説明

無機繊維

【課題】耐熱性及び体液溶解性に優れ、体内に吸入された場合に、低蓄積性に優れ、体液中においてアパタイト等の析出が抑制される無機繊維、そして、無機繊維又は該無機繊維を含む物品が、熱履歴を与えられ、該無機繊維が結晶化した場合に、体液溶解性に優れることから、体内における低蓄積性に優れ、体液中においてアパタイト等の析出が抑制される無機繊維を提供する。
【解決手段】本発明の無機繊維は、SiO成分、CaO成分、MgO成分及びP成分を含有し、全体を100質量%とした場合に、該SiO成分及び該CaO成分の合計含有量が84.5質量%以下であり、該MgO成分の含有量が9〜21質量%であり、該P成分の含有量が0.5〜3質量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性及び体液溶解性に優れる無機繊維に関し、更に詳しくは、ロックウール代替繊維として、耐火被覆材、断熱材、補強材、難燃材、絶縁材、低摩耗材、遮音材等に有用な無機繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
無機繊維は、工業製品として広く使用されており、無機材料の繊維化は、既に重要な産業の一つとして確立している。特に、短繊維は、耐熱断熱性能に優れることから、工業炉、建築物をはじめとする各種構造物の断熱、保温、保冷、吸音材等として広く使用されている。また、長繊維は、複合基材・工業材料用に、補強材、絶縁材、難燃繊維布等として広く使用されている。このように、無機繊維は、今日の我々の生活に無くてはならないものとなっている。
しかしながら、その製造工場、建築現場、解体作業現場等において、無機繊維等を含む粉じんが、体内、特に、肺に取り込まれると、じん肺をはじめとする様々な病気が引き起こされることは、既に周知の事実であり、非常に深刻な問題である。
【0003】
一方、近年の無機繊維の使用状況に関しては、用途の非常に多い無機断熱材として、従来、線収縮率の低いアスベストが用いられていたが、この材料は発ガン性を有するため、使用禁止となった。そのため、現在では、その代替物として、ロックウール、グラスウール、プラスチック繊維、天然繊維等が用いられている。しかしながら、ロックウール、グラスウール等の無機繊維を用いてなる断熱材の外観は、アスベストと類似した繊維状である。これまでのところ、作業時や解体時に発生する粉じんの人体への影響は報告されていないが、発ガン性の疑いが指摘されており、特にグラスウールについては、既にドイツで使用禁止となっている。
上記事情に鑑みて、無機繊維の組成が、使用中又は使用後に変化した場合、及び、変化しなかった場合のいずれにおいても、無機繊維が体内の体液に接触した場合、短期間で体液に溶解する性質を有すれば、その溶解物が体外に排出され、各種疾患の発病を低減できると考えられている。
【0004】
特許文献1には、SiOとCaOとの合計含有量が85質量%以上であり、0.5〜3.0質量%のMgOと2.0〜8.0質量%のPとを含有する、生理学的媒体に可溶な非晶質無機繊維が開示されている。この特許文献1に示された図3によると、800℃における線収縮率は4〜5%である。
【0005】
【特許文献1】特開2000−220037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示された無機繊維によると、SiOとCaOとの合計含有量、及び、Pの含有量がやや多めであるため、体液中において、無機繊維の溶解成分の一部が、残存する無機繊維の表面に、及び/又は、体液中の他の成分に、アパタイト等として沈着することがある。このアパタイトは、体液に対して、通常、不溶性であることから、体内に蓄積すると、軟組織と融着したり、不要部位での石灰化の原因となる場合がある。
【0007】
本発明は、耐熱性及び体液溶解性に優れ、体内に吸入された場合に、低蓄積性に優れ、体液中においてアパタイト等の析出が抑制される無機繊維、そして、無機繊維又は該無機繊維を含む物品が、熱履歴を与えられ、該無機繊維が結晶化した場合に、体液溶解性に優れることから、体内における低蓄積性に優れ、体液中においてアパタイト等の析出が抑制される無機繊維を提供することを目的とする。また、本発明は、無機繊維又は該無機繊維を含む物品が、例えば、1,000〜1,200℃といった高い温度で用いられ(熱履歴を与えられ)、該無機繊維が結晶化した場合に、体液溶解性を有することから、体内における低蓄積性に優れ、体液中においてアパタイト等の析出が抑制される無機繊維を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、無機繊維を吸入した際に影響を受けやすい肺が有する体液の組成に近い、2種類のpHの擬似体液(pH4.5及びpH7.4であり、ヒトの体液(血漿)とほぼ等しい無機イオン濃度を有する液)を調製し、これらに対する溶解性、耐熱性等に優れたMgO−CaO−SiO−P系のガラスについて検討した結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示される。
1.SiO成分、CaO成分、MgO成分及びP成分を含有し、全体を100質量%とした場合に、該SiO成分及び該CaO成分の合計含有量が84.5質量%以下であり、該MgO成分の含有量が9〜21質量%であり、該P成分の含有量が0.5〜3質量%であることを特徴とする無機繊維。
2.上記CaO成分の含有量が15〜35質量%である上記1に記載の無機繊維。
3.上記MgO成分の含有量が11〜18質量%であり、且つ、上記P成分の含有量が1.3質量%を超えて1.9質量%以下である上記1又は2に記載の無機繊維。
4.上記MgO成分の含有量が11〜18質量%であり、且つ、上記P成分の含有量が0.7〜1.3質量%である上記1又は2に記載の無機繊維。
5.更に、CaF成分を含有し、該CaF成分の含有量が4質量%以下である上記1乃至4のいずれかに記載の無機繊維。
6.Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、HCO、HPO2−及びSO2−を含み、これらの濃度が、それぞれ、142.0mM、5.0mM、1.5mM、2.5mM、147.8mM、4.2mM、1.0mM及び0.5mMである擬似体液に可溶である上記1乃至5のいずれかに記載の無機繊維。
【発明の効果】
【0009】
本発明の無機繊維によれば、800℃における線収縮率を4%以下とすることができ、耐熱性に優れる。また、使用に際して、体内に吸入された場合に、体液溶解性を有することから、低蓄積性に優れ、人の健康に対する影響が少ない。そして、体液中においてアパタイト等の析出が抑制される。また、本発明の無機繊維又は該無機繊維を含む物品が、例えば、1,000〜1,200℃といった高い温度で用いられ(熱履歴を与えられ)、該無機繊維が結晶化した場合に、体液溶解性を有することから、体内における低蓄積性に優れ、体液中においてアパタイト等の析出が抑制される。従って、本発明の無機繊維は、ロックウール代替繊維として、従来の用途に好適である。
CaO成分、MgO成分及びP成分の含有量が、それぞれ、特定の範囲にある場合には、耐熱性、人体内における低蓄積性に特に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の無機繊維は、SiO成分、CaO成分、MgO成分及びP成分を含有するガラス組成物からなる非晶質の繊維であり、全体(本発明の無機繊維を構成する成分の合計)、即ち、ガラス組成物を100質量%とした場合に、該SiO成分及び該CaO成分の合計含有量が84.5質量%以下であり、該MgO成分の含有量が9〜21質量%であり、該P成分の含有量が0.5〜3質量%であることを特徴とする。また、本発明の無機繊維は、更に、CaF成分を4質量%以下で含有してなるものとすることができる。尚、本発明の無機繊維は、Al成分を実質的に含まないことが好ましい。
本発明の無機繊維は、Si元素を含む化合物、Ca元素を含む化合物、Mg元素を含む化合物、及び、P元素を含む化合物が、上記組成範囲となるように選択された配合比をもって調製された原料を熱処理する等により得られた繊維である。
【0011】
上記SiO成分は、無機繊維の網目形成成分であり、耐熱性を付与する成分である。このSiO成分の含有量は、本発明の無機繊維を構成する成分の合計を100質量%とした場合、好ましくは30〜68質量%、より好ましくは40〜68質量%、更に好ましくは50〜68質量%である。この含有量が多すぎると、生体溶解性が低下したり、耐熱性が低下する場合がある。
【0012】
上記CaO成分は、生体溶解性を付与する成分である。このCaO成分の含有量は、本発明の無機繊維を構成する成分の合計を100質量%とした場合、好ましくは15〜35質量%、より好ましくは18〜34質量%、更に好ましくは19〜33質量%である。尚、「生体溶解性」とは、肺液等の生理学的液体に溶解する性質であり、公知の擬似体液等を用いて評価することができる。
また、優れた耐熱性及び生体溶解性を備える無機繊維とするために、SiO成分及びCaO成分の合計含有量は、本発明の無機繊維を構成する成分の合計を100質量%とした場合、84.5質量%以下であり、好ましくは76〜84.5質量%、より好ましくは83〜84.5質量%である。この合計含有量が多すぎると、耐熱性が低下する場合がある。
【0013】
上記MgO成分は、CaO成分と同様、生体溶解性を付与する成分である。このMgO成分の含有量は、本発明の無機繊維を構成する成分の合計を100質量%とした場合、9〜21質量%であり、好ましくは10〜20質量%、より好ましくは11〜18質量%である。この含有量が多すぎると、結晶化してガラスが得られない場合がある。
【0014】
上記P成分は、耐熱性を付与する成分である。このP成分の含有量は、本発明の無機繊維を構成する成分の合計を100質量%とした場合、0.5〜3質量%であり、好ましくは0.6〜2.8質量%、より好ましくは0.6〜2.6質量%、更に好ましくは0.7〜1.9質量%である。この含有量が多すぎる無機繊維を用いると、体内に吸入されたときに、体液中において、無機繊維の溶解成分の一部と体液中の他の成分が反応し、残存する無機繊維の表面に、及び/又は、体液中の他の成分に、不溶性物質であるアパタイト等となって沈着することがある。また、この無機繊維又は該無機繊維を含む物品が、高い温度で用いられることにより、あるいは、高い温度の環境下にあることにより、熱履歴を与えられて、無機繊維が結晶化すると、やはり、体液中においてアパタイト等の不溶性物質が析出する場合がある。
【0015】
上記CaF成分は、上記CaO成分同様に、生体溶解性を付与する成分である。このCaF成分の含有量は、本発明の無機繊維を構成する成分の合計を100質量%とした場合、4質量%以下であり、好ましくは0〜3.5質量%、より好ましくは0〜3質量%である。この含有量が多すぎると、結晶化してガラスが得られない場合がある。
【0016】
また、特に優れた耐熱性及び生体溶解性を備える無機繊維とするために、MgO成分及びP成分の含有量は、本発明の無機繊維を構成する成分の合計を100質量%とした場合、それぞれ、11〜18質量%、及び、0.7〜1.9質量%である。この構成において、P成分の含有量を、(1)1.3質量%を超えて1.9質量%以下である態様、及び、(2)0.7〜1.3質量%である態様とすることができる。この2つの態様は、他の成分の含有量によるものではないが、好ましい組合せは以下に示される。
態様(1)の場合、MgO成分を11〜18質量%、CaO成分を25〜33質量%、SiO成分を43〜55質量%、P成分を、1.3質量%を超えて1.9質量%以下とする無機繊維;MgO成分を11〜18質量%、CaO成分を25〜33質量%、SiO成分を40〜55質量%、P成分を1.4〜1.9質量%とし、CaF成分を0〜3.5質量%とする無機繊維等が挙げられる。これらの態様によれば、人の健康に対する影響が少なく、耐熱性に優れ、体液溶解性を有することから、体内に吸入された場合に、低蓄積性に優れ、体液中において不溶性アパタイト等の析出が抑制され、無機繊維又は該無機繊維を含む物品が、熱履歴を与えられ、該無機繊維が結晶化した場合に、体液溶解性を有することから、体内における低蓄積性に優れ、体液中において不溶性アパタイト等の析出が抑制される。
また、態様(2)の場合、MgO成分を11〜18質量%、CaO成分を15〜35質量%、SiO成分を42〜54質量%、P成分を0.7〜1.3質量%とし、CaF成分を0〜2.0質量%とする無機繊維等が挙げられる。これらの態様によれば、人の健康に対する影響が少なく、耐熱性に優れ、体液溶解性を有することから、体内に吸入された場合に、低蓄積性に優れ、体液中において不溶性アパタイト等の析出が抑制され、無機繊維又は該無機繊維を含む物品が、熱履歴を与えられ、該無機繊維が結晶化した場合に、体液溶解性を有することから、体内における低蓄積性に優れ、体液中において不溶性アパタイト等の析出が抑制される。
【0017】
本発明の無機繊維は、必要に応じて、SrO成分及びBaO成分を含有してもよい。
【0018】
本発明の無機繊維の形状、大きさ等は、特に限定されない。無機繊維の形状は、通常、直線、曲線又は蛇行曲線の線状であり、全体に渡って断面形状、最大径等が同じであってよいし、いずれか1つ又は全てが異なってもよい。
無機繊維の長さは、通常、5μm以上、好ましくは10μm〜200mmである。また、無機繊維の平均径は、通常、3〜10μm、好ましくは4〜8μmである。上記無機繊維の長さ及び平均径は、目的、用途等により、適宜、選択される。
【0019】
本発明の無機繊維は、その使用前又は使用後に、組成に変化なく非晶質の状態であっても、あるいは、各種構造物の断熱材等として用いられ、熱履歴を受けて結晶化した状態であっても、体液、生理的食塩水、公知の擬似体液等に可溶である。例えば、人工的に調製された、Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、HCO、HPO2−及びSO2−を含み、これらの濃度が、それぞれ、142.0mM、5.0mM、1.5mM、2.5mM、147.8mM、4.2mM、1.0mM及び0.5mMである擬似体液に可溶である。
無機繊維を吸い込んだ際にダメージを受ける臓器である人間の肺には、2種類のpH領域、即ち、pH4.5(マクロファージのリソソーム)領域、及び、pH7.4(細胞外液)領域が存在することが知られているが、本発明の無機繊維は、上記組成であって、pH4.5及びpH7.4のいずれの場合の擬似体液に対しても、優れた溶解性を有する。
上記擬似体液に対する溶解性について説明する。pH4.5の擬似体液に対する溶解率は、熱履歴を受けていない非晶質無機繊維の場合、好ましくは15〜20%、より好ましくは17〜19%である。また、熱履歴を受けた結晶質無機繊維の場合、好ましくは12〜20%、より好ましくは13〜19%である。
一方、pH7.4の擬似体液に対する溶解率は、熱履歴を受けていない非晶質無機繊維の場合、好ましくは10〜20%、より好ましくは14〜18%である。また、熱履歴を受けた結晶質無機繊維の場合、好ましくは12〜20%、より好ましくは15〜18%である。
【0020】
本発明の無機繊維は、耐熱性に優れ、後述する実施例の測定条件により測定された、温度800℃における線収縮率を、好ましくは4%以下、より好ましくは1〜3%とすることができる。上記線収縮率が低いことから、バルク繊維の形態で、あるいは、ブランケット、マット、ボード等の形態で、耐火被覆材、断熱材、補強材、難燃材等に好適である。
【0021】
本発明の無機繊維は、Si元素を含む化合物、Ca元素を含む化合物、Mg元素を含む化合物、及び、P元素を含む化合物が、SiO成分、CaO成分、MgO成分及びP成分の組成範囲、又は、SiO成分、CaO成分、MgO成分、P成分及びCaF成分の組成範囲となるように選択された配合比をもって調製された原料を溶融する工程(以下、「溶融工程」という。)と、溶融物を繊維化する工程(以下、「繊維化工程」という。)とを備える方法により製造することができる。
【0022】
上記原料のうち、Si元素を含む化合物、即ち、SiO成分を形成する化合物としては、ウォラストナイト等の珪酸塩、珪石、珪砂、ガラスフリット等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記Ca元素を含む化合物、即ち、CaO成分を形成する化合物としては、生石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH))、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ウォラストナイト、ドロマイト、かんらん岩等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、CaF成分を形成する化合物としては、CaF等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記Mg元素を含む化合物、即ち、MgO成分を形成する化合物としては、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記P元素を含む化合物、即ち、P成分を形成する化合物としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、オルトリン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
溶融工程において、予め、混合された原料を、電気炉等を用い、連続式又はバッチ式にて、1,000℃〜2,000℃に加熱して、融解する。加熱時間等は、特に限定されず、処理量等により、適宜、選択される。
その後、繊維化工程において、溶融物(融液)を、ブロー方式、ローター方式等を採用し、圧縮空気等の気流にさらすことにより、無機繊維を製造することができる。このとき、製造条件を適宜、選択することにより、繊維長、繊維径等を調整することができる。
【0024】
本発明の無機繊維は、耐火被覆材、断熱材、補強材、難燃材、絶縁材、低摩耗材、遮音材、養液栽培用鉱物繊維培地等の構成材料として好適である。
【実施例】
【0025】
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0026】
実施例1
酸化マグネシウム(試薬特級99.0%、ナカライテスク社製)と、炭酸カルシウム(試薬特級99.5%、ナカライテスク社製)と、二酸化珪素(試薬特級99.0%、ナカライテスク社製)と、ピロリン酸カルシウムと、フッ化カルシウム(試薬特級、ナカライテスク社製)とを、アルミナ乳鉢で混合した。その後、混合物を白金るつぼに入れ、1,000℃で30分間脱気を行い、空気雰囲気中、1,500℃で2時間溶融した。次いで、鉄板上に融液を流し出し、融液中に白金線を浸漬し、素早く引き上げて、表1に示す構成を備える、平均繊維径140μmの無色透明な無機繊維を作製した。
尚、上記ピロリン酸カルシウムは、リン酸水素カルシウム・二水和物(試薬特級98.0%、ナカライテスク社製)を、1,100℃で5時間焼成したものを使用した。
表1に、得られた無機繊維の構成成分及びその含有量並びにKI値を示した。
また、無機繊維の結晶性を粉末X線回折装置(型式「RINT2000」、リガク社製)により分析したところ、非晶質であることが分かった(図1[A]参照)。X線回折の測定条件は、以下の通りである。
管電圧 : 40kV
管電流 : 40mA
測定範囲(2θ) : 20°〜40°
スキャンスピード : 2°/分
【0027】
実施例2〜3及び比較例1〜2
実施例1と同様にして、表1に示す各組成を有する無機繊維を作製した(表1参照)。得られた無機繊維を、粉末X線回折装置により分析したところ、非晶質であることが分かった(図2[A]、図3[A]、図4[A]及び図5[A]参照)。
【0028】
比較例3
非晶質であり、市販品無機繊維(商品名「SUPERWOOL」、イビデン社製)と同組成の無機繊維を作製した(表1参照)。X線回折像を図6[A]に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
実施例及び比較例の各非晶質無機繊維について、線収縮率測定、擬似体液に対する溶解性試験、擬似体液への浸漬前後における繊維表面観察等を行った。尚、擬似体液に対する溶解性試験、及び、擬似体液への浸漬前後における繊維表面観察については、非晶質無機繊維を、毎分5℃で、室温から1,200℃まで昇温後、更に、1,200℃で24時間加熱することにより熱履歴を与え、結晶化させて得られた結晶化物に対しても行った。この結晶化物のX線回折像を図1[B]、図2[B]、図3[B]、図4[B]、図5[B]及び図6[B]に示す。回折パターンから同定される成分を図中に示した。
【0031】
(1)線収縮率
所定量の非晶質無機繊維を用い、一軸プレス成形(圧力:200MPa)により、直径20mm及び厚さ5mmの円板(以下、「試験片」という。)を得た。この試験片を、空気雰囲気で、室温から昇温速度5℃/分で加熱しながら、試験片の直径の長さを測定し、線収縮率を算出した(図7参照)。
(2)擬似体液に対する溶解性試験
ヒトの体液(血漿)にほぼ等しい無機イオンの組成及び濃度を有する擬似体液(表2参照。以下、「SBF」ともいう。)に対する溶解性を評価した。この溶解性評価に際して、肺の中に2種類のpH領域(細胞外液のpHは7.4、マクロファージのリソソームのpHは4.5)が存在することを考慮し、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又は1.0M−HClを用いて、それぞれ、pH7.4(36.5℃)及びpH4.5(36.5℃)に調整された擬似体液を用いた。
【表2】

尚、溶解性試験用の試験体としては、上記非晶質無機繊維に代えて、該無機繊維の製造方法の説明において得られた融液を鉄板上に流し出した後、アイロンでプレス急冷させて得られた非晶質体を、更に、ジルコニア製遊星型ボールミルで75μm以下の粒径まで粉砕してなる粉末(非晶質粉末)を用いた。そして、結晶化物を試験する場合には、この非晶質粉末を、上記条件により熱処理して得られた結晶化粉末を用いた。
上記試験体1グラムを、300ミリリットルのSBFが収容された容器に入れ、この容器を温度40℃の恒温槽内に配設された振とう機に設置し、毎分120回転の速度で、50時間水平振とうさせた。その後、SBF内の残留粉末を炉別及び精秤して、質量減少率を算出し、これを溶解率とした。
【表3】

【0032】
(3)SBF浸漬前後における繊維の結晶構造解析及び表面観察
上記で得られた非晶質無機繊維を、上記各SBF中に、5日間浸漬させ、蒸留水で洗浄後、100℃で乾燥させた。この浸漬処理の前後における繊維の結晶構造を粉末X線回折装置により分析した。その結果を図8〜図13に示す。
また、上記条件にて熱履歴を与えて得られた結晶化物に対しても、同様の処理を行い、結晶構造を粉末X線回折装置により分析した。その結果を図14〜図19に示す。
【0033】
更に、繊維表面を走査型電子顕微鏡(型式「JSM−6330F」、JEOL DATUM社製)により観察した(図20〜図43参照)。
図20は、実施例1で得られた無機繊維を表す画像であり、(i)は、300倍で観察した画像、(ii)は、5,000倍で観察した画像である。
図21は、実施例1で得られた無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図22は、実施例1で得られた無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図23は、実施例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させた後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図24は、実施例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図25は、実施例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図26は、比較例1で得られた無機繊維を表す画像である。倍率は、上記と同様である。
図27は、比較例1で得られた無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図28は、比較例1で得られた無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図29は、比較例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させた後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図30は、比較例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図31は、比較例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図32は、比較例2で得られた無機繊維を表す画像である。倍率は、上記と同様である。
図33は、比較例2で得られた無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図34は、比較例2で得られた無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図35は、比較例2で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させた後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図36は、比較例2で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図37は、比較例2で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図38は、比較例3の無機繊維を表す画像である。倍率は、上記と同様である。
図39は、比較例3の無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図40は、比較例3の無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図41は、比較例3の無機繊維を熱処理し、結晶化させた後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図42は、比較例3の無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
図43は、比較例3の無機繊維を熱処理し、結晶化させ、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察した画像である。倍率は、上記と同様である。
【0034】
比較例1は、非晶質無機繊維を構成するP成分の量が多すぎる例である。この比較例1の無機繊維は、800℃における線収縮率が1.78%(図7参照)と、4%以下であり耐熱性を備え、非晶質及び結晶質のいずれにおいても、SBFに対する溶解性に優れていた。結晶質無機繊維をSBFに浸漬した後の表面には、細かい凹部が観察された(図31及び図32参照)。これは、結晶質無機繊維の表面に、SBFに対する溶解性の高いβ−TCPが多量に析出していたためと考えられる。
しかしながら、非晶質無機繊維を、pH7.4のSBFに浸漬すると、繊維表面にアパタイトが析出した(図11及び図28参照)。図28から、繊維表面が、アパタイトにより被覆されていることが分かる。
比較例2は、非晶質無機繊維を構成するMgO成分の量が少なく、P成分の量が多すぎる例である。この比較例2の無機繊維は、800℃における線収縮率が1.06%(図7参照)と、4%以下であり耐熱性を備え、非晶質及び結晶質のいずれにおいても、SBFに対する溶解性に優れるものの、非晶質及び結晶質のいずれの粉末においても、pH7.4のSBFに浸漬すると、繊維表面にアパタイトが析出した(図12、図18及び図34参照)。図34から、繊維表面が、アパタイトにより被覆されていることが分かる。
また、比較例3は、非晶質無機繊維の構成成分として、P成分を有さない例である。この比較例3の無機繊維は、800℃における線収縮率が2.1%(図7参照)と、4%以下であり耐熱性を備え、非晶質の場合にSBFに対する溶解性に優れるものの、熱履歴を与えて結晶化させると、pH4.5のSBFに対する溶解性が著しく低下した。
一方、実施例1〜3によれば、各無機繊維は、800℃における線収縮率がそれぞれ、2.23%、1.64%及び1.52%(図7参照)と、4%以下であり耐熱性に優れていた。また、SBFに対する溶解性についても、非晶質無機繊維及び結晶質無機繊維のいずれも安定した溶解性を示した。特に、実施例2及び3は、SBFのpHに依存せず、非晶質無機繊維よりも、結晶質無機繊維のほうが高い溶解性を示した。これは、例えば、本発明の(非晶質)無機繊維が、耐熱性を要求される用途において用いられ、解体時等に発生する粉じんを吸入した場合にも、体液に対する溶解性に優れ、各種疾患の発病を低減することができる。
実施例1の非晶質無機繊維を評価した、図21、図22、図24及び図25によると、繊維表面が非常に粗くなっており、SBFに対する溶解性に優れることが分かる。繊維表面にアパタイトの析出は観察されなかった。尚、図示していないが、実施例2及び3の非晶質無機繊維の場合にも、SBFにより、繊維表面が粗くなっていた。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の無機繊維は、耐火被覆材、断熱材、補強材、難燃材、絶縁材、低摩耗材、遮音材、養液栽培用鉱物繊維培地等の構成材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】[A]は、実施例1で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、[B]は、その結晶化物のX線回折像を示すグラフである。
【図2】[A]は、実施例2で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、[B]は、その結晶化物のX線回折像を示すグラフである。
【図3】[A]は、実施例3で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、[B]は、その結晶化物のX線回折像を示すグラフである。
【図4】[A]は、比較例1で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、[B]は、その結晶化物のX線回折像を示すグラフである。
【図5】[A]は、比較例2で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、[B]は、その結晶化物のX線回折像を示すグラフである。
【図6】[A]は、比較例3の無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、[B]は、その結晶化物のX線回折像を示すグラフである。
【図7】実施例及び比較例で得られた無機繊維の線収縮率を示すグラフである。
【図8】実施例1で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図9】実施例2で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図10】実施例3で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図11】比較例1で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図12】比較例2で得られた無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図13】比較例3の無機繊維のX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図14】実施例1で得られた無機繊維を結晶化させた後、測定したX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図15】実施例2で得られた無機繊維を結晶化させた後、測定したX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図16】実施例3で得られた無機繊維を結晶化させた後、測定したX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図17】比較例1で得られた無機繊維を結晶化させた後、測定したX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図18】比較例2で得られた無機繊維を結晶化させた後、測定したX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図19】比較例3の無機繊維を結晶化させた後、測定したX線回折像を示すグラフであり、SBFに浸漬する前後において測定したグラフである。
【図20】実施例1で得られた無機繊維の表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図21】実施例1で得られた無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図22】実施例1で得られた無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図23】実施例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させたときの表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図24】実施例1で得られた無機繊維を熱処理し、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図25】実施例1で得られた無機繊維を熱処理し、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図26】比較例1で得られた無機繊維の表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図27】比較例1で得られた無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図28】比較例1で得られた無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図29】比較例1で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させたときの表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図30】比較例1で得られた無機繊維を熱処理し、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図31】比較例1で得られた無機繊維を熱処理し、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図32】比較例2で得られた無機繊維の表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図33】比較例2で得られた無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図34】比較例2で得られた無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図35】比較例2で得られた無機繊維を熱処理し、結晶化させたときの表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図36】比較例2で得られた無機繊維を熱処理し、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図37】比較例2で得られた無機繊維を熱処理し、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図38】比較例3の無機繊維の表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図39】比較例3の無機繊維をSBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図40】比較例3の無機繊維をSBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図41】比較例3の無機繊維を熱処理し、結晶化させたときの表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図42】比較例3の無機繊維を熱処理し、SBF(pH4.5)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。
【図43】比較例3の無機繊維を熱処理し、SBF(pH7.4)に浸漬した後、観察された表面を示す画像であり、(i)は外観を表す図、(ii)は最表面を表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiO成分、CaO成分、MgO成分及びP成分を含有し、全体を100質量%とした場合に、該SiO成分及び該CaO成分の合計含有量が84.5質量%以下であり、該MgO成分の含有量が9〜21質量%であり、該P成分の含有量が0.5〜3質量%であることを特徴とする無機繊維。
【請求項2】
上記CaO成分の含有量が15〜35質量%である請求項1に記載の無機繊維。
【請求項3】
上記MgO成分の含有量が11〜18質量%であり、且つ、上記P成分の含有量が1.3質量%を超えて1.9質量%以下である請求項1又は2に記載の無機繊維。
【請求項4】
上記MgO成分の含有量が11〜18質量%であり、且つ、上記P成分の含有量が0.7〜1.3質量%である請求項1又は2に記載の無機繊維。
【請求項5】
更に、CaF成分を含有し、該CaF成分の含有量が4質量%以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の無機繊維。
【請求項6】
Na、K、Mg2+、Ca2+、Cl、HCO、HPO2−及びSO2−を含み、これらの濃度が、それぞれ、142.0mM、5.0mM、1.5mM、2.5mM、147.8mM、4.2mM、1.0mM及び0.5mMである擬似体液に可溶である請求項1乃至5のいずれかに記載の無機繊維。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2009−120998(P2009−120998A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298534(P2007−298534)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)名古屋市の委託事業「生体吸収性無機繊維の開発/T06D8110」の成果に係る特許出願
【出願人】(000173522)財団法人ファインセラミックスセンター (147)
【Fターム(参考)】