説明

無線エネルギ取得装置及び無線エネルギ伝送システム

【課題】無線エネルギ受信手段の損傷が生じないような態様での無線エネルギの取得及び伝送を可能とすること。
【解決手段】本発明は、移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、前記冷却手段を制御する制御手段とを備え、前記路側エネルギ供給装置から送信された無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方に基づいて、前記冷却手段での目標冷却熱量を算出し、該算出した目標冷却熱量に基づいて前記制御手段により前記冷却手段を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線エネルギ取得装置及びこれを用いる無線エネルギ伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、移動体に対して無線波を送信する送信手段と、前記送信手段により送信される無線波の到達範囲内において設けられ、前記送信手段により送信される無線波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された無線波を電気エネルギに変換する電力変換手段と、前記移動体または前記移動体の搭乗者の利用に供せられ、前記電力変換手段により変換された電気エネルギを利用して動作する電気負荷と、を備えることを特徴とするエネルギ利用交通システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−229427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の種の無線エネルギ伝送システムにおいて、移動体側の無線エネルギ受信手段は、路側の路側エネルギ供給装置からの無線エネルギ(マイクロ波等)を受信する際に発熱するので、無線エネルギ受信手段を冷却するための冷却手段を移動体側に設けることが必要となる。しかしながら、上述の種の無線エネルギ伝送システムでは、多種多様な移動体が同一の路側エネルギ供給装置から無線エネルギを受信することが予定されるので、冷却能力が移動体毎に異なりうることを考慮する必要がある。特に冷却能力を超えた無線エネルギが移動体側に送信されると、熱衝撃や過熱による無線エネルギ受信手段の損傷が懸念される。
【0004】
そこで、本発明は、無線エネルギ受信手段の損傷が生じないような態様での無線エネルギの取得及び伝送を可能とする無線エネルギ取得装置及び無線エネルギ伝送システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明は、移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
前記冷却手段を制御する制御手段とを備え、
前記路側エネルギ供給装置から送信された無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方に基づいて、前記冷却手段での目標冷却熱量を算出し、該算出した目標冷却熱量に基づいて前記制御手段により前記冷却手段を制御することを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明に係る無線エネルギ取得装置において、
前記路側エネルギ供給装置と情報通信を行う通信手段を更に備え、
前記冷却手段の冷却能力に基づいて、前記路側エネルギ供給装置から送信されるべき無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方の要求値を算出し、該要求値を表す情報を前記路側エネルギ供給装置に前記通信手段により送信することを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、第1の発明に係る無線エネルギ取得装置において、
前記路側エネルギ供給装置と情報通信を行う通信手段と、
移動体の走行速度を制御する走行速度制御手段とを更に備え、
前記路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方を表す情報を、前記路側エネルギ供給装置から前記通信手段により受信し、該受信した情報に基づいて、前記走行速度制御手段により移動体の走行速度を制御することを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
前記路側エネルギ供給装置と情報通信を行う通信手段とを備え、
前記冷却手段の冷却能力に基づいて、前記路側エネルギ供給装置から送信されるべき無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方の要求値を算出し、該要求値を表す情報を前記路側エネルギ供給装置に前記通信手段により送信することを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
移動体の走行速度を制御する走行速度制御手段とを含み、
前記路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方に基づいて、前記走行速度制御手段により移動体の走行速度を制御することを特徴とする。
【0010】
第6の発明は、移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
移動体の走行速度を制御する走行速度制御手段とを含み、
前記路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギのエネルギ密度と、前記冷却手段の冷却能力とに基づいて、前記走行速度制御手段により移動体の走行速度を制御することを特徴とする。
【0011】
第7の発明は、無線エネルギ伝送システムに関し、上述の本発明による無線エネルギ取得装置と、
前記路側に設けられる路側エネルギ供給装置とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線エネルギ受信手段の損傷が生じないような態様での無線エネルギの取得及び伝送を可能とする無線エネルギ取得装置及び無線エネルギ伝送システムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0014】
図1は、本発明による無線エネルギ伝送システム1の一実施例及びその中に含まれる無線エネルギ取得装置20の一実施例の要部構成を示す図である。
【0015】
無線エネルギ伝送システム1は、路側に設置される路側エネルギ供給装置10と、車両100に搭載される無線エネルギ取得装置20とからなる。尚、車両100は、あくまで移動体の一例であり、その他の移動体としては、自動二輪車、鉄道、船舶、航空機、建設機械、ホークリフト、ロボット等がありうる。車両100は、バッテリ50を電源として動作する。
【0016】
路側エネルギ供給装置10は、制御装置12と、通信アンテナ14と、無線エネルギ送信機16とを含む。制御装置12は、通信アンテナ14を介して、車両100と通信し、以下で説明するような各種情報のやり取りを行う。また、制御装置12は、無線エネルギ送信機16を制御して、無線エネルギ送信機16から無線エネルギを車両100に供給する。無線エネルギ送信機16は、例えば半導体レーザーやマイクロ波のような無線エネルギを持つ無線波を送信するように構成される。無線エネルギ送信機16は、道路を走行中の車両100に無線エネルギを送信できるように道路施設に配置される。例えば、無線エネルギ送信機16は、信号機等に並設されてもよい。無線エネルギ送信機16の出力する無線エネルギのエネルギ密度は、所定の固定値であってもよいし、制御装置12により所定の範囲内で可変制御されてもよい。また、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの送信タイミング(送信持続時間を含む)は、無線エネルギ送信機16と車両100との相対位置関係に依存した所定のタイミングであってもよいし、制御装置12により可変制御されてもよい。また、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの照射領域の面積S1は、所定の固定値であってもよいし、制御装置12により可変制御されてもよい。例えば、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの照射領域の面積S1は、無線エネルギ送信機16を複数個設定し、駆動する無線エネルギ送信機16の数を変化することで可変されてもよい。
【0017】
無線エネルギ取得装置20は、主たる構成要素として、無線エネルギ受信部22と、制御ECU24と、冷却装置30とを含む。
【0018】
無線エネルギ受信部22は、路側エネルギ供給装置10から無線エネルギを受信し、受信したエネルギを電気エネルギに変換して、バッテリ50に蓄電する。無線エネルギ受信部22は、無線エネルギの受信が可能な所定のエネルギ受信面積S2を有する。無線エネルギ受信部22は、例えば半導体レーザーを受信して電気エネルギに変換するフォットダイオードから構成されてもよい。無線エネルギ受信部22は、好ましくは、図1に示すように、無線エネルギを効率的に受信できるように、車両100のルーフ部に取り付けられる。
【0019】
制御ECU24は、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。ROMには、CPUが実行するプログラムやデータが格納されている。制御ECU24は、主に、後述の冷却装置30の制御や通信制御を行うと共に、後述の車速制御手段44と協動して車両100の速度を制御する。制御ECU24は、車両100に搭載される既存のECU(例えばエンジンECU)により実現されてもよいし、専用のECUとして実現されてもよいし、複数のECUにより協動して実現されてもよい。
【0020】
制御ECU24には、通信アンテナ26が接続される。制御ECU24は、通信アンテナ26を介して、路側エネルギ供給装置10と通信し、以下で説明するような各種情報のやり取りを行う。
【0021】
制御ECU24には、無線エネルギ受信部22の温度を計測する温度センサ40が接続される。制御ECU24は、温度センサ40の出力信号に基づいて無線エネルギ受信部22の温度(発熱状態)を把握する。また、制御ECU24には、車速を検出する車輪速センサ42が接続されている。制御ECU24は、車輪速センサ42の出力信号に基づいて車両100の車速を把握する。尚、車輪速センサ42に代えて、車載ナビゲーションシステム(図示せず)の自車位置の測位結果や、トランスミッション(図示せず)の出力軸の回転数等を用いて車速が検出・推定されてもよい。
【0022】
制御ECU24には、車両の制駆動力を発生する車速制御手段44が接続される。車速制御手段44は、ブレーキ装置、エンジン及びトランスミッション等を含んでよい。制御ECU24は、車速制御手段44に制御信号を送信して、車速を制御する。尚、エンジンに代えて若しくは加えて、車輪を駆動する電気モータが用いられてもよい。
【0023】
制御ECU24には、バッテリ50の状態を検出するバッテリセンサ52が接続される。バッテリセンサ52は、バッテリ50の電流の出入りを検出する電流センサや、バッテリ50の温度を検出する温度センサ、電圧センサを含んでよい。制御ECU24は、バッテリセンサ52からの情報に基づいて、バッテリ50の状態(SOC)を把握する。制御ECU24は、バッテリ50の状態に応じて無線エネルギ受信部22で受信すべきエネルギ量を算出する。
【0024】
冷却装置30は、冷却水が循環する配管32と、配管32内を循環する冷却水の熱を大気へ放出するラジエータ34と、ラジエータ34に風を送り冷却水熱の大気への放熱を促進するラジエータファン36と、配管32内を冷却水を循環させる冷却水ポンプ38とを含む。配管32は、無線エネルギ受信部22を通るように配置される。従って、配管32内を循環する冷却水は、無線エネルギ受信部22で発生する熱を取り込み、大気へ放出する役割を果たす。冷却装置30の冷却能力は、制御ECU24によりラジエータファン36の回転速度や冷却水ポンプ38の駆動力(冷却水の流速)等を制御して可変制御されてもよい。
【0025】
図2は、無線エネルギ伝送システム1の動作状態を示す図である。図2には、路側エネルギ供給装置10の無線エネルギ送信機16から無線エネルギを受信する過程における各車両位置が示されている。状態(i)は、車両100が路側エネルギ供給装置10からの無線エネルギ受信ポイントに近接している状態に対応する。この状態(i)では、車両100と路側エネルギ供給装置10との間で、無線エネルギのエネルギ密度や送信タイミングに関する情報がやり取りされてもよい。状態(ii)は、車両100が路側エネルギ供給装置10から無線エネルギを受信している状態である。状態(iii)は、車両100が路側エネルギ供給装置10を通過した状態である。このようにして、車両100は、路側エネルギ供給装置10のそばを通過することで、走行しながらエネルギを得ることができる(図2のバッテリ残量参照)。
【0026】
図3は、無線エネルギ伝送システム1におけるエネルギモデルを示す図であり、図4は、無線エネルギ伝送システム1におけるエネルギ収支を示す図である。図5は、無線エネルギQ0と変換される電気エネルギQeとの関係の一例を示す図である。図5には、無線エネルギQ0と変換される電気エネルギQeとの関係を示す特性曲線が実線にて示され、無線エネルギQ0が100%電気エネルギQeに変換される場合の特性曲線が参考として一点鎖線にて示されている。
【0027】
路側エネルギ供給装置10から送信される無線エネルギをQ0とすると、図5に示すように、無線エネルギQ0の全てが、無線エネルギ受信部22にて電力Qeに変換されることにはならず、電力に変換できない部分が熱エネルギ(=Q0−Qe)として無線エネルギ受信部22で発生する。この熱エネルギのうちの、走行風が無線エネルギ受信部22に直接当たって放熱する熱エネルギQaを差し引いたエネルギ(=Q0−Qe−Qa)が、冷却装置30により大気に放出されるべき対象となる熱エネルギQcである。
【0028】
図6は、路側エネルギ供給装置10から無線エネルギを受信する過程(例えば図2の状態(i)から状態(iii)までの間)で制御ECU24により実行される処理の好ましい一例を示すフローチャートである。
【0029】
図6の処理は、路側エネルギ供給装置10の無線エネルギ送信機16から供給される無線エネルギの密度等が可変である場合に適用される。図6の処理ルーチンは、車両100の進行方向前方に路側エネルギ供給装置10からの無線エネルギ受信ポイントが接近した場合に起動される。尚、車両100の進行方向前方に路側エネルギ供給装置10からの無線エネルギ受信ポイントが接近したか否かは、車両100に搭載されるナビゲーションシステム(図示せず)からの車両位置情報及び各無線エネルギ受信ポイントの位置情報を予め登録した地図情報に基づいて判定することができる。或いは、図6の処理ルーチンは、車両100と路側エネルギ供給装置10との間の通信が接続された場合に起動されてもよい。
【0030】
ステップ200では、制御ECU24は、バッテリ50の状態に応じて無線エネルギ受信部22で受信すべきエネルギ量(以下、「必要エネルギEt」という)を算出する。この際、例えば、バッテリ50の残量が少ないほど(SOCが小さいほど)大きい必要エネルギEtが算出されてよい。
【0031】
ステップ202では、制御ECU24は、冷却装置30による最大冷却熱量Emaxと、走行風による冷却熱量Qaとの和を、最大冷却熱量Ecとして算出する。この際、冷却装置30による最大冷却熱量Emax[J]は、最大冷却能力P[W]に所定の冷却時間T[s]を掛けることで算出される(Ec=P×T)。最大冷却能力Pは、冷却装置30の構成に依存し、既知の設計値が採用されてもよい。冷却時間Tは、無線エネルギ受信部22の耐熱性等を考慮して適切に決定され、例えば、無線エネルギ受信部22が、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの照射領域を通過するのに要する時間(又は、無線エネルギ照射時間)に対応してもよいし、それ以上の時間であってもよい。走行風による冷却熱量Qaは、例えばQa=h×(Tm−Ta)により算出されてもよい。ここで、hは、熱伝達率であり、車両100の速度の関数であってよい。Tmは、無線エネルギ受信部22の温度であり、温度センサ40により検出されてもよい。Taは、大気の温度であり、例えば車載の外気温センサ(図示せず)により検出されてもよい。
【0032】
ステップ204では、制御ECU24は、上記のステップ200及び202で算出した必要エネルギEt及び最大冷却熱量Ecを表す情報と共に、車両100の無線エネルギ受信部22のエネルギ受信面積S2、エネルギ受信形状、無線エネルギ受信ポイントを通過する際の通過車速Vを表す情報を、車両100の進行方向前方に接近する無線エネルギ受信部22に送信する。尚、通過車速Vは、車輪速センサ42から得られる現在車速であってもよいし、現在の加減速度を考慮した予測速度であってもよい。また、エネルギ受信面積S2及びエネルギ受信形状のような不変の情報は、車両100と対応付けて予め路側エネルギ供給装置10側の記憶装置に保持されていてもよく、この場合は送信不要である。また、通過車速Vを表す情報についても、例えば路側エネルギ供給装置10がレーダ等により車両100の接近速度を計測可能な場合には、送信不要である。
【0033】
このステップ204の処理に関連して、路側エネルギ供給装置10の制御装置12は、車両100から受信した情報に基づいて、無線エネルギ送信機16から車両100に送信すべき無線エネルギの送信態様を決定する。無線エネルギの送信態様は、送信エネルギ密度D[W/m]及び送信タイミングを含む。送信タイミングは、現時点から何秒後から何秒間といった具合に表されてもよいし、GPS時刻等を用いて絶対時間で表されてもよい。
【0034】
ここで、図7及び図8を参照して、路側エネルギ供給装置10の制御装置12で採用されてよい送信エネルギ密度及び送信タイミングの算出方法の一例を説明する。図7は、車両100の無線エネルギ受信部22のエネルギ受信面積S2と、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの照射領域の面積S1との関係の一例を示す図である。ここでは、理解の容易化のため、図7に示すように、車両100の無線エネルギ受信部22のエネルギ受信形状が一辺L[m]の正方形であり(従って、エネルギ受信面積S2=L×L)、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの照射領域の形状が一辺3L[m]の正方形であるとする。図8は、図7に示す関係の無線エネルギ受信部22が無線エネルギの照射領域を速度V[m/s]で通過したときの、無線エネルギが実際に照射(受信)される実効受信面積Seの変化を時系列で示す。尚、図8において、t=t0は、無線エネルギ受信部22の前縁部が無線エネルギの照射領域の後縁部(車両進行方向で後側の縁部)と一致した時刻に対応する。この場合、大気中を伝播する際の減衰によるエネルギ損失を無視し、送信タイミングがt=t0〜t3であるとすると、無線エネルギ受信部22で受信される無線エネルギQ0は、実効受信面積Seの時間積分値(図8の例では、2L/V×S2)に、送信エネルギ密度を乗じた値となる。従って、送信エネルギ密度及び送信タイミングの算出方法は、具体的には以下の通りであってよい。先ず、例えば図5に示すような特性図を利用して、電気エネルギQeに変換されずに熱エネルギとなる熱量を考慮しつつ、必要エネルギEtが電気エネルギQeとして変換されるような無線エネルギQ0を決定する。この際、電気エネルギQeに変換されずに熱エネルギとなる熱量(=Q0−Qe)が最大冷却熱量Ecを超えないように無線エネルギQ0を決定する。従って、必要エネルギEtが大きい場合や最大冷却熱量Ecが小さい場合には、必要エネルギEt未満のエネルギが電気エネルギQeとして変換されるような無線エネルギQ0が決定される場合もありうる。尚、図5に示すような特性図は、車両100からステップ204の通信により取得してもよいし、予め車両100に対応付けて記憶しておいてもよいし、汎用性のある特性図が用いられてもよい。このようにして無線エネルギQ0を決定すると、次いで、通過車速V及びエネルギ受信面積S2等に基づいて、図8に示すような関係から、決定した無線エネルギQ0が受信されるような送信エネルギ密度Dを算出する(又は送信エネルギ密度Dと共に、送信タイミングも同時に決定する)。尚、算出した送信エネルギ密度Dが、送信エネルギ密度の可変幅の上限値を超える場合には、上限値が採用され、下限値を下回る場合には、下限値が採用されてもよい。下限値を下回る場合には、無駄なエネルギの供給を防止するために、送信タイミングを調整してもよい。例えば図8に示す例で、送信タイミングを例えばt=t1〜t2に短縮して無線エネルギQ0を低減するようにしてもよい。尚、送信エネルギ密度の上限値は、急激な加熱による損傷を防止する観点から無線エネルギ受信部22の構成等にも依存しうるので、車両毎に設定されてもよい。この場合、上限値は、車両100からステップ204の通信により取得してもよいし、予め車両100に対応付けて記憶しておいてもよい。
【0035】
路側エネルギ供給装置10の制御装置12は、このようにして送信エネルギ密度D及び送信タイミングを決定すると、当該決定した送信エネルギ密度D及び送信タイミングを表す情報を、車両100に対して送信する。
【0036】
図6に戻る。ステップ206では、制御ECU24は、上述の如く路側エネルギ供給装置10から送信される送信エネルギ密度D及び送信タイミングを表す情報を、通信アンテナ26を介して受信する。この際、制御ECU24は、必要に応じて、送信タイミングの開示時点から直ぐに冷却装置30の冷却熱量を所定値(=目標冷却熱量Qc)まで増加させることができるように準備を行ってもよい。
【0037】
ステップ208では、制御ECU24は、路側エネルギ供給装置10からの無線エネルギの受信待ち状態となる。路側エネルギ供給装置10から無線エネルギが受信された場合には、ステップ210に進む。尚、路側エネルギ供給装置10から無線エネルギが受信されたか否かは、無線エネルギ受信部22の状態(例えば電気エネルギの発生状態)に基づいて判断されてもよいし、若しくは、上記ステップ206で得た情報から、送信タイミングの開始時点が到来した際に、路側エネルギ供給装置10から無線エネルギが受信されたと判断してもよい。
【0038】
ステップ210では、制御ECU24は、冷却装置30の冷却制御を実行する。例えば、制御ECU24は、送信タイミングの開始時点が到来した際に、冷却装置30の冷却制御を開始してよい。この際、制御ECU24は、上記ステップ206で得た情報(送信エネルギ密度D及び送信タイミング)から、図7及び図8を参照して上述した原理に基づいて、今回の通過時に無線エネルギ送信機16から受信される無線エネルギQ0を算出し、当該算出した無線エネルギQ0から、例えば図5に示した特性図に基づいて、電気エネルギQeに変換されずに熱エネルギとなる熱量(=Q0−Qe)を必要冷却熱量Ehとして算出する。そして、制御ECU24は、算出した必要冷却熱量Ehに基づいて、冷却装置30を制御して、無線エネルギの受信時に発熱する無線エネルギ受信部22を冷却する。即ち、制御ECU24は、現在の車速(通過車速V)から走行風による冷却熱量Qaを算出し、所定の冷却時間Tの間の冷却装置30の冷却熱量が、目標冷却熱量Qc(=Eh−Qa)に達するように、冷却装置30を制御する。また、この際、制御ECU24は、温度センサ40からの情報に基づいて、無線エネルギ受信部22の温度が所定温度以下になるように冷却装置30の冷却熱量を制御してもよい。また、この際、制御ECU24は、必要冷却熱量Ehを温度センサ40からの情報(実際の無線エネルギ受信時に発生した熱エネルギ)に基づいて算出してもよい。
【0039】
以上の図6に示す処理によれば、路側エネルギ供給装置10からの無線エネルギの送信エネルギ密度D及び送信タイミングは、無線エネルギ受信部22にて電気エネルギQeに変換されずに熱エネルギとなる熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えないように、決定されているので、車両100側で必要とされる以上の無駄な無線エネルギの伝送を無くしつつ、無線エネルギ受信部22の過剰な発熱による損傷を防止することができる。また、無駄な無線エネルギの伝送が防止されるので、冷却装置30の冷却制御に要するエネルギを最小化することができ、結果として、冷却装置30以外の負荷で利用可能なエネルギQeを最大化することができる。
【0040】
尚、図6に示す処理のステップ204において、車速制御手段44により通過車速Vを増加させて走行風による冷却熱量Qaを増加させることで、受信可能な無線エネルギQ0を高めることとしてもよい。但し、この場合、必要エネルギEtが同一とすると通過車速Vを増加させると、それに応じて送信エネルギ密度が大きくなるので、送信エネルギ密度が上限値を超えない程度で通過車速Vを増加させることが望ましい。また、必要エネルギEtを確保するための送信エネルギ密度が上限値を超えてしまう場合には、必要エネルギEtを確保すべく、車速制御手段44により通過車速Vを低減させることとしてもよい。但し、この場合、無線エネルギ受信部22にて電気エネルギQeに変換されずに熱エネルギとなる熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えない程度で通過車速Vを低減させることが望ましい。
【0041】
また、図6に示す処理では、ステップ204にて、車両100から路側エネルギ供給装置10に対して、必要エネルギEt及び最大冷却熱量Ec等を表す情報を送信することで、送信エネルギ密度D及び送信タイミングの要求値を間接的に表す情報を送信しているが、車両100側で送信エネルギ密度D及び送信タイミングの要求値を算出して、当該要求値を路側エネルギ供給装置10に送信することとしてもよい。即ち、図7及び図8を参照して説明した送信エネルギ密度D及び送信タイミングの算出処理を車両100の制御ECU24が実行してもよい。これは、送信エネルギ密度D及び送信タイミングの算出に必要なパラメータは、上述の如く車両100側で取得されるものが多く、また、路側エネルギ供給装置10側の構成に起因するパラメータ(例えば照射領域の面積S1)は固定の情報であるため容易に実現可能である。この場合、路側エネルギ供給装置10は、自己の構成に起因した送信エネルギ密度の上限値を超えたり下限値を下回ったりしない限り、車両100側からの要求どおりの送信エネルギ密度及び送信タイミングで無線エネルギを送信すればよい。また、路側エネルギ供給装置10は、自己の構成に起因した送信エネルギ密度の上限値を超えたり下限値を下回ったりした場合には、上述と同様の方法で送信エネルギ密度及び送信タイミングを補正すればよい。
【0042】
また、図6に示す処理では、送信エネルギ密度D及び送信タイミングを可変することで送信エネルギQ0を最適化しているが、送信エネルギ密度D、送信タイミング及び無線エネルギの照射領域の面積S1(又は形状)のうちの少なくともいずれか1つを可変することで送信エネルギQ0を最適化して、同様の効果を得ることも可能である。
【0043】
図9は、路側エネルギ供給装置10から無線エネルギを受信する過程で制御ECU24により実行される処理の好ましいその他の一例を示すフローチャートである。
【0044】
図9の処理は、路側エネルギ供給装置10の無線エネルギ送信機16から供給される無線エネルギの密度等が可変でない場合に好適である。但し、この場合も、路側エネルギ供給装置10の無線エネルギ送信機16は、無線エネルギの送信をキャンセルする機能(即ち無線エネルギ密度をゼロにする機能)は有していることが望ましい。図9の処理ルーチンは、図6の処理ルーチンと同様、車両100の進行方向前方に路側エネルギ供給装置10からの無線エネルギ受信ポイントが接近した場合に起動されてもよい。
【0045】
ステップ300では、制御ECU24は、無線エネルギ送信機16から車両100に送信される無線エネルギの送信エネルギ密度D及び送信タイミングを表す情報を、路側エネルギ供給装置10から受信する。尚、この送信エネルギ密度D及び送信タイミングは、路側エネルギ供給装置10側で車両100側の必要エネルギ等の事情を考慮せずに決定されている。例えば、送信エネルギ密度Dは、所定の固定値であってよい。また、送信タイミングは、車速の如何に関らず、例えば無線エネルギ受信部22の前縁部が無線エネルギの照射領域の後縁部(車両進行方向で後側の縁部)と一致した時点(図8の時刻t=t0参照)から、無線エネルギ受信部22の後縁部が無線エネルギの照射領域の前縁部に一致する時点(図8の時刻t=t3参照)までであってよい。或いは、送信タイミングは、無線エネルギ受信部22の全体が無線エネルギの照射領域内に存在する期間(図8の時刻t=t1〜t2参照)であってもよい。これらの場合、車両100の位置に対する相対的な送信タイミングが変化しないので、送信タイミングを表す情報の送信は不要となりうる。尚、無線エネルギ送信機16の照射領域のプロフィール(図7に示す長さや形状等)が車両100側で把握されていない場合には、これを表す情報が上記の情報と共に車両側に送信されてもよい。
【0046】
ステップ302では、制御ECU24は、上記ステップ300で受信した情報と、現在の車速(通過車速V)とから、図7及び図8を参照して上述した原理に基づいて、今回の通過時に無線エネルギ送信機16から受信される無線エネルギQ0を算出し、当該算出した無線エネルギQ0から、例えば図5に示した特性図に基づいて、電気エネルギQeに変換されずに熱エネルギとなる熱量(=Q0−Qe)を必要冷却熱量Ehとして算出する。
【0047】
ステップ304では、制御ECU24は、冷却装置30による最大冷却熱量Emaxと、走行風による冷却熱量Qaとの和を、最大冷却熱量Ec(=Emax+Qa)として算出する。この際、冷却装置30による最大冷却熱量Emax[J]は、冷却装置30の最大冷却能力P[W]に所定の冷却時間T[s]を乗算することで算出される(Ec=P×T)。最大冷却能力Pは、冷却装置30の構成に依存し、既知の設計値が採用されてもよい。冷却時間Tは、無線エネルギ受信部22の耐熱性等を考慮して適切に決定され、例えば、無線エネルギ受信部22が、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの照射領域を通過するのに要する時間(又は、無線エネルギ照射時間)に対応してもよいし、それ以上の時間であってもよい。走行風による冷却熱量Qaは、例えばQa=h×(Tm−Ta)により算出されてもよい。ここで、hは、熱伝達率であり、車両100の速度の関数であってよい。Tmは、無線エネルギ受信部22の温度であり、温度センサ40により検出されてもよい。Taは、大気の温度であり、例えば車載の外気温センサ(図示せず)により検出されてもよい。
【0048】
ステップ306では、制御ECU24は、上記ステップ302で算出した必要冷却熱量Ehと、上記ステップ304で算出した最大冷却熱量Ecとを比較し、最大冷却熱量Ecが必要冷却熱量Eh以上であるか否かを判定する。最大冷却熱量Ecが必要冷却熱量Eh以上である場合には、ステップ310に進み、最大冷却熱量Ecが必要冷却熱量Ehよりも小さい場合、即ち冷却が不足することが予測される場合には、ステップ308に進む。
【0049】
ステップ308では、制御ECU24は、車速制御手段44により車速Vを増加させる。この場合、車速の増加量は、所定の一定値であってよい。この場合、本ステップ308の処理の後、ステップ302に戻り、最大冷却熱量Ecが必要冷却熱量Eh以上となるまで、車速が一定値ずつ増加される。但し、車速の増加量は、最大冷却熱量Ecが必要冷却熱量Eh以上となるように決定されてもよい。この場合、本ステップ308の処理の後、ステップ310に進む。いずれの場合も、最大冷却熱量Ecが必要冷却熱量Eh以上となるような車速の増加が不能な場合のように、最大冷却熱量Ecが必要冷却熱量Eh以上とすることが不能な場合には、制御ECU24は、路側エネルギ供給装置10に対して無線エネルギを送信しないように要求する。即ち、今回の通過時の無線エネルギの受信をキャンセルする。
【0050】
ステップ310では、制御ECU24は、路側エネルギ供給装置10からの無線エネルギの受信待ち状態となる。路側エネルギ供給装置10から無線エネルギが受信された場合には、ステップ312に進む。尚、路側エネルギ供給装置10から無線エネルギが受信されたか否かは、無線エネルギ受信部22の状態に基づいて判断されてもよいし、若しくは、上記ステップ300で得た情報(送信タイミング)から、送信タイミングの開始時点が到来した際に、路側エネルギ供給装置10から無線エネルギが受信されたと判断してもよい。
【0051】
ステップ312では、制御ECU24は、冷却装置30の冷却制御を実行する。例えば、制御ECU24は、送信タイミングの開始時点が到来した際に、冷却装置30の冷却制御を開始してよい。この際、制御ECU24は、所定の冷却時間Tの間の冷却装置30の冷却熱量が、上記ステップ302で算出した必要冷却熱量Ehから走行風による冷却熱量Qaを差し引いた目標冷却熱量Qcとなるように、冷却装置30を制御して、無線エネルギの受信時に発熱する無線エネルギ受信部22を冷却する。また、この際、制御ECU24は、温度センサ40からの情報に基づいて、無線エネルギ受信部22の温度が所定温度以下になるように冷却装置30の冷却熱量を制御してもよい。また、この際、制御ECU24は、必要冷却熱量Ehを温度センサ40からの情報(実際の無線エネルギ受信時に発生した熱エネルギ)に基づいて算出してもよい。
【0052】
以上の図9に示す処理によれば、無線エネルギ受信部22にて電気エネルギQeに変換されずに熱エネルギとなる熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えないように、車両100の車速が適切に調整されているので、無線エネルギ受信部22の過剰な発熱による損傷を防止することができる。即ち、図9に示す処理によれば、車速制御手段44により通過車速Vを増加させることで、走行風による冷却熱量Qaを増加させると共に、受信される無線エネルギQ0を低減することができる。これにより、必要冷却熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えないようにして、無線エネルギ受信部22を過熱から保護することができる。また、車速を変化させることで無線エネルギの車両100の位置に対する相対的な送信タイミングが変化する送信タイミングの決定方法の場合には、当該相対的な送信タイミングの変化を利用して、車両100の無線エネルギ受信部22にて受信される無線エネルギQ0を最適化することも可能である。
【0053】
尚、図9に示す処理では、必要冷却熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えないようにするために、車速を増加させているが、必要冷却熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えない場合でも、車両100の無線エネルギ受信部22にて受信される無線エネルギQ0が必要エネルギEtよりも十分大きい場合には、車速を増加させて、車両100の無線エネルギ受信部22にて受信される無線エネルギQ0を低減して最適化することも可能である。
【0054】
また、図9に示す処理において、現在の車速が大きすぎるが故に必要エネルギEtが確保できない場合には、必要冷却熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えない範囲で、車速制御手段44により通過車速Vを低減させて、必要エネルギEtを確保してもよい。但し、この場合、通過車速Vを低減させると、それに応じて走行風による冷却熱量Qaが減少して最大冷却熱量Ecが小さくなり、また、無線エネルギQ0が増加して必要冷却熱量Ehが大きくなるので、必要冷却熱量Ehが最大冷却熱量Ecを超えない程度で通過車速Vを低減させることが望ましい。
【0055】
また、図9に示す処理では、ステップ200にて、送信エネルギ密度D等を表す情報が路側エネルギ供給装置10から車両100に送信されているが、送信エネルギ密度D等が既知の固定値である場合には、かかる送信が省略されてもよい。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による無線エネルギ伝送システム1の一実施例及びその中に含まれる無線エネルギ取得装置20の一実施例の要部構成を示す図である。
【図2】無線エネルギ伝送システム1の動作状態を示す図である。
【図3】無線エネルギ伝送システム1におけるエネルギモデルを示す図である。
【図4】無線エネルギ伝送システム1におけるエネルギ収支を示す図である。
【図5】無線エネルギQ0と変換される電気エネルギQeとの関係の一例を示す特性図である。
【図6】路側エネルギ供給装置10から無線エネルギを受信する過程で制御ECU24により実行される処理の好ましい一例を示すフローチャートである。
【図7】車両100の無線エネルギ受信部22のエネルギ受信面積S2と、無線エネルギ送信機16による無線エネルギの照射領域の面積S1との関係の一例を示す図である。
【図8】無線エネルギ受信部22が無線エネルギ送信機16の照射領域を通過する際の実効受信面積Seを示す図である。
【図9】路側エネルギ供給装置10から無線エネルギを受信する過程で制御ECU24により実行される処理の好ましいその他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 無線エネルギ伝送システム
10 路側エネルギ供給装置
12 制御装置
14 通信アンテナ
16 無線エネルギ送信機
20 無線エネルギ取得装置
22 無線エネルギ受信部
24 制御ECU
26 通信アンテナ
30 冷却装置
32 配管
34 ラジエータ
36 ラジエータファン
38 冷却水ポンプ
40 温度センサ
42 車輪速センサ
44 車速制御手段
50 バッテリ
52 バッテリセンサ
100 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
前記冷却手段を制御する制御手段とを備え、
前記路側エネルギ供給装置から送信された無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方に基づいて、前記冷却手段での目標冷却熱量を算出し、該算出した目標冷却熱量に基づいて前記制御手段により前記冷却手段を制御することを特徴とする、無線エネルギ取得装置。
【請求項2】
前記路側エネルギ供給装置と情報通信を行う通信手段を更に備え、
前記冷却手段の冷却能力に基づいて、前記路側エネルギ供給装置から送信されるべき無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方の要求値を算出し、該要求値を表す情報を前記路側エネルギ供給装置に前記通信手段により送信する、請求項1に記載の無線エネルギ取得装置。
【請求項3】
前記路側エネルギ供給装置と情報通信を行う通信手段と、
移動体の走行速度を制御する走行速度制御手段とを更に備え、
前記路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方を表す情報を、前記路側エネルギ供給装置から前記通信手段により受信し、該受信した情報に基づいて、前記走行速度制御手段により移動体の走行速度を制御する、請求項1に記載の無線エネルギ取得装置。
【請求項4】
移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
前記路側エネルギ供給装置と情報通信を行う通信手段とを備え、
前記冷却手段の冷却能力に基づいて、前記路側エネルギ供給装置から送信されるべき無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方の要求値を算出し、該要求値を表す情報を前記路側エネルギ供給装置に前記通信手段により送信することを特徴とする、無線エネルギ取得装置。
【請求項5】
移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
移動体の走行速度を制御する走行速度制御手段とを含み、
前記路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギのエネルギ密度及び送信タイミングのうちの少なくとも一方に基づいて、前記走行速度制御手段により移動体の走行速度を制御することを特徴とする、無線エネルギ取得装置。
【請求項6】
移動体に設けられ、該移動体の動作に必要なエネルギを外部から取得する無線エネルギ取得装置であって、
路側に設けられる路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギを受信する無線エネルギ受信手段と、
前記無線エネルギ受信手段で発生する熱を大気に放出するための冷却手段と、
移動体の走行速度を制御する走行速度制御手段とを含み、
前記路側エネルギ供給装置から送信される無線エネルギのエネルギ密度と、前記冷却手段の冷却能力とに基づいて、前記走行速度制御手段により移動体の走行速度を制御することを特徴とする、無線エネルギ取得装置。
【請求項7】
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の無線エネルギ取得装置と、
前記路側に設けられる路側エネルギ供給装置とを含む、無線エネルギ伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−131131(P2009−131131A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307075(P2007−307075)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】