(20)の端面側(55)がターゲットカソード(10)に対して所定の角度(135)を成すようになっていることを特徴とする、炭素析出装置。
【請求項11】
前記所定の角度(135)が45゜〜90゜の間である、請求項10記載の炭素析出装置。
【請求項12】
2つのホルダ(85,90)のうちの一方が、点火ユニット(20)の接触しようとする電極(25)と共に、1つの共通の点火カソード(120)を形成している、請求項10又は11記載の炭素析出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−502800(P2008−502800A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515915(P2007−515915)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051854
【国際公開番号】WO2005/123977
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】