説明

無線ネットワークにおける通信方法

【課題】無線ネットワークにおけるハンドオーバーと暗黙的ハンドオーバーのための通信方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、無線ネットワークで該ネットワークを制御する調整機能を現調整器がネットワークを構成する他のデバイスに移譲するハンドオーバー方法に関する。本発明は、他のデバイスを選択するときに、所定の平価基準によって決定された優先順位情報を用いて最適のデバイスが調整器となるようにする方法に関する。また、本発明は、ハンドオーバー要請メッセージを転送するときに必要な情報を共に転送してプロセスを簡素化できる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関するもので、より具体的には、無線ネットワークにおけるハンドオーバーと暗黙的ハンドオーバーのための通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なデバイスを周辺で使用する場合が多くなっており、これらの装置を互いに連動させて使用する必要があり得る。しかし、多数のデバイスを互いに有線で連結することは多少不便であり、各デバイスのアプリケーションも相互に互換されない場合が多いため、実質的に困難がある。無線技術で通信を行なうと、それらデバイス間のケーブルなどの有線を除去することが可能になり、かつ、デバイス間の無線ネットワークを通じてこれらデバイスがネットワークを構成し、直接データ情報を交換することが可能になる。無線ネットワークで通信が行えるデバイスとしては、コンピュータ、PDA、ノートブック、デジタルTV、カムコーダ、デジタルカメラ、プリンタ、マイク、スピーカー、ヘッドセット、バーコード読取機、ディスプレイ、携帯電話など、いかなるデジタル機器も利用可能である。
【0003】
また、無線ネットワークを通じて通信を行なうには、ネットワークを構成するデバイス間における資源の割当や分配を制御する機能を果たす装置が必要である。このような制御機能を制御装置が果たせなくなる場合には、該制御機能を当該ネットワークを構成する他のデバイスが行なうようにする過程が要求される。また、現在の制御装置よりも制御機能を果たすのにより良い条件を持つデバイスがネットワークに加入した場合にも、新しく加入したデバイスへ制御機能を移譲する過程が必要である。
【0004】
また、制御機能を移譲する過程を終える前に、制御装置の電源供給が突然中断されたり、制御装置が移動してネットワーク形成可能な距離を外れる状況が発生する場合があり得る。このような状況で上記制御機能を続けて行えるデバイスがないと、ネットワークで通信中のデバイスの資源割当要請に対して応答できず、タイミング制御が不可能になる。その結果、当該ネットワークを通じて通信していたデバイスはそれ以上データ送受信ができず、結局としてはネットワークが保持されないという致命的な問題につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑み、円滑な無線通信が行なわれるように制御機能を引き続き維持する方法を提供する。
【0006】
また、本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑み、円滑な無線通信が行なわれるようにネットワークの調整機能を引き続き維持する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
無線ネットワークで通信をしようとするデバイスは、通信を行なうための帯域のチャネルを検索し、既存に形成されたネットワークが存在するか否かなどを調べる。このデバイスは、既存に形成されたネットワークに加入して通信を行なったり、自分で新しいネットワークを構成することができる。新しいネットワークを形成する場合、当該デバイスは、上記の検索、調査過程で獲得した情報に基づいてより良い環境を有するチャネルを選択し、該選択したチャネルを通じて制御情報パケットを放送する。
【0008】
既に制御装置の含まれたネットワークが形成されているとしても、使用者の必要や周辺の状況によって制御装置が制御機能を果たせなくなる場合が生じうる。このような場合には制御機能を他のデバイスに移譲する過程を通じて当該ネットワークの円滑な通信を保障しなければならない。また、現在制御装置よりも制御機能を行うのに一層適合したデバイスがネットワークに加入した場合にも、より円滑な通信のために新しく加入したデバイスに制御機能を移譲することが好ましい。
【0009】
上記のようにネットワークが形成された後に制御装置が他のデバイスに制御機能を移譲することをハンドオーバー(handover)という。本発明の一実施例によってハンドオーバー方法が提供される。特に、ハンドオーバーを要請するデバイスを決定する時に、所定の制御機能に対する優先順位にしたがって決定する方法を提供する。
【0010】
また、本発明の他の実施例によって、無線ネットワークシステムで各デバイスの通信資源を制御する装置が上記の制御機能を移譲する過程を行なえずにその機能を終了する場合、その制御機能を回復させて引き続き通信が行なえるようにする方法が開示される。本実施例では、突然に制御機能が終了した場合、当該ネットワークにおける制御機能が維持及び回復されるようにすることを、リカバリ(recovery)または暗黙的ハンドオーバー(Implicit handover)とする。
【0011】
なお、ハンドオーバーまたはリカバリ動作を行う前に、予備ハンドオーバー(preliminary handover)過程が行なわれることができる。予備ハンドオーバー過程とは、ハンドオーバーの対象となるデバイスにハンドオーバーに必要な情報及び/または調整機能遂行に必要な情報(coordinator relevant information)を現調整器が送信し、これを受信するデバイスが、それらハンドオーバーに必要な情報及び/または調整機能遂行に必要な情報を格納する過程のことを意味する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
調整器(coordinator)と少なくとも一つのデバイス(Device)を含む無線ネットワークの上記調整器での通信方法であって、
上記少なくとも一つのデバイスのうち、調整機能に対する優先順位の最も高いデバイスにハンドオーバーを要請するメッセージを送信する段階と、
上記デバイスに調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を送信する段階と、
上記ハンドオーバー要請メッセージに対してハンドオーバーを受諾する情報を含む応答メッセージを受信する段階と、
上記デバイスが新しい調整器になったことを知らせる情報を含むビーコン(beacon)を放送(broadcasting)する段階と、
を含む通信方法。
(項目2)
上記デバイスにハンドオーバーを要請するメッセージを送信する段階において、上記デバイスは、上記ネットワークに新しく加入したデバイスであり、上記調整器は、新しく加入した上記デバイスから上記デバイスの優先順位に関する情報を受信し、上記優先順位が上記調整器の優先順位よりも高い場合、上記デバイスに上記ハンドオーバーを要請するメッセージを送信することを特徴とする項目1に記載の通信方法。
(項目3)
上記調整機能遂行に必要な情報は、予約されたチャネル時間情報(current requests from the devices for CTBs)、デバイス性能、デバイスID及びデバイスのパワー保存状態(power save status)を含む現ネットワークを構成するデバイスに関する情報、及び各デバイスの優先順位に関する情報のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする項目1に記載の通信方法。
(項目4)
上記ビーコンは、新しい調整器に関する情報及び調整器の調整機能が終了するまで残っている時間に関する情報のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする項目1に記載の通信方法。
(項目5)
上記調整器の調整機能が終了するまで残っている時間に放送されるビーコンのうち最後のビーコンが放送された後、上記デバイスが放送するビーコンを受信する段階をさらに含むことを特徴とする項目4に記載の通信方法。
(項目6)
上記調整器が第1ビーコンを転送した時点から上記デバイスが第2ビーコンを転送する時点まで、ネットワークを構成するデバイスが転送する所定の要請メッセージを拒絶する段階をさらに含むことを特徴とする項目1に記載の通信方法。
(項目7)
調整器を含む無線ネットワークにおける通信方法であって、
上記ネットワークにデバイスが加入すると、上記デバイスの優先順位に関する情報を受信する段階と、
上記優先順位が上記調整器の優先順位よりも高い場合、上記デバイスに調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を含むハンドオーバー要請メッセージを転送する段階と、
上記ハンドオーバー要請メッセージに対する応答として上記ハンドオーバーを受諾する情報を含む応答メッセージを受信する段階と、
上記デバイスが新しい調整器になったことを知らせる情報を含むビーコンを放送する段階と、
を含む通信方法。
(項目8)
優先順位は、上記デバイス及び上記調整器のうち少なくとも一つが上記デバイスの装置的特徴、ネットワーク状況を含む所定の評価基準によって決定することを特徴とする項目7に記載の通信方法。
(項目9)
上記調整機能遂行に必要な情報は、予約されたチャネル時間情報(current requests from the devices for CTBs)、デバイス性能、デバイスID及びデバイスのパワー保存状態(power save status)を含む現ネットワークを構成するデバイスに関する情報、及び各デバイスの優先順位に関する情報のうち少なくとも一つをを含むことを特徴とする項目7に記載の通信方法。
(項目10)
上記調整器の調整機能が終了するまで残っている時間に放送されるビーコンのうち最後のビーコンが放送された後、上記デバイスが放送するビーコンを受信する段階をさらに含むことを特徴とする項目7に記載の通信方法。
(項目11)
調整器と少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの上記調整器での通信方法であって、
上記少なくとも一つのデバイスのうち最も高い優先順位を持つ第1デバイスに、調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を含む第1ハンドオーバーを要請するメッセージを転送する段階と、
上記第1ハンドオーバー要請メッセージに対してハンドオーバーを拒絶する情報を含む応答メッセージを受信する段階と、
上記少なくとも一つのデバイスのうち2番目の優先順位を持つ第2デバイスに第2ハンドオーバー要請メッセージを転送する段階と、
を含む通信方法。
(項目12)
調整器と少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの上記調整器での通信方法であって、
上記少なくとも一つのデバイスのうち最も高い優先順位を持つ第1デバイスに、調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を含む第1ハンドオーバーを要請するメッセージを転送する段階と、
上記第1ハンドオーバー要請メッセージに対する応答メッセージが一定時間受信されない場合、上記少なくとも一つのデバイスのうち2番目の優先順位を持つ第2デバイスに第2ハンドオーバー要請メッセージを転送する段階と、
を含む通信方法。
(項目13)
調整器及び少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの調整器での通信方法であって、
上記無線ネットワークに加入したデバイスの中から最も高い優先順位を持つデバイスを代替調整器として選択する段階と、
上記最も高い優先順位を持つデバイスが代替調整器と指定されたことを知らせるメッセージを送信する段階と、
上記最も高い優先順位を持つデバイスに調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を送信する段階と、
を含み、
上記代替調整器として選択されたデバイスは、上記調整器からビーコン受信予想時点に上記ビーコンを受信できない場合、上記無線ネットワークで新しい調整器として動作する、通信方法。
(項目14)
上記優先順位を決定するデバイスの特性には、デバイスが接近できる他のデバイスの個数、デバイスの電源が維持される時間、転送パワーのうち少なくとも一つが含まれることを特徴とする項目13に記載の通信方法。
(項目15)
調整器及び少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの特定デバイスでの通信方法であって、
上記調整器から代替調整器として選択されたことを指示するバックアップメッセージを受信する段階と、
ビーコン受信予想時点に上記調整器から上記ビーコンを受信できない場合、上記無線ネットワークにビーコンを転送する段階と、
を含む通信方法。
(項目16)
上記バックアップメッセージを受信した後、
上記調整器から調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を含むビーコンを受信する段階と、
上記調整機能遂行に必要な情報を保存する段階と、をさらに含むことを特徴とする項目15に記載の通信方法。
(項目17)
上記特定デバイスは、調整機能に対する優先順位に基づいて決定されることを特徴とする項目15に記載の通信方法。
(項目18)
上記優先順位を決定するデバイスの特性には、デバイスが接近できる他のデバイスの個数、デバイスの電源が維持される時間、転送パワーのうち少なくとも一つが含まれることを特徴とする項目17に記載の通信方法。
(項目19)
上記代替調整器が放送するビーコンは、新しい調整器に関する情報を含むことを特徴とする項目17に記載の通信方法。
(項目20)
調整器及び少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの特定デバイスでの通信方法であって、
上記調整器から代替調整器として選択されたことを指示するバックアップメッセージを受信する段階と、
ビーコン受信予想時点に上記調整器から上記ビーコンを受信できない場合、上記調整器が調整機能を持続できるか否かを確認するメッセージを上記調整器に転送する段階と、
所定時間内に上記確認メッセージに対して応答するメッセージを受信できない場合、上記無線ネットワークにビーコンを放送する段階と、
を含む通信方法。
(項目21)
上記所定時間は、ランダム接近タイムブロック(Random Access Time Block:RATB)であることを特徴とする項目20に記載の通信方法。
(項目22)
調整器と一つ以上のデバイスを含む無線ネットワークでの通信方法であって、
上記調整器から調整機能に対する優先順位リストを受信する段階と、
上記優先順位リストで最も高い優先順位を持つデバイスが、設定されたタイミングにビーコンを受信できない場合、次のビーコン転送タイミングに上記ネットワークにビーコンを放送する段階と、
を含む通信方法。
(項目23)
上記放送されるビーコンは、新しい調整器に関する情報を含むことを特徴とする項目22に記載の方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施例によれば、無線ネットワークで円滑に通信を行なうことが可能になる。特に、特定デバイスの状況に大きく影響を受けることなく途切れ無しで通信できるという効果を奏する。また、調整機能を行なうデバイスがある特定デバイスに限定されずに、状況によって柔軟に変更されうるという効果が得られる。また。調整機能に対する優先順位を考慮して新しい調整器を選択し、最適のデバイスが新しい調整器として動作可能になるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明の他の実施例によれば、無線ネットワークで円滑に通信を行なうことが可能になる。特に、特定デバイスの状況に大きく影響を受けることなく途切れ無しで通信できるという効果を奏する。また、代替調整器を決定するに当たり、より適合したデバイスが選択でき、効率的な通信が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】多数のデバイスで構成されたWVANの例を示す図である。
【図2】WVANのデバイスに具現されたプロトコル階層構造を示す図である。
【図3】本発明の好ましい一実施例によるプロセスを示すフローチャートである。
【図4】本発明による好ましい他の実施例によるプロセスを示す図である。
【図5】本発明の好ましい他の実施例による代替調整器決定方法の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の好ましい他の実施例による代替調整器決定方法の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施様態として、調整器(coordinator)と少なくとも一つのデバイス(Device)を含む無線ネットワークの前記調整器での通信方法は、前記少なくとも一つのデバイスのうち、調整機能に対する優先順位の最も高いデバイスにハンドオーバーを要請するメッセージを送信する段階と、前記デバイスに調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を送信する段階と、前記ハンドオーバー要請メッセージに対してハンドオーバーを受諾する情報を含む応答メッセージを受信する段階と、前記デバイスが新しい調整器になったことを知らせる情報を含むビーコン(beacon)を放送(broadcasting)する段階と、を含む。
【0016】
前記デバイスにハンドオーバーを要請するメッセージを送信する段階において、前記デバイスは、前記ネットワークに新しく加入したデバイスであり、前記調整器は、新しく加入した前記デバイスから前記デバイスの優先順位に関する情報を受信し、前記優先順位が前記調整器の優先順位よりも高い場合、前記デバイスに前記ハンドオーバーを要請するメッセージを送信することができる。
【0017】
また、前記調整機能遂行に必要な情報は、予約されたチャネル時間情報(current requests from the devices for CTBs)、デバイス性能、デバイスID及びデバイスのパワー保存状態(power save status)を含む現ネットワークを構成するデバイスに関する情報、及び各デバイスの優先順位に関する情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0018】
また、前記ビーコンは、新しい調整器に関する情報及び調整器の調整機能が終了するまで残っている時間に関する情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0019】
ここで、上記方法は、前記調整器の調整機能が終了するまで残っている時間に放送されるビーコンのうち最後のビーコンが放送された後、前記デバイスが放送するビーコンを受信する段階をさらに含むことができる。
【0020】
また、前記調整器が第1ビーコンを転送した時点から前記デバイスが第2ビーコンを転送する時点まで、ネットワークを構成するデバイスが転送する所定の要請メッセージを拒絶する段階をさらに含むことができる。
【0021】
本発明の他の実施様態として、調整器を含む無線ネットワークにおける通信方法は、前記ネットワークにデバイスが加入すると、前記デバイスの優先順位に関する情報を受信する段階と、前記優先順位が前記調整器の優先順位よりも高い場合、前記デバイスに調整機能遂行に必要な情報を含むハンドオーバー要請メッセージを転送する段階と、前記ハンドオーバー要請メッセージに対する応答として前記ハンドオーバーを受諾する情報を含む応答メッセージを受信する段階と、前記デバイスが新しい調整器になったことを知らせる情報を含むビーコンを放送する段階と、を含む。
【0022】
ここで、優先順位は、前記デバイス及び前記調整器のうち少なくとも一つが前記デバイスの装置的特徴、ネットワーク状況を含む所定の評価基準によって決定することができる。
【0023】
また、前記調整機能遂行に必要な情報は、予約されたチャネル時間情報(current requests from the devices for CTBs)、デバイス性能、デバイスID及びデバイスのパワー保存状態(power save status)を含む現ネットワークを構成するデバイスに関する情報、及び各デバイスの優先順位に関する情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0024】
また、上記方法は、前記調整器の調整機能が終了するまで残っている時間に放送されるビーコンのうち最後のビーコンが放送された後、前記デバイスが放送するビーコンを受信する段階をさらに含むことができる。
【0025】
本発明のさらに他の実施様態として、調整器と少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの前記調整器での通信方法は、前記少なくとも一つのデバイスのうち最も高い優先順位を持つ第1デバイスに、調整機能遂行に必要な情報を含む第1ハンドオーバーを要請するメッセージを転送する段階と、前記第1ハンドオーバー要請メッセージに対してハンドオーバーを拒絶する情報を含む応答メッセージを受信する段階と、前記少なくとも一つのデバイスのうち2番目の優先順位を持つ第2デバイスに第2ハンドオーバー要請メッセージを転送する段階と、を含む。
【0026】
本発明のさらに他の実施様態として、調整器と少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの前記調整器での通信方法は、前記少なくとも一つのデバイスのうち最も高い優先順位を持つ第1デバイスに、調整機能遂行に必要な情報を含む第1ハンドオーバーを要請するメッセージを転送する段階と、前記第1ハンドオーバー要請メッセージに対する応答メッセージが一定時間受信されない場合、前記少なくとも一つのデバイスのうち2番目の優先順位を持つ第2デバイスに第2ハンドオーバー要請メッセージを転送する段階と、を含む。
【0027】
本発明のさらに他の実施様態として、調整器及び少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの調整器での通信方法において、前記無線ネットワークに加入したデバイスの中から最も高い優先順位を持つデバイスを代替調整器として選択する段階と、前記最も高い優先順位を持つデバイスが代替調整器と指定されたことを知らせるメッセージを送信する段階と、前記最も高い優先順位を持つデバイスに調整機能遂行に必要な情報を送信する段階と、を含み、前記代替調整器として選択されたデバイスは、前記調整器からビーコン受信予想時点に前記ビーコンを受信できない場合、前記無線ネットワークで新しい調整器として動作する。
【0028】
ここで、前記優先順位を決定するデバイスの特性には、デバイスが接近できる他のデバイスの個数、デバイスの電源が維持される時間、転送パワーのうち少なくとも一つが含まれることができる。
【0029】
本発明のさらに他の実施様態として、調整器及び少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの特定デバイスでの通信方法は、前記調整器から代替調整器として選択されたことを指示するバックアップメッセージを受信する段階と、ビーコン受信予想時点に前記調整器から前記ビーコンを受信できない場合、前記無線ネットワークにビーコンを転送する段階と、を含む。
【0030】
ここで、前記バックアップメッセージを受信した後、上記方法は、前記調整器から調整機能遂行に必要な情報を含むビーコンを受信する段階と、前記調整機能遂行に必要な情報を保存する段階と、をさらに含むことができる。
【0031】
ここで、前記特定デバイスは、調整機能に対する優先順位に基づいて決定されることができる。前記優先順位を決定するデバイスの特性には、デバイスが接近できる他のデバイスの個数、デバイスの電源が維持される時間、転送パワーのうち少なくとも一つが含まれることができる。また、前記代替調整器が放送するビーコンは、新しい調整器に関する情報を含むできる。
【0032】
本発明のさらに他の実施様態として、調整器及び少なくとも一つのデバイスを含む無線ネットワークの特定デバイスでの通信方法は、前記調整器から代替調整器として選択されたことを指示するバックアップメッセージを受信する段階と、ビーコン受信予想時点に前記調整器から前記ビーコンを受信できない場合、前記調整器が調整機能を持続できるか否かを確認するメッセージを前記調整器に転送する段階と、所定時間前記確認メッセージに対して応答するメッセージを受信できない場合、前記無線ネットワークにビーコンを放送する段階と、を含む。ここで、前記所定時間は、ランダム接近タイムブロック(Random Access Time Block:RATB)であり得る。
【0033】
本発明のさらに他の実施様態として、調整器と一つ以上のデバイスを含む無線ネットワークでの通信方法は、前記調整器から調整機能に対する優先順位リストを受信する段階と、前記優先順位リストで最も高い優先順位を持つデバイスが、設定されたタイミングにビーコンを受信できない場合、次のビーコン転送タイミングに前記ネットワークにビーコンを放送する段階と、を含む。ここで、前記放送されるビーコンは、新しい調整器に関する情報を含むことができる。
【0034】
(実施例)
上述した本発明の目的、構成及び他の特徴は、添付の図面に基づく下記の詳細な説明から明確になることができる。以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が、無線ネットワークの一種であるWVAN(Wireless Video Area Network)に適用された例である。WVANは、60GHz帯の周波数帯域を用いて10m以内の近距離で1080p A/Vストリームを圧縮無しで転送できるように4.5Gbps以上のスループット(throughput)を提供する無線ネットワークである。
【0035】
図1は、多数のデバイスで構成されたWVANを例示する図である。WVANは、一定の空間に位置したデバイス間のデータ交換のために構成されたネットワークである。このWVANは、2以上のデバイス10〜14で構成され、これらのデバイスのうち一つは、調整器(coordinator)10として動作する。これらデバイス間に無線ネットワークを構成するにおいて、所定の無線資源を多数のデバイスが互いに共有しなければならない。これらのデバイスが無線資源を衝突無しに共用できるようにするために、調整器10は無線資源の割当及びスケジューリングを行なう。
【0036】
この調整器は、ネットワークを構成するデバイスが通信を行なえるように資源を割り当てる機能の他にも、普通のデバイスとして少なくとも一つのチャネルを通じてデータを送受信することができる。また、クロック同期(clock synchronization)、ネットワーク加入(association)、帯域幅資源維持(maintaining bandwidth resource)などの機能も行なうことができる。
【0037】
WVANは、2種類の物理階層(PHY)を支援する。すなわち、WVANは、HRP(high−rate physical layer)とLRP(low−rate physical layer)を支援する。HRPは1Gb/s以上のデータ転送速度を支援できる物理階層であり、LRPは数Mb/sのデータ転送速度を支援する物理階層である。HRPは、高志向性(highly directional)であり、ユニキャスト連結(unicast connection)を通じて等時性(isochronous)データストリーム、非同期データ、MAC命令語(command)及びA/V制御データの転送に用いられる。LRPは、指向性または全方向性(omni−directional)モードを支援し、ユニキャストまたは放送を通じてビーコン、非同期データ、ビーコンを含むMAC命令語の転送などに用いられる。HRPチャネルとLRPチャネルは周波数帯域を共有し、TDM方式により区分して使用される。
【0038】
以下、上述のWVANで使用されるスーパーフレーム(super frame)構造の一例について説明する。各スーパーフレームは、ビーコン(beacon)が転送される領域と、予約されたチャネルタイムブロック(reserved channel time block)及び予約されていないチャネルタイムブロック(unreserved channel time block)を含んでなる。ビーコン(beacon)は、毎スーパーフレームの導入部を識別するために周期的に転送される。このビーコンパケットは、スケジューリングされたタイミング情報WVANの管理及び制御情報を含む。デバイスは、ビーコンに含まれたタイミング情報及び管理/制御情報などを通じてネットワークでデータ交換を行なうことができる。また、緊急の制御/管理メッセージを転送する目的で、ビーコンに続いて競争基盤制御区間(contention−based control period:CBCP)を含む。この競争基盤制御区間は、ランダム接近タイムブロック(Random Access Time Block:RATB)とも呼ばれる。このRATBの区間長は、一定臨界値(mMAXCBCPLen)を設定し、この臨界値を越えないように設定される。
【0039】
図2は、WVANのデバイスに具現されたプロトコル階層構造を示す図である。図2を参照すると、WVANに含まれた各デバイスはその機能によって少なくとも2つ以上の階層(layer)に区分されることができ、一般的に、PHY階層21とMAC階層20を含んでなる。デバイスは、各階層を管理する個体を含むが、MAC階層を管理する個体をMLME(MAC Layer Management Entity)200、PHY階層を管理する個体をPLME(PHY Layer Management Entity)210という。また、デバイスは、各デバイスの状態情報を収集し、ホストと無線デバイス間の制御通路(Interface)の役割を果たすデバイス管理個体(device management entity:DME)220を含む。これら互いに異なる階層間で取り交わすメッセージをプリミティブ(primitive)という。
【0040】
WVANは、調整器がビーコンを放送しながら始まる。デバイスは、調整器との加入手順を通じてデータ交換のためのチャネルタイムブロックを受け取ることによって通信を行なうことができる。
【0041】
次に、まず、本発明の一実施例によってハンドオーバーのための通信を行う方法について説明する。
【0042】
図3は、本発明の好ましい一実施例によるプロセスを示すフローチャートである。
【0043】
任意のデバイスがビーコンを放送することによってネットワークを形成し、該ネットワークで調整器となる。この調整器が当該ネットワークを外れたり電源が遮断されたりし、それ以上調整機能を行なうことができないとハンドオーバーが行なわれる。該調整器は、ネットワークを構成する他のデバイスを選択する。この場合、選択されたデバイスは少なくとも調整機能を行なえるものでなければならない。
【0044】
当該ネットワークを構成するデバイスのうちいずれかにハンドオーバーを要請するかを選択する時に、各デバイスの優先順位を定め、より良い環境にあるデバイスを選択することができる。すなわち、当該調整器は、ネットワークに含まれたデバイスの調整機能に対する優先順位に関する情報を受け、この調整機能に対する優先順位情報をハンドオーバー時に用い、最適の状況にあるデバイスを新しい調整器として選択する。調整機能に対する優先順位は、時間及び場所などに対する評価基準を決定し、この評価基準に対するデバイスの特性を考慮して決定する。
【0045】
すなわち、各デバイスは、運営される時間がどれくらいか(long−life time feature)、電力残量がどれくらいか、バッテリーなのかそれともAC電源なのか、制御メッセージなどを転送できるデバイスはどれくらいか(network−coverage frame)などを考慮して、各デバイスは自分の調整機能に対する優先順位番号を決定することができる。調整器は、各デバイスの調整機能に対する優先順位情報(番号)を受け、リストを構成して保存する。この調整機能に対する優先順位情報を用いて構成したリストをCCD(Coordinator Capable Device)リストと称することができる。
【0046】
調整器はハンドオーバー要請メッセージを転送する時に任意のデバイスに当該要請メッセージを転送するよりは、上述した優先順位の最も高いデバイスに要請メッセージを転送することが好ましい。すなわち、調整機能に対する優先順位にしたがって優先順位の高いデバイスに優先的にハンドオーバー要請メッセージを転送すると、最適のデバイスが可能な範囲で調整機能を行なうことができる。
【0047】
調整器のDMEはMLMEに、選択したデバイスにハンドオーバーを要請するためにMLME_COORDINATOR−HANDOVER.reqプリミティブを転送する(S300)。すると、調整器のMLMEは、選択されたデバイスのMLMEにハンドオーバー要請メッセージ(Coordinator−handover request)を転送する(S310)
ハンドオーバー要請メッセージを転送した後、調整器はハンドオーバーに必要な情報(Handover relevant information)及び/または調整機能遂行に必要な情報(Coordinator relevant information)を転送できる。
【0048】
例えば、現在ネットワークで予約されたチャネル時間情報(the current request from the device for CTBs)、現調整器が調整機能を渡す時まで残っている時間に対する情報(例えば、残っているビーコンの数あるいはビーコン間隔の数等)、デバイス性能、デバイスID及びデバイスのパワー保存状態(power save status)を含む現ネットワークを構成するデバイスに関する情報、各デバイスの調整機能優先順位に対する情報などをハンドオーバー要請メッセージと共に選択したデバイスに転送し、このデバイスがハンドオーバーを行うか否かを決定する時に用いるようにすることができる。これらの情報の他にも、ハンドオーバーに必要な情報であればいずれもハンドオーバーを要請するメッセージと共に転送されることができる。
【0049】
デバイスによる要請がない場合にも、ハンドオーバー要請メッセージとハンドオーバーを行うのに必要な情報を一緒に転送すると、転送すべきパケット(データ)量が減るだけでなく、手順も簡素化するという効果がある。このハンドオーバー要請メッセージに含まれるMAC命令語フォーマットの一例を、下記の表1に示す。
【0050】
【表1】


表1の‘Breaking−in period’フィールドを通じて、ハンドオーバー要請メッセージを受信したデバイスが新しい調整器として動作を始めるまで残っている時間に関する情報がわかる。そして、‘Timeout’フィールドを通じて、ハンドオーバー要請メッセージを受信したデバイスが、該ハンドオーバー要請メッセージに対するハンドオーバー応答メッセージを転送しなければならない一定時間に関する情報ががわかる。また、表1の‘Reserved Schedule’フィールドを通じて、予約されたチャネル時間に関する情報を、‘Device List’フィールドを通じて、ネットワークを構成するデバイスに関する情報を、‘CCD List’フィールドを通じて調整機能に対する優先順位情報がわかる。
【0051】
ハンドオーバー要請メッセージを受信したデバイスのMLMEは、該要請メッセージを受信したことを知らせるためにMLME−COODINATOR−HANDOVER.indプリミティブをDMEに転送する(S320)。選択されたデバイスは、ハンドオーバー要請メッセージに対して調整機能を行なうか否かを決定し、ハンドオーバー応答メッセージを転送する。すなわち、選択されたデバイスのDMEはMLMEに、MLME−COODINATOR−HANDOVER.rspプリミティブを転送する(S330)。選択されたデバイスのMLMEは、調整器のMLMEに当該ハンドオーバー応答メッセージ(Coordinator−Handover respose)を転送する(S340)。このハンドオーバー応答メッセージに含まれるMAC命令語のフォーマットの一例を、表2に示す。
【0052】
【表2】


表2のハンドオーバー応答メッセージのための命令語フォーマットは‘Reason code’フィールドを含んで構成される。このリーズンコードは、ハンドオーバー要請メッセージに対して新しい調整器になることを受諾するか否かに関する情報を表す。調整器は、リーズンコードを用いてハンドオーバー要請メッセージの成功/失敗がわかる。
【0053】
ハンドオーバー要請メッセージを転送してからそれに相応するハンドオーバー応答メッセージは一定時間内に受信することが好ましい。したがって、調整器は、ハンドオーバー要請メッセージを転送し且つ一定時間が設定されたタイマーを作動させ、タイマーが完了する前に応答メッセージを受信するとタイマーの動作を中止させる(S350)。調整器は、一定時間に関する情報を含むハンドオーバー要請メッセージを転送し、このハンドオーバー要請メッセージを受信したデバイスが一定時間内にハンドオーバー応答メッセージを転送するようにすることができる(表1参照)。しかし、タイマーが完了するまで応答メッセージが受け取られないとハンドオーバー要請は失敗したものとなり、よって、ネットワークを構成する他のデバイスに再びハンドオーバー要請メッセージを転送する。調整器のMLMEはDMEにハンドオーバー応答メッセージが受け取られたことを知らせるためにMLME−COODINATOR−HANDOVER.cfmプリミティブを転送する(S360)。
【0054】
この調整器のDMEはMLMEにビーコン転送のためにMLME−BEACON.reqプリミティブを転送する(S370)。すると、調整器のMLMEはビーコンを当該ネットワークに放送する(S380)。調整器は、ハンドオーバー要請に成功すると、次のビーコンを転送する時に新しい調整器、CCDリスト、現在ネットワークを構成するデバイスの性能などに関する情報を含んで転送する。
【0055】
ビーコンに含まれて転送される情報に関する情報要素(information element:IE)フォーマットの例について説明すると、次の通りである。MAC命令語あるいはビーコンの構成によってどのIEを使用するかに関する情報を含めて転送でき、メッセージは、定義されたIEの形式で転送される。優先順位番号を表す情報(CCD list)を表すIEフォーマット、現ネットワークを構成するデバイス性能(capability)に関する情報(Device Capability list)を表すIEフォーマット、新しい調整器と決定されたデバイスに関する情報(New coordinator Information)を表すIEフォーマットの一例を、以下の表を用いて説明する。
【0056】
表3は、優先順位番号を表す情報(Prioritized CCD list)を表すIEフォーマットの一例を示す。
【0057】
【表3】


Prioritized CCD listを表すIEフォーマットは、IEフォーマットの長さを表す情報(IE length)を含むが、この長さは、調整機能を行なえるデバイス(coordinator capable device:CCD)の数がnなら、n2(octets)になることができる。表4には、CCDリストブロックフィールド構成の一例を詳細に表す。
【0058】
【表4】


表4を参照すると、CCDリストブロックフィールドは各CCDの識別情報(CCD ID)と該当kCCDの優先順位番号に関する情報を含むCCDリストブロックを含んでなる。
【0059】
表5は、現ネットワークを構成するデバイス性能に関する情報(Device Capability list)を表すIEフォーマットの一例である。
【0060】
【表5】


表5のIEフォーマットもまた、IEフォーマットの長さを表す情報(IE length)を含むが、この長さは調整機能が行なえるデバイス(CCD)の数がnなら、n3(octets)になることができる。表6に、MAC Capability Blockフィールド構成の一例を詳細に表す。
【0061】
【表6】


表6を参照すると、MAC Capability Blockフィールドはネットワークを構成するデバイスに対して各デバイス識別情報(Device ID)とデバイス性能に関する情報を含むMAC性能ビットマップ(MAC Capability Bitmap)とからなる。このMAC Capability Bitmap構成の一例を、表7を用いて詳細に説明する。
【0062】
【表7】


表7を参照すると、MAC Capability Bitmapは、チャネル時間予約に関する情報、速い接続のための情報(Fast Link Recommendation)を表すために1ビットずつ割り当てられる。そして、HRP(High Rate PHY)チャネル通信の送信/受信側表すために1ビットずつ割り当てられる。
【0063】
表8は、新しい調整器と決定されたデバイスに関する情報(New Coordinator Information)を表すIEフォーマットの一例である。
【0064】
【表8】


このIEフォーマットの場合、IEフォーマットの長さを表す情報(IE length)、新しい調整器と決定されたデバイスの識別情報(New coordinator
ID)、及び現調整器が最後のビーコンを転送するまで残っている時間に関する情報(例えば、Remaining Breaking−in period)を含んでなることができる。
【0065】
上記ビーコンには、新しい調整器と決定されたデバイスがいつから調整機能を行なうか、または、いつ新しい調整器が調整機能を行なうかを知らせるために、新しい調整器が動作するまで残っている時間に関する情報を含んで転送することができる。この場合に‘Remaining Breaking −in period’フィールドを用いることができる。調整器がハンドオーバー応答メッセージを受信し、調整機能を終了するまで残っているbreaking−in periodがnである場合、‘breaking−in period=n’の情報を含むビーコンを転送し、その次のビーコンは‘br
eaking−in period=n−1’の情報を含むビーコンを転送する。最後の
ビーコンは‘breaking−in period=0’の情報を含み、この情報を受信した新しい調整器は、次のビーコン転送タイミングからビーコンを転送する。
【0066】
これらの情報はビーコンに含まれ、上述したIEフォーマットによって現調整器により転送される。これらの情報が含まれたビーコンメッセージフォーマットの一例を、下記の表9に示す。
【0067】
【表9】


表9を参照すると、ビーコンメッセージは、ビーコン制御情報及びCBCP終了時点に関する情報だけでなく、残りのフィールドに必要な情報に関するIEフォーマット情報を含み、これら必要な情報も転送することができる。例えば、IE1フィールドに上記の表8に示すIEを挿入し、新しい調整器と決定されたデバイスに関する情報(New Coordinator Information)を転送することができる。また、IEmフィールドに上記の表3に示すIEを挿入し、優先順位番号を表す情報(Prioritized CCD list)を転送でき、IEnフィールドに表5に示すIEを挿入し、現ネットワークを構成するデバイス性能に関する情報(Device Capability list)を転送することができる。
【0068】
このビーコンを受信したデバイスのMLMEはDMEに、該ビーコンが受け取られたことを知らせるためにMLME_BEACON.indプリミティブを転送する(S390,S395)。現調整器が転送した最後のビーコンを受信した後に、新しい調整器のDMEは次のビーコン転送区間にビーコンを転送するためにMLME−BEACON.reqプリミティブをMLMEに転送する(S396)。すると、新しい調整器のMLMEは当該ネットワークにビーコンを放送する(S397)。このビーコンを受信した現調整器は、ビーコンが受け取られたことを知らせるためにMLME−BEACON.indプリミティブをDMEに転送する(S398)。
【0069】
安定したハンドオーバーのために現調整器は最後のビーコンを転送してから一定時間はネットワークに残って新しい調整器が放送するビーコンが受け取られることを確認する。すなわち、最後のビーコンを転送した後、新しい調整器が放送したビーコンは一定時間内に受け取られることが好ましいわけである。したがって、現調整器は、最後のビーコンを転送し且つ一定時間が設定されたタイマーを作動させ、このタイマーが完了する前にビーコンメッセージが受け取られるとタイマーの動作を中止し、調整器の役割を終了する(S399)。しかし、タイマーが完了するまでビーコンメッセージが受け取られないと、ハンドオーバー過程に失敗したことを意味し、よって、ネットワークを構成する他のデバイスに再びハンドオーバー要請メッセージを転送し、ハンドオーバー過程を再び行なう。ハンドオーバー要請やハンドオーバー過程に失敗した場合にも、優先順位に関する情報を用いて他のデバイスを選択することが好ましい。すなわち、優先順位が二番目に高いデバイスに再びハンドオーバー要請メッセージを送ることが好ましい。
【0070】
ハンドオーバー許諾応答メッセージを受信した後から最後のビーコンを転送するまでの時間には、現調整器は他のデバイスが転送する要請メッセージ(例えば、チャネル時間割当要請メッセージ、加入要請メッセージ等)を拒絶することが好ましい。
【0071】
以下、本発明の他の実施例によって、上記制御機能が突然に終了した場合に当該ネットワークでの制御機能が維持及び回復できるようにするリカバリ(recovery)または暗黙的ハンドオーバー(Implicit handover)方法について説明する。
【0072】
リカバリ方法の一例として、リカバリ過程が行なわれる前に新しい制御装置をあらかじめ決定した後、この新しい制御装置がリカバリを行なう方法が挙げられる。以下、新しい制御装置と決定されたデバイスを代替制御器あるいは代替調整器(secondary coordinator:SCD)とする。代替調整器が、制御器能に異常があることに
気付いた場合、元来の制御装置が継続中であるか、その機能を終了したかを確認できる要請メッセージを転送する。所定時間の経過後にも元来の制御装置から応答メッセージを受信できなかった場合、代替調整器が新しくネットワークでの制御装置として機能を行なうこととなる。
【0073】
図4は、本発明の他の好ましい実施例によるプロセスを示すフローチャートである。WVANは、図1に示すように、多数のデバイス10〜14で構成され、これらデバイスのいずれか一つは調整器10として動作する。図4では明確な説明のために一部のデバイスのみを示す。
【0074】
図4を参照すると、調整器のDMEはMLMEにビーコン転送を要請するMLME−BEACON.reqプリミティブを転送する(S400)。すると、調整器のMLMEは、WVANを構成するデバイスのMLMEにビーコンを転送する(S401)。このビーコンを受信したデバイスのMLMEは、各デバイスのDMEに、ビーコンが転送されたことを知らせるMLME−BEACON.indプリミティブを転送する(S402,S403)。このビーコンのスケジューリング情報を通じてWVANを構成するデバイスは他のデバイスとのデータ交換を行なうことができる。現調整器の電源が遮断されたり(S404)、あるいは現調整器がWVANの領域を外れたりしてそれ以上ビーコン放送が不可能になった場合、WVAN内のデバイスは予定されたタイミングにビーコンを受信できなくなる(S405,S406)。このように予定されたビーコンが転送されなかった場合を‘ビーコンが損失された’と表現する。
【0075】
WVAN通信では調整器が突然に調整機能を果たせなくなる場合に備えて代替調整器(SCD)をあらかじめ決定する。代替調整器と決定されたデバイス(以下、‘代替調整器’という。)がビーコンを受信できないと(S406)、代替調整器のDMEはMLMEに、現調整器に確認要請メッセージを転送することを要請するCTB−TIME−IE.reqプリミティブを転送する(S407)。すると、代替調整器のMLMEは当該プリミティブに応じて現調整器のMLMEに確認要請メッセージCTB−TIME−IE.reqを転送する(S408)。
【0076】
すなわち、代替調整器は、現調整器からビーコンを受信できなかった場合に確認要請メッセージを転送する。この代替調整器は、当該要請メッセージに対する応答メッセージが受け取られない場合、現調整器がその調整機能を行えないことと決定することができる。
【0077】
この確認要請メッセージに対する応答が受け取られるまで所定時間待つ(S409)。この所定時間に現在調整器から応答メッセージが転送されない場合には代替調整器がWVANの新しい調整器として動作し始まる。代替調整器のDMEは新しい調整器としてMLMEに次のビーコン転送タイミングにビーコンを転送のためのMLME−BEACON.reqプリミティブを転送する(S410)。すると、代替調整器のMLMEはビーコンをネットワーク上に放送(broadcast)する(S411)。最初に転送するビーコンには新しい調整器に関する情報が含まれるように構成することができる(S411)。この放送されたビーコンを各デバイスのMLMEが受信し、ビーコンが受け取られたことを知らせるMLME−BEACON.indプリミティブを各デバイスのDMEに転送する(S412)。
【0078】
この確認要請メッセージ(CTB−TIME−IE.req)を転送して応答メッセージを待つ時間基準の一実施例について詳細に説明すると、次の通りである。所定のタイマー機能を用いることができる。すなわち、待つ時間を設定し、当該確認要請メッセージを転送する前にあるいは転送後にタイマーが動作し、設定時間が経過してタイマーが終了する方法とすることができる。
【0079】
また、好ましくは、調整器は、チャネル時間資源に関するタイミング制御情報に対する上記のスーパープライム(super frame)の構造を用いることができる。代替調整器が、ビーコンが転送されなければならないタイミングに該ビーコンを受信していないと、この受信できなかったビーコンからわかるタイミング情報を要請するためにRATB(S409)間に、現調整器にタイミング情報要請メッセージを転送する。リカバリ過程でもRATB(S409)を用いて確認要請メッセージ(CTB−TIME−IE.req)を転送する。ビーコンが転送されなければならないタイミングに代替調整器が該ビーコンを受信していないと、確認要請メッセージ(CTB−TIME−IE.req)をRATB(S409)の間に転送する(S408)。
【0080】
図5は、本発明の好ましい他の実施例による代替調整器決定方法の一例を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、現調整器がリカバリ過程に先立って代替調整器を決定する方法の一例について説明する。このようなリカバリ過程に先立って代替調整器を決定する方法は、プリハンドオーバー過程の一例と見なすことができる。
【0081】
調整器は、WVANを構成する多数のデバイスのうち任意のデバイスを選択する。ただし、選択されたデバイスは少なくとも調整機能を行なえるデバイスでなければならない。調整器のDMEはMLMEにバックアップ要請をするためにMLME−BACKUP.reqプリミティブを転送する(S500)。すると、調整器のMLMEはバックアップ要請メッセージ(Back−up Request)転送を、選択したデバイスのMLMEに転送する(S502)。このバックアップ要請メッセージは、現調整器が任意のデバイスを選択し、該デバイスが代替調整器として以降リカバリを行なうことを要請するメッセージである。このバックアップ要請メッセージを転送する時に使用可能なMAC命令語(command)のフォーマットを下記の表10に提示する。
【0082】
【表10】


表10のバックアップ要請メッセージのための命令語フォーマットは、デバイスリストに関するフィールドを含んでなる。このデバイスリストは、現ネットワークを構成するデバイスに関する情報リストである。このデバイスリストをバックアップ要請メッセージに含めて転送することによって、選択されたデバイスが代替調整器となるかを判断するのに用いられるようにすることができる。
【0083】
このバックアップ要請メッセージに対する応答メッセージは一定時間内に受け取られることが好ましいので、タイマーを用いて一定時間経過をチェックすることができる。すなわち、一定時間が設定されたタイマーをバックアップ要請メッセージを転送する前に作動させる(S501)。このタイマーは、要請メッセージを転送すると同時に、あるいは転送した後に作動させても良い。この作動されたタイマーは、設定された時間が経過すると動作を完了し、一定時間が経過したことを知らせる。また、現調整器は、一定時間に関する情報を含めたバックアップ要請メッセージを転送し、該バックアップ要請メッセージを受信したデバイスが一定時間内にバックアップ応答メッセージを転送するようにしても良い。
【0084】
タイマーが完了する前に、すなわち、一定時間が経過する前にバックアップ要請メッセージを受信したデバイスのDMEがMLMEにバックアップ応答メッセージ転送のためにMLME−BACKUP.rspプリミティブを転送する。(S504)。このデバイスのMLMEは調整器のMLMEにバックアップ応答メッセージ(back−up Response)を転送する(S505)。このバックアップ応答メッセージを転送する時に使用可能なMAC命令語のフォーマットを、下記の表11に提示する。
【0085】
【表11】


表11のバックアップ応答メッセージのための命令語フォーマットは、リーズンコードに関するフィールドを含んでなる。このリーズンコードは、バックアップ要請メッセージに対して代替調整器となることを受諾するかどうかに対する結果を表すものである。現調整器は、リーズンコートを使用してバックアップ要請メッセージの成功/失敗がわかる。
【0086】
このバックアップ応答メッセージが受け取られると、タイマーは完了する前に作動を中止する(S511)。そして、調整器のMLMEはDMEに、バックアップ応答メッセージが受け取られたことを知らせるためにMLME−BACKUP.cfmプリミティブを転送する(S506)。成功のバックアップ応答メッセージが転送された場合、デバイスが代替調整器と決定される。調整器のMLMEは、代替調整器と決定されたデバイスのMLMEにビーコンを転送する(S508)。代替調整器と決定されたデバイスは、リカバリ過程が完了した後に新しい調整器として調整機能を行えるように、転送されたビーコンに含まれた情報を保存する(S510)
他の実施例によれば、多数のデバイスの中から任意のデバイスを選択してバックアップ要請メッセージを転送することよりは、デバイスの調整機能に対する優先順位を決定しこの優先順位を考慮して選択することがより好ましい。各デバイスは、デバイスの性質及び特徴によって調整器として適合する度合が異なる。したがって、ネットワークを構成するデバイスからの各デバイスの特徴に関する情報を通じて調整機能に対する優先順位を設定することができる。この設定された優先順位情報を調整器がわかるようにしたり、ネットワークを構成するデバイスが共有できるようにし、どのデバイスが調整器としてより適合するかをより妥当に決定することができる。
【0087】
さらに他の実施例によれば、調整器がデバイスから調整機能に対する優先順位情報を受信し、これら調整機能に対する優先順位リストを構成する。構成された調整機能に対する優先順位リストは、通知メッセージを通じて各デバイスに転送する。あるいは、調整器が各デバイスからリストを要請するメッセージを受信し、このリストを要請するメッセージに対する応答メッセージを通じて調整機能に対する優先順位リストを転送する。この転送された調整機能に対する優先順位リストを知っているデバイスは、ビーコン損失が発生した場合に備えて、自ら代替調整器になって調整機能を行なうために必要な情報を保存する。この代替調整器になったデバイスは、通知メッセージを通じて代替調整器と決定されたことを調整器に知らせることができる。代替調整器が調整器からビーコンを受信できなかった場合、自らビーコンを転送して新しい調整器として動作する。
【0088】
上記の優先順位を決定するにあたって考慮できる特徴には、各デバイスの位置による接近可能な他のデバイスの数、電源が持続する時間、出力されるパワーなどが含まれることができる。
【0089】
図6は、本発明の好ましいさらに他の実施例による代替調整器決定方法のプロセスを示すフローチャートである。図6に示す選択方法は、調整器が転送したバックアップ要請メッセージに対する成功のバックアップ応答メッセージが転送されない場合とする。なお、図6では、簡明な説明のために各デバイスの階層構造は示さず、デバイスのMLME転送メッセージのみを示すが、この場合にも同様に、階層構造間の信号交換がなければならないことは自明である。
【0090】
図6を参照すると、調整器は、任意の第1デバイスにバックアップ要請メッセージ(Back−up Request)を転送する(S601)。第1デバイスからバックアップ応答メッセージ転送されるかどうかを一定時間チェックする方法は、図4に提示した方法と同様にする。すなわち、バックアップ要請メッセージを転送する前にタイマーが動作し、一定時間が経過するとタイマーが完了する(S600,S602)。また、調整器は、一定時間に関する情報を含むバックアップ要請メッセージを転送し、このバックアップ要請メッセージを受信したデバイスが一定時間内にバックアップ応答メッセージを転送するようにすることができる。一定時間内に第1デバイスからバックアップ応答メッセージを受信できなかったり、‘失敗’のバックアップ応答メッセージを受信した場合には、第1デバイスに対する代替調整器結果過程には失敗したものとなる。調整器は他の第2デバイスに再びバックアップ要請メッセージ(Back−ip Request)を転送する(S604)。それ以降の第2デバイスに対する決定方法は、図4で提示された方法と同様にすれば良い(S603〜S608)。
【0091】
この場合にも、上記のデバイス間の調整機能に対する優先順位情報を利用することができる。すなわち、一番高い優先順位を持つデバイスにまずバックアップ要請メッセージを転送し、もしバックアップ応答メッセージを受信できなかったり、失敗のバックアップ応答メッセージを受信した場合には、2番目に高い優先順位を持つデバイスに再びバックアップ要請メッセージ(Back−up Request)を転送する。このように、調整機能に対する優先順位を考慮して代替調整器を選択し、より效率的にネットワーク間通信を行なうことができる。
【0092】
本発明の一実施例によれば、無線ネットワークで円滑に通信を行なうことができる。特に、特定デバイスの状況に大きく影響を受けずに途切れ無しに通信できる効果がある。調整機能を行なうデバイスがいずれかの特定デバイスに限定されず、状況によって柔軟に変更されることができるという効果がある。また、調整機能に対する優先順位を考慮して新しい調整器を選択し、最適のデバイスが新しい調整器として動作できるようにする効果がある。
【0093】
また、本発明の他の実施例によれば、無線ネットワークで円滑に通信を行なうことができる。特に、特定デバイスの状況に大きく影響受けずに途切れ無しに通信できる効果がある。また、代替調整器を決定するにあたってより適合したデバイスを選択でき、効率的な通信が可能になるという効果がある。
【0094】
以上で使われた用語は別のものに取り替えられることができる。例えば、デバイスは、使用者装置(または機器)、ステーション(station)等にすることができ、調整器は、調整(または制御)装置、調整(または制御)デバイス、調整(または制御)ステーション、コーディネータ(coordinator)、PNC(Piconet coordinator)などとすることができる。
【0095】
以上で説明した本発明の属する技術分野における当業者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更することなく他の具体的な形態に実施できるということを理解することができる。したがって、以上で説明された実施例はいずれの面においても例示的であり、限定的に解釈されてはいけない。本発明の範囲は、上記の詳細な説明ではなく後述する特許請求の範囲によって定められ、よって、特許請求の範囲上の意味及び範囲そしてその同等概念から導き出される変更または変形された形態はいずれも本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、無線通信に適用可能である。より具体的には、無線ネットワークでのハンドオーバーと暗黙的ハンドオーバーのための通信時に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークにおいて通信を行う方法であって、前記無線ネットワークにおいて、高速物理チャネルおよび低速物理チャネルが通信に使用され、前記無線ネットワークは、調整器と少なくとも一つのデバイスとを含み、前記方法は、
前記デバイスが、前記無線ネットワークに加入したときに、前記デバイスから、デバイスの優先順位に関連する情報を受信することと、
前記デバイスから受信された情報に基づいて、前記デバイスの優先順位が、前記調整器の優先順位よりも高い場合には、ハンドオーバー要請メッセージを前記デバイスに送信することと、
前記ハンドオーバー要請メッセージに対する応答を、前記デバイスから受信することと、
前記低速物理チャネル上で、第1のビーコンを放送することであって、前記第1のビーコンは、前記デバイスが前記無線ネットワークの新しい調整器になることを示す識別情報と、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が放送するビーコンの数を示す数の情報とを含む、ことと、
前記数の情報によって示された数に対応する1つ以上のビーコンを、前記低速物理チャネル上で放送することであって、前記1つ以上のビーコンのうちの各ビーコンは、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が送信する残りのビーコンの数を示す、更新された数の情報を含み、前記1つ以上のビーコンの中の最後のビーコンに含まれる前記更新された数の情報は、「0」に設定される、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記デバイスの優先順位は、前記デバイスの特徴に基づいて、少なくとも一つの前記デバイスまたは前記調整器によって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハンドオーバー要請メッセージは、ハンドオーバー関連情報を含み、前記ハンドオーバー関連情報は、少なくとも、保存されたチャネル時間ブロックに関連する情報、または前記無線ネットワークを含むデバイスの特徴に関連する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のビーコンの中の最後のビーコンを放送し、前記調整器がその調整機能を終了した後に、前記デバイスによって放送された第2のビーコンを受信することを受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記応答は、前記デバイスが、前記無線ネットワークの前記新しい調整器として引き継ぐ準備ができていることを示す情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記数の情報は、前記1つ以上のビーコンのそれぞれに含まれる情報要素のフィールドに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
無線ネットワークにおいて通信を行う方法であって、前記無線ネットワークにおいて、高速物理チャネルおよび低速物理チャネルが通信に使用され、前記無線ネットワークは、調整器と少なくとも一つのデバイスとを含み、前記方法は、
前記デバイスが、前記無線ネットワークに加入したときに、前記デバイスの優先順位に関連する情報を前記調整器に送信することと、
前記調整器に送信された情報に基づいて、前記デバイスの優先順位が、前記調整器の優先順位よりも高い場合には、ハンドオーバー要請メッセージを前記調整器から受信することと、
前記ハンドオーバー要請メッセージに対する応答を、前記調整器に送信することと、
前記低速物理チャネル上で第1のビーコンを受信することであって、前記第1のビーコンは、前記デバイスが前記無線ネットワークの新しい調整器になることを示す識別情報と、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が放送するビーコンの数を示す数の情報とを含む、ことと、
前記数の情報によって示された数に対応する1つ以上のビーコンの数を、前記低速物理チャネル上で、前記調整器によって放送された1つ以上のビーコンを受信することであって、前記1つ以上のビーコンのうちの各ビーコンは、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が送信する残りのビーコンの数を示す、更新された数の情報を含み、前記1つ以上のビーコンの中の最後のビーコンに含まれる前記更新された数の情報は、「0」に設定される、ことと
を含む、方法。
【請求項8】
前記ハンドオーバー要請メッセージは、ハンドオーバー関連情報を含み、前記ハンドオーバー関連情報は、少なくとも、保存されたチャネル時間ブロックに関連する情報、または前記無線ネットワークを含むデバイスの特徴に関連する情報を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のビーコンの中の最後のビーコンを受信し、前記調整器がその調整機能を終了した後に、第2のビーコンを受信することを受信することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記応答は、前記デバイスが、前記無線ネットワークの前記新しい調整器として引き継ぐ準備ができていることを示す情報を含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記数の情報は、前記1つ以上のビーコンのそれぞれに含まれる情報要素のフィールドに含まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
無線ネットワーク内の調整器であって、前記無線ネットワークにおいて、高速物理チャネルおよび低速物理チャネルが通信に使用され、前記無線ネットワークは、少なくとも一つのデバイスを含み、前記調整器は、
前記デバイスが、前記無線ネットワークに加入したときに、前記デバイスから、デバイスの優先順位に関連する情報を受信することと、
前記デバイスから受信された情報に基づいて、前記デバイスの優先順位が、前記調整器の優先順位よりも高い場合には、ハンドオーバー要請メッセージを前記デバイスに送信することと、
前記ハンドオーバー要請メッセージに対する応答を、前記デバイスから受信することと、
前記低速物理チャネル上で、第1のビーコンを放送することであって、前記第1のビーコンは、前記デバイスが前記無線ネットワークの新しい調整器になることを示す識別情報と、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が放送するビーコンの数を示す数の情報とを含む、ことと、
前記数の情報によって示された数に対応する1つ以上のビーコンを、前記低速物理チャネル上で放送することであって、前記1つ以上のビーコンのうちの各ビーコンは、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が送信する残りのビーコンの数を示す、更新された数の情報を含み、前記1つ以上のビーコンの中の最後のビーコンに含まれる前記更新された数の情報は、「0」に設定される、ことと
を行うように構成されている、調整器。
【請求項13】
無線ネットワーク内のデバイスであって、前記無線ネットワークにおいて、高速物理チャネルおよび低速物理チャネルが通信に使用され、前記無線ネットワークは、調整器と少なくとも一つのデバイスとを含み、前記デバイスは、
前記デバイスが、前記無線ネットワークに加入したときに、前記デバイスの優先順位に関連する情報を前記調整器に送信することと、
前記調整器に送信された情報に基づいて、前記デバイスの優先順位が、前記調整器の優先順位よりも高い場合には、ハンドオーバー要請メッセージを前記調整器から受信することと、
前記ハンドオーバー要請メッセージに対する応答を、前記調整器に送信することと、
前記低速物理チャネル上で第1のビーコンを受信することであって、前記第1のビーコンは、前記デバイスが前記無線ネットワークの新しい調整器になることを示す識別情報と、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が放送するビーコンの数を示す数の情報とを含む、ことと、
前記数の情報によって示された数に対応する1つ以上のビーコンの数を、前記低速物理チャネル上で、前記調整器によって放送された1つ以上のビーコンを受信することであって、前記1つ以上のビーコンのうちの各ビーコンは、前記ハンドオーバーが起こる前に前記調整器が送信する残りのビーコンの数を示す、更新された数の情報を含み、前記1つ以上のビーコンの中の最後のビーコンに含まれる前記更新された数の情報は、「0」に設定される、ことと
を行うように構成されている、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−97641(P2011−97641A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7379(P2011−7379)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【分割の表示】特願2009−524565(P2009−524565)の分割
【原出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】