説明

無グルテン構造化タンパク質製品

本発明は、テクスチャライズできるタンパク質と結合剤とを含んでなる構造化タンパク質製品に関する。本発明はまた、実質的に整列したタンパク質繊維がある、小麦非含有、特に無グルテンの構造化タンパク質製品を押し出す方法にも関する。本方法はまた、小麦含有混合物でも機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本明細書は、その内容全体を参照によって本明細書に援用する、2009年10月31日に出願された米国仮特許出願第61/256,965号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、構造化タンパク質製品、およびこのような製品を製造する方法を提供し、得られる製品は高度に構造化されたタンパク質製品である。特に構造化タンパク質製品はタンパク質を含み、結合剤を含んでいてもよく、好ましくは無小麦または無グルテン(gluten free)である。
【背景技術】
【0003】
食品開発者らは、多種多様な植物タンパク質から、牛肉、豚肉、家禽、魚、および甲殻類類似物などの許容可能な肉様食品を調製する方法を開発するために長時間を割いてきた。ダイズタンパク質は、その相対的存在量と妥当な低価格のために、タンパク質源として利用されている。肉類似物は、押し出し工程を使用して調製し得る。押し出されると、押し出し物は一般に膨張して、いくぶん構造化された物質を形成する。高タンパク質押し出し物からできた肉類似物は、筋肉様テクスチャ特性と口当たりを欠いているために、現在に至るまでその受容性は限定的である。むしろそれらは、形成されたランダム構造を主因とする、スポンジ状であり容易にかみこなせないことで特徴付けられる。一般的な用途は、ハンバーグタイプの挽肉増量剤である。
【0004】
さらに一部の消費者による小麦またはグルテンに対するアレルギーと嫌悪のために、小麦または小麦グルテンを含む成分の使用なしに、構造化タンパク質製品を製造することが所望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
主に非構造化成分を使用して、動物肉の線維性構造をシミュレートし、許容可能な筋肉様テクスチャを有する、無小麦または無グルテンの構造化タンパク質製品を製造することに対する、依然として満たされていない必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の重要な態様は、主に非構造化成分から構造化タンパク質製品を開発することである。この構造化タンパク質製品は、調理動物肉に類似した粘稠度を有し得る。本発明は、特に結合剤を含んでいてもよい、構造化タンパク質製品である。タンパク質が少なくとも1つのオリゴ糖類または多糖類構成要素を含む場合、タンパク質は追加的構成物なしに使用し得る。追加的構成物なしに2種以上のタンパク質を使用し得る。これらの構成物は、タンパク質が押し出し中に剪断場で引き伸ばされて、動物肉類似構造を有する細長いタンパク質ストランドが作り出されるようにしてなくてはならない。したがって使用される場合、タンパク質および結合剤は、タンパク質が押し出し中にストランドに引き伸ばされるようにすべきであり、それは後から機械的に分離され得る。例示的な結合剤としては、オリゴ糖類、多糖類、二糖類、単糖類、その他のデンプン、脂質、および主要タンパク質として使用されるタンパク質以外のあらゆるタンパク質が挙げられる。
【0007】
現行の本発明の類似製品は調合物中で小麦グルテンを使用するが、本発明は小麦および/またはグルテンを必要としない。したがって本発明は、多様なテクスチャライズできるタンパク質を組み込んで、実質的に整列した繊維を示す構造化タンパク質製品を作り出してもよい。本発明はまた、構造化タンパク質製品を製造する方法を提供する。完成品は、再構成菜食主義製品、全筋様製品、再構成肉製品、またはその他の食物組成物を作り出すのに使用し得て、そこではタンパク質ストランドが最終製品中に構造を提供する。要約すれば、構造化タンパク質製品は、その他の任意の構成物に加えて、少なくとも1つのタンパク質を含有して、結合剤を含有していてもよい。タンパク質含量は、構造化タンパク質製品の乾燥重量を基準にして約40%〜約100%である。構造化タンパク質製品の乾燥重量を基準にして、約0%〜約35%に等しい量で任意の結合剤を添加し得る。
【0008】
本発明の別の態様は、本発明の構造化タンパク質製品を含んでなる、再構成肉組成物を製造する方法を提供する。
【0009】
本発明のさらなる態様は、多様な製品中で使用される構造化タンパク質製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1a】チキンの筋肉繊維を示す顕微鏡写真画像を描写する。
【図1b】単離ダイズタンパク質、タピオカデンプン、およびその他の成分を使用した、本発明の構造化タンパク質製品を示す、顕微鏡写真画像を描写する。
【図2】単離ダイズタンパク質、コーンフラワー、およびその他の成分を使用した、本発明の構造化タンパク質製品を示す、顕微鏡写真画像を描写する。
【図3】単離ダイズタンパク質、米粉、およびその他の成分を使用した、本発明の構造化タンパク質製品を示す、顕微鏡写真画像を描写する。
【図4】単離ダイズタンパク質とタピオカデンプンのみを使用した、本発明の構造化タンパク質製品を示す、顕微鏡写真画像を描写する。
【図5a】市販されるテクスチャ加工されたダイズ濃縮物を示す顕微鏡写真画像を描写する。
【図5b】ダイズタンパク質濃縮物、タピオカデンプン、およびその他の成分を使用した、本発明の構造化タンパク質製品を示す、顕微鏡写真画像を描写する。
【図6a】市販されるテクスチャ加工ダイズ粉を示す、顕微鏡写真画像を描写する。
【図6b】ダイズ粉を使用した本発明の構造化タンパク質製品を示す、顕微鏡写真画像を描写する。
【0011】
カラー図面への言及
本明細書はカラーで撮影された少なくとも1つの写真を収録する。この特許出願のカラー写真付きコピーは、要請と必要な手数料の支払いがあれば、特許庁によって提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、所望の構造を有さない成分から、構造化タンパク質製品を作り出す方法を提供する。特に本発明は、無小麦および/または無グルテンであり得る構造化タンパク質製品に関する。得られる製品は、少なくとも1つのタンパク質と任意の結合剤を含んでなる。
【0013】
その原料または成分分類に関わりなく、押し出し工程で利用される成分は、典型的に実質的に整列したタンパク質繊維を有する押し出し物を形成できる。このような成分の適切な例については、以下でより詳細に述べる。
【0014】
構造化タンパク質製品中で使用されるタンパク質成分は、テクスチャライズされ得るタンパク質である。テクスチャライズされ得るタンパク質であるとしては、ダイズタンパク質が挙げられるが、これに限定されるものではない。無小麦または無グルテン製品が好ましいので、使用されるタンパク質は、小麦または近縁種または亜種由来であってはならない。
【0015】
特定のダイズタンパク質製品としては、ダイズタンパク質単離物製品が挙げられる。ダイズタンパク質単離物は結合剤と共に使用して、線維性のタンパク質製品を形成するべきである。任意の成分を添加して、追加的な所望の特徴を製品に与え得る。
【0016】
第2の製品はダイズタンパク質濃縮物を含んでなり、結合剤と共に使用して構造化タンパク質製品を構成し得る。任意の成分を添加して、追加的な所望の特徴を製品に与え得る。
【0017】
第3の製品はダイズ粉を含んでなり、結合剤と共に使用して構造化タンパク質製品を構成し得てもよい。この第3の製品には追加的結合剤は必要でない。その他の任意の成分を添加して、追加的な所望の特徴を製品に与え得る。
【0018】
したがってタンパク質源としては、ダイズ粉、ダイズタンパク質濃縮物、ダイズタンパク質単離物、その他のテクスチャライズできるタンパク質およびそれらの組み合わせが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0019】
(A)タンパク質含有材料
(i)植物性タンパク質材料
例示的実施態様では、植物に由来する少なくとも1つの成分を利用して、タンパク質含有材料を形成する。一般的に言えば、成分はタンパク質を含んでなる。利用される成分中に存在するタンパク質量は、用途に応じて変動し得て、また変動する。例えば組成物で利用されるタンパク質含有成分量は、組成物の約45重量%〜約100重量%(乾燥ベース)に及んでもよい。別の実施態様では、利用されるタンパク質含有成分中に存在するタンパク質の量は、組成物の約50重量%〜約100重量%(乾燥ベース)に及んでもよい。さらなる実施態様では、利用されるタンパク質含有成分中に存在するタンパク質の量は、組成物の約60重量%〜約100重量%(乾燥ベース)に及んでもよい。なおも別の実施態様では、利用されるタンパク質含有成分中に存在するタンパク質の量は、組成物の約70重量%〜約100重量%(乾燥ベース)に及んでもよい。なおもさらなる実施態様では、タンパク質含有成分は組成物の約75重量%〜約100重量%(乾燥ベース)に及ぶ。なおも別の実施態様では、タンパク質含有成分は組成物の約75重量%〜約90重量%(乾燥ベース)に及ぶ。
【0020】
押し出し中に利用されるタンパク質含有成分は、多様な適切な植物に由来してもよい。植物は従来法でまたは有機農法で栽培してもよい。非限定的例として、適切な植物としては、マメ科植物、トウモロコシ、エンドウ豆、カノーラ、ヒマワリ、ソルガム、アマランス、ジャガイモ、タピオカ、葛、カンナ、ルピナス、ナタネ、オート麦、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、タンパク質はダイズに由来する。
【0021】
(ii)ダイズタンパク質材料
例示的実施態様では、上で詳細したように、押し出し工程でダイズタンパク質単離物、ダイズタンパク質濃縮物、ダイズ粉、およびそれらの混合物を利用してもよい。ダイズタンパク質材料は、一般に当該技術分野で知られている方法に従って、丸ダイズに由来してもよい。丸ダイズは、非遺伝子改変ダイズ、遺伝子改変ダイズ、およびそれらの組み合わせであってもよい。
【0022】
一実施態様では、ダイズタンパク質材料は、ダイズタンパク質単離物であってもよい。一般に、ダイズタンパク質単離物は、無水(乾燥)ベースで少なくとも約90%ダイズタンパク質のタンパク質含量を有する。一般的に言えば、ダイズタンパク質単離物が使用される場合、好ましくは、高度加水分解ダイズタンパク質単離物でない単離物が選択される。しかし特定の実施態様では、一般に、合わせたダイズタンパク質単離物の高度加水分解ダイズタンパク質単離物含量が、合わせたダイズタンパク質単離物の約40重量%未満であるという条件で、その他のダイズタンパク質単離物との併用で、高度加水分解ダイズタンパク質単離物を使用してもよい。本発明で有用なダイズタンパク質単離物の例は、例えばSolae,LLC(St.Louis,MO)から市販され、SUPRO(登録商標)500E、SUPRO(登録商標)EX33、SUPRO(登録商標)620、SUPRO(登録商標)EX45、SUPRO(登録商標)595、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
代案としては、ダイズタンパク質濃縮物を単独で使用してもよく、またはダイズタンパク質材料源として、ダイズタンパク質単離物と混合してもよい。典型的にダイズタンパク質濃縮物をダイズタンパク質単離物と混合する場合、ダイズタンパク質濃縮物は合わせたタンパク質成分重量の約1%〜約99%のレベルで使用される。一実施態様では、ダイズタンパク質濃縮物をタンパク質成分の合わせた重量の約50%までのレベルで使用し得る。一実施態様では、合わせたタンパク質成分重量の約40%のダイズタンパク質濃縮物を使用することもまた可能である。別の実施態様では、使用されるダイズタンパク質濃縮物の量は、合わせたタンパク質成分重量の約30%までである。本発明で有用な適切なダイズタンパク質濃縮物の例としては、Solae,LLC(St.Louis,MO)から市販されるPROCON(登録商標)2000、ALPHA(登録商標)12、ALPHA(登録商標)5800、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
ダイズ粉は単独で使用してもよく、またはダイズタンパク質材料源としてダイズタンパク質単離物、ダイズタンパク質濃縮物、またはダイズタンパク質単離物とダイズタンパク質濃縮物双方と混合してもよい。ダイズ粉をダイズタンパク質単離物と組み合わせる、ダイズ粉はタンパク質成分の合わせた重量の約1%〜約99%のレベルで使用される。ダイズ粉を使用する場合、出発原料は好ましくは脱脂ダイズ粉またはフレークである。全脂ダイズは、およそ40重量%のタンパク質とおよそ20重量%の油を含有する。脱脂ダイズ粉またはフレークが出発タンパク質成分を形成する場合、これらの全脂ホールダイズは従来の方法を通じて脱脂されてもよい。例えば豆を清潔にして脱皮し、挽き割って一連の圧扁ロールに通過させ、次にヘキサンまたはその他の適切な溶剤を使用して溶剤抽出し、油を抽出して脱脂フレークを製造しもよい。脱脂フレークを粉砕してダイズ粉を製造してもよい。全脂ダイズ粉はまた、タンパク質源の役割を果たしてもよい。
【0025】
タンパク質含有材料の組み合わせ
多様な原料から単離されたタンパク質含有材料の組み合わせの非限定的組み合わせを表Aに詳述する。一実施態様では、タンパク質含有材料は、ダイズに由来する。別の実施態様では、タンパク質含有材料は、ダイズ由来材料とカノーラ由来材料の混合物を含んでなる。なおも別の実施態様では、タンパク質含有材料は、ダイズ、エンドウ豆、および乳製品に由来する材料混合物を含んでなり、乳タンパク質は、乳清である。
【0026】
表A.タンパク質含有材料の組み合わせ

【0027】
(表A.続き)

【0028】
(B)結合剤
ダイズタンパク質単離物またはダイズタンパク質濃縮物ベースの配合では、使用される場合、結合剤は、一般に配合物中のダイズタンパク質成分の約4重量%〜約25重量%に等しい量で添加される。配合物中のダイズ粉では、結合剤は、配合物中のダイズ粉の約0重量%〜約25重量%に等しい量で添加されてもよい。ダイズ粉中の結合成分は、その他の製品中で結合剤の機能を果たし得るので、結合剤を添加する必要なしに、ダイズ粉と別のダイズタンパク質源を組み合わせることも可能である。
【0029】
結合剤は必ずしも別の成分として添加しなくてもよく、それはタンパク質成分の構成要素であり得る。例としてダイズ粉中のオリゴ糖類は結合剤の役割を果たすが、別に添加される成分としてでなくダイズ粉の一部として存在する。したがってタンパク質成分が組成物全体を構成し得る。
【0030】
製品中で結合剤を使用する場合、それは穀物、塊茎、根茎、およびその他のデンプン原料、またはそれらの組み合わせなどの様々な原料からのデンプン源であり得る。多糖類、オリゴ糖類、単糖類または二糖類を製品中で結合剤として使用し得る。結合剤は、単独でまたは組み合わせて使用し得る。理論により拘束されることなく、結合剤はタンパク質ストランド間のスペーシングを可能にする低タンパク質相または領域を提供することにより、タンパク質を別個のストランドに延長できるようにするはずである。
【0031】
以下で考察するように、上述の組成物に添加し得る多様なその他の成分がある。これらとしては、着色剤、着香料、栄養添加剤、架橋剤、湿潤剤、食物繊維、pH調節剤などが挙げられるが、これに限定されるものではない。その他の成分は組成物の約0重量%〜約45重量%に及び得る。
【0032】
(i)炭水化物
タンパク質に加えて、構造化タンパク質製品中で、その他の添加成分を利用してもよいことが想定される。このような成分の非限定的例としては、糖、デンプン、オリゴ糖類、および食物繊維が挙げられる。例としてデンプンは、トウモロコシ、タピオカ、ジャガイモ、米などに由来してもよい。適切な食物繊維源は、例えば、ダイズ子葉繊維をはじめとするあらゆる適切な食物繊維であってもよい。食物繊維は、一般に無水ベースで約1重量%〜約40重量%、好ましくは無水ベースで約1重量%〜約20重量%、および最も好ましくは無水ベースで約1重量%〜約8重量%に及ぶ量で完成品中に存在する。適切なダイズ子葉繊維は市販される。例えばFIBRARICH(商標)、FIBRIM(登録商標)1270、およびFIBRIM(登録商標)2000は、Solae,LLC(St.Louis,MO)から市販されるダイズ子葉繊維材料である。
【0033】
(B)追加的成分
(i)抗酸化剤
本発明の範囲を逸脱することなく、上で詳述したあらゆるタンパク質含有材料に多様な追加的成分を添加してもよい。例えば抗酸化剤、抗菌剤、およびそれらの組み合わせが含まれてもよい。抗酸化剤添加剤としては、BHA、BHT、TBHQ、ローズマリー抽出物、ビタミンA、CおよびE、およびそれらの誘導体が挙げられる。さらに抗酸化特性を有する、カロテノイド、トコフェロールまたはフラボノイドを含有するものなどの様々な植物抽出物を含めて、タンパク質組成物の貯蔵寿命を延長し、または栄養価を高めてもよい。抗酸化剤および抗菌剤は、合わせた存在量が、重量でタンパク質含有材料の約0.01%〜約10%、好ましくは約0.05%〜約5%、およびより好ましくは約0.1%〜約2%であってもよい。
【0034】
(ii)着色剤
構造化タンパク質製品は、1つ以上の着色剤を含んでなってもよい。着色剤は、押し出し機内に供給される前にタンパク質含有材料およびその他の成分と混合され、または着色剤は、プレコンディショナー内で、または押し出し工程において、または当業者に知られている押し出し物を着色するその他の方法において、タンパク質含有材料およびその他の成分と混合される。使用し得る例示的な着色剤は、目下食品産業で使用されるあらゆる着色剤である。
【0035】
(iii)香味料
構造化タンパク質製品は、1つ以上の香味料を含んでなってもよい。香味料は、押し出し機内に供給される前にタンパク質含有材料およびその他の成分と混合され、または香味料は、プレコンディショナー内で、または押し出し工程において、または当業者に知られている押し出し物を着香するその他の方法において、タンパク質含有材料およびその他の成分と混合される。使用し得る例示的な香味料は、目下食品産業で使用されるあらゆる肉または肉様フレーバーである。
【0036】
(iv)pH調節剤
いくつかの実施態様では、押し出し物のpHを酸性pH(すなわち約7.0未満)に低下させることが望ましいかもしれない。したがってタンパク質含有材料をpH低下剤と接触させてもよく、次に以下で詳述する方法に従って混合物を押し出してもよい。一実施態様では、押し出されるタンパク質含有材料のpHは約6.0〜約7.0に及んでもよい。別の実施態様では、pHは約5.0〜約6.0に及んでもよい。別の実施態様では、pHは約4.0〜約5.0に及んでもよい。さらに別の実施態様では、材料のpHは約4.0未満であってもよい。
【0037】
いくつかのpH低下剤が、本発明で使用するのに適する。pH低下剤は、有機物または無機物であってもよい。例示的実施態様では、pH低下剤は食品等級の食用酸である。本発明で使用するのに適した非限定的酸としては、酢酸、乳酸、塩酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびそれらの組み合わせが挙げられる。例示的実施態様では、pH低下剤は乳酸である。
【0038】
当業者には理解されるように、タンパク質含有材料と接触させるpH低下剤の量は、選択される薬剤および所望のpHをはじめとするパラメーターに応じて変動し得て、また変動する。一実施態様では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.1%〜約15%に及んでもよい。別の実施態様では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約10%に及んでもよい。代案の実施態様では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約1%〜約5%に及んでもよい。なおも別の実施態様では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約2%〜約3%に及んでもよい。
【0039】
いくつかの実施態様では、タンパク質含有材料のpHを上昇させることが望ましいかもしれない。したがってタンパク質含有材料をpH上昇剤と接触させ、次に混合物を以下で詳述する方法に従って押し出してもよい。本発明で使用するのに適した非限定的pH上昇剤としては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、リン酸三カルシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。例示的実施態様では、pH上昇剤は水酸化カルシウムである。
【0040】
(v)ミネラルおよびアミノ酸
タンパク質含有材料はまた、補足的ミネラルを含んでなってもよい。適切なミネラルは、1つ以上のミネラルまたはミネラル源を含んでもよい。ミネラルの非限定的例としては、制限なしに、塩素、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、セレン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。適切なミネラルの形態としては、可溶性無機塩類、わずかしか溶けない無機塩類、不溶性無機塩類、キレート化ミネラル、ミネラル複合体、炭酸塩ミネラルなどの非反応性ミネラル、還元ミネラル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
遊離アミノ酸もまた、タンパク質含有材料に含まれてもよい。適切なアミノ酸としては、必須アミノ酸、すなわちアルギニン、システイン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。アミノ酸の適切な形態としては、塩およびキレートが挙げられる。
【0042】
(vi)水分含量
典型的に、水が押し出し工程で添加される。水を添加する目的は、タンパク質組成物の水分補給である。一般的に言えば、押し出される材料の水分含量は、湿潤基本重量の約17%〜約80%に及んでもよい。低水分押し出しでは、押し出される材料の水分含量は、湿潤基本重量で約17%〜約40%に及んでもよい。代案としては、高水分押し出し用途では、押し出される材料の水分含量は、湿潤基本重量の約35%〜約80%に及んでもよい。例示的実施態様では、押し出し物は、総押し出し物水分の約25%〜約40%の湿潤ベース水分含量を有する。
【0043】
使用される成分配合物は、少なくとも1つの高タンパク質含量(約45%以上のタンパク質重量(乾燥ベース))成分を含み、顕著な多糖類および/またはオリゴ糖類含量を有する少なくとも1つの結合剤を含んでもよい。高タンパク質成分は、ダイズ単離物、濃縮物、粉、その他のテクスチャライズできるタンパク質、およびそれらの組み合わせなどの特定の構成物から選択され得る。任意の結合剤としては、精製デンプン、デンプン質穀物粉、その他のデンプン質成分などのデンプン、多糖類、および/またはオリゴ糖類が挙げられる。その他の適切な結合剤も使用し得る。
【0044】
タンパク質含有成分の組み合わせをデンプン、穀物粉、食物繊維、結合剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の成分と組み合わせてもよい。
【0045】
(vii)タンパク質含有材料の押し出し
タンパク質製品の形成で使用するのに好ましい装置としては、従来の組織化タンパク質製品を送るように設定された押し出しシステムが挙げられる。この押し出しシステムに流線型鋳型を装着して、線維性製品の製造を可能にしてもよい。押し出し機は、プレコンディショナーと共に使用してもよい。
【0046】
押し出し機は、タンパク質をテクスチャライズするのに適切なスクリュー配置がある押し出し機であるべきである。ほとんどの押し出し機製造業者は、タンパク質のテクスチャ付与のために、顧客に提供するスクリュープロフィールと操作条件を提案している。
【0047】
タンパク質をテクスチャライズするために、機械的、熱的、およびその他のエネルギーの幅広い組み合わせを使用して、適切な条件を達成し得る。主要な要求は、約120℃〜約160℃に達する押し出し物温度を有することである。160℃よりも高い温度も可能である。要求される温度に押し出し物を加熱するエネルギーは、機械的エネルギー投入、水蒸気圧入、熱伝達、または押し出し物を加熱するあらゆるその他の方法などの多様な供給源から得られる。
【0048】
バレル壁測定温度または設定値ではなく、押し出し物温度が重要な測定であることに留意すべきである。様々なバレルセクションは、適切な押し出し物温度に達しさえすれば、所望されるように加熱または冷却に設定し得る。恐らく最も正確な温度測定は、熱電対を溶融物の流れに浸漬して、温度測定値に対するバレル壁または型壁温度の影響を最小化することである。正確さには劣るが、より容易に測定される温度は、少なくとも最終バレルセクション、好ましくは全セクションに対する加熱および冷却を停止して、次に押し出し機を定常状態温度に到達させることである。非冷却最終バレルセクション内の平衡状態温度は、一般に押し出し物温度の妥当な近似値である。
【0049】
構造化タンパク質製品を調製する適切な押し出し方法は、タンパク質含有材料とその他の成分を混合容器(すなわち成分配合機)内に装入して成分を合わせるステップと、乾燥混合タンパク質含有材料プレミックスを形成するステップを含んでなる。乾燥混合タンパク質含有材料プレミックスはホッパーに移してもよく、それから乾燥混合成分がプレコンディショナーに供給される。水および/または水蒸気もまたプレコンディショナーで装入される。次に調質材料を押し出し機に供給し、その中で押し出し機スクリューによって生じる機械的圧力下で混合物を加熱して、溶融押し出し塊を形成する。代案としては、乾燥混合タンパク質材料プレミックスを押し出し機に直接供給し、その中に水分および熱を導入して、溶融押し出し塊を形成してもよい。溶融押し出し塊は押し出しダイアセンブリーを通って押し出し機を出て、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を含んでなる材料を形成する。個別成分を供給する複数供給装置など、当業者に知られているその他の方法も使用し得る。
【0050】
(b)任意の予備調節
プレコンディショナーを使用し得る。プレコンディショナーの機能は、水蒸気、水、およびその他の成分を成分配合に添加し得るステップを有することである。プレコンディショナー内の滞留時間は、流体成分および/または熱が、混合物の粒子内に浸透する時間を与える。水は、「乾燥」(「そのままの」)配合の供給速度の約40%までの速度で添加し得る。
【0051】
プレコンディショナー内では、タンパク質含有材料および任意の追加的成分(タンパク質含有混合物)を予熱して水分と接触させ、水分を浸透させ、個々の粒子を軟化させる温度および圧力条件下に保ってもよい。プレコンディショナーの設計形状および回転速度は、変化に富んでもよい。
【0052】
タンパク質含有混合物は、成分を水および/または水蒸気と接触させることで、押し出し装置内への装入前に予備調節してもよい。タンパク質含有混合物は、プレコンディショナー内で約30℃〜約100℃、好ましくは約60℃〜約95℃の温度に加熱してもよい。
【0053】
典型的に、成分はプレコンディショナーの速度およびサイズに応じて、約0.5分間〜約10分間にわたって調節される。一実施態様では、成分は約3分間〜約5分間にわたって調節される。成分をプレコンディショナー内で水蒸気および/または水と接触させる。水および/または水蒸気は、成分を押し出し機バレルへの装入に先だって調節する(すなわち水分補給する)。
【0054】
(a)押し出し装置
押し出し装置は、一般に1つ以上のスクリュー、バレルアセンブリー、およびダイアセンブリーを含んでなる。
【0055】
本発明の実施において有用な適切な押し出し装置は、例えば参照によってその内容全体を本明細書に援用する米国特許第4,600,311号明細書に記載される二軸スクリュー押し出し機である。適切な市販押し出し装置のさらなる例としては、Clextral,Inc.(Tampa,FL)によって製造されるCLEXTRALモデルBC−72押し出し機;全てWenger Manufacturing,Inc.(Sabetha,KS)によって製造されるWENGERモデルTX−57押し出し機、WENGERモデルTX−168押し出し機、およびWENGERモデルTX−52押し出し機が挙げられる。本発明で使用するのに適したその他の従来の押し出し機については、例えば本明細書にその内容全体を参照によって援用する、米国特許第4,763,569号明細書、米国特許第4,118,164号明細書、および米国特許第3,117,006号明細書に記載される。一軸スクリューまたは多軸スクリュー押し出し機もまた使用してもよい。
【0056】
二軸スクリュー押し出し機のスクリューは、バレル内で同一または反対方向に回転し得る。同一方向のスクリュー回転が共回転と称されるのに対し、反対方向のスクリュー回転は逆転と称される。押し出し機スクリューまたはスクリュー群の速度は、特定の装置次第で変動してもよいが、それは典型的には約200〜約800毎分回転数(rpm)である。押し出し装置は、軸およびスクリュー要素から組み立てられた1つ以上のスクリュー、ならびに混合ローブおよび輪形シャーロック(shearlock)要素、またはタンパク質材料を押し出すために押し出し装置製造業者によって推奨され、または当業者によって開発されるようなその他の要素を含む。
【0057】
水を押し出し機バレル内に注入して、タンパク質のテクスチャ付与を促進してもよい。溶融押し出し塊を形成する助けとして、水は可塑剤として作用してもよい。水は、押し出し機バレルと連絡している1つ以上の注入点を通じて、押し出し機バレルに装入してもよい。典型的に、バレル内の混合物は、湿潤ベースの重量で約17%〜約80%の水を含有する。一実施態様では、バレル内の混合物は、約17重量%〜約40重量%の水を含有する。
【0058】
(c)押し出し工程
次に乾燥成分または調節成分を押し出し機内に供給して、混合物を加熱して剪断し、究極的に可塑化する。押し出し機は、あらゆる市販される押し出し機から選択されてもよく、タンパク質にテクスチャ付与できる単軸押し出し機、または好ましくは二軸スクリュー押し出し機であってもよい。
【0059】
成分が一般に押し出し装置に装入される速度は、特定の装置次第で変動する。例えば卓上押し出し機が約10kg/hrで供給されてもよいのに対し、大型生産装置は、毎時数千キログラムの範囲内で供給されてもよい。
【0060】
成分には、一般に押し出し機によって剪断および圧力がかけられて、混合物が可塑化する。押し出し機のスクリュー要素は混合物を剪断し、押し出し機を通じて、そしてダイアセンブリーを通じて、混合物を前進させる。
【0061】
押し出し機は成分が押し出し機を通過する際に、それらを加熱してもよい。押し出し機は一般にバレルセクションを加熱または冷却する能力を含む。バレル冷却または加熱を使用する場合、冷却は冷却媒体を循環させることで実施され、加熱は加熱媒体を循環させることで、または電気的加熱によって実施し得る。押し出し機はまた、水蒸気を押し出し機バレル内に直接注入するために、水蒸気注入ポートを含んでもよい。一実施態様では、押し出し機バレルを多区画温度制御配置に設定してもよく、そこでは一般に押し出し機入口から押し出し機出口にかけて温度が増大するように、区画が設定される。押し出し機は、所望ならばその他の温度区画配置に設定してもよい。
【0062】
成分または成分配合物は押し出され、押し出し物は少なくとも約120℃の温度に達する。押し出し物は典型的に流線型ダイを通過して、高度に構造化されたタンパク質製品が得られる。
【0063】
成分は、押し出し機内で可塑化塊を形成する。ダイアセンブリーは、可塑化混合物が押し出し機バレルを流れ出て、ダイアセンブリーに入るようにする配置で押し出し機に取り付けられ、それによって好ましくはタンパク質繊維が生成し、それはダイアセンブリー中を流れる際に実質的に整列する。ダイアセンブリーは、面板ダイ、端面ダイ、または実質的に整列した繊維を生成できるその他のダイであってもよい。
【0064】
必要なのは、実質的に整列した繊維を形成できるようにする流線型ダイであるので、多数のダイの設計が可能である。
【0065】
ダイにおける重要な設計基準は、ダイ中の沈着またはダイ中で沈着が起きる機会を最小化して、好ましくは押し出し物中に蓄積する応力を押し出し物の強度未満に保つことである。この沈着は押し出し機の長時間稼働問題を引き起こし、「焦げた」製品がダイを通過することになって品質に悪影響を及ぼす。「焦げた」製品は、押し出し機およびダイの中において高温で生じた反応のために、暗色またはより濃い色になった製品である。可塑化押し出し物中に蓄積する応力を可塑化押し出し物の強度未満に保つことで、押し出し物は最小の歪みでダイを出られるようになる。
【0066】
押し出し物は、一般にダイアセンブリーを出た後に所望の長さに切断される。製品は押し出し後に乾燥させてもよい。
【0067】
(I)構造化タンパク質製品
さらに具体的には、本発明は、以下でより詳細に記載されるように、実質的に整列したタンパク質繊維がある構造化タンパク質製品を含んでなる。例示的実施態様では、押し出し工程を使用して構造化タンパク質製品が製造される。構造化タンパク質製品は、動物筋肉に類似した実質的に整列したタンパク質繊維を有するので、本発明のタンパク質組成物は、一般に最高100%の動物筋肉を含んでなる組成物に特徴的である、テクスチャおよび食感品質を有する。
【0068】
所望の水分含量は、製品の意図される用途次第で大きく変動してもよい。一般的に言えば、所望ならば製品は約6重量%〜約13重量%の水分含量を有する。製品は、全ての可能な用途に対して必ずしも乾燥させなくてもよい。
【0069】
製品をさらに粉砕して、押し出し物の平均粒度を低下させてもよい。
【0070】
(D)構造化タンパク質製品の特性決定
本明細書の方法によって作られる構造化タンパク質製品は、典型的に実質的に整列したタンパク質繊維を含んでなる。本発明の文脈で「実質的に整列した」とは、一般に、構造化タンパク質製品を形成するタンパク質繊維の顕著により高い割合が互いにおよそ45°未満の角度で隣接するような、タンパク質繊維の配置を指す。タンパク質繊維が実質的に整列しているかどうかの判定は、顕微鏡写真に基づく視覚的判定を使用して実施し得る。典型的に、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均で少なくとも約55%は、実質的に整列している。別の実施態様では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均で少なくとも約60%は、実質的に整列している。さらなる実施態様では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均で少なくとも約70%は、実質的に整列している。追加的実施態様、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均で少なくとも約80%は、実質的に整列している。さらに別の実施態様では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均で少なくとも約90%は、実質的に整列している。タンパク質繊維の整列の程度を判定する方法は当該技術分野で知られており、顕微鏡写真に基づく視覚的判定などが挙げられる。
【0071】
実質的に整列したタンパク質繊維を有するのに加えて、構造化タンパク質製品はまた、典型的に全肉筋肉と実質的に同様の剪断強さも有する。本発明の文脈で「剪断強さ」という用語は、線維性構造物の強度を定量化する手段を提供する。剪断強さは、特定のサンプルを剪断するのに要するグラムで示される最大力である。剪断強さを測定する方法については、実施例12に記載される。
【0072】
一般的に言えば、本発明の構造化タンパク質製品は、少なくとも約1400グラムの平均剪断強さを有する。追加的実施態様では、構造化タンパク質製品は約1500〜約1800グラムの平均剪断強さを有する。さらに別の実施態様では、構造化タンパク質製品は約1800〜約2000グラムの平均剪断強さを有する。さらなる実施態様では、構造化タンパク質製品は約2000〜約2600グラムの平均剪断強さを有する。追加的実施態様では、構造化タンパク質製品は少なくとも約2200グラムの平均剪断強さを有する。さらなる実施態様では、構造化タンパク質製品は少なくとも約2300グラムの平均剪断強さを有する。さらに別の実施態様では、構造化タンパク質製品は少なくとも約2400グラムの平均剪断強さを有する。なおも別の実施態様では、構造化タンパク質製品は少なくとも約2500グラムの平均剪断強さを有する。さらなる実施態様では、構造化タンパク質製品は少なくとも約2600グラムの平均剪断強さを有する。
【0073】
構造化タンパク質製品中に形成されたタンパク質繊維サイズを定量化する手段は、細断特性解析試験によって実施されてもよい。細断特性解析試験は、実施例13に記載される。細断特性解析は、一般に、構造化タンパク質製品中に形成された長い繊維の百分率を測定する試験である。細断特性解析の百分率は、間接的様式で構造化タンパク質製品中のタンパク質繊維整列の程度を定量化する追加的手段を提供する。一般的に言えば、長繊維の百分率が増大するにつれて、構造化タンパク質製品内で整列するタンパク質繊維の程度もまた、典型的に増大する。反対に、長繊維の百分率が低下するにつれて、構造化タンパク質製品内で整列するタンパク質繊維の程度もまた、典型的に低下する。
【0074】
本発明の構造化タンパク質製品は、典型的に少なくとも約10重量%の長繊維の平均細断特性解析を有する。さらなる実施態様では、構造化タンパク質製品は、約10重量%〜約15重量%の長繊維の平均細断特性解析を有する。別の実施態様では、構造化タンパク質製品は、約15重量%〜約20重量%の長繊維の平均細断特性解析を有する。さらに別の実施態様では、構造化タンパク質製品は、約20重量%〜約25重量%の長繊維の平均細断特性解析を有する。別の実施態様では、平均細断特性解析は、少なくとも約20重量%の長繊維、少なくとも約30重量%の長繊維、少なくとも約40重量%の長繊維、少なくとも約50重量%の長繊維、少なくとも約60重量%の長繊維、少なくとも約70重量%の長繊維、少なくとも約80重量%の長繊維である。
【0075】
本発明の構造化タンパク質製品は、典型的に、少なくとも約10重量%の長繊維および短繊維の平均細断特性解析を有する。さらなる実施態様では、構造化タンパク質製品は約10重量%〜約15重量%の長繊維および短繊維の平均細断特性解析を有する。別の実施態様では、構造化タンパク質製品は約15重量%〜約20重量%の長繊維および短繊維の平均細断特性解析を有する。さらに別の実施態様では、構造化タンパク質製品は約20重量%〜約25重量%の長繊維および短繊維の平均細断特性解析を有する。別の実施態様では、平均細断特性解析は、少なくとも約20重量%の長繊維および短繊維、少なくとも約30重量%の長繊維および短繊維、少なくとも約40重量%の長繊維および短繊維、少なくとも約50重量%の長繊維および短繊維、少なくとも約60重量%の長繊維および短繊維、少なくとも約70重量%の長繊維および短繊維、少なくとも約80重量%の長繊維および短繊維、少なくとも約90重量%の長繊維および短繊維である。
【0076】
本発明の適切な構造化タンパク質製品は、一般に実質的に整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも約1400グラムの平均剪断強さを有し、少なくとも約10重量%の長繊維平均細断特性解析を有する。より典型的には、構造化タンパク質製品は少なくとも約55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも約1800グラムの平均剪断強さを有し、少なくとも約15重量%の長繊維の平均細断特性解析を有する。別の実施態様では、構造化タンパク質製品は、少なくとも約55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも約2200グラムの平均剪断強さを有し、少なくとも約20重量%の長繊維の平均細断特性解析を有する。例示的実施態様では、構造化タンパク質製品は、少なくとも約55%整列したタンパク質繊維を有し、少なくとも約2600グラムの平均剪断強さを有し、少なくとも約30重量%の長繊維の平均細断特性解析を有する。別の例示的実施態様では、構造化タンパク質製品は約7500グラム以下の平均剪断強さを有する。
【0077】
製品特性の測定は、測定される試験片の寸法および幾何学的配置に応じておそらく変動する。特に断りのない限り、この文献中の全測定値は、水分約10%に乾燥させた、直径約25mmおよび長さ約60mmの寸法を有する円柱状片に関する。
【0078】
(E)製品の用途
本明細書で開示される構造化タンパク質製品は、組織化タンパク質製品を使用するあらゆる用途で使用され得る。本発明は、水分補給され細断されたタンパク質組成物と、各組成物を製造する方法とを提供する。典型的にタンパク質組成物は、実質的に整列したタンパク質繊維を有して結合剤を含んでもよい、構造化タンパク質製品を含んでなる。
【0079】
組成物は、多様な形状を有する多様な食品に加工してもよい。成果物は、冷蔵、冷凍、調理、または部分調理されてもよい。消費前の冷蔵、凍結、または調理を必要としない成果物もまた想定される。調理としては、炒める、ソテー、油で揚げる、天火焼き、燻蒸、衝突調理(impingement cooking)、蒸煮、およびその他の加熱方法が挙げられる。
【0080】
成果物は、調理段階なしにそのまま包装されてもよい。成果物は、例えば凍結トンネル内での衝撃凍結によってさらに加工されてもよく、引き続いて例えば可塑性パウチなどの適切なタイプの容器内に包装される。前記タイプのさらなる加工および包装は、通常、製品が消費前に調理されるファストフード直販店または食品サービス用途向けである場合に適切である。
【0081】
代案としては、成果物の形成後に炭水化物溶液または関連物質を成果物の表面に噴霧することもまた可能であり、それは褐変が所望される、油で揚げる、天火焼きする、またはその他の熱加工中に、褐変を均一にする。引き続いて成果物を衝撃凍結して包装してもよい。成果物は、オーブン内で焼き、または加工してもよい。さらに成果物は、調理前または後にパン粉づけし、または別の方法で被覆してもよい。
【0082】
さらに成果物をレトルト調理してもよい。調理または未調理成果物はまた、レトルト可能な容器内に包装し密封してもよい。成果物をレトルト調理用にデザインされた不透過性ケーシングに詰め、調理して常温保存可能な成果物を作ってもよい。
【0083】
(i)任意の成分の添加
再構成組成物に多様な香味料、香辛料、抗酸化剤、またはその他の成分を含めて、所望の香味またはテクスチャを与え、または最終食品を栄養強化してもよい。当業者には理解されるように、再構成組成物に添加される成分の選択は、製造される食品に左右され得て、また左右される。
【0084】
再構成組成物は、抗酸化剤をさらに含んでなってもよい。抗酸化剤は、天然または合成であってもよい。適切な抗酸化剤としては、アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸(PABA)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、αカロテン、βカロテン、βカラオテン、βアポカロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、クローブ抽出物、コーヒー豆抽出物、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリノキ抽出物、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド(例えばカテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ポリフェノールエピガロカテキン−3−ガレート)、フラボン(例えばアピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えばダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ)、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアヤクゴム(gum guaiacum)、ヘスペレチン、αヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシ桂皮酸(hydroxycinammic acid)、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール、ヒドロキシ尿素、米糠抽出物、乳酸およびその塩、レシチン、クエン酸レシチン;R−αリポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド;クエン酸モノイソプロピル;モリン、βナフトフラボン、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、ホスフェート、フィチン酸、フィチルユビクロメル、ピメント抽出物、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、セージ抽出物、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(すなわちα、β、γ−およびδ−トコフェロール)、トコトリエノール(すなわちα、β、γ−およびδ−トコトリエノール)、チロソール、バニル酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(すなわちIonox 100)、2,4−(トリス−3’,5’−ビ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(すなわちIonox 330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよび誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0085】
組成物中の抗酸化剤の濃度は、約0.0001重量%〜約20重量%に及んでもよい。別の実施態様では、組成物中の抗酸化剤の濃度は、約0.001重量%〜約5重量%に及んでもよい。さらに別の実施態様では、組成物中の抗酸化剤の濃度は、約0.01重量%〜約1重量%に及んでもよい。
【0086】
追加的実施態様では、組成物は、少なくとも1つの着香剤をさらに含んでなってもよい。着香剤は天然であってもよく、または着香剤は人工であってもよい。
【0087】
組成物は、多様な香味料を含んでもよい。適切な着香剤としては、動物肉フレーバー、動物脂肪、香辛料抽出物、香辛料油、天然燻液、天然燻蒸抽出物、酵母抽出物、シェリー、ミント、赤砂糖、蜂蜜が挙げられる。香味料および香辛料はまた、含油樹脂および水性樹脂形態でも入手できるかもしれない。その他の着香剤としては、オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、またはハーブフレーバーが挙げられる。代案の実施態様では、着香剤は、ナッツ風味、甘味、またはフルーツ風味であってもよい。適切な果実フレーバーの非限定的例としては、リンゴ、アプリコット、アボカド、バナナ、ブラックベリー、ブラックチェリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、カンタロープメロン、チェリー、ココナッツ、ツルコケモモ、イチジク、ブドウ、グレープフルーツ、青リンゴ、ハネデューメロン、キーウィ、レモン、ライム、マンゴー、ミックスベリー、オレンジ、桃、柿、パイナップル、キイチゴ、イチゴ、およびスイカが挙げられる。添加してもよいハーブとしては、ローリエ、バジル、セロリの葉、セルフィーユ、シブレット、香菜、コリアンダー、クミン、ディル、ショウガ、メース、マヨラナ、コショウ、ターメリック、パセリ、オレガノ、タラゴン、およびタイムが挙げられる。組成物は、風味増強剤をさらに含んでもよい。適切な風味増強剤の非限定的例としては、塩化ナトリウム塩、グルタミン酸塩、グリシン塩、グアニル酸塩、イノシン酸塩、および5−リボヌクレオチド塩、酵母抽出物、シイタケ抽出物、鰹節抽出物、および昆布抽出物が挙げられる。組成物はまた、発酵させることで、または香味料、香辛料、油、水、風味増強剤、抗酸化剤、酸味料(acidulents)、保存料、および甘味料を混合することで作られてもよい、様々なソースやマリネードを利用してもよい。
【0088】
追加的実施態様では、組成物は、コンニャク粉、アルギン酸およびその塩、寒天、カラゲナンおよびその塩、加工キリンサイ(Eucheuma)、ガム(アラビアガム、イナゴマメ、ローカストビーン、グアー、トラガカント、およびキサンタン)、ペクチン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、テラガム、メチルセルロース、ゼラチン、および化工デンプンなどの増粘剤またはゲル化剤をさらに含んでなってもよい。
【0089】
さらなる実施態様では、組成物は、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、またはω3脂肪酸などの栄養素をさらに含んでなってもよい。適切なビタミンとしては、抗酸化剤でもあるビタミンA、C、およびE、そしてビタミンBおよびDが挙げられる。添加されてもよいミネラルの例としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、およびカリウムの各塩が挙げられる。適切なω3脂肪酸としては、ドコサヘキサエン酸(DHA)、EPA(エイコサペンタン酸)、SDA(ステアリドン酸(stearadonic acid))、およびALA(αリノレン酸)が挙げられる。
【0090】
別の実施態様では、完成品を使用して、再構成菜食主義、全筋肉様製品(すなわち肉無しまたは実質的に肉無し)、再構成肉製品(すなわち肉を含有する)、または最終製品中でタンパク質ストランドが構造物を提供するその他の食物組成物を作り出し得る。
【0091】
再構成菜食主義、全筋肉様製品が完成品である場合、構造化タンパク質製品を粉砕された野菜または粉砕された果物と混合して、再構成菜食主義、全筋肉様製品を製造する。
【0092】
再構成肉製品が完成品である場合、構造化タンパク質製品を動物肉と組み合わせて、再構成肉製品を製造する。多様な動物肉が再構成肉製品中で使用するのに適する。例えば肉が、ヒツジ、畜牛、ヤギ、豚肉、バイソン、およびウマからなる群から選択される家畜からのものであってもよい。動物肉は、チキン、アヒル、ガチョウまたはシチメンチョウなどの家禽であってもよい。代案としては、動物肉は狩猟動物からのものであってもよい。適切な狩猟動物の非限定的例としては、バッファロー、シカ、エルク、ヘラジカ、トナカイ、カリブー、カモシカ、ウサギ、リス、ビーバー、ジャコウネズミ、フクロネズミ、アライグマ、アルマジロ、ヤマアラシ、ワニ、およびヘビが挙げられる。さらなる実施態様では、魚または甲殻類からの動物肉であってもよい。適切な魚または魚加工品の非限定的例としては、ナマズ、マグロ、サケ、バス、サバ、ポラック、メルルーサ、イズミダイ、タラ、ハタ、ホワイトフィッシュ、ボウフィン、ガー、ヘラチョウザメ、チョウザメ、ブリーム、コイ、マス、すり身、ウォールアイ、雷魚、およびサメなどの塩水および淡水魚が挙げられる。例示的実施態様では、動物肉は牛肉、豚肉、またはシチメンチョウである。多様な肉質を利用してもよいこともまた想定される。例えば挽いたまたはぶつ切りまたはステーキ形状いずれかの全肉筋肉を利用してもよい。肉は大幅に異なる脂肪含量を有してもよい。
【0093】
動物肉としては、常態では肉に付随する、被覆脂肪、および皮膚と腱と神経と血管の一部があるまたはない、骨格の横紋筋、または例えば舌、横隔膜、心臓、または食道にある横紋筋が挙げられる。肉副産物の例は、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、部分的脱脂低温脂肪組織、胃、それらの内容物を含まない腸などの臓器および組織である。
【0094】
構造化タンパク質製品の量は、典型的に、意図される用途次第で、再構成肉製品中の動物肉量に比例して変動し得て、また変動する。一例として比較的わずかな動物フレーバーを有する顕著に菜食主義の組成物が所望される場合、再構成肉組成物動物肉の濃度は、約45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、2重量%、または0重量%であってもよい。代案としては、比較的高度な動物肉フレーバーを有する再構成肉製品が所望される場合、再構成肉製品中の動物肉濃度は、約50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%または95重量%であってもよい。したがって再構成肉製品中の構造化タンパク質製品の濃度は、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、または99重量%であってもよい。
【0095】
定義
「押し出し物」という用語は、本明細書での用法では、押し出し機スクリュー、ダイアセンブリー中の、またはダイまたは押し出し機を出たばかりの材料を指す。この文脈で、いくつかの実施態様では、実質的に整列したタンパク質繊維を含んでなる構造化タンパク質製品は、押し出し物であってもよい。
【0096】
「繊維」または「タンパク質繊維」という用語は、本明細書での用法では、筋肉繊維構造に類似したタンパク質のストランドまたはストランド群を指す。この文脈で「繊維」という用語は、ダイズ子葉繊維などの食物繊維の栄養素類を含まない。
【0097】
「小麦グルテン」という用語は、本明細書での用法では「主にグリアジンとグルテニンからなる小麦の主要タンパク質構成要素を指す。小麦グルテンは、小麦粉を水和させて粘着性の塊を機械的に練り、デンプンおよびその他の小麦粉構成要素から、小麦グルテンを分離させることで得られる。活性グルテンは、その弾性特性を保つ乾燥グルテンである。」(21 CFR 184.1322)。より一般的な意味では、「グルテン」はまた、小麦グルテンに対するアレルギー性応答を引き起こすかもしれない貯蔵タンパク質を有する、小麦と近縁関係にある草本からのタンパク質も含む。
【0098】
「無グルテンデンプン」という用語は、本明細書での用法では様々なデンプン製品を指す。無グルテンまたは実質的に無グルテンのデンプンは、多様なデンプン含有穀物または植物から作られてもよい。それらは小麦からの、または小麦グルテンアレルギーがある者においてアレルギー性応答を引き起こすかもしれない貯蔵タンパク質を有する小麦と近縁関係にある植物からの、グルテンを含有しないので、無グルテンである。
【0099】
「長繊維」という用語は、本明細書での用法では、40mm(mm)を超える長さ、5mm未満の幅、および2mm未満の厚さを有するタンパク質繊維を指す。
【0100】
「水分含量」という用語は、本明細書での用法では材料中の水分量を指す。材料中の水分含量は、その内容全体を参照によって本明細書に援用する、A.O.C.S.(米国油化学会)法Ba 2a−38(1997)によって測定し得る。
【0101】
例えばダイズタンパク質含量などの「タンパク質含量」という用語は、本明細書での用法では、それぞれその内容全体を参照によって本明細書に援用する、A.O.C.S.(米国油化学会)公定法Bc 4−91(1997)、Aa 5−91(1997)、またはBa 4d−90(1997)によって確認された材料の相対タンパク質含量を指し、材料サンプルの全窒素含量がアンモニアとして求められ、タンパク質含量はサンプルの全窒素含量の6.25倍として求められる。
【0102】
「剪断強さ」という用語は、本明細書での用法では、繊維方向に垂直な剪断に対する押し出し製品の抵抗性の測定値である。剪断強さはグラムで測定される。剪断の測定については、実施例12で詳述する。
【0103】
「ダイズ子葉繊維」という用語は、本明細書での用法では、少なくとも約70%の食物繊維を含有するダイズ子葉の多糖類部分を指す。ダイズ子葉繊維は、典型的に少量のダイズタンパク質を含有するが、また100%食物繊維であってもよい。ダイズ子葉繊維は、本明細書での用法では、ダイズ皮繊維を指さず、またはそれを含まない。一般にダイズ子葉繊維は、ダイズの皮および胚芽を除去して子葉を圧扁または粉砕し、圧扁または粉砕子葉から油を除去して、ダイズ子葉繊維をダイズ材料および子葉炭水化物から分離することで、ダイズから得られる。
【0104】
「ダイズタンパク質濃縮物」という用語は、本明細書での用法では、無水ベースで約65%〜約90%未満のダイズタンパク質のタンパク質含量を有するダイズ材料である。ダイズタンパク質濃縮物はまた、典型的に、無水ベース重量で約3.5%〜約20%のダイズ子葉繊維ダイズ子葉繊維も含有する。ダイズタンパク質濃縮物は、典型的に、ダイズの皮と胚芽を除去して子葉を圧扁または粉砕し、圧扁または粉砕子葉から油を除去して、ダイズタンパク質とダイズ子葉繊維を子葉の可溶性炭水化物から分離することで、ダイズから形成される。
【0105】
「ダイズ粉」という用語は、本明細書での用法では、好ましくは約1%未満のヘキサン抽出可能脂質を含有し、100号メッシュ(米国規格)スクリーンを通過し得るようなサイズを有する粒子から形成される、脱脂ダイズ材料の粉砕された形態を指す。ダイズケーク、チップ、フレーク、ミール、または材料混合物は、従来のダイズ粉砕工程を使用して粉砕されてダイズ粉になる。ダイズ粉は、無水ベースで約49%〜約65%のダイズタンパク質含量を有する。
【0106】
「ダイズタンパク質単離物」または「単離ダイズタンパク質」という用語は、本明細書での用法では、無水ベースで少なくとも約90%のダイズタンパク質のタンパク質含量を有するダイズ材料である。ダイズタンパク質単離物は、子葉からダイズの皮および胚芽を除去して子葉を圧扁または粉砕し、圧扁または粉砕子葉から油を除去して、子葉繊維から子葉のダイズタンパク質および炭水化物を分離し、引き続いて炭水化物からダイズタンパク質を分離することで、ダイズから形成される。
【0107】
「デンプン」という用語は、本明細書での用法ではあらゆる天然原料に由来するデンプンを指す。典型的にはデンプンの原料は、穀物、塊茎、根茎、および果実である。デンプンは典型的に、アミロースおよびアミロペクチンを含有する。
【0108】
「無水ベース重量」という用語は、本明細書での用法では、例えば材料の水分含量が0%であるような、乾燥させて全水分を完全に除去した後の材料の重量を指す。具体的には、材料の無水ベース重量は、材料が恒量に達するまで、130℃(または当業者に知られるその他の温度)のオーブンに材料を入れる前後に、材料を秤量して得られる。
【0109】
「結合剤」という用語は、本明細書での用法では、組成物中のタンパク質からタンパク質繊維が形成できるようにする、押し出し物部分を指す。結合剤としては、例えばデンプンが挙げられる。
【0110】
「多糖類」という用語は、本明細書での用法では糖ポリマーを指す。
【0111】
「動物タンパク質」という用語は、本明細書での用法では、肉、ミルク、卵、ゼラチン、皮膚、およびそれらの組み合わせをはじめとするが、これに限定されるものではない、動物由来タンパク質を指す。
【0112】
「追加的構成物」という用語は、本明細書での用法では、結合剤または繊維形成タンパク質のどちらでもない、あらゆる構成要素を指す。
【0113】
「テクスチャライズ」、「テクスチャライズできる」という用語、またはそのバリエーションは、本明細書での用法では、肉様テクスチャを有さない成分から、肉様テクスチャを有するように加工されたタンパク質を指す。多数のタンパク質を加工して、(例えばダイズタンパク質をはじめとする)組織化タンパク質製品を製造し得る。図5aおよび6aは、組織化タンパク質製品を例示する。組織化タンパク質製品は、本発明の構造化タンパク質製品と区別され、後者のタンパク質製品の形態は、実質的に整列した繊維および筋肉様テクスチャを有する(例えば図5bおよび6bと比較して、図5aおよび6aを参照されたい)。
【0114】
以下の例は、好ましい本発明の実施態様を実証するために含まれる。当業者には、続く実施例で開示される技術が、本発明の実施において良好に機能することが発明者らによって発見された技術に相当することが、理解されるであろう。しかし当業者は、本開示に照らして、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、なおも類似したまたは同様の結果を得ながら、開示される特定の実施態様に多数の変更を加え得ることを理解し、したがって記載されるまたは添付図面に示される全事項は、制限的な意味でなく例証的として解釈される。
【実施例】
【0115】
実施例1:
以下の実施例は、少なくともタンパク質およびバインダーからなる、タンパク質組成物を形成する方法に関する。
【0116】
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、50hp駆動モーターを装着し、モデル4 DDC調質シリンダーを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0117】
13mm径の2つのダイ開口部がある流線型ダイを使用した。ダイランドの長さは約10mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0118】
78.8%SUPRO(登録商標)EX45(ダイズタンパク質単離物)、12.3%タピオカデンプン、8%Fibrim(登録商標)2000(ダイズ繊維)、0.5%リン酸二カルシウム、0.3%レシチン、0.1%L−システインの配合物を使用した。
【0119】
操作条件は、次のとおりであった。
「乾燥」混合供給速度:75kg/hr
プレコンディショナー水:25%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:8%の乾燥混合供給速度
バレル水:8%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:425RPM
押し出し機モーター負荷:24%
押し出し機比機械エネルギー:80kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:49℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:70℃
バレル帯域3温度設定値:125℃
バレル帯域3温度記録値:125℃
バレル帯域4温度設定値:110℃
バレル帯域4温度記録値:109℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約32%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約2250グラムであった。
【0120】
実施例2
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0121】
9mmの6つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約6.9mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0122】
78.8%SUPRO(登録商標)EX 45(ダイズタンパク質単離物)、12.3%タピオカデンプン、8%Fibrim(登録商標)2000(ダイズ繊維)、0.5%リン酸二カルシウム、0.3%レシチン、0.1%L−システインの配合物を使用した。
【0123】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:80kg/hr
プレコンディショナー水:30%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:5%の乾燥混合供給速度
バレル水:6.5%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:400RPM
押し出し機モーター負荷:29%
押し出し機比機械エネルギー:82kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:51℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:70℃
バレル帯域3温度設定値:125℃
バレル帯域3温度記録値:123℃
バレル帯域4温度設定値:110℃
バレル帯域4温度記録値:110℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約24%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約2950グラムであった。
【0124】
実施例3
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、50hp駆動モーターを装着し、モデル4 DDC調質シリンダーを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0125】
10mmの6つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約7.7mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0126】
78.8%SUPRO(登録商標)595(ダイズタンパク質単離物)、12.3%タピオカデンプン、8.0%Fibrim(登録商標)2000(ダイズ繊維)、0.5%リン酸二カルシウム、0.3%レシチン、0.1%L−システインの配合物を使用した。
【0127】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:65kg/hr
プレコンディショナー水:23%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:8%の乾燥混合供給速度
バレル水:29%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:425RPM
押し出し機モーター負荷:21%
押し出し機比機械エネルギー:79kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:62℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:71℃
バレル帯域3温度設定値:130℃
バレル帯域3温度記録値:126℃
バレル帯域4温度設定値:140℃
バレル帯域4温度記録値:143℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約44%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約3450グラムであった。
【0128】
実施例4
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
【0129】
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0130】
10mmの6つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約7.7mm,または約0.77(無次元表示)であった。
【0131】
78.8%SUPRO(登録商標)EX45(ダイズタンパク質単離物)、12.3%タピオカデンプン、8%Fibrim(登録商標)2000(ダイズ繊維)、0.5%リン酸二カルシウム、0.3%レシチン、0.1%L−システインの配合物を使用した。
【0132】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:75kg/hr
プレコンディショナー水:27%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:8%の乾燥混合供給速度
バレル水:20%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:425RPM
押し出し機モーター負荷:25%
押し出し機比機械エネルギー:82kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:56℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:73℃
バレル帯域3温度設定値:130℃
バレル帯域3温度記録値:128℃
バレル帯域4温度設定値:140℃
バレル帯域4温度記録値:145℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約62%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約2750グラムであった。
【0133】
実施例5
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0134】
13mm径の2つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約10mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0135】
79.4%SUPRO(登録商標)620(ダイズタンパク質単離物)、12.4%タピオカデンプン、8.1%Fibrim(登録商標)2000(ダイズ繊維)、0.1%L−システインの配合物を使用した。
【0136】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:60kg/hr
プレコンディショナー水:25%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:7.5%の乾燥混合供給速度
バレル水:10%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:360RPM
押し出し機モーター負荷:20%
押し出し機比機械エネルギー:68kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:49℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:73℃
バレル帯域3温度設定値:120℃
バレル帯域3温度記録値:119℃
バレル帯域4温度設定値:135℃
バレル帯域4温度記録値:133℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約52%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約3050グラムであった。
【0137】
実施例6
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0138】
13mm径の2つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約10mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0139】
78.8%SUPRO(登録商標)620(ダイズタンパク質単離物)、12.3%コーンフラワー、8.0%Fibrim(登録商標)2000(ダイズ繊維)、0.5%リン酸二カルシウム、0.3%レシチン、0.13%L−システインの配合物を使用した。
【0140】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:75kg/hr
プレコンディショナー水:25%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:7.5%の乾燥混合供給速度
バレル水:15%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:400RPM
押し出し機モーター負荷:24%
押し出し機比機械エネルギー:71kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:49℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:79℃
バレル帯域3温度設定値:125℃
バレル帯域3温度記録値:125℃
バレル帯域4温度設定値:135℃
バレル帯域4温度記録値:136℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約58%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約4200グラムであった。
【0141】
実施例7
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0142】
13mm径の2つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約10mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0143】
88%SUPRO(登録商標)620(ダイズタンパク質単離物)、12%タピオカデンプンの配合物を使用した。
【0144】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:65kg/hr
プレコンディショナー水:27%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:7.5%の乾燥混合供給速度
バレル水:11%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:360RPM
押し出し機モーター負荷:20%
押し出し機比機械エネルギー:66kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:48℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:70℃
バレル帯域3温度設定値:120℃
バレル帯域3温度記録値:124℃
バレル帯域4温度設定値:135℃
バレル帯域4温度記録値:135℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約37%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約2450グラムであった。
【0145】
実施例8
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
【0146】
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0147】
13mm径の2つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約10mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0148】
84.1%PROCON(登録商標)2000(ダイズタンパク質濃縮物)、15%タピオカデンプン、0.5%リン酸二カルシウム、0.3%レシチン、0.1%L−システインの配合物を合わせた。
【0149】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:60kg/hr
プレコンディショナー水:27%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:8%の乾燥混合供給速度
バレル水:20%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:350RPM
押し出し機モーター負荷:23%
押し出し機比機械エネルギー:78kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:50℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:71℃
バレル帯域3温度設定値:125℃
バレル帯域3温度記録値:125℃
バレル帯域4温度設定値:135℃
バレル帯域4温度記録値:132℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約47%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約2300グラムであった。
【0150】
実施例9
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0151】
13mm径の2つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約10mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0152】
88%PROCON(登録商標)2000(ダイズタンパク質濃縮物)、および12%タピオカデンプンの配合物を合わせた。
【0153】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:60kg/hr
プレコンディショナー水:27%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:8%の乾燥混合供給速度
バレル水:17%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:350RPM
押し出し機モーター負荷:24%
押し出し機比機械エネルギー:79kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:51℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:66℃
バレル帯域3温度設定値:120℃
バレル帯域3温度記録値:119℃
バレル帯域4温度設定値:135℃
バレル帯域4温度記録値:137℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約34%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約2650グラムであった。
【0154】
実施例10
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0155】
13mm径の2つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約10mm、または約0.77(無次元表示)であった。
【0156】
100%ダイズ粉の配合物を使用した。
【0157】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:75kg/hr
プレコンディショナー水:25%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:7%の乾燥混合供給速度
バレル水:7%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:400RPM
押し出し機モーター負荷:27%
押し出し機比機械エネルギー:82kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:50℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:68℃
バレル帯域3温度設定値:125℃
バレル帯域3温度記録値:125℃
バレル帯域4温度設定値:135℃
バレル帯域4温度記録値:135℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約29%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約3800グラムであった。
【0158】
実施例11
構造化ダイズタンパク質製品は、以下の方法に従って形成された。
使用された押し出し機は、モデル4 DDC調質シリンダーを装着し、50hp駆動モーターを装着した、長さ:直径(L:D)比が19.5:1のWenger TX−52 MAG STであった。
【0159】
13mm径の2つのダイ開口部があるダイを使用した。ダイのランド長は約10mm、または約.77(無次元表示)であった。
【0160】
48.6%SUPRO(登録商標)620(ダイズタンパク質単離物)、40%PROCON(登録商標)2000(ダイズタンパク質濃縮物)10.5%タピオカデンプン、0.5%リン酸二カルシウム、0.3%レシチン、0.1%L−システインの配合物を使用した。
【0161】
稼働条件は次のとおりであった。
「乾燥」混合物供給速度:75kg/hr
プレコンディショナー水:25%の乾燥混合供給速度
プレコンディショナー水蒸気供給速度:7.5%の乾燥混合供給速度
バレル水:18%の乾燥混合供給速度
バレル水蒸気供給速度:0%の乾燥混合供給速度
押し出し機スクリュー速度:400RPM
押し出し機モーター負荷:25%
押し出し機比機械エネルギー:78kW*hr/トンの「乾燥」供給
バレル帯域1温度設定値:50℃
バレル帯域1温度記録値:50℃
バレル帯域2温度設定値:70℃
バレル帯域2温度記録値:68℃
バレル帯域3温度設定値:125℃
バレル帯域3温度記録値:125℃
バレル帯域4温度設定値:140℃
バレル帯域4温度記録値:140℃
剪断結果(実施例13に記載される)は、約34%であった。平均剪断値(実施例12に記載される)は、約3350グラムであった。
【0162】
実施例12
以下の試験を使用して、実施例1〜11で製造された製品の剪断を分析した。
【0163】
手順および目標結果は、乾燥(約10%水分、現状通り)寸法が長さおよそ6cmで直径2.5cmの塊に関するものであり、プローブが塊の横断面を切断する。使用された装置は次のとおりであった。I.テクスチャ分析器:以下を装着したStable Micro Systems:TA XTPlusまたはTA XT2i
A.25、50または100Kgの負荷セル
B.TA−45 Incisorナイフ
C.サンプルプラットフォーム:
1)TA XTPlus−TA−90 Heavy Dutyプラットフォーム;
2)TA XT2i装置は、典型的にTA−7 Warner Bratzler Knife Bladeからのベースプレートを使用した。II.真空包装:サンプル片を単層で包含するのに十分なサイズのエアバリアを提供する真空パウチ。例としては、以下が挙げられる。
A.Kingstar Manufacturing Co.(China)によって製造され、Food Processing Equipment,Inc.によって流通されている、有効ヒートシールサイズ2×400mmのモデルKVP−420T真空包装機;または同等物
B.Selovac 200 B XL;または同等物
III.はさみ
IV.秤−秤量5000g、最小感度±5g
V.装置は次のようにして準備された。
A.真空包装機:1)包装機が圧力を0.05バール(<37.5mmHg)に低下できることを確認する。2)ばらつきのない密封を作成する設定は、使用される包装機およびパウチによって異なる。密封パルスを調節して、分析で使用される真空パウチの完全な密封を確実にする。
B.テクスチャ分析器:1)製造業者の推奨事項に従って、テクスチャ分析器の力を毎日1回較正する。2)以下の設定を入力すべきであり、テクスチャ分析器をアップデートすべきである。
(a)Measure Force in Compression
(b)Return to Start
(c)パラメーター:
(d)試験前速度10mm/sec
(e)試験速度2.0mm/sec
(f)検定後速度10mm/sec
(g)破裂試験距離(N/A)
(h)距離(歪み)160%
(i)力(N/A)
(j)時間(N/A)
(k)負荷セル(ローカル値使用)
(l)温度(N/A)
(m)トリガー:
(n)トリガータイプ自動
(o)力20g
(p)プロット停止最後
(q)自動風袋あり
(r)単位:
(s)力グラム
(t)距離%歪み
(u)破断:
(v)検出オフ
(w)レベル(N/A)
(x)感度(N/A)
C.データ処理:1)以下のコマンド配列を有するマクロを入力する。注記:ソフトウェアの異なるバージョンは異なるコマンドを有するかもしれないので、適切なコマンドを使用すること。
(a)Clear Graph Results
(b)Go to Min.Time
(c)Redraw
(d)Set Force Threshold 1000g
(e)Search Forward
(f)Go to Force
(g)Percent of Max Force 100%
(h)Drop Anchor
(i)Mark Value(Force)
VI.25℃+/−2℃の水道水を試薬として使用する。
VII.実施された手順は次のとおりであった。
1)製品を水分補給する。
(a)15個の乾燥製品のホール試験片を秤量し、サンプル重量を記録して試験片を真空パウチに入れ、サンプルIDで標識した。
(b)水和のための水は、重量で3部の水対1部のサンプルの比率である。(サンプル重量×3)。例えば15個の製品の重量が150グラムであれば、3×150グラム=450グラムの水をバッグに入れる。
(c)良好なヒートシールを確実にするためにパウチ壁を濡らさないように、水を注意深くバッグに添加する。
(d)真空包装機にパウチを入れ、サンプル塊をバッグ内で均等な層に分配する。いかなる塊も互いに「積み重ね」られない。水漏出を防止するようにわずかに傾けた位置にある真空包装機内部で、バッグを支える。
(e)開始時間を標識する。
(f)バリアパウチを0.05バール(<37.5mmHg)に脱気して、バリアパウチを密封する。注記:0.05バールは<5%または現行大気圧への圧力低下を表す。異なる供給業者によって提供されるゲージは、cmHgで読み取られるかもしれない。したがって絶対cmHg真空読み取りは、あらゆる特定の日における位置の大気圧に基づいて変動し得る。
(g)パウチを漏れについて調べる。漏れが見つかった場合、新しいサンプルを調製する(上の(a)から始める)。
(h)テクスチャ分析に先だって、製品を水分補給して12〜24時間平衡化する。
2)テクスチャ分析器プローブをゼロに設定する。
3)ナイフ固定部をテクスチャ分析器に取り付ける。
4)穴あきプレートをプラットフォーム内に入れてプレートを固く締める。
5)ナイフがスロット中央を通過するように、ナイフをプレート内のスロットと整列させる。
6)ナイフ固定部を固く締める。
7)標準テクスチャ分析器手順に従ってプローブをゼロに設定し、プローブの刃をプレート上で約40mmの高さに持ち上げる。
8)バッグをはさみで切り開いて、製品試験片の1つを取り出す。
9)ナイフが試験片の一端でなく中央を切り開くように、試験片を長方向で、プレート中のスロットと垂直方向に置く。
10)測定が両端から離れた中央で行われるように、試験片を中央に置く。
11)テクスチャ−分析器を始動する。
12)ピースを切断(剪断)するのに必要な最大力を収集して記録する。
13)試験を少なくとも10回(合計)繰り返す。計算(結果)は次のように実施する。平均最大力(グラム)、測定値の標準偏差を記録する。
【0164】
実施例13
以下の試験を使用して、実施例1〜11の製品を分析した。
【0165】
手順および目標結果的は、長さおよそ6cmで直径2.5cmの乾燥寸法である、水分約10%に乾燥させた塊に関する。異なる形状またはサイズの塊が使用される場合、それはこのサイズと形状に補正する必要がある。
【0166】
I.剪断試験は次のとおり。
A.卓上ミキサー(ボールおよび単独翼パドル付きKitchen Aid ミキサーモデルKM14G0または同等物)
B.精度±5g最小の秤量5000gの秤。
C.真空包装:実施例12に記載されるとおり。
II.装置を次のように準備する。
A.真空包装機:実施例12に記載されるとおり
B.卓上ミキサー:130±2rpmを提供する用に設定する。RPMは、パドル回転でなく、カム上の元軸を観察して判定する。
C.25±2℃の水道水
III.従うべき手順は次のとおり。
A.水和:実施例12に記載されるとおり。
B.製品を剪断して評価する。
1)水分補給した塊を真空パウチから取り出して、水分補給した塊をミキサーボールに入れる。ミキサーを適切な速度(130rpm)に設定して、スイッチを入れる。
2)2分間混合してミキサーを停止し、電源コードを抜いて、パドルに纏わり付く材料を注意深くボールに入れて、ボールを掻き取ってあらゆる材料をボール壁から落として材料主塊にまとめる。
3)さらに2分間混合し、電源コードを抜いて、パドルに纏わり付く材料を注意深くボールに入れて、ボールを掻き取ってあらゆる材料をボール壁から落として材料主塊にまとめる。
4)さらに2分間混合し、電源コードを抜いて、パドルに纏わり付く材料を注意深くボールに入れて、ボールを掻き取ってあらゆる材料をボール壁から落として材料主塊にまとめる。
5)ボール内で製品をもう1回手動で混合して、ミキサーパドルまたはボール側面に付着したサンプルを再分配する。
6)ボールから50±0.5グラムの剪断製品を秤量する。50グラムは剪断された総材料を代表的する必要がある。
7)次の慣例を使用して、製品を4群に区分する。「long」=最長寸法、「wide」=中央寸法、「high」=最短寸法。
(a)長繊維:長さ>40mm、最大5mm幅、最大2mm厚さ。全長繊維の総重量を記録する。
(b)短繊維:25mm=長さ=40mm、最大5mm幅、最大2mm厚さ。全短繊維の総重量を記録する。
(c)シート(一枚の紙に類似):長さ>25mm、最小5mm幅、最大2mm厚さ。全シートの総重量を記録する。
8)シートスコアを100%×(長繊維重量+短繊維重量+シート重量)/総サンプル重量、として記録する。有効測定値を得るために、全群で水分含量が同様である必要がある。
【0167】
例示的実施態様との関連で本発明を説明したが、説明を読めば、当業者にはその様々な修正が明白であることを理解すべきである。したがって本明細書で開示される本発明は、添付の特許請求の範囲内の修正を包含することが意図されることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に整列した繊維があり、少なくとも1つの無グルテンタンパク質材料および結合剤を含んでなる、構造化タンパク質製品。
【請求項2】
前記タンパク質材料が、ダイズタンパク質またはその他のテクスチャライズできるタンパク質である、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記ダイズタンパク質が、ダイズ単離物、ダイズタンパク質濃縮物、ダイズ粉、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
前記少なくとも1つの無グルテンタンパク質材料および結合剤が、単一源成分である、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
前記結合剤が、多糖類、単糖類、二糖類、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
前記結合剤が、デンプン、デンプン代替品、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
前記タンパク質材料が75%〜100%に及ぶ量で存在し、前記結合剤が0%〜25%に及ぶ量で存在する、請求項1に記載の製品。
【請求項8】
前記結合剤が、タンパク質、脂質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
前記構造化タンパク質製品が、少なくとも1400グラムの平均剪断強さと、少なくとも17%の平均細断特性解析を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項10】
前記構造化タンパク質製品が、少なくとも2000グラムの平均剪断強さと、少なくとも17%の平均細断特性解析を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項11】
前記構造化タンパク質製品が、少なくとも2600グラム平均剪断強さと、少なくとも17%の平均細断特性解析を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項12】
前記構造化タンパク質製品が、図1bの顕微鏡写真に描写される様式で実質的に整列したタンパク質繊維を含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項13】
着色組成物をさらに含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項14】
前記着色組成物が、ビーツ、アナットー、カラメル色素、およびアミノ酸源を含んでなる、請求項13に記載の製品。
【請求項15】
抗酸化剤、水、香辛料、および香味料をさらに含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項16】
請求項1のタンパク質製品を含んでなる、再構成製品。
【請求項17】
前記再構成製品が肉を含んでなる、請求項16に記載の再構成製品。
【請求項18】
前記再構成性製品が肉無しである、請求項16に記載の再構成製品。
【請求項19】
少なくとも1つの無グルテンタンパク質材料と結合剤をダイアセンブリーを通じて押し出し、実質的に整列したタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を形成するステップを含んでなる、構造化タンパク質製品を製造する方法。
【請求項20】
前記構造化タンパク質製品が、少なくとも1400グラムの平均剪断強さと、少なくとも17%の平均細断特性解析を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記構造化タンパク質製品が少なくとも2000グラムの平均剪断強さと、少なくとも17%の平均細断特性解析を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記構造化タンパク質製品が少なくとも2600グラムの平均剪断強さと、少なくとも17%の平均細断特性解析を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記構造化タンパク質製品が、図1bの顕微鏡写真に描写する様式で実質的に整列したタンパク質繊維を含んでなる、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記タンパク質材料が乾燥物質ベースで約40%〜約90%のタンパク質を有する、請求項19に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2013−509195(P2013−509195A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537117(P2012−537117)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/054719
【国際公開番号】WO2011/053786
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(504140299)ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (42)
【Fターム(参考)】