説明

点灯装置、バックライト装置

【課題】液晶表示装置の光源を点灯させるインバータ回路で電源変動に起因するちらつきを除去する制御を確実に行う。液晶表示装置の画像表示性能を損なわずに安価で高効率な点灯装置を提供する。
【解決手段】商用電源Vinを整流・平滑した出力VDCを入力して光源(Lamp1)に電力を供給する点灯回路と、前記点灯回路の出力を周期的にオン状態とオフ状態(または減光状態)に切り替えるタイミング信号を点灯回路に与える調光信号回路(RSFF1)と、前記点灯回路の入力電圧または平滑回路の入力電圧を検知して前記光源の光出力を所望の値となるように点灯時間を補正する制御信号を前記調光信号回路に送出するフィードフォワード制御回路FFを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置のバックライト装置などに用いられる点灯装置に関し、特に光ちらつきの低減と回路効率の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は一般的に冷陰極ランプなど蛍光ランプを複数点灯させたバックライト装置の光を用いて画像表示を行っている。そして蛍光ランプの点灯回路にはインバータ回路が一般的に用いられる。高周波でランプを点灯させることによりランプ発光効率が向上し、トランスなど電子部品の小型化が可能となっている。
【0003】
しかし、液晶表示装置においては普及に伴い更なる機器の高効率化が求められており、液晶表示装置の大部分の電力を消費するバックライト装置において高効率化は重要な課題となっている。この要請に応えるために放電灯点灯回路においては、ゼロ電圧スイッチングなどのソフトスイッチング手法を採用することでインバータ回路のスイッチング損失を低減したり、インバータ回路に入力する直流電源を高電圧化して昇圧トランスの損失を低減することが提案されている。
【0004】
また、液晶表示装置の光源は蛍光ランプだけでなく、半導体発光であるLEDや有機ELなどが実用化されてきており、これらの発光デバイスに電力供給する点灯回路についても高効率化が求められている。
【0005】
しかしながら、これらのバックライト装置の点灯回路の電力変換の効率は、一般照明用の点灯回路と比べると低いものとなっている。その理由は、一般照明用の点灯回路よりもちらつきを抑えるための直流安定化回路を別途必要とするからである。
【0006】
ここで一般照明用の点灯回路でちらつきが問題とならない理由を説明する。たとえば、商用電源(50Hz)を電源とした蛍光灯インバータ回路のちらつきについて考える。蛍光灯インバータ回路では、商用電源を整流回路で整流し、平滑回路で直流電圧を平滑してインバータ回路に直流電力を供給し、インバータ回路がランプに高周波電力を供給している。平滑回路の出力電圧は、完全な直流電圧とはなっておらず、所謂リップル電圧を含んだものとなっている。
【0007】
そのため、インバータ回路の出力電圧もリップル電圧により多少変動する。たとえばインバータ回路の入力の直流電圧に100Hzのリップル電圧が生じているとする。この100Hzは、商用電源を全波整流したときに現れる周波数成分である。このリップル電圧を除去せずにインバータ回路でランプを点灯させると光出力に100Hzの周波数成分で変動が生じる。一般照明用のインバータ回路のリップル電圧のレベルはおよそ10%以下である。この光を直視しても、ちらつきはほとんど感じない。これは光変化の周波数が100Hzと高いからである。そのため、一般照明などで用いる蛍光灯のインバータ回路などではこのちらつきは特に問題とならない。
【0008】
ところが液晶表示装置については、一般照明とは異なる点灯方法を用いているため、ちらつきが顕著となる。それは、液晶表示装置のバックライト装置では比較的低周波でインパルス点灯させるのが一般的だからである。
【0009】
例えば、特許文献1(特開平7−272889号公報)では、蛍光ランプに高周波電圧を印加する期間と印加しない期間を周期的に繰り返すことで、蛍光ランプの調光を行っている。このような調光では、光出力が点灯と消灯の時間比率から求まるので、ランプ電流を連続的に可変する方式に比ベて、光出力が直線的に変化する特徴がある。また、点滅することで液晶表示装置の動画ボケを改善できるという利点もある。
【0010】
特許文献2(特開平11−202286号公報)は、液晶表示装置において、光源をインパルス発光させることで鮮明な画像を得る技術である。光源を画像の更新周期に合わせて発光させることで、液晶表示装置の欠点である応答性を改善するのである。つまり、表示画像を60Hzで更新する場合、光源も60Hzでインパルス発光させれば良いのである。このように光源をインパルス発光させるのは液晶表示装置にとって有用である。
【0011】
しかし、このインパルス発光のためには安定した電源が必要となる。光源の電源に商用電源のリップル電圧が生じていると、リップル電圧の周波数とインパルス発光の周波数の干渉によるゆらぎが発生するからである。たとえば商用電源の周波数が50Hzで、平滑回路出力に100Hzのリップル電圧が生じているとする。このときインパルス発光の周波数を120Hzとすると、20Hzの光変動を生じる。すなわち、商用電源の周波数とインパルス発光の周波数の差が低周波となるとちらつきとなるのである。
【0012】
このちらつきの対策として、インパルス発光の周波数をリップル周波数から遠ざける方法がある。つまり商用電源の周波数とインパルス発光の周波数の差が高くなるように設定するのである。リップル周波数100Hz、インパルス発光周波数380Hzであれば、周波数差は280Hzでちらつきは目立たなくなる。
【0013】
しかし、文献2のように鮮明な画像を効率的に得るには、表示画像の更新周期と同期する必要がある。すなわち、液晶表示更新を60Hzで行う場合は、インパルス発光の周波数は60Hz、120Hz、180Hzと選択できるが、もっとも画面が明るく、かつ鮮明な画像を得るにはなるべく低い周波数を選択しなくてはならない。
【0014】
そこで一般的な液晶表示装置では、商用電源に起因する直流電源のリップル電圧を除去する安定化電源回路を備えている。リップルの影響がないのであれば、そのちらつきの問題は発生しない。しかしその電源安定化のための回路損失によって、液晶表示装置の電力から光への変換効率が低下するのである。
【0015】
ところで、電源安定化回路を用いずにリップルの影響を低減する方法としてインバータ回路に電源リップル除去機能を付加することが考えられる。たとえばランプ電流をフィードバック制御すればよい。フィードバック制御を行えばランプ電流は略一定となり、リップル電圧による光出力の変動を除去できる。
【0016】
しかし実際には絶縁機能もインバータ回路に必要となるので、フィードバック制御は容易ではない。なぜならランプ電流は絶縁された2次側回路での検出となり、これを非絶縁である1次側スイッチング回路ヘ伝達する必要があり、その伝達回路を含めたフィードバック制御設計が困難だからである。
【0017】
もうひとつの手法として、フィードフォワード制御を行うことが考えられる。リップル電圧に応じてインバータ出力を増減させれば、制御回路は非絶縁の1次側で構成することができ、絶縁回路の設計は容易である。また、リップル電圧は比較的安定に発生するので、フィードフォワード制御には適している。この放電灯点灯装置のフィードフォワード制御についても従来から様々な手法が提案されている。
【0018】
例えば、特許文献3(特開2002−330591号公報)では、インバータの入力電圧を検知し、電圧変動によるランプ電流変化を抑制するように、スイッチの駆動周波数またはスイッチオン時間比を変化させる技術が提案されている。
【0019】
また、特許文献4(特表2007−529872号公報)では、インダクタなどにエネルギーを蓄積し、光源にエネルギーを与えるコンバータで、蓄積エネルギーが一定となるように、フィードフォワード制御する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平7−272889号公報
【特許文献2】特開平11−202286号公報
【特許文献3】特開2002−330591号公報
【特許文献4】特表2007−529872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
特許文献3は連続点灯に適した技術であるが、液晶表示装置で用いられるランプの点灯制御(バースト調光制御)のように点滅を繰り返す調光においては、とくに蛍光灯などを点滅させた場合に、ランプの始動タイミングのずれなどでちらつきが発生するので問題がある。
【0021】
特許文献4は、LEDなどの発光素子へのエネルギーを一旦インダクタなどに蓄積し、発光させる。すなわち、蓄積のためのエネルギー損失を伴う。また、エネルギー蓄積のための素子を小さくするために、スイッチング周波数を高める必要があり、これによりスイッチング損失も増加する傾向にある。
【0022】
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、液晶表示装置の光源を点灯させるインバータ回路で電源変動に起因するちらつきを除去する制御を確実に行うことにより、液晶表示装置の画像表示性能を損なわずに安価で高効率な点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1の発明は、上記の課題を解決するために、図1に示すように、商用電源Vinを整流する整流器DBと、前記整流器DBの出力を平滑する少なくとも1つの平滑回路(力率改善回路PFC)と、前記平滑回路の出力VDCを入力して光源(ランプLamp1)に電力を供給する点灯回路と、前記点灯回路の出力を周期的にオン状態とオフ状態(または減光状態)に切り替えるタイミング信号を点灯回路に与える調光信号回路(RSFF1)と、前記点灯回路の入力電圧または平滑回路の入力電圧を検知して前記光源の光出力を所望の値となるように点灯時間を補正する制御信号を前記調光信号回路に送出するフィードフォワード制御回路FFを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、図1に示すように、前記点灯回路は入力電流(Isns)を一定とする制御手段(PWM1)を有することを特徴とする。
【0025】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記フィードフォワード制御回路FFは、図1に示すように、前記点灯回路の出力がオンとなると同時に前記点灯回路の入力電圧または平滑回路の入力電圧に比例する電圧信号(Vsns)の積分を開始し、前記電圧信号の積分値(Vint)が所定の値(Vref1)となると前記調光信号回路(RSFF1)に前記点灯回路をオフさせる信号を送出することを特徴とする。
【0026】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記フィードフォワード制御回路FFは、図4に示すように、前記点灯回路の出力がオンとなると同時に前記点灯回路の入力電圧信号(Vsns)と入力電流信号(Isns)の乗算値(Wsns)の積分を開始し、前記積分の値(Vint)が所定の値(Wref1)となると前記調光信号回路(RSFF1)に前記点灯回路をオフさせる信号を送出することを特徴とする。
【0027】
請求項5の発明は、請求項3または4の発明において、前記調光信号回路(RSFF1)は、前記点灯回路のオン状態期間を、時間比率100%よりも小さくすることを特徴とする。
【0028】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記調光信号回路の周波数を30Hzから1000Hzとすることを特徴とする。
【0029】
請求項7の発明は、請求項1〜6の発明において、図6〜図9に示すように、前記光源は、半導体であることを特徴とする。
【0030】
請求項8の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の点灯装置を備えたバックライト装置である(図11)。
【発明の効果】
【0031】
本発明による点灯装置は、商用電源と同期せずに周期的に点滅点灯する点灯回路において、光源の発光量が所望の値となるように点灯時間を調整するフィードフォワード制御手段を設けたものであり、点灯と消灯の時間比率を可変して光量補正することができるので、高速なフィードバック制御などが不要であり、安価な構成でありながら、電源リップルによるちらつきを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(実施形態1)
本発明の上記および他の目的、特徴および利点を明確にすベく、以下添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
【0033】
図1を参照すると、本発明の一実施の形態としての点灯回路が示されている。本点灯回路は、商用電源Vinを整流する整流回路DBと、その出力を昇圧して平滑する力率改善回路PFCを有する。
【0034】
力率改善回路PFCの構成は、周知の昇圧チョッパ回路であり、整流回路DBの整流出力端に並列接続された小容量のコンデンサCs2と、整流回路DBの整流出力端に接続されたインダクタL1とスイッチング素子Q3の直列回路と、スイッチング素子Q3の両端にダイオードD1を介して並列接続された平滑用の電解コンデンサCs1と、スイッチング素子Q3を高周波でオン・オフ制御するためのチョッパ制御部CTR1よりなる。その動作については周知であるので、詳しい説明は省略するが、スイッチング素子Q3が商用周波数よりも高周波でオン・オフされることにより、商用電源Vinからの入力電流の休止期間を少なくして、入力力率を改善するものである。平滑用の電解コンデンサCs1には昇圧された直流電圧が充電されるが、商用電源Vinの谷部ではコンデンサCs1への充電エネルギーが不足することになるから、商用電源Vinの2倍の周波数成分のリップル電圧が重畳することになる。商用電源Vinが100V、50Hzである場合には100Hzのリップル電圧が力率改善回路PFCの出力電圧VDCに重畳されていることになる。
【0035】
力率改善回路PFCの出力電圧VDCは、スイッチング素子Q1、Q2の直列回路と、その駆動回路DRVと、キャパシタCd1と絶縁トランスT1と、共振インダクタLr1と共振キャパシタCr1からなるハーフブリッジインバータ回路に供給される。インバータ回路の低電圧側の入力端子には入力電流を検出する抵抗Rs1が挿入されている。インバータ回路により直流電圧VDCは高周波電圧に変換され、蛍光ランプLamp1へ電力が供給される。
【0036】
スイッチング素子Q1,Q2は例えばMOSFETよりなり、逆方向の並列ダイオードを内蔵している。スイッチング素子Q1,Q2は高周波で交互にオン・オフされ、スイッチング素子Q1がオン、スイッチング素子Q2がオフのときは、直流電源VDCの正極→スイッチング素子Q1→キャパシタCd1→絶縁トランスT1の1次巻線→電流検出抵抗Rs1→直流電圧VDCの負極の経路で電流が流れてキャパシタCd1が充電され、スイッチング素子Q1がオフ、スイッチング素子Q2がオンのときは、キャパシタCd1→スイッチング素子Q2→絶縁トランスT1の1次巻線→キャパシタCd1の経路で電流が流れてキャパシタCd1が放電される。これにより、絶縁トランスT1は高周波電圧により励磁され、その2次巻線には昇圧された高周波電圧が発生する。この昇圧された高周波電圧は、共振インダクタLr1と共振キャパシタCr1の直列共振回路に印加されて、共振作用により更に昇圧されて、共振キャパシタCr1の両端に得られた高周波の高電圧が放電ランプLamp1の両端に印加される。ここで、放電ランプLamp1は例えば冷陰極蛍光ランプ(CCFL)であるが、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)としても良い。
【0037】
スイッチング素子Q1,Q2の発振周波数は、通常、共振周波数よりも高い周波数に設定されており、発振周波数が高くなると放電ランプLamp1の光出力が低下し、発振周波数が低くなると放電ランプLamp1の光出力が増加する。本実施形態では、スイッチング素子Q1,Q2が高周波で交互にオンオフする点灯期間と、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフである消灯期間とが交互に切り換わる点滅点灯を液晶表示装置の映像更新周期に同期した低い周波数(例えば、120Hz)で繰り返すように動作するものとする。なお、消灯期間でもスイッチング素子Q1,Q2を高周波で交互にオンオフさせながら、その動作周波数を共振周波数よりも十分に高く点灯を維持できない周波数に切り替えるように構成しても良い。
【0038】
インバータ回路はパルス幅変調制御器PWM1を備え、抵抗Rs1からの検出信号を入力してインバータ回路の入力電流が所定の値となるように、インバータ回路のスイッチング素子Q1,Q2のオン時間や動作周波数を調整するフィードバック制御が付加されている。このフィードバック制御は、イネーブル信号EN1がHighとなる点灯期間でのみ機能するものであり、イネーブル信号EN1がLowとなる消灯期間ではインバータ回路の発振そのものを停止させている。
【0039】
駆動回路DRVは、パルス幅変調制御器PWM1の高周波の発振出力を受けて、低電圧側のスイッチング素子Q2のゲート電極に高周波のパルス電圧を印加することにより、スイッチング素子Q2を高周波でオン/オフさせると共に、逆位相の高周波のパルス電圧をスイッチング素子Q1のゲート・ソース電極間に印加することにより、スイッチング素子Q1を高周波でオフ/オンさせる。なお、各スイッチング素子Q1,Q2のオン時間は均等とし、フィードバック制御がオン時間制御である場合には、発振周波数が一定で各スイッチング素子Q1,Q2のオン時間が増減するものとし、フィードバック制御が発振周波数制御である場合には、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオンする動作周波数が変化するものとする。
【0040】
以上の動作をまとめると、イネーブル信号EN1がLowのときは、スイッチング素子Q1,Q2は共にオフであり、インバータ回路の発振が停止しているので、放電ランプLamp1は消灯し、イネーブル信号EN1がHighのときは、スイッチング素子Q1,Q2が高周波で交互にオンすることにより、インバータ回路が発振し、その発振出力により放電ランプLamp1が点灯する。インバータ回路の入力電流は、抵抗Rs1により検出され、入力電流が既定値よりも少ないとスイッチング素子Q1,Q2のオン時間を伸ばすか動作周波数を下げることで出力を増加させ、入力電流が既定値よりも多いとスイッチング素子Q1,Q2のオン時間を短縮するか動作周波数を上げることで出力を抑制し、入力電流が一定となるように制御していた。イネーブル信号EN1がHighである点灯期間とLowである消灯期間は、液晶表示装置の映像更新周期に同期した低い周波数(例えば、120Hz)で繰り返され、点灯期間と消灯期間の時間比率を可変とすることにより、光出力を調光制御するというものである。
【0041】
次に、本発明に従って、抵抗Ra1,Ra2,Ri1と、積分キャパシタCa2と、積分キャパシタCa2のリセットスイッチSW1と、演算増幅器OP1と、比較器CMP1と、基準電圧Vref1からなるフィードフォワード制御回路FFが設けられている。フィードフォワード制御回路の抵抗Ra1とRa2は分圧信号Vsnsを出力する。この分圧信号Vsnsは、力率改善回路PFCの出力電圧制御のための信号(つまりチョッパ制御回路CTR1への入力電圧)と共用しても構わない。分圧信号Vsnsは、抵抗Ri1を介して演算増幅器OP1とキャパシタCa2からなる積分回路に入力される。
【0042】
積分回路の出力Vintは比較器CMP1の負の入力端子に入力される。比較器CMP1の正の入力端子には、基準電圧Vref1が入力されている。比較器CMP1の出力は、フリップフロップ回路RSFF1のリセット入力Rへ入力される。フリップフロップ回路RSFF1のセット入力Sには調光信号発生器DIMのONパルス信号が入力される。
【0043】
フリップフロップ回路RSFF1の反転出力Q’はリセットスイッチSW1へ出力される。フリップフロップ回路RSFF1の出力であるイネーブル信号EN1によりインバータ回路のスイッチング動作を制御しているパルス幅変調制御器PWM1を点灯・消灯制御する。
【0044】
ここで、積分回路について説明する。この積分回路は、力率改善回路PFCの出力電圧VDCを抵抗Ra1,Ra2により分圧した電圧Vsnsを積分して、積分電圧Vintを出力する回路であり、その積分時定数は、入力抵抗Ri1と帰還インピーダンスであるコンデンサCa2の容量で決まる。演算増幅器OP1は入力インピーダンスならびに増幅率が極めて高い差動増幅器であり、その+側入力端子と−側入力端子は同一電位、つまり仮想短絡(イマジナリーショート)の状態となる。演算増幅器OP1の+側入力端子はグランド電位に接続されているので、−側入力端子の電位は、グランド電位に固定されていることになる。スイッチSW1は積分コンデンサCa2をリセットするためのスイッチであり、スイッチSW1がONのとき、コンデンサCa2の両端電位は共にグランド電位となるから、コンデンサCa2の残留電荷はゼロとなり、積分電圧Vintは0ボルトとなる。積分を開始するべく、スイッチSW1をOFFすると、力率改善回路PFCの出力電圧VDCを抵抗Ra1,Ra2により分圧した電圧Vsnsから抵抗Ri1、コンデンサCa2を介して演算増幅器OP1の出力端子に電流が流れて、コンデンサCa2が充電される。演算増幅器OP1の入力インピーダンスは極めて高いから、抵抗Ri1に流れる電流はコンデンサCa2にのみ流れることになる。このときの充電電流は、(抵抗Ri1の両端電圧Vsns)÷(抵抗Ri1の抵抗値)で決まる一定電流となるから、コンデンサCa2は電圧Vsnsで決まる定電流で充電されることになり、積分電圧Vintは直線的に低下して行く。なお、演算増幅器OP1も比較器CMP1も正負2電源のオペアンプで構成されており、グランド電位よりも低い負電位の領域で積分電圧Vintが基準電圧Vref1を下回ると、比較器CMP1の出力がHighとなる。
【0045】
図2に各部の動作のタイミングを示す。図には上から、力率改善回路PFCの出力電圧VDCと、調光信号発生器DIMのONパルス信号と、調光信号発生器DIMのOFFパルス信号と、積分キャパシタCa2の電圧Vintと、比較器CMP1の出力と、フリップフロップ回路RSFF1の出力であるイネーブル信号EN1が示されている。
【0046】
力率改善回路PFCの出力電圧VDCは、図2のように周期的に電圧が変動する所謂リップル電圧を含む。力率改善回路PFC内の平滑キャパシタCs1の容量を大きくすればリップル電圧を小さく出来るが、リップル電圧をゼロとするのは力率改善回路の原理上は困難である。このリップル電圧によってランプなど負荷回路の電力変化が発生して問題となる。
【0047】
したがって、別途DC−DCコンバータなどで電圧を安定化する必要があるが、DC−DCコンバータによる電力損失が生じてしまう。そこで、インバータ回路でリップル電圧分を出力補正する制御を行うのである。力率改善回路PFCの出力電圧である直流電圧VDCが高いときには、フィードフォワード制御回路によりインバータ出力を少なくするように補正し、直流電圧VDCが低いときはインバータ出力を多くするように補正される。
【0048】
本発明は、出力の増減を点灯時間で行うのが特徴である。
時間t1の時点で調光信号発生器DIMからONパルス信号が出力され、フリップフロップ回路RSFF1のセット端子に信号が入力されると、フリップフロップ回路RSFF1の出力であるイネーブル信号EN1はHighとなる。イネーブル信号EN1がHighとなるとパルス幅変調制御器PWM1はランプを点灯する制御を行う。
【0049】
また、フリップフロップ回路RSFF1の反転出力Q’はLowとなる。反転出力Q’がLowとなるとリセットスイッチSW1はOFFする。リセットスイッチSW1がOFFすると、積分回路のキャパシタCa2への積分動作が開始される。積分回路は、直流電圧VDCに比例した電圧で積分されるので、直流電圧VDCが低いときはゆっくり、直流電圧VDCが高いときは早く充電されてゆく。
【0050】
やがて、時間t3の時点で積分回路のキャパシタCa2の積分電圧が基準電圧Vref1よりも低くなると、比較器CMP1の出力はHighとなる。
【0051】
比較器CMP1の出力は、フリップフロッブ回路RSFF1のリセット端子に入力されており、フリップフロップ回路RSFF1の出力であるイネーブル信号EN1はLowとなる。イネーブル信号EN1がLowとなるとパルス幅変調制御器PWM1はランプを消灯する制御を行う。
【0052】
時間t4の時点で調光信号発生器DIMからOFFパルス信号が出力され、フリップフロップ回路RSFF1のリセット端子に信号が入力される。
【0053】
時間t5の時点で再び調光信号発生器DIMからONパルス信号が出力され、フリップフロップ回路RSFF1のセット端子に信号が入力される。以下、同じ動作を繰り返す。
【0054】
図3は本実施形態の動作の例を示したグラフである。図には、100Hzのリップル電圧を含む直流電源で点滅点灯したときの光出力波形と光出力波形を平均化した波形が示されている。光出力波形から、周期的に点灯と消灯を繰り返していることがわかるが、そのピーク値がリップル電圧によって変化している。一方、光出力波形を平均化した波形を見ると、ピーク値が揃っていることがわかる。つまり、直流電圧が高いときには点灯時間を短くし、直流電圧が低いときには点灯時間を長くする制御が行われるので、パルス発光の1回あたりの光量を一定に制御できるのである。その結果、光出力の平均値を一定化することができ、ちらつきを低減することが可能である。
【0055】
なお、本例は点灯と消灯の時間比率を制御して光出力を一定にする例であるが、点灯と調光点灯の時間比率を制御しても同様の効果がある。したがって、放電灯でも調光点灯状態において放電を維持するようにすれば、LEDやELのような点灯が可能となる。
【0056】
図1の回路で説明すると、スイッチング素子Q1,Q2が第1の発振周波数(共振周波数に比較的近い周波数)で交互にオンオフする点灯期間と、スイッチング素子Q1,Q2が第1の発振周波数よりも高い第2の発振周波数(共振周波数から遠いが消灯しない周波数)で交互にオンオフする調光点灯期間とが交互に切り換わる明暗点灯を液晶表示装置の映像更新周期に同期した低い周波数(例えば、120Hz)で繰り返すように動作させても良い。
【0057】
また、本実施形態では、消灯時間の平均値が点滅周期の5%以上とすることを特徴としている。これは直流電圧VDCのリップル電圧が±5%程度であることが多く、この変動を補正するのに±5%の点灯時間の伸縮で補正するためである。
【0058】
基準電圧Vref1は、消灯時間の平均値が点滅周期の5%以上となるような範囲で設定される。つまり、調光の範囲が0%〜95%で基準電圧Vref1が設定される。
【0059】
本発明は、低周波で点滅を繰り返すときに効果を奏する。一般的な映像表示装置の画像更新周期は30Hz以上であるが、本発明はこの30Hzから1kHz程度の点滅点灯で有効である。
【0060】
たとえば、リップル周波数が100Hzで点滅周波数が120Hzとすると、リップル周波数と点滅周波数で干渉して、周波数差20Hzで約5%程度の光変動が現れる。
【0061】
ここで点滅周波数だけを210Hzとすると、210Hz−100Hz=110Hzとなり、ちらつきは無くなるように思えるが、実際はそうはならない。この場合、リップル周期100Hzに対して2回点滅するようになっているが、その光出力のピークは低周波で変動するのである。よって実際には2次的なちらつき成分110Hz−100Hz=10Hzとなる光変動が現れるのである。ただし、光変動のレベルを5%から2〜3%程度に低減する効果はある。
【0062】
つまり点滅周波数を高めれば、ちらつき感は反比例して減少する傾向がある。したがって、点滅周波数をリップル周波数の10倍程度まで高くすれば、ちらつき感は10分の1程度となるから、リップル電圧が5%程度であるなら問題とはならないレベルまで小さくなる。しかし前述のとおり、点滅周波数を高くするほど光の出力が小さくなり、鮮明な画像が得られにくくなる傾向がある。
【0063】
本発明を用いれば、低い点滅周波数においても、ちらつきを低減することが可能である。無論、高い周波数で点滅点灯させる場合においては、さらにちらつきを低減することが出来る。
【0064】
なお、本実施形態では、点灯回路の入力電圧を検知して点灯時間を補正しているが、代わりに平滑回路の入力電圧を検知して点灯時間を補正しても構わない。以下の各実施形態においても同様である。
【0065】
(実施形態2)
図4を参照すると、本発明の第2の実施の形態としての点灯回路が示されている。本実施形態は、入力電力の積分値から点灯時間を決定することを特徴としている。図4の回路では、直流電圧VDCの検出信号Vsnsとインバータ回路の入力電流の検出信号Isnsが乗算器MUL1に入力され、電力検出信号Wsnsを出力している。この電力検出信号Wsnsを、演算増幅器OP1と積分コンデンサCa2を備える積分回路に入力している。積分値Vintが、基準値Wref1以下となると、比較器CMP1はHighを出力し、インバータ回路を消灯状態ヘ制御する。
【0066】
高周波発振器OSC1はインバータ回路の動作周波数を発振しており、イネーブル信号EN1がHighのときに発振し、Lowのときは発振停止する。あるいは、イネーブル信号EN1がHighのときは第1の発振周波数(共振周波数に比較的近い周波数)で発振し、イネーブル信号EN1がLowのときは第1の発振周波数よりも高い第2の発振周波数(共振周波数から遠いが消灯しない周波数)で発振する。
その他の構成及び動作については実施形態1と同様である。
【0067】
本実施形態では、1回の点灯期間ごとにインバータ回路の入力電力の積分値が所定の電力量となるように点灯時間を制御するので、1回の点灯期間あたりの光出力を一定に制御できる。よって、直流電圧のリップル電圧によるちらつきを低減することが可能である。
【0068】
(実施形態3)
図5を参照すると、本発明の第3の実施の形態としての点灯回路が示されている。本実施形態では、ランプ電流を検知する電流検出回路DET2がインバータ回路出力の一端とランプLamp1の間に挿入されている。電流検出回路DET2の出力が所定の値となるように、フィードフォワード制御回路の基準電圧(図1のVref1に相当)を設定するフィードバック制御回路FBC2と、フィードバック制御回路FBC2の出力信号を1次側へ伝達するフォトカプラPC1と、フォトカプラPC1の出力を平滑するローパスフィルタLPF1からなるランプ電流フィードバック回路が設けられている。また、インバータ回路は実施形態2で説明した高周波の発振器OSC1を備えている。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0069】
本実施形態は、フィードフォワードでは制御が困難な、長期的な負荷変動をフィードバック制御で抑制する例である。フィードフォワード制御では、ある決まった入力に対してしか制御応答を示さないので、様々な外乱に対して十分な制御設計を行うことは難しい。そこで、電源リップル以外の負荷電流変動要因についてはフィードバック制御を併用するのが効果的である。
【0070】
電流検出回路DET2でランプ電流を検出し、その検出信号を一定にするベくフィードバック制御回路FBC2は、フォトカプラPC1と平滑用ローパスフィルタLPF1を介して、フィードフォワード制御の目標値である比較器CMP1の正の入力端子電圧を制御する。
【0071】
このフィードバック制御の応答速度については、電源周波数や点滅周波数では応答しないように十分に遅く設定する。このように設定すれば、周囲温度変化による負荷電流変動や、長期使用による出力変化などを精度良く補正制御することが出来る。
【0072】
本実施形態を用いれば、直流電圧のリップル電圧によるちらつきを長期的にも安定して低減することが可能である。
【0073】
(実施形態4)
図6を参照すると、本発明の第4の実施の形態としての点灯回路が示されている。本実施形態は、LEDを点灯させる回路である。本点灯回路は、整流回路DBと力率改善回路PFCを備える。力率改善回路PFCの出力電圧VDCは、電流制限回路CRGと複数直列に接続されたLEDとスイッチQ2からなるLED点灯回路に供給される。電流制限回路CRGはLEDに流れる電流を安定にするように制御する回路であり、たとえば抵抗器であっても良いし、降圧チョッパ回路、定電流素子であっても良い。LED点灯回路のスイッチQ2は駆動回路DRVによってオン/オフされる。イネーブル信号EN1がHighのときにスイッチQ2はオン、LowのときにスイッチQ2はオフとなる。
【0074】
そして、本発明に従って、抵抗Ra1,Ra2,Ri1と、積分キャパシタCa2と、積分キャパシタのリセットスイッチSW1と、演算増幅器OP1と比較器CMP1と、基準電圧Vref1とからなるフィードフォワード制御回路が設けられている。
【0075】
比較器CMP1の正の入力端子には、基準電圧Vref1が入力されている。比較器CMP1の出力は、フリップフロップ回路RSFF1のリセット入力Rへ入力される。フリップフロップ回路RSFF1のセット入力Sには調光信号発生器DIMのONパルス信号が入力される。フリップフロップ回路RSFF1の反転出力Q’はリセットスイッチSW1へ出力される。フリップフロップ回路RSFF1の出力であるイネーブル信号EN1により駆動回路DRVはLEDを点灯・消灯制御する。調光信号発生器DIMは、ONパルス信号とOFFパルス信号を周期的に出力している。
【0076】
本実施形態は、直流電源で点灯する素子としてLEDを用いた場合にリップル電圧によるちらつきを低減する例である。LEDの場合、インバータ回路のように高周波に変換する必要がない。したがって、平滑回路出力で点灯が可能である。しかし、前述のとおり、点滅点灯を行うと低周波でちらつきが発生する。
【0077】
本実施形態を用いれば、1回あたりの点灯光量が変化しないように点灯時間を制御するフィードフォワード制御が行われるので、電源に起因するリップル電圧によるちらつきを低減することが可能である。また、電源リップルを除去するための定電圧コンバータ回路が不要となるため、点灯回路の損失を少なくすることが出来る。
【0078】
(実施形態5)
図7を参照すると、本発明の第5の実施の形態としての点灯回路が示されている。本実施形態は、電源側と負荷側との間で絶縁を行いながらLEDを点灯させる回路である。本点灯回路は、商用電源を整流する整流回路DBとその出力を昇圧して平滑する力率改善回路PFCを有する。力率改善回路PFCの出力電圧VDCは、スイッチング素子Q1、Q2とその駆動回路DRVと、キャパシタCd1と絶縁トランスT1と、ダイオードD2〜D5と平滑キャパシタCs3,Cs4と、平滑インダクタLs1,Ls2からなるハーフブリッジ回路に供給される。ハーフブリッジ回路の低電圧側の入力端子には入力電流を検出する抵抗Rs1が挿入されている。ハーフブリッジ回路により直流電圧VDCは絶縁された直流電圧に変換され、LEDへ電力が供給される。
【0079】
ハーフブリッジ回路はパルス幅変調制御器PWM1を備え、抵抗Rs1からの検出信号を入力してハーフブリッジ回路の入力電流が所定の値となるように、ハーフブリッジ回路のスイッチング素子Q1,Q2のオン時間や動作周波数を調整するフィードバック制御が構成されている。
【0080】
そして、本発明に従って、抵抗Ra1,Ra2,Ri1と、積分キャパシタCa2と、積分キャパシタのリセットスイッチSW1と、演算増幅器OP1と比較器CMP1と、基準電圧Vref1とからなるフィードフォワード制御回路が設けられている。
【0081】
比較器CMP1の正の入力端子には、基準電圧Vref1が入力されている。比較器CMP1の出力は、フリップフロップ回路RSFF1のリセット入力Rへ入力される。フリップフロップ回路RSFF1のセット入力Sには調光信号発生器DIMのONパルス信号が入力される。フリップフロップ回路RSFF1の反転出力Q’はリセットスイッチSW1へ出力される。フリップフロップ回路RSFF1の出力であるイネーブル信号EN1により、ハーフブリッジ回路はLEDを点灯・消灯制御する。調光信号発生器DIMは、ONパルス信号とOFFパルス信号を周期的に出力している。
【0082】
本実施形態は、点灯素子としてLEDを用いた場合に、電源側と負荷側との間で電気的絶縁を行いながらリップル電圧によるちらつきを低減する例である。
【0083】
(実施形態6)
図8を参照すると、本発明の第6の実施の形態としての点灯回路が示されている。本実施形態は、複数のグループに分けてLEDを順々に点灯させる回路である。本点灯回路は、商用電源Vinを整流する整流回路DBとその出力を昇圧して平滑する力率改善回路PFCを有する。力率改善回路PFCの出力電圧VDCは、絶縁コンバータDCC1〜DCC8へ供給される。絶縁コンバータDCC1〜DCC8の出力にはLED−1〜LED−8がそれぞれ接続される。
【0084】
そして、本発明に従ってフィードフォワード制御回路FF1〜FF8を備える。調光信号発生器DIMは、複数のオン・オフのタイミング信号DIM−1〜DIM−8を発生させる。
【0085】
フィードフォワード制御回路FF1〜FF8は、調光信号発生器DIMのタイミング信号DIM−1〜DIM−8を基準として、各LEDの点灯時間を決定するイネーブル信号EN1〜EN8を絶縁コンバータDCC1〜DCC8へ出力する。絶縁コンバータDCC1〜DCC8はイネーブル信号EN1〜EN8に応じて点灯・消灯を繰り返す。
【0086】
図9には、各LEDの配置例が示されている。図のようにLED1〜LED8は1列ごとにグルーピングされ、点灯制御される。
【0087】
図10は動作のタイミングを示す。図には、力率改善回路PFCの出力電圧VDCと、調光信号発生器DIMの出力DIM−1,DIM−2,DIM−8と、フィードフォワード制御回路のイネーブル信号EN1,EN2,EN8が示されている。
【0088】
図10のように、調光信号発生器DIMはLED1から順番に点灯を開始し、周期的に点滅点灯させるタイミング信号を出力する。そのタイミング信号DIM−1〜DIM−8を基準として、フィードフォワード制御回路FF1〜FF8は直流電圧VDCの入力に応じた点灯時間を決定し、イネーブル信号EN1〜EN8をそれぞれの絶縁コンバータDCC1〜DCC8に出力している。
【0089】
このように順次点灯を行えば、液晶表示装置の動画表示の画質を向上させることが出来る。また、直流電源に重畳されたリップル電圧によるちらつきを低減できる。また直流電圧VDCの安定化のためのコンバータが不要となり、高効率にLEDに電力を供給できる。
【0090】
(実施形態7)
図11は実施形態1〜3の点灯装置を用いた液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図である。液晶パネルLCPの背面(直下)にバックライトが配置されており、バックライトは、筐体22と、この上に設置された反射板23及び複数の蛍光ランプFL1〜FL4と、その上方に設置された拡散板25、プリズムシート等の光学シート26とから構成されている。また、筐体22の背面に蛍光ランプFL1〜FL4を点灯するインバータの基板21が設置されている。反射板23は各蛍光ランプFL1〜FL4の照射光を有効に前面に指向させるものである。拡散板25は蛍光ランプFL1〜FL4及び反射板23からの光を拡散させて前面への照明光の明るさ分布を平均化する機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施形態1の回路図である。
【図2】本発明の実施形態1の動作波形図である。
【図3】本発明の実施形態1の動作説明図である。
【図4】本発明の実施形態2の回路図である。
【図5】本発明の実施形態3の回路図である。
【図6】本発明の実施形態4の回路図である。
【図7】本発明の実施形態5の回路図である。
【図8】本発明の実施形態6の回路図である。
【図9】本発明の実施形態6の光源の配置を示す正面図である。
【図10】本発明の実施形態6の動作波形図である。
【図11】本発明の実施形態7の液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
FF フィードフォワード制御回路
PFC 力率改善回路
DIM 調光信号発生器
Vsns 分圧信号
OP1 オペアンプ(積分器)
CMP1 比較器
RSFF1 フリップフロップ回路
Lamp1 放電ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源を整流する整流器と、
前記整流器の出力を平滑する少なくとも1つの平滑回路と、
前記平滑回路の出力を入力して光源に電力を供給する点灯回路と、
前記点灯回路の出力を周期的にオン状態とオフ状態または減光状態に切り替えるタイミング信号を点灯回路に与える調光信号回路と、
前記点灯回路の入力電圧または平滑回路の入力電圧を検知して前記光源の光出力を所望の値となるように点灯時間を補正する制御信号を前記調光信号回路に送出するフィードフォワード制御回路を備えたことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯回路は入力電流を一定とする制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記フィードフォワード制御回路は、前記点灯回路の出力がオンとなると同時に前記点灯回路の入力電圧または平滑回路の入力電圧に比例する電圧信号の積分を開始し、前記電圧信号の積分値が所定の値となると前記調光信号回路に前記点灯回路をオフさせる信号を送出することを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項4】
前記フィードフォワード制御回路は、前記点灯回路の出力がオンとなると同時に前記点灯回路の入力電圧信号と入力電流信号の乗算値の積分を開始し、前記積分の値が所定の値となると前記調光信号回路に前記点灯回路をオフさせる信号を送出することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項5】
前記調光信号回路は、前記点灯回路のオン状態期間を、時間比率100%よりも小さくすることを特徴とする請求項3または請求項4記載の点灯装置。
【請求項6】
前記調光信号回路の周波数を30Hzから1000Hzとすることを特徴とする請求項5記載の点灯装置。
【請求項7】
前記光源は、半導体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の点灯装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の点灯装置を備えたバックライト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−21109(P2010−21109A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182897(P2008−182897)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】