説明

無機繊維組成物

融解形成された複数の無機繊維が、開示されており、組成:−
Al23 5〜90モル%
2O 5〜90モル%
SiO2 5〜90モル%
を持っており、ここで、SiO2+Al23+K2O>=50モル%。12モル%よりも多いK2Oを持っている同様の組成の複数の繊維も範囲とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が、複数の無機繊維組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の繊維状材料が、熱絶縁材料および/または音響絶縁材料としてのそれらの使用に関し、よく知られており、例えば、繊維により強化された複数のセメント、繊維により強化された複数のプラスチック、および複数の金属マトリックス複合体のある1成分としてのような複数の複合材料における強くしている複数の構成分としてのそれらの使用に関しても知られている。これらのような繊維が、複数の自動車排気システム触媒コンバーターおよび複数のディーゼル粒子フィルターのような複数の汚染コントロール装置における複数の触媒体用の複数の支持構造において使用されていることが、ある。これらのような繊維が、複数の摩擦材料のある1構成分として使用されていることが、ある[例えば、複数の自動車ブレーキ用]。本発明の複数の繊維が、ある1範囲の特性を持ち、示された該特性に依りながらこれらの応用のいずれかもしくは全てにおいて使用可能であることが、ある。
【0003】
1987年の前に複数の熱絶縁製品を調製していくのに使用された原則の4タイプの繊維状材料が、あった[例えば、ブランケット、真空形成された複数の形状、およびマスティックのような]。これらが、原則の2製造ルートにより調製されていたが、これら特定ルートの詳細が、製造者に従いながら変動する。これら繊維およびこれらルートが(コストおよび温度性能を増加させていくという順で):−

融解形成された複数の繊維
・複数の鉱物ウール
・複数のガラスウール
・複数のアルミノシリケート繊維

複数のゾルゲル過程(プロセス)繊維
・複数のいわゆる多結晶繊維

であった。
【0004】
融解形成された複数の繊維が、ある1融解体を調製していき、知られた多くの方法のいずれか1方法により、その結果得られてくる融解体を繊維化させていくことにより、形成されている。これらの方法が:−
・融解体のある1つの流を形成させていき、複数の繊維を形成させるようにこれが飛ばされているスピンしている複数の輪(ホウィール)と該流を接触させるようにしていくこと
・融解体のある1つの流を形成させていき、該流の方向に対して横切っている、これと平行な、もしくはこれに対してある1つの角度にあってよいガスのある1つのジェット上で、該流をぶつかるようにしていき、これにより、複数の繊維へと(変換するように)該融解体に爆風を当てていくこと
・回転過程(ロータリープロセス)により、該融解体からある1繊維を形成させていき、ここで、該融解体が、スピンしているコップの周にある開口を通って逃げ、複数の繊維を形成させるように熱い複数のガスにより爆風を当てられている
・複数のフィラメントを形成させるように細かい複数の開口を通して該融解体を押し出していき、ここで、更なる処理が、使用されていてよい[例えば、炎を弱めること、ここで、該フィラメントが、ある1つの炎を通過させられている]
・あるいはある1融解体が、ある1繊維へと変換されている他の如何なる方法
をも包含する。
【0005】
アスベスト繊維の歴史のため、沢山の注意が、肺病のある1原因としての広い範囲の複数のタイプの繊維の相対的な潜在力に払われてきている。天然繊維および人造繊維の複数の毒性研究が、複数の問題を起こさせたのが、肺における複数の繊維の残留であったとの考え(アイデア)に至った。従って、もし、複数の繊維が、すぐさま肺から除かれ得れば、この時、健康に対する如何なるリスクも最小化されると思われるとの見方が、展開した。<<生体残留性繊維>>の概念(コンセプト)および<<生体残留性>>の概念(コンセプト)が、生じた−動物の体の中において長い時間もつ複数の繊維が、生体残留性と見なされており、動物の体の中において繊維の残る相対時間が、生体残留性として知られている。幾つかのガラスの系が、肺の複数の体液に可溶であるように知られていた一方、結果低い生体残留性を与えているが、これらのようなガラスの系が、一般的に高い温度における複数の応用に有用でなかったことにおけるある1つの問題が、あった。高い温度における可能性と組み合わされた低い生体残留性を持ち得たある1繊維を求める市場における必要性(ニーズ)が、見られた。1987年、Johns−Manvilleが、珪酸カルシウムマグネシウムの化学に基づいたこのような系を開発した。このような材料が、いつもの伝統的な複数のガラスウールよりも高い温度における可能性を持っただけでなく、高い温度における絶縁に大抵使用された複数のアルミノシリケート繊維よりも高い溶解度をも複数の体液中において持った。これらのような低い生体残留性の繊維が、以来開発されてきており、ある1範囲の複数のアルカリ土類シリケート[AES]繊維が、今、上市されている。
【0006】
複数のAES繊維に関している複数の特許が:
・国際特許出願第WO87/05007号−Johns−Manvilleの元の出願−マグネシア、シリカ、カルシア、および10重量%未満のアルミナを含んでいる複数の繊維が、食塩水に可溶であることを開示した。開示されたこれら繊維の溶解度が、被曝5時間後、食塩水中、存在する珪素(シリコン、該繊維のシリカ含有材料から抽出された)のppmに換算してであった。
・国際特許出願第WO89/12032号が、食塩水に可溶な追加の複数の繊維を開示し、これらのような繊維において存在していることのあるその複数の構成分のうちのある幾つかを論じた。
・欧州特許出願第0 399 320号が、高い生理学的溶解度を持っており、10〜20モル%のNa2Oおよび0〜5モル%のK2Oを持っている複数のガラス繊維(グラスファイバー)を開示した。これらの繊維が、生理学的に可溶であるように示されたが、これらの最大使用温度が、指し示されなかった。
を包含する。
【0007】
複数の繊維の、これらの食塩水への溶解度に関しての選抜を開示している更なる複数の特許明細書が、例えば、欧州(ヨーロッパ)の第0 412 878号および第0 459 897号、仏国(フランス)の第2 662 687号および第2 662 688号、国際公開(WO)第86/04807号、国際公開(WO)第90/02713号、国際公開(WO)第92/09536号、国際公開(WO)第93/22251号、国際公開(WO)第93/15028号、国際公開(WO)第94/15883号、国際公開(WO)第97/16386号、国際公開(WO)第2003/059 835号、国際公開(WO)第2003/060 016号、欧州特許(EP)第1 323 687号、国際公開(WO)第2005/000 754号、国際公開(WO)第2005/000 971号、および米国第5,250,488号を包含する。
【0008】
これらの種々の先行技術の文書において開示された繊維の耐火性が、考慮に値するほど変動し、これらのアルカリ土類シリケート材料に関し、その特性が、組成に重大に依っている。
【0009】
ある1一般性として、低い温度においてよく性能を発揮する複数のアルカリ土類シリケート繊維を生成させるに相対的に容易であるのは、低い温度における使用用に、良好な繊維化を確かにさせるように、酸化硼素のような複数の添加剤を与え得、望まれた材料特性に適するようにこれら成分の量を変動させ得るからである。しかしながら、複数のアルカリ土類シリケート繊維の耐火性を上げるように探るに連れ、複数の添加剤の使用を抑えるように強制されているのは、一般的に(複数の例外を伴うが)より多くの成分が、存在していると、その耐火性が、より低いからである。
【0010】
国際公開(WO)第93/15028号が、CaO、MgO、SiO2、および任意にZrO2を原則の複数の構成分として含んでいる複数の繊維を開示した。これらのようなAES繊維が、珪酸カルシウムマグネシウム(CMS)繊維もしくは珪酸カルシウムマグネシウムジルコニウム(CMZS)繊維としても知られている。国際公開(WO)第93/15028号が、使用されたこれら組成物が、複数のアルカリ金属酸化物が、本質的にないことを必要とした。0.65重量%に至るまでの量が、1000℃での絶縁体としての使用に適する複数の材料に関し、許容可能であるように示されていた。
【0011】
国際公開(WO)第93/15028号が、複数のガラスの溶解度を予言していくという複数の方法をも開示し、複数のガラスとしてこれらの溶解度を求めてテストされたある1範囲の複数の材料を包含したが、複数の繊維としては形成されなかった。これらの組成物の間に、それぞれ、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カリウムマグネシウム、およびアルミノ珪酸カリウムナトリウムであった参照KAS、KMAS、およびKNASを持っている複数の組成物が、あった。これらの組成物が、生理学様溶液中での複数の溶解度測定値基準で、不充分な溶解度を持っているとしてレート化された。使用されたタイプの生理学的溶液が、約7.4のある1pHを持つ。
【0012】
続いて、ある1繊維が、これ自体をその内で見いだす環境に、溶解度の依ることが、見いだされてきている。肺の細胞間の体液中において存在する生理食塩水が、国際公開(WO)第93/15028号において与えられたものに近似し、pH7.4の周りのある1pHを持つが、複数の繊維をクリアしていく機序(メカニズム)が、複数のマクロファージによるそれらへの攻撃に関与する。これらマクロファージが、複数の繊維と接触する場合、存在する生理食塩水のpHが、有意により低く(pH4.5の周り)、これが、複数の無機繊維の溶解度へのある1効果を持つことが、知られている[<<In−vitroにおけるpH4.5および7.4での鉱物繊維の溶解速度−組成への依存度を評価する新しい数学ツール>>、Torben Knudsen および Marianne Guldberg、Glass Sci.Technol.78(205)No.3参照]。
【0013】
国際公開(WO)第94/15883号が、1260℃以上に至るまでの温度での耐火絶縁体として使用可能なような数多くの繊維を開示した。国際公開(WO)第93/15028号と同様、この特許が、そのアルカリ金属酸化物含量が、低く保たれていることを必要としたが、ある幾つかのアルカリ土類シリケート繊維が、他よりも高い水準(レベル)のアルカリ金属酸化物を寛容し得たことを指し示した。しかしながら、Na2Oの0.3重量%の水準(レベル)および0.4重量%の水準(レベル)が、1260℃での絶縁体としての使用用の複数の材料における収縮の増加を起こさせているとの疑いを持たれていた。
【0014】
国際公開(WO)第97/16386号が、1260℃以上に至るまでの温度での耐火絶縁体として使用可能な複数の繊維を開示した。これらの繊維が、MgO、SiO2、および任意にZrO2を複数の原則の構成分として含んだ。これらの繊維が、複数の痕跡不純物として以外のアルカリ金属酸化物を実質的に全く必要としないように陳述されている(アルカリ金属酸化物として算出された、多くとも数百分の1%の水準(レベル)において存在する)。これら繊維が、一般組成
SiO2 65〜86%
MgO 14〜35%
を持ち、成分MgOおよび成分SiO2が、該繊維の少なくとも82.5重量%を含んでおり、そのバランスが、名を挙げられた複数の構成分および複数の粘度修飾剤である。
【0015】
国際公開(WO)第2003/059 835号が、ある特定の複数の珪酸カルシウム繊維を開示し、ここで、La23もしくは他の複数のランタニド添加剤が、これら繊維およびこれら繊維から調製されたブランケットの強さを向上させるように使用されている。この特許出願が、複数のアルカリ金属酸化物水準(レベル)を述べないが、領域〜0.5重量%中の複数の量が、1260℃以上に至るまででの絶縁体としての使用用に意図された複数の繊維において開示された。
【0016】
国際公開(WO)第2006/048 610号が、複数のAES繊維に関し、複数の少量のアルカリ金属酸化物を包含させるようにすると、機械特性および熱特性に有利であったことを開示した。
【0017】
これらのような低い生体残留性の繊維の範囲が、限られており、ここで、約1300℃を上回ると、これらが、性能において悪化するに至る傾向にある。
【0018】
提案されてきている代わりの低い生体残留性の複数の繊維が、アルカリ土類アルミネート(アルミン酸塩)である。アルミン酸カルシウム(欧州特許(EP)第0 586 797号)およびアルミン酸ストロンチウム(国際公開(WO)第96/04214号)のような材料が、示唆されてきている。これらのような繊維が、商業生産されていない。
【0019】
本出願人らが、複数のアルカリ土類金属酸化物もしくは複数のアルカリ金属酸化物の有意な添加を持っている複数のアルミノシリケートを含んでいる複数のゾルゲル繊維を開発してきており、これらが、国際特許出願第PCT/GB2006/004 182号の主題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本出願人らが、今、低い生体残留性の複数の繊維を与える代わりの繊維の化学を開発してきており、ある幾つかの繊維が、少なくとも、複数のアルミノシリケート繊維に比較可能な熱性能の複数の繊維を与えていくことの可能なものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
従って、本発明が、組成:−
Al23 5〜90モル%
2O 5〜90モル%
SiO2 5〜90モル%
を持っている融解形成された複数の無機繊維を与え、ここで、SiO2+Al23+K2O>=50モル%、好ましくは60モル%よりも大きく、より好ましくは>=70モル%、尚より好ましくは>=80モル%、もしくは>=90モル%でさえある。
【0022】
特定の複数の実施形態においてこれらのような繊維が:
Al23 5〜34モル%
2O 5〜34モル%
SiO2 61〜90モル%
もしくは
Al23 5〜78モル%
2O 17〜90モル%
SiO2 5〜61モル%
もしくは
Al23 24〜90モル%
2O 5〜17モル%
SiO2 5〜61モル%
を含む。K2O量が、50モル%未満、40モル%未満、35モル%未満、もしくは30モル%未満であってよい。K2O量が、10モル%よりも大きいかもしくは20モル%よりも大きくてよい。
【0023】
Al23量が、10モル%よりも大きくてよく、20モル%よりも大きくてよい。
【0024】
SiO2量が、より大きく、>=20モル%、>=30モル%、もしくは>=35モル%であってよい。SiO2量が、80モル%を下回っているかもしくは70モル%を下回っていてよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の更なる複数の特徴が、複数の本請求項から、以降の記述に照らして明らかである。
【実施例】
【0026】
適切な組成のある1融解体が、形成され、8〜16mmの開口を通り垂らされ、知られた方法において繊維を生成させるように吹かれた実験設備を使用しながら、本発明者らが、ある1範囲の複数のカリウムアルミノシリケート(アルミノ珪酸カリウム)繊維を生成させた。(垂らした穴のサイズが、当該融解体の粘度を整えるように変動された−これが、使用された装置および使用された組成に従いながら、実験的に求められていなくてはならないある1調整である)。
【0027】
これら付録された結果が、本願の優先権出願において示されたものと異なるのは、ある幾つかの融解体に関する不充分な融解温度が、炭酸塩(カーボネート)存在下[カリウムが、炭酸カリウムとして供給された]結果得られたことが、決定されたからである。従って以降の複数の表中、提示された複数の結果が、本願の優先権出願において例として挙げられたテストしたての複数の材料および更なる複数の例を表す。
【0028】
ここに付録された表1が、調製されたこれら繊維およびこれらの重量百分率(重量%)での算出された組成を示し、x線蛍光分析により求められたとおりである。
【0029】
ここに付録された表2が、調製されたこれら繊維およびこれらのモル百分率(モル%)での算出された組成を示す。
【0030】
ここに付録された表3が、調製されたこれら繊維の収縮を示す。該収縮が、120×65mmのツール中に、0.2%澱粉(スターチ)溶液500cm3中、繊維75gを使用しながら、複数の真空キャストプレフォームを製造していくとの方法により測定された。白金の複数のピン(およそ0.3〜0.5mm直径)が、これら4つの角(コーナー)に100×45mm離して入れられた。最も長い長さ(L1およびL2)および対角線(L3およびL4)が、移動顕微鏡を使用しながら、±5μmの精確さに至るまで測定された。これらサンプルが、ある1つの炉に入れられ、本テスト温度を50℃下回るある1温度に至るまで300℃/時間での割合により、テスト温度に至るまでの最後の50℃に関して120℃/時間での割合により、24時間放置された。該炉からの除去の時、これらサンプルが、自然に冷えるようにされた。これら収縮値が、これら4回の測定値の平均として与えられている。
【0031】
ここに付録された表4が、pH〜4.5の生理食塩水中、5時間の静置テスト後、主要な複数のガラス成分のppmで、調製されたこれら繊維の溶解度を示す。
【0032】
溶解度を測定するに至る詳細な手順が、プラスチックのピンセットを使用しながら遠心管(遠心チューブ)中に繊維0.500g±0.003gを量り採ることを含む。該繊維が、普通、切られており(チョップされており、6#ワイヤメッシュ)、脱ショット化されている(10#ワイヤを用いて手で篩われた)が、もし、複数の少量の繊維だけが、入手可能であれば、バルクもしくはブランケットであってよい。各サンプルが、2重に量り出されている。シミュレーションされた体液25cm3が、目盛られたディスペンサーおよびこれら封(シール)された管(チューブ)を使用しながら、各遠心管(遠心チューブ)中に注がれている。シミュレーションされた該体液が、本テストのスタートにおいて該繊維に加えられているだけであり、水10リットル中において以降の複数の成分を含む。
【0033】
試薬 重量
NaHCO3 19.5g
CaCl2・2H2O 0.29g
Na2HPO4 1.48g
Na2SO4 0.79g
MgCl2・6H2O 2.12g
グリシン(H2NCH2CO2H) 1.18g
枸櫞酸三ナトリウム・2H2O 1.52g
酒石酸三ナトリウム・2H2O 1.8g
焦性葡萄酸(ピルビン酸)ナトリウム 1.72g
90%乳酸 1.56g
ホルムアルデヒド 15ml
HCl 〜7.5ml
該HClが、ゆっくり加えられているのは、これが、pH〜4.5の仕上げの数字に至るpH調整に関するおよその数字であるからである。シミュレーションされた該体液が、平衡するのに最小24時間とされており、pHが、この期間後、従って調整されている。
使用された試薬の全てが、分析グレード(等級)もしくは等価な等級のであり、前記手順が、プラスチックの装備品を使用しながら完遂されているのは、シリカ溶脱が、ガラス器具から起きることが、あるからである。
【0034】
これら遠心管(遠心チューブ)が、次いで、振盪水浴に入れられており、37℃±1℃(体温)において保持されており、5時間振盪された。短時間5時間の選択されたのは、これらの材料のうちのある幾つかの溶解度が、とても高いからであり、それで、溶脱されたK2Oの量が、より高い値にpHを動くように起こさせ得、それで、もし、より長い時間が、使用されていれば、複数の結果を歪ませている。
【0035】
振盪後、各繊維用の2溶液が、デカンテーションされ、50mlの1本の瓶(ボトル)中に複数の Whatman 110mm直径 40番 灰分なし濾紙を通して濾過されている。該溶液が、次いで、誘導カップリングプラズマ原子放出分光(ICP)用に提出されている。求めてテストされたこれら酸化物が、テストされている繊維の組成に依ることとなる。これら結果が、関連酸化物のppmとして報告されている。
【0036】
まず繊維特性に関し、当初、K2O:SiO2モル比が、30:70未満である場合、この時、複数の粗い繊維が、10μmを良好に上回る[例えば、50〜250μm]繊維直径を結果伴うような傾向にあることが、見いだされた。しかしながら、続き、これが、どの一般化をも一掃し過ぎているように見いだされ、40重量%よりも多いSiO2[典型的に52モル%よりも多い]を有する複数の繊維の粗かったことが、判った。40重量%よりも多いSiO2を持っている、細かい複数の繊維として調製されている、これらのような繊維が、相対的に高い収縮を持つような傾向にあるのは、これらが、粘性の流れに対して平伏しているような傾向にあるからである。にもかかわらず、これらのような繊維が、ある幾つかの応用において興味あることが、ある。もし、細かい複数の繊維[<10μm直径]が、必要とされていれば、この時、複数の粘度修飾剤が、加えられていてよい。適する複数の粘度修飾剤が、複数のアルカリ金属酸化物、複数のアルカリ土類金属酸化物、複数のランタノイド元素、硼素酸化物、弗化物を含んでよく、実際、複数のシリケートガラスの粘度に影響を及ぼすように当業界において知られた如何なる元素もしくは化合物をもである。これらのような粘度修飾剤の量およびタイプが、これら繊維の末端使用と調和するように選ばれているべきである。硼素酸化物が、例えば、最大使用温度を抑えがちであるが、寛容されていることが、ある[繊維KAS80参照]。特に有用であると見いだされてきている粘度修飾剤が、マグネシウムであり、その酸化物としてもしくは他の形態において加えられていてよい[例えば、繊維KMAS1参照]。酸化カルシウムが、酸化ストロンチウムのそうであることのあるように寛容され得る。酸化ジルコニウムおよび酸化鉄が、少量において寛容されていることが、ある。一般的に、本発明のこれら組成物が、複数の添加剤の寛容を出現させるが、望まれた特性を達成するのに許容可能な量が、添加剤から添加剤へと変動することとなる。
【0037】
表3が、繊維の大半が、1000℃〜1300℃の温度での相対的に低い収縮を持つことを示し、多くが、1500℃ぐらい高くてさえ、低い収縮を持っている。Al23を凌駕する多過ぎる過剰のK2O、もしくは、Al23に対する関係において少な過ぎるK2Oを有するそんな複数の繊維が、高い収縮を示すように見え、複数の複合物品における強化材料のようなもしくは充填剤材料のような応用において使用可能な一方、複数の高温絶縁材料としての使用に奨められているべきでない。
【0038】
2O:Al23のモル比1:1に近いと、良好な複数の結果を与えるように見え、最良の高温性能[24時間の1300℃に対する被曝後の低い収縮]を求めると、モル比K2O:Al23の1.6未満であることが、あり、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.45未満であり;0.4よりも大きいことが、あり、好ましくは0.8よりも大きい。
【0039】
好ましくは上で述べられたそれら組成物の繊維が、1400℃よりも高い融点を持つ。尚より好ましくはこれら繊維が、1600℃よりも高い、より好ましくは1650℃よりも高い、尚より好ましくは1700℃よりも高い融点を持つ。(複数のガラスに関し、当該融点が、当該組成物が、10Pa.sというある1粘度を持つ温度として定められている)。例え、1400℃において相対的に低い収縮を持っているとしても組成物KMAS1の1450℃において融解することが、分かる。このような繊維が、つまり、1350℃に至るまでの温度における絶縁への複数の応用において合理的に使用され得ると思われる一方、尚、より高い温度に一時的な遠出に向かって部屋をあとにしている。対照的に、これら繊維の多くが、尚、1500℃において低い収縮を示し、より高い温度における複数の応用に適していると思われる。
【0040】
上昇された温度においてこれら繊維が、カリウムを失うに至るある1傾向を持つことのあることが、記されているべきである。これが、これら繊維の推されていることのある応用を限定することのある一方、これが、問題でもない多くの応用が、ある。
【0041】
2O−Al23−SiO2系が、高い融点の幅広い複数の領域を含有する。例えば、ある1つの指し示しだけとして:−
・鉱物組成物K2O・Al23・2SiO2(カリオフィライト、kaliophilite)が、〜1800℃の融点を持つ
・鉱物組成物K2O・Al23・4SiO2(白榴石)が、〜1690℃の融点を持つ。
【0042】
対照的に、複数の融点のより低く、ある幾つかの共融点の形成されている複数の領域が、ある。
【0043】
製造の容易さのために低い融点[例えば、共融点に近いかもしくは共融点において]を持っているある1組成物が、好まれているようであるが、一方、最良の高温性能のために高い融点を持っているある1組成物が、好まれているようである。本願出願人らが、約35〜40重量%のシリカ[典型的に47〜52モル%]を有する複数の組成物が、繊維化するのに容易であり、上昇された温度において低い収縮を示す複数の繊維を形成することを見いだしてきている。約23〜25重量%のK2O[典型的に18〜22モル%]を有するこれらのような繊維が、特に容易に形成されている。
【0044】
表4中、示された溶解度が、極端に高い溶解度の達成されていることのあることを指し示す。
【0045】
2O+Al23+SiO2>80%を有し、20モル%未満のK2Oを有する複数の繊維が、アルミノシリケート繊維よりも考慮に値するほど高い溶解度を示している一方[RCF]、複数のカルシウムマグネシウムシリケート繊維のような高い溶解度を示すような傾向にない。これらのような繊維に関する良好な溶解度が、範囲25モル%〜30モル%中、K2Oに関し、見いだされている。ある幾つかの粘度修飾添加剤[例えば、Mg]の有意な添加を持っている複数の繊維に関し、高い溶解度の見いだされていることが、ある[KMAS1参照]。
【0046】
比較のために、同一条件下、測定された商品のカルシウムマグネシウムシリケート(珪酸カルシウムマグネシウム)繊維(pH7.4のシミュレートされた生理学的溶液に生体可溶性と考えられている)および商品のアミノシリケート繊維(pH7.4のシミュレートされた生理学的溶液に生体可溶性と考えられていない)の全溶解度が、両方〜13ppmであった。
【0047】
静置溶解度が、生体残留性を指し示しているだけである一方、これらの結果が、もし、吸入されたとしても本発明のこれら繊維が、商品の複数のアミノシリケート繊維ほど長く残留しないという前提に関する強い裏付けである。
【0048】
機械的反発性の重要である複数の応用に関し、これら繊維が、熱処理に付されていてよい。このような1つの応用が、触媒コンバーター、ディーゼル粒子フィルターもしくはトラップ、排気管(排気パイプ)、および同様のもののような汚染コントロール装置にある。このような環境製品の複数の需要が、高く、特に使用された複数のマットおよび複数の末端円錐(end cones)が、800℃以上[典型的に900℃の起きることが、ある]の温度に対する被曝後、その場に残るような充分な反発性を持つような必要にある。複数の非晶質(アモルファス)繊維が、これらのような末端円錐(end cones)を調製するように使用されてきているが、もし、約900℃を上回る温度に曝されたら、反発性、これゆえ、複数の収納壁に対するそれらの保持している圧を失うような傾向にある。
【0049】
反発性により、この文脈中、変形後のその当初の形状を回復できるある1物品の能力が、意味されている。これが、その程度を見るために変形後のある1物品のサイズおよび形状に単に注目していくことにより測定され得、これに変形された形状から変形されたのではない形状に向かって戻ってきている。しかしながら、本文脈中、変形に耐えている力に注目していくことにより大抵普通に測定されているのは、これが、如何によくこれら末端円錐(end cones)が、その場に留まり易いかのある1指標であるからである。
【0050】
国際公開(WO)第2004/064 996号が、少なくとも一部結晶もしくは微結晶である複数の繊維の使用を提案するが、これらが、収縮に対して耐性であり、複数の非晶質(アモルファス)繊維よりも反発性であるように陳述されているからであるが、国際公開(WO)第2004/064 996号が、これらのような結晶もしくは微結晶の繊維が、複数の非晶質(アモルファス)繊維よりも脆いことを認識する。結晶もしくは熱処理された微結晶の複数の繊維の反発性が、ブランケットの当業界においてよく知られており−例えば、国際公開(WO)第00/75496号および国際公開(WO)第99/46028号参照。
【0051】
融解形成された複数のシリケート繊維のようなガラス繊維が、欧州(ヨーロッパ)における規制の対象であり、異なる複数の繊維分類(クラス)が、害に関する異なる複数のクラス分けおよびラベル貼付の複数の必要性を持つ。従来の複数のガラスアルミノシリケート繊維が、癌原性へのクラス分けから免除されているアルカリ土類シリケート繊維の必要とするよりも厳重なラベル貼付関連健康警告[いわゆるカテゴリ2の癌原性(物質)として]を必要とする。
【0052】
指針97/69/ECが、指針67/548/EEC付録1を補正し、複数の材料をこれらの潜在的癌原性について分類するが(有害物質指針)、6μm直径未満の複数のシリケート繊維に関する広い2化学カテゴリ(範疇)を持つ。これらのカテゴリ(範疇)およびこれらの結末が:−
【0053】
【表1】

である。
【0054】
請求された本分類(クラス)の複数の繊維が、カテゴリ3もしくはカテゴリ2に入り得ると思われる複数の組成物をカバーするが、有利に、CaO+MgO+Na2O+K2O+BaOの量が、18重量%よりも多いことが、明らかとされる。
【0055】
付録された複数の本請求項が、複数の本繊維を融解形成された繊維であるように限定する。同様の複数の繊維が、複数のゾルゲルルートのような代わりのルートを使用しながらの製造の可能なことのあることが、明らかとされる。本発明が、これらのようなゾルゲル繊維をもカバーし、但し、これらが、12モル%以上のK2Oを含む。
【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

【0061】
【表7】

【0062】
【表8】

【0063】
【表9】

【0064】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成:−
Al23 5〜90モル%
2O 5〜90モル%
SiO2 5〜90モル%
を持っており、ここで、SiO2+Al23+K2O>=50モル%の、融解形成された無機繊維。
【請求項2】
SiO2+Al23+K2O>=60モル%の、請求項1において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項3】
SiO2+Al23+K2O>=70モル%の、請求項1において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項4】
SiO2+Al23+K2O>=80モル%の、請求項1において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項5】
組成:−
Al23 5〜34モル%
2O 5〜34モル%
SiO2 61〜90モル%
を持っている、請求項1〜4のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項6】
組成:−
Al23 5〜78モル%
2O 17〜90モル%
SiO2 5〜61モル%
を持っている、請求項1〜4のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項7】
組成:−
Al23 24〜90モル%
2O 5〜17モル%
SiO2 5〜61モル%
を持っている、請求項1〜4のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項8】
2O量が、40モル%未満である、請求項1〜7のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項9】
2O量が、35モル%未満である、請求項8において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項10】
2O量が、30モル%未満である、請求項9において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項11】
2O量が、12モル%以上である、請求項1〜10のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項12】
Al23量が、10モル%よりも大きい、請求項1〜11のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項13】
SiO2量が、>=20モル%である、請求項1〜12のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項14】
SiO2量が、>=30モル%である、請求項13において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項15】
SiO2量が、>=35モル%である、請求項14において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項16】
SiO2量が、80モル%を下回る、請求項1〜15のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項17】
SiO2量が、70モル%を下回る、請求項16において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項18】
SiO2量が、52モル%未満である、請求項1〜17のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項19】
SiO2量が、52モル%よりも大きく、前記繊維が、10μm未満の繊維の形成されているように可能ならしめるに充分な量における粘度修飾剤を含む、請求項1〜17のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項20】
前記粘度修飾剤が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ランタニド酸化物、硼素酸化物、弗化物、およびこれらの混合物の群から選ばれている、請求項19において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項21】
前記粘度修飾剤が、酸化物もしくは他の形態におけるマグネシウムを含む、請求項19において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項22】
モル比K2O:Al23が、1.6未満である、請求項1〜21のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項23】
モル比K2O:Al23が、1.5未満である、請求項22において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項24】
モル比K2O:Al23が、0.4よりも大きい、請求項22において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項25】
前記繊維が、1400℃よりも高い融点を持っている組成物を持つ、請求項1〜24のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項26】
前記繊維が、1600℃よりも高い融点を持っている組成物を持つ、請求項25において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項27】
前記繊維が、1650℃よりも高い融点を持っている組成物を持つ、請求項25において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項28】
前記繊維が、1700℃よりも高い融点を持っている組成物を持つ、請求項25において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項29】
CaO+MgO+Na2O+K2O+BaOの量が、18重量%よりも大きい、請求項1〜28のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項30】
組成:−
Al23 10〜50モル%
2O 10〜40モル%
SiO2 30〜80モル%
を持っており、ここで、SiO2+Al23+K2O>=50モル%の、請求項1〜29のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項31】
SiO2量が、範囲40〜60、好ましくは47〜52モル%にある、請求項30において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項32】
2O量が、範囲15〜30、好ましくは19〜21モル%にある、請求項30もしくは31において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項33】
Al23量が、範囲15〜40、好ましくは25〜35モル%にある、請求項30〜32のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項34】
前記繊維が、10μm未満の繊維の形成されているように可能ならしめるに充分な量における粘度修飾剤を含む、請求項30〜33のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項35】
前記繊維が、融解体流を形成していくことにより形成されており、該流が、スピンしている輪に接触するようにされている、請求項1〜33のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項36】
前記繊維が、融解体流を形成していくことにより形成されており、該流が、ガスジェット上で衝突するようにされている、請求項1〜33のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項37】
前記繊維が、融解体から、該融解体が、スピンしているコップの周にある開口を通って逃げ、熱いガスによる爆風に付されている回転過程(ロータリープロセス)により形成されている、請求項1〜33のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項38】
前記繊維が、融解体から、フィラメントを形成させるように細かい開口を通して該融解体を押し出していくことにより形成されている、請求項1〜33のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項39】
少なくとも一部、発火を伴っている熱処理により結晶化されてきている、請求項1〜38のいずれか1項において請求されたとおりの、融解形成された無機繊維。
【請求項40】
請求項1〜39のいずれか1項において請求されたとおりの融解形成された無機繊維を含んでいる熱絶縁体。
【請求項41】
前記絶縁体が、ブランケット形状にある、請求項40において請求されたとおりの、熱絶縁体。
【請求項42】
請求項1〜39のいずれか1項において請求されたとおりの無機繊維を含んでいるマスチック。
【請求項43】
請求項1〜39のいずれか1項において請求されたとおりの無機繊維を含んでいる複合材料。
【請求項44】
請求項1〜39のいずれか1項において請求されたとおりの無機繊維を含んでいる触媒体用の支持構造。
【請求項45】
請求項1〜39のいずれか1項において請求されたとおりの無機繊維を含んでいる摩擦材料。

【公表番号】特表2010−511105(P2010−511105A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537702(P2009−537702)
【出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004509
【国際公開番号】WO2008/065363
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(505287184)ザ・モーガン・クルーシブル・カンパニー・ピーエルシー (6)
【氏名又は名称原語表記】THE MORGAN CRUCIBLE COMPANY PLC
【住所又は居所原語表記】Quadrant, 55−57 High Street, Windsor, Berkshire SL4 1LP, United Kingdom
【Fターム(参考)】