説明

無線伝送システム

【課題】移動する送信装置と、送信装置から送信される電波を受信する受信装置と、表示部と、を備えた無線伝送システムにおいて、三次元を用いた伝送に関する情報の表示を有効に行う。
【解決手段】表示部は、送信装置(送信点402)から受信装置(受信点401)を見た場合における送信装置の後方から受信装置を見る視点で、三次元地図を用いた表示(例えば、図4に示されるような表示)を行う。また、表示部は、送信装置と受信装置の2点の位置を含む範囲を上空から見る視点で地図を用いた表示を行う機能や、送信装置と受信装置の2点の位置を含む範囲を水平に見る視点で地図を用いた表示を行う機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、無線伝送を用いた遠隔制御監視システムなどに適用可能な無線伝送システムに関し、特に、伝送に関する情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線伝送を用いた遠隔制御監視システムの一例として、放送に使用される図1に示されるようなFPU(Field Pick−up Unit)を用いた基地局間の固定無線伝送を含むマイクロ受信基地局システムが挙げられる。
このようなマイクロ受信基地局システムでは、FPUと呼称される約333MHz以上の高周波で映像、音声、データ(放送の素材)を伝送する無線伝送装置の送信側を中継車やヘリコプタ等に搭載して移動させ、回転受信アンテナ装置で受信し、放送局等の固定局に約3GHz以上の高周波で無線伝送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−134915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような遠隔制御監視システムでは、伝送路に関する情報を表示する技術について、更なる開発が要求されていた。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、三次元を用いた伝送に関する情報の表示を有効に行うことができる無線伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、移動する送信装置(送信点)と、前記送信装置から送信される電波を受信する受信装置(受信点)と、表示部と、を備えた無線伝送システムにおいて、次のような構成とした。
すなわち、前記表示部は、前記送信装置側から前記受信装置を見る視点(例えば、図4に示される送信視点)、または、前記受信装置側から前記送信装置を見る視点(例えば、図3に示される受信視点308)で、三次元地図を用いた表示を行う。
従って、三次元地図を用いて、送信装置側から受信装置を眺めた場合の様子や受信装置側から送信装置を眺めた場合の様子をユーザに示すことができ、三次元を用いた伝送に関する情報の表示を有効に行うことができる。これにより、ユーザの使い勝手を良くすることができる。
ここで、送信装置側から受信装置を見る視点としては、種々な視点が用いられてもよく、一例として、送信装置から受信装置を見た場合における送信装置の後方から受信装置を見る視点を用いることができる。
また、受信装置側から送信装置を見る視点としては、種々な視点が用いられてもよく、一例として、受信装置から送信装置を見た場合における受信装置の後方から送信装置を見る視点を用いることができる。
【0006】
また、移動する送信装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、移動体に載せられて当該移動体の移動に従って移動するFPU送信機、などを用いることができる。
また、受信装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、基地局に設けられたFPU受信機、などを用いることができる。
また、表示部としては、システムのいずれのところ(例えば、装置)に設けられてもよく、一構成例として、システムには受信装置を制御する制御装置(例えば、操作端末)が備えられ、当該制御装置に表示部が設けられ、他の構成例として、FPU送信機やFPU受信機などの装置に表示部が設けられてもよく、また、複数のところに表示部が設けられてもよい。また、ユーザによる操作部がシステムの任意のところに設けられてもよく、例えば、表示部と同じところに設けられてもよい。
【0007】
また、三次元地図としては、種々なものが用いられてもよい。
また、三次元地図を用いた表示において、表示される情報としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、送信装置の位置、受信装置の位置、送信装置と受信装置との間の伝送路における障害に関する情報、などを用いることができる。
また、無線伝送に対する障害に関する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、障害が存在する位置や、その障害の特徴や、その障害の程度などの情報を用いることができる。
【0008】
本発明に係る無線伝送システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記表示部は、前記送信装置と前記受信装置の2点の位置を含む範囲を上空から見る視点(例えば、図5に示される空中(上空)視点)で地図(例えば、二次元の地図)を用いた表示を行う機能と、前記送信装置と前記受信装置の2点の位置を含む範囲を水平に見る視点(例えば、図6に示される水平視点)で地図(例えば、二次元の地図)を用いた表示を行う機能の内の一方又は両方を有する。
従って、様々な視点で伝送に関する情報を表示することができ、ユーザの使い勝手を良くすることができる。
【0009】
ここで、地図を用いた表示において、表示される情報としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、送信装置の位置、受信装置の位置、送信装置と受信装置との間の伝送路、送信装置と受信装置との間の伝送路における障害に関する情報、などを用いることができる。
【0010】
本発明に係る無線伝送システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記受信装置として、複数の受信装置が存在する。
前記表示部は、前記送信装置について、2以上の受信装置の各々との伝送路の情報を含めて、地図(例えば、二次元の地図又は三次元の地図)を用いた表示(例えば、図8に示されるような表示)を行う。
従って、ある送信装置について、2以上の受信装置の各々との伝送路に関する情報をユーザが把握することができ、ユーザの使い勝手を良くすることができる。
【0011】
ここで、1つの送信装置について2以上の受信装置の各々との伝送路の情報を含めて地図を用いた表示を行う場合における2以上の受信装置の数としては、種々な数が用いられてもよく、例えば、存在する全ての受信装置が対象とされてもよく、或いは、予め設定された距離の閾値などの条件に基づいて、当該送信装置との間の距離が近い(小さい)受信装置のみが対象とされるような構成が用いられてもよい。
【0012】
また、1つの送信装置について2以上の受信装置の各々との伝送路の情報を含めて地図を用いた表示を行う場合における2以上の受信装置としては、例えば、当該送信装置が現在において通信(信号を伝送)していない受信装置(受信装置の候補)が含まれ、また、当該送信装置が現在において通信している受信装置がある場合にはそれが含まれてもよい。
また、例えば、複数の送信装置が存在するような場合には、ユーザなどにより表示の対象とする送信装置を選択(指定)することができる構成が用いられてもよい。
【0013】
本発明に係る無線伝送システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記表示部は、前記送信装置について2以上の受信装置の各々との伝送路の情報を含めて地図を用いた表示を行う場合に、障害が無いと判定された伝送路を他の伝送路と識別することが可能な態様で表示(例えば、図8に示されるような表示)を行う。
従って、ある送信装置について、2以上の受信装置の各々との伝送路に関する情報を表示する場合に、障害が無いと判定された伝送路(その受信装置)をユーザが容易に把握することができ、ユーザの使い勝手を良くすることができる。
【0014】
ここで、伝送路における障害の有無を判定する方法としては、種々な方法が用いられてもよく、例えば、伝送路における山や建物などの障害物が存在しない場合に障害が無いと判定する方法や、或いは、伝送路における山や建物などの障害物の影響を考慮して計算された伝送品質が所定の閾値と比べて良好である場合に障害が無いと判定する方法、などを用いることができる。
また、表示において伝送路を識別する方法としては、種々な方法が用いられてもよく、例えば、伝送路を表す線(伝送路線)の太さや色や種類などを変化させる方法を用いることができる。
【0015】
本発明では、移動する送信装置と、前記送信装置から送信される電波を受信する受信装置と、表示部と、を備えた無線伝送システムにおいて、次のような構成とした。
すなわち、前記表示部は、二次元地図を用いた表示(例えば、図10に示されるような表示)を行う機能と、二次元地図を用いた表示において伝送路及び視点が特定された場合にそれに対応する三次元地図を用いた表示(例えば、図11に示されるような表示)を同一の画面で行う機能を有する。
従って、二次元地図を用いた表示において、伝送路及び視点が特定されると、特定された伝送路及び視点に対応する三次元地図を用いた表示が行われるため、三次元を用いた伝送に関する情報の表示を有効に行うことができる。これにより、ユーザの使い勝手を良くすることができる。
【0016】
ここで、二次元地図としては、種々なものが用いられてもよい。
また、伝送路を特定する方法としては、例えば、ユーザにより選択(指定)された伝送路を特定する方法や、或いは、二次元地図を用いた表示において1つの伝送路に関する情報のみが表示されている場合にその伝送路を特定する方法や、或いは、予め設定された所定の伝送路を特定する方法、などを用いることができる。
また、視点を特定する方法としては、例えば、ユーザにより選択(指定)された視点を特定する方法や、或いは、予め設定された所定の視点を特定する方法、などを用いることができる。
【0017】
また、二次元地図を用いた表示に対して、同一の画面で、三次元地図を用いた表示を行う態様としては、例えば、二次元地図を用いた表示の枠(ウィンドウ)とは異なる枠に三次元地図を用いた表示を行う態様や、或いは、二次元地図を用いた表示の枠内の当該表示の内容を消去して、当該枠内に三次元地図を用いた表示を行う(つまり、上書きする)態様を用いることができる。
【0018】
(種々な構成例の説明)
以下に示す種々な構成例については、本発明に適用されてもよい。
一構成例として、表示部は、送信装置と受信装置の2点の位置を含む三次元地図に、これら2点の間を結ぶ線(例えば、方調線)と、これら2点の間の無線伝送に対する障害に関する情報を表示する。
従って、例えば、伝送路及び障害領域の表示をより明解にし、ユーザの伝送可否判断をより迅速かつ効果的に支援することができる。
ここで、表示部では、例えば、三次元地図の上に、2点の間を結ぶ線や、無線伝送に対する障害に関する情報(他にも三次元地図上の表示対象があればその情報も)が重畳されて表示される。
【0019】
一構成例として、表示部は、三次元地図に、前記2点の間の無線伝送に関するフレネルゾーンの情報を表示する。
従って、無線伝送の状況をより明解にユーザに視覚的に提示することができる。
ここで、フレネルゾーンの情報としては、例えば、第一フレネルゾーンの情報を用いることができる。
【0020】
一構成例として、表示部は、前記2点の間を結ぶ線が変化した場合(例えば、再描画する場合)に、三次元地図に表示された情報の全部又は所定の一部を残像として表示し続ける。
従って、その残像により、ユーザに対して種々な配置での無線伝送の状況を把握し易くすることができる。
ここで、残像とする情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、前記2点の間を結ぶ線や、障害に関する情報などを用いることができる。
【0021】
一構成例として、表示部は、二次元地図を用いた表示と三次元地図を用いた表示を切り替える機能を有している。また、無線伝送システムは、表示部に対して二次元地図を用いた表示と三次元地図を用いた表示を切り替える指示を与える切り替え指示手段を備えている。
従って、ユーザによる切り替え指示の操作により、二次元地図を用いた表示と三次元地図を用いた表示を切り替えることができ、ユーザの利便性をより高めることができる。
ここで、二次元地図を用いた表示と三次元地図を用いた表示を切り替える態様としては、例えば、二次元地図を用いた表示から三次元地図を用いた表示へ切り替える態様や、三次元地図を用いた表示から二次元地図を用いた表示へ切り替える態様や、これらの両方向の切り替えを行う態様を用いることができる。
【0022】
一構成例として、表示部は、二次元地図を用いた表示と三次元地図を用いた表示を一画面で行う機能を有する。
従って、ユーザは、二次元地図を用いた表示と三次元地図を用いた表示を一画面で確認することができ、ユーザの利便性をより高めることができる。
【0023】
一構成例として、表示部は、二次元地図又は三次元地図を用いて、1つの送信装置に対する複数の受信装置の候補に関する情報(例えば、各候補の位置の情報など)を表示する。
一構成例として、表示部は、前記2点の間の無線伝送の状況に応じて、前記2点の間を結ぶ線の属性(例えば、太さや色や種類など)を変化させる機能を有する。
一構成例として、表示部は、無線伝送における伝搬損失や回折ロスなどに関する情報を表示する。
一構成例として、表示部は、障害に関する情報として、図形を用いた情報を表示する。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によると、三次元を用いた伝送に関する情報の表示を有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施例に係るマイクロ受信基地局システムの構成例を示す図である。
【図2】三次元電子地図を利用した伝送路の表示の一例を示す図である。
【図3】伝送路表示に係る三次元地図上での視点について説明するための図である。
【図4】三次元地図を用いた送信視点での表示の一例を示す図である。
【図5】三次元地図を用いた上空視点(空中視点)での表示の一例を示す図である。
【図6】三次元地図を用いた水平視点での表示の一例を示す図である。
【図7】遠隔制御監視の操作画面の一例を示す図である。
【図8】ユーザにより全基地プロフィール表示ボタンを押下した場合における地図部分の表示の一例を示す図である。
【図9】ユーザにより候補検索表示ボタンを押下した場合における操作画面の表示の一例を示す図である。
【図10】二次元地図を用いた無線伝送の制御監視システムにおける操作画面の表示の一例を示す図である。
【図11】三次元表示ボタンを押下した場合における操作画面の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
図1には、無線伝送を用いた遠隔制御監視システムの一例である本発明の一実施例に係るマイクロ受信基地局システムの構成例を示してある。
本例のマイクロ受信基地局システムには、送信点A11と、基地局12と、本社13と、送信点B14が設けられている。
【0027】
送信点A11は、送信部11−1、アンテナ11−2を備えている。
基地局12は、回転受信アンテナ装置12−1、受信部12−2、送信部12−3、被制御端局12−4、変復調部12−5、固定アンテナ12−6を備えている。
本社13は、固定アンテナ13−1、受信部13−2、回転受信アンテナ装置13−3、受信部13−4、復号部13−5、情報生成部13−6、情報編集部13−7、変復調部13−8、制御端局13−9、操作端末13−10を備えている。
送信点B14は、送信部14−1、アンテナ14−2を備えている。
【0028】
ここで、例えば、本例のシステムは放送システムに適用され、送信点A11や送信点B14は中継車やヘリコプタ等の移動体に載せられたFPU送信機であり、受信点となる基地局12はFPU受信機(例えば、回転受信アンテナ装置12−1)を備えており山頂やビルの上等に設置されて無人で動作し、本社13では送信点A11や送信点B14や基地局12に対してユーザの操作により又は自動的に遠隔の制御や監視(遠隔制御監視)が行われる。
【0029】
通常、本社13と基地局12との間の通信回線は固定的であり良好な通信状態であり、一方、送信点A11と基地局12との間の無線通信の状態は、これらの間の地形などにより変動する。このため、本社13では、端末(例えば、操作端末13−10)の画面に送信点A11と基地局12との間の無線通信の状態に関する情報を地図と共に表示してユーザからの操作を受け付け、また、送信点A11の位置情報等を取得して、これらに基づいて基地局12のアンテナ(例えば、回転受信アンテナ装置12−1)について回転等の制御を行う。
【0030】
本例のマイクロ受信基地局システムにおける動作の例を示す。
本例では、送信点A11及び送信点B14から本社13へ放送の素材を伝送する場合を説明する。
本社13から遠距離にある送信点A11からの素材は基地局12を通して本社13へ無線伝送される。まず、送信点A11にある送信部11−1は素材を無線伝送可能なマイクロ波信号に変換してアンテナ11−2から電波を送信する。ここで、送信部11−1は、SDI(Serial Digital Interface)信号をFPUでの伝送に用いられる固定長のパケット形式のフレームフォーマットであるTS(Transport Stream)信号に符号化し、それを中間周波信号に変調した後に、マイクロ波帯へ周波数変換してアンテナ11−2へ伝送する機能を有する。
【0031】
送信点A11から送信された電波は、基地局12内の回転受信アンテナ装置12−1で受信され、受信部12−2に送られる。ここで、受信部12−2は、例えば、マイクロ波帯の信号を中間周波信号へ周波数変換する機能や、これをTS信号へ復調する機能や、これをSDI信号へ復号する機能を有する。但し、基地局12内の受信部12−2においては、最小限信号劣化のないTS信号へ変換するまでの機能があればよい。このTS信号は、送信部12−3へ送られ、固定アンテナ12−6から電波で送信される。受信部12−2と同様に、基地局12内の送信部12−3は、最小限TS信号をマイクロ波帯へ変換する機能があればよい。
【0032】
基地局12から送信された電波は、本社13の固定アンテナ13−1で受信され、受信部13−2、復号部13−5によってSDI信号へ復号されて、本線へ送られる。
また、本社13から近距離にある送信点B14からの素材は、送信部14−1を通りアンテナ14−2から送信され、直接に本社13の回転受信アンテナ装置13−3で受信され、受信部13−4、復号部13−5によって復号されて本線へ送られる。
【0033】
本例のマイクロ受信基地局システムを用いた無線伝送では、基地局12において送信点A11からの電波を如何に効率よく受信できるかが重要となってくる。つまり、送信点A11の位置によって、基地局12内の回転受信アンテナ装置12−1のアンテナは方向を変えられねばならない。このため、本例のマイクロ受信基地局システムでは、この回転受信アンテナ装置12−1は、本社13からの遠隔制御により回転が可能な回転架台をアンテナに有している。
【0034】
その制御監視方法は次の通りである。
本社13内において、操作端末13−10よりネットワークに送信された制御パケットは、制御端局13−9で受信され、シリアル信号に変換される。ここで、ネットワークに複数の操作端末、複数の制御端局をつなげて、それぞれの機器IDによって送信相手、受信相手を特定して送受信することも可能である。前記シリアル信号は、更に、変復調部13−8において、例えばアナログ信号に変調されて基地局12へ向けて送信される。このアナログ信号は、基地局12内の変復調部12−5で受信され、シリアル信号に復調された後に、被制御端局12−4へ送信される。被制御端局12−4は、受信した制御信号を解読して、回転受信アンテナ装置12−1へ制御を行う。
【0035】
基地局12の回転受信アンテナ装置12−1における角度などの監視情報は、監視信号として被制御端局12−4へ送られる。被制御端局12−4は、その情報をシリアル信号として変復調部12−5へ送信し、変復調部12−5は、それを例えばアナログ信号に変調して本社13に向けて送信する。本社13内の変復調部13−8は受信したその信号をシリアル信号へ復調して、制御端局13−9へ送信する。制御端局13−9は、受信したそのシリアル信号を解読して、監視パケットを前記ネットワークへ送信する。操作端末13−10はこの監視パケットを受信して、端末上に情報として表示する。
【0036】
以上のようにして、基地局12内の回転受信アンテナ装置12−1の制御監視が可能である。更に、本例のマイクロ受信基地局システムでは、基地局12に設置された受信部12−2や送信部12−3における受信・送信レベル、送受信チャンネル(周波数帯)、変調方式、送信出力、復号方式、また、例えば、信号切替器の接点選択、信号多重・分離装置の信号入力・出力選択などは、回転受信アンテナ装置12−1への制御監視と同様に、操作端末13−10−制御端局13−9−被制御端局 12−4−制御装置(制御対象となる装置)の一連の信号伝達によって制御監視が可能である。
【0037】
また、送信点B14からの素材伝送用に本社13に直接送信する場合は、操作端末13−10−制御端局13−9−制御装置(制御対象となる装置)という信号伝達経路を用いて、本社13に存在する回転受信アンテナ装置13−3や受信部13−4などの装置に対して制御監視が可能である。
【0038】
また、本例のマイクロ受信基地局システムでは、受信アンテナ12−1、13−3の方向調整を行うためのより詳細な情報の提供として、受信部12−2、13−4における受信周波数や変調方式などの伝送パラメータを含むTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報、受信レベル、余裕度(Margin Degree)、BER(Bit Error Rate)、MER(Modulation Error Ratio)、遅延プロファイル、コンスタレーションなどのデータを例えば前記したTS信号に重畳させて本社13の内部へ伝送し、受信部13−2、13−4からの信号から情報生成部13−6によってそのデータを分離し、情報編集部13−7によって編集し、操作端末13−10上(例えば、その画面)に表示させる、という方法がある。
【0039】
(本実施例の背景技術及び課題)
なお、以下で示す背景技術及び課題に関しては、本実施例の説明を分かり易くするためのものであり、必ずしも公知ではない。
図2には、三次元電子地図を利用した伝送路の表示の一例を示してある。
図2に示される表示画面には、三次元電子地図が表示され、そこに、受信点201、送信点202、伝送路線(受信点201からすると、アンテナ角度表示線となるもの)203、障害の表示(障害領域を示すもの)204、角度基準線205、206、方位指標207が示されている。このような表示方式により、それまで別々に表示されていた伝送路情報と高度情報が1画面に統合された。これにより、例えば、地形的要素に留意した見通しの判断をユーザにとって容易化することができる。
なお、本例では、例えば、GPS(Global Positioning System)の情報や地図の緯経度・標高情報から各位置を検出して地図上に表示する。
【0040】
まず、本例における地図は三次元である。例えば、従来の三次元技術によって、地図上に高度情報が付加され、よって、縦方向の変化についても地図上で確認することができる。地図上の送信点202及び受信点201を結ぶ伝送路の線(伝送路線)203を表示させる場合において、伝送上の障害となる領域を特徴付けることで、地形的要素を考慮した情報を統合的に提供することが可能となる。例えば、図2では、障害の範囲を注視させている。これによれば、従来の一伝送路を切り取ったプロフィール表示に比べ、周辺の地形情報を把握した現伝送路の検討が可能となる。つまり、ユーザは現伝送路における伝送利得に係る伝搬損失、又は障害による損失ロスと、障害回避のための送信移動・移設コストを1画面の情報のみで高度及び周辺の両地形的要素に留意し比較・判断することができる。
【0041】
ここで、約333MHz以上の高周波の伝搬損失については、送信出力、各アンテナ電力利得(送信周波数及びアンテナ径により導出することが可能)、距離により算出することが可能であり、これらは送信側からの線の太さや色など、或いは数値を用いて表現することが可能である。また、図2では、同時に障害点での電波回折による伝送可否判断を支援している。伝送路における見通しが遮られる場合の回折ロスについては、例えば、受信点高度、送信点高度、障害点高度、送信電波波長によって導出される回折パラメータを用いて近似導出することが可能である。
【0042】
これらは、近年利用が拡大しているデジタル変調し約333MHz以上の高周波での伝送において、本例では、伝送路の表示について、障害領域通過後の減衰量を伝送路線203の太さで表示している。つまり、デジタル変調の約333MHz以上の高周波の伝送に対応した回折損失なども伝送路と同時に確認することができ、地形的要素を含めた伝送可否判断について、他地点への移動コストをふまえ伝送路を相対的に検討することが可能となる。
【0043】
ここで、本例では、図2の表示内容は、本社13の操作端末13−10の画面に表示され、また、操作端末13−10ではユーザからの操作を受け付ける。送信点202は送信点A11の位置を示し、受信点201は基地局12の位置を示している。
受信点201の回転受信アンテナ装置12−1について、角度基準線205は水平(H)0°のところを示し、角度基準線206は垂直(高さV)0°のところを示す。本例では、H0°は北を示し、プラスになるほど、北から、東、南、西へ変化する。
障害の表示204は、無線伝送路が山等で遮蔽されているところを示し、障害がある部分を所定の色で塗ってある。
【0044】
伝送路線203(例えば、線の太さや色や種類など)は、例えば、自由空間における伝送電波の伝搬損失や、障害(障害の表示204)の影響(例えば、回折)などの1以上に基づいて決められる。伝送路線203については、例えば、電波が通らないところは線を消してもよい。
方位指標207は、操作によって回すことができ、それに伴って、表示される地図も回転する。
【0045】
なお、図2に示される各種の情報については、任意の一部のみが表示されてもよく、或いは、本例で示していない他の情報が更に表示されてもよい。
具体例として、伝送路に関して、電波伝搬主領域とされる伝送の第一フレネルゾーンを表示する構成が用いられてもよい。電波伝搬主領域は、例えば、例えば、自由空間における伝送電波の伝搬損失や、障害(障害の表示204)の影響(例えば、回折)などの1以上に基づいて決められる。
【0046】
図2に示されるような表示方式では、地図上で地域周辺情報が付加されたことにより、ユーザは単に1伝送路上の障害状況のみではなく、電波のロス及び回避コストを考慮したトータルな伝送路確立検討が可能となる。
【0047】
しかしながら、このような三次元地図が格段に豊富な情報を保持する地図形態であるが故に、ユーザの地図操作は従来の二次元地図での操作に対して非常に複雑となる。例えば、二次元地図では単に水平方向の移動と地図縮尺のみの操作であったが、三次元地図では、これに加えて、高さ方向を加えた視点の移動が加わる。これにより、三次元地図では、単に1つの地点を表示するにしても、いずれの方向からいずれの角度で見るかという操作が必要となる。つまり、三次元地図では、操作方法も地図の情報量と同じく格段に複雑となってしまい、このため、ユーザには、見たい視点での表示になるように地図操作するという余計な手間が必要となってしまう。このような地図操作の複雑さを勘案するに、この問題には何らかの支援機構が必要である。
【0048】
そこで、本実施例では、以上のような課題に鑑み、例えば、三次元電子地図での地図操作を支援するとともに、伝送路確認作業に係る所要の情報表示を満足する視点を検索して表示することで、三次元伝送路表示におけるより有効な表示機能を提供することを目的とする。
【実施例】
【0049】
図3を参照して、まず、本例の伝送路表示に係る三次元地図上での視点について説明する。
図3において、伝送路を表す部は図2に示されるものに対応し、それぞれ、受信点301、送信点302、伝送路線303、障害の表示304を示している。
ここで、この伝送路を表示するための視点候補を、この伝送路の延長上の代表点(送信視点と称する)305、又は、この伝送路の中点の上空の代表点(上空視点と称する)306、又は、二次元平面上におけるこの伝送路の垂直二等分線上の代表点(水平視点と称する)307、と定義する。
【0050】
また、これらの視点以外にも、例えば、伝送路の延長上の代表点として、受信点の延長上から見た視点(受信視点と言える)308や、又は、二次元平面上におけるこの伝送路の垂直二等分線上の代表点として、伝送路に対して水平視点307の点と対称となる点(向かい側から眺めた水平視点と言える)309などが含まれてもよい。
なお、図3中の補足点として、伝送路の中点310を示してある。
【0051】
これらの視点から眺めたときにおける、図2に示される伝送路の表示例を図4、図5、図6に示す。
図4には、三次元地図を用いた送信視点での表示の一例を示してある。
図5には、三次元地図を用いた上空視点(空中視点)での表示の一例を示してある。
図6には、三次元地図を用いた水平視点での表示の一例を示してある。
【0052】
図4に示される送信視点での伝送路の表示例において、伝送路を表す部は図2に示されるものに対応し、それぞれ、受信点401、送信点402、障害の表示404を示している。なお、送信視点では、伝送路の線が見えない。
図5に示される上空視点での伝送路の表示例において、伝送路を表す部は図2に示されるものに対応し、それぞれ、受信点501、送信点502、伝送路503、障害の表示504を示している。
図6に示される水平視点での伝送路の表示例において、伝送路を表す部は図2に示されるものに対応し、それぞれ、受信点601、送信点602、伝送路603、障害の表示604を示している。
【0053】
これらの視点は、それぞれ、送信者の目線から眺めた表示(送信視点での表示)、二次元地図での表示(上空視点での表示)、地形断面プロフィールでの表示(水平視点での表示)に対応している。これら3つの視点は、それぞれが別次元の方向から対象を見定めるようになっているため、例えば、特に1つに限定せず3つを候補として挙げる方が効果的である。
例えば、図4に示される送信目線の表示では、基地局12の遠隔制御を行うユーザと現場との意思疎通がより円滑に行われると考えられる。また、図5や図6に示される表示では、例えば以前から同様な表示を利用しているユーザにとっては見慣れた表示となるため、伝送路の状況が理解し易いと考えられる。
【0054】
図7には、以上のような表示手法を機能的に構成する、遠隔制御監視の操作画面の一例を示してある。
本例では、この操作画面は、本社13の操作端末13−10の画面に表示され、ユーザが操作端末13−10の操作部を操作するとその操作内容を受け付ける。
【0055】
図7に示される操作画面の表示では、例えば従来と同様な機器制御監視機能として、受信レベルメータ701、受信レベル値702、回転アンテナ現在角度703、回転アンテナ監視情報704、受信機能監視情報705、送信点情報706、回転アンテナ制御ボタン707が示されており、また、三次元伝送路表示に係る機能として、三次元地図708、上空視点ボタン709、水平視点ボタン710、送信視点ボタン711、全基地プロフィール表示ボタン712、候補検索表示ボタン713、プロフィール設定ボタン714が示されている。
【0056】
なお、図7における三次元地図708では、障害ポイントを特徴付ける図形及び注釈補足としての文字列(本例では、「回折損失−10dB」という文字列)を表示させる態様を示してある。例示したものに限定することなく、障害の表示については、色、線分の太さ、線種、図形補足、注釈補足など、様々な方法が用いられてもよい。
【0057】
本例の操作端末13−10では、例えばユーザがマウスなどの操作手法を用いて操作画面上で各視点ボタン709〜711を押下した場合に、表示されている伝送路に関する情報(本例では、例えば、三次元地図708の枠内の表示内容)を指定された視点の表示に切り替えることが行われ、これにより、ユーザの地図操作時間は格段に短縮されると考えられる。
【0058】
次に、プロフィール関連ボタン712〜714について説明する。
全基地プロフィール表示ボタン712は、指定された送信点に対して、登録されている(例えば、予め或いは運用中に登録された)全ての基地局(受信点)について、伝送路を求めて表示する指示を受け付けるものである。
図8には、ユーザにより全基地プロフィール表示ボタン712を押下した場合における地図部分(本例では、例えば、三次元地図708の枠内の表示内容)の表示の一例を示してある。
図8に示される伝送路表示の例では、送信点801を中心として、第1の基地局(第1の受信点)802、第2の基地局(第2の受信点)803、第3の基地局(第3の受信点)804、送信点801と第1の基地局802との伝送路線805、送信点801と第2の基地局803との伝送路線806、送信点801と第3の基地局804との伝送路線807を表示している。また、伝送路線805の障害808及び伝送路線807の障害809を表示している。
【0059】
図8に示される表示例では、全ての基地局を表示する視点は、水平平面を網羅することができる上空視点となっている。
このような表示では、例えば、第1の基地局802及び第3の基地局804では伝送路上に障害808、809があること、をすぐに理解することができる。このような表示に際して、例えば、障害がある場合には伝送路線を赤で表示する一方、見通しとなる伝送路については伝送路線を緑で表示するなどすることにより、ユーザにとってより明解にすることができる。障害の有無などに応じて線の太さや色や線種等を変化させることができる。
なお、本例では、1つの送信点801に対して3つの基地局802〜804に関する情報を表示する場合を示したが、例えば、表示対象となる基地局が無い場合や1つである場合があってもよい。
【0060】
候補検索表示ボタン713は、選択された送信点について、伝送可能な伝送路(本例では、障害が無い伝送路)を自動的に検索する指示を受け付けるものである。
図9には、ユーザにより候補検索表示ボタン713(図9では、901)を押下した場合における操作画面の表示の一例を示してある。図9に示される伝送路候補表示の例は、図8に示される基地局配置である場合の例となっている。
なお、図9に示される表示例は、図7に示される表示例と比べて、三次元地図708の枠内の表示内容が切り替わっており、該当するボタン(候補検索表示ボタン901、送信視点ボタン902)の色が変えられている点を除いては、同様である。
【0061】
図9に示される表示例では、候補検索表示ボタン901の押下によって、図8に示される3つの基地局の中で見通しであった(本例では、障害が無かった)第2の基地局との伝送路に関する情報が、ユーザによって事前に選択されていた例えば送信視点ボタン902による送信視点で表示されている。また、特に伝送路候補表示であれば、その伝送路距離から自由空間損失によって計算される予想電界903を表示することが有効と考えられ、本例では表示している。
なお、このとき、送信側の情報が必要になるが、本例では、プロフィール設定ボタン904(図7では、714)を押下することにより送信側の設定を行っておくことで解決することができる。
【0062】
ここで、ユーザによりプロフィール設定ボタン904を押下した場合における設定内容(取得して設定する送信側の情報)としては、例えば、アンテナ径、送信周波数の情報、送信出力の情報、などが考えられる。なお、受信設定(受信側の情報の設定)については、例えば、現在において制御監視を行っている基地局からの監視情報又は事前の基地局情報を利用することができる。これらの情報に基づいて、1つの送信点に対して、登録されている基地局の全てについて、伝送路設定のための三次元地図を用いたトータルな比較や検討が可能となる。
【0063】
なお、図8に示されるような表示において、例えば、操作端末13−10を操作するユーザが、表示された複数の基地局(受信点)802〜804の候補の中から、任意の1つの基地局を選択して指定すると、この指定を受け付けた操作端末13−10が、送信点801と指定された基地局について、図2等に示されるような三次元地図を用いた各種の情報の表示を行う、構成とすることも可能である。
また、操作端末13−10では、ユーザの操作により、図8に示されるような平面表示と図2等に示されるような立体表示とを任意に切り替えることが可能な構成とすることもできる。
【0064】
図8に示されるような送信点の周辺情報の平面表示や、この平面表示と立体表示との切り替えは、ユーザの使い勝手を良くすることができる。例えば、伝送状況などに応じて、代替となる受信点(本例では、基地局)を検索することができる。また、例えば、操作端末13−10が、現在表示されている受信点(例えば、1つの受信点)以外の受信点(他の受信点)の伝送状況を検出して、代替候補となる1つ以上の受信点を表示することができる。
【0065】
更に、応用例を示す。
本例の伝送路表示手法は、例えば従来の二次元地図を用いた表示との併用によって、更に応用性を期待することができる。
図10には、二次元地図を用いた無線伝送の制御監視システムにおける操作画面の表示の一例を示してあり、三次元地図併用機能を備えている。
図10に示される操作画面の表示では、例えば従来と同様な機能として、受信レベルメータ1001(図7の701に対応したもの)、受信レベル値1002(図7の702に対応したもの)、回転アンテナ現在角度1003(図7の703に対応したもの)、回転アンテナ監視情報1004(図7の704に対応したもの)、受信機能監視情報1005(図7の705に対応したもの)、送信点情報1006(図7の706に対応したもの)、回転アンテナ制御ボタン1007(図7の707に対応したもの)、二次元電子地図表示1008が示されており、また、本例に特徴的な機能として、三次元地図へのインターフェースとして使用される三次元表示ボタン1009と、三次元からの取得ボタン(情報取得ボタン)1010が示されている。
【0066】
図11には、図10に示される表示において、ユーザにより三次元表示ボタン1009を押下した場合における操作画面の表示の一例を示してある。
図11に示される操作画面の表示例では、図10に示されるのと同様な表示内容において、それに加えて、視点選択プルダウン1101、三次元地図ウィンドウ1102が表示されている。また、該当するボタン(三次元表示ボタン1009)の色が変えられている。
【0067】
ユーザは、三次元地図ウィンドウ1102に三次元地図を用いた表示を行わせるに際して、視点選択プルダウン1101により、上空視点、水平(平面)視点、送信視点などの視点を選択することができる。このように、三次元地図により二次元地図に対して伝送路を同期させて表示させる際に、視点を選択させることで、ユーザにとって見易い状態で情報提供することが可能となる。なお、このとき、二次元地図から連絡される情報は、例えば、送信点、受信点の緯経度、及び高度と視点情報である。
【0068】
具体的には、ユーザの操作により三次元表示ボタン1009が押下されて視点選択プルダウン1101のいずれかの視点が選択されたことに応じて、操作端末13−10では、所定のプログラム(三次元地図プログラム)に、送信点情報(例えば、緯度、経度、高度)及び受信点情報(例えば、緯度、経度、高度)や視点に関する情報(視点情報)が送られ、それをもとに、該当する伝送路に関する情報が描画される。なお、通常は、地図上で伝送路を描画するためには、最低限、送信点と受信点の緯度、経度、高度の情報があればよく、また、更に他の情報が取得されて考慮されてもよい。
【0069】
ここで、例えば、ユーザは、二次元地図を用いて伝送路(例えば、送、受信点の位置)を設定した上で、それに同期した三次元地図を見て周辺を確認することが可能である。
また、例えば、二次元地図を用いた表示においてユーザが伝送路及び視点を選択(指定)したことに応じて、選択された伝送路及び視点に対応した三次元地図を用いた表示を行う態様ばかりでなく、二次元地図を用いた表示に存在する伝送路が1つである場合などのように伝送路が特定される場合には、ユーザが視点を選択(指定)したことに応じて、特定される伝送路について選択された視点に対応した三次元地図を用いた表示を行うような態様が用いられてもよい。
【0070】
また、図10や図11に示される操作画面の表示例では、三次元地図で示されている伝送路に関する情報を基にそれを二次元地図上に展開するための三次元からの取得ボタン1103(図10の1010に対応したもの)がある。
例えば、ユーザはその操作により、三次元地図上で伝送路(送、受信点の位置)を動かした後に、三次元地図からの情報取得ボタン1103を押下して、三次元地図上の伝送路情報に同期した情報を二次元地図上に描画することも可能である。操作端末13−10では、三次元地図からの情報取得ボタン1103が押下されると、三次元地図ウィンドウ1102の情報を二次元電子地図表示1008に反映させる。
【0071】
ここで、三次元表示ボタン1009や三次元地図からの情報取得ボタン1010(図11では、1103)は、他の構成例として、二次元電子地図表示1008内にあってもよく、或いは、三次元地図からの情報取得ボタン1010(図11では、1103)が、三次元地図ウィンドウ1102にあっても構わない。一例として、二次元地図上に三次元地図の呼び出しを行う三次元表示ボタン1009を設け、三次元地図上に二次元地図の呼び出し或いは二次元地図への反映を行う三次元地図からの情報取得ボタン1010(図11では、1103)を設けるような表示方法が用いられてもよい。
また、例えば、ユーザの操作により、三次元立体地図の表示と二次元平面地図の表示とを相互に切り替えすることができる構成とされてもよい。
図10及び図11を参照して示したような同一画面での二次元、三次元の表示は、ユーザの使い勝手を良くすることができる。
【0072】
なお、本例の表示例では、三次元地図を用いた情報はウィンドウとして別に表示しており、例えば同一の送信点及び受信点の組について、同一の画面(一画面)に三次元地図を用いた情報と二次元地図を用いた情報を表示しているが、他の構成例として、二次元電子地図(二次元電子地図表示1008)の表示枠の中をそのまま三次元電子地図の表示に置き換えてもよい。
また、一構成例として、同一画面で同時に表示される二次元地図画面と三次元地図画面の大小関係をユーザの操作などにより切り替えることが可能な構成とされてもよく、これにより、ユーザの使い勝手を良くすることができる。
【0073】
以上のように、本例では、送信装置(本例では、送信点A11)と、送信装置の電波を受信する受信装置(本例では、基地局12)と、受信装置を制御する操作装置(本例では、本社13の操作端末13−10)と、を具備する無線伝送システム(本例では、マイクロ受信基地局システム)において、操作装置は、三次元の電子地図を具備し、当該電子地図上の2点を通る伝送路又は付随する電波伝搬領域(例えば、フレネルゾーン)の表示と、前記伝送路又は付随する電波伝搬領域における障害の表示と、前記伝送路の延長上の第1の代表点、又は前記伝送路の中点上空の第2の代表点、又は二次元平面上における前記伝送路の垂直二等分線上の第3の代表点を求める処理と、第1の代表点又は第2の代表点又は第3の代表点から前記伝送路を眺める視点での三次元表示に切り替える処理を行う。
【0074】
また、本例の操作装置では、上記したような伝送路表示において、前記伝送路における送信点と操作装置で登録されている他の受信点とを結ぶ伝送路(予備伝送路)を求める処理と、当該予備伝送路を三次元電子地図に表示する処理を行う。
また、本例の操作装置では、上記したような伝送路表示において、前記予備伝送路の中で特に障害の無いもののみを選別して表示する処理を行う。
また、本例の操作装置では、上記したような伝送路表示において、二次元の電子地図を具備し、二次元電子地図上で指定された伝送路を三次元地図上の伝送路表示方式を用いて表示する処理を行う。
【0075】
このように、本例では、例えば、FPUリモコンにおいて、三次元地図を表示し、各種の表示されるボタンを押下することなどにより、送信点の後方から受信点を見通す視点(送信視点)の地図を表示する処理や、送信点と受信点を含めた範囲を上空から捉えた視点(上空視点)の地図を表示する処理や、送信点と受信点を含めた範囲を横から捉えた視点(水平視点)の地図を表示する処理や、指定された送信点に対して全ての基地局との伝送路(例えば、予備伝送路)を算出して表示する処理や、算出した予備伝送路の中で障害のない伝送路のみを識別可能な状態で表示する処理や、二次元地図上の伝送路が選択され視点が選択されると対応する三次元地図を同一画面上に表示する処理などを行う。
【0076】
従って、本例では、例えば、無線伝送を用いた遠隔制御監視システムでの伝送路設定において、三次元電子地図上での伝送路表示について、現在の伝送路を代表的な視点に切り替える機能を提供することで、三次元地図の操作性を向上させ、ユーザの伝送路設計を例えば従来手法に比べてより機能的に支援することができる。これにより、三次元地図の豊富な情報量を活用しつつ、ユーザの操作を容易且つ機能的に短縮させることができ、総じて、システムとしての情報提供及び機能性を画期的に向上させることができる。
【0077】
なお、本例では、各種の情報の表示や操作を本社13の操作端末13−10で行う構成例を示したが、他の構成例として、表示や操作の一方又は両方が、送信点(例えば、FPU)などのように他の装置で行われる構成が用いられてもよい。
【0078】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【符号の説明】
【0079】
11・・送信点A、 12・・基地局、 13・・本社、 14・・送信点B、 11−1、12−3・・送信部、 11−2・・アンテナ、 12−1、13−3・・回転受信アンテナ装置、 12−2、13−2、13−4・・受信部、 12−4・・被制御端局、 12−5・・変復調部、 12−6、13−1・・固定アンテナ、 13−5・・復号部、 13−6・・情報生成部、 13−7・・情報編集部、 13−8・・変復調部、 13−9・・制御端局、 13−10・・操作端末、
201、301、401、501、601・・受信点、 202、302、402、502、602、801・・送信点、 203、303、805〜807・・伝送路線、 204、304、404、504、604、808、809・・障害の表示、 205、206・・角度基準線、 207・・方位指標、 305・・送信視点、 306・・上空視点、 307・・水平視点、 308・・受信視点、 309・・向かい側から眺めた水平視点、 310・・伝送路の中点、 503、603・・伝送路、 701、1001・・受信レベルメータ、 702、1002・・受信レベル値、 703、1003・・回転アンテナ現在角度、 704、1004・・回転アンテナ監視情報、 705、1005・・受信機能監視情報、 706、1006・・送信点情報、 707、1007・・回転アンテナ制御ボタン、 708・・三次元地図、 709・・上空視点ボタン、 710・・水平視点ボタン、 711、902・・送信視点ボタン、 712・・全基地プロフィール表示ボタン、 713、901・・候補検索表示ボタン、 714、904・・プロフィール設定ボタン、 802〜804・・基地局、 903・・予想電界、 1008・・二次元電子地図表示、 1009・・三次元表示ボタン、 1010、1103・・三次元からの取得ボタン(情報取得ボタン)、 1101・・視点選択プルダウン、 1102・・三次元地図ウィンドウ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する送信装置と、前記送信装置から送信される電波を受信する受信装置と、表示部と、を備えた無線伝送システムにおいて、
前記表示部は、前記送信装置側から前記受信装置を見る視点、または、前記受信装置側から前記送信装置を見る視点で、三次元地図を用いた表示を行う、
ことを特徴とする無線伝送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線伝送システムにおいて、
前記表示部は、前記送信装置と前記受信装置の2点の位置を含む範囲を上空から見る視点で地図を用いた表示を行う機能と、前記送信装置と前記受信装置の2点の位置を含む範囲を水平に見る視点で地図を用いた表示を行う機能の内の一方又は両方を有する、
ことを特徴とする無線伝送システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線伝送システムにおいて、
前記受信装置として、複数の受信装置が存在し、
前記表示部は、前記送信装置について2以上の受信装置の各々との伝送路の情報を含めて地図を用いた表示を行う機能を有する、
ことを特徴とする無線伝送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の無線伝送システムにおいて、
前記表示部は、前記送信装置について2以上の受信装置の各々との伝送路の情報を含めて地図を用いた表示を行う場合に、障害が無いと判定された伝送路を他の伝送路と識別することが可能な態様で表示を行う、
ことを特徴とする無線伝送システム。
【請求項5】
移動する送信装置と、前記送信装置から送信される電波を受信する受信装置と、表示部と、を備えた無線伝送システムにおいて、
前記表示部は、二次元地図を用いた表示を行う機能と、二次元地図を用いた表示において伝送路及び視点が特定された場合にそれに対応する三次元地図を用いた表示を同一の画面で行う機能を有する、
ことを特徴とする無線伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−187029(P2011−187029A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54765(P2010−54765)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】