説明

無線モジュール

【課題】端末の大型化を招くことなくインピーダンス特性及び放射特性の改善と広帯域化を可能とする。
【解決手段】回路基板1に、主放射波を生成する辺に沿って平行に導電体6を配置する。導電体6はL型に形成され、その基端部は上記回路基板1の裏面に形成された接地パターン2に電気的に接続され、先端部は開放される。上記接地パターン2に対するこの導電体6の接続位置は、アンテナ5への給電点BPから無線周波信号の1/4波長離間した位置に設定される。また導電体6の全長は送受信対象となる無線周波信号の波長の1/4に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アンテナを備える無線モジュールに係わり、特に携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)、コードレス電話機、トランシーバ等のように人体に接触又は接近した状態で使用される無線通信端末に設けられる無線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機に代表される移動通信端末では、アンテナを筐体内に収容した内蔵アンテナが主流になっている。ところが、内蔵アンテナでは、アンテナが筐体内に収容された回路基板の接地パターンに近接するため、インピーダンスの低下や狭帯域化が顕著になる。また、モノポールアンテナの場合には回路基板の接地パターンのサイズに応じて放射パターンが乱れると云う不具合を生じる。
【0003】
一方、アンテナの放射パターンを改善する構成として、例えば回路基板の接地面にこの面に一端が接続されるL字型の細長いプレートを設け、このプレートにより回路基板の接地パターンに流れる電流を減少させて指向特性の劣化を低減する構成が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2000−40910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来提案された構成は、同公報の図1乃至図4から明らかなようにL字型プレートを回路基板のユーザの頭部と近接する側の面に設置している。このため、L字型プレートがユーザの頭部に接近するため人体からの影響を受けやすく、アンテナ放射特性の改善効果が低い。また、回路基板のユーザと対向する側の面にはキーパッドや種々回路部品が高密度に実装されるため、同面にL字形プレートを設置すると回路基板の大型化が避けられず、この結果端末の大型化やコストアップを招き非常に好ましくない。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、端末の大型化を招くことなくインピーダンス特性及び放射特性の改善と広帯域化を可能とした無線モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、接地パターンを形成した回路基板に無線回路が実装された無線モジュールにおいて、上記無線回路にアンテナを接続すると共に、上記回路基板の、通話時に人体に対向する第1の面と反対側の第2の面又は側面に対向する位置であってかつ主放射波を生成する辺に沿って導電体を配置する。そして、上記導電体の基端部を、上記無線回路とアンテナとの接続点から無線周波信号の1/4波長離間した位置又はその近傍で上記接地パターンに接続するようにしたものである。
【0007】
このように構成すると、アンテナの使用時に回路基板の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン上を流れる電流の一部が、無線回路とアンテナとの接続点つまり給電点から1/4波長離間した位置又はその近傍で導電体に側流される。このため、回路基板の接地パターンに流れる電流を、その電流値が最も大きい位置で効果的に導電体に流すことが可能となり、これによりアンテナ放射特性を向上させることができる。また、給電点から見て導電体はオープンに見えるため、インピーダンスを高めることが可能となる。さらに、回路基板の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン上を流れる電流の一部を導電体に側流させることにより、複数の共振モードを発生させることが可能となってこれにより広帯域化を図ることが可能となる。
【0008】
しかも、導電体は回路基板の通話時に人体に対向する面とは反対側の面又は側面に配置されるので、導電体を回路基板の人体と対向する面に設置する場合に比べて人体による影響を低減できる。また、回路基板の通話時に人体に対向する面は一般に実装スペースが狭いが、この面には導電体を配置しないので端末の大型化を回避することができる。
【0009】
この発明の第2の観点は、接地パターンを形成した回路基板に無線回路が実装された無線モジュールにおいて、上記無線回路にアンテナを接続すると共に、上記回路基板の、通話時に人体に対向する第1の面と反対側の第2の面又は側面に対向する位置であってかつ主放射波を生成する辺に沿って導電体を配置する。そして、この導電体の先端部を開放すると共に、基端部を上記無線回路とアンテナとの接続点から上記先端部までの実効電気長が、上記アンテナが送受信する無線周波信号の1/2波長又はそれに近い値となる位置で上記接地パターンに接続するようにしたものである。
【0010】
このように構成すると、上記第1の観点で述べた場合と同様に、アンテナの使用時に回路基板の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン上を流れる電流の一部が導電体に側流される。このため、アンテナ放射特性を向上させることができる。また、給電点から導電体の先端部までの実効電気長は無線周波信号の1/2波長又はそれに近い値に設定されている。このため、上記給電点から見て導電体は開放されているように見え、これにより入力インピーダンスを高めることが可能となる。さらに、回路基板の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン上を流れる電流の一部を導電体に側流させることにより、複数の共振モードを発生させることが可能となり、これにより広帯域化を図ることが可能となる。その他、上記第1の観点と同様に、導電体は回路基板の通話時に人体に対向する面とは反対側の面又は側面に配置されることにより、人体による影響を低減しさらに端末の大型化を回避することができる。
【0011】
さらにこの発明の第3の観点は、接地パターンを形成した回路基板に、第1の期間に動作する第1の無線回路と、上記第1の期間とは異なる第2の期間に動作する第2の無線回路がそれぞれ実装された無線モジュールにおいて、上記第1の無線回路に第1のアンテナを接続すると共に、上記回路基板の、通話時に人体に対向する第1の面と反対側の第2の面又は側面に対向する位置であってかつ上記第1の期間に主放射波を生成する辺に沿って、第2のアンテナを配置する。また、上記第2の無線回路と上記第2のアンテナとの間に接続切替回路を設ける。そして、この接続切替回路により、上記第2の期間に上記第2のアンテナを上記第2の無線回路に接続し、一方上記第1の期間には上記第2のアンテナを上記第1の無線回路と第1のアンテナとの接続点から当該第1のアンテナが送受信する無線周波信号の1/4波長離間した位置又はその近傍で上記接地パターンに接続するようにしたものである。
【0012】
この構成によれば、上記第1及び第2の観点により得られる効果に加え、次のような効果が奏せられる。すなわち、本来は他の通信のために使用される第2のアンテナを、第1のアンテナの無線通信時に導電体として使用することが可能となる。この結果、導電体を別途設ける必要がなくなり、無線モジュールの大型化および高実装密度化を防止できる。
【発明の効果】
【0013】
したがってこの発明によれば、端末の大型化を招くことなくインピーダンス特性及び放射特性の改善と広帯域化を可能とした無線モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わる無線モジュールの第1の実施形態である携帯端末用無線モジュールの構成を示す斜視図である。
無線モジュールは、携帯端末の筐体を構成するフロントカバーとリアケース(いずれも不図示)との間に収容される。その収容状態は、図中“前面”と記載した側がフロントカバー側、つまり通話中におけるユーザの頭部側となり、図中“背面”と記載した側がリアケース側となるように設定される。
【0015】
無線モジュールは回路基板1を備える。回路基板1は、表面および裏面の両方に印刷配線パターンを形成した両面印刷配線基板からなり、裏面には無線回路3が実装される。またこの回路基板1の裏面には、アンテナ接続端子41と、このアンテナ接続端子と上記無線回路3との間を接続する信号線パターン42がそれぞれ形成され、上記アンテナ接続端子41にはアンテナ5が接続される。接続方法としては、例えばハンダ付けやバネ接続が用いられる。アンテナ5はL型に形成され、その全長は送受信対象となる無線周波信号の波長の1/4(λ/4)に相当する実効電気長に設定されている。
【0016】
さらに上記回路基板1の裏面には、上記信号線パターン42の形成部位を除いてほぼ全面に接地パターン2が形成されている。なお、回路基板1が多層基板からなる場合には、接地パターンはその大半が第2及び第3層に形成される。この場合、回路基板1の裏面には接地パターンの一部が形成される。また、無線回路3には図示しないシールドキャップが装着され、これにより無線回路3の内部を外部から電磁的に遮蔽している。
【0017】
ところで、上記回路基板1には、主放射波(主偏波)を生成する辺に沿って略平行に導電体6が配置される。導電体6はL型に形成され、その基端部は上記回路基板1の裏面に形成された接地パターン2に電気的に接続され、先端部は開放される。上記接地パターン2に対するこの導電体6の接続位置は、図2に示すように上記アンテナ接続端子41に対するアンテナ5の接続点、つまり給電点BPから、上記無線周波信号の1/4波長(λ/4)離間した位置に設定される。また導電体6の全長は送受信対象となる無線周波信号の波長の1/4(λ/4)に設定される。すなわち、上記アンテナ5の給電点BPから上記導電体6の先端部までの実効電気長は、上記無線周波信号の1/2波長(λ/2)となるように設定されている。
【0018】
このような構成であるから、無線送信時に、従来であれば回路基板1の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン2を流れる高周波電流は、その一部が導電体6を流れることになり、これにより接地パターン2に流れる高周波電流は低減される。すなわち、放射波の基板の長手方向によって形成される偏波成分が打ち消され、これにより放射特性は回路基板1のサイズによる影響を受けにくくなる。
【0019】
図3乃至図5は、上記導電体6を設けたことにより発生する複数の共振モードに対応する回路基板1上の電流の分布とその強度を示したもので、図3は1820MHz における直列共振モード(モード1)を、図4は1910MHz における並列共振モード(モード2)を、さらに図5は2040MHz における直列共振モード(モード3)をそれぞれ示している。同図から明らかなように、接地パターン2に流れる高周波電流はその一部が導電体6に側流され、これにより回路基板1に流される高周波電流が減少して放射パターンは改善される。
【0020】
図7(a),(b)は導電体6を設けた場合の放射パターンの一例を示すもので、(a)は回路基板1の前後面における放射利得を、また(b)は回路基板1の水平面における放射利得をそれぞれ示している。同図から明らかなように、導電体6を装荷することで、基板の長手方向によって形成される垂直偏波成分が打ち消されて水平偏波成分が増加する。この結果、後述する導電体不装荷の場合(図8)に比べて放射特性は改善され、これにより人体側への放射は抑圧されて通信時の効率が向上する。
【0021】
ちなみに、図6は導電体6を設けない場合の回路基板1上の電流の分布とその強度を示したもので、アンテナ5と、回路基板1の主放射を生成する辺(基板の長手方向の辺)には大きな高周波電流が流れ、この回路基板1に流れる高周波電流により放射パターンが影響を受ける。図8(a),(b)は導電体6を装荷しない場合の放射パターンの一例を示すもので、(a)は回路基板1の前後面における放射利得を、また(b)は回路基板1の水平面における放射利得をそれぞれ示している。
【0022】
また、導電体6は給電点から見てスタブとして動作するため、給電点BPから見たインピーダンスは高くなる。図9は、周波数に対するインピーダンスの変化の一例を示したものである。同図に示すように、導電体6を装荷した場合(1PCB−Pa−Re,1PCB−Pa−Im)には、導電体6を装荷しない場合(1PCB−Re,1PCB−Im)に比べて、インピーダンス特性は改善される。
【0023】
さらに、導電体6を装荷したことにより、例えば図9の1PCB−Pa−Imに示したように複数の共振モード(同図の例では1820MHz における直列共振モード、1910MHz における並列共振モード、2040MHz における直列共振モード)が発生する。すなわち、アンテナの広帯域化を図ることが可能となる。図10は、周波数に対する電圧定在波比(VSWR)の変化の一例を示したものである。同図からも明らかなように、導電体6を装荷した場合(図中実線)には、導電体6を装荷しない場合(図中破線)に比べて、VSWRはより広い周波数帯域にわたり改善されることが分かる。
【0024】
しかも第1の実施形態では、導電体6を、回路基板2の主放射波を生成する辺上であってかつ給電点BPから無線周波信号の1/4波長離間した位置で接地パターン2に接続している。すなわち、図11及び図12に示すように接地パターン2上で電流値が最も大きくなる位置で導電体6を接地パターン2に接続している。このため、回路基板2の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン2上を流れる高周波電流を最も効率良く導電体6に流すことが可能となり、これにより複数の共振モードを発生し易くしてアンテナの帯域をより効果的に広帯域化することができる。
【0025】
また、給電点BPから導電体6の先端部までの長さを無線周波信号の1/2波長となるように設定している。ここで、給電点BPから1/2波長の位置は図11から明らかなように高周波電流が最小となる位置である。このため、給電点から見たときのインピーダンスは最大となり、これによりインピーダンス特性を最も効果的に改善することができる。
【0026】
さらに、導電体6を回路基板1の主放射波を生成する辺に沿って基板側面に配置し、かつ導電体6の基端部を回路基板1の裏面側で接地パターン2に接続している。すなわち、導電体6は回路基板1の通話時に人体に対向する面とは反対側の面に配置される。このため、導電体6を回路基板1の人体と対向する面に設置する場合に比べて人体による影響を低減することができる。また、回路基板1の通話時に人体に対向する面は一般に実装スペースが狭いが、この回路部品実装面には導電体6を配置しないことで、端末の大型化を回避することができる。
すなわち、端末の大型化を招くことなく、最も効率良くインピーダンス特性及び放射特性の改善と広帯域化を図ることができる。
【0027】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、折り畳み型の携帯端末に設けられる無線モジュールのように、2つの回路基板ユニットをフレキシブルケーブル或いは細線同軸ケーブルにより接続した無線モジュールにおいて、無線回路及びアンテナが配置される回路基板ユニットの主放射波を生成する辺上であって、給電点から見て上記ケーブルのコネクタの設置位置の延長上に導電体を接地するようにしたものである。
【0028】
図13は、この発明の第2の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。なお、同図において前記図1と同一部分には同一符号を付して説明を行う。この実施形態の無線モジュールは、下側筐体に収容される第1の回路基板1と、上側筐体に収容される第2の回路基板7とを、ケーブル11とそのコネクタ9,10を介して相互に接続したもので、上記コネクタ9は回路基板1の主放射波を生成する辺上に配置されている。なお、基板とフレキシブルケーブルとが一体化されたリジッド基板においては、コネクタは設けられず、ケーブルが基板に直接接続される。
【0029】
ところで、この第2の実施形態においても、回路基板1の主放射波(主偏波)を生成する辺に沿って平行に導電体6が配置されている。導電体6はL型に形成され、その基端部は上記回路基板1の裏面に形成された接地パターン2に電気的に接続され、先端部は開放される。上記接地パターン2に対するこの導電体6の接続位置は、上記アンテナ接続端子41に対するアンテナ5の接続点、つまり給電点から見て上記ケーブル11のコネクタ9の配置位置の延長上であって、かつ上記給電点に対し無線周波信号の1/4波長(λ/4)となる位置に設定される。また導電体6の全長は送受信対象となる無線周波信号の波長の1/4(λ/4)に設定される。
【0030】
このような構成であるから、アンテナの使用時に、従来であれば回路基板1の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン2を流れる高周波電流は、その一部が導電体6を流れることになり、これにより回路基板1の接地パターン2に流れる高周波電流は低減される。またそれと共に、回路基板1の接地パターン2から上記コネクタ9及びケーブル11を介して回路基板7の接地パターンに流れる高周波電流も低減される。
【0031】
図14は、上記導電体6を設けた場合の回路基板1,7における電流の分布とその強度を示したものである。なお、同図は共振周波数が1950MHzの場合の状態を示している。また図15は導電体6を設けない場合の電流の分布とその強度を示したものである。同図から明らかなように、導電体6を設けると、導電体6を設けない場合に比べて、回路基板1における電流分布の拡がりは勿論のこと回路基板7への電流分布の拡がりも抑制される。
【0032】
また導電体6を装荷すると、回路基板1の長手方向によって形成される偏波成分は導電体6に生起される電流により打ち消され、これにより回路基板1のサイズによる放射特性の劣化は防止される。アンテナしかも、このアンテナ5と回路基板1の水平偏波成分は回路基板の厚さ方向において互いに逆相となるため、前方方向への放射利得は低減される。したがって、利用者方向への放射は低減され、通話時における利用者によるアンテナ利得の低下は抑制される。ちなみに、導電体6を設けない場合には、主放射波は回路基板1の給電点とは反対側の辺に流れる電流に依存するため、垂直偏波成分が主要成分となる。
【0033】
図16は、上記導電体6を設けた場合の放射パターンの一例を示すもので、(a)は回路基板1の前後面における放射利得を、また(b)は回路基板1の水平面における放射利得をそれぞれ示している。また図17は、導電体6を設けない場合の放射パターンを示したものである。同図からも明らかなように、導電体6を設けると回路基板1の前方方向への放射利得が抑えられ、上方向への放射利得が高くなる。
【0034】
また、回路基板1,7が2枚ある場合でも、給電点から見て導電体6はオープン状態となるため、給電点から見たインピーダンスは高くなる。図18は、周波数に対するインピーダンスの変化の一例を示したものである。同図に示すように、導電体6を装荷した場合(2PCB−Pa−Re,2PCB−Pa−Im)には、導電体6を装荷しない場合(2PCB−Re,2PCB−Im)に比べて、インピーダンス特性は改善される。
【0035】
さらに、導電体6を装荷したことにより、多共振モードが発生することになり、これによりアンテナは広帯域化される。図19は、周波数に対する電圧定在波比(VSWR)の変化の一例を示したものである。同図からも明らかなように、導電体6を装荷した場合(図中実線)には、導電体6を装荷しない場合(図中破線)に比べて、VSWRはより広い周波数帯域にわたり改善されることが分かる。
【0036】
しかもこの第2の実施形態においても、導電体6を、回路基板2の主放射波を生成する辺上であってかつ給電点から無線周波信号の1/4波長離間した位置で接地パターン2に接続している。このため、回路基板2の主放射波を生成する辺に沿って接地パターン2上を流れる高周波電流を最も効率良く導電体6に流すことが可能となり、これにより多共振モードを発生し易くしてアンテナの帯域をより効果的に広帯域化することができる。なお、導電体6とコネクタ9との間の距離が近い方が放射パターンの改善効果は高くなる。
【0037】
さらに、この第2の実施形態においても、導電体6を回路基板1の主放射波を生成する辺に沿って基板側面に配置し、かつ導電体6の基端部を回路基板1の裏面側で接地パターン2に接続している。このため、導電体6は回路基板1の通話時に人体に対向する面とは反対側の面に配置されることになり、導電体6を回路基板1の人体と対向する面に設置する場合に比べて人体による影響を低減することができる。また、回路部品の実装面に導電体6を配置しないことにより、端末1の大型化を回避することができる。
【0038】
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は、導電体6を接地パターン2に接地する際に、インピーダンス調整回路を介して接地するようにしたものである。
図20は、この発明の第3の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。なお、同図において前記図1と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。回路基板1の主放射波を生成する辺上でかつ給電点から無線周波信号の1/4波長離間した位置には、インピーダンス調整回路12が実装されている。そして、無給電誘電素子6はこのインピーダンス調整回路12を介して接地パターン2に接続される。
【0039】
(1)実施例1
インピーダンス調整回路12は、例えば図21の12aに示すようにインダクタL1により構成される。このように導電体6をインダクタL1を介して接地パターン2に接続すると、給電点から導電体6の先端までの実効電気長を等価的に短くすることが可能となる。具体的には、導電体6のエレメント長を短くすることができ、これにより導電体6の設置スペースを減らしてその分無線モジュールの小型化を図ることが可能となる。
【0040】
他に、インピーダンス調整回路12としてはキャパシタや可変リアクタンス素子を用いることが可能である。特に、可変リアクタンス素子を用いると、整合のとれる周波数範囲をより広くすることができる。
なお、導電体6と接地パターン2との間に可変リアクタンス素子を介挿する代わりに、図33に示すようにアンテナ5の中間部を可変リアクタンス素子22を介して接地パターン2に接地するようにしてもよい。このように構成しても、整合のとれる周波数範囲をより広くすることができる。
【0041】
(2)実施例2
インピーダンス調整回路12を、例えば図22の12bに示すようにスイッチSW1により構成することも可能である。このスイッチSW1はMEMSやPINダイオードやMESFET(Metal Semiconductor FET)等からなり、携帯端末の図示しない制御回路から出力される切替制御信号SW1によりオン/オフ動作する。
【0042】
制御回路は、携帯端末の動作モードに応じて上記切替制御信号SWC1を出力する。例えば、携帯端末が通話モードにより動作している期間には、スイッチSW1をオンさせる切替制御信号SWC1を出力し、一方メールの送受信やウエブアクセス等のデータ通信モードにより動作している期間には、スイッチSW1をオフさせる切替制御信号SWC1を出力する。
【0043】
このような構成であると、携帯端末が通話モードにより動作しているときには、スイッチSW1がオン状態となって導電体6が接地パターン2に接続される。このため、前記第1の実施形態で述べたように放射パターンは前面方向への利得が抑制される。したがって、通話のために利用者の頭部が携帯端末に接触又は近接していても、利用者の頭部による放射利得の影響は軽減される。
【0044】
これに対し携帯端末がメールの送受信やウエブアクセス等のように無線モジュールが利用者の頭部に接触又は近接しない状態で使用されるデータ通信モードのときには、スイッチSW1がオフとなって導電体6は接地パターン2から切り離される。すなわち、携帯端末は導電体6の無い状態で動作する。このため、放射パターンの指向性を一様にしてより効率の良い放射を実現できる。
【0045】
(第4の実施形態)
この発明の第4の実施形態は、回路基板1に、複数の無線回路とアンテナが設けられている場合に、このうちの一つのアンテナを導電体として使用できるように構成したものである。
図23は、この発明の第4の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。なお、同図において前記図1と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。回路基板1の裏面には、第1の無線回路3とそのアンテナ5に加えて、第2の無線回路13が設けてある。この第2の無線回路13には信号線パターン14を介して接続回路15が接続され、この接続回路15に第2のアンテナ16が接続される。
【0046】
(1)実施例1
実施例1は、第1のアンテナ5及び第2のアンテナ16が、異なる無線システム用として使用される場合の構成を示すものである。
第2のアンテナ16は、第1のアンテナ5を使用して無線送信を行う場合の主放射波を生成する辺上であって、かつ上記第1のアンテナ5に対する給電点から1/4波長離れた位置に設置される。接続回路15は、図24の15aに示すように可変リアクタンス素子RCにより構成される。
【0047】
このように構成すると、例えば携帯端末の受信期間において、第2のアンテナ16は第2の無線回路13への無線周波信号のダイバーシチ受信用アンテナとして動作すると共に、送信期間には第1のアンテナ5による放射特性等を改善するための導電体6として動作することになる。すなわち、第2のアンテナ16は導電体6として兼用される。したがって、別途導電体6を設けることなく本発明の効果を得ることができる。また、可変リアクタンス素子RCや整合回路を介挿することで、整合のとれる周波数範囲をより広くすることができる。
【0048】
なお、図34に示すように、第2のアンテナ16の所定の中間位置を第2の無線回路13による給電点BP2に接続し、第2のアンテナ16の基端部を回路基板1の接地パターン2に接地するようにしてもよい。このように構成することによっても、第2のアンテナ16を導電体6として兼用することが可能となる。
【0049】
(2)実施例2
この実施例2は、第1の無線回路3及びそのアンテナ5を移動通信用として使用し、一方第2の無線回路13とそのアンテナ16を無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の近距離データ通信用として使用する場合の構成を示すものである。
【0050】
第2のアンテナ16は、第1のアンテナ5を使用して無線送信を行う場合の主放射波を生成する辺上であって、かつ上記第1のアンテナ5に対する給電点からその無線周波信号の1/4波長離れた位置に設置される。接続回路15は、図25の15bに示すように、切替スイッチSW2と、インダクタL2とから構成される。切替スイッチSW2は半導体スイッチ等からなり、携帯端末の制御回路(図示せず)から出力される切替制御信号SWC2に従い、第2のスイッチ素子16の基端部を第2の無線回路13と接地パターン2に択一的に接続する。なお、インダクタL2は上記第2のスイッチ素子16を接地する際に、その基端部と接地パターン2との間に介挿される。
【0051】
制御回路は、携帯端末の動作モードに応じて、近距離データ通信期間中に切替スイッチSW2を第2の無線回路13に接続するための切替制御信号SWC2を出力し、一方移動通信の送信期間中には切替スイッチSW2を接地パターンに接続するための切替制御信号SWC2を出力する。
【0052】
このような構成であるから、例えば図示しないイヤホンユニットに対しオーディオデータを送信するために近距離データ通信が行われている期間には、切替スイッチSW2が第2の無線回路13側に切り替わって当該第2の無線回路13に接続される。このため、第2の無線回路13から出力された近距離データ通信用の送信信号は第2のアンテナ16を介して無線送信される。
【0053】
これに対し移動通信により通話が行われている期間には、切替スイッチSW2が接地パターン2側に切り替わって、インダクタL2を介して接地パターン2に接続される。このとき、第2のスイッチ素子16の接地位置は、第1のアンテナ5の給電点から移動通信用の無線周波信号の1/4波長離れた位置となるように設定されている。このため、前記第1の実施形態等で述べたように、接地パターン2に流れる電流の一部が上記第2のアンテナ16に流れることにより接地パターン2に流れる電流が低減され、これにより端末の前面方向(利用者の頭部方向)への放射利得は抑えられる。
【0054】
したがって、通話のために利用者の頭部が携帯端末に接触又は近接していても、利用者の頭部による放射利得の影響は軽減される。また、前記第1の実施形態と同様にインピーダンス特性の向上及び広帯域化が可能となる。さらに、第2のアンテナ16をインダクタL2を介して接地したことで、第2のアンテナ16のインピーダンスを最適な値に調整することができる。
すなわち、近距離データ通信用に設けられた第2のアンテナ16を、移動通信を行う際の導電体6として兼用することができる。また、この第2のアンテナ16を導電体6として兼用することで、別途導電体を設ける必要がなくなり、これにより無線モジュール、延いては携帯端末の大型化を防止できる。
【0055】
(第5の実施形態)
この発明の第5の実施形態は、折り畳み型の携帯端末に設けられる無線モジュールのように、2つの回路基板ユニットをフレキシブルケーブル或いは細線同軸ケーブルにより接続した無線モジュールにおいて、一方の回路基板ユニットに複数組の無線回路とそのアンテナを設け、このうちの一つのアンテナを導電体として使用できるように構成したものである。
【0056】
図26は、この発明の第5の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。なお、同図において前記図1及び図23と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
この実施形態の無線モジュールは、携帯端末の下側筐体に収容される第1の回路基板1と、上側筐体に収容される第2の回路基板7との間を、フレキシブルケーブル19とそのコネクタ17,18を介して接続したものである。上記各回路基板1,7のうちの第1の回路基板1の裏面には、第1の無線回路3とそのアンテナ5に加えて、第2の無線回路13が設けてある。この第2の無線回路13には信号線パターン14を介して接続回路15が接続され、この接続回路15に第2のアンテナ16が接続される。
【0057】
接続回路15の構成には、前記第4の実施形態で述べたように可変リアクタンス素子RCやインダクタ、キャパシタ等を用いて第2のアンテナ16を第2の無線回路13に接続するものと、切替スイッチSW2を使用することにより、第2のアンテナ16を携帯端末の通信モードに応じて第2の無線回路13と接地パターン2に択一的に接続するものがある。
【0058】
この実施形態によれば、2つの回路基板ユニットから構成される無線モジュールにおいて、前記第4の実施形態と同様に第2のアンテナ16を導電体6として機能させることにより、放射特性及びインピーダンス特性の改善を図ることが可能となると共に広帯域化が可能となり、しかも第2のアンテナ16を導電体6として兼用することにより、別途導電体を設ける必要がなくなって、無線モジュール、延いては携帯端末の大型化を防止できる。
【0059】
(その他の実施形態)
導電体6の構成や接地位置、接地構造には種々の変形例が考えられる。例えば、図27に示すように回路基板1に切欠部20を設け、この切欠部20に導電体6を収容するように構成するとよい。このようにすると、導電体6が回路基板1の側面部から突出しないようにすることができる。
【0060】
また、図28に示すように導電体6と回路基板1との間に磁性部材21を介在させる。このようにすると、導電体6の小型化が可能なる。導電体また、透磁率の高い磁性体を用いることで、導電体6と回路基板1との間の間隔を大きく設定する必要がなくなり、これにより無線モジュールの小型化が可能となる。なお、磁性部材21の代わりに誘電部材を設けることも可能である。
【0061】
一方、導電体の接地位置は、例えば図29、図30又は図31の6a,6b,6cに示すように、アンテナ5の給電点BP1に近い辺に設定してもよく、また図35に示すように回路基板1の背面上に設けてもよい。また、導電体6の構成については、例えば図29の6aに示すように全部又は一部をクランク状に折曲形成してもよい。このように構成すると、設置スペースの都合上長尺な導電体を設置できない場合でも、必要な実効電気長を確保することができる。なお、例えば図32に示すようにクランク状に形成されたアンテナ5aに応じて、長尺な導電体を設ける必要がある場合に、回路基板1dのように導電体6dを設置する辺の長さが十分に長い場合には、長尺な導電体6dをそのまま回路基板1dの辺に沿って設置するようにしてもよい。
【0062】
また、回路基板1における上記導電体6の接地位置は、給電点BPから無線周波信号の1/4波長離間した位置に限定されるものではなく、その近傍であれば如何なる位置に設定してもよい。また、給電点BPから導電体6の先端部までの実効電気長についても無線周波信号の1/2波長に限定されるものではなく、それに近い値であれば如何なる長さに設定してもよい。
【0063】
その他、回路基板の形状やサイズ、導電体の構成や設置位置、無線モジュールが送受信する無線周波信号周波数、携帯端末の種類等についてもこの発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した無線モジュールにおける導電体の接地位置と無線モジュールの長さを説明するための図である。
【図3】図1に示した無線モジュールにおいて、1820MHz で直列共振モードが発生したときの回路基板上における電流の分布とその強度の第1の例を示す図である。
【図4】図1に示した無線モジュールにおいて、1910MHz で並列共振モードが発生したときの回路基板上における電流の分布とその強度の第1の例を示す図である。
【図5】図1に示した無線モジュールにおいて、2040MHzで直列共振モードが発生したときの回路基板上における電流の分布とその強度の第1の例を示す図である。
【図6】導電体を設けない場合の回路基板上の電流の分布とその強度の一例を示した図である。
【図7】図1に示した無線モジュールにおいて発生する放射パターンの一例を示す図である。
【図8】導電体を装荷しない場合の放射パターンの一例を示す図である。
【図9】図1に示した無線モジュールにおけるインピーダンス特性の一例を示した図である。
【図10】図1に示した無線モジュールにおけるVSWR特性の一例を示した図である。
【図11】図1に示した無線モジュールにおいて、回路基板の主放射波が発生する辺上における電流値を示す図。
【図12】図1に示した無線モジュールにおいて、回路基板の主放射波が発生する辺上における電流値を示す図。
【図13】この発明の第2の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。
【図14】図13に示した無線モジュールにおいて回路基板上に発生する電流の分布とその強度の例を示す図である。
【図15】導電体を設けない場合の回路基板上の電流の分布とその強度の一例を示した図である。
【図16】図13に示した無線モジュールにおいて発生する放射パターンの一例を示す図である。
【図17】導電体を装荷しない場合の放射パターンの一例を示す図である。
【図18】図13に示した無線モジュールにおけるインピーダンス特性の一例を示した図である。
【図19】図13に示した無線モジュールにおけるVSWR特性の一例を示した図である。
【図20】この発明の第3の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。
【図21】図20に示した無線モジュールにおける第1の実施例の構成を示す回路図。
【図22】図20に示した無線モジュールにおける第2の実施例の構成を示す回路図。
【図23】この発明の第4の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。
【図24】図23に示した無線モジュールにおける第1の実施例の構成を示す回路図。
【図25】図23に示した無線モジュールにおける第2の実施例の構成を示す回路図。
【図26】この発明の第5の実施形態に係わる無線モジュールの構成を示す斜視図である。
【図27】この発明の他の実施形態に係わる無線モジュールの第1の例を示す図である。
【図28】この発明の他の実施形態に係わる無線モジュールの第2の例を示す図である。
【図29】この発明の他の実施形態に係わる無線モジュールの第3の例を示す図である。
【図30】この発明の他の実施形態に係わる無線モジュールの第4の例を示す図である。
【図31】この発明の他の実施形態に係わる無線モジュールの第5の例を示す図である。
【図32】この発明の他の実施形態に係わる無線モジュールの第6の例を示す図である。
【図33】この発明の第3の実施形態に係わる無線モジュールの変形例を示す図である。
【図34】この発明の第4の実施形態に係わる無線モジュールの変形例を示す図である。
【図35】この発明の他の実施形態に係わる無線モジュールの第7の例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1…回路基板(第1の回路基板)、2,8…接地パターン、3…無線回路(第1の無線回路)、41…アンテナ接続端子(給電端子)、42,14…信号線パターン、5…アンテナ(第1のアンテナ)、6…導電体、7…第2の回路基板、9,10,17,18…コネクタ、11,19…フレキシブルケーブル、12…インピーダンス調整回路、13…第2の無線回路、15…接続回路、16…第2のアンテナ、20…切欠部、21…磁性部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地パターンを形成した回路基板に無線回路が実装された無線モジュールにおいて、
前記無線回路に接続されるアンテナと、
前記回路基板の、通話時に人体に対向する第1の面と反対側の第2の面又は側面に対向する位置であってかつ主放射波を生成する辺に沿って配置され、前記アンテナの使用時に前記回路基板の接地パターンに流れる電流の一部を側流する機能を有する導電体と
を具備し、
前記導電体は、その基端部が前記無線回路とアンテナとの接続点から前記アンテナが送受信する無線周波信号の1/4波長離間した位置又はその近傍で前記接地パターンに接続されてなることを特徴とする無線モジュール。
【請求項2】
接地パターンを形成した回路基板に無線回路が実装された無線モジュールにおいて、
前記無線回路に接続されるアンテナと、
前記回路基板の、通話時に人体に対向する第1の面と反対側の第2の面又は側面に対向する位置であってかつ主放射波を生成する辺に沿って配置され、前記アンテナの使用時に前記回路基板の接地パターンに流れる電流の一部を側流する機能を有する導電体と
を具備し、
前記導電体は、先端部が開放されると共に、基端部が、前記無線回路とアンテナとの接続点から前記先端部までの実効電気長が前記アンテナが送受信する無線周波信号の1/2波長又はそれに近い値となる位置で前記接地パターンに接続されてなることを特徴とする無線モジュール。
【請求項3】
前記導電体の基端部と前記回路基板の接地パターンとの間に介挿され、前記無線回路とアンテナとの接続点から見た前記導電体のインピーダンスを調整するインピーダンス調整部を、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の無線モジュール。
【請求項4】
前記導電体の基端部と前記回路基板の接地パターンとの間に介挿され、無線モジュールに要求される動作モードに応じて、前記接地パターンに対し前記導電体を接続した状態と、前記接地パターンから前記導電体を切り離した状態とを切り替えるスイッチを、さらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の無線モジュール。
【請求項5】
接地パターンを形成した回路基板に、第1の期間に動作する第1の無線回路と、前記第1の期間とは異なる第2の期間に動作する第2の無線回路がそれぞれ実装された無線モジュールにおいて、
前記第1の無線回路に接続される第1のアンテナと、
前記回路基板の、通話時に人体に対向する第1の面と反対側の第2の面又は側面に対向する位置であってかつ前記第1の期間に主放射波を生成する辺に沿って配置され、前記第2の無線回路に接続される第2のアンテナと、
前記第2の無線回路と前記第2のアンテナとの間に介挿される接続切替回路と
を具備し、
前記接続切替回路は、前記第2の期間に前記第2のアンテナを前記第2の無線回路に接続し、前記第1の期間には前記第2のアンテナを前記第1の無線回路と第1のアンテナとの接続点から当該第1のアンテナが送受信する無線周波信号の1/4波長離間した位置又はその近傍で前記接地パターンに接続することを特徴とする無線モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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