説明

無停電電源装置、該無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法及びバッテリ温度調節制御プログラム

【課題】無停電電源装置のバッテリの寿命を延ばすと共に不活性化を防止する。
【解決手段】バッテリ温度bt1,bt2,bt3が高温基準値よりも高い場合にはバッテリ10,20,30が冷却される一方、同バッテリ温度bt1,bt2,bt3が低温基準値よりも低い場合には同バッテリ10,20,30が加熱され、かつ、運転スケジュール情報dsに基づいて、運転停止時刻に負荷に対する給電が停止された後に入力電源の供給が停止される場合、同入力電源の供給が停止される前に同バッテリ10,20,30が冷却され、同バッテリ10,20,30の寿命が延びる。また、運転スケジュール情報dsに基づく起動時刻に対して所定時間前の時点でバッテリ温度bt1,bt2,bt3が低温基準値よりも低い場合には、同起動時刻の前にバッテリ10,20,30が加熱されて活性化され、起動の時点で負荷に十分な電力が給電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無停電電源装置、該無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法及びバッテリ温度調節制御プログラムに係り、特に、内蔵されているバッテリの長寿命及び活性化を図る場合に用いて好適な無停電電源装置、該無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法及びバッテリ温度調節制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply、以下、「UPS」ともいう)に内蔵される鉛バッテリは、その寿命や給電能力が同鉛バッテリ自体及び周囲の温度の影響を受けるが、通常、UPSには、バッテリに特化して温度管理する機構は設けられていない。すなわち、従来のUPSは、冷却用ファンが装備されているものが多いが、同冷却用ファンは、バッテリ以外の他の回路部分に対する冷却に主眼を置いたものであった。また、ファンを用いた冷却では、バッテリを周囲温度よりも低くすることはできなかった。また、バッテリの温度が低く、不活性化している場合でも、加熱はできなかった。このため、このような状態を改善する技術が提案されている。
【0003】
従来、この種の技術としては、たとえば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載されたバッテリの温度制御装置では、バッテリ温度が低温側の設定値より低くかつ冷媒温度がバッテリ温度より高い場合に弁を開いて冷媒をバッテリに導くので、バッテリ温度が上昇し、バッテリの容量不足が解消される。また、バッテリ温度が高温側の設定値より高くかつ外気温度がバッテリ温度より低い場合にファンにより外気をバッテリに送風するので、バッテリ温度が低減され、バッテリのエネルギーの浪費が防止される。
【0004】
特許文献2に記載された電気自動車のバッテリ温度調整装置では、車体フロア下面に装着されているバッテリケースの各バッテリ収容空間の相互間に、供給される電流の向きによって発熱又は吸熱作用が発揮されるペルチェ素子がバッテリ収容空間の外表面に密着した状態で設けられている。バッテリセルの温度が温度センサで検出され、その温度に応じてペルチェ素子に流れる電流の向きを変え、バッテリセルが加熱又は冷却される。
【特許文献1】特開2005−203210号公報(要約書、図1)
【特許文献2】特開平11−176487号公報(要約書、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、次のような問題点があった。
すなわち、特許文献1に記載されたバッテリの温度制御装置では、バッテリに対する給電が停止した場合、暫く温度上昇したままとなるため、寿命が短くなり、また、起動直後にバッテリが不活性の状態になっているという問題点がある。また、特許文献2に記載されたバッテリ温度調整装置でも、特許文献1と同様の問題点がある。
【0006】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、バッテリの温度管理を行うことによって、バッテリの寿命を延ばすと共に不活性化が防止される無停電電源装置、該無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法及びバッテリ温度調節制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、供給される入力電源に基づいて充電されると共に、負荷に対して給電するバッテリを有する無停電電源装置に係り、前記バッテリの温度を検出し、検出されたバッテリ温度が所定の高温基準値よりも高い場合には該バッテリを冷却する一方、前記バッテリ温度が所定の低温基準値よりも低い場合には前記バッテリを加熱し、かつ、運転スケジュール情報に基づいて、運転停止時刻に前記負荷に対する給電を停止した後に前記入力電源の供給が停止される場合、該入力電源の供給が停止される前に前記バッテリを冷却するバッテリ温度調節手段が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の無停電電源装置に係り、前記バッテリ温度調節手段は、前記運転スケジュール情報に基づく起動時刻に対して所定時間前の時点で前記バッテリ温度が前記低温基準値よりも低い場合には、該起動時刻の前に前記バッテリを加熱する構成とされていることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の無停電電源装置に係り、前記バッテリ温度調節手段は、前記バッテリを冷却する場合、該バッテリの温度が周囲温度よりも低くなるように制御する構成とされていることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の無停電電源装置に係り、前記バッテリ温度調節手段は、前記バッテリ温度を検出する温度検出手段と、供給される温度制御用電流の方向に応じて、前記バッテリの電極端子を直接又は間接的に冷却又は加熱する熱電冷却素子と、前記温度検出手段により検出された前記バッテリ温度及び前記運転スケジュール情報に基づいて、前記熱電冷却素子に前記温度制御用電流を供給する温度制御手段とから構成されてことを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の無停電電源装置に係り、前記熱電冷却素子は、前記温度制御用電流の方向が第1の方向のときに熱を発生する一方、前記第1の方向と逆の第2の方向のときに熱を吸収するペルチェ素子で構成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の発明は、供給される入力電源に基づいて充電されると共に、負荷に対して給電するバッテリを有する無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法に係り、前記バッテリの温度を検出し、検出されたバッテリ温度が所定の高温基準値よりも高い場合には該バッテリを冷却する一方、前記バッテリ温度が所定の低温基準値よりも低い場合には前記バッテリを加熱し、かつ、運転スケジュール情報に基づいて、運転停止時刻に前記負荷に対する給電を停止した後に前記入力電源の供給が停止される場合、該入力電源の供給が停止される前に前記バッテリを冷却するバッテリ温度調節処理を行うことを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のバッテリ温度調節方法に係り、前記バッテリ温度調節処理では、前記運転スケジュール情報に基づく起動時刻に対して所定時間前の時点で前記バッテリ温度が前記低温基準値よりも低い場合には、該起動時刻の前に前記バッテリを加熱することを特徴としている。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載のバッテリ温度調節方法に係り、前記バッテリ温度調節処理では、前記バッテリを冷却する場合、該バッテリの温度が周囲温度よりも低くなるように制御することを特徴としている。
【0015】
請求項9記載の発明は、バッテリ温度調節制御プログラムに係り、コンピュータを請求項4記載の温度制御手段として機能させるためのコンピュータ読み取り可能なことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
この発明の構成によれば、バッテリ温度調節手段により、バッテリの温度が検出され、検出されたバッテリ温度が所定の高温基準値よりも高い場合には同バッテリが冷却される一方、同バッテリ温度が所定の低温基準値よりも低い場合には同バッテリが加熱され、かつ、運転スケジュール情報に基づいて、運転停止時刻に負荷に対する給電が停止した後に入力電源の供給が停止される場合、同入力電源の供給が停止される前に同バッテリが冷却されるので、同バッテリの寿命を延ばすことができる。また、バッテリ温度調節手段により、運転スケジュール情報に基づく起動時刻に対して所定時間前の時点でバッテリ温度が低温基準値よりも低い場合には、同起動時刻の前に同バッテリが加熱されて活性化されるので、起動の時点で負荷に十分な電力を給電することができる。また、バッテリ温度調節手段により、バッテリを冷却する場合、同バッテリの温度が周囲温度よりも低くなるように制御されるので、さらにバッテリの寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
運転スケジュール情報に基づいて、運転停止時刻に負荷に対する給電が停止した後に入力電源の供給が停止される場合、同入力電源の供給が停止される前にバッテリが冷却され、かつ、同運転スケジュール情報に基づく起動時刻に対して所定時間前の時点でバッテリ温度が低温基準値よりも低い場合には、同起動時刻の前に同バッテリが加熱される無停電電源装置、同無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法及びバッテリ温度調節制御プログラムを提供する。
【実施例1】
【0018】
図1は、この発明の一実施例である無停電電源装置の要部の電気的構成を示す図である。 この例の無停電電源装置は、同図に示すように、バッテリ10,20,30と、熱伝導レール41,42,43と、ペルチェ素子44と、放熱フィン45と、コントローラ50とから構成されている。バッテリ10,20,30は、たとえば、鉛蓄電池などで構成され、商用電源が所定の電圧に変圧された交流電源を整流する図示しない整流部から供給される直流の入力電源によって充電される。バッテリ10,20,30の充電電圧は、図示しないインバータなどで交流電源に変換されて負荷に対して給電される。バッテリ10は、+電極11と、−電極12とを有し、温度センサ13が密着するように取り付けられている。バッテリ20は、+電極21と、−電極22とを有し、温度センサ23が密着するように取り付けられている。バッテリ30は、+電極31と、−電極32とを有し、温度センサ33が密着するように取り付けられている。温度センサ13,23,33は、バッテリ10,20,30の各バッテリ温度bt1,bt2,bt3を検出する。
【0019】
熱伝導レール41,42,43は、たとえば銅など、熱伝導率の大きい素材で構成され、熱伝導レール41は、−電極12と−電極22とが熱的に接続されるように設けられている。また、熱伝導レール42は、−電極22と−電極32とが熱的に接続されるように設けられている。また、熱伝導レール43は、−電極32とペルチェ素子44とが熱的に接続されるように設けられている。
【0020】
ペルチェ素子44は、コントローラ50から供給される温度制御用電流tcの方向が第1の方向のときに熱を発生する一方、同第1の方向と逆の第2の方向のときに熱を吸収し、熱伝導レール43を介して−電極32、熱伝導レール43,42を介して−電極22、及び、熱伝導レール43,42,41を介して電極12を間接的に冷却又は加熱することにより、バッテリ10,20,30を冷却又は加熱する。放熱フィン45は、ペルチェ素子44に密着するように取り付けられ、同ペルチェ素子44を冷却する。
【0021】
コントローラ50は、この無停電電源装置全体を制御するコンピュータとしてのCPU(中央処理装置)50a及び同CPU50aを動作させるためのバッテリ温度調節制御プログラムが記録されたROM(リード・オンリ・メモリ)50bを有している。特に、この実施例では、コントローラ50は、温度センサ13,23,33により検出された各バッテリ温度bt1,bt2,bt3及び外部から与えられる運転スケジュール情報dsに基づいて、ペルチェ素子44に供給する温度制御用電流tcの方向を制御する。すなわち、コントローラ50は、検出された各バッテリ温度bt1,bt2,bt3が所定の高温基準値よりも高い場合にはバッテリ10,20,30を冷却する一方、同各バッテリ温度bt1,bt2,bt3が所定の低温基準値よりも低い場合にはバッテリ10,20,30を加熱し、かつ、運転スケジュール情報dsに基づいて、運転停止時刻に負荷に対する給電を停止した後に入力電源の供給が停止される場合、同入力電源の供給が停止される前にバッテリ10,20,30を冷却するように制御する。また、コントローラ50は、運転スケジュール情報dsに基づく起動時刻に対して所定時間前の時点でバッテリ温度bt1,bt2,bt3が低温基準値よりも低い場合には、同起動時刻の前にバッテリ10,20,30を加熱するように制御する。
【0022】
次に、この例の無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法の処理内容について説明する。
この無停電電源装置(UPS)では、バッテリ10,20,30の温度が検出され、検出されたバッテリ温度bt1,bt2,bt3が所定の高温基準値よりも高い場合には同バッテリ10,20,30が冷却される一方、同バッテリ温度bt1,bt2,bt3が所定の低温基準値よりも低い場合には同バッテリ10,20,30が加熱され、かつ、運転スケジュール情報dsに基づいて、運転停止時刻に負荷に対する給電が停止された後に入力電源の供給が停止される場合、同入力電源の供給が停止される前に同バッテリ10,20,30が冷却される(バッテリ温度調節処理)。また、このバッテリ温度調節処理では、上記運転スケジュール情報dsに基づく起動時刻に対して所定時間前の時点でバッテリ温度bt1,bt2,bt3が低温基準値よりも低い場合には、起動時刻の前にバッテリ10,20,30が加熱される。
【0023】
すなわち、図示しない分電盤から商用電源がUPSへ給電されている状態で、コントローラ50が温度センサ13,23,33から出力されるバッテリ温度bt1,bt2,bt3が高温基準値よりも高いと判断した場合、同UPSから負荷へ給電中であっても、あるいは負荷に対する給電が止まっていても、同コントローラ50は、バッテリ10,20,30の寿命を延ばすために、同バッテリ10,20,30を冷却するようにペルチェ素子44に供給する温度制御用電流tcの方向を制御する。
【0024】
また、分電盤から商用電源がUPSへ給電されている状態で、UPSから負荷への給電が止まっているが、この後に同分電盤からUPSへの給電の停止が予定されている場合は、あらかじめUPSの運転スケジュール情報dsに設定することにより、コントローラ50は、UPSへの給電が停止される前にバッテリ10,20,30を強力に冷却するようにペルチェ素子44に供給する温度制御用電流tcの方向を制御し、同バッテリ10,20,30が低温を維持する時間を延ばすことにより寿命を延ばす。
【0025】
また、分電盤から商用電源がUPSへ給電されている状態で、コントローラ50が温度センサ13,23,33から出力されるバッテリ温度bt1,bt2,bt3が低温基準値よりも低いと判断した場合、同UPSから負荷へ給電中の場合は、同コントローラ50はバッテリ10,20,30を活性化するために同バッテリ10,20,30を加熱するようにペルチェ素子44に供給する温度制御用電流tcの方向を制御する。
【0026】
また、分電盤から商用電源がUPSへ給電されている状態で、コントローラ50がバッテリ温度bt1,bt2,bt3が低温基準値よりも低いと判断した場合、UPSから負荷に対する給電が止まっているが、運転スケジュール情報dsによるUPS起動時刻(負荷へ給電を開始する時刻)が近づいている場合は、同コントローラ50は、あらかじめバッテリ10,20,30を活性化するために同バッテリ10,20,30を加熱するように温度制御用電流tcの方向を制御する。
【0027】
以上のように、この実施例では、バッテリ10,20,30の温度が検出され、検出されたバッテリ温度bt1,bt2,bt3が所定の高温基準値よりも高い場合には同バッテリ10,20,30が冷却される一方、同バッテリ温度bt1,bt2,bt3が所定の低温基準値よりも低い場合には同バッテリ10,20,30が加熱され、かつ、運転スケジュール情報dsに基づいて、運転停止時刻に負荷に対する給電が停止された後に入力電源の供給が停止される場合、同入力電源の供給が停止される前に同バッテリ10,20,30が冷却されるので、同バッテリ10,20,30の寿命を延ばすことができる。また、運転スケジュール情報dsに基づく起動時刻に対して所定時間前の時点でバッテリ温度bt1,bt2,bt3が低温基準値よりも低い場合には、同起動時刻の前にバッテリ10,20,30が加熱されて活性化されるので、起動の時点で負荷に十分な電力を供給することができる。
【0028】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、図2に示すように、図1中のペルチェ素子44、放熱フィン45及びコントローラ50に代えて、ペルチェ素子14,24,34、放熱フィン15,25,35、及びコントローラ50Aを設けても良い。この場合、各バッテリ10,20,30の−電極12,22,32にペルチェ素子14,24,34が熱的に接続されるように直接取り付けられ、同各ペルチェ素子14,24,34に放熱フィン15,25,35か取り付けられている。そして、コントローラ50Aにより、ペルチェ素子14,24,34に温度制御用電流tc1,tc2,tc3が供給され、各バッテリ10,20,30が個別に冷却又は加熱され、より高精度で温度調節が行われる。また、UPSから十分離れた場所に周囲温度を検出するための温度センサを設け、コントローラ50,50Aは、バッテリ10,20,30を冷却する場合、バッテリ温度bt1,bt2,bt3が上記周囲温度よりも低くなるように制御するようにしても良い。これにより、さらにバッテリ10,20,30の寿命を延ばすことができる。また、バッテリ10,20,30は、鉛蓄電池に限定されない。また、図1中の熱伝導レール41,42,43の接続状態は、ペルチェ素子44の冷却又は加熱作用がバッテリ10,20,30に伝導されるようになっていれば良く、上記実施例に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明は、無停電電源装置のバッテリの寿命を延ばすと共に不活性化を防止する場合全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施例である無停電電源装置の要部の電気的構成を示す図である。
【図2】無停電電源装置の電気的構成の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
10,20,30 バッテリ
11,21,31 +電極(電極端子)
12,22,32 −電極(電極端子)
13,23,33 温度センサ(バッテリ温度調節手段の一部、温度検出手段)
14,24,34,44 ペルチェ素子(バッテリ温度調節手段の一部、熱電冷却素子)
15,25,35,45 放熱フィン(バッテリ温度調節手段の一部)
41,42,43 熱伝導レール(バッテリ温度調節手段の一部)
50,50A コントローラ(バッテリ温度調節手段の一部、温度制御手段)
50a CPU(中央処理装置)(バッテリ温度調節手段の一部)
50b ROM(リード・オンリ・メモリ)(バッテリ温度調節手段の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される入力電源に基づいて充電されると共に、負荷に対して給電するバッテリを有する無停電電源装置であって、
前記バッテリの温度を検出し、検出されたバッテリ温度が所定の高温基準値よりも高い場合には該バッテリを冷却する一方、前記バッテリ温度が所定の低温基準値よりも低い場合には前記バッテリを加熱し、かつ、運転スケジュール情報に基づいて、運転停止時刻に前記負荷に対する給電を停止した後に前記入力電源の供給が停止される場合、該入力電源の供給が停止される前に前記バッテリを冷却するバッテリ温度調節手段が設けられていることを特徴とする無停電電源装置。
【請求項2】
前記バッテリ温度調節手段は、
前記運転スケジュール情報に基づく起動時刻に対して所定時間前の時点で前記バッテリ温度が前記低温基準値よりも低い場合には、該起動時刻の前に前記バッテリを加熱する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の無停電電源装置。
【請求項3】
前記バッテリ温度調節手段は、
前記バッテリを冷却する場合、該バッテリの温度が周囲温度よりも低くなるように制御する構成とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の無停電電源装置。
【請求項4】
前記バッテリ温度調節手段は、
前記バッテリ温度を検出する温度検出手段と、
供給される温度制御用電流の方向に応じて、前記バッテリの電極端子を直接又は間接的に冷却又は加熱する熱電冷却素子と、
前記温度検出手段により検出された前記バッテリ温度及び前記運転スケジュール情報に基づいて、前記熱電冷却素子に前記温度制御用電流を供給する温度制御手段とから構成されてことを特徴とする請求項1、2又は3記載の無停電電源装置。
【請求項5】
前記熱電冷却素子は、
前記温度制御用電流の方向が第1の方向のときに熱を発生する一方、前記第1の方向と逆の第2の方向のときに熱を吸収するペルチェ素子で構成されていることを特徴とする請求項4記載の無停電電源装置。
【請求項6】
供給される入力電源に基づいて充電されると共に、負荷に対して給電するバッテリを有する無停電電源装置に用いられるバッテリ温度調節方法であって、
前記バッテリの温度を検出し、検出されたバッテリ温度が所定の高温基準値よりも高い場合には該バッテリを冷却する一方、前記バッテリ温度が所定の低温基準値よりも低い場合には前記バッテリを加熱し、かつ、運転スケジュール情報に基づいて、運転停止時刻に前記負荷に対する給電を停止した後に前記入力電源の供給が停止される場合、該入力電源の供給が停止される前に前記バッテリを冷却するバッテリ温度調節処理を行うことを特徴とするバッテリ温度調節方法。
【請求項7】
前記バッテリ温度調節処理では、
前記運転スケジュール情報に基づく起動時刻に対して所定時間前の時点で前記バッテリ温度が前記低温基準値よりも低い場合には、該起動時刻の前に前記バッテリを加熱することを特徴とする請求項6記載のバッテリ温度調節方法。
【請求項8】
前記バッテリ温度調節処理では、
前記バッテリを冷却する場合、該バッテリの温度が周囲温度よりも低くなるように制御することを特徴とする請求項6又は7記載のバッテリ温度調節方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項4記載の温度制御手段として機能させるためのコンピュータ読み取り可能なバッテリ温度調節制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−218352(P2008−218352A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57904(P2007−57904)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】