説明

無アルカリガラスを原料とする無機材料の製造方法

【課題】不要となり回収された無アルカリガラスを多大エネルギーを消費せず効率的に資源として有効利用する方法を提供し、さらに、水質浄化材、触媒材料などに利用可能なゼオライト構造を持つ無機材料の、効率的であり、容易に反応制御可能な製造方法を提供する。
【解決手段】無アルカリガラスを原料とする無機材料の製造方法であって、無アルカリガラスをアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程で得られたヒドロゲルを水熱合成する水熱合成工程とを含むことを特徴とする無機材料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無アルカリガラスを原料とした無機材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネルを用いた液晶テレビなどの家電製品、パソコン、携帯端末などの製品が急速に普及している。ここで、上述した「液晶パネル」とは、貼り合せた2枚のガラス基板の内側に液晶材料を注入、封入し、各ガラス基板の外側に偏光板(樹脂)を貼り付けたものを指す。液晶パネルを用いた製品の普及に伴い、液晶パネルの廃棄物(廃液晶パネル)の数量も急激に増加しているが、環境との共存が期待される循環型社会の形成の中、廃液晶パネルについてもリサイクルし資源を有効に利用することが要望されている。
【0003】
現在、家電製品や情報機器などの廃棄物に含まれる液晶表示装置や液晶パネルは、廃棄物の量としては少ないこともあって、廃棄物の処理施設にて製品ごとに破砕された後、プラスチックを多量に含むシュレッダーダストと共に、埋め立て処理あるいは焼却処理されている。
【0004】
液晶パネルの製造工場から排出される不良の廃液晶パネル、ならびに、家電製品、情報機器などの廃棄物に含まれる液晶表示装置、液晶パネルの処理方法として、特開2000−84531号公報(特許文献1)には、液晶パネルの製造工場や廃棄物の処理施設にて製品ごと破砕後、非鉄精錬炉に投入し珪石の代替材料として処理する方法が開示されており、一部で実施されている。この方法では、液晶パネル中のガラス成分は、スラグ中へ入り込む。
【0005】
また、特開2000−351664号公報(特許文献2)には、ガラス廃棄物と、粘土と、セラミックス廃棄物を原料として、タイル、レンガや各種ブロックなどのセラミックス製品を製造する方法が開示されている。この特許文献2に記載された方法は、粉砕したガラス廃棄物50〜80重量%と、粘土10〜45重量%と、粉砕したセラミックス廃棄物5〜40重量%より合計100重量%の組成物を調整し、成形、乾燥後1000〜1200℃で焼成する方法である。
【0006】
また、特開2002−308646号公報(特許文献3)には、ソーダ石灰ガラス微粉末とCaOを含む化合物の微粉末とBを含む化合物の微粉末とを原料とする低温焼成ガラスセラミックスの製造方法が記載されている。この特許文献3に記載された方法は、上記化合物を混合し、該混合物を所要形状にプレス成形し、該成形物を825〜900℃の温度範囲にて焼成することを特徴とするガラスセラミックスの製造方法である。
【0007】
また、特開昭59−35019号公報(特許文献4)には、石炭の流動床式燃焼炉から生成される石炭灰を原料としてゼオライトを製造する方法が開示されている。この特許文献4に記載された方法は、原料にアルミナ源、アルカリ源、水を、シリカ/アルミナ、水/アルカリ、アルカリ/アルミナ比が所定のモル比になるように添加、配合して得た原料成分混合物を用いて水熱条件下で合成するゼオライトの合成方法である。
【0008】
また、特開昭64−24014号公報(特許文献5)には、石炭炊きボイラーの燃料残渣であるフライアッシュを原料としてゼオライト組成物を製造する方法が開示されている。この特許文献5に記載された方法は、原料に0.5N乃至3NのNaOH溶液に配合混練し、3.0kg/cm以上の圧力でオートクレーブ処理してゼオライト組成物を製造する方法である。
【0009】
また、特開昭58−120512号公報(特許文献6)には、水砕スラグ粉末を原料としてゼオライト組成物を製造する方法が開示されている。この特許文献6に記載された方法は、水砕スラグ粉末を無機酸水溶液に溶解した後、アンモニアガスを吹き込んでpHを4〜9に調整して得た沈殿物(シリカ、アルミナが主成分、カルシウム分は濾液側)をろ別し、沈殿物にアルカリ金属水酸化物を添加して水熱合成しゼオライトを合成する方法である。
【0010】
また、特開2007−131502号公報(特許文献7)には、陶器、コンクリート、がれき屑、ガラスおよびこれらの混合物を原料としてゼオライトを製造する方法が開示されている。この特許文献7に記載された方法は、原料に固体状塩基を添加・混合して得られた混合物を加熱溶融してSi、Alが水に対して易溶化した粉末を生成させ、ここで得られた粉末を水に添加し、20〜200℃の反応温度で反応させるゼオライトの製造方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−84531号公報
【特許文献2】特開2000−351664号公報
【特許文献3】特開2002−308646号公報
【特許文献4】特開昭59−35019号公報
【特許文献5】特開昭64−24014号公報
【特許文献6】特開昭58−120512号公報
【特許文献7】特開2007−131502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
液晶パネルは、省電力・省資源に貢献できる表示装置であるので、今後、高度情報化社会の進展に伴って、急激に生産量が増大するとともに、その表示面積も大型化することが予測され、これに伴って、今後、廃液晶パネルも、数・量ともに急激に増大すると予想される。したがって、液晶パネルの重量の大半を占めるガラス(液晶パネルガラス)についても、廃棄物の低減と資源を大切にする観点から、再生利用することが好ましい。しかしながら特許文献1に開示された方法では、セメント材料として再利用することを意図しているため、液晶パネルガラスはスラグとなり、ガラス自体として再生利用することはできない。
【0013】
資源有効利用の観点からは、回収された液晶パネルガラスを液晶パネルガラス自体として再びマテリアルリサイクルすることが望ましい。しかしながら、液晶パネルガラス表面に付着している不純物、ガラス組成の異なる数多くの品種が存在することなどの理由で、光学的特性、熱特性の厳しい仕様が求められる液晶パネルガラスにリサイクルすることは、技術的に確立されていない。そのため、回収した液晶パネルガラスの、液晶パネルガラス以外の高付加価値製品としての用途開発が課題となっている。
【0014】
なお、液晶パネルガラスには無アルカリガラスと呼ばれるガラスが通常用いられている。無アルカリガラスは、液晶パネルの製造工程に適合するようにつくられた特殊なガラスであり、その歪点は650℃以上である。これに対し、びんガラス、建築用窓ガラス、ガラス繊維、食器ガラスなど幅広くガラス製品に用いられているソーダライムガラスの歪点は、550℃以下である。このように、100℃以上歪点が異なるため、一般的にガラス製品に使用されるソーダライムガラスの溶融加工設備で、再生利用のための無アルカリガラスの溶融加工を行うことは、加熱設備の性能、設備全般の耐熱性などの点で非常に困難である。また溶融温度の高い無アルカリガラスを、通常はソーダライムガラスを原料として使用する建築用窓ガラス、ガラス繊維、食器ガラスなどの汎用的な製品へ使用することは、エネルギー消費の観点からも不利となる。このように、通常のソーダライムガラス製品の原料としての用途に用いる方法は技術的に確立されていないのが現状である。このため、不要となった液晶パネルガラスの用途として、現状の製造工程の温度と比較し加工温度が上昇しない用途に用いる再資源化方法が望まれている。
【0015】
上述した特許文献2に記載された方法は、粉砕したガラス廃棄物を主原料とし、これに粉砕したセラミックス廃棄物を原料として使用し、1000〜1200℃の高温で加熱焼成する方法である。しかしながら、この特許文献2に開示された方法は、高温焼成の工程を経るため、再資源化方法としては、多大なエネルギーを消費するといった課題がある。そのため、エネルギーコストおよび設備コストが高くなり、得られたセラミックス製品は高価となる。
【0016】
上述した特許文献3に記載された方法は、粉砕したソーダ石灰ガラス廃棄物を主原料とした化合物の混合物を825〜900℃で焼成する方法である。しかしながら、この特許文献3に開示された方法は、ソーダ石灰ガラス廃棄物を対象とし、それに応じた組成へ調合し結晶化させセラミックス材料を作成する方法であり、無アルカリガラスへの適用については記載がされていない。
【0017】
上述した特許文献4に記載された方法は、石炭の流動床式燃焼炉から出る灰分を原料とするものである。石炭の燃焼により生成した灰分は、石炭中に含まれた無機成分が焼成された状態で残留したもので、AlとSiOを主成分としており、Al/SiO比は、2〜5の範囲となっている。このため、特許文献4に開示された方法では、原料の石炭灰に不純物が多く含まれるためゼオライトの合成率が低く、原料石炭の産地などによって原料組成のばらつきにより合成率にばらつきが生じるため、その都度組成を調合する操作が必要がある。
【0018】
上述した特許文献5に記載された方法は、石炭炊きボイラーの燃料残渣であるフライアッシュを原料としてゼオライト組成物を製造する方法である。しかしながら、フライアッシュは、ボイラー内で溶融後に急冷され、ガラス化した石炭灰であり、融点が高く、硬く安定であるため、反応しにくいといった課題があり、反応性を高めるため、アルカリで溶融し高温で溶融するなどの前処理が必要となり、効率が悪くなる。
【0019】
上述した特許文献6に記載された方法は、水砕スラグを原料としてゼオライトを生成する方法である。しかしながら、特許文献6に開示された方法のようにスラグを原料とする場合、スラグがゼオライト化を阻害するCa分を多く含むため、酸処理などCa分を除去する処理が必要となり、効率が悪くなる。
【0020】
上述した特許文献7に記載された方法は、原料を固体状塩基と混合し、200〜1000℃に加熱溶解し、水に対して易溶化した後、20〜200℃で水熱合成を施すゼオライトの製造方法である。しかしながら、この特許文献7に開示された方法は、1000℃付近の高温での加熱が必要であり、多大なエネルギーを消費する。
【0021】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、不要となり回収された無アルカリガラスを多大エネルギーを消費せず効率的に資源として有効利用する方法を提供し、さらに、水質浄化材、触媒材料などに利用可能なゼオライト構造を持つ無機材料の、効率的であり、容易に反応制御可能な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、無アルカリガラスを原料とする無機材料の製造方法であって、無アルカリガラスをアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程で得られたヒドロゲルを水熱合成処理する水熱合成工程とを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の無機材料の製造方法は、無アルカリガラスを酸性溶液で処理する酸処理工程と、所定のAl/SiO比となるようにアルミニウム化合物を添加する調合工程とを、前記アルカリ処理工程の前にさらに含むことが好ましい。
【0024】
本発明において、前記無アルカリガラスが、SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%の組成を有することが好ましい。
【0025】
本発明における前記無アルカリガラスは液晶表示装置から回収した無アルカリガラスであることが好ましい。
【0026】
本発明の無機材料の製造方法は、無アルカリガラスを0.001〜1mmに粉砕したものを原料とすることが好ましい。
【0027】
本発明において得られる無機材料はゼオライトであることが好ましく、A型ゼオライトおよび/またはP1型ゼオライトおよび/またはANA型ゼオライトであることがより好ましい。
【0028】
本発明における前記アルカリ溶液は、濃度が0.1〜10Nであることが好ましい。
本発明における前記アルカリ処理工程は、1秒間〜100時間撹拌することが好ましい。
【0029】
本発明における前記水熱合成工程は、70〜250℃で水熱合成処理することが好ましい。
【0030】
本発明における前記水熱合成工程はまた、1〜10気圧の圧力下で水熱合成処理することが好ましい。
【0031】
本発明における前記アルカリ溶液は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた少なくとも1種を含む溶液であることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、不要となった液晶パネルなどから回収された無アルカリガラスを高付加価値な無機材料へと有効に利用することが可能となる。本発明より、高温溶融などを施すことなく、不要となった無アルカリガラスを用いた無機材料を製造できるため、低環境負荷、かつ、低コストな製造方法が提供される。また、簡単な処理で無機材料を製造することが可能となり、安価なゼオライト材料を得ることができる。さらに、本発明によれば、所定の処理を経ることで反応を制御でき、所望の構造のゼオライト材料を合成することが可能となる無機材料の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の無機材料の製造方法の好ましい一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の無機材料の製造方法に好適に用いられる無アルカリガラスを備える典型的な一例の液晶パネル1を模式的に示す断面図である。
【図3】実施例2で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図4】実施例3で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図5】実施例4で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図6】実施例5で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図7】実施例6で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図8】実施例7で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図9】実施例8で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図10】実施例9で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図11】実施例10で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図12】実施例11で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図13】実施例12で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図14】実施例13で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図15】実施例14で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図16】実施例15で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図17】実施例16で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【図18】実施例17で得られた無機材料のX線回折の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の無アルカリガラスを用いた無機材料の製造方法は、基本的には、無アルカリガラスをアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理工程とアルカリ処理工程で得られたヒドロゲルを水熱合成処理する水熱合成工程とを含むことを特徴とする。このような本発明の無機材料の製造方法によれば、高温での溶融処理を施すことなく、無アルカリガラスを原料として用いて無機材料を製造することができる。これにより、不要となった液晶パネルなどに用いられている無アルカリガラスを、低環境負荷のプロセスで、資源として有効に利用することが可能となる。また、本来不要となった無アルカリガラスを原料とし、かつ、原料ガラスを高温溶融しないため、エネルギー消費量が少なく、設備コストおよびエネルギーコストが低いため、安価で高性能な水浄化剤、乾燥剤、分子ふるい、触媒などに使用できる無機材料を製造することが可能となる。
【0035】
本発明における無アルカリガラスは、SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%の組成を有することが、好ましい。これにより、SiO/Alがモル比で4.24以上であり、すなわちSi/Alモル比が1以上の範囲にあり、Y型ゼオライト(Si/Alモル比3以上)およびA型ゼオライト(Si/Alモル比1〜3)の原料として好適である。なお、無アルカリガラスがこのような組成を有することは、たとえば蛍光X線分析を用いた組成分析により確認することができる。
【0036】
液晶表示装置に使用されている無アルカリガラスを再資源化するため、本発明における無アルカリガラスは、液晶表示装置に搭載される液晶パネルガラスとして使用されている無アルカリガラス組成範囲である、SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲であることがより好ましい。SiOおよびAl組成、すなわち上述したSi/Alモル比の観点から、このような組成の無アルカリガラスは、ゼオライトの原料として好適に使用される。
【0037】
本発明においては、原料となる無アルカリガラスが上述した組成を有することで、不要となった液晶パネルなどから回収した無アルカリガラスを原料として好適に使用できるため資源有効利用が可能となる。このように液晶パネル用の無アルカリガラスを用いることで、石炭灰、フライアッシュ、スラグなどを用いた場合と異なり、原料組成のばらつきが少ないため、効率的に、反応制御性が良く、ゼオライトを製造することが可能となる。
【0038】
さらに、無アルカリガラスは、従来、加工温度が高く、再溶融する場合に多大なエネルギーを消費するため、環境負荷およびエネルギーコストの面から、ほとんどリサイクルがなされていなかった。本発明によれば、従来リサイクルされておらず、今後急激に増加すると予測される不要となった無アルカリガラスを資源として有効に利用することが可能となるといった効果が奏される。
【0039】
ここで、図1は、本発明の無機材料の製造方法の好ましい一例を示すフローチャートである。上述したように、本発明の無機材料の製造方法は、アルカリ処理工程(図1中、ステップS5)および水熱合成工程(図1中、ステップS6)を有していればよいが、合成するゼオライトの構造を調整するため、その前に、無アルカリガラスを酸性溶液で処理する酸処理工程(図1中、ステップS3)と、所定のSi/Al比となるようにアルミニウム化合物を添加する調合工程(図1中、ステップS4)とをさらに有していることが好ましい。図1に示す例のフローチャートは、さらに、無アルカリガラス回収工程(ステップS1)および粉砕工程(ステップS2)を有する場合を示している。以下、図1に示す例のフローチャートに沿って、本発明の無機材料の製造方法を詳細に説明する。
【0040】
〔1〕無アルカリガラス回収工程
図1に示す例では、まず、無アルカリガラス回収工程(ステップS1)として、たとえば、液晶パネルから無アルカリガラスを回収する。ここで、図2は、典型的な一例の液晶パネル1を模式的に示す断面図である。図2には、TFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ素子(図示せず)を備えた液晶パネルを示している。図2に示す例の液晶パネル1は、たとえば、対向配置された2枚のパネルガラス(カラーフィルタ側パネルガラス2a、TFT側パネルガラス2b)を備える。これらパネルガラス(ガラス基板)2a,2bは、対向配置された側(内面側)に、周縁部に沿ってシール樹脂体(シール材)3が設けられ、互いに貼り合わされてなる。また、これらパネルガラス2a,2bとシール樹脂体3とによって密封された領域には、液晶が封入され、液晶層4が形成されている。
【0041】
また、典型的な液晶パネルでは、図2に示すように、各パネルガラス2a,2bの対向配置された側とは反対側(外面側)には、偏光板5が粘着剤により貼着されている。典型的な液晶パネルでは、図2に示すように、カラーフィルタ側パネルガラス2aの内面側に、反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。また、典型的な液晶パネルでは、図2に示すように、TFT側パネルガラス2bの内面側に、画素電極10、バス電極11、絶縁膜12、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。前記反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12の膜厚は、前記2枚のパネルガラス2a,2bの厚みと比較して、十分に薄い。以下、図2に示す例の液晶パネルより無アルカリガラスを得る手順を説明するが、本発明において原料となる無アルカリガラスを回収する手順はこれに限定されるものではなく、また、液晶パネルから回収されたものにも限定されない。
【0042】
まず、液晶テレビなど、液晶パネルを備えた表示装置などから取り出された、たとえば図2に示すような構造の液晶パネル1から偏光板5を除去する。偏光板5の除去は、公知の機械的な方法を利用する。次に、貼り合わされたガラス基板2a,2bを、2枚に分離する。具体的には、ガラス基板におけるシール樹脂体3よりも内側の四辺を、該シール樹脂体3に沿って、ダイヤモンドソーやガラスカッターなどの切断工具を用いて矩形状に切断する。その後、必要に応じて外力を加えることにより、元の大きさよりも一回り小さい大きさのガラス基板を、液晶パネルから切断して取り外す。ガラス基板が取り外されると、封入されていた液晶層4が開封され、液晶は、ガラス基板に付着した状態で露出する。次に、液晶が露出したガラス基板から樹脂性のスキージを用いてかき取ることによって液晶を除去する。
【0043】
液晶パネルなどから回収された無アルカリガラスには、通常、カラーフィルタに使用される有機物薄膜、TFT(Thin Film Transistor)に使用される金属薄膜および無機物薄膜などの不純物が付着している。このような不純物は、たとえばサンドブラスト、回転研磨などの従来公知の機械的手法、ならびに、たとえば酸性溶液、有機溶媒によるエッチングなどの従来公知の化学的手法を適宜組み合わせることで、除去することができる。このように使用済み液晶テレビから取り出した液晶パネルから無アルカリガラスが回収される。
【0044】
〔2〕粉砕工程
図1に示す例では、続く粉砕工程(ステップS2)において、原料として使用する無アルカリガラスを粉砕する。ここで、無アルカリガラスの粉砕のサイズとしては、0.001〜1mmの範囲内であることが好ましく、0.001〜0.5mmの範囲内であることがより好ましい。無アルカリガラスを0.001〜1mmに粉砕したものを原料とすることで、後述するアルカリ処理工程において、アルカリ溶液との接触面積が増大し、反応効率が高くなることで、ヒドロゲルが効率的に生成できるという利点がある。また、無アルカリガラス内部まで反応が進行し、濃度のゆらぎが減少し、構造のばらつきが少ない、均一なゼオライト構造をもった無機材料を得ることが可能となる。
【0045】
粉砕の方法としては、従来公知のせん断方式の破砕機、ハンマーミル、ロールミル、カッターミル、ボールミル、ジェットミルなどを用いて粉砕することができる。また、複数段処理を行ない、粉砕することもできる。ハンマーミルなどを用い、粗破砕した後、ボールミルなどで微粉砕すると効率よく粉砕することができる。たとえば、上述の液晶パネルから回収された液晶パネル画面サイズの無アルカリガラスを、ハンマーミルなどで処理し、5mm以下のサイズに粗破砕したものを、さらに、ボールミルを用い1mm以下に粉砕し、無アルカリガラスの原料として用いる。
【0046】
〔3〕酸処理工程
図1に示す例では、続いて、酸処理工程(ステップS3)において、上述の無アルカリガラス粉体と、酸性溶液とを混合し、撹拌する酸処理を施す。混合し、撹拌する具体的な方法としては、従来公知の撹拌機を用いることができる。たとえば、マグネチックスターラー、インペラ式撹拌機、バレル式撹拌機などを用いることができる。これにより、無アルカリガラス中のCa分が酸性溶液に溶解し、分離除去される。
【0047】
酸性溶液としては、たとえば、塩酸、硝酸などの酸性物質を含む溶液を用いることができる。溶液はこれらの酸性物質を2種以上を含んでいてもよい。塩酸、硝酸を含む溶液を用いることにより、低コストで、効率的にCa分の除去が可能となる。
【0048】
酸処理工程における撹拌温度は、5〜100℃が好ましい。酸処理工程において攪拌温度が100℃を超えると、酸性物質が気化し、安全上の問題が生じ、設備の腐食も発生してしまう虞がある。酸処理工程において攪拌温度が5℃未満である場合には、溶解反応が極めて遅くなり、効率が悪くなってしまう。
【0049】
また酸処理工程における撹拌時間は、1分間〜10時間が好ましく、10分間〜5時間がより好ましい。酸処理工程において攪拌時間が1分間未満になると、酸性溶液と無アルカリガラスの十分な反応が得られず、無アルカリガラス中のCa成分がそのまま残ってしまいゼオライトの合成割合が低くなってしまう。また、酸処理工程において撹拌時間が10時間以上になると反応の進行が極端に遅くなり、製造効率が悪くなってしまう。
【0050】
酸性溶液の濃度は、酸の種類、ゼオライトの種類などに応じて適宜選択することができるが、0.01〜10Nが好ましく、0.1〜5Nがより好ましい。酸性溶液の濃度が0.01N未満になると、無アルカリガラスと酸性溶液の反応が小さくなり、効率的なゼオライト合成がなくなるからである。また、酸性溶液の濃度が10Nを超える場合には、廃液処理が困難となり、効率が悪くなる虞がある。
【0051】
無アルカリガラス粉体と酸性溶液との混合比(体積比)は、無アルカリガラス粉体/酸性溶液=1/1000〜1が好ましい。混合比(体積比)が1/1000より小さくなると、必要な酸性溶液が多くなりすぎ、処理効率が悪くなってしまう。混合比(体積比)が1より大きくなると、無アルカリガラス粉体と酸性溶液の接触面積が小さくなり、溶解反応が十分に進まなくなる。
【0052】
得られた無アルカリガラス粉体と酸性溶液との混合物をろ過し、無アルカリガラス粉体と酸性溶液を分離する。
【0053】
なお、Ca濃度が高くとも合成可能なソーダライト、Laumontiteなどを合成する場合は、酸処理工程は省略することができる。
【0054】
〔4〕調合工程
図1に示す例では、続く調合工程(ステップS4)において、アルミニウム化合物および/またはシリコン化合物を添加し、粉体中のSi/Alモル比の調整を行う。たとえば、無アルカリガラス中に含まれるSiと、無アルカリガラス中に含まれるAlと、添加したアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物に含まれるAlおよび/またはSiとを考慮したSi/Alモル比が0.4〜9の範囲となるように、アルミニウム化合物および/またはシリコン化合物を添加することにより、後述の水熱合成で所定の温度で処理することにより、A型および/またはNa−P1型ゼオライトの合成が可能となる。無アルカリガラスのもともとの組成におけるSi/Alモル比が0.4〜9の範囲にある場合は、調合工程は省略してもA型および/またはNa−P1型ゼオライトが合成できる。
【0055】
また、無アルカリガラス中に含まれるSiと、無アルカリガラス中に含まれるAlと、添加したアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物に含まれるAlとを考慮したSi/Alモル比に関し、Si/Alモル比が9〜20の範囲となるように、アルミニウム化合物を添加することにより、ANA型ゼオライトの合成が可能となる。無アルカリガラスのもともとの組成におけるSi/Alモル比が9〜20の範囲にある場合は、調合工程は省略してもANA型ゼオライトが合成できる。
【0056】
添加するアルミニウム化合物としては、たとえば、NaAlO、Al(OH)、AlClなどを用いることができる。NaAlO、Al(OH)、AlClを用いることにより、反応性が高く、効率的に反応を進行させることができる。
【0057】
また、添加するシリコン化合物としては、たとえば、NaSiO・9HOなどを用いることができる。NaSiO・9HOを用いることにより、反応性が高く、効率的に反応を進行させることができる。
【0058】
添加するアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の形態としては、粉体が好ましい。これにより後述のアルカリ処理工程において、均一に混合撹拌することが可能となる。
【0059】
〔5〕アルカリ処理工程
図1に示す例では、次に、本発明の無機材料の製造方法において必須の工程であるアルカリ処理工程(ステップS5)において、上述の無アルカリガラス粉体と、アルカリ溶液とを混合し、撹拌する。混合し、撹拌する具体的な方法としては、従来公知の撹拌機を用いる。たとえば、マグネチックスターラー、インペラ式撹拌機、バレル式撹拌機などを用いることができる。これにより、無アルカリガラスがアルカリ溶液に溶解し、ヒドロゲルの状態となる。
【0060】
アルカリ処理工程における撹拌温度は、5〜80℃が好ましい。アルカリ処理工程において攪拌温度が80℃を超えると、アルカリ溶液が気化し、安全上の問題が生じる虞がある。また、アルカリ処理工程における攪拌温度が5℃未満になると、溶解反応が極めて遅くなり、効率が悪くなってしまう場合がある。
【0061】
またアルカリ処理工程における撹拌時間は、1秒間〜100時間が好ましい。アルカリ処理工程において攪拌時間が1秒間未満になると、アルカリ溶液と無アルカリガラスの十分な反応が得られず、無アルカリガラスがそのまま残ってしまいゼオライトの合成割合が低くなってしまう虞がある。また、アルカリ処理工程において撹拌時間が100時間以上になると反応の進行が極端に遅くなり効率が悪くなってしまう場合がある。
【0062】
アルカリ処理工程に用いるアルカリ溶液としては、特に制限されないが、廃液処理の観点および取り扱いの容易性の観点から、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ物質を含む溶液が好ましい。溶液はこれらのアルカリ物質を2種以上を含んでいてもよい。なお、強アルカリ溶液であり反応性が極めて高く、安価であることから、上記中でも、水酸化ナトリウムをアルカリ溶液として用いることが好ましい。
【0063】
アルカリ処理工程に用いるアルカリ溶液の濃度は、アルカリの種類、ゼオライトの種類などに応じて適宜選択することができるが、0.1〜10Nが好ましく、0.2〜5Nがより好ましい。アルカリ溶液の濃度が0.1N未満になると、無アルカリガラスとアルカリ溶液の反応が小さくなり、効率的なゼオライト合成がなくなるからである。また、10Nを超えるアルカリ溶液を用いた場合には、廃液処理が困難になる虞がある。
【0064】
無アルカリガラス粉体とアルカリ溶液との混合比(体積比)は、無アルカリガラス粉体/アルカリ溶液=1/1000〜1/10が好ましい。混合比(体積比)が1/1000より小さくなると、必要なアルカリ溶液が多くなりすぎ、処理効率が悪くなってしまう場合がある。混合比(体積比)が1/10より大きくなると、無アルカリガラス粉体とアルカリ溶液の接触面積が小さくなり、溶解反応が十分に進まなくなる虞がある。
【0065】
〔6〕水熱合成工程
図1に示す例では、次に、本発明の無機材料の製造方法において必須の工程である水熱合成工程(ステップS6)において、得られたヒドロゲルを水熱合成処理し、ゼオライトを合成する。水熱合成処理は、バッチ式または連続式のいずれによっても行うことができ、たとえば耐圧容器または反応器にヒドロゲルを導入し、好ましくは70〜250℃、より好ましくは100〜200℃に加熱することにより、水熱状態を得る。これにより、従来のセラミックス材料として焼成する方法と異なり、さらに低温での無機材料の合成が可能となり、ボイラーなどの廃熱を利用できる温度範囲であり、省エネルギーに貢献できる方法となる。なお、水熱合成工程における温度が70℃未満である場合には、合成反応速度が極めて遅くなり、効率が悪くなるという傾向にあり、また、250℃を超える場合には、他の化合物が生成してしまう場合があるためである。
【0066】
たとえば、前述の調合工程において、Si/Alモル比が0.4〜9の範囲となるように調合し、水熱合成工程において95℃で水熱合成することによりA型ゼオライトを合成することができ、150℃で水熱合成することによりNa−P1型ゼオライトを合成することができる。
【0067】
また、前述の調合工程において、Si/Alモル比が9〜20の範囲となるように調合し、シリコン化合物を添加し、水熱合成工程において150℃で水熱合成することによりANA型ゼオライトを合成することができる。
【0068】
水熱合成の圧力はその温度での飽和蒸気圧とし,1気圧〜10気圧となるように、反応容器内に導入する液体、固体の量を設定し、反応容器内の空間の体積を調整する。
【0069】
水熱合成の合成時間は、1時間から100時間とする。合成時間が1時間未満である場合は、十分にゼオライトが生成しない場合がある。また合成時間が100時間を超えると、合成速度が極端に遅くなり、効率が悪くなってしまう虞がある。
【0070】
たとえば、前述の150℃で水熱合成してA型ゼオライトを合成する場合、水熱合成時間は、24〜72時間とすることが好ましい。
【0071】
このようにSi/Al比、水熱合成工程の加熱温度、水熱合成工程の処理時間を適当に選択することにより、種々のゼオライトを合成することが可能となる。
【0072】
上述したような本発明の無機材料の製造方法によれば、上述した原料から直接的にゼオライト構造を持った無機材料を得ることができる。すなわち、酸処理工程を施すか、調合工程における調合を適宜に選択することにより、高価な合成装置などを必要とせず、所望の構造を有する、上述した原料の化合物からなるゼオライト構造を持った無機材料を直接的に得ることができる。
【0073】
なお、無機材料の製造方法は、好ましくは250℃以下の温度域で水熱合成し、作製するものであり、この場合にはボイラーの廃熱などを利用することができる温度域であり、省エネルギーに貢献することができる。
【0074】
本発明の方法によって得られた無機材料は、条件に応じて、様々なゼオライト構造のものを得ることができる。この様な無機材料は、水質浄化剤、触媒材料などに利用することができる。
【0075】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0076】
<実施例1>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの1M、3M、5M HClに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て塩酸処理廃ガラスを得た。また、中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの1M、3M、5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。
【0077】
それぞれの酸処理条件について、吸引ろ過したろ液の定量分析を行ない、ガラス成分中の各成分の溶出率(ガラスに含まれていた各成分量に対する溶出した成分量の割合)を評価した。結果を表1に示す。酸処理によりCa分が優先的に溶液中に溶出していることを確認した。
【0078】
【表1】

【0079】
<実施例2>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス2gを秤量し、これに15mLの10M NaOHを加え、ポリテトラフルオロエチレン製の容器にて、混合撹拌を行なった。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は2.1〜6.8となっている。24時間攪拌した後に温風加熱機にて150℃で、1、3、4、5日間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0080】
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された無機材料の相の同定を行なった。結果を図3に示す。図3より分かるように、ゼオライトの1種であるソーダライトが合成されたことを確認した。
【0081】
<実施例3>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス2gを秤量し、これに15mLの1M NaOHを加え、ポリテトラフルオロエチレン製の容器にて、混合撹拌を行なった。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は2.1〜6.8となっている。24時間攪拌した後に温風加熱機にて150℃で、1、2、3、4、5日間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0082】
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された無機材料の相の同定を行なった。結果を図4に示す。図4より分かるように、ゼオライトの1種であるソーダライトが合成されたことを確認した。
【0083】
<実施例4>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス2.6gを秤量し、これに40mLの0.2M NaOHを加え、ポリテトラフルオロエチレン製の容器にて、混合撹拌を行なった。さらに、3.362gのNaAlOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は0.4〜0.8となっている。10分間攪拌した後に温風加熱機にて95℃で、48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0084】
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された無機材料の相の同定を行なった。結果を図5に示す。図5より分かるように、Ca−Al−Si−O系化合物およびLaumontite(CaAlSi1648)などが合成されたことを確認した。
【0085】
<実施例5>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの1M、3M、5M各濃度のHClに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て塩酸処理廃ガラスを得た。各濃度で塩酸処理した廃ガラス2.6gをそれぞれ別々に40mLの0.2M NaOHに加え、さらに、3.362gのNaAlOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は0.4〜0.8となっている。10分間攪拌した後に95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0086】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。1M、3M、5M各濃度のHCl処理についての結果を図6に示す。図6より分かるように、いずれの塩酸処理条件についてもA型ゼオライトおよびChabaziteが合成されたことを確認した。
【0087】
<実施例6>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの1M、3M、5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。各濃度で硝酸処理した廃ガラス2.6gをそれぞれ別々に40mLの0.2M NaOHに加え、さらに、3.362gのNaAlOと混合した。実施例5と同様に、上述の好ましい組成の無アルカリガラスであればSi/Alモル比は0.4〜0.8となっている。10分間攪拌した後に95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0088】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。1M、3M、5M各濃度のHNO処理についての結果を図7に示す。図7より分かるように、いずれの硝酸処理条件についてもA型ゼオライトおよびChabaziteが合成されたことを確認した。
【0089】
<実施例7>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを200mLの1M HClに加え100℃にて2時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て塩酸処理廃ガラスを得た。塩酸処理した廃ガラス2.6gを40mLの0.2M NaOHに加え、さらに、3.362gのNaAlOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は0.4〜0.8となっている。10分間および24時間攪拌した後に95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0090】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。結果を図8に示す。図8より分かるように、いずれの撹拌時間についてもA型ゼオライトおよびChabaziteが合成されたことを確認した。
【0091】
<実施例8>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの3M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。硝酸処理した廃ガラス2.6gをそれぞれ別々に40mLの0.2M NaOHに加え、さらに、3.362gのNaAlOと混合した。実施例7と同様に、上述の好ましい組成の無アルカリガラスであればSi/Alモル比は0.4〜0.8となっている。10分間および24時間攪拌した後に95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0092】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。結果を図9に示す。図9より分かるように、いずれの撹拌時間についてもA型ゼオライトおよびChabaziteが合成されたことを確認した。
【0093】
<実施例9>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの5M HClに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て塩酸処理廃ガラスを得た。塩酸処理した廃ガラス2.6gを40mLの0.2M NaOHに加え、さらに、0.16gのNaAlOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は1.8〜4.9となっている。1時間攪拌した後に24時間放置した後150℃で24、48、72時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0094】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。24、48、72時間の水熱合成処理についての結果を図10に示す。図10より分かるように、いずれの水熱合成時間についてもNa−P1型ゼオライトが合成されたことを確認した。
【0095】
<実施例10>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。硝酸処理した廃ガラス2.6gを40mLの0.2M NaOHに加え、さらに、0.16gのNaAlOと混合した。実施例9と同様に、上述の好ましい組成の無アルカリガラスであればSi/Alモル比は1.8〜4.9となっている。1時間攪拌した後に24時間放置した後150℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0096】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。24、48、72時間の水熱合成処理についての結果を図11に示す。図11より分かるように、いずれの水熱合成時間についてもNa−P1型ゼオライトが合成されたことを確認した。
【0097】
<実施例11>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを200mLの1M HClに加え100℃にて2時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て塩酸処理廃ガラスを得た。塩酸処理した廃ガラス0.5g、1.0g、2.0gをそれぞれ別々の容器の40mLの10M NaOHに加えた。これは、それぞれアルカリ処理工程におけるガラス粉体とアルカリ溶液との混合比(体積比)が、無アルカリガラス粉体/アルカリ溶液=1/200、1/100、1/50に相当する。また、このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は2.1〜6.8となっている。1時間攪拌した後に150℃で48時間の条件でそれぞれ別々の容器で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0098】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。0.5g、1.0g、2.0gについての結果を図12に示す。図12より分かるように、いずれの廃ガラス量についてもゼオライトの1種であるソーダライトが合成されたことを確認した。
【0099】
<実施例12>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの3M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。硝酸処理した廃ガラス0.5g、1.0g、2.0gをそれぞれ別々の容器の40mLの10M NaOHに加えた。実施例11と同様に、上述の好ましい組成の無アルカリガラスであればSi/Alモル比は2.1〜6.8となっている。1時間攪拌した後に150℃で48時間の条件でそれぞれ別々の容器で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0100】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。0.5g、1.0g、2.0gについての結果を図13に示す。図13より分かるように、いずれの廃ガラス量についてもゼオライトの1種であるソーダライトが合成されたことを確認した。
【0101】
<実施例13>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの3M HClに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て塩酸処理廃ガラスを得た。塩酸処理した廃ガラス0.5g、1.0g、2.0gをそれぞれ別々の容器の40mLの10M NaOHに加えた。これは、それぞれアルカリ処理工程におけるガラス粉体とアルカリ溶液との混合比(体積比)が、無アルカリガラス粉体/アルカリ溶液=1/200、1/100、1/50に相当する。さらに、それぞれ1.01g、2.02g、4.04gのNaSiO・9HOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は3.0〜8.6となっている。1時間攪拌した後に150℃で48時間の条件でそれぞれ別々の容器で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0102】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。廃ガラス0.5g、1.0g、2.0gについての結果を図14に示す。図14より分かるように、いずれの廃ガラス量についてもNa−P1型ゼオライトが合成されたことを確認した。
【0103】
<実施例14>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの3M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。硝酸処理した廃ガラス0.5g、1.0g、2.0gをそれぞれ別々の容器の40mLの10M NaOHに加えた。さらに、それぞれ1.01g、2.02g、4.04gのNaSiO・9HOと混合した。実施例13と同様に、上述の好ましい組成の無アルカリガラスであればSi/Alモル比は1.8〜4.9となっている。1時間攪拌した後に150℃で48時間の条件でそれぞれ別々の容器で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0104】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。廃ガラス0.5g、1.0g、2.0gについての結果を図15に示す。図15より分かるように、いずれの廃ガラス量についてもNa−P1型ゼオライトが合成されたことを確認した。
【0105】
<実施例15>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの5M HClおよび5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て塩酸処理廃ガラスおよび硝酸処理廃ガラスを得た。塩酸および硝酸処理した廃ガラス2.6gをそれぞれ40mLの0.2M NaOHに加え、さらに、19.98gのNaSiO・9HOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は9〜20となっている。1時間攪拌した後に150℃で24、48、72時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0106】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。24、48、72時間の水熱合成処理についての結果を図16に示す。図16より分かるように、いずれの水熱合成時間についてもANA型ゼオライト(Na16Si32Al1696・16HO)が合成されたことを確認した。
【0107】
<実施例16>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。14mLの0.05M、0.1M、0.2M、0.5M、1.0M、2.0M、5.0M、10.0M NaOHにそれぞれ硝酸処理した廃ガラス1.0gを加え、さらに、それぞれ1.287gのNaAlOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は0.4〜0.8となっている。10分間攪拌した後に95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0108】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。0.05M、0.1M、0.2M、0.5M、1.0M、2.0M、5.0M、10.0M NaOHについての結果を図17に示す。図17より分かるように、0.05M、0.1Mについては、A型ゼオライトの微小なピークが見られた。0.2M、0.5M、1M、2MについてはA型ゼオライトが合成したことを確認できた。5M、10Mについてはソーダライトが合成したことを確認できた。
【0109】
<実施例17>
中心径10μmに粉砕した無アルカリガラス10gを250mLの5M HNOに加え、55℃にて10分間、1時間、3時間の3種類の条件で攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。
【0110】
各時間で硝酸処理した廃ガラス1.0gをそれぞれ別々に14mLの0.2M NaOHに加え、さらに、1.287gのNaAlOと混合した。このとき、上述の好ましい組成の無アルカリガラス(SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲、ただしAl、B、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaOの組成がそれぞれ下限の10重量%、5重量%、5重量%であれば)であればSiOの上限は80重量%である)であればSi/Alモル比は0.4〜0.8となっている。10分間攪拌した後に95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て無機材料の試料を得た。
【0111】
得られたそれぞれの試料のX線回折を行ない、合成物質の同定を行なった。酸処理工程が10分間、1時間(60分間)、3時間(180分間)の3種類の硝酸処理についての結果を図18に示す。図18より分かるように、いずれの硝酸処理時間についてもA型ゼオライトおよびChabaziteが合成されたことを確認した。
【0112】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0113】
1 液晶パネル、2a カラーフィルタ側パネルガラス、2b TFT側パネルガラス、3 シール樹脂体、4 液晶層、5 光学フィルム、6 反射防止膜、7 カラーフィルタ、8 透明導電膜、9 配向膜、10 画素電極、11 バス電極、12 絶縁膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無アルカリガラスを原料とする無機材料の製造方法であって、無アルカリガラスをアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程で得られたヒドロゲルを水熱合成処理する水熱合成工程とを含むことを特徴とする無機材料の製造方法。
【請求項2】
無アルカリガラスを酸性溶液で処理する酸処理工程と、所定のAl/SiO比となるようにアルミニウム化合物を添加する調合工程とを、前記アルカリ処理工程の前にさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の無機材料の製造方法。
【請求項3】
前記無アルカリガラスが、SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%の組成を有する、請求項1または2に記載の無機材料の製造方法。
【請求項4】
前記無アルカリガラスが、液晶表示装置から回収した無アルカリガラスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の無機材料の製造方法。
【請求項5】
無アルカリガラスを0.001〜1mmに粉砕したものを原料とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機材料の製造方法。
【請求項6】
得られる無機材料がゼオライトであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無機材料の製造方法。
【請求項7】
得られる無機材料がA型ゼオライトおよび/またはP1型ゼオライトおよび/またはANA型ゼオライトであることを特徴とする請求項6に記載の無機材料の製造方法。
【請求項8】
前記アルカリ溶液は、濃度が0.1〜10Nであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無機材料の製造方法。
【請求項9】
前記アルカリ処理工程は、1秒間〜100時間撹拌することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無機材料の製造方法。
【請求項10】
前記水熱合成工程は、70〜250℃で水熱合成処理することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の無機材料の製造方法。
【請求項11】
前記水熱合成工程は、1〜10気圧の圧力下で水熱合成処理することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の無機材料の製造方法。
【請求項12】
前記アルカリ溶液は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた少なくとも1種を含む溶液である請求項1〜11のいずれかに記載の無機材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−116743(P2012−116743A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238383(P2011−238383)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】