説明

無線位置特定システム、アンテナ構成、およびアンテナ構成を決定する方法

第1の物体の第2の物体に対する相対位置を特定する無線位置特定システムは、第1の物体に動作可能に結合する第1の無線機を含むことができる。少なくとも高利得領域を有する第1の指向性アンテナは、高利得領域が第2の物体から全体的に外側に方向付けられ、かつ第1の検出範囲を定めるように、第2の物体に取り付けられる。少なくとも高利得領域を有する第2の指向性アンテナは、さらに第2の物体に取り付けられ、さらに高利得領域が全体的に外側に方向付けられ、かつ第2の検出範囲を定めるように方向付けられる。第1および第2の指向性アンテナに接続される第2の無線機は、第1の物体の第2の物体に対する相対位置を特定するために、少なくとも第1の無線機と無線信号を交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には位置特定システムに関し、より具体的には無線位置特定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの位置特定システムが技術的に知られており、それらは一方の物体の他方の物体に対する位置を特定または同定することが望まれる、幅広い種類の環境において使用することができる。1つのタイプの位置特定システムは、無線に基づいており、第1の物体(すなわち、それに結合する無線受信機を有する)の第2の物体(すなわち、それに結合する無線送信機を有する)に対する相対位置を特定するために無線信号を使用する。多くのそのような無線位置特定システムは、送信機および受信機の間の距離を特定するために送信機および受信機の間を進む無線信号の通過時間すなわち「飛行時間」を使用する。2つ以上の送信機が使用されるとき、受信機の送信機に対する相対位置をより正確に特定するために、三角測量法を使用することができる。無線飛行時間位置特定システムの例は、2003年12月16日に発行された「Methods and Apparatus for Determining the Time of Arrival of a Signal(信号の到着時間を特定する方法および装置)」という名称の米国特許第6,665,333号に示され、かつ説明されており、それが開示する全体は参照により本明細書に具体的に組み込まれている。
【0003】
そのような飛行時間および/または三角測量無線位置特定システムは、広範囲の適用例および環境で使用されてきたが、それらのシステムは、いくつかの適用例および環境で実施するのは困難であることがわかった。たとえば、送信機によって生成された無線信号を反射する物体または地質特性を含む「高反射率」環境でそのようなシステムを実施するのは困難であることがわかった。より具体的には、無線反射性の物体または特徴は、いくつかの不可能な場合において、飛行時間により物体の相対位置を正確に特定するのを困難にする可能性がある、実質的な多重経路および他のタイプの干渉を作り出す。さらに他の適用例は、極めて大型の物体の相対位置を検出する能力を要求する可能性がある。そのような場合において、物体の物理的サイズは、大型物体の一部分が無線信号を隠し、または遮断する可能性があるという点で問題を作り出す場合があり、それによってそれらの信号が受信機に到達するのを妨げる。大型の物体は、さらに位置を正確に特定するのを困難または不可能にする可能性がある多重経路干渉の発生源となる場合もある。
【0004】
それ故に、検出領域内の大型物体の存在による、干渉(多重経路干渉など)および/または信号遮断を受ける環境で利用することができる無線位置特定システムの必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
第1の物体の第2の物体に対する相対位置を特定する無線位置特定システムの1つの実施形態は、第1の物体に動作可能に結合する第1の無線機を含むことができる。少なくとも高利得領域を有する第1の指向性アンテナは、高利得領域が第2の物体から全体的に外側に方向付けられ、かつ第1の検出範囲を定めるように、第2の物体に取り付けられる。少なくとも高利得領域を有する第2の指向性アンテナは、さらに第2の物体に取り付けられ、さらに高利得領域が全体的に外側に方向付けられ、かつ第2の検出範囲を定めるように方向付けられる。第1および第2の指向性アンテナに接続される第2の無線機は、無線信号の飛行時間を特定することによって第1の物体の第2の物体に対する相対位置を少なくとも部分的に特定するために、少なくとも第1の無線機と無線信号を交換する。無線信号は、第1の物体が第1の検出範囲内にあるときは、主に第1の指向性アンテナを介して交換されるが、無線信号は、第1の物体が第2の検出範囲内にあるときは、主に第2の指向性アンテナを介して交換される。
【0006】
第1の物体がその近傍の第2の物体を飛行時間無線システムにより検出し、かつ位置特定するようにするアンテナ構成も開示される。このアンテナ構成は、第1の物体に取り付けられる複数の指向性アンテナを含むことができ、それらのアンテナの各々は、少なくとも高利得領域を含む放射パターンを有する。複数の指向性アンテナは、その高利得領域が第1の物体から全体的に外側に方向付けられ、対応する検出範囲を定めるように、第1の物体に対して方向付けられる。飛行時間無線システムは、第2の物体の第1の物体に対する相対位置を特定するために、少なくとも第1の物体および第2の物体上の無線機間で無線信号を交換する。無線信号は、主に第2の物体が位置する検出範囲に対応する複数の指向性アンテナの1つを介して交換される。
【0007】
本発明は、第2の物体が、その近傍の第1の物体を飛行時間無線システムによって検出し、かつ位置特定するようにするために、アンテナ構成を決定する方法も含む。この方法は、第2の物体の周りの1つまたは複数の検出範囲を定めるステップと、指向性アンテナの放射パターンを決定し、その放射パターンが高利得領域を有するステップと、指向性アンテナの高利得領域が、第2の物体から1つまたは複数の検出範囲の方向に全体的に外側に方向付けられるように、複数の指向性アンテナを第2の物体上に取り付けるステップとを含むことができる。
【0008】
本発明の他の特徴、態様、および利点は、添付の図面と併せて行う、本発明の好ましい実施形態を開示する、以下の詳細な説明より当業者には明らかとなる。
本発明の現在好ましい実施形態が、例示され、添付の図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】露天採鉱環境において発破孔掘削装置と共に使用することができる位置特定システムの1つの実施形態の側面図である。
【図2】様々な指向性アンテナによって定められる検出範囲を示す、図1に示された掘削装置の平面図である。
【図3】狭角指向性アンテナの高低の利得領域の概略図である。
【図4】広角指向性アンテナの高低の利得領域の概略図である。
【図5】狭角指向性アンテナの正面図である。
【図6】図5の線6−6に沿って切り取られた狭角指向性アンテナの断面図である。
【図7】広角指向性アンテナの正面図である。
【図8】図7の線8−8に沿って切り取られた広角指向性アンテナの断面図である。
【図9】アンテナ構成を決定する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
掘削装置14(すなわち第2の物体)に対する作業車12(すなわち第1の物体)の位置を特定することが可能な、露天採鉱環境で使用することができる無線位置特定システム10の1つの実施形態が、図1および2に示される。あるいは、本明細書により詳細に説明することになるように、本発明の方法および装置は、他の環境および適用例において利用することができる。
【0011】
図1および2に示す特定の例において、作業車12には第1の無線機16が設けられるが、掘削装置14には第2の無線機18が設けられる。第2の無線機18は、掘削装置14上に設けられる(たとえばそれに取り付けられる)1つまたは複数の指向性アンテナ20に動作可能に接続される。本明細書にさらに詳細に説明することになるように、様々な指向性アンテナ20は、本明細書に説明する様々な要因および検討に応じて、互いにほぼ同一であるか、または互いに異なることができる。たとえば、図1および2に示す実施形態において、掘削装置14上に設けられる指向性アンテナ20は、2つの狭角アンテナ21、21’および2つの広角アンテナ23、23’を含む。狭角アンテナ21、21’は、掘削装置14の前端部および後端部74および76に配置されるが、広角アンテナ23、23’は、掘削装置14の右側面および左側面78および80上に配置される。
【0012】
指向性アンテナ20が狭角アンテナ21、21’または広角アンテナ23、23’のいずれを含むかにかかわらず、各アンテナ20は、図3および4において最もよくわかるように、放射パターン22と結び付く。各指向性アンテナ20の放射パターン22は、少なくとも高利得領域24を含むことができる。典型的には、放射パターン22は、1つまたは複数の低利得領域34も含む。以下により詳細に説明することになるように、様々な指向性アンテナ20は、それらのそれぞれの高利得領域24が全体的に外側に方向付けられ、かつ掘削装置14の周りにそれぞれの検出範囲26を定めるように、掘削装置14に取り付けられる。図1および2を参照されたい。
【0013】
本明細書に示し、かつ説明する例示的な実施形態において、第1および第2の無線機16および18は、環境(たとえば露天採鉱)全体の様々な位置に設けられる複数のシステム要素すなわち「ノード」30を有する位置特定可能メッシュネットワークシステム28の一部分を含む。本明細書に示し、かつ説明する特定のメッシュネットワークシステム28において、ノード30のいくつかまたは全ては、無線信号を送信し、かつ受信することができる無線機すなわち送受信機を含むことができる。位置特定可能な無線機(たとえば16および18)を含むノード30は、メッシュネットワーク28内だけでなく、その上互いにメッシュネットワークシステム28が位置特定可能なノード30(たとえば無線機16および18)の位置を特定することができるようにする。一般的に言えば、様々な位置特定可能なノード30の位置を特定するメッシュネットワーク28の能力は、飛行時間測定(すなわち、少なくとも2つの無線機に結合するアンテナの間を進む無線信号に関する時間)および三角測量(3つ以上の無線機からの飛行時間情報を含む)の組合せに基づく。
【0014】
動作中に、本発明の位置特定システム10は、様々な無線機16および18に接続されるアンテナの間で少なくとも部分的に無線信号32を交換することによって、掘削装置14(すなわち第2の物体)に対する作業車12(すなわち第1の物体)およびその逆の相対位置を特定するために使用することができるが、通常、メッシュネットワーク28内の付加的な無線機(すなわちノード30)も含むことになる。図1および2に示す実施形態において、第1の無線機16には、単一のアンテナ(図示せず)が設けられるが、第2の無線機18は、掘削装置14に取り付けられる様々な指向性アンテナ20に接続される。無線機16および18の間で送信され、かつ受信される無線信号32は、第1および第2の物体12および14の相対位置によって、無線機18に接続される指向性アンテナ20の異なるアンテナを介して交換される。
【0015】
たとえば、図1および2に示す特定の実施形態に関して、第1および第2の無線機16および18の間で送信され、かつ受信される無線信号32は、車両12(すなわち第1の物体)が狭角アンテナ21によって定められる検出範囲26内にあるとき、主に第1の指向性アンテナ20(たとえば掘削装置14の前部74に取り付けられる狭角アンテナ21)を介して交換される。あるいは、車両12が、たとえば掘削装置14の右側面78上に取り付けられる広角アンテナ23の検出範囲26内などの異なる位置に位置するとき、無線機16および18の間を進む無線信号32は、主に広角アンテナ23を介して交換される。車両12が、たとえば掘削装置14の後部76に取り付けられる狭角アンテナ21’の検出範囲26内などの、掘削装置14に対するさらに別の位置に位置するとき、無線信号32は、主に狭角アンテナ21’を介して交換される。したがって、車両12の掘削装置14に対する位置は、掘削装置14の周りの車両12の位置にかかわらず容易に特定することができる。
【0016】
無線機16および18の間の無線信号32は、主に作業車12が位置する特定の検出範囲26に対応する指向性アンテナ20を介して交換されるが、無線機16および18の間の無線信号32は、作業車12が位置する特定の検出範囲に対応しない他の指向性アンテナ20の1つまたは複数の間でも交換することができることが可能である点に留意されたい。しかし、そのようなあらゆる無線信号32は、全体的には実質的に減少した強度を有する受信信号になり、メッシュネットワークシステム28によって、容易に除去され、または別の場合には無視されるようになる可能性がある。
【0017】
この点において、無線信号32は、車両12および14の相対位置を三角測量法によって特定することができる十分な飛行時間データを提供するために、メッシュネットワーク28を構成する無線機16、18および他の無線機30の間で交換する必要もあることに留意されたい。すなわち、無線信号32が既に説明した方法で無線機16および18(および無線機18に結合するアンテナ20)の間で交換される事実に加えて、無線信号32は、メッシュネットワーク28を構成する無線機16、18および他のノードすなわち無線機30の間/中でも交換される。メッシュネットワーク内の無線機18およびそのような他の無線機30の間で交換される無線信号32に関して、そのような無線信号32は、主に、そのような他の無線機30が位置する検出範囲26を定める、掘削装置14上の特定のアンテナを介して交換される。たとえば、メッシュネットワーク28内の他の無線機30の1つが、アンテナ23’によって定められる検出範囲26内に位置するとき、無線機18およびそのような他の無線機30の間の無線信号32は、車両12上の無線機16がアンテナ23によって定められる検出範囲26内に位置することができても、主にアンテナ23’を介して交換される。
【0018】
本発明の位置特定システム10の重要な利点は、それが位置特定可能メッシュネットワークシステム28などの無線位置特定システムをそのようなシステムの配置に適していないと現在思われている環境および適用例に使用することを可能にする点である。たとえば、本発明の位置特定システム10は、(たとえば、無線信号を反射する地形または大きい採掘装置などの他の構造の存在によって)著しい多重経路干渉を受ける、露天採鉱などの環境で容易に使用することができる。本明細書に提供する教示は、従来の位置特定システムと比べて多重経路干渉に対して低減した感受性を有するアンテナ構成を開発するために利用することができる。
【0019】
重度の多重経路干渉を受ける環境で位置特定システム10を効果的に利用することができる利点に加えて、位置特定システム10は、無線信号を遮断し、または減衰させる大型構造物または物体を含む適用例に使用することもできる。既に説明したように、無線信号を著しく減衰させ、または遮断する可能性がある環境は、しばしば無線信号が使用不可能になるまで、従来の位置検出システムの信頼性および精度に悪影響を与える死角および盲点を作り出す可能性がある。本明細書に提供する教示は、別の場合にネットワーク無線システム内に存在することになる盲点または死角を実質的に低減し、または除去するアンテナ構成を開発するために使用することができる。
【0020】
本発明のさらに別の利点は、それが重い採掘装置などの大型可動構造物上に容易に配置することもできる点である。より具体的には、重い採掘装置などの大型構造物または車両は、(位置特定システムによって実際に位置特定されるものである)アンテナの位置に対して構造または車両の境界部を関連付ける問題をもたらす。単一のアンテナから得られる位置データに基づいて大型構造物または車両の境界部の位置を特定することは理論的には可能であるが、そのような理論的な解決法は、現場で適用するのが困難であることがわかった。
【0021】
たとえば、単一のアンテナが大型構造物または車両の上に配置されるとき、そのアンテナは、大型構造物または車両の周りで運動する物体に結合するアンテナから見えるように、構造物または車両の上の位置に配置されなければならない。当然、大型構造物または車両の様々な機構は、そのような他の物体の検出が困難または不可能になる重大な盲点を作り出す。そのような盲点は、アンテナを高い位置に(たとえば掘削装置の櫓上に)取り付けることによって最小化することができるが、通常、車両または構造物の櫓と他の機構との間に相当な相対運動が生じ、そのような相対運動は、近傍に位置する典型的にはより小型の他の物体を正確に位置特定することができるようになる前に、補償されなければならない。
【0022】
複数の全方向アンテナを大型車または構造物の周りの様々な位置に配置することによって、盲点の問題を解決することができるが、そのような複数アンテナ構成は、一般的には他の問題を作り出す。たとえば、2つ以上のそのようなアンテナが、検出されるべき物体のアンテナから見えるとき、検出されるべき物体の位置を特定するためにどのアンテナを使用すべきかに関して問題が生じる。一方のアンテナが、検出されるべき物体から10メートルに位置する一方で、(同様にその物体から見える)他方のアンテナが、その物体から15メートルに位置するとき、その相対位置を10メートルまたは15メートルの距離のいずれかとすることができるが、検出されるべき物体の真の相対位置を特定するのは困難である。要約すると、その場合、特に(たとえば安全性考慮の理由から)1メートル以下の範囲内の相対位置を特定する必要がある場合には、大型車または構造物の近傍の物体を検出する能力は、些末なことではない。
【0023】
本発明の1つの実施形態による位置特定システム10を、そのより重要な特徴および利点のいくつかと共に簡潔に説明してきたが、ここで位置特定システム10の様々な例示的実施形態を詳細に説明することにする。しかし、説明に進める前に、位置特定システム10は、特定の環境(露天採鉱など)において特定の車両タイプ(発破孔掘削装置およびより小型の作業車など)と共に使用することができる点を、本明細書に示し、かつ説明するが、本明細書に提供する教示に習熟した後、本発明は、広範囲の他の環境のいずれかにおいて、他のタイプの車両または物体と共に利用することができることを当業者は容易にわかる点に留意されたい。それ故に、本発明は、本明細書に示し、かつ説明する特定の環境、車両、適用例および構成に限定するものと見なされるべきでない。
【0024】
ここで説明を進め、ここで主に図1および2に戻って参照すると、本明細書に提供する教示による位置特定システムの1つの実施形態10は、少なくとも1つの他の物体12の発破孔掘削装置14に対する位置を特定するために使用することができる。より具体的には、検出されるべき物体(複数可)12は、掘削装置14に接近し、またはその近傍で作業する可能性がある採鉱人員または装置(作業車など)を含むことができる。検出するのが望まれる様々な物体12(人および/または他の装置など)の各々には、無線機16が設けられる。同様にして、発破孔掘削装置14には、無線機18が設けられる。
【0025】
以上に簡潔に説明したように、無線機16、18は、メッシュネットワーク28を形成するのに共に機能する複数のシステム要素すなわちノード30を含む位置特定可能メッシュネットワークシステム28の一部分を形成する。メッシュネットワークシステム28の様々なノード30は、無線信号を送信し、かつ受信することができる無線機すなわち送受信機を含むことができる。「位置特定可能」な無線機(16および18など)を含むノード30は、メッシュネットワークシステム28が、ノード30、したがって無線機16および18の位置をネットワーク28内だけでなく、その上互いに(すなわちピアツーピアで)特定することができるようにする。様々な位置特定可能なノード30の位置を特定するネットワーク28の能力は、飛行時間測定(すなわち、2つの無線機の間を進む無線信号に関する時間)および三角測量(すなわち、3つ以上の無線機からの飛行時間情報を含む)の組合せに基づく。
【0026】
本発明と共に利用することができるタイプの位置特定可能メッシュネットワークシステム28は、技術的によく知られており、すぐに商業的入手可能である。それ故に、本発明は、メッシュネットワークシステムのいずれの特定のタイプにも限定するものと見なされるべきでない。しかし、例として、1つの実施形態において、メッシュネットワークシステム28は、Motorola Corporation of Schaumburg、Illinois(US)によって製造される複数の無線機すなわちノード30(すなわち位置特定可能な無線機16および18を含む)を含むことができる。
【0027】
簡潔に言えば、本明細書に説明するタイプの位置特定可能メッシュ無線機(すなわち16、18および様々な位置特定可能無線機30)は、典型的には1メートル以下の桁数で、高精度位置特定データを提供することができる。このシステムは、好ましい条件(たとえば多重経路干渉または望ましくない信号減衰がほぼない環境)で使用されるとき、数十センチメートルの桁数で位置データを提供することができる。しかし、多重経路干渉および望ましくない信号減衰を受ける環境などの好ましくない条件で使用されるとき、位置特定精度、または精度に関係しないあらゆる位置情報を確実に得る能力さえも、システムが使用できなくなるまで低下する可能性がある。本発明は、そのような好ましくない条件で、そのような無線位置特定システムを効果的に使用することができるようにする。実際に、本明細書に提供する教示の効果的な実施形態は、そのような無線位置特定システムが達成可能な最大位置特定精度に接近し、またはそれを達成することすらできるようにすることが可能である。
【0028】
本明細書に示し、かつ説明する例示的な実施形態において、無線位置特定システムが位置特定可能メッシュ無線ネットワーク(たとえば図1に示すネットワーク28)の一部分を含む場合に、発破孔掘削装置14に接近し、またはその近傍で作業することが予想される各物体12(人または作業車など)には、理想的には、それ自体の位置特定可能メッシュ無線機16が設けられるべきである。第1の物体12が掘削装置14に比べて小さい場合、たとえば第1の物体12が人または作業車である場合には、たとえば、第1の物体12には、全方向アンテナなどの単一のアンテナを有する無線機16を設けることができる。しかし、第1の物体12が大型であるとき、本明細書に提供する教示によって配置される複数の指向性アンテナを含むアンテナ配列または構成をその物体に提供することが必要とされ、または望まれる可能性がある。たとえば、監視される物体12の1つまたは複数が、大型ブルドーザまたは運搬トラックを含むとき、掘削装置14用に示したものと同様のタイプの複数アンテナ構成をそのような大型物体12に提供することが一般に望ましい。
【0029】
さらに、無線位置特定システムは、最終的に(無線機の位置ではなく)アンテナの位置に基づいて無線機の相対位置を検出するので、2つの大型物体の相対位置を特定すべきとき、または物体の1つが他の物体に対して大型である場合に、特別な考慮を必要とする。たとえば、アンテナ20は、ほとんど、または全く盲点なく、他の物体を検出すべき領域にわたってほぼ連続的に網羅するように構成すべきである。さらに、アンテナ構成は、2つ以上のアンテナが、検出されるべき物体(たとえば12)上に配置される無線機(たとえば16)からの同じ信号を受信する可能性を最小化するように整えられるべきである。上述のように、2つ以上のアンテナが、検出されるべき物体(たとえば12)上の無線機からの無線信号を受信する場合に、検出されるべき物体の位置に関する多義性を作り出す可能性がある。
【0030】
上述の論点によれば、第2の無線機18は、1つまたは複数の指向性アンテナ20に動作可能に接続することができる。様々な指向性アンテナ20は、特定の適用例、およびアンテナ20により網羅されるべき領域すなわち範囲に応じて、互いに同一であるか、または互いに異なることができる。本明細書に示し、かつ説明する実施形態において、すなわち、ほぼ矩形構造(図2)を有する掘削装置14の周りを網羅することが望まれる場合、および4つの別個の指向性アンテナ20を用いて網羅することが望まれる場合に、指向性アンテナ20の配列は、2つの狭角アンテナ21、21’および2つの広角アンテナ23、23’を含むことができる。狭角アンテナ21、21’は、掘削装置14の前端部および後端部74および76に配置することができるが、広角アンテナ23、23’は、掘削装置14の左側面および右側面78および80上に配置することができる。
【0031】
しかし、指向性アンテナ20が狭角アンテナ21、21’または広角アンテナ23、23’のいずれを含むかにかかわらず、各アンテナ20は、図3および4において最もよくわかるように、放射パターン22と結び付く。
【0032】
説明を進める前に、特定のパターンが放射パターンまたは受信パターンのいずれであるかは、アンテナが送信アンテナまたは受信アンテナのいずれで使用されるかに依存する点に留意されたい。一般的に言えば、無線周波数アンテナの放射および受信パターンは、互いにほぼ同一である(すなわち相互依存の結果として)。したがって、用語「放射パターン」および「受信パターン」は、アンテナが送信アンテナまたは受信アンテナのいずれで使用されるかに関して厳密に注意することなく、本明細書では同じ意味で使用することができる。それに加えて、本明細書に示す放射(または受信)パターンは、抽象的なだけであるが、アンテナに関連する実際の放射(または受信)パターンを表す必要がない点に留意されたい。所与の指向性アンテナの実際の放射パターンは、実験的に(たとえばアンテナレンジを介して)、計算機的に(たとえばアンテナ性能を模擬実験するコンピュータプログラムを介して)、またはさらには直感的に求めることができる。
【0033】
ここで説明を続けると、様々なアンテナ20の放射パターン22は、図3および4において最もよくわかるように、少なくともそれぞれの高利得領域24を含むことができる。本明細書に示し、かつ説明する特定の例示的実施形態において、アンテナ20の高利得領域24は、低利得領域34が両側に位置する。特定の領域(高利得領域24および低利得領域34など)のサイズおよび形状は、アンテナ20の側面反射体54および56の間に定められる特定の角度を含む様々な要素に依存する。たとえば、以下により詳細に説明することになるが、側面反射体54、56の間の角度が小さくなるほど、アンテナ20の高利得領域24はより狭くなる。したがって、図3に示す狭角アンテナ(21、21’など)は、より大きい、すなわちより広い高利得領域24を有する図4に示す広角アンテナ(23、23’など)に比べて、より小さい、すなわちより狭い高利得領域24を有する。それ故に、狭角アンテナ(21、21’など)および広角アンテナ(23、23’など)の両方を含むアンテナ20の配列または構成は、いくつかの適用例で役立つように使用することができる。
【0034】
たとえば、ここで主に図2に戻って参照すると、様々な指向性アンテナ20が、それらのそれぞれの高利得領域24が全体的に外側に方向付けられ、かつ掘削装置14の周りにそれぞれの検出範囲26を定めるように、発破孔掘削装置14上に取り付けられる。掘削装置14の周りをほぼ連続的に網羅するように、すなわち無線機16を設けられる別の物体12(人または作業車など)が掘削装置14の周りのその位置にかかわらず検出可能であるように、4つの別個の指向性アンテナ20が、掘削装置14に取り付けられる。より具体的には、2つの狭角指向性アンテナ21、21’が、それぞれ掘削装置14の前部74および後部76に取り付けられる一方、2つの広角指向性アンテナ23、23’が、掘削装置14の右側面および左側面78および80に取り付けられる。そのような配置において、それぞれの指向性アンテナ20の高利得領域24(図3および4)は、図2に概略的に示すように、掘削装置14から全体的に外側に向く検出範囲26を定める。
【0035】
物体14の周りを完全に網羅することが、常に可能であるわけではない点に留意されたい。たとえば、図2に示す検出範囲26は、様々なアンテナ20により定められる高利得領域24(図3および4)の外側にある、掘削装置14の隅部38に近接する範囲すなわち領域36を含む。それ故に、これらの領域36内に位置する物体(たとえば12)を検出するのは困難である可能性がある。各領域36のサイズまたは拡がりは、様々なアンテナ20の位置および方向を変化させることによって低減させることができるが、近接するアンテナ20の検出範囲26の過度の重複を避けるために、注意が払われなければならない。たとえば、過度の重複は、両アンテナ20の視界内に位置する物体12上の無線機16によって生成される無線信号を検出する2つの近接するアンテナ20の望ましくない環境をもたらす可能性がある。
【0036】
この問題は、1つの実施形態では、近接するアンテナ20(狭角アンテナ21および広角アンテナ23など)の低利得領域34(図3および4)が互いに近接し、またはさらにわずかに重複するように、アンテナ20を配置することによって解決することができる。そのような配置において、近接するアンテナ20の低利得領域34は、領域36と共に広がる感度低下範囲37を定める。1つの実施形態において、指向性アンテナ20の設計は、感度低下範囲37が検出範囲26内の感度よりも約6dB低い感度を有するようにする。感度低下範囲37は、逆に問題を作り出す可能性がある検出範囲26の過度の重複をもたらすことなく、範囲36内に位置する物体12の全体的に確実な検出を可能にする。
【0037】
ここで主に図5〜8を参照すると、各指向性アンテナ20(狭角アンテナ21、21’および広角アンテナ23、23’など)は、アンテナ要素44および反射組立体46を含むことができる。反射組立体46は、全体的に平行で離間した関係で配置される、上板48および底板50を含むことができる。反射組立体46は、上板および底板48および50の間にほぼ延在する第1および第2の側面反射体54および56も含むことができる。第1および第2の側面反射体54および56は、全体的に外側に向かって角度が付き、反射組立体46の開放端部すなわち開口部58を定める。開放端部すなわち開口部58は、長さ60を有する。第1および第2の側面反射体54および56は、図7および8に示す広角アンテナ実施形態23、23’のように、隅部53で互いに交わることができる。あるいは、第1および第2の側面反射体54および56は、図5および6に示す狭角アンテナ実施形態21、21’に示すように、後部反射体52によって結合することができる。アンテナ要素44は、全方向アンテナ(双極子など)を含むことができ、第1および第2の側面反射体54および56からほぼ等距離の位置の反射組立体46の開放端部58の近傍に配置することができる。
【0038】
上述のように、側面反射体54、56が交わる角度は、アンテナ20の高利得領域24(図3および4)が広くなるか、または狭くなるかを決定する。側面反射体54および56の間の狭角は、図3に示すように、比較的狭い高利得領域24を有する指向性アンテナ20をもたらし、本明細書では狭角アンテナ21、21’と呼ばれる。あるいは、側面反射体54および56の間の広角は、図4に示すように、比較的広い高利得領域を有する指向性アンテナ20をもたらし、本明細書では広角アンテナ23、23’と呼ばれる。
【0039】
反射組立体46の様々な要素は、関係する特定の周波数の電波を反射するのに適した金属および金属合金などの広範囲の電波反射材料のいずれかより作ることができる。それ故に、本発明は、いずれかの特定の材料から作られる反射体に限定されるものと見なすべきでない。しかし、例として、1つの実施形態において、反射組立体46の様々な要素は、鋼鉄から作られる。
【0040】
一般的に言えば、反射組立体46の様々な寸法が無線信号を含む特定の無線周波数帯または帯域の波長の4分の1(すなわちλ/4)の整数(すなわち「n」)倍となるように、反射組立体46のサイズを決めることが望ましい。より具体的には、1つの実施形態において、反射組立体46の開放端部58の長さ60は、関係する特定の無線周波数帯または帯域の波長の4分の1の整数倍(すなわちnλ/4)となるようにサイズを決めるべきである。同様に、アンテナ要素44および後部反射体53(すなわち隅部53)の間の距離64、ならびに上板および底板48および50の間の離間距離66は、使用される特定の無線周波数帯または帯域の波長の4分の1の整数倍(すなわちnλ/4)となるように選択することもできる。
【0041】
反射組立体46は、有利なことに、既に説明し、かつ図3および4に概略的に示したように、得られる指向性アンテナ20が高低の利得領域24および34を含む放射パターン22を有するようにする。したがって、様々なアンテナ20は、発破孔掘削装置14などの物体に取り付けられるとき、高利得領域24が検出範囲26をほぼ定めるように、近接するアンテナ20の低利得領域34が、さらに感度低下範囲37を定めるために、互いに近接し、または重複するように方向付けることができる。図1および2に示す実施形態において、様々な指向性アンテナ20は、感度低下範囲37が掘削装置14の各隅部38から約1メートルの長さ82を有するように掘削装置14に取り付けられる。
【0042】
ここで図9を参照すると、アンテナ構成を決定する方法64は、ステップ66で物体の周りに少なくとも1つの検出範囲26を定めるステップを含む。たとえば、その物体が掘削装置14を含む場合に、ステップ66は、掘削装置14の周りに検出範囲26を定めるステップを含み、人または作業車などの別の物体12を検出することが必要であり、または望ましい。一般的に言えば、全ての物体が、確実に掘削装置14の周りのそれらの位置にかかわらず検出され、かつ位置特定されるようにするために、掘削装置14の周りに完全に検出範囲26を定めるのが望ましい。しかし、別の実施形態においては、車両または物体の周りに完全に検出範囲を定めることが必要でない場合がある。たとえば、物体が長期間にわたり壁または丘に近接して配置され、検出されるべき物体が配置されていないとき、そのような領域内に検出範囲を定めることは必要でない。
【0043】
いずれにしても、1つまたは複数の検出範囲(たとえば26)が定められると、使用される指向性アンテナ(複数可)20の放射パターンは、その場合にステップ66で決定される。たとえば、本明細書に示し、かつ説明する実施形態において、指向性アンテナ20が反射組立体46を含む場合に、指向性アンテナ20の放射パターン22は、図3および4において最もよくわかるように、低利得領域34が両側に位置する高利得領域24を含む。ステップ66は、測定は可能であるが、利用される特定の指向性アンテナの放射パターンの実際の測定を含む必要がない点に留意されたい。別の構成において、放射パターンは、実際に(たとえばアンテナレンジを介して)、または計算機的に(たとえばコンピュータモデルを介して)、決定することができる。さらに別の構成において、放射パターンは、直感的に決定することができる。
【0044】
検出範囲(複数可)が定められ(たとえばステップ66で)、特定の指向性アンテナまたは使用されるアンテナの放射パターンが決定されると(たとえばステップ68で)、指向性アンテナ20(狭角アンテナ21、21’および/または広角アンテナ23、23’など)は、その場合にアンテナ(複数可)の高利得領域24が所望の検出範囲26と一致するように、ステップ70で物体(掘削装置14など)に取り付けることができる。指向性アンテナ20が、高利得領域24の側方に位置する低利得領域34を含む実施形態において、近接するアンテナは、それらのそれぞれの低利得領域34が互いに近接し、かつ感度低下範囲37を定めるように、ステップ72において物体(掘削装置14など)上で方向付けることができる(図2)。近接するアンテナ20の位置および/または方向は、それらのそれぞれの低利得領域34が感度低下範囲37を最小化するために重複するように、さらに調整され、または変化させることができる。
【0045】
選択された実施形態のみが本発明を示すために選ばれてきたが、添付する特許請求の範囲に規定する本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な変更および修正を加えることができることは本開示より当業者には明らかである。たとえば、様々な要素のサイズ、形状、位置、または方向は、必要に応じて、および/または望むように変更することができる。互いに直接接続され、または接触するように示される要素は、それらの間に配置される中間構造を含むことができる。1つの要素の機能は、2つで実施することができ、その逆も同様である。1つの実施形態の構造および機能は、別の実施形態において採用することができる。全ての利点が、特定の実施形態において同時に存在する必要はない。さらに、先行技術とは異なる全ての特徴は、単独で、または他の特徴と共に、そのような特徴が実施される構造上および/または機能上の技術思想を含む、出願者によるさらなる発明の別個の説明と見なされるべきである。したがって、本発明による実施形態の上述の説明は、例示のためだけに提供され、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定される発明を限定するために提供するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の物体の第2の物体に対する相対位置を特定する無線位置特定システムであって、
前記第1の物体に動作可能に結合する第1の無線機と、
前記第2の物体に取り付けられ、高利得領域を含む放射パターンを有し、前記高利得領域が前記第2の物体から全体的に外側に方向付けられ、かつ第1の検出範囲を定めるように方向付けられる、第1の指向性アンテナと、
前記第2の物体に取り付けられ、高利得領域を含む放射パターンを有し、前記高利得領域が前記第2の物体から全体的に外側に方向付けられ、かつ第2の検出範囲を定めるように方向付けられる、第2の指向性アンテナと、
前記第1および第2の指向性アンテナに接続される第2の無線機であって、前記第1および第2の無線機は、無線信号の飛行時間を特定することによって前記第1の物体の前記第2の物体に対する相対位置を少なくとも部分的に特定するために無線信号を交換し、前記無線信号は、前記第1の物体が前記第1の検出範囲内にあるときは、前記第1の指向性アンテナを介して交換されるが、前記無線信号は、前記第1の物体が前記第2の検出範囲内にあるときは、前記第2の指向性アンテナを介して交換される、第2の無線機とを含む、位置特定システム。
【請求項2】
前記第1の指向性アンテナの前記高利得領域は両側に、低利得領域が位置し、前記第2の指向性アンテナの前記高利得領域は両側に、低利得領域が位置し、前記第1の指向性アンテナの側方に位置する低利得領域が前記第2の指向性アンテナの側方に位置する低利得領域に近接して配置されるように、前記第1および第2の指向性アンテナが、互いに方向付けられ、前記第1および第2の指向性アンテナの前記近接する側方に位置する低利得領域が、前記第1および第2の検出範囲の間に感度低下範囲を定める、請求項1に記載の位置特定システム。
【請求項3】
前記第1の指向性アンテナの前記側方に位置する低利得領域が、前記第2の指向性アンテナの前記高利得領域に実質的に重複し、前記第2の指向性アンテナの前記側方に位置する低利得領域が、前記第1の指向性アンテナの前記高利得領域に実質的に重複し、前記第1および第2の検出範囲の間の前記感度低下範囲の拡がりを最小化する、請求項2に記載の位置特定システム。
【請求項4】
前記感度低下範囲は、前記第1の検出範囲の感度よりも約6dB低い感度を有する、請求項2に記載の位置特定システム。
【請求項5】
前記第1および第2の指向性アンテナは、感度低下範囲が前記第1の検出範囲および前記第2の検出範囲の間に存在するように、互いに方向付けられる、請求項1に記載の位置特定システム。
【請求項6】
前記第1および第2の指向性アンテナは、感度低下範囲の拡がりが最小化されるように、互いに方向付けられる、請求項5に記載の位置特定システム。
【請求項7】
前記第1および第2の指向性アンテナは、前記第1および第2の検出範囲が互いに実質的に隣接するが実質的に重複しないように、互いに方向付けられる、請求項1に記載の位置特定システム。
【請求項8】
前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナは各々、全方向アンテナ、および前記全方向アンテナに動作可能に結合する反射組立体を含む、請求項1に記載の位置特定システム。
【請求項9】
前記反射組立体は、
上板と、
前記上板と全体的に平行で離間した関係で配置される底板と、
前記上板および前記底板の間に実質的に延在する第1の側面反射体と、
前記上板および前記底板の間に実質的に延在する第2の側面反射体とをさらに含み、
前記上板および前記底板、ならびに前記第1および第2の側面反射体は、前記反射組立体の開放端部を定め、前記反射組立体の前記開放端部は、長さを有する、請求項8に記載の位置特定システム。
【請求項10】
前記反射組立体の前記開放端部の前記長さは、前記無線信号の波長の4分の1の整数倍である、請求項9に記載の位置特定システム。
【請求項11】
前記全方向アンテナは、前記第1および第2の側面反射体からほぼ等距離の位置の前記反射組立体の前記開放端部の近傍に取り付けられる、請求項9に記載の位置特定システム。
【請求項12】
前記全方向アンテナは、長さを有し、前記上板および前記底板の間の離間距離は、前記全方向アンテナの前記長さに実質的に等しい、請求項9に記載の位置特定システム。
【請求項13】
前記第1および第2の側面反射体は、ある角度で互いに交わり、隅部を定める、請求項9に記載の位置特定システム。
【請求項14】
前記全方向アンテナおよび前記隅部の間の距離は、前記無線信号の波長の4分の1の整数倍である、請求項13に記載の位置特定システム。
【請求項15】
前記上板および前記底板の間に実質的に延在する後部反射体をさらに含み、前記後部反射体は、前記第1および第2の側面反射体に交わる、請求項9に記載の位置特定システム。
【請求項16】
前記全方向アンテナおよび前記後部反射体の間の距離は、前記無線信号の波長の4分の1の整数倍である、請求項15に記載の位置特定システム。
【請求項17】
前記第1および第2の無線機は、位置特定可能なメッシュネットワーク無線機を含む、請求項1に記載の位置特定システム。
【請求項18】
第1の物体の近傍の第2の物体を飛行時間無線システムによって検出し、かつ位置特定するようにする第1の物体のためのアンテナ構成であって、前記アンテナ構成は、前記第1の物体に取り付けられる複数の指向性アンテナを含み、前記複数の指向性アンテナの各々は、高利得領域を含む放射パターンを有し、前記複数の指向性アンテナは、その前記高利得領域が前記第1の物体から全体的に外側に方向付けられ、かつ対応する検出範囲を定めるように、前記第1の物体に対して方向付けられ、前記飛行時間無線システムは、前記第2の物体の前記第1の物体に対する前記相対位置を特定するために、少なくとも前記第1の物体および前記第2の物体上の無線機間で無線信号を交換し、前記無線信号は、前記第2の物体が位置する前記検出範囲に対応する前記複数の指向性アンテナの1つを介して交換される、アンテナ構成。
【請求項19】
前記複数の指向性アンテナの少なくとも2つの近接するアンテナは、感度低下範囲が、対応する近接した検出範囲の間に存在するように、互いに方向付けられる、請求項18に記載のアンテナ構成。
【請求項20】
前記複数の指向性アンテナの少なくとも2つの近接するアンテナは、前記感度低下範囲の拡がりを最小化するように、互いに方向付けられる、請求項19に記載のアンテナ構成。
【請求項21】
前記複数の指向性アンテナの少なくとも2つの近接するアンテナは、対応する近接した検出範囲が互いに実質的に隣接するが実質的に重複しないように、互いに方向付けられる、請求項18に記載のアンテナ構成。
【請求項22】
前記複数の指向性アンテナの少なくとも1つは、全方向アンテナ、および前記全方向アンテナに動作可能に結合する反射組立体を含む、請求項18に記載のアンテナ構成。
【請求項23】
前記反射組立体は、
上板と、
前記上板と全体的に平行で離間した関係で配置される底板と、
前記上板および前記底板の間に実質的に延在する第1の側面反射体と、
前記上板および前記底板の間に実質的に延在する第2の側面反射体とをさらに含み、
前記上板および前記底板、ならびに前記第1および第2の側面反射体は、前記反射組立体の開放端部を定め、前記反射組立体の前記開放端部は、長さを有する、請求項22に記載のアンテナ構成。
【請求項24】
前記反射組立体の前記開放端部の前記長さは、前記無線信号の波長の4分の1の整数倍である、請求項23に記載のアンテナ構成。
【請求項25】
前記全方向アンテナは、前記第1および第2の側面反射体から実質的に等距離の位置の前記反射組立体の前記開放端部の近傍に取り付けられる、請求項23のアンテナ構成。
【請求項26】
前記全方向アンテナは、長さを有し、前記上板および前記底板の間の離間距離は、前記全方向アンテナの前記長さに実質的に等しい、請求項23に記載のアンテナ構成。
【請求項27】
前記第1および第2の側面反射体は、ある角度で互いに交わり、隅部を定める、請求項23に記載のアンテナ構成。
【請求項28】
前記全方向アンテナは、前記第1および第2の側面反射体の交差によって定められる隅部と実質的に並ぶ位置の前記反射組立体の前記開放端部の近傍に取り付けられる、請求項27に記載のアンテナ構成。
【請求項29】
前記全方向アンテナと、前記第1および第2の側面反射体の交差によって定められる前記隅部との間の距離は、前記無線信号の波長の4分の1の整数倍である、請求項27に記載のアンテナ構成。
【請求項30】
前記上板および前記底板の間に実質的に延在する後部反射体をさらに含み、前記後部反射体は、前記第1および第2の側面反射体に交わる、請求項23に記載のアンテナ構成。
【請求項31】
前記全方向アンテナおよび前記後部反射体の間の距離は、前記無線信号の波長の4分の1の整数倍である、請求項30に記載のアンテナ構成。
【請求項32】
第1の物体の近傍の第2の物体を飛行時間無線システムにより検出し、かつ位置特定するようにする第1の物体のためのアンテナ構成を決定する方法であって、
前記第2の物体の周りの少なくとも1つの検出範囲を定めるステップと、
指向性アンテナの放射パターンを決定し、前記放射パターンが高利得領域を有するステップと、
前記指向性アンテナの前記高利得領域が、前記第2の物体から前記少なくとも1つの検出範囲の方向に全体的に外側に方向付けられるように、複数の前記指向性アンテナを前記第2の物体上に取り付けるステップとを含む、方法。
【請求項33】
前記取付けステップは、前記複数の指向性アンテナの少なくとも2つの近接するアンテナを、感度低下範囲が、対応する近接した検出範囲の間に存在するように、互いに方向付けるステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記感度低下範囲の拡がりを最小化するように、前記複数の指向性アンテナの少なくとも2つの近接するアンテナを互いに方向付けるステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記取付けステップは、前記複数の指向性アンテナの少なくとも2つの近接するアンテナを、対応する近接した検出範囲が互いに実質的に隣接するが実質的に重複しないように方向付けるステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−530064(P2011−530064A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521148(P2011−521148)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048654
【国際公開番号】WO2010/014322
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511026740)フリーポート・マックモラン・コッパー・アンド・ゴールド・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】