無人ヘリコプタのアンテナ
【課題】 常に安定した通信状態が得られる無人ヘリコプタのアンテナを提供する。
【解決手段】 機体に搭載された通信機27にアンテナ切換器74を介して複数本のアンテナ18,71を接続し、通信状態に応じてアンテナ18,71を切換える。一例として、機体下部に備わるスキッドの前後に前記アンテナを設ける。別の例として、機体側面より外側の左右に前記アンテナを設ける。さらに別の例として、機体下部に備わる左右のスキッドの支持脚に前記アンテナを一体的に設ける。
【解決手段】 機体に搭載された通信機27にアンテナ切換器74を介して複数本のアンテナ18,71を接続し、通信状態に応じてアンテナ18,71を切換える。一例として、機体下部に備わるスキッドの前後に前記アンテナを設ける。別の例として、機体側面より外側の左右に前記アンテナを設ける。さらに別の例として、機体下部に備わる左右のスキッドの支持脚に前記アンテナを一体的に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人ヘリコプタのアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
無人ヘリコプタは、農薬等の薬剤を散布するため(例えば特許文献1)、あるいは航空写真撮影等のために用いられる。この無人ヘリコプタは、無線操縦機で使用者が地上から機体を見ながら飛行状態に応じて遠隔操作できる。さらにこのような無人ヘリコプタにおいて、エンジンの運転状態等に応じて最適な飛行制御を自動的に行う自律飛行制御が実用化されている。このような自律飛行制御を行う場合、機体側から運転状態の検出データがデジタル信号で地上局に送られるとともに、地上局側から自律飛行に必要な指令信号がデジタル信号で機体側に送られる。このような自律飛行用の操縦データ通信用のアンテナが機体に備わる。
【0003】
一方、写真撮影用カメラを搭載した無人ヘリコプタでは、撮影した画像のアナログデータを地上局に送信する。この画像データ通信のために画像データ用のアンテナが機体に備わる。
【0004】
さらに機体には、地上局からの無線指令を受信するための無線操縦用受信アンテナやGPSアンテナが備わる。
【0005】
また、機体内部又は機体側面の制御ボックス内には、デジタル操縦データやアナログ画像データ等を送受信するための通信機が収納される。
【0006】
機体下部ほぼ中央部の左右両側には離着陸時に機体を支持するスキッドが設けられる。
【0007】
アンテナは、GPSアンテナ以外は地上との通信のために、通常機体下部に設けられる。機体下部のほぼ中央左右にはスキッドが備わるため、機体の向きや姿勢によってアンテナと地上局との間にスキッドが位置した場合、あるいは電波の伝搬状態によって、電波が乱れたり強度が低下して安定した通信状態が保てなくなる場合がある。
【0008】
【特許文献1】特開2002−166893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、常に安定した通信状態が得られる無人ヘリコプタのアンテナの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、機体に搭載された通信機にアンテナ切換器を介して複数本のアンテナを接続し、通信状態に応じてアンテナを切換えることを特徴とする無人ヘリコプタのアンテナを提供する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、機体下部に備わるスキッドの前後に前記アンテナを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、機体側面より外側の左右に前記アンテナを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、機体下部に備わる左右のスキッドの支持脚に前記アンテナを一体的に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、1台の通信機に対し複数のアンテナを接続し、すなわち同じ周波数帯の電波に対するアンテナを複数個備え、通信状態に応じてアンテナを切換えて使用するため、常に良好な通信状態でデータの送受信が可能になる。
【0015】
請求項2の発明によれば、スキッドの前後にそれぞれアンテナを配置するため、一方のアンテナがスキッドにより電磁的に遮蔽されても、他方のアンテナに切換えて良好な通信状態を維持できる。
【0016】
請求項3の発明によれば、機体側面より外側の左右それぞれにアンテナを配置するため、一方のアンテナが機体により電磁的に遮蔽されても、他方のアンテナに切換えて良好な通信状態を維持できる。
【0017】
請求項4の発明によれば、スキッドの支持脚にアンテナ線やアンテナフィルムを貼り付ける等によりアンテナとスキッド支持脚を一体構造とすることにより、機体下部の構成が簡素化してスペースに余裕ができ他の機器類の搭載が可能になる。またアンテナ自体が補強される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1〜図3はそれぞれ、本発明に係る無人ヘリコプタの側面図、上面図及び正面図である。
無人ヘリコプタ1は、メインボディ2とテールボディ3からなる機体4を備える。メインボディ2の上部にメインロータ5が備わり、テールボディ3の後部にテールロータ6が備わる。メインボディ2の前部にラジエータ7が備わり、機体4のほぼ中央部のメインボディ2の左右下部に支持脚8を介してスキッド9が備わる。
【0019】
スキッド9の前端部上方の機体下部には、機体内のエンジン(不図示)に接続された排気管60に備わるマフラー61が配設される。
【0020】
メインボディ2の後部上側にコントロールパネル10が備わり、下側に表示灯11が備わる。コントロールパネル10は、飛行前のチェックポイントやセルフチェック結果等を表示する。コントロールパネル10の表示は地上局でも確認できる。表示灯11は、GPS制御の状態や機体の異常警告等の表示を行う。
【0021】
メインボディ2の前部下側に、赤外線カメラ(あるいはCCDカメラ)を収容したカメラ装置12がカメラ雲台13を介して取付けられる。カメラ装置12は、カメラ雲台13に対し、パン軸(垂直軸)廻りに回転するとともに、内部のカメラ(不図示)がチルト軸(水平軸)廻りに回転可能である。これにより、カメラが前側の窓14を通して上空から地上の全方位を撮影できる。
【0022】
メインボディ2の左側に自律制御ボックス15が搭載される。自律制御ボックス15内には、自律制御に必要な、GPS制御装置、地上と通信するデータ通信機や画像送信機、及び制御プログラムを組込んだ制御基板などが収容される。自律制御は、機体の位置や速度などの飛行データ、機体の姿勢や方位などの機体データ、エンジン回転数やスロットル開度などの運転状態データ等に基づいて、予め定められた運転モードや制御プログラムを自動的にあるいは地上局からの指令によって選択し、運転状態に応じて最適な操縦制御を行う。
【0023】
この無人ヘリコプタ1は、このような自律制御で飛行できるとともに、飛行状態を目で確認しながら、この飛行状態や機体から送信された各種運転状態データに基づいて、無線操縦機によりマニュアル操作が可能である。
【0024】
メインボディ2の下面側にアンテナ支持枠16が取付けられる。このアンテナ支持枠16に、傾斜したステー17が取付けられる。このステー17に、前述の自律制御に必要な運転状態データや飛行指令データ等の操縦データ(デジタルデータ)を地上局との間で送受信するための操縦データアンテナ18が取付けられる。ステー17にはさらに、前述のカメラ装置12で撮影した画像データ(アナログデータ)を地上局に送信するための画像データアンテナ19が取付けられる。
【0025】
テールボディ3の下面側に地磁気等に基づく方位センサ20が備わる。方位センサ20により機体の向き(東西南北)が検出される。メインボディ2内にさらに、ジャイロ装置からなる姿勢センサ(不図示)が備わる。
【0026】
テールボディ3の上面側にメインGPSアンテナ21及びサブGPSアンテナ22が備わる。テールボディ3の後端部に、無線操縦機からの指令信号を受信する無線操縦用受信アンテナ23が備わる。
【0027】
機体4の前端部下面に、第2の操縦データアンテナ71及び第2の画像データアンテナ72が備わる。2本の操縦データアンテナ18,71及び2本の画像データアンテナ19,72は、それぞれ後述のように、アンテナ切換器を介してデータ通信機及び画像通信機に接続される。
【0028】
図4は、本発明に係る無人ヘリコプタのブロック構成図である。
カメラ装置12は、カメラ雲台13に搭載された赤外線カメラ(又はCCDカメラ)24を備える。
【0029】
自律制御ボックス15内には、カメラ24からの映像データを受信する画像制御装置25と、画像データを地上局に送る画像送信機26と、自律制御に必要なデータを地上局との間で送受信するためのデータ通信機27と、自律制御プログラムが格納されたマイコン等からなる制御基板28と、メインGPSアンテナ21に接続されたメインGPS受信機29と、サブGPSアンテナ22に接続されたサブGPS受信機30が収納される。
【0030】
機体4には、自律制御ボックス15内の画像送信機26及びデータ通信機27からそれぞれ、アナログ画像データを地上局に送る画像データアンテナ19及びデジタル操縦データを地上局との間で送受信する操縦データアンテナ18が、前述のようにメインボディ2(図1)の下面側に備わる。方位センサ20は、自律制御ボックス15内の制御基板28に接続される。機体4内には、ジャイロ装置等からなる姿勢センサ31が備わり、コントロールボックス32に接続される。コントロールボックス32は、自律制御ボックス15内の制御基板28とデータ通信して5台のサーボモータ33を駆動する。3台のサーボモータ33がメインロータを制御してエンジンコントロール用のサーボモータとともに、機体の前後、左右、上下方向の移動を制御し、テールロータ制御用のサーボモータが機体の回転を制御する。
【0031】
図5は、地上局のブロック構成図である。
無人ヘリコプタ1と通信する地上局53には、GPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナ34と、無人ヘリコプタ1とデータ通信を行うための通信アンテナ35と、無人ヘリコプタ1から画像データを受信するための画像受信アンテナ36の3本のアンテナが地上に設置される。
【0032】
地上局53は、データ処理部37と、監視操作部38と、電源部39とにより構成される。
【0033】
データ処理部37は、GPS受信機40と、データ通信機41と、画像受信機42と、これらの受信機40,通信機41,受信機42に接続された通信基板43とにより構成される。
【0034】
監視操作部38は、手動用コントローラ(無線操縦機)44と、カメラ操作や機体の操縦調整などを行うベースコントローラ45と、バックアップ電源46と、ベースコントローラ45に接続されたパソコン47と、パソコン用のモニタ48と、ベースコントローラ45に接続され画像データを表示する画像モニタ49とにより構成される。
【0035】
電源部39は、発電機50と、バッテリブースタ51を介して発電機50に接続されたバックアップバッテリ52とにより構成される。バックアップバッテリ52は、飛行前のチェック時などの発電機50が動作していないときに機体側に接続して12Vの電圧を供給する。飛行中は、発電機50からデータ処理部37及び監視操作部38に100Vの電圧を供給する。
【0036】
前述のように、機体下部に支持脚8を介してスキッド9が備わる。このスキッド9の前後に同じ通信機に接続される2本の操縦データアンテナ18及び第2操縦データアンテナ71がそれぞれ備わり、さらに別の通信機に接続される2本の画像データアンテナ19,72がそれぞれ備わる。
【0037】
図6は、本発明に係るアンテナのブロック図である。この例は、機体側で受信電波の感度を判定してアンテナを切換える例を示す。後述の図7も同様である。
同じ周波数帯の2本の操縦データアンテナ18及び第2操縦データアンテナ71が機体下部に備わる。2本のアンテナ18,71は、アンテナ切換器74を介してデータ通信機27に接続される。データ通信機27は、アンテナ切換器74で選択された2本のアンテナ18,71のうち一方のアンテナを介して地上局と通信する。データ通信機27は制御基板28に接続される(図4参照)。データ通信機27には感度検出部75が接続され、通信データの強度やノイズ、ゴーストなどの通信状態からアンテナの感度を検出する。この感度検出部75は、感度判定部73に接続され、検出したアンテナ感度が所定の感度より低下しているか否かを判定する。所定の感度より低下していたらアンテナ切換器74を動作させてアンテナを切換える。
【0038】
図7は、本発明に係る別のアンテナのブロック図である。
アンテナ切換器74を介して受信した通信データの感度を直接感度検出部75で検出する。感度検出部75は、感度判定部73に接続され、検出したアンテナ感度が所定の感度より低下しているか否かを判定する。所定の感度より低下していたらアンテナ切換器74を動作させてアンテナを切換える。
【0039】
図8は、本発明に係る別のアンテナのブロック図である。この例は、機体からの送信データを地上局で受信し、地上局で受信電波の感度を判定してこれに応じて機体のアンテナを切換える例を示す。
【0040】
(A)に示すように、機体側にカメラ24が搭載される。カメラ24は、前述のように(図4参照)、画像制御装置25を介して画像送信機26に接続される。画像送信機26にはアンテナ切換器74を介して画像データアンテナ19及び第2画像データアンテナ72が接続される。画像送信機26は、アンテナ切換器74で選択された2本のアンテナ19,72のうち一方のアンテナを介して地上局に画像データを送信する。
【0041】
地上局では、(B)に示すように、画像受信アンテナ36を介して機体側からの画像データを画像受信機42で受信し、通信基板43に送る(図5参照)。画像通信機42には感度検出部75が接続され、受信した画像データの強度やノイズ、ゴーストなどの受信状態から機体側のアンテナの感度を検出する。感度検出部75は、感度判定部73に接続され、検出したアンテナ感度が所定の感度より低下しているか否かを判定する。感度判定部73の判定結果のデータは、データ通信機41から通信アンテナ35を介して機体側の制御基板28に送信される。制御基板28は、判定結果のデータが所定の感度より低下しているデータであればアンテナ切換器74を動作させてアンテナを切換える。
【0042】
図9は、アンテナの別の配置例を示す。
この例は、機体下部のスキッド9の後方の機体下面に直接操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19を取付け、機体前端部下面に、図1の例と同様に、第2操縦データアンテナ71及び第2画像データアンテナ72を取付けた構成である。その他の構成及び作用効果は前述の実施例と同様である。
【0043】
図10は、アンテナのさらに別の配置例を示す。
この例は、機体左右の側面より外側に突出した位置に、この例では右側に操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19を下向きに垂下して取付け、左側に第2操縦データアンテナ71及び第2画像データアンテナ72を下向きに垂下して取付けた構成である。その他の構成及び作用効果は前述の実施例と同様である。
【0044】
図11及び図12はそれぞれ、本発明に係るさらに別のアンテナの側面図及び平面図である。
この例は、スキッド9の支持脚8と一体化したアンテナを示す。機体下部の左右に、スキッド9が、前後の支持脚8の下端部に支持されて備わる。この例では前後の支持脚8の右側の側面にそれぞれ操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19が一体形成される。すなわち、これらのアンテナ18,19は、フィルム状あるいはワイヤ状であり、支持脚8の表面に貼り付けられ、あるいはパターニングその他の方法で支持脚8に一体的に固定される。左側の前後の支持脚8の表面にそれぞれ第2画像データアンテナ72及び第2操縦データアンテナ71が同様に一体形成される。このように、アンテナ18,19,71,72を支持脚8と一体形成することにより、機体下部の構成が簡素化してスペースに余裕ができ他の機器類の搭載が可能になる。またアンテナ自体が補強される。その他の構成及び作用効果は、前述の実施例と同様である。
【0045】
なお、上記実施例では、操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19についてそれぞれ2本設けた構成としたが、メイン及びサブのGPSアンテナ21,22や無線操縦用受信アンテナ23についてもそれぞれ同様に2本設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、無人ヘリコプタだけでなく、翼を有する無人飛行機に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る無人ヘリコプタの側面図。
【図2】図1の無人ヘリコプタの上面図。
【図3】図1の無人ヘリコプタの正面図。
【図4】本発明に係る無人ヘリコプタのブロック構成図。
【図5】地上局のブロック構成図。
【図6】本発明のアンテナ回路図。
【図7】本発明の別のアンテナ回路図。
【図8】本発明のさらに別のアンテナ回路図。
【図9】本発明の別のアンテナの側面図。
【図10】本発明のさらに別のアンテナの平面図。
【図11】本発明のさらに別のアンテナの側面図。
【図12】図11のアンテナの平面図。
【符号の説明】
【0048】
1:無人ヘリコプタ、2:メインボディ、3:テールボディ、4:機体、5:メインロータ、6:テールロータ、7:ラジエータ、8:支持脚、9:スキッド、10:コントロールパネル、11:表示灯、12:カメラ装置、13:雲台、14:窓、15:自律制御ボックス、16:アンテナ支持枠、17:ステー、18:操縦データアンテナ、19:画像データアンテナ、20:方位センサ、21:メインGPSアンテナ、22:サブGPSアンテナ、23:無線操縦用受信アンテナ、24:カメラ、25:画像制御装置、26:画像送信機、27:データ通信機、28:制御基板、29:メインGPS受信機、30:サブGPS受信機、31:姿勢センサ、32:コントロールボックス、33:サーボモータ、34:GPSアンテナ、35:通信アンテナ、36:画像受信アンテナ、37:データ処理部、38:監視操作部、39:電源部、40:GPS受信機、41:データ通信機、42:画像受信機、43:通信基板、44:無線操縦機、45:ベースコントローラ、46:バックアップ電源、47:パソコン、48:モニタ、49:画像モニタ、50:発電機、51:バッテリブースタ、52:バックアップバッテリ、53:地上局、56:ステー支持枠、57:クッション材、58,59:ブラケット、60:排気管、61:マフラー、71:第2操縦データアンテナ、72:第2画像データアンテナ、73:感度判定部、74:アンテナ切換器、75:感度検出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人ヘリコプタのアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
無人ヘリコプタは、農薬等の薬剤を散布するため(例えば特許文献1)、あるいは航空写真撮影等のために用いられる。この無人ヘリコプタは、無線操縦機で使用者が地上から機体を見ながら飛行状態に応じて遠隔操作できる。さらにこのような無人ヘリコプタにおいて、エンジンの運転状態等に応じて最適な飛行制御を自動的に行う自律飛行制御が実用化されている。このような自律飛行制御を行う場合、機体側から運転状態の検出データがデジタル信号で地上局に送られるとともに、地上局側から自律飛行に必要な指令信号がデジタル信号で機体側に送られる。このような自律飛行用の操縦データ通信用のアンテナが機体に備わる。
【0003】
一方、写真撮影用カメラを搭載した無人ヘリコプタでは、撮影した画像のアナログデータを地上局に送信する。この画像データ通信のために画像データ用のアンテナが機体に備わる。
【0004】
さらに機体には、地上局からの無線指令を受信するための無線操縦用受信アンテナやGPSアンテナが備わる。
【0005】
また、機体内部又は機体側面の制御ボックス内には、デジタル操縦データやアナログ画像データ等を送受信するための通信機が収納される。
【0006】
機体下部ほぼ中央部の左右両側には離着陸時に機体を支持するスキッドが設けられる。
【0007】
アンテナは、GPSアンテナ以外は地上との通信のために、通常機体下部に設けられる。機体下部のほぼ中央左右にはスキッドが備わるため、機体の向きや姿勢によってアンテナと地上局との間にスキッドが位置した場合、あるいは電波の伝搬状態によって、電波が乱れたり強度が低下して安定した通信状態が保てなくなる場合がある。
【0008】
【特許文献1】特開2002−166893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、常に安定した通信状態が得られる無人ヘリコプタのアンテナの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、機体に搭載された通信機にアンテナ切換器を介して複数本のアンテナを接続し、通信状態に応じてアンテナを切換えることを特徴とする無人ヘリコプタのアンテナを提供する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、機体下部に備わるスキッドの前後に前記アンテナを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、機体側面より外側の左右に前記アンテナを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、機体下部に備わる左右のスキッドの支持脚に前記アンテナを一体的に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、1台の通信機に対し複数のアンテナを接続し、すなわち同じ周波数帯の電波に対するアンテナを複数個備え、通信状態に応じてアンテナを切換えて使用するため、常に良好な通信状態でデータの送受信が可能になる。
【0015】
請求項2の発明によれば、スキッドの前後にそれぞれアンテナを配置するため、一方のアンテナがスキッドにより電磁的に遮蔽されても、他方のアンテナに切換えて良好な通信状態を維持できる。
【0016】
請求項3の発明によれば、機体側面より外側の左右それぞれにアンテナを配置するため、一方のアンテナが機体により電磁的に遮蔽されても、他方のアンテナに切換えて良好な通信状態を維持できる。
【0017】
請求項4の発明によれば、スキッドの支持脚にアンテナ線やアンテナフィルムを貼り付ける等によりアンテナとスキッド支持脚を一体構造とすることにより、機体下部の構成が簡素化してスペースに余裕ができ他の機器類の搭載が可能になる。またアンテナ自体が補強される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1〜図3はそれぞれ、本発明に係る無人ヘリコプタの側面図、上面図及び正面図である。
無人ヘリコプタ1は、メインボディ2とテールボディ3からなる機体4を備える。メインボディ2の上部にメインロータ5が備わり、テールボディ3の後部にテールロータ6が備わる。メインボディ2の前部にラジエータ7が備わり、機体4のほぼ中央部のメインボディ2の左右下部に支持脚8を介してスキッド9が備わる。
【0019】
スキッド9の前端部上方の機体下部には、機体内のエンジン(不図示)に接続された排気管60に備わるマフラー61が配設される。
【0020】
メインボディ2の後部上側にコントロールパネル10が備わり、下側に表示灯11が備わる。コントロールパネル10は、飛行前のチェックポイントやセルフチェック結果等を表示する。コントロールパネル10の表示は地上局でも確認できる。表示灯11は、GPS制御の状態や機体の異常警告等の表示を行う。
【0021】
メインボディ2の前部下側に、赤外線カメラ(あるいはCCDカメラ)を収容したカメラ装置12がカメラ雲台13を介して取付けられる。カメラ装置12は、カメラ雲台13に対し、パン軸(垂直軸)廻りに回転するとともに、内部のカメラ(不図示)がチルト軸(水平軸)廻りに回転可能である。これにより、カメラが前側の窓14を通して上空から地上の全方位を撮影できる。
【0022】
メインボディ2の左側に自律制御ボックス15が搭載される。自律制御ボックス15内には、自律制御に必要な、GPS制御装置、地上と通信するデータ通信機や画像送信機、及び制御プログラムを組込んだ制御基板などが収容される。自律制御は、機体の位置や速度などの飛行データ、機体の姿勢や方位などの機体データ、エンジン回転数やスロットル開度などの運転状態データ等に基づいて、予め定められた運転モードや制御プログラムを自動的にあるいは地上局からの指令によって選択し、運転状態に応じて最適な操縦制御を行う。
【0023】
この無人ヘリコプタ1は、このような自律制御で飛行できるとともに、飛行状態を目で確認しながら、この飛行状態や機体から送信された各種運転状態データに基づいて、無線操縦機によりマニュアル操作が可能である。
【0024】
メインボディ2の下面側にアンテナ支持枠16が取付けられる。このアンテナ支持枠16に、傾斜したステー17が取付けられる。このステー17に、前述の自律制御に必要な運転状態データや飛行指令データ等の操縦データ(デジタルデータ)を地上局との間で送受信するための操縦データアンテナ18が取付けられる。ステー17にはさらに、前述のカメラ装置12で撮影した画像データ(アナログデータ)を地上局に送信するための画像データアンテナ19が取付けられる。
【0025】
テールボディ3の下面側に地磁気等に基づく方位センサ20が備わる。方位センサ20により機体の向き(東西南北)が検出される。メインボディ2内にさらに、ジャイロ装置からなる姿勢センサ(不図示)が備わる。
【0026】
テールボディ3の上面側にメインGPSアンテナ21及びサブGPSアンテナ22が備わる。テールボディ3の後端部に、無線操縦機からの指令信号を受信する無線操縦用受信アンテナ23が備わる。
【0027】
機体4の前端部下面に、第2の操縦データアンテナ71及び第2の画像データアンテナ72が備わる。2本の操縦データアンテナ18,71及び2本の画像データアンテナ19,72は、それぞれ後述のように、アンテナ切換器を介してデータ通信機及び画像通信機に接続される。
【0028】
図4は、本発明に係る無人ヘリコプタのブロック構成図である。
カメラ装置12は、カメラ雲台13に搭載された赤外線カメラ(又はCCDカメラ)24を備える。
【0029】
自律制御ボックス15内には、カメラ24からの映像データを受信する画像制御装置25と、画像データを地上局に送る画像送信機26と、自律制御に必要なデータを地上局との間で送受信するためのデータ通信機27と、自律制御プログラムが格納されたマイコン等からなる制御基板28と、メインGPSアンテナ21に接続されたメインGPS受信機29と、サブGPSアンテナ22に接続されたサブGPS受信機30が収納される。
【0030】
機体4には、自律制御ボックス15内の画像送信機26及びデータ通信機27からそれぞれ、アナログ画像データを地上局に送る画像データアンテナ19及びデジタル操縦データを地上局との間で送受信する操縦データアンテナ18が、前述のようにメインボディ2(図1)の下面側に備わる。方位センサ20は、自律制御ボックス15内の制御基板28に接続される。機体4内には、ジャイロ装置等からなる姿勢センサ31が備わり、コントロールボックス32に接続される。コントロールボックス32は、自律制御ボックス15内の制御基板28とデータ通信して5台のサーボモータ33を駆動する。3台のサーボモータ33がメインロータを制御してエンジンコントロール用のサーボモータとともに、機体の前後、左右、上下方向の移動を制御し、テールロータ制御用のサーボモータが機体の回転を制御する。
【0031】
図5は、地上局のブロック構成図である。
無人ヘリコプタ1と通信する地上局53には、GPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナ34と、無人ヘリコプタ1とデータ通信を行うための通信アンテナ35と、無人ヘリコプタ1から画像データを受信するための画像受信アンテナ36の3本のアンテナが地上に設置される。
【0032】
地上局53は、データ処理部37と、監視操作部38と、電源部39とにより構成される。
【0033】
データ処理部37は、GPS受信機40と、データ通信機41と、画像受信機42と、これらの受信機40,通信機41,受信機42に接続された通信基板43とにより構成される。
【0034】
監視操作部38は、手動用コントローラ(無線操縦機)44と、カメラ操作や機体の操縦調整などを行うベースコントローラ45と、バックアップ電源46と、ベースコントローラ45に接続されたパソコン47と、パソコン用のモニタ48と、ベースコントローラ45に接続され画像データを表示する画像モニタ49とにより構成される。
【0035】
電源部39は、発電機50と、バッテリブースタ51を介して発電機50に接続されたバックアップバッテリ52とにより構成される。バックアップバッテリ52は、飛行前のチェック時などの発電機50が動作していないときに機体側に接続して12Vの電圧を供給する。飛行中は、発電機50からデータ処理部37及び監視操作部38に100Vの電圧を供給する。
【0036】
前述のように、機体下部に支持脚8を介してスキッド9が備わる。このスキッド9の前後に同じ通信機に接続される2本の操縦データアンテナ18及び第2操縦データアンテナ71がそれぞれ備わり、さらに別の通信機に接続される2本の画像データアンテナ19,72がそれぞれ備わる。
【0037】
図6は、本発明に係るアンテナのブロック図である。この例は、機体側で受信電波の感度を判定してアンテナを切換える例を示す。後述の図7も同様である。
同じ周波数帯の2本の操縦データアンテナ18及び第2操縦データアンテナ71が機体下部に備わる。2本のアンテナ18,71は、アンテナ切換器74を介してデータ通信機27に接続される。データ通信機27は、アンテナ切換器74で選択された2本のアンテナ18,71のうち一方のアンテナを介して地上局と通信する。データ通信機27は制御基板28に接続される(図4参照)。データ通信機27には感度検出部75が接続され、通信データの強度やノイズ、ゴーストなどの通信状態からアンテナの感度を検出する。この感度検出部75は、感度判定部73に接続され、検出したアンテナ感度が所定の感度より低下しているか否かを判定する。所定の感度より低下していたらアンテナ切換器74を動作させてアンテナを切換える。
【0038】
図7は、本発明に係る別のアンテナのブロック図である。
アンテナ切換器74を介して受信した通信データの感度を直接感度検出部75で検出する。感度検出部75は、感度判定部73に接続され、検出したアンテナ感度が所定の感度より低下しているか否かを判定する。所定の感度より低下していたらアンテナ切換器74を動作させてアンテナを切換える。
【0039】
図8は、本発明に係る別のアンテナのブロック図である。この例は、機体からの送信データを地上局で受信し、地上局で受信電波の感度を判定してこれに応じて機体のアンテナを切換える例を示す。
【0040】
(A)に示すように、機体側にカメラ24が搭載される。カメラ24は、前述のように(図4参照)、画像制御装置25を介して画像送信機26に接続される。画像送信機26にはアンテナ切換器74を介して画像データアンテナ19及び第2画像データアンテナ72が接続される。画像送信機26は、アンテナ切換器74で選択された2本のアンテナ19,72のうち一方のアンテナを介して地上局に画像データを送信する。
【0041】
地上局では、(B)に示すように、画像受信アンテナ36を介して機体側からの画像データを画像受信機42で受信し、通信基板43に送る(図5参照)。画像通信機42には感度検出部75が接続され、受信した画像データの強度やノイズ、ゴーストなどの受信状態から機体側のアンテナの感度を検出する。感度検出部75は、感度判定部73に接続され、検出したアンテナ感度が所定の感度より低下しているか否かを判定する。感度判定部73の判定結果のデータは、データ通信機41から通信アンテナ35を介して機体側の制御基板28に送信される。制御基板28は、判定結果のデータが所定の感度より低下しているデータであればアンテナ切換器74を動作させてアンテナを切換える。
【0042】
図9は、アンテナの別の配置例を示す。
この例は、機体下部のスキッド9の後方の機体下面に直接操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19を取付け、機体前端部下面に、図1の例と同様に、第2操縦データアンテナ71及び第2画像データアンテナ72を取付けた構成である。その他の構成及び作用効果は前述の実施例と同様である。
【0043】
図10は、アンテナのさらに別の配置例を示す。
この例は、機体左右の側面より外側に突出した位置に、この例では右側に操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19を下向きに垂下して取付け、左側に第2操縦データアンテナ71及び第2画像データアンテナ72を下向きに垂下して取付けた構成である。その他の構成及び作用効果は前述の実施例と同様である。
【0044】
図11及び図12はそれぞれ、本発明に係るさらに別のアンテナの側面図及び平面図である。
この例は、スキッド9の支持脚8と一体化したアンテナを示す。機体下部の左右に、スキッド9が、前後の支持脚8の下端部に支持されて備わる。この例では前後の支持脚8の右側の側面にそれぞれ操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19が一体形成される。すなわち、これらのアンテナ18,19は、フィルム状あるいはワイヤ状であり、支持脚8の表面に貼り付けられ、あるいはパターニングその他の方法で支持脚8に一体的に固定される。左側の前後の支持脚8の表面にそれぞれ第2画像データアンテナ72及び第2操縦データアンテナ71が同様に一体形成される。このように、アンテナ18,19,71,72を支持脚8と一体形成することにより、機体下部の構成が簡素化してスペースに余裕ができ他の機器類の搭載が可能になる。またアンテナ自体が補強される。その他の構成及び作用効果は、前述の実施例と同様である。
【0045】
なお、上記実施例では、操縦データアンテナ18及び画像データアンテナ19についてそれぞれ2本設けた構成としたが、メイン及びサブのGPSアンテナ21,22や無線操縦用受信アンテナ23についてもそれぞれ同様に2本設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、無人ヘリコプタだけでなく、翼を有する無人飛行機に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る無人ヘリコプタの側面図。
【図2】図1の無人ヘリコプタの上面図。
【図3】図1の無人ヘリコプタの正面図。
【図4】本発明に係る無人ヘリコプタのブロック構成図。
【図5】地上局のブロック構成図。
【図6】本発明のアンテナ回路図。
【図7】本発明の別のアンテナ回路図。
【図8】本発明のさらに別のアンテナ回路図。
【図9】本発明の別のアンテナの側面図。
【図10】本発明のさらに別のアンテナの平面図。
【図11】本発明のさらに別のアンテナの側面図。
【図12】図11のアンテナの平面図。
【符号の説明】
【0048】
1:無人ヘリコプタ、2:メインボディ、3:テールボディ、4:機体、5:メインロータ、6:テールロータ、7:ラジエータ、8:支持脚、9:スキッド、10:コントロールパネル、11:表示灯、12:カメラ装置、13:雲台、14:窓、15:自律制御ボックス、16:アンテナ支持枠、17:ステー、18:操縦データアンテナ、19:画像データアンテナ、20:方位センサ、21:メインGPSアンテナ、22:サブGPSアンテナ、23:無線操縦用受信アンテナ、24:カメラ、25:画像制御装置、26:画像送信機、27:データ通信機、28:制御基板、29:メインGPS受信機、30:サブGPS受信機、31:姿勢センサ、32:コントロールボックス、33:サーボモータ、34:GPSアンテナ、35:通信アンテナ、36:画像受信アンテナ、37:データ処理部、38:監視操作部、39:電源部、40:GPS受信機、41:データ通信機、42:画像受信機、43:通信基板、44:無線操縦機、45:ベースコントローラ、46:バックアップ電源、47:パソコン、48:モニタ、49:画像モニタ、50:発電機、51:バッテリブースタ、52:バックアップバッテリ、53:地上局、56:ステー支持枠、57:クッション材、58,59:ブラケット、60:排気管、61:マフラー、71:第2操縦データアンテナ、72:第2画像データアンテナ、73:感度判定部、74:アンテナ切換器、75:感度検出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に搭載された通信機にアンテナ切換器を介して複数本のアンテナを接続し、通信状態に応じてアンテナを切換えることを特徴とする無人ヘリコプタのアンテナ。
【請求項2】
機体下部に備わるスキッドの前後に前記アンテナを設けたことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタのアンテナ。
【請求項3】
機体側面より外側の左右に前記アンテナを設けたことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタのアンテナ。
【請求項4】
機体下部に備わる左右のスキッドの支持脚に前記アンテナを一体的に設けたことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタのアンテナ。
【請求項1】
機体に搭載された通信機にアンテナ切換器を介して複数本のアンテナを接続し、通信状態に応じてアンテナを切換えることを特徴とする無人ヘリコプタのアンテナ。
【請求項2】
機体下部に備わるスキッドの前後に前記アンテナを設けたことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタのアンテナ。
【請求項3】
機体側面より外側の左右に前記アンテナを設けたことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタのアンテナ。
【請求項4】
機体下部に備わる左右のスキッドの支持脚に前記アンテナを一体的に設けたことを特徴とする請求項1に記載の無人ヘリコプタのアンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−106268(P2007−106268A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299410(P2005−299410)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
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