無線周波数(RF)増幅器回路および関係する技法
広帯域幅の線形増幅と高い平均効率の両方を同時に提供するための、電力結合およびアウトフェージングの、システムおよび関係する技法が説明される。線形増幅を提供することは、広範囲にわたってRF出力電力レベルを動的に制御し、一方でなお、広い周波数帯域幅にわたって動作する能力を包含する。本明細書で説明するシステムおよび技法は、高い平均効率が高度に変調された出力波形に対して実現され得るように、広範囲の出力電力レベル全体で高い効率を維持するようにさらに動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書で説明する概念は、無線周波数(RF)増幅器に関係し、より詳細には、電力結合およびアウトフェージング変調の、システムおよび技法に関係する。
【背景技術】
【0002】
[0002]当技術分野で知られているように、無線周波数(RF)電力増幅器(PA)は、多数の他のものとともに、RF通信、医用画像、工業用加熱処理、およびdc−dc電力変換を含む、数多くの用途において重要である。PAは、広範囲にわたってRF出力電力を動的に制御する能力を包含する、線形増幅を提供することを求められることが多い。これは、出力信号の広帯域幅の制御が求められる場合は、特に難しくなる。高い平均効率が高度に変調された出力波形に対して実現され得るように、広範囲の出力電力レベル全体で高い効率を維持することもまた望まれることが多い。これらの要件、すなわち、広帯域幅の線形増幅と高い平均効率の両方を同時に実現することは、積年の難題であった。
【0003】
[0003]やはり知られているように、線形動作と高い効率の両方を実現するために探究されてきた1つの概念は、アウトフェージングと呼ばれる。この技法は、時に「非線形要素を用いた線形増幅」すなわちLINCとも呼ばれる。図1に示すように、従来のアウトフェージングでは、時変入力信号Sin(t)が、2つの定振幅信号S1(t)、S2(t)に分解され、それらは、所望の出力信号Sout(t)を提供するために合計され得る。可変包絡線出力信号が、2つの定包絡線信号のアウトフェージングにより、2つの定包絡線信号S1(t)、S2(t)の合計として生成される。2つの信号S1(t)、S2(t)は、定振幅のものであるので、それらは、D、E、F、E/Fおよび電流モードD、逆F、Φなどの級のような、部分的な、および完全なスイッチモード設計を含む、高い効率のPAを用いて総合され得る。これらの増幅器は、それらは線形出力制御を提供する能力を有する必要がないので、部分的に高い効率で作製され得る。2つの定振幅出力S1(t)、S2(t)を電力結合ネットワークで結合することにより、最終的な出力振幅が、2つの構成成分S1(t)、S2(t)の相対位相によって制御されることが可能になる。
【0004】
[0004]特に、多数の効率の高い電力増幅器が、負荷インピーダンスに対して高感度であり、それらの性能および効率が、電力増幅器間の相互作用によって重度に低下する場合があるので、アウトフェージングに関する1つの重要な考慮事項は、電力結合がどのように行われるかである。図2に示すように、1つの従来の手法は、分離コンバイナーを使用して、定振幅信号S1(t)、S2(t)を結合することである。分離コンバイナーは、一定の(抵抗性の)負荷インピーダンスを各個のPAに、アウトフェージング角と無関係に提供し、何らかの相互作用を除去する。しかしながら、この結果、各個のPAは、定出力電力レベルで動作する。出力に送出されない電力は、その代わりに、どこか他のところに、通常は、熱の形で電力を消費する「分離」抵抗器Rに送出されなければならない。このように、PAからの一定の総出力電力の一部分が、(コンバイナーの和出力ポートでの)出力に送出され、残りは、差出力ポートに送出され、分離抵抗器で熱として失われる。これは、出力電力が減少されるにつれて、効率の急速な低下を招き、この手法の魅力を減らす。この問題は、出力に送出されない電力を整流器によって回収することにより、部分的に相殺され得る。このように、一部の実装形態では、出力に送出されない電力は、その代わりに、整流器によってdc電源に戻って回収される。
【0005】
[0005]次に図3を参照すると、異なる従来の手法は、キラークスコンバイナー(Chireix combiner)などの無損失コンバイナーまたは関係する方法を使用することである。(本発明者が「無損失」と言うのは、理想的に損失がなくなるように、リアクタンス性構成要素またはエネルギー蓄積構成要素のみを含むコンバイナーのことであるが、一方で、すべての現実の構成要素がある程度の損失を有することは認識している。本発明者はさらに、「無損失」コンバイナーをリアクタンス性コンバイナーと呼ぶ。)非分離型であるキラークスコンバイナー技法の便益は、コンバイナーが理想的に無損失であるという事実、および、個別の電力増幅器により認知される実効負荷アドミタンスの実成分が、出力電力が低減するにつれて電力増幅器の導電損失が低減され得るように、アウトフェージング(および電力送出)によって変動するという事実を含む。しかしながら、実効負荷アドミタンス(Yin,1,Yin,2)のリアクタンス性部分は、単に2つのアウトフェージング角でゼロであり、制限された電力範囲の外側では大きくなる(図3での例のプロットを参照)。これは、付加されたリアクタンス性電流に関連する損失と、(可変の)リアクタンス性負荷による電力増幅器性能の低下の両方によって、効率を制限する。別の言い方をすれば、コンバイナーのリアクタンス性インピーダンス+jXc、−jXcが、それらの間の相互作用によって、PAに関する実効リアクタンス性負荷を補償する。しかしながら、PAの相互作用による実効リアクタンス性負荷は、動作点(アウトフェージング角)によって決まるので、補償は動作範囲の大部分にわたって不完全である。したがって、これは、広範囲にわたって動作する場合に、効率の損失およびPAの劣化を招く可能性がある。
【0006】
[0006]したがって、電力結合に関する上記で説明した難題は、アウトフェージングがRF用途でのより優位なアーキテクチャではない主要な理由の中の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]したがって、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷とともに理想的な無損失電力結合を提供し、大きなピーク対平均電力比(PAPR)に対してさえも、高い平均効率が実現されることを可能にすることにより、以前のアウトフェージング手法の損失およびリアクタンス性負荷の問題を克服する、RF用途での使用のための電力結合およびアウトフェージング変調のシステムを提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[008]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法によれば、電力結合およびアウトフェージングのシステムは、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性コンバイナーと、4個以上の電力増幅器とを含み、4個以上の電力増幅器の各個が、入力および出力を有し、各個の電力増幅器の出力が、リアクタンス性コンバイナーの4個以上の入力ポートのそれぞれの1つに結合される。本明細書では、用語「リアクタンス性コンバイナー」は、他の構成要素とともに、インダクタ、コンデンサ、変圧器、および伝送路を含む、エネルギーを蓄積または伝達する回路構成要素で提供されるコンバイナーを指すことを理解されたい。これらの構成要素は、理想的に損失がなくなるように、関心の無線周波数(RF)範囲でリアクタンス性インピーダンス特性を有する回路要素(いわゆるリアクタンス性構成要素)を用いて、または、エネルギー蓄積構成要素もしくはエネルギー伝達構成要素としてモデル形成され得る。当然ながら、すべての現実の構成要素がある程度の損失を有することが認識される。したがって、そのようなリアクタンス性コンバイナーは、時に「無損失コンバイナー」とも呼ばれる。関心の無線周波数(RF)範囲でリアクタンス性インピーダンス特性を有する回路構成要素が、集中型要素の回路構成要素として、またはRF伝送路を介して実装され得るような分散型要素の回路構成要素としてのいずれかで提供され得る、インダクタ、コンデンサ、変圧器、および伝送路として実装され得ることもまた理解されたい。
【0009】
[009]この特定の配置構成を用いて、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷とともに理想的な無損失電力結合を提供する、電力結合およびアウトフェージングのシステムが提供される。非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の抵抗性の負荷により、大きなピーク対平均電力比(PAPR)に対してさえも、高い平均効率が実現されることが可能になることを理解されたい。したがって、本明細書で説明する電力結合およびアウトフェージングのシステムは、従来技術のアウトフェージングのシステムおよび手法の、損失およびリアクタンス性負荷の問題を克服する。すぐれた性能を実現するために、コンバイナーの各個の部分の各個で、特性(例えばリアクタンス値)を考慮することが必要であることが発見されたということを理解されたい。最も高い性能を実現するために、コンバイナーの各個の部分からの値が、アウトフェージングを遂行するために使用される制御法則で利用されることもまた理解されたい。当然ながら、一部の実施形態では、本明細書で説明するリアクタンス性コンバイナーは、縦続で相互接続され、互いに相互作用する、いくつかの「別々の」リアクタンス性コンバイナーとして構成されているとみなされ得るが、これは、(「別々の」コンバイナーが識別され得ない、本明細書で説明する置換実装形態の多数からわかるように)そうである必要はないということを理解されたい。コンバイナーを「別々の」コンバイナーの相互接続された縦続とみなそうとする場合(これが行われ得る場合)、「別々の」コンバイナーは、コンバイナーの入力で認知される実効アドミタンス特性に対して重要である方法で互いに相互作用し、(例えば、分離コンバイナー(複数可)を組み込むシステムでは当てはまることになるように)相互作用しないいくつかの別々のコンバイナーとみなされ得ないということを認識することは重要である。しかしながら、重要なことには、本明細書で説明するリアクタンス性コンバイナーが、単一のコンバイナーとみなされるか、それとも互いに相互作用する複数の「別々の」コンバイナーから構成されているとみなされるかに関係なく、リアクタンス性コンバイナーの性能は、入力から出力までのコンバイナーのすべての部分によって決まる。その結果、高性能を実現するために、コンバイナー内のすべての要素のリアクタンス値(および同様の特性)が、アウトフェージングのシステムの制御戦略において考慮される。
【0010】
[0010]1つの実施形態では、4個の電力増幅器用のコンバイナーが、複数のリアクタンス性要素から提供され、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。1つの実施形態では、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。第1および第2のリアクタンスの大きさは、増幅器に対する適切な制御角によって、コンバイナーが、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷を提供するように選択される。5:1、10:1、20:1、さらには50:1を超える電力比にわたって高い効率を維持するシステムが、この手法を用いて構築され得る。したがって、本明細書で説明する概念、回路および技法により、次のものに限らないが、RF通信、医用画像、工業用加熱処理、およびdc−dc電力コンバータおよび他のスイッチモード電力コンバータシステムを含む、多種多様の異なるシステムでの用途が見出されることを理解されたい。
【0011】
[0011]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、電力結合およびアウトフェージング変調のシステムは、リアクタンス性要素の複数の段から提供され、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有するコンバイナーと、4個以上の電力増幅器とを含み、4個以上の電力増幅器の各個が、入力および出力を有し、各個の電力増幅器の出力が、コンバイナーの4個以上の入力ポートのそれぞれの1つに結合される。コンバイナーは、各個が、動作周波数での指定されたリアクタンス、または動作周波数範囲にわたるリアクタンスの指定された範囲を有する、1つまたは複数のリアクタンス性要素を有する。一部の実施形態では、コンバイナーに対するN個の入力に対して、2N−2個のリアクタンスが存在することになる(例えば、4個の入力ポートを有するコンバイナーは、6個のリアクタンス性要素を含む)。一部であるが全部ではない実施形態では、コンバイナーは、多段として構築され、所与の段でのリアクタンス性要素の各個の1つは、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有する。一部の実施形態では、段の内部のリアクタンス性要素は、動作周波数での同じリアクタンスの大きさを有し、一方で、異なる段の中のリアクタンス性要素は、動作周波数での、場合によっては異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。
【0012】
[0012]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、電力結合およびアウトフェージングのシステムは、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有し、複数のリアクタンス性要素を有し、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の指定されたリアクタンスの大きさを有するコンバイナーと、4個以上の電力増幅器であって、4個以上の電力増幅器の各個が、入力および出力を有し、各個の電力増幅器の出力が、コンバイナーの4個以上の入力ポートのそれぞれの1つに結合される4個以上の電力増幅器とを含む。好適な実施形態では、第1の指定されたリアクタンスの大きさは、第2の指定されたリアクタンスの大きさと異なる。
【0013】
[0013]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、2より大きな数N個の無線周波数(RF)電源から単一の出力への電力を送出かつ制御するためのシステムであって、そのシステムは、各個が出力ポートを有するN個のRF電源であって、N個のRF電源の各個がその出力ポートにRF電力を送出するように構成されるN個のRF電源と、無損失電力コンバイナーであって、その無損失電力コンバイナーが、N個の入力ポート、指定されたリアクタンス値を有する2N−2個のリアクタンス性分岐部、および、RF電力を受けるように構成される出力ポートを備え、N個のRF電源の出力ポートの各個が、無損失電力コンバイナーの入力ポートの対応する1つに結合され、電力コンバイナーの出力ポートに送出されるRF電力が、N個の無線周波数電源の位相を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することにより制御される無損失電力コンバイナーとを含む。
【0014】
[0014]1つの実施形態では、N個の無線周波数電源の位相を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することに応答して、電力コンバイナーの入力ポートでN個のRF電源の各個に提示される実効負荷インピーダンスが、N個の出力電力レベルで純粋に抵抗性である。
【0015】
[0015]1つの実施形態では、N個のRF電源により認知される実効負荷アドミタンスのサセプタンス性部分の最大の大きさが、無線周波数電源の純粋に抵抗性の負荷が発生する、最高および最低のRF出力電力レベルにより境界形成されるRF出力電力レベルの範囲にわたる、キラークスおよび無損失同位相の電力結合の任意の組み合わせを用いて実現可能であるものより小さい。
【0016】
[0016]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、無線周波数(RF)システムが、4個以上のRF信号源であって、その4個以上のRF信号源の各個が出力ポートを有する4個以上のRF信号源と、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各個のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートがRF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2個のリアクタンス性分岐部を含み、2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が所定のリアクタンス値を有し、リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、4個以上のRF信号源の各個の位相特性を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーとを含む。
【0017】
[0017]1つの実施形態では、4個以上のRF信号源の各個が、RF入力ポート、および、リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートのそれぞれの1つに結合されるRF出力ポートを有するRF増幅器を備える。
【0018】
[0018]1つの実施形態では、リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートの数が、RF信号源の数と一致する。
[0019]1つの実施形態では、電力コンバイナーの2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。
【0019】
[0020]1つの実施形態では、電力コンバイナーの2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の反対の指定されたリアクタンスを有する。
【0020】
[0021]1つの実施形態では、リアクタンス性電力コンバイナーの2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個のリアクタンス値が、リアクタンス性電力コンバイナーが、出力電力の範囲にわたって、リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートに結合されるRF信号源の各個の優位に抵抗性の負荷を提供するように選択される。
【0021】
[0022]1つの実施形態では、4個以上のRF信号源およびリアクタンス性電力コンバイナーの組み合わせが、電力増幅器回路を形成し、RFシステムが、複数のそのような電力増幅器回路を備える。
【0022】
[0023]1つの実施形態では、RFシステムが、複数の電力増幅器回路と、電力増幅器回路のアウトフェージング群が実現され得るように、電力増幅器回路の各個の対の間で結合される分離コンバイナーとを含む。
【0023】
[0024]1つの実施形態では、RFシステムが、電力増幅器回路の各個に結合されるドレイン変調回路をさらに含む。1つの実施形態では、ドレイン変調回路が、適応バイアス回路、ポーラ変調回路、離散的ドレインスイッチング回路の1つまたは複数を含む。1つの実施形態では、ドレイン変調回路が、非対称マルチレベルのアウトフェージング技法によって動作する。1つの実施形態では、ドレイン変調回路が、小さな出力電力での損失を低減するために、電力増幅器のゲート幅のスイッチングを実装する。
【0024】
[0025]1つの実施形態では、リアクタンス性電力コンバイナーが、1つもしくは複数の分散型回路要素、1つもしくは複数の集中型回路要素、または、分散型および集中型の回路要素の組み合わせの少なくとも1つを備える。
【0025】
[0026]一部の実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、4個以上のRF信号源の各個の相対位相が制御され、位相振幅が、電力で5倍にわたって1度未満、電力で10倍にわたって5度未満、電力で20倍にわたって10度未満、および、電力で50倍にわたって30度未満の少なくとも1つを満たす。一部の実施形態では、これらは、最悪の場合の実効イミタンス位相振幅を表す。
【0026】
[0027]一部の実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、4個以上のRF信号源の各個の相対位相が制御され、位相振幅が、電力で10倍にわたって2度未満、電力で20倍にわたって5度、および、電力で50倍にわたって15度の少なくとも1つを満たす。一部の実施形態では、これらは、最悪の場合の実効イミタンス位相振幅を表す。
【0027】
[0028]一部の実施形態では、RF信号源の相対位相が、指令された出力電力または電圧振幅の連続関数として調整される。
[0029]本明細書で説明する概念のさらなる態様によれば、無線周波数(RF)システムが、8以上のN個のRF信号源であって、その少なくともN個のRF信号源の各個が出力ポートを有する8以上のN個のRF信号源と、少なくとも8個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各個のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートがRF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2個のリアクタンス性分岐部を含み、2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が所定のリアクタンス値を有し、リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、N個のRF信号源の各個の位相特性を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーとを含む。
【0028】
[0030]1つの実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、N個の電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、N個のRF信号源の各個の相対位相が制御され、最悪の場合の位相振幅が、電力で5倍にわたって1度未満、電力で10倍にわたって5度未満、電力で20倍にわたって10度未満、および、電力で50倍にわたって30度未満の少なくとも1つを満たす。
【0029】
[0031]1つの実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、8個の電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、8個のRF信号源の各個の相対位相が制御され、位相振幅が、20:1の電力に対して1度、50:1の電力に対して2度、および、100:1の電力に対して5度の少なくとも1つを満たす。1つの実施形態では、これらの値は、最悪の場合の値を表す(すなわち、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、8個の電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限され、最悪の場合の位相振幅は、20:1の電力に対して1度、50:1の電力に対して2度、および、100:1の電力に対して5度の少なくとも1つを満たす)。
【0030】
[0032]本明細書で説明する概念のさらなる態様によれば、電力増幅器システムが、N個の電力増幅器であって、ただしN=2Mであり、Mは2以上の整数であり、N個の電力増幅器の各個が入力ポートおよび出力ポートを有するN個の電力増幅器と、出力ポートおよびN個の入力ポートを有するリアクタンス性コンバイナーであって、リアクタンス性コンバイナーのN個の入力ポートの各個が、N個の電力増幅器のそれぞれの1つの出力に結合され、リアクタンス性コンバイナーが、複数のリアクタンス性分岐部を含み、リアクタンス性分岐部の各個が、M個の指定されたインピーダンスレベルの1つに対応するインピーダンス特性を有するリアクタンス性コンバイナーと、N個の電力増幅器の相対位相を、M個の指定されたインピーダンスレベルのすべての関数として制御することにより、コンバイナーの出力での電圧の振幅を調整するように構成される制御システムとを含む。
【0031】
[0033]1つの実施形態では、コンバイナーのN個の入力での実効サセプタンスが、少なくともN個の出力電圧振幅に対してゼロである。
[0034]1つの実施形態では、その振幅に対して実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効サセプタンス振幅が、実質的に同じである。
【0032】
[0035]1つの実施形態では、その振幅に対して実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効イミタンス位相振幅が、実質的に同じである。
【0033】
[0036]1つの実施形態では、M個の指定されたインピーダンスレベルが、単一の設計パラメータおよび指定された負荷抵抗の関数として選択される。
[0037]1つの実施形態では、2mの分岐部が第m=1…Mのインピーダンスレベルでのインピーダンスの大きさを有する、2N−2個のリアクタンス性分岐部が存在する(すなわち、M個のインピーダンスレベル、および、1からMまでの値をとる変数m(m=[1、2、3…M])が存在する。m=1のインピーダンスレベルでは2=21個のリアクタンスが存在し、m=2のインピーダンスレベルでは4=22個のリアクタンスが存在し、以下同様にして、第Mのインピーダンスレベルでの2M個のリアクタンスに至る。これは、図4および27、ならびに30、30A、30B、31、31A、31Bのコンバイナーに対応する。)。
【0034】
[0038]1つの実施形態では、電力コンバイナーが、T−デルタ変換、およびトポロジー双対変換のゼロ以上の適用によって、リアクタンスのバイナリツリーであって、ツリー内の各個の二分岐で相補性リアクタンスを有するバイナリツリーを含むネットワークに変換され得る。
【0035】
[0039]1つの実施形態では、制御システムが、N個の電力増幅器の電源電圧、およびN個の電力増幅器のRF入力駆動振幅の、1つまたは複数を制御することにより、コンバイナーの出力での電圧の振幅を調整するようにさらに構成される。
【0036】
[0040]本発明自体と同様に、本発明の前述の特徴が、図面の下記の説明から、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(非線形素子を用いた線形増幅(LINC)アーキテクチャとしても知られる)従来のアウトフェージングアーキテクチャのブロック図である。
【図1A】図1に示す従来のアウトフェージングアーキテクチャに対する位相電圧間の関係を示すフェーザ図である。
【図2】分離コンバイナーを用いて実装される従来のアウトフェージングアーキテクチャのブロック図である。
【図3】キラークスコンバイナーを用いて実装される従来のアウトフェージングのシステムのブロック図である。
【図3A】図3のアウトフェージングのシステムに対する実効アドミタンスの虚成分対実成分のプロットである。
【図4】電力増幅器(PA)が各個の入力ポートに結合された状態で、4個の入力ポートおよび出力ポートを有するコンバイナーを含むアウトフェージングのシステムのブロック図である。
【図4A】(a)電力コンバイナー、(b)4個の電力増幅器(PA A〜PA D)、ならびに(c)ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅(AA〜AD)および位相(ΦA〜ΦD)を調整することに責任を負う振幅/位相制御ユニットを備える電力コンバイナーシステムのブロック図である。
【図4B】(a)電力コンバイナー、(b)4個の電力増幅器(PA A〜PA D)、(c)それぞれのPAの電源電圧(VS1〜VS4)を調整することに責任を負う電源制御ユニット、ならびに(d)ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅(AA〜AD)および位相(ΦA〜ΦD)を調整することに責任を負う振幅/位相制御ユニットを備える電力コンバイナーシステムのブロック図である。
【図5】位相電圧間の関係を示すフェーザ図である。
【図6】近似逆抵抗圧縮ネットワーク(approximate inverse resistance compression network)(AIRCN)アウトフェージング制御方法に対する、アウトフェージング制御角対指令された出力電力を示すプロットである。
【図7】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、4個のポートのコンバイナーを備え、VS=1V、RL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωである一例のシステムに対する、実際の出力電力対指令された電力のプロットである。
【図8】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の入力ポートの電力コンバイナーの入力ポートでの実効入力アドミタンスの実成分のプロットである。
【図8A】[0.01,0.25]WのAIRCNアウトフェージング制御方法の指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効入力アドミタンスの虚成分のプロットである。
【図9】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの大きさのプロットである。
【図9A】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの位相のプロットである。
【図10】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、実効アドミタンスYeff,cの実成分のプロットである。
【図10A】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、実効アドミタンスYeff,cの虚成分のプロットである。
【図11】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、構成要素のQ値Q=100に対する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、コンバイナー内の百分率の電力損失(100・fl)対指令された入力電力のプロットである。
【図12】抵抗圧縮ネットワーク(RCN)のブロック図である。
【図12A】図12の抵抗圧縮ネットワーク(RCN)に対する、整合された負荷抵抗値R0の関数としての入力インピーダンスRinのプロットである。
【図13】図12の単段RCNネットワークの縦続に基づく、多段抵抗圧縮ネットワークのブロック図である。
【図14】図13の2段圧縮ネットワークに対する、整合された負荷抵抗値R0の関数としての抵抗性の入力インピーダンスRin,2のプロットである。
【図15】設計パラメータkの異なる値に対する、式(10)〜(12)の制御法則と連関した、図4のコンバイナーでの実効アドミタンスYeff,Aの大きさのプロットである。
【図15A】設計パラメータkの異なる値に対する、式(10)〜(12)の制御法則と連関した、図4のコンバイナーでの実効アドミタンスYeff,Aの角度のプロットである。
【図16】キラークスコンバイナーを利用する従来技術のシステムに対する、ならびに、本明細書で説明する新規の概念および技法により提供されるシステムに対する、アドミタンスYinの虚成分対電力のプロットである。
【図17】逆RCNアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効コンダクタンス対Poutのプロットである。
【図17A】逆RCNアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効サセプタンス対Poutのプロットである。
【図17B】逆RCNアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効位相対Poutのプロットである。
【図18】最適サセプタンスアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効入力コンダクタンス対Poutのプロットである。
【図18A】最適サセプタンスアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効サセプタンス対Poutのプロットである。
【図18B】最適サセプタンスアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、図4のシステムに対する実効位相対Poutのプロットである。
【図19】最適位相アウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効入力コンダクタンス対Poutのプロットである。
【図19A】最適位相アウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効サセプタンス対Poutのプロットである。
【図19B】最適位相アウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、図4のシステムに対する実効位相対Poutのプロットである。
【図20】VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーに対する、最適位相(OP)、最適サセプタンス(OS)、逆RCN(IRCN)の制御方法に対する、アウトフェージング制御角θおよびΦ対Poutのプロットである。
【図21】最適位相(OP)、最適サセプタンス(OS)および逆RCN(IRCN)のアウトフェージング制御方法の結果として、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の実効入力アドミタンス位相の大きさのプロットである。
【図21A】最適位相(OP)、最適サセプタンス(OS)および逆RCN(IRCN)のアウトフェージング制御方法の結果として、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の実効サセプタンスの大きさのプロットである。
【図22】k=1.1およびk=1.2に対する最適位相アウトフェージング制御によって、図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の実効入力アドミタンス位相の大きさのプロットであり、電力軸は、VS=1VおよびRL=1Ωに正規化され、電力軸にVS×VS/RLを乗算することにより、特定のVSおよびRLに対して非正規化される。
【図23】逆RCN(IRCN)および最適位相(OP)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する入力アドミタンス位相最小化設計曲線のプロットである。
【図24】逆RCN(IRCN)および最適位相(OP)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する、その範囲に対してピーク位相偏移が最小化される(アドミタンス位相最小化設計)出力電力動作範囲の最小および最大の限度対k値の正規化されたプロット(VS=1V、RL=1Ω)である。
【図25】逆RCN(IRCN)および最適サセプタンス(OS)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する入力サセプタンス最小化設計曲線のプロットである。
【図26】逆RCN(IRCN)および最適位相(OP)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する、その範囲に対してピークのサセプタンス性偏移が最小化される(サセプタンス最小化設計)出力電力動作範囲の最小および最大の限度対k値の正規化されたプロット(VS=1V、RL=1Ω)である。
【図27】8ウェイ電力コンバイナーのバイナリツリー実装形態である。
【図28】T−Δの一般的なネットワーク変換である。
【図29】図4での4ウェイコンバイナーの上部Tネットワークに適用されるT対Δ変換である。
【図30】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、基本的な4ウェイコンバイナーである。
【図30A】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図30B】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図30C】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図30D】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図31】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30での回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31A】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Aでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31B】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Bでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31C】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Cでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31D】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Dでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0089]次に図4を参照すると、従来のアウトフェージングのシステムが2個の電力増幅器を利用する一方で、本明細書で説明する概念および技法によって構成されるシステムは、4個以上の増幅器からの電力を結合する。電力コンバイナーは、実質的に無損失であり、出力電力が個別の電力増幅器の相対的なフェージングにより制御されることを可能にし、一方で、電力コンバイナーの入力での望ましい入力インピーダンスを提供することを理解されたい。指定された負荷抵抗RLに対して、出力電力Pを制御することは、P=Vout2/(2RL)であるので、出力電圧振幅を制御することと同等であることもまた理解されたい。電力が、電力増幅器の入力の振幅変調、および電力増幅器の電源/複数の電源の変調を含む、他の方法によって追加的に制御され得る(すなわち、他の技法が、本明細書で説明するアウトフェージング技法と組み合わせて使用され得る)こともまた留意されたい。
【0039】
[0090]図4に連関して以下の本明細書で説明する一例としての実施形態は、4個の電力増幅器を含むが、本明細書で説明する概念によれば、4個を超える増幅器を有するアウトフェージングのシステムもまた企図され、4個を超える増幅器を有するシステムに対する拡張もまた以下の本明細書で説明されることを、さらに理解されたい。
【0040】
[0091]次に図4に移ると、アウトフェージングのシステムは、電力コンバイナー(またはより単純に、コンバイナー)、および、複数の、ここでは4個の、図4では理想的な電圧源としてモデル形成されて示される増幅器を含む(そして以下で考察するように、図5では、電力増幅器の端子電圧間のフェーザ関係を図示する)。電力コンバイナーは、5個のポートを有し、4個の入力ポートは、4個の電力増幅器のそれぞれの1つの出力ポートに(直接的または間接的に)結合され、1個の出力ポートは、負荷に(直接的または間接的に)結合される。理想的には、電力コンバイナーは、インピーダンスZ=−jkX1および+jkX1を有するリアクタンス性要素の第1の組、ならびに、インピーダンスZ=−jkX2および+jkX2を有するリアクタンス性要素の第2の組から構成される、無損失コンバイナーとして提供される。(当技術分野では、理想的に無損失の構成要素を備えるコンバイナーが、無損失コンバイナーと呼ばれることが多いことを理解されたい。)リアクタンス性要素は、各個が、所望の動作周波数での指定されたリアクタンス値を有して提供される。
【0041】
[0092]図4の一例としての実施形態では、電力増幅器は、理想的な電圧源としてモデル形成される。しかしながら、実効負荷インピーダンスが理想から偏移する場合は、現実的な電力増幅器は理想的な供給源として作動しないことになることが認識される。
【0042】
[0093]図4に示すようなアウトフェージングのシステムを提供するために、新型のコンバイナーでのリアクタンスがどのように選択され得るかを説明することから始める。コンバイナーの1つの要素のリアクタンスの大きさX2は、負荷抵抗RLの近くに選択される。例えば、リアクタンスの大きさX2は、典型的には負荷抵抗RLの約30%の範囲内であることが好ましく、多数の設計に対しては、リアクタンスの大きさX2は、負荷抵抗RLの約10%の範囲内であることになる。パラメータkが、式(1)によって、X2がRLにどの程度近いかを設定することを理解されたい。kを変動させることの性能に対する影響(したがって、RLおよびX2が「どの程度近い」か)は、図15および図23〜26に連関して以下で考察する。大部分の現実的な実施形態では、kに対する値は、典型的には約1〜1.2の範囲にあるが、この範囲の外側の値もまた、特定の用途の要件に応じて使用され得る。リアクタンスの大きさX2を決定するために、1と等しい、または1よりわずかに大きな数k(例えば、k=1.05)を指定し、X2を次式のように決定することができる。
【0043】
X2=RL・2/(k+1) (1)
[0094]図16に連関して以下で説明されるように、パラメータkは、その量の中に、例えばxとkxとの間に、RCN圧縮段の皮相入力抵抗が圧縮される量とみなされ得ることを理解されたい。パラメータkのそのような見方が、式(16)および関連する本文に関して取り上げられる。
【0044】
[0095]いずれにしても、X2に対するリアクタンスの大きさが計算される後、X1に対するリアクタンスの大きさに対応する値が、X2およびkによって、例えば次式のように計算され得る。
【0045】
【数1】
【0046】
[0096]したがって、例えば、RL=50Ωを用いると、システムの動作周波数で、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωを選定することができる。RL、X1およびX2の他の相関的な選択が、本明細書で説明する全体的な概念の範囲内で可能であり、一部の用途で望まれる場合があることが理解されよう。次のものに限らないが、回路が使用されるための特定の用途、電力増幅器の所望の動作範囲、電力増幅器の負荷感度、電力増幅器の最適な負荷のために、純粋に抵抗性の負荷が望まれるか、それともある程度リアクタンス性の構成要素が望まれるか、ならびに他のシステム設計の目的および要件を含む、種々の要因を考慮して、そのような他の相関的な選択を行うべき場合が、本開示を読んだ後、当業者によりさらに理解されるであろう。それでも、これは、本発明の1つの好適な実施形態を表す。
【0047】
[0097]図4のネットワークの挙動が解析され得るとともに、供給源のアウトフェージングにより出力を制御するための1組の関係式が発展され得る。図4のネットワークの供給源電圧と入力電流との間の関係が、次式のように表現され得ることが示され得る。
【0048】
【数2】
【0049】
[0098]ただし、
γ=RL/X1およびβ=X2/X1である。
[0099]ベクトル表記法では、これは、次式のように表現され得る。
【0050】
【数3】
【0051】
[00100]4個の供給源間で、相対位相関係が提案され得る。しかしながら、位相は、出力の絶対位相を制御するための追加的な角度により、一緒に調整される場合もあることを理解されたい。本開示および本明細書で開示する全体的な概念の範囲内には、他の可能性が存在するが、供給源間の下記の関係が提案される。
【0052】
【数4】
【0053】
[00101]ただし、VSは供給源の振幅であり、φおよびθは、アウトフェージング用に使用される制御角である。
[00102]次に図4Aを参照すると、電力コンバイナーシステムが、4個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーを含む。電力増幅器として提供され得る4個の増幅器PAA、PAB、PAC、PADの各個は、RF出力ポートが、リアクタンス性電力コンバイナーの4個のRF入力ポートのそれぞれの1つに結合される。増幅器は、4個のバイアス(または電源)電圧VS1、VS2、VS3、VS4のそれぞれの1つによりバイアスされる。電力コンバイナーシステムは、増幅器PAA〜PADを駆動するRF信号に対応する出力信号を提供する増幅器ドライバ回路(PAドライバ)をさらに含む。増幅器PAA〜PADの各個は、それらに対して提供される信号をPAドライバ回路から受信し、増幅されたRF信号を、リアクタンス性電力コンバイナー回路のそれぞれの入力に提供する。PAドライバ回路は、フィードバック信号(ここでは、リアクタンス性電力コンバイナーの出力から結合されるようなフィードバック信号)をさらに受信する。PAドライバ回路は、(以下の本明細書で説明するように選択された)適切に選択された位相および振幅を有する信号を、増幅器PAA〜PADに提供することを理解されたい。したがって、PAドライバ回路は、ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅AA〜ADおよび位相ФA〜ФDを調整することに責任を負う振幅/位相制御ユニットをさらに含み得る。そのようなシステムを制御するための一例としての技法が、本明細書で説明される。当然ながら、リアクタンス性電力コンバイナーは、Nが2以上である2N個のポートを有し得ることを理解されたい。一部の用途では、ハチ(8)個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナー、ならびに8個の増幅器を含む電力コンバイナーシステムが好適である。
【0054】
[00103]次に図4Bを参照すると、電力コンバイナーシステムが、4個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナー、(例えば、電力増幅器として提供され得る)4個の増幅器PAA〜PAD、それぞれのPAの電源電圧(VS1〜VS4)を調整することに責任を負う電源制御ユニット、ならびに、ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅(AA〜AD)および位相(ФA〜ФD)を調整することに責任を負うPAドライバ回路を含む。この一例としての実施形態では、電源制御回路は、電力コンバイナーシステムの効率をさらに改善するために、増幅器PAA〜PADのそれぞれの1つに提供される、バイアス(または電源)電圧VS1〜VS4の1つまたは全部を調整することができる。図4Aと連関して上記で考察したように、一部の用途では、ハチ(8)個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナー、ならびに8個の増幅器を含む電力コンバイナーシステムが好適である。
【0055】
[00104]次に図5を参照すると、図4での供給源VA、VB、VC、VDの間の、位相および制御角の関係が、式(5)の関係式にしたがって、図表を用いて示される。4個の端子電圧VA、VB、VC、およびVDは、同じ振幅VSを有することに留意されたい。図5でわかるように、アウトフェージング制御角およびθは、出力電力を調節し、一方で、供給源(例えば電力増幅器)の望ましい負荷を維持するために使用される。
【0056】
[00105]システムの挙動の特徴を述べるために、規定された位相関係に対する、各個の供給源により認知される実効アドミタンスを見出す。この例では、これは式(5)を使用して行われる。コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスは、すべての供給源が活動状態である状態での、ポートでの電流対電圧の複素比である。実効アドミタンスは、供給源により、それらがアウトフェージング制御のもとで動作している場合に「認知される」アドミタンスを表す。式(3)と(5)とを組み合わせ、それらを操作すると、以下の式(6)から(9)に示すような、4個のコンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスに対する下記の式が見出され得る。
【0057】
【数5】
【0058】
[00106]供給源AおよびDにより認知される実効アドミタンスは、供給源BおよびCにより認知されるものと同様に、複素共役であることが容易に察知される。さらに、式はすべて、多数の個別の項を共通に有する。
【0059】
[00107]次に、所望の出力電力を現実化し、一方で、供給源の望ましい(抵抗性の)負荷を保つためのアウトフェージング制御戦略が説明される。一般性を失うことなしに、負荷でのゼロ位相の基準となる出力電圧の総合を考慮してみる。電力増幅器位相のすべてに対する共通の調整により、負荷位相を調整することができる。ゼロ位相負荷電圧の振幅VL,ref、または同じことであるが、「指令された」サイクル平均電力Pcmd=(VL,ref)2/(2RL)を総合するために、中間変数r0が、式(10)に示すように定義される。
【0060】
【数6】
【0061】
[00108]制御角θおよび
【0062】
【数7】
【0063】
は、式(11)および(11A)にしたがって、r0によって選択される。
[00109]θおよびψの他の制御選択が、本開示の範囲内で可能であり、一部の用途で望まれる場合があることが理解されよう。式(10)〜(11A)は、本発明者が「近似逆抵抗圧縮ネットワーク」制御方法、すなわちAIRCN制御方法と呼ぶ、所望の電力Pcmdに関する完全な提案された制御法則を形成し、これは、1つの好適な実施形態を表す。利点には、強力な解析基盤を有すること、ならびに、拡大要約の最終部分で説明する手法を使用して、角度を生成すること、および位相変調に対処することが容易であることがある。
【0064】
[00110]当然ながら、電力の同様の制御を提供し、一方で、実効アドミタンスの虚部を小さいままにすることができる制御の代替の定式化に想到することが可能であることを理解されたい。例えば、これは、所望の電力点を提供する代替の角度の組み合わせに対する数値探索などの探索を、場合によっては上記で示した解の近傍で探索を開始して遂行することにより行われ得る。本明細書では、「最適位相」(すなわち「OP」)制御方法および「最適サセプタンス」(すなわち「OS」)制御方法と呼ばれる、2つのそのような制御方法が以下で説明される。これらの方法は、それらが実現する非常に小さな(および一部の場合では最小化された)位相およびサセプタンスの偏移に対して好ましい、代替の好適な実施形態を表す。
【0065】
[00111]表Iは、IRCNおよびOP制御を用いた、(例えば、図4〜4Bと連関して上記で説明したタイプの)ヨン(4)ウェイコンバイナーの実現可能な性能を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
[00112]表IIは、逆RCN(IRCN)アウトフェージング制御方法の場合に対する、5:1、10:1、20:1、50:1、および100:1の電力範囲比に対する、ハチ(8)ウェイコンバイナーの最大の最悪の場合の実効入力アドミタンス位相を示す。
【0068】
【表2】
【0069】
[00113]表IIでの1度未満の位相値に対して、実際には1度が境界の働きをし得る(すなわち、数度の範囲内の位相値が、多数の現実的な用途に対して十分となる)ことを理解されたい。
【0070】
[00114]当然ながら、電力増幅器間の共通位相および/または増幅器間の差動位相を、出力信号の所望の大きさおよび位相の動態の関数として追加的に制御する制御法則を実装することもまた可能であることを理解されたい。したがって、制御法則は、出力電力/電圧および位相の関数としてだけでなく、所望の出力の電圧および位相の微分係数、または、所望の信号出力の動態および/もしくは電力増幅器ネットワークの何らかの他の関数に基づいても、電力増幅器の位相を指定することができる。これは、所望の信号出力および/または電力増幅器ネットワークに対して使用され得る。これは、例えば所望の出力信号の急速な位相変動を補償するために(例えば、出力での帯域外成分を減ずるために)、および/または、コンバイナーネットワークの自然な応答を補償するために使用され得る。
【0071】
[00115]本明細書で説明する概念、システムおよび技法は、PAの望ましい負荷特性を提供する、無損失コンバイナーネットワークを用いた3個以上のPAの初のアウトフェージングであるということ、ならびに、上記で言及した制御法則は、本明細書で説明する新規の概念、システムおよび技法の1つの好適な実施形態を表すということもまた理解されたい。わかるように、典型的なパラメータ選択(例えば、1〜1.2の範囲にあるパラメータk、ならびに、本明細書で説明する処理によるこの選択に起因する回路値X1およびX2の)に対して、この制御法則は、広い動作範囲にわたる個別の電力増幅器の単調な出力制御および望ましい負荷を提供する。
【0072】
[00116]所与の対のアウトフェージング制御角[θ;φ]に対する、負荷電圧VLおよび負荷RLに送出される出力電力Pout(図4を参照)を知ることは有益である。直接的な線形回路解析技法を利用することにより、負荷電圧が(12)により与えられることが示され得る。
【0073】
【数8】
【0074】
[00117]図5の採用されたPA位相関係の結果として、上記の式は(13)にさらに簡約される。
【0075】
【数9】
【0076】
[00118]その結果、出力電力は、(14)によって容易に決定される。
【0077】
【数10】
【0078】
[00119]式(14)は、それが、負荷RLに送出される出力電力と、任意の対のアウトフェージング制御角[θ;φ]との間の厳密な関係を簡潔に表現するので、非常に重要かつ価値が高いものである。
【0079】
[00120]さらに、式(14)から、電力コンバイナーにより負荷に送出可能な最大出力電力、飽和出力電力Pout,satが、(15)により与えられ、θ=0°およびφ=90°に対応することが容易にわかる。
【0080】
【数11】
【0081】
[00121]式(15)は、4ウェイコンバイナーに対してのみ妥当であるが、それと、一般的なNウェイコンバイナーに対するものとの間の唯一の違いは、上記で概説した方法論を適用することにより決定され得る、先頭の数値定数である。
【0082】
[00122]次に説明されるのが、提案された電力コンバイナーおよびアウトフェージングのシステムの属性である。例として、VS=1V、RL=50Ωおよび(X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωをもたらす)設計値k=1.05であるシステムを考慮してみる。
【0083】
[00123]図6は、AIRCN制御方法に対する、一例のシステム(VS=1V、RL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ω)に対する、式(10)〜(12)による、制御角ψおよびθ対「指令された」電力のプロットを示す。
【0084】
[00124]図7は、VS=1V、RL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωである一例のシステムに対する、実際の出力電力対指令された電力のプロットである。図7からわかるように、実際の電力は、指令された電力とともにゼロから単調に増加し、示す範囲にわたって指令された電力と良好に一致する。より高い指令された電力レベルでは、実現された実際の電力は、近似的に0.31Wで飽和する。出力電力は、ゼロ電力に至るまで指令の平滑で単調な関数であるので、非線形性は、予歪または他の手段によって容易に対処され得る。この結果は、本明細書で説明する新規のアウトフェージング機構が、ゼロ電力に至るまで広範囲にわたって出力電力を平滑に制御することができることを明示する。
【0085】
[00125]さらに、現実的に重要であるのは、制御範囲全体で個別の電力増幅器により認知される実効インピーダンスである。
[00126]次に図8および8Aを参照すると、示されるのは、(式(6)〜(11A)による)AIRCN制御方法に対する、指令されたサイクル平均出力電力Pcmdの関数としての、4個のコンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの実成分および虚成分である。
【0086】
[00127]プロットが、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対して示される。図8と8Aとを比較すると、虚成分が、広範囲にわたり、実成分と比較して小さいこと(すなわち、高度に導電性の入力アドミタンス)がわかる。示した範囲の下方で、指令された電力がゼロに進むにつれて、アドミタンスの実部はゼロに進み、一方で虚部は+/−0.028モーに進む。Yeff,AおよびYeff,Dの実部は、Pcmd<約0.00875Wに対して、約−0.026モーの最小の負の実成分で、一時的に負になる。これは、この範囲にわたる、供給源VBおよびVCから、VAおよびVDへの電力伝達を示す。Pcmdが、示した範囲の上方に増大されるにつれて、アドミタンスの実成分は、0.15〜0.16モーの範囲内の値で飽和し、虚部は、[−0.075,0.075]モーの範囲内の値に飽和する。
【0087】
[00128]図9および9Aは、同じ情報を、実効インピーダンスの大きさおよび位相として示す。
[00129]図7および8および9のプロットは、システムのいくつかの重要な特性を例示する。
【0088】
[00130]例えば、各個のポートでの入力アドミタンスが、電力指令の広範囲にわたって高度に抵抗性である(位相がゼロに近い)こと、および、アドミタンスのサセプタンス性成分が、絶対尺度では決して大きくないことがわかる。これは、多数の種類の電力増幅器に対する、ほぼ理想的な負荷特性を表し、電力増幅器に負荷を与える実効アドミタンスのサセプタンス性部分は小さく、アドミタンスの導電性成分は、密接に整合され、所望の電力送出とともにスケールアップする。(例えば図8および9に例示する範囲より下方の)非常に小さな指令された電力では、アドミタンスが、まさに増大し、サセプタンス性になる(ゼロの指令された電力では完全にサセプタンス性になる)。しかしながら、この範囲で取り出される供給源の電流および電力は小さいので、この非理想特性は、多数の用途では容認可能となる。実際、サセプタンス性負荷は、例えば従来のキラークスのアウトフェージングを用いるより、実質的により広い電力範囲にわたって小さい。同様に、負荷のサセプタンス性成分は、従来のキラークスのアウトフェージングを用いて実現可能であるよりも、指定された電力範囲にわたって、より小さく与えられ得る。
【0089】
[00131]一時的に図16を参照すると、新型の電力コンバイナーおよびアウトフェージングのシステム(図4)およびAIRCN制御方法のアドミタンスの虚成分と、図3のキラークスのシステムのそれとの間の比較が、総出力電力の関数として示される。キラークスのシステムの、3つの一例の設計が示される。キラークスのシステムが2個のPAを有するのみであるという事実を説明するために、キラークスのシステムは、√2倍だけより高い入力電圧に対して示される。この正規化によって、各個のPAがアドミタンスの同様の実成分を認知する状態で、同じ総電力が、2つのシステムで実現される。新型の電力結合およびアウトフェージングのシステムが、広い電力範囲にわたって、キラークスコンバイナーよりはるかに小さなリアクタンス性負荷をもたらすことがわかる。(参考のために、Pout=0.2Wに対するアドミタンスの実部は、各個で近似的に0.1モーである。)
[00132]これらの結果は、提案された電力コンバイナーおよびアウトフェージングのシステムが、高い効率での広範囲の電力制御を提供し、一方で個別の電力増幅器の望ましい負荷特性を保つ目的を満たすことができることを明示する。本明細書で説明する新規のシステムの利点は、キラークスコンバイナーを用いて可能であるよりも、提案されたアウトフェージングのシステムを用いて、指定された電力範囲にわたって、より小さなサセプタンス性負荷を実現することができるということである。同様に、サセプタンス性負荷の指定された許容可能な大きさに対して、キラークスコンバイナーを用いて可能であるよりも、提案されたシステムを用いて、より大きな電力範囲にわたって動作させることができる。
【0090】
[00133]次に図9および9Aを参照すると、電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの大きさおよび位相が示される。図9および9Aでの曲線は、AIRCN制御方法を用いて、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対して生成されたものである。入力アドミタンスが、広範囲にわたって高度に導電性であり(位相がゼロに近い)、4つの出力電力レベルでは理想的にゼロであることがわかる。指令された電力が、示した範囲の下方でゼロに進むにつれて、アドミタンスの大きさは、約0.28モーの最大値に増大し、位相は+/−90°に進む。指令された電力が、示した範囲の上方に増大するにつれて、入力アドミタンスの大きさは、約0.18モーの下方の値に飽和し、位相は[−25°,25°]の範囲内にある。
【0091】
[00134]上記の結果を検証するために、図4のシステムは、提案されたAIRCN制御法則が、10MHzの周波数で式(10)、(11)および(11A)に対して設定された状態で、LTSPICEにおいてシミュレートされた。一例のVS=1V、RL=50ΩおよびX2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωが使用された。正のリアクタンスが、インダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nHおよびX2に対して776.4nH)、一方で負のリアクタンスが、コンデンサを用いて実装された(X1に対して447pFおよびX2に対して326.27pF)。4個の電力増幅器のポートでの実効アドミタンスおよび電力が、動作点の範囲に対して数値的に算出された。シミュレーションの結果が、シミュレーションの数値精度の範囲内で理論と一致することがわかった。シミュレーションの数値精度の範囲内で理論と一致するシミュレーション結果の例が、図10および10Aに示される。
【0092】
[00135]次に図10および10Aを参照すると、これらの図は、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60ΩおよびAIRCN制御方法に対して、実効アドミタンスYeff,Cの実成分および虚成分を示す。解析結果と、LTSPICE.acシミュレーションから計算される数値結果の両方が示される。シミュレーションに対しては、正のリアクタンスが、インダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nHおよびX2に対して776.4nH)、一方で負のリアクタンスが、コンデンサを用いて実装された(X1に対して447pFおよびX2に対して326.27pF)。シミュレーションの結果は、解析的な定式化を裏付ける。
【0093】
[00136]このように、図10および10Aは、シミュレーションの数値精度の範囲内で理論と一致するシミュレーション結果の1つの例を表す。図10および10Aは、シミュレーションに基づいて数値的に計算された値とともに、実効アドミタンスYeff,Cを示す解析曲線を示す。シミュレーションは、図10および10Aに示さない他の実効アドミタンスに対して、同じく良好に理論と一致した。
【0094】
[00137]任意の電力結合システムに関する関心事は、電力結合の効率である。理想的に無損失である一方で、図4のコンバイナー内の実際の受動構成要素の寄生抵抗が、無視され得ないことが多いある程度の損失を与える。ここでは、電力コンバイナーの効率に対するそのような損失の影響を考慮してみる。電力コンバイナーによるものである損失のみを論じ、電力増幅器自体で生じる場合がある(例えば、電力コンバイナーの入力ポートでの実効インピーダンスの変動によるものである)任意の結合に関係する損失は考慮しない。
【0095】
[00138]図4のコンバイナー内の受動構成要素の非理想特性をモデル形成するために、コンバイナーネットワーク内の各個の分岐部が、あらゆる分岐部が同じQ値Q=|X|/RSを有するように、直列抵抗を有すると仮定する。これらの寄生抵抗によるものである損失および効率低下を推定するために、ネットワークの整合において以前に利用されていた方法を採用し、回路電流は、損失がないと仮定して(すなわち、抵抗がゼロであると仮定して)算出され、次いで、損失および回路効率が、寄生抵抗を通って流れる算出された電流により引き起こされる損失に基づいて算出される。このように、この方法は、分岐部の電流が、小さな抵抗の存在による影響を著しくは受けないと仮定する。
【0096】
[00139]上記の方法を使用すると、コンバイナー内の損失が、式(16)に示すように算出され得ることが示され得る。
【0097】
【数12】
【0098】
[00140]ただし、VおよびYは、式(3)および(4)においてのように定義され、Hは、エルミート演算子(共役転置)であり、Wは、式(17)に示すように定義される。
【0099】
【数13】
【0100】
[00141]コンバイナーの部分的損失fl=(1−効率)は、式(18)に示すように同様に算出され得る。
【0101】
【数14】
【0102】
[00142]このように、部分的損失は、コンバイナーネットワーク内の分岐部のインピーダンスのQ値に反比例し、動作点によって決まる。
[00143]上記の定式化を検証するために、かつ、提案された電力結合システムの効率の可能性を例示するために、一例のシステムの部分的損失が、式(14)の結果を使用して算出され、LTSPICEからの数値結果と比較された。一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60ΩおよびAIRCN制御方法が、やはり使用されている。正のリアクタンスが、インダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nHおよびX2に対して776.4nH)、一方で負のリアクタンスが、コンデンサを用いて実装されており(X1に対して447pFおよびX2に対して326.27pF)、寄生抵抗が、Q=100の各個の分岐部要素に対して付加される。
【0103】
[00144]図11は、構成要素のQ値Q=100に対する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、コンバイナー内の百分率の電力損失(100・fl)対指令された入力電力のプロットである。解析結果と、LTSPICE.acシミュレーションから計算される数値結果の両方が示される。シミュレーションに対しては、正のリアクタンス性インピーダンスが、直列抵抗器を伴うインダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nH、0.356ΩおよびX2に対して776.4nH、0.488Ω)、一方で負のリアクタンス性インピーダンスが、直列抵抗器を伴うコンデンサを用いて実装された(X1に対して447pF、0.356ΩおよびX2に対して326.27pF、0.488Ω)。シミュレーションの結果は、解析的な定式化を裏付ける。理論曲線とシミュレートされた結果との間の小さな不一致は、小さな抵抗性の損失は電流波形に影響を与えないという解析で行われる仮定に帰することができる。さらに、電力結合によるものである損失は、広い動作範囲にわたって小さい(Q=100に対してプロットされた範囲にわたって<5%)ことがわかる。部分的損失(すなわち百分率の損失)は、分岐部のQ値に反比例するので、結合損失は、比較的低いQ値でも御しやすいことが期待され、高いQ値の構成要素が使用されるならば、非常に小さくされ得ることがわかる。
【0104】
[00145]次に説明されるのが、提案された電力結合およびアウトフェージングのシステムの理解を容易にするための概念的枠組みである。システムの動作原理をより良く例示することに加えて、この部分では、図4〜11に連関して上記で説明した回路およびシステムの設計が、どのように総合されるかを解説し、本明細書で説明する概念、システムおよび技法の範囲内の、関係する電力コンバイナーおよび制御法則が、どのように発展され得るかを示す。第1のステップとして、一見無関係な問題、すなわち、多段抵抗圧縮ネットワークの発展が考察される。次いで、多段圧縮ネットワークの設計および挙動が、コンバイナーおよびアウトフェージング制御法則の総合のために、どのように使用され得るかが示される。
【0105】
[00146]提案されたアウトフェージングのシステムの設計および挙動を例示するための道筋として、多段抵抗圧縮ネットワークが最初に考察される。抵抗圧縮ネットワーク(RCN)は、供給源を1組の整合された(ただし可変の)抵抗性の負荷に結合するための、無損失の相互接続ネットワークの級である。
【0106】
[00147]次に図12および12Aを参照すると、抵抗圧縮ネットワーク(RCN)(図12)およびその動作特性(図12A)が示される。図12Aは、図12のRCNの抵抗性の入力インピーダンスRinを、整合された負荷抵抗値R0の関数として例示する。図12Aでわかるように、整合された負荷抵抗R0の抵抗値が、幾何学的にXを中心とした範囲にわたって連続して変動する際、入力インピーダンスの値は、抵抗性であり、R0よりはるかに小さな範囲にわたって変動する。RCNネットワークは、他の用途とともに、共振のdc−dcコンバータおよび整流器に対する、ならびに、電力増幅器でのエネルギー回収に対する用途を有することに留意されたい。
【0107】
[00148]図12のRCN内の抵抗R0が、幾何学的にXを中心とした範囲にわたって連続して変動する際、ネットワークの入力インピーダンスは、抵抗性であり、R0が変動するよりはるかに小さな範囲にわたって変動する。特に、入力インピーダンスは、動作周波数で抵抗性であり、負荷抵抗の関数であることが示され得る。これは、式(19)に示すように表現され得る。
【0108】
【数15】
【0109】
[00149]負荷抵抗R0が、範囲[X/b,bX]にわたって変動する際、入力抵抗は、範囲[X,kX]にわたって変動し、ただし、kおよびbは、式(20)に示すように関係付けられる。
【0110】
【数16】
【0111】
[00150]入力インピーダンスは、抵抗性であり、整合された負荷抵抗R0よりはるかに小さな範囲にわたって変動するので、RCNネットワークは、共振の整流器およびdc−dcコンバータなどの用途において有利である。
【0112】
[00151]多段RCNは、単段設計よりさらに小さな入力抵抗の変動(またはより広い負荷抵抗範囲)の可能性を供与する。ここで、本発明者は初めて、所望のメディアン入力抵抗値から離れた入力抵抗の指定された最大ピーク偏移を提供する多段RCNの設計を提示し、その範囲にわたってこれが達成され得る負荷抵抗範囲を決定する。特に、図13に示す多段抵抗圧縮ネットワークの設計を考慮する。その後、このRCNが、図4のアウトフェージングのシステムとどのように関係するかを示すことになる。
【0113】
[00152]次に図13を参照すると、多段抵抗圧縮ネットワークが、図12に連関して説明したタイプと同じ、または同様であり得る単段RCNネットワークの縦続から提供される。ネットワークを駆動する供給源VLもまた示される。図13のRCNは、入力抵抗Rin,2が整合された負荷抵抗R0よりはるかに小さく変動するように提供され得る。
【0114】
[00153]可能な限り広範囲にわたって、所望のメディアン値Rin,2,medの±ΔRの範囲内に入力抵抗Rin,2を提供するように、図13のRCNを設計することを望むとする。これを行うために、値k2(段2の入力抵抗比)が、式(21)に示すように選択される。
【0115】
【数17】
【0116】
[00154]そして、段2のリアクタンスの大きさを、式(22)に示すように選択する。
【0117】
【数18】
【0118】
[00155]これは、式(23)に示すような値をもたらす。
【0119】
【数19】
【0120】
[00156]次に、第2の段を最良に使用する範囲への圧縮を提供するために、段1のリアクタンスの大きさX1を選択することを考慮する。第1の段の入力で認知される実効抵抗Rin,1は、X1の最小の値を有し、その結果、その範囲にわたって所望の圧縮を実現するR0の範囲を最大化するために、X1を式(24)に示すように選択する。
【0121】
X=1/b2・X2 (24)
[00157]ただし、b2は式(20)によってk2から決定される。Rin,1は、k1X1の最大値を有し、ただし、その範囲にわたって所望の程度の圧縮が実現される動作範囲は、式(25)から見出される。
【0122】
Rin,1,max=k1X1=b2X2 (25)
[00158]b1が式(20)および(25)から決定され得る、[X1/b1,b1X1]でのR0の動作範囲にわたる、圧縮の所望の程度。
【0123】
[00159]次に図14を参照すると、圧縮ネットワークの値が(例えば、図13の2段圧縮ネットワークに対して)上記で説明したように選択される場合、入力抵抗Rin,2が、整合された負荷抵抗R0の関数としてどのように変動するかを示すプロットが示される。説明したような圧縮ネットワークのリアクタンスの選択が、この特性を提供し、それが、単段圧縮ネットワークで可能であるよりも、はるかに大きな程度に抵抗を圧縮する。例えば、この技法を用いて、負荷抵抗R0での12:1の比にわたって、所望のメディアン値の±2.5%の範囲内への、入力抵抗の抵抗圧縮を実現することができる。同様のレベルの性能が、他のタイプの圧縮段を使用して得られ得る。さらに、いっそう大きなレベルの抵抗圧縮(または、負荷抵抗のより広範囲にわたる同様の抵抗偏移)が、より多くの段を用いて実現され得る。
【0124】
[00160]最後の留意点として、駆動電圧VLに関しての負荷電圧VA〜VDを知ることが、下記の部分で有益であることがわかるであろう。式(26)で表現される関係式が、これらの電圧に適用できることが示され得る。
【0125】
【数20】
【0126】
[00161]ただし
【0127】
【数21】
【0128】
および
φ=ATAN(X1/R0)
である。
【0129】
[00162]これらの電圧の位相関係は、図5で説明したアウトフェージング角のものと同じである。
[00163]次に提供されるのが、多段圧縮ネットワークの設計および挙動が、電力コンバイナーおよびアウトフェージング制御法則の総合のために、どのように使用され得るかの説明である。
【0130】
[0164]図13に示す2段RCNを考慮してみる。このネットワークを取り扱い、あらゆるリアクタンスおよび抵抗の符号を変更するものとする。これは、図13のネットワークを取り扱い、タイプ1の時間反転双対を適用し、次いでタイプ3の時間反転双対を適用することと同等である。(不安定となる)回路の自然な応答に対する影響を無視すると、そのような回路の正弦波状の定常状態の挙動は、すべての電流の流れの方向が逆転され、一方で、回路内の電圧関係を保ち、したがって、逆転された電力の流れ(すなわち、今では負の抵抗器から電圧源VLへ)をもたらすことになる。電圧VLとVLに流れる電流との比は、元の圧縮回路のRin,2のものとなり、それは、値Rin,2,medに近い。同様に、今では負の抵抗器での電圧は、式(26)で説明したようになり、これらの電圧に比例する電流が、ネットワークに流れることになる(すなわち、負の抵抗が接続されるネットワークのポートを探査して認知される皮相インピーダンスは、値|R0|を伴って抵抗性であることになる)。
【0131】
[0165]電力結合およびアウトフェージングのシステムを発展させるために、上記の知見を利用する。特に、図14での供給源VLを負荷抵抗RL=Rin,2,medで置換し、抵抗器R0を電圧源(または実際には電力増幅器)で置換する。これは、直接的に図4のシステムになる。供給源の位相を、元の2段抵抗圧縮ネットワークでのそれらの挙動を一致させるように制御すると、広範囲にわたる電力制御を得るとともに、一方で供給源のほぼ抵抗性の負荷を保つことができる(式(27)、(28)を式(11)、(11A)と比較されたい)。これらの置き換えは、RCNと、提案された電力結合およびアウトフェージングのシステムとの間の正確な双対にはならないが、それでもこの手法は、図4〜11に連関して上記で説明したような、実効的なアウトフェージングおよび電力結合のシステムを発展させるための手段を提供する。
【0132】
[0166]本明細書で説明する本発明の概念の範囲内の、多種多様の高性能の電力結合およびアウトフェージングのシステムが、上記で説明した手法によって総合され得ることが理解されよう。これは、様々なタイプの圧縮ネットワーク構造の多段縦続に基づく設計を含む。例えば、図27に例示するような(8個の供給源を使用して)同様に設計される3レベル構造が、供給源の所与の許容可能なサセプタンス性負荷に対する、さらに広範囲の電力制御、および、指定された電力制御範囲に対する、より小さな実現可能なサセプタンスをもたらすことになる。同様に、多段設計において図12でのRCNのトポロジー双対を使用することが、コンバイナーに対する基盤として同様に実効的であることになる。さらに、実効的なコンバイナーを構築するために、異なるタイプの基礎のRCN回路を組み合わせることができる。一部のタイプに対しては、供給源および/または負荷のすべてが、共通の電位に対して基準となるとは限らない場合があり、そのため、結合を提供するために、変圧器またはバランを使用することに決める場合があることに留意されたい。最後に、トポロジーおよび/または時間反転の双対変換の使用が、T−Δ変換などの変換をネットワーク化することになるような、本明細書で説明する本発明の概念の範囲内の、他のコンバイナーシステムをもたらすことになる。
【0133】
[0167]数多くの他の回路の好機もまた現れる。図4でのリアクタンスは、単一の周波数でのみ指定され、それらを適切なように単一のインダクタまたはコンデンサを用いて実装することに決めることができる。しかしながら、本発明の範囲内のネットワークを発展させる際に、より高次のリアクタンス性ネットワークを使用することもできる。これらは、dcおよび/もしくはより高次の高調波を、遮断もしくは導通するように、または、高調波周波数もしくは他の所望の動作周波数で(例えば、結合およびアウトフェージングのために)所望のインピーダンスを提示するように選択され得る。同様に、発展は集中型パラメータ要素に関して説明されたが、(例えば、伝送路ネットワークに基づく)分散型要素が、同様に使用され得ることが理解されよう。
【0134】
[0168]コンバイナー構造および制御法則の内部には、設計の柔軟性もまた存在する。例えば、図4〜11に連関して上記で考察した設計では、1.05の設計パラメータkの値を利用した。kの異なる値が、電力増幅器の所望の動作範囲および負荷感度などの、システム設計の目的および要件に基づいて選択され得る。
【0135】
[0169]次に図15および15Aを参照すると、図4のコンバイナー、および設計パラメータkの異なる値に対する、式(10)〜(11A)の制御法則(AIRCN制御方法)での実効アドミタンスYeff,Aのプロットが示される。図15および15Aを検討することにより、kのより高い値は、実現可能な電力送出でのより高い上界を提供するが、動作範囲にわたって、より大きな位相変動もまたもたらすことがわかる。このように、図15、15Aは、例えば、実効アドミタンスYeff,Aに対する設計パラメータkの影響を示す。
【0136】
[0170]次に説明されるのが、電力コンバイナーのリアクタンス値を選択するための方法である。当然ながら、電力コンバイナーのリアクタンスの大きさの選択のための他の技法がさらに存在することを理解されたい。
【0137】
[0171]下記の方法論は、図4での電力コンバイナーのリアクタンスX1およびX2を選択するために提案される。リアクタンスの大きさX2は、負荷抵抗RLの近くに選択される。特に、1と等しい、または1よりわずかに大きな数k(例えば、k=1.05)が指定され得るとともに、X2が次式のように決定され得る。
【0138】
X2=2RL/(k+1) (28)
[0172]次いで、リアクタンスの大きさX1が、次式にしたがって、X2およびkによって選択される。
【0139】
【数22】
【0140】
[0173]リアクタンスの大きさを選択するための上記の手法は、抵抗圧縮ネットワーク(RCN)の設計から始まる。すなわち、相対的なリアクタンスは、多段抵抗圧縮に関する部分での方法によって、メディアン値からの入力抵抗のピーク偏移を最小化するために、抵抗圧縮ネットワークをどのように設計することができるかに基づいて選択される。リアクタンスが上記で概説したように選択される、各個の電力コンバイナーの性能および挙動は、特定のk値により一意的に決定される。電力コンバイナーが具体的な性能仕様を満たすために、kの適切な値を選択するための指針および技法が、本文書において後で考察される。以下で開示するアウトフェージング制御戦略の各個では、X1およびX2が、(28)および(29)によって決定されていると仮定する。
【0141】
[0174]さらに、この手法は、初めにkNに対する適切な値を決定し、次いで下記の再帰的関係式を適用することにより、図4のものに類似した実装形態を用いた2Nウェイコンバイナーに対して、容易に一般化され得る。
【0142】
【数23】
【0143】
[0175]次に説明されるのが、本発明による複数のアウトフェージング制御戦略である。1つのアウトフェージング制御戦略は、(IRCN方法とも呼ばれる)逆抵抗圧縮ネットワーク(IRCN)アウトフェージング制御技法に基づく。IRCNアウトフェージング制御技法は、同様のレベルの電力を処理する抵抗圧縮ネットワークの(近似的な)逆動作の類推によりもたらされる。すなわち、コンバイナーを駆動するPAは、それらの端子電圧位相が元のRCN(すなわち、コンバイナーの二重の時間反転双対に近似するRCN)での負荷抵抗の電圧位相と整合するように、適切にアウトフェージングされる。その結果、電力コンバイナーにより駆動される負荷RLに送出される電力は、元のRCNを駆動し、RLと同じ端子電圧を有する電源により送出されることになる電力と近似的に同等である。このアウトフェージング制御方法は、PAの望ましい負荷(ほぼ完全に導電性の実効入力アドミタンス)をもたらす。さらに、この制御方法によって、必要なアウトフェージング制御角が、コンバイナーの出力電力動作範囲全体にわたって妥当である1組の解析式によって好都合に計算され得る。
【0144】
[0176]図4での4ウェイ電力コンバイナーの場合に対して、特定の負荷RLおよびPA電圧振幅VSに対する、アウトフェージング制御角θおよびΦが、式(32)により与えられ、変数R0が、式(33)によって決定される。Φが、k≧1のあらゆる値に対して電力Poutの単調関数であることがさらに示され得る。
【0145】
【数24】
【0146】
[0177]ここで、式(33)でのPoutを、(例えば、正確な成分値およびゼロのコンバイナー損失を伴う)理想的な条件のもとでの実際の出力電力ともなる、所望の出力電力(指令入力)とみなすことができることに留意されたい。このIRCN方法と、上記で説明した密接に関係するAIRCN方法との間の違いは、IRCN方法が、制御角を見出す際に、指令された電力(PcmdまたはPout)を中間変数(r0またはR0)と関係付けるために、より厳密な(ただし、より複雑な)式を使用することである。例えば、式(10)〜(11A)を式(32)および(33)と比較されたい。それでも、IRCNおよびAIRCNの両方の制御方法は、負荷に対して電力コンバイナーにより送出される実際の出力電力に対しての、同等の実効入力アドミタンス特性をもたらす。式(1)〜(4)および(32)から、ゼロの出力電力(Pout=0)に対して、すべてのPA電圧は同位相であり(θ=0°、Φ=0°)、実効入力アドミタンス(純粋にサセプタンス性)が、式(34)に示すように表現され得ることが容易に察知可能である。
【0147】
【数25】
【0148】
[0178]飽和出力電力Pout,sat(θ=0°、Φ=90°)では、実効入力アドミタンスは、式(35)
【0149】
【数26】
【0150】
により与えられ、それらと関連する最大位相ψは、式(36)により提供され、ただし、γ=RL/X1、β=X2/X1である。
【0151】
【数27】
【0152】
[0179]例として、図17、17Aおよび17Bは、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05およびIRCN制御方法を用いた、図4の電力コンバイナーを駆動するPAの各個により認知される、実効入力のコンダクタンス、サセプタンスおよび位相を図示する。寄生損失などの非理想特性は考慮されず、その結果、指令された出力電力と実際の出力電力との間に相違が生じないことを理解されたい。
【0153】
[0180]実効入力アドミタンスのすべての4つのサセプタンス性成分がゼロになる出力電力レベル(ゼロ点と呼ばれる)は、式(37)〜(40)によって計算され得る。
【0154】
【数28】
【0155】
[0181]別の制御方法論は、最適サセプタンスアウトフェージング制御と呼ばれる。この戦略は、下記の2つの主な利点、すなわち(1)各個の電力レベルでPAにより認知される実効入力サセプタンスを最小化する、および(2)所望の出力電力動作範囲にわたるPAの均一のサセプタンス性負荷振幅を実現する、によって特徴付けられる。
【0156】
[0182]図4に連関して上記で説明した4ウェイコンバイナーに対して、最適サセプタンス制御角対[θ;Φ]が、特定の出力電力レベルPoutに対して、式(41)の制約を受ける、PAのいずれかにより(Poutで)認知される最大の実効入力アドミタンスのサセプタンスSmaxを数値的に最小化することにより計算され得る。
【0157】
【数29】
【0158】
[0183]所与の設計に対する、電力の関数としての適切な制御角が、数値解析法を使用して見出され得る。さらに、式(43)により与えられる出力電力レベルの範囲に対して、式(41)、(42)の前述の最適化問題の解が、式(43)により与えられる制御角を算出するために、1組の好都合な解析式に簡約されることが示され得る。
【0159】
【数30】
【0160】
[0184]例として、図18、18A、および18Bは、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05を用い、最適サセプタンス(OS)制御を用いた、図4の電力コンバイナーを駆動するPAの各個により認知される、実効入力のコンダクタンス、サセプタンスおよび位相のプロットを示す。ゼロ点は、逆RCNアウトフェージング制御の場合でと同じ出力電力レベルで発生し、(37)〜(40)によって計算され得る。さらに、逆RCN制御に対する、ゼロ電力および飽和電力出力レベルに関する考察は、この制御方法に同様に適用される。さらに、サセプタンスのゼロ点間の出力電力(または同じことであるが、出力電圧振幅)の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効サセプタンス振幅は、実質的に同じである。
【0161】
[0185]最適位相(OP)アウトフェージング制御と呼ばれる、さらに別の制御方法論が提案され、それは、その2つの主な利点、すなわち(1)各個の電力レベルでPAにより認知される実効入力アドミタンス位相を最小化する、および(2)各個のPAが同じ負荷位相の大きさを認知することを確実にする、によって特徴付けられる。ここで対象とされる4ウェイコンバイナー(図4を参照)に対して、最適位相制御角対[θ;Φ]が、特定の出力電力レベルPoutに対して、式(46)により示される制約を受ける、PAにより(Pout)(45)認知される最大の実効入力アドミタンス位相ψmaxを数値的に最小化することにより計算され得る。
【0162】
【数31】
【0163】
[0186](47)により与えられる出力電力レベルの範囲に対して、前述の最適化問題(式(45)、(46)を参照)の解が、従来の数値解析法を利用することにより[θ;Φ]に関して求解され得る式(48)の非線形システムに簡約されることが示され得る。
【0164】
【数32】
【0165】
[0187]例として、図19、19Aおよび19Bは、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05および最適位相制御を用いた、図4の電力コンバイナーを駆動するPAの各個により認知される、実効入力のコンダクタンス、サセプタンスおよび位相を(それぞれ)例示する。ゼロ点は、逆RCNアウトフェージング制御の場合でと同じ出力電力レベルで発生し、式(37)〜(40)によって計算され得る。さらに、逆RCN制御に対する、ゼロ電力および飽和電力出力レベルに関する考察は、この制御方法に同じく良好に適用される。さらに、サセプタンスのゼロ点間の出力電力(または同じことであるが、出力電圧振幅)の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効イミタンス(アドミタンスまたはインピーダンス)位相振幅は、実質的に同じである。
【0166】
[0188]上記の方法論のすべては、一般的なNウェイ電力コンバイナーのアウトフェージング制御に対して適合され得る。さらに、所望であれば、異なる電力範囲にわたる動作に基づいて、または異なる動作条件に対して、方法論を切り替えることができる。それでも、各個の制御方法の相対的な性能を比較するために、RL=50Ω、VS=1V、およびk=1.05を用いた図4の電力コンバイナーを一例として考慮してみる。図20は、範囲[0W;Pout,sat≒0.3W]での出力電力に対する、上記の制御方法の各個に対する、適切なアウトフェージング制御角θおよびΦを示す。
【0167】
[0189]図20から、最適位相および最適サセプタンスの制御角が、出力電力動作範囲のかなりの部分にわたってほぼ完全に同一であることが明確にわかる。したがって、すべての現実的な目的のために、PAにより認知される実効入力アドミタンス位相を最小化するように制御角を選定することにより、サセプタンス性成分も実効的に最小化し、その逆も同様である。
【0168】
[0190]図21および21Aは、この知見を、上記と同じ4ウェイ電力コンバイナーに対する、関心の動作領域での特定の出力電圧レベルに対して、PAにより認知される、最悪の場合の入力アドミタンスの位相の大きさおよびサセプタンスの大きさを検討することにより、さらに明示する。図21および21Aから、最適サセプタンスおよび最適位相の制御方法が、逆RCN制御方法と比較して3倍を超える向上を伴う、主な動作電力範囲にわたる、近似的に同等の位相およびサセプタンスの特性をもたらすことがわかる。この場合では、逆RCN制御方法は、電力で10倍を超える部分にわたって5度未満のアドミタンス位相の大きさをもたらし、一方で、最適位相および最適サセプタンスの方法は、1.6度未満をもたらす。
【0169】
[0191]すでに述べたように、Nウェイ電力コンバイナーシステムの動作特性は、式(30)および(31)での再帰的関係式による、コンバイナーのリアクタンスの大きさの計算用に利用されるkの選択された値により一意的に決定される。1組の具体的な性能仕様を満たすために、kの適切な値を選択するための一般的な手法が発展される。特に、Nウェイ電力コンバイナー、および関心の指定された出力電力動作範囲[Pout,min,Pout,max]が与えられると、2つの設計の問題、すなわち、(1)この動作範囲にわたってコンバイナーの入力ポートで認知される最悪の場合の実効入力アドミタンス位相を最小化することになるk値を決定する、または(2)指定された動作範囲にわたってコンバイナーの入力ポートで認知される最悪の場合の実効入力サセプタンスを最小化することになるk値を決定する、が考慮される。指定された動作範囲は、単に、アドミタンス位相またはサセプタンスの大きさを最小化する際に、それにわたって特定の関心が存在するものであり、システムの完全な動作範囲を表す場合もあれば表さない場合もあることに留意されたい。これらの2つの設計の問題の各個は、図4の4ウェイコンバイナーの場合では、以下で個別に対処される。
【0170】
[0192]次に説明されるのが、最小の実効入力アドミタンス位相の大きさを設計するための技法である。
[0193]次に図22を参照すると、図22は、kの2つの相違する値に対する最適位相アウトフェージング制御によって、図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の入力アドミタンス位相対出力電力レベルPout(位相−電力曲線)を例示する。その範囲にわたって最悪の場合の位相偏移が最小化されることになる、このコンバイナーの指定された動作範囲が、[Pmin1,Pmax1]であるとする。この動作範囲にわたって認知される最悪の場合のアドミタンス位相を最小化するkの最適値が、それと関連する位相−電力曲線が、Pmin1、およびPmax1で、最悪の場合のアドミタンス位相に等しい最大位相ψmaxを有するようなものであることが理論的に示され得る。図22からわかるように、ここで考慮されるコンバイナーに対しては、これはk=1.1に対応する。その代わりに、より広い動作範囲、例えば[Pmin2,Pmax2]が指定されるならば、図22により明示されるように、kのより大きな値(この例に対してはk=1.2)が必要となり、この場合に許容されなければならない最大アドミタンス位相もまた、(近似的に3.1°から8.1°に変化して)増大することになる。
【0171】
上記の展開は、一般的なNウェイコンバイナーに対して、妥当であり、容易に採用可能である。一般に、より小さなk値は、その範囲に対して最悪の場合の位相が最小化される、より狭い電力動作範囲、およびより小さな最悪の場合のアドミタンス位相をもたらし、一方で、より大きなk値は、最悪の場合のアドミタンス位相がより大きくなる犠牲を払って、その範囲にわたって最悪の場合の位相が最小化される、より広い動作電力範囲を可能にする。Nウェイコンバイナーの次数を増大すること(より大きなN)は、その性能の能力を拡大し、それが、より低い次数の電力コンバイナーと比較して、より小さな最悪の場合のアドミタンス位相で、所与の電力範囲で動作することを可能にする。
【0172】
[0194]図4の4ウェイコンバイナーの場合に対して、図23は、所与の指定された出力の電力範囲比(PRR)に対するkの最適値を示し、ただし、PRRは、それにわたって(ゼロからの)ピーク位相偏移が最小化されることになる、最大出力電力と最小出力電力との比である。逆RCNと最適位相の両方の制御方法に対する電力比曲線が示される。kの値は、指定された電力比から関心の電力比曲線まで水平方向にたどり、kを見出すために垂直方向にたどることにより見出される。指定された動作範囲(電力比)に対する、対応する最悪の場合のアドミタンス位相は、選定のk値を、それぞれの位相曲線まで垂直方向に、および対応するアドミタンス位相まで水平方向に(右に)たどることにより得られ得る。
【0173】
[0195]図24は、所与のk値に対する、VS=1V、RL=1Ωに正規化された、2つのアウトフェージング制御方法の各個に対する、(kのその値に対する位相偏移ピークに関係する)実際の最小および最大の出力電力レベルを図示する。特定のVSおよびRLに対して非正規化するために、限度は、VS×VS/RLを乗算されなければならない。
【0174】
[0196]次に説明されるのが、最小の実効入力サセプタンスの大きさを設計するための技法である。
[0197]指定された動作電力範囲[Pmin,Pmax]にわたって最悪の場合の入力サセプタンスを最小化することになるkの最適値を選択するための方法論は、上記で提示されたものに類似する。しかしながら、この場合では、kの最適値は、それと関連するサセプタンス−電力曲線が、PminおよびPmaxで、最悪の場合のサセプタンスに等しい最大サセプタンスを有するようなものである。
【0175】
[0198]図4の4ウェイコンバイナーの場合に対して、図25は、所与の指定された出力の電力範囲比に対するkの最適値を示す。逆RCNと最適サセプタンスの両方の制御方法に対する電力比曲線が示される。指定された動作範囲に対する、対応する最悪の場合のサセプタンスは、選定のk値を、(RL=1Ωに正規化された)サセプタンス曲線までたどることにより得られ得る。サセプタンスは、単にそれをRLの意図された値で除算することにより非正規化され得る。図28は、所与のk値に対する、VS=1V、RL=1Ωに正規化された、両方の制御方法に対する、関係するピークのサセプタンス性偏移と関連する、それぞれの最小および最大の出力電力レベルを図示する。特定のVSおよびRLに対して非正規化するために、限度は、VS×VS/RLを乗算されなければならない。
【0176】
[0199]図23および24に表される情報を使用すると、2、5、10、20および50の電力比にわたって、4ウェイコンバイナーは、IRCN制御方法を用いると0.07、0.78、3.05、8.18および25.36度であり、OP制御方法を用いると0.01、0.31、1.15、3.01、および9.35度である、最悪の場合の入力アドミタンス(またはインピーダンス、または一般にはイミタンス)位相振幅を理想的には実現することができることが示され得る。したがって、電力で5倍にわたって1度未満、電力で10倍にわたって5度、電力で20倍にわたって10度、および、電力で50倍にわたって30度の最悪の場合の位相変動を実現することは、本開示と調和した種々の制御法則を用いて実際に可能である。さらに、本開示と調和した一部の制御法則は、電力で10倍にわたって2度未満、電力で20倍にわたって5度、および、電力で50倍にわたって15度の最悪の場合の位相振幅を実際に実現することができる。さらにはるかに小さな位相の大きさ(または一定の位相の大きさでのより広い電力範囲)が、8ウェイ結合システムを用いて実現可能である。
【0177】
[0200]次に説明されるのが、種々の電力コンバイナーのトポロジー実装形態および変換である。
[0201]本明細書で説明した概念および技法の多数は、図4に示す実装形態を指していたことを理解されたい。このコンバイナーの実装形態は、ツリー内の各個の二分岐で相補性リアクタンスを有する、リアクタンスのバイナリツリーを含むとみなされ得る。
【0178】
[0202]しかしながら、M個の二分岐を伴うバイナリツリーのコンバイナーの実装形態に対しては、1つが、N=2M個の入力および2N−2個のリアクタンス性分岐部を有することを理解されたい。例として、図27は、8ウェイコンバイナー(N=8)のそのような「バイナリツリー」実装形態を図示する。それでも、様々なトポロジー変換が、コンバイナーの他の有益な実装形態を得るために、この基本的な「バイナリツリー」の現実化に適用され得る。ここでは、2つのそのようなタイプのトポロジー変換、すなわち(1)T−Δネットワーク変換(Y−Δまたは星形−三角形変換としても知られる)、および(2)トポロジー双対変換を考察する。これらの変換は、4ウェイコンバイナーの他の可能なトポロジー実装形態を列挙するために使用され、同様の技法が、(例えば、より高次のNに対する)本発明と調和した他のコンバイナーを総合するために使用され得る。以下で明示されるように、入力ポートおよび出力ポートの特性は、これらの変換のもとで大きくは影響を受けないままであるが、コンバイナーの用途および生じる成分値に応じて、1つの実装形態が別のものより好適である場合がある。
【0179】
[0203]次に図28を参照すると、3端子ネットワークの一般的なT−Δネットワーク変換が示される。
[0204]変換の重要な特性は、それが、変換されるネットワークのインターフェースに対して、他のネットワークがその端子に接続された状態で、影響を与えないということである。換言すれば、変換されるネットワークの各個の端子での電流−電圧関係が、変換のもとで保たれる。図29は、図4での電力コンバイナーの上部Tネットワークに適用される同じ変換を図示する。
【0180】
[0205]次に図30〜30Dを参照すると、(便宜のため図30に再掲された)図4の基本的な4ウェイコンバイナーで見出される様々なTネットワークにT−Δ変換を適用することからもたらされ得る、4ウェイコンバイナーの実装形態が示される。
【0181】
[0206]不必要ではあるが、図30での基本的なコンバイナーを、すべてのT−Δ変換に対する開始点とみなすことは好都合である。この理由で、図30A〜30Dのすべての実装形態の異形でのリアクタンスの大きさは、基本的なコンバイナーのリアクタンスの大きさによって与えられる。特定の実装形態に対する提案されたリアクタンスの大きさの値により、その入力ポートおよび出力ポートの特性が、基本的なコンバイナーのものと同一であること、すなわち、(図30Aの場合に変換される)PAおよび負荷に関する限り、任意のアウトフェージング制御方法に対する変換されたコンバイナーの挙動が、同じアウトフェージング制御戦略およびそれぞれの負荷に対する基本的なコンバイナーのそれと同等になることが確実になる。同じ変換が、より高次のNのものを含む、他の電力コンバイナーの実装形態でのコンバイナーおよび負荷ネットワークに適用され得ることに留意されたい。
【0182】
[0207]図31および31A〜31Dは、図30および30A〜30Dの4ウェイコンバイナーの実装形態を含む、ネットワークの各個の対応するトポロジー双対のトポロジーを示す。具体的な成分値は、当技術分野でよく知られているような双対ネットワークに対して見出され得る。この変換の結果として、(図30および30A〜30Dでは電圧源VA〜VDにより近似される)PAが、今度は、図30および30A〜30Dの電圧源と、同等の大きさおよび位相の関係を有する電流源IA〜IDにより、それぞれモデル形成されるが、これは、モデル形成の目的のためであり、電力増幅器の接続ポートを示すためであり、電力増幅器は理想的な電圧源または電流源の働きをする必要はないことが認識される。
【0183】
[0208]さらに、任意の特定のアウトフェージング制御方法に対して、図29および29A〜29Dの置換の入力アドミタンス対出力電力特性が、それらのそれぞれの双対の入力インピーダンス対出力電力特性と同等であるということに留意することは著しく重要である。好都合には、負荷に送出される出力電力とアウトフェージング制御方法論との間の関係が、トポロジー双対変換により影響を受けない。したがって、以前に紹介された、提示されたアウトフェージング制御方法のすべては、図30および30A〜30Dの実装形態の異形に直接適用可能であるが、この場合には、電圧と電流との、およびアドミタンスとインピーダンスとの交換に関するトポロジー双対の効果と調和して、最適サセプタンス制御方法を最適リアクタンス制御方法と呼ぶことがより適切となる。(他のタイプのマルチレベル抵抗圧縮ネットワークを用いて開始するなど、図30および30A〜30Dのネットワークを総合するための他の方法もまた存在することに留意されたい。)
[0209]本明細書で説明かつ請求する新規の概念、システムおよび技法の数多くの他の変形形態が、さらに存在する。例えば、これらには、(a)(エネルギー回収を伴う、または伴わない)従来の分離コンバイナーを使用する、このタイプの組み合わされたPAのアウトフェージング群、(b)ドレイン電圧変調または電力増幅器電源電圧変調(適応バイアス、ポーラ変調、離散的ドレインスイッチング、非対称マルチレベルのアウトフェージング、マルチレベルLINCなど)を追加的に使用する、提案された結合およびアウトフェージングを用いた電力増幅器の動作、(c)小さな出力電力での損失を低減するための、電力増幅器のゲート幅のスイッチングの適用、(d)他の制御戦略と混成された、提案された結合およびアウトフェージングを用いた電力増幅器の動作。これは、電力範囲の一部にわたってアウトフェージングのもとで飽和状態にあり、範囲の一部にわたって線形動作に戻る、AB級、B級またはドハティ型または他の型のPAを使用すること、動作範囲にわたる電力増幅器の適応バイアスの使用、デューティサイクル制御または離散的パルス変調と混成することなどを含むことになる、(e)電力制御の追加的な形として、増幅器の部分集合をオンおよびオフに適応的に変調することの、1つまたは複数がある。
【0184】
[0210]本明細書で提供した説明を読んだ後で、当業者は今や、本明細書で説明した概念、システムおよび技法が、以前のアウトフェージング電力増幅器回路およびシステムの限界を克服することを理解するであろう。特に、本明細書で説明した電力結合およびアウトフェージングの、回路、システムおよび技法は、従来技術のアウトフェージング手法の損失およびリアクタンス性負荷の問題を克服する。本明細書で説明した電力結合およびアウトフェージングの、回路、システムおよび技法は、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷とともに理想的に無損失の電力結合を提供し、大きなピーク対平均電力比(PAPR)に対してさえも、高い平均効率が実現されることを可能にする。
【0185】
[0211]本発明の好適な実施形態を説明したことで、当業者には今や、これらの概念を組み込む他の実施形態が使用され得ることが明らかとなろう。したがって、本発明は、説明した実施形態に限定されるべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみで限定されるべきであることを提言する。
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書で説明する概念は、無線周波数(RF)増幅器に関係し、より詳細には、電力結合およびアウトフェージング変調の、システムおよび技法に関係する。
【背景技術】
【0002】
[0002]当技術分野で知られているように、無線周波数(RF)電力増幅器(PA)は、多数の他のものとともに、RF通信、医用画像、工業用加熱処理、およびdc−dc電力変換を含む、数多くの用途において重要である。PAは、広範囲にわたってRF出力電力を動的に制御する能力を包含する、線形増幅を提供することを求められることが多い。これは、出力信号の広帯域幅の制御が求められる場合は、特に難しくなる。高い平均効率が高度に変調された出力波形に対して実現され得るように、広範囲の出力電力レベル全体で高い効率を維持することもまた望まれることが多い。これらの要件、すなわち、広帯域幅の線形増幅と高い平均効率の両方を同時に実現することは、積年の難題であった。
【0003】
[0003]やはり知られているように、線形動作と高い効率の両方を実現するために探究されてきた1つの概念は、アウトフェージングと呼ばれる。この技法は、時に「非線形要素を用いた線形増幅」すなわちLINCとも呼ばれる。図1に示すように、従来のアウトフェージングでは、時変入力信号Sin(t)が、2つの定振幅信号S1(t)、S2(t)に分解され、それらは、所望の出力信号Sout(t)を提供するために合計され得る。可変包絡線出力信号が、2つの定包絡線信号のアウトフェージングにより、2つの定包絡線信号S1(t)、S2(t)の合計として生成される。2つの信号S1(t)、S2(t)は、定振幅のものであるので、それらは、D、E、F、E/Fおよび電流モードD、逆F、Φなどの級のような、部分的な、および完全なスイッチモード設計を含む、高い効率のPAを用いて総合され得る。これらの増幅器は、それらは線形出力制御を提供する能力を有する必要がないので、部分的に高い効率で作製され得る。2つの定振幅出力S1(t)、S2(t)を電力結合ネットワークで結合することにより、最終的な出力振幅が、2つの構成成分S1(t)、S2(t)の相対位相によって制御されることが可能になる。
【0004】
[0004]特に、多数の効率の高い電力増幅器が、負荷インピーダンスに対して高感度であり、それらの性能および効率が、電力増幅器間の相互作用によって重度に低下する場合があるので、アウトフェージングに関する1つの重要な考慮事項は、電力結合がどのように行われるかである。図2に示すように、1つの従来の手法は、分離コンバイナーを使用して、定振幅信号S1(t)、S2(t)を結合することである。分離コンバイナーは、一定の(抵抗性の)負荷インピーダンスを各個のPAに、アウトフェージング角と無関係に提供し、何らかの相互作用を除去する。しかしながら、この結果、各個のPAは、定出力電力レベルで動作する。出力に送出されない電力は、その代わりに、どこか他のところに、通常は、熱の形で電力を消費する「分離」抵抗器Rに送出されなければならない。このように、PAからの一定の総出力電力の一部分が、(コンバイナーの和出力ポートでの)出力に送出され、残りは、差出力ポートに送出され、分離抵抗器で熱として失われる。これは、出力電力が減少されるにつれて、効率の急速な低下を招き、この手法の魅力を減らす。この問題は、出力に送出されない電力を整流器によって回収することにより、部分的に相殺され得る。このように、一部の実装形態では、出力に送出されない電力は、その代わりに、整流器によってdc電源に戻って回収される。
【0005】
[0005]次に図3を参照すると、異なる従来の手法は、キラークスコンバイナー(Chireix combiner)などの無損失コンバイナーまたは関係する方法を使用することである。(本発明者が「無損失」と言うのは、理想的に損失がなくなるように、リアクタンス性構成要素またはエネルギー蓄積構成要素のみを含むコンバイナーのことであるが、一方で、すべての現実の構成要素がある程度の損失を有することは認識している。本発明者はさらに、「無損失」コンバイナーをリアクタンス性コンバイナーと呼ぶ。)非分離型であるキラークスコンバイナー技法の便益は、コンバイナーが理想的に無損失であるという事実、および、個別の電力増幅器により認知される実効負荷アドミタンスの実成分が、出力電力が低減するにつれて電力増幅器の導電損失が低減され得るように、アウトフェージング(および電力送出)によって変動するという事実を含む。しかしながら、実効負荷アドミタンス(Yin,1,Yin,2)のリアクタンス性部分は、単に2つのアウトフェージング角でゼロであり、制限された電力範囲の外側では大きくなる(図3での例のプロットを参照)。これは、付加されたリアクタンス性電流に関連する損失と、(可変の)リアクタンス性負荷による電力増幅器性能の低下の両方によって、効率を制限する。別の言い方をすれば、コンバイナーのリアクタンス性インピーダンス+jXc、−jXcが、それらの間の相互作用によって、PAに関する実効リアクタンス性負荷を補償する。しかしながら、PAの相互作用による実効リアクタンス性負荷は、動作点(アウトフェージング角)によって決まるので、補償は動作範囲の大部分にわたって不完全である。したがって、これは、広範囲にわたって動作する場合に、効率の損失およびPAの劣化を招く可能性がある。
【0006】
[0006]したがって、電力結合に関する上記で説明した難題は、アウトフェージングがRF用途でのより優位なアーキテクチャではない主要な理由の中の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]したがって、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷とともに理想的な無損失電力結合を提供し、大きなピーク対平均電力比(PAPR)に対してさえも、高い平均効率が実現されることを可能にすることにより、以前のアウトフェージング手法の損失およびリアクタンス性負荷の問題を克服する、RF用途での使用のための電力結合およびアウトフェージング変調のシステムを提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[008]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法によれば、電力結合およびアウトフェージングのシステムは、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性コンバイナーと、4個以上の電力増幅器とを含み、4個以上の電力増幅器の各個が、入力および出力を有し、各個の電力増幅器の出力が、リアクタンス性コンバイナーの4個以上の入力ポートのそれぞれの1つに結合される。本明細書では、用語「リアクタンス性コンバイナー」は、他の構成要素とともに、インダクタ、コンデンサ、変圧器、および伝送路を含む、エネルギーを蓄積または伝達する回路構成要素で提供されるコンバイナーを指すことを理解されたい。これらの構成要素は、理想的に損失がなくなるように、関心の無線周波数(RF)範囲でリアクタンス性インピーダンス特性を有する回路要素(いわゆるリアクタンス性構成要素)を用いて、または、エネルギー蓄積構成要素もしくはエネルギー伝達構成要素としてモデル形成され得る。当然ながら、すべての現実の構成要素がある程度の損失を有することが認識される。したがって、そのようなリアクタンス性コンバイナーは、時に「無損失コンバイナー」とも呼ばれる。関心の無線周波数(RF)範囲でリアクタンス性インピーダンス特性を有する回路構成要素が、集中型要素の回路構成要素として、またはRF伝送路を介して実装され得るような分散型要素の回路構成要素としてのいずれかで提供され得る、インダクタ、コンデンサ、変圧器、および伝送路として実装され得ることもまた理解されたい。
【0009】
[009]この特定の配置構成を用いて、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷とともに理想的な無損失電力結合を提供する、電力結合およびアウトフェージングのシステムが提供される。非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の抵抗性の負荷により、大きなピーク対平均電力比(PAPR)に対してさえも、高い平均効率が実現されることが可能になることを理解されたい。したがって、本明細書で説明する電力結合およびアウトフェージングのシステムは、従来技術のアウトフェージングのシステムおよび手法の、損失およびリアクタンス性負荷の問題を克服する。すぐれた性能を実現するために、コンバイナーの各個の部分の各個で、特性(例えばリアクタンス値)を考慮することが必要であることが発見されたということを理解されたい。最も高い性能を実現するために、コンバイナーの各個の部分からの値が、アウトフェージングを遂行するために使用される制御法則で利用されることもまた理解されたい。当然ながら、一部の実施形態では、本明細書で説明するリアクタンス性コンバイナーは、縦続で相互接続され、互いに相互作用する、いくつかの「別々の」リアクタンス性コンバイナーとして構成されているとみなされ得るが、これは、(「別々の」コンバイナーが識別され得ない、本明細書で説明する置換実装形態の多数からわかるように)そうである必要はないということを理解されたい。コンバイナーを「別々の」コンバイナーの相互接続された縦続とみなそうとする場合(これが行われ得る場合)、「別々の」コンバイナーは、コンバイナーの入力で認知される実効アドミタンス特性に対して重要である方法で互いに相互作用し、(例えば、分離コンバイナー(複数可)を組み込むシステムでは当てはまることになるように)相互作用しないいくつかの別々のコンバイナーとみなされ得ないということを認識することは重要である。しかしながら、重要なことには、本明細書で説明するリアクタンス性コンバイナーが、単一のコンバイナーとみなされるか、それとも互いに相互作用する複数の「別々の」コンバイナーから構成されているとみなされるかに関係なく、リアクタンス性コンバイナーの性能は、入力から出力までのコンバイナーのすべての部分によって決まる。その結果、高性能を実現するために、コンバイナー内のすべての要素のリアクタンス値(および同様の特性)が、アウトフェージングのシステムの制御戦略において考慮される。
【0010】
[0010]1つの実施形態では、4個の電力増幅器用のコンバイナーが、複数のリアクタンス性要素から提供され、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。1つの実施形態では、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。第1および第2のリアクタンスの大きさは、増幅器に対する適切な制御角によって、コンバイナーが、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷を提供するように選択される。5:1、10:1、20:1、さらには50:1を超える電力比にわたって高い効率を維持するシステムが、この手法を用いて構築され得る。したがって、本明細書で説明する概念、回路および技法により、次のものに限らないが、RF通信、医用画像、工業用加熱処理、およびdc−dc電力コンバータおよび他のスイッチモード電力コンバータシステムを含む、多種多様の異なるシステムでの用途が見出されることを理解されたい。
【0011】
[0011]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、電力結合およびアウトフェージング変調のシステムは、リアクタンス性要素の複数の段から提供され、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有するコンバイナーと、4個以上の電力増幅器とを含み、4個以上の電力増幅器の各個が、入力および出力を有し、各個の電力増幅器の出力が、コンバイナーの4個以上の入力ポートのそれぞれの1つに結合される。コンバイナーは、各個が、動作周波数での指定されたリアクタンス、または動作周波数範囲にわたるリアクタンスの指定された範囲を有する、1つまたは複数のリアクタンス性要素を有する。一部の実施形態では、コンバイナーに対するN個の入力に対して、2N−2個のリアクタンスが存在することになる(例えば、4個の入力ポートを有するコンバイナーは、6個のリアクタンス性要素を含む)。一部であるが全部ではない実施形態では、コンバイナーは、多段として構築され、所与の段でのリアクタンス性要素の各個の1つは、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有する。一部の実施形態では、段の内部のリアクタンス性要素は、動作周波数での同じリアクタンスの大きさを有し、一方で、異なる段の中のリアクタンス性要素は、動作周波数での、場合によっては異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。
【0012】
[0012]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、電力結合およびアウトフェージングのシステムは、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有し、複数のリアクタンス性要素を有し、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の指定されたリアクタンスの大きさを有するコンバイナーと、4個以上の電力増幅器であって、4個以上の電力増幅器の各個が、入力および出力を有し、各個の電力増幅器の出力が、コンバイナーの4個以上の入力ポートのそれぞれの1つに結合される4個以上の電力増幅器とを含む。好適な実施形態では、第1の指定されたリアクタンスの大きさは、第2の指定されたリアクタンスの大きさと異なる。
【0013】
[0013]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、2より大きな数N個の無線周波数(RF)電源から単一の出力への電力を送出かつ制御するためのシステムであって、そのシステムは、各個が出力ポートを有するN個のRF電源であって、N個のRF電源の各個がその出力ポートにRF電力を送出するように構成されるN個のRF電源と、無損失電力コンバイナーであって、その無損失電力コンバイナーが、N個の入力ポート、指定されたリアクタンス値を有する2N−2個のリアクタンス性分岐部、および、RF電力を受けるように構成される出力ポートを備え、N個のRF電源の出力ポートの各個が、無損失電力コンバイナーの入力ポートの対応する1つに結合され、電力コンバイナーの出力ポートに送出されるRF電力が、N個の無線周波数電源の位相を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することにより制御される無損失電力コンバイナーとを含む。
【0014】
[0014]1つの実施形態では、N個の無線周波数電源の位相を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することに応答して、電力コンバイナーの入力ポートでN個のRF電源の各個に提示される実効負荷インピーダンスが、N個の出力電力レベルで純粋に抵抗性である。
【0015】
[0015]1つの実施形態では、N個のRF電源により認知される実効負荷アドミタンスのサセプタンス性部分の最大の大きさが、無線周波数電源の純粋に抵抗性の負荷が発生する、最高および最低のRF出力電力レベルにより境界形成されるRF出力電力レベルの範囲にわたる、キラークスおよび無損失同位相の電力結合の任意の組み合わせを用いて実現可能であるものより小さい。
【0016】
[0016]本明細書で説明する本発明の概念、システムおよび技法のさらなる態様によれば、無線周波数(RF)システムが、4個以上のRF信号源であって、その4個以上のRF信号源の各個が出力ポートを有する4個以上のRF信号源と、4個以上の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各個のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートがRF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2個のリアクタンス性分岐部を含み、2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が所定のリアクタンス値を有し、リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、4個以上のRF信号源の各個の位相特性を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーとを含む。
【0017】
[0017]1つの実施形態では、4個以上のRF信号源の各個が、RF入力ポート、および、リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートのそれぞれの1つに結合されるRF出力ポートを有するRF増幅器を備える。
【0018】
[0018]1つの実施形態では、リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートの数が、RF信号源の数と一致する。
[0019]1つの実施形態では、電力コンバイナーの2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する。
【0019】
[0020]1つの実施形態では、電力コンバイナーの2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスを有し、リアクタンス性要素の第2のものが、動作周波数での第2の反対の指定されたリアクタンスを有する。
【0020】
[0021]1つの実施形態では、リアクタンス性電力コンバイナーの2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個のリアクタンス値が、リアクタンス性電力コンバイナーが、出力電力の範囲にわたって、リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートに結合されるRF信号源の各個の優位に抵抗性の負荷を提供するように選択される。
【0021】
[0022]1つの実施形態では、4個以上のRF信号源およびリアクタンス性電力コンバイナーの組み合わせが、電力増幅器回路を形成し、RFシステムが、複数のそのような電力増幅器回路を備える。
【0022】
[0023]1つの実施形態では、RFシステムが、複数の電力増幅器回路と、電力増幅器回路のアウトフェージング群が実現され得るように、電力増幅器回路の各個の対の間で結合される分離コンバイナーとを含む。
【0023】
[0024]1つの実施形態では、RFシステムが、電力増幅器回路の各個に結合されるドレイン変調回路をさらに含む。1つの実施形態では、ドレイン変調回路が、適応バイアス回路、ポーラ変調回路、離散的ドレインスイッチング回路の1つまたは複数を含む。1つの実施形態では、ドレイン変調回路が、非対称マルチレベルのアウトフェージング技法によって動作する。1つの実施形態では、ドレイン変調回路が、小さな出力電力での損失を低減するために、電力増幅器のゲート幅のスイッチングを実装する。
【0024】
[0025]1つの実施形態では、リアクタンス性電力コンバイナーが、1つもしくは複数の分散型回路要素、1つもしくは複数の集中型回路要素、または、分散型および集中型の回路要素の組み合わせの少なくとも1つを備える。
【0025】
[0026]一部の実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、4個以上のRF信号源の各個の相対位相が制御され、位相振幅が、電力で5倍にわたって1度未満、電力で10倍にわたって5度未満、電力で20倍にわたって10度未満、および、電力で50倍にわたって30度未満の少なくとも1つを満たす。一部の実施形態では、これらは、最悪の場合の実効イミタンス位相振幅を表す。
【0026】
[0027]一部の実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、4個以上のRF信号源の各個の相対位相が制御され、位相振幅が、電力で10倍にわたって2度未満、電力で20倍にわたって5度、および、電力で50倍にわたって15度の少なくとも1つを満たす。一部の実施形態では、これらは、最悪の場合の実効イミタンス位相振幅を表す。
【0027】
[0028]一部の実施形態では、RF信号源の相対位相が、指令された出力電力または電圧振幅の連続関数として調整される。
[0029]本明細書で説明する概念のさらなる態様によれば、無線周波数(RF)システムが、8以上のN個のRF信号源であって、その少なくともN個のRF信号源の各個が出力ポートを有する8以上のN個のRF信号源と、少なくとも8個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各個のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートがRF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2個のリアクタンス性分岐部を含み、2N−2個のリアクタンス性分岐部の各個が所定のリアクタンス値を有し、リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、N個のRF信号源の各個の位相特性を、2N−2個のリアクタンス性分岐部のリアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーとを含む。
【0028】
[0030]1つの実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、N個の電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、N個のRF信号源の各個の相対位相が制御され、最悪の場合の位相振幅が、電力で5倍にわたって1度未満、電力で10倍にわたって5度未満、電力で20倍にわたって10度未満、および、電力で50倍にわたって30度未満の少なくとも1つを満たす。
【0029】
[0031]1つの実施形態では、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、8個の電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、8個のRF信号源の各個の相対位相が制御され、位相振幅が、20:1の電力に対して1度、50:1の電力に対して2度、および、100:1の電力に対して5度の少なくとも1つを満たす。1つの実施形態では、これらの値は、最悪の場合の値を表す(すなわち、出力電力が指定された比にわたって変動する際に、8個の電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限され、最悪の場合の位相振幅は、20:1の電力に対して1度、50:1の電力に対して2度、および、100:1の電力に対して5度の少なくとも1つを満たす)。
【0030】
[0032]本明細書で説明する概念のさらなる態様によれば、電力増幅器システムが、N個の電力増幅器であって、ただしN=2Mであり、Mは2以上の整数であり、N個の電力増幅器の各個が入力ポートおよび出力ポートを有するN個の電力増幅器と、出力ポートおよびN個の入力ポートを有するリアクタンス性コンバイナーであって、リアクタンス性コンバイナーのN個の入力ポートの各個が、N個の電力増幅器のそれぞれの1つの出力に結合され、リアクタンス性コンバイナーが、複数のリアクタンス性分岐部を含み、リアクタンス性分岐部の各個が、M個の指定されたインピーダンスレベルの1つに対応するインピーダンス特性を有するリアクタンス性コンバイナーと、N個の電力増幅器の相対位相を、M個の指定されたインピーダンスレベルのすべての関数として制御することにより、コンバイナーの出力での電圧の振幅を調整するように構成される制御システムとを含む。
【0031】
[0033]1つの実施形態では、コンバイナーのN個の入力での実効サセプタンスが、少なくともN個の出力電圧振幅に対してゼロである。
[0034]1つの実施形態では、その振幅に対して実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効サセプタンス振幅が、実質的に同じである。
【0032】
[0035]1つの実施形態では、その振幅に対して実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効イミタンス位相振幅が、実質的に同じである。
【0033】
[0036]1つの実施形態では、M個の指定されたインピーダンスレベルが、単一の設計パラメータおよび指定された負荷抵抗の関数として選択される。
[0037]1つの実施形態では、2mの分岐部が第m=1…Mのインピーダンスレベルでのインピーダンスの大きさを有する、2N−2個のリアクタンス性分岐部が存在する(すなわち、M個のインピーダンスレベル、および、1からMまでの値をとる変数m(m=[1、2、3…M])が存在する。m=1のインピーダンスレベルでは2=21個のリアクタンスが存在し、m=2のインピーダンスレベルでは4=22個のリアクタンスが存在し、以下同様にして、第Mのインピーダンスレベルでの2M個のリアクタンスに至る。これは、図4および27、ならびに30、30A、30B、31、31A、31Bのコンバイナーに対応する。)。
【0034】
[0038]1つの実施形態では、電力コンバイナーが、T−デルタ変換、およびトポロジー双対変換のゼロ以上の適用によって、リアクタンスのバイナリツリーであって、ツリー内の各個の二分岐で相補性リアクタンスを有するバイナリツリーを含むネットワークに変換され得る。
【0035】
[0039]1つの実施形態では、制御システムが、N個の電力増幅器の電源電圧、およびN個の電力増幅器のRF入力駆動振幅の、1つまたは複数を制御することにより、コンバイナーの出力での電圧の振幅を調整するようにさらに構成される。
【0036】
[0040]本発明自体と同様に、本発明の前述の特徴が、図面の下記の説明から、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(非線形素子を用いた線形増幅(LINC)アーキテクチャとしても知られる)従来のアウトフェージングアーキテクチャのブロック図である。
【図1A】図1に示す従来のアウトフェージングアーキテクチャに対する位相電圧間の関係を示すフェーザ図である。
【図2】分離コンバイナーを用いて実装される従来のアウトフェージングアーキテクチャのブロック図である。
【図3】キラークスコンバイナーを用いて実装される従来のアウトフェージングのシステムのブロック図である。
【図3A】図3のアウトフェージングのシステムに対する実効アドミタンスの虚成分対実成分のプロットである。
【図4】電力増幅器(PA)が各個の入力ポートに結合された状態で、4個の入力ポートおよび出力ポートを有するコンバイナーを含むアウトフェージングのシステムのブロック図である。
【図4A】(a)電力コンバイナー、(b)4個の電力増幅器(PA A〜PA D)、ならびに(c)ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅(AA〜AD)および位相(ΦA〜ΦD)を調整することに責任を負う振幅/位相制御ユニットを備える電力コンバイナーシステムのブロック図である。
【図4B】(a)電力コンバイナー、(b)4個の電力増幅器(PA A〜PA D)、(c)それぞれのPAの電源電圧(VS1〜VS4)を調整することに責任を負う電源制御ユニット、ならびに(d)ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅(AA〜AD)および位相(ΦA〜ΦD)を調整することに責任を負う振幅/位相制御ユニットを備える電力コンバイナーシステムのブロック図である。
【図5】位相電圧間の関係を示すフェーザ図である。
【図6】近似逆抵抗圧縮ネットワーク(approximate inverse resistance compression network)(AIRCN)アウトフェージング制御方法に対する、アウトフェージング制御角対指令された出力電力を示すプロットである。
【図7】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、4個のポートのコンバイナーを備え、VS=1V、RL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωである一例のシステムに対する、実際の出力電力対指令された電力のプロットである。
【図8】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の入力ポートの電力コンバイナーの入力ポートでの実効入力アドミタンスの実成分のプロットである。
【図8A】[0.01,0.25]WのAIRCNアウトフェージング制御方法の指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効入力アドミタンスの虚成分のプロットである。
【図9】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの大きさのプロットである。
【図9A】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの位相のプロットである。
【図10】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、実効アドミタンスYeff,cの実成分のプロットである。
【図10A】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、実効アドミタンスYeff,cの虚成分のプロットである。
【図11】AIRCNアウトフェージング制御方法を使用する、構成要素のQ値Q=100に対する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、コンバイナー内の百分率の電力損失(100・fl)対指令された入力電力のプロットである。
【図12】抵抗圧縮ネットワーク(RCN)のブロック図である。
【図12A】図12の抵抗圧縮ネットワーク(RCN)に対する、整合された負荷抵抗値R0の関数としての入力インピーダンスRinのプロットである。
【図13】図12の単段RCNネットワークの縦続に基づく、多段抵抗圧縮ネットワークのブロック図である。
【図14】図13の2段圧縮ネットワークに対する、整合された負荷抵抗値R0の関数としての抵抗性の入力インピーダンスRin,2のプロットである。
【図15】設計パラメータkの異なる値に対する、式(10)〜(12)の制御法則と連関した、図4のコンバイナーでの実効アドミタンスYeff,Aの大きさのプロットである。
【図15A】設計パラメータkの異なる値に対する、式(10)〜(12)の制御法則と連関した、図4のコンバイナーでの実効アドミタンスYeff,Aの角度のプロットである。
【図16】キラークスコンバイナーを利用する従来技術のシステムに対する、ならびに、本明細書で説明する新規の概念および技法により提供されるシステムに対する、アドミタンスYinの虚成分対電力のプロットである。
【図17】逆RCNアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効コンダクタンス対Poutのプロットである。
【図17A】逆RCNアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効サセプタンス対Poutのプロットである。
【図17B】逆RCNアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効位相対Poutのプロットである。
【図18】最適サセプタンスアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効入力コンダクタンス対Poutのプロットである。
【図18A】最適サセプタンスアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効サセプタンス対Poutのプロットである。
【図18B】最適サセプタンスアウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、図4のシステムに対する実効位相対Poutのプロットである。
【図19】最適位相アウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効入力コンダクタンス対Poutのプロットである。
【図19A】最適位相アウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、実効サセプタンス対Poutのプロットである。
【図19B】最適位相アウトフェージング制御の結果として、VS=1V、RL=50Ωおよびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動する電力増幅器(A〜D)の各個により認知されるような、図4のシステムに対する実効位相対Poutのプロットである。
【図20】VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーに対する、最適位相(OP)、最適サセプタンス(OS)、逆RCN(IRCN)の制御方法に対する、アウトフェージング制御角θおよびΦ対Poutのプロットである。
【図21】最適位相(OP)、最適サセプタンス(OS)および逆RCN(IRCN)のアウトフェージング制御方法の結果として、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の実効入力アドミタンス位相の大きさのプロットである。
【図21A】最適位相(OP)、最適サセプタンス(OS)および逆RCN(IRCN)のアウトフェージング制御方法の結果として、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05である図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の実効サセプタンスの大きさのプロットである。
【図22】k=1.1およびk=1.2に対する最適位相アウトフェージング制御によって、図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の実効入力アドミタンス位相の大きさのプロットであり、電力軸は、VS=1VおよびRL=1Ωに正規化され、電力軸にVS×VS/RLを乗算することにより、特定のVSおよびRLに対して非正規化される。
【図23】逆RCN(IRCN)および最適位相(OP)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する入力アドミタンス位相最小化設計曲線のプロットである。
【図24】逆RCN(IRCN)および最適位相(OP)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する、その範囲に対してピーク位相偏移が最小化される(アドミタンス位相最小化設計)出力電力動作範囲の最小および最大の限度対k値の正規化されたプロット(VS=1V、RL=1Ω)である。
【図25】逆RCN(IRCN)および最適サセプタンス(OS)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する入力サセプタンス最小化設計曲線のプロットである。
【図26】逆RCN(IRCN)および最適位相(OP)のアウトフェージング制御方法に対する、4ウェイ電力コンバイナーに対する、その範囲に対してピークのサセプタンス性偏移が最小化される(サセプタンス最小化設計)出力電力動作範囲の最小および最大の限度対k値の正規化されたプロット(VS=1V、RL=1Ω)である。
【図27】8ウェイ電力コンバイナーのバイナリツリー実装形態である。
【図28】T−Δの一般的なネットワーク変換である。
【図29】図4での4ウェイコンバイナーの上部Tネットワークに適用されるT対Δ変換である。
【図30】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、基本的な4ウェイコンバイナーである。
【図30A】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図30B】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図30C】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図30D】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、ネットワークおよび負荷の部分に関するT−Δ変換の結果としての、図30の基本的な4ウェイコンバイナーの可能なトポロジーの変形形態である。
【図31】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30での回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31A】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Aでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31B】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Bでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31C】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Cでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【図31D】電力増幅器の入力および負荷ネットワーク接続が示される、図30Dでの回路のトポロジー双対に対応する回路である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0089]次に図4を参照すると、従来のアウトフェージングのシステムが2個の電力増幅器を利用する一方で、本明細書で説明する概念および技法によって構成されるシステムは、4個以上の増幅器からの電力を結合する。電力コンバイナーは、実質的に無損失であり、出力電力が個別の電力増幅器の相対的なフェージングにより制御されることを可能にし、一方で、電力コンバイナーの入力での望ましい入力インピーダンスを提供することを理解されたい。指定された負荷抵抗RLに対して、出力電力Pを制御することは、P=Vout2/(2RL)であるので、出力電圧振幅を制御することと同等であることもまた理解されたい。電力が、電力増幅器の入力の振幅変調、および電力増幅器の電源/複数の電源の変調を含む、他の方法によって追加的に制御され得る(すなわち、他の技法が、本明細書で説明するアウトフェージング技法と組み合わせて使用され得る)こともまた留意されたい。
【0039】
[0090]図4に連関して以下の本明細書で説明する一例としての実施形態は、4個の電力増幅器を含むが、本明細書で説明する概念によれば、4個を超える増幅器を有するアウトフェージングのシステムもまた企図され、4個を超える増幅器を有するシステムに対する拡張もまた以下の本明細書で説明されることを、さらに理解されたい。
【0040】
[0091]次に図4に移ると、アウトフェージングのシステムは、電力コンバイナー(またはより単純に、コンバイナー)、および、複数の、ここでは4個の、図4では理想的な電圧源としてモデル形成されて示される増幅器を含む(そして以下で考察するように、図5では、電力増幅器の端子電圧間のフェーザ関係を図示する)。電力コンバイナーは、5個のポートを有し、4個の入力ポートは、4個の電力増幅器のそれぞれの1つの出力ポートに(直接的または間接的に)結合され、1個の出力ポートは、負荷に(直接的または間接的に)結合される。理想的には、電力コンバイナーは、インピーダンスZ=−jkX1および+jkX1を有するリアクタンス性要素の第1の組、ならびに、インピーダンスZ=−jkX2および+jkX2を有するリアクタンス性要素の第2の組から構成される、無損失コンバイナーとして提供される。(当技術分野では、理想的に無損失の構成要素を備えるコンバイナーが、無損失コンバイナーと呼ばれることが多いことを理解されたい。)リアクタンス性要素は、各個が、所望の動作周波数での指定されたリアクタンス値を有して提供される。
【0041】
[0092]図4の一例としての実施形態では、電力増幅器は、理想的な電圧源としてモデル形成される。しかしながら、実効負荷インピーダンスが理想から偏移する場合は、現実的な電力増幅器は理想的な供給源として作動しないことになることが認識される。
【0042】
[0093]図4に示すようなアウトフェージングのシステムを提供するために、新型のコンバイナーでのリアクタンスがどのように選択され得るかを説明することから始める。コンバイナーの1つの要素のリアクタンスの大きさX2は、負荷抵抗RLの近くに選択される。例えば、リアクタンスの大きさX2は、典型的には負荷抵抗RLの約30%の範囲内であることが好ましく、多数の設計に対しては、リアクタンスの大きさX2は、負荷抵抗RLの約10%の範囲内であることになる。パラメータkが、式(1)によって、X2がRLにどの程度近いかを設定することを理解されたい。kを変動させることの性能に対する影響(したがって、RLおよびX2が「どの程度近い」か)は、図15および図23〜26に連関して以下で考察する。大部分の現実的な実施形態では、kに対する値は、典型的には約1〜1.2の範囲にあるが、この範囲の外側の値もまた、特定の用途の要件に応じて使用され得る。リアクタンスの大きさX2を決定するために、1と等しい、または1よりわずかに大きな数k(例えば、k=1.05)を指定し、X2を次式のように決定することができる。
【0043】
X2=RL・2/(k+1) (1)
[0094]図16に連関して以下で説明されるように、パラメータkは、その量の中に、例えばxとkxとの間に、RCN圧縮段の皮相入力抵抗が圧縮される量とみなされ得ることを理解されたい。パラメータkのそのような見方が、式(16)および関連する本文に関して取り上げられる。
【0044】
[0095]いずれにしても、X2に対するリアクタンスの大きさが計算される後、X1に対するリアクタンスの大きさに対応する値が、X2およびkによって、例えば次式のように計算され得る。
【0045】
【数1】
【0046】
[0096]したがって、例えば、RL=50Ωを用いると、システムの動作周波数で、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωを選定することができる。RL、X1およびX2の他の相関的な選択が、本明細書で説明する全体的な概念の範囲内で可能であり、一部の用途で望まれる場合があることが理解されよう。次のものに限らないが、回路が使用されるための特定の用途、電力増幅器の所望の動作範囲、電力増幅器の負荷感度、電力増幅器の最適な負荷のために、純粋に抵抗性の負荷が望まれるか、それともある程度リアクタンス性の構成要素が望まれるか、ならびに他のシステム設計の目的および要件を含む、種々の要因を考慮して、そのような他の相関的な選択を行うべき場合が、本開示を読んだ後、当業者によりさらに理解されるであろう。それでも、これは、本発明の1つの好適な実施形態を表す。
【0047】
[0097]図4のネットワークの挙動が解析され得るとともに、供給源のアウトフェージングにより出力を制御するための1組の関係式が発展され得る。図4のネットワークの供給源電圧と入力電流との間の関係が、次式のように表現され得ることが示され得る。
【0048】
【数2】
【0049】
[0098]ただし、
γ=RL/X1およびβ=X2/X1である。
[0099]ベクトル表記法では、これは、次式のように表現され得る。
【0050】
【数3】
【0051】
[00100]4個の供給源間で、相対位相関係が提案され得る。しかしながら、位相は、出力の絶対位相を制御するための追加的な角度により、一緒に調整される場合もあることを理解されたい。本開示および本明細書で開示する全体的な概念の範囲内には、他の可能性が存在するが、供給源間の下記の関係が提案される。
【0052】
【数4】
【0053】
[00101]ただし、VSは供給源の振幅であり、φおよびθは、アウトフェージング用に使用される制御角である。
[00102]次に図4Aを参照すると、電力コンバイナーシステムが、4個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーを含む。電力増幅器として提供され得る4個の増幅器PAA、PAB、PAC、PADの各個は、RF出力ポートが、リアクタンス性電力コンバイナーの4個のRF入力ポートのそれぞれの1つに結合される。増幅器は、4個のバイアス(または電源)電圧VS1、VS2、VS3、VS4のそれぞれの1つによりバイアスされる。電力コンバイナーシステムは、増幅器PAA〜PADを駆動するRF信号に対応する出力信号を提供する増幅器ドライバ回路(PAドライバ)をさらに含む。増幅器PAA〜PADの各個は、それらに対して提供される信号をPAドライバ回路から受信し、増幅されたRF信号を、リアクタンス性電力コンバイナー回路のそれぞれの入力に提供する。PAドライバ回路は、フィードバック信号(ここでは、リアクタンス性電力コンバイナーの出力から結合されるようなフィードバック信号)をさらに受信する。PAドライバ回路は、(以下の本明細書で説明するように選択された)適切に選択された位相および振幅を有する信号を、増幅器PAA〜PADに提供することを理解されたい。したがって、PAドライバ回路は、ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅AA〜ADおよび位相ФA〜ФDを調整することに責任を負う振幅/位相制御ユニットをさらに含み得る。そのようなシステムを制御するための一例としての技法が、本明細書で説明される。当然ながら、リアクタンス性電力コンバイナーは、Nが2以上である2N個のポートを有し得ることを理解されたい。一部の用途では、ハチ(8)個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナー、ならびに8個の増幅器を含む電力コンバイナーシステムが好適である。
【0054】
[00103]次に図4Bを参照すると、電力コンバイナーシステムが、4個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナー、(例えば、電力増幅器として提供され得る)4個の増幅器PAA〜PAD、それぞれのPAの電源電圧(VS1〜VS4)を調整することに責任を負う電源制御ユニット、ならびに、ユーザ指令およびフィードバックデータに基づいて、それぞれのPAに対する入力信号の振幅(AA〜AD)および位相(ФA〜ФD)を調整することに責任を負うPAドライバ回路を含む。この一例としての実施形態では、電源制御回路は、電力コンバイナーシステムの効率をさらに改善するために、増幅器PAA〜PADのそれぞれの1つに提供される、バイアス(または電源)電圧VS1〜VS4の1つまたは全部を調整することができる。図4Aと連関して上記で考察したように、一部の用途では、ハチ(8)個の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナー、ならびに8個の増幅器を含む電力コンバイナーシステムが好適である。
【0055】
[00104]次に図5を参照すると、図4での供給源VA、VB、VC、VDの間の、位相および制御角の関係が、式(5)の関係式にしたがって、図表を用いて示される。4個の端子電圧VA、VB、VC、およびVDは、同じ振幅VSを有することに留意されたい。図5でわかるように、アウトフェージング制御角およびθは、出力電力を調節し、一方で、供給源(例えば電力増幅器)の望ましい負荷を維持するために使用される。
【0056】
[00105]システムの挙動の特徴を述べるために、規定された位相関係に対する、各個の供給源により認知される実効アドミタンスを見出す。この例では、これは式(5)を使用して行われる。コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスは、すべての供給源が活動状態である状態での、ポートでの電流対電圧の複素比である。実効アドミタンスは、供給源により、それらがアウトフェージング制御のもとで動作している場合に「認知される」アドミタンスを表す。式(3)と(5)とを組み合わせ、それらを操作すると、以下の式(6)から(9)に示すような、4個のコンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスに対する下記の式が見出され得る。
【0057】
【数5】
【0058】
[00106]供給源AおよびDにより認知される実効アドミタンスは、供給源BおよびCにより認知されるものと同様に、複素共役であることが容易に察知される。さらに、式はすべて、多数の個別の項を共通に有する。
【0059】
[00107]次に、所望の出力電力を現実化し、一方で、供給源の望ましい(抵抗性の)負荷を保つためのアウトフェージング制御戦略が説明される。一般性を失うことなしに、負荷でのゼロ位相の基準となる出力電圧の総合を考慮してみる。電力増幅器位相のすべてに対する共通の調整により、負荷位相を調整することができる。ゼロ位相負荷電圧の振幅VL,ref、または同じことであるが、「指令された」サイクル平均電力Pcmd=(VL,ref)2/(2RL)を総合するために、中間変数r0が、式(10)に示すように定義される。
【0060】
【数6】
【0061】
[00108]制御角θおよび
【0062】
【数7】
【0063】
は、式(11)および(11A)にしたがって、r0によって選択される。
[00109]θおよびψの他の制御選択が、本開示の範囲内で可能であり、一部の用途で望まれる場合があることが理解されよう。式(10)〜(11A)は、本発明者が「近似逆抵抗圧縮ネットワーク」制御方法、すなわちAIRCN制御方法と呼ぶ、所望の電力Pcmdに関する完全な提案された制御法則を形成し、これは、1つの好適な実施形態を表す。利点には、強力な解析基盤を有すること、ならびに、拡大要約の最終部分で説明する手法を使用して、角度を生成すること、および位相変調に対処することが容易であることがある。
【0064】
[00110]当然ながら、電力の同様の制御を提供し、一方で、実効アドミタンスの虚部を小さいままにすることができる制御の代替の定式化に想到することが可能であることを理解されたい。例えば、これは、所望の電力点を提供する代替の角度の組み合わせに対する数値探索などの探索を、場合によっては上記で示した解の近傍で探索を開始して遂行することにより行われ得る。本明細書では、「最適位相」(すなわち「OP」)制御方法および「最適サセプタンス」(すなわち「OS」)制御方法と呼ばれる、2つのそのような制御方法が以下で説明される。これらの方法は、それらが実現する非常に小さな(および一部の場合では最小化された)位相およびサセプタンスの偏移に対して好ましい、代替の好適な実施形態を表す。
【0065】
[00111]表Iは、IRCNおよびOP制御を用いた、(例えば、図4〜4Bと連関して上記で説明したタイプの)ヨン(4)ウェイコンバイナーの実現可能な性能を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
[00112]表IIは、逆RCN(IRCN)アウトフェージング制御方法の場合に対する、5:1、10:1、20:1、50:1、および100:1の電力範囲比に対する、ハチ(8)ウェイコンバイナーの最大の最悪の場合の実効入力アドミタンス位相を示す。
【0068】
【表2】
【0069】
[00113]表IIでの1度未満の位相値に対して、実際には1度が境界の働きをし得る(すなわち、数度の範囲内の位相値が、多数の現実的な用途に対して十分となる)ことを理解されたい。
【0070】
[00114]当然ながら、電力増幅器間の共通位相および/または増幅器間の差動位相を、出力信号の所望の大きさおよび位相の動態の関数として追加的に制御する制御法則を実装することもまた可能であることを理解されたい。したがって、制御法則は、出力電力/電圧および位相の関数としてだけでなく、所望の出力の電圧および位相の微分係数、または、所望の信号出力の動態および/もしくは電力増幅器ネットワークの何らかの他の関数に基づいても、電力増幅器の位相を指定することができる。これは、所望の信号出力および/または電力増幅器ネットワークに対して使用され得る。これは、例えば所望の出力信号の急速な位相変動を補償するために(例えば、出力での帯域外成分を減ずるために)、および/または、コンバイナーネットワークの自然な応答を補償するために使用され得る。
【0071】
[00115]本明細書で説明する概念、システムおよび技法は、PAの望ましい負荷特性を提供する、無損失コンバイナーネットワークを用いた3個以上のPAの初のアウトフェージングであるということ、ならびに、上記で言及した制御法則は、本明細書で説明する新規の概念、システムおよび技法の1つの好適な実施形態を表すということもまた理解されたい。わかるように、典型的なパラメータ選択(例えば、1〜1.2の範囲にあるパラメータk、ならびに、本明細書で説明する処理によるこの選択に起因する回路値X1およびX2の)に対して、この制御法則は、広い動作範囲にわたる個別の電力増幅器の単調な出力制御および望ましい負荷を提供する。
【0072】
[00116]所与の対のアウトフェージング制御角[θ;φ]に対する、負荷電圧VLおよび負荷RLに送出される出力電力Pout(図4を参照)を知ることは有益である。直接的な線形回路解析技法を利用することにより、負荷電圧が(12)により与えられることが示され得る。
【0073】
【数8】
【0074】
[00117]図5の採用されたPA位相関係の結果として、上記の式は(13)にさらに簡約される。
【0075】
【数9】
【0076】
[00118]その結果、出力電力は、(14)によって容易に決定される。
【0077】
【数10】
【0078】
[00119]式(14)は、それが、負荷RLに送出される出力電力と、任意の対のアウトフェージング制御角[θ;φ]との間の厳密な関係を簡潔に表現するので、非常に重要かつ価値が高いものである。
【0079】
[00120]さらに、式(14)から、電力コンバイナーにより負荷に送出可能な最大出力電力、飽和出力電力Pout,satが、(15)により与えられ、θ=0°およびφ=90°に対応することが容易にわかる。
【0080】
【数11】
【0081】
[00121]式(15)は、4ウェイコンバイナーに対してのみ妥当であるが、それと、一般的なNウェイコンバイナーに対するものとの間の唯一の違いは、上記で概説した方法論を適用することにより決定され得る、先頭の数値定数である。
【0082】
[00122]次に説明されるのが、提案された電力コンバイナーおよびアウトフェージングのシステムの属性である。例として、VS=1V、RL=50Ωおよび(X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωをもたらす)設計値k=1.05であるシステムを考慮してみる。
【0083】
[00123]図6は、AIRCN制御方法に対する、一例のシステム(VS=1V、RL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ω)に対する、式(10)〜(12)による、制御角ψおよびθ対「指令された」電力のプロットを示す。
【0084】
[00124]図7は、VS=1V、RL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωである一例のシステムに対する、実際の出力電力対指令された電力のプロットである。図7からわかるように、実際の電力は、指令された電力とともにゼロから単調に増加し、示す範囲にわたって指令された電力と良好に一致する。より高い指令された電力レベルでは、実現された実際の電力は、近似的に0.31Wで飽和する。出力電力は、ゼロ電力に至るまで指令の平滑で単調な関数であるので、非線形性は、予歪または他の手段によって容易に対処され得る。この結果は、本明細書で説明する新規のアウトフェージング機構が、ゼロ電力に至るまで広範囲にわたって出力電力を平滑に制御することができることを明示する。
【0085】
[00125]さらに、現実的に重要であるのは、制御範囲全体で個別の電力増幅器により認知される実効インピーダンスである。
[00126]次に図8および8Aを参照すると、示されるのは、(式(6)〜(11A)による)AIRCN制御方法に対する、指令されたサイクル平均出力電力Pcmdの関数としての、4個のコンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの実成分および虚成分である。
【0086】
[00127]プロットが、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対して示される。図8と8Aとを比較すると、虚成分が、広範囲にわたり、実成分と比較して小さいこと(すなわち、高度に導電性の入力アドミタンス)がわかる。示した範囲の下方で、指令された電力がゼロに進むにつれて、アドミタンスの実部はゼロに進み、一方で虚部は+/−0.028モーに進む。Yeff,AおよびYeff,Dの実部は、Pcmd<約0.00875Wに対して、約−0.026モーの最小の負の実成分で、一時的に負になる。これは、この範囲にわたる、供給源VBおよびVCから、VAおよびVDへの電力伝達を示す。Pcmdが、示した範囲の上方に増大されるにつれて、アドミタンスの実成分は、0.15〜0.16モーの範囲内の値で飽和し、虚部は、[−0.075,0.075]モーの範囲内の値に飽和する。
【0087】
[00128]図9および9Aは、同じ情報を、実効インピーダンスの大きさおよび位相として示す。
[00129]図7および8および9のプロットは、システムのいくつかの重要な特性を例示する。
【0088】
[00130]例えば、各個のポートでの入力アドミタンスが、電力指令の広範囲にわたって高度に抵抗性である(位相がゼロに近い)こと、および、アドミタンスのサセプタンス性成分が、絶対尺度では決して大きくないことがわかる。これは、多数の種類の電力増幅器に対する、ほぼ理想的な負荷特性を表し、電力増幅器に負荷を与える実効アドミタンスのサセプタンス性部分は小さく、アドミタンスの導電性成分は、密接に整合され、所望の電力送出とともにスケールアップする。(例えば図8および9に例示する範囲より下方の)非常に小さな指令された電力では、アドミタンスが、まさに増大し、サセプタンス性になる(ゼロの指令された電力では完全にサセプタンス性になる)。しかしながら、この範囲で取り出される供給源の電流および電力は小さいので、この非理想特性は、多数の用途では容認可能となる。実際、サセプタンス性負荷は、例えば従来のキラークスのアウトフェージングを用いるより、実質的により広い電力範囲にわたって小さい。同様に、負荷のサセプタンス性成分は、従来のキラークスのアウトフェージングを用いて実現可能であるよりも、指定された電力範囲にわたって、より小さく与えられ得る。
【0089】
[00131]一時的に図16を参照すると、新型の電力コンバイナーおよびアウトフェージングのシステム(図4)およびAIRCN制御方法のアドミタンスの虚成分と、図3のキラークスのシステムのそれとの間の比較が、総出力電力の関数として示される。キラークスのシステムの、3つの一例の設計が示される。キラークスのシステムが2個のPAを有するのみであるという事実を説明するために、キラークスのシステムは、√2倍だけより高い入力電圧に対して示される。この正規化によって、各個のPAがアドミタンスの同様の実成分を認知する状態で、同じ総電力が、2つのシステムで実現される。新型の電力結合およびアウトフェージングのシステムが、広い電力範囲にわたって、キラークスコンバイナーよりはるかに小さなリアクタンス性負荷をもたらすことがわかる。(参考のために、Pout=0.2Wに対するアドミタンスの実部は、各個で近似的に0.1モーである。)
[00132]これらの結果は、提案された電力コンバイナーおよびアウトフェージングのシステムが、高い効率での広範囲の電力制御を提供し、一方で個別の電力増幅器の望ましい負荷特性を保つ目的を満たすことができることを明示する。本明細書で説明する新規のシステムの利点は、キラークスコンバイナーを用いて可能であるよりも、提案されたアウトフェージングのシステムを用いて、指定された電力範囲にわたって、より小さなサセプタンス性負荷を実現することができるということである。同様に、サセプタンス性負荷の指定された許容可能な大きさに対して、キラークスコンバイナーを用いて可能であるよりも、提案されたシステムを用いて、より大きな電力範囲にわたって動作させることができる。
【0090】
[00133]次に図9および9Aを参照すると、電力指令Pcmdの関数としてプロットされる、4個の電力コンバイナーの入力ポートでの実効アドミタンスの大きさおよび位相が示される。図9および9Aでの曲線は、AIRCN制御方法を用いて、[0.01,0.25]Wの指令された電力範囲にわたり、一例のRL=50Ω、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対して生成されたものである。入力アドミタンスが、広範囲にわたって高度に導電性であり(位相がゼロに近い)、4つの出力電力レベルでは理想的にゼロであることがわかる。指令された電力が、示した範囲の下方でゼロに進むにつれて、アドミタンスの大きさは、約0.28モーの最大値に増大し、位相は+/−90°に進む。指令された電力が、示した範囲の上方に増大するにつれて、入力アドミタンスの大きさは、約0.18モーの下方の値に飽和し、位相は[−25°,25°]の範囲内にある。
【0091】
[00134]上記の結果を検証するために、図4のシステムは、提案されたAIRCN制御法則が、10MHzの周波数で式(10)、(11)および(11A)に対して設定された状態で、LTSPICEにおいてシミュレートされた。一例のVS=1V、RL=50ΩおよびX2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωが使用された。正のリアクタンスが、インダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nHおよびX2に対して776.4nH)、一方で負のリアクタンスが、コンデンサを用いて実装された(X1に対して447pFおよびX2に対して326.27pF)。4個の電力増幅器のポートでの実効アドミタンスおよび電力が、動作点の範囲に対して数値的に算出された。シミュレーションの結果が、シミュレーションの数値精度の範囲内で理論と一致することがわかった。シミュレーションの数値精度の範囲内で理論と一致するシミュレーション結果の例が、図10および10Aに示される。
【0092】
[00135]次に図10および10Aを参照すると、これらの図は、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60ΩおよびAIRCN制御方法に対して、実効アドミタンスYeff,Cの実成分および虚成分を示す。解析結果と、LTSPICE.acシミュレーションから計算される数値結果の両方が示される。シミュレーションに対しては、正のリアクタンスが、インダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nHおよびX2に対して776.4nH)、一方で負のリアクタンスが、コンデンサを用いて実装された(X1に対して447pFおよびX2に対して326.27pF)。シミュレーションの結果は、解析的な定式化を裏付ける。
【0093】
[00136]このように、図10および10Aは、シミュレーションの数値精度の範囲内で理論と一致するシミュレーション結果の1つの例を表す。図10および10Aは、シミュレーションに基づいて数値的に計算された値とともに、実効アドミタンスYeff,Cを示す解析曲線を示す。シミュレーションは、図10および10Aに示さない他の実効アドミタンスに対して、同じく良好に理論と一致した。
【0094】
[00137]任意の電力結合システムに関する関心事は、電力結合の効率である。理想的に無損失である一方で、図4のコンバイナー内の実際の受動構成要素の寄生抵抗が、無視され得ないことが多いある程度の損失を与える。ここでは、電力コンバイナーの効率に対するそのような損失の影響を考慮してみる。電力コンバイナーによるものである損失のみを論じ、電力増幅器自体で生じる場合がある(例えば、電力コンバイナーの入力ポートでの実効インピーダンスの変動によるものである)任意の結合に関係する損失は考慮しない。
【0095】
[00138]図4のコンバイナー内の受動構成要素の非理想特性をモデル形成するために、コンバイナーネットワーク内の各個の分岐部が、あらゆる分岐部が同じQ値Q=|X|/RSを有するように、直列抵抗を有すると仮定する。これらの寄生抵抗によるものである損失および効率低下を推定するために、ネットワークの整合において以前に利用されていた方法を採用し、回路電流は、損失がないと仮定して(すなわち、抵抗がゼロであると仮定して)算出され、次いで、損失および回路効率が、寄生抵抗を通って流れる算出された電流により引き起こされる損失に基づいて算出される。このように、この方法は、分岐部の電流が、小さな抵抗の存在による影響を著しくは受けないと仮定する。
【0096】
[00139]上記の方法を使用すると、コンバイナー内の損失が、式(16)に示すように算出され得ることが示され得る。
【0097】
【数12】
【0098】
[00140]ただし、VおよびYは、式(3)および(4)においてのように定義され、Hは、エルミート演算子(共役転置)であり、Wは、式(17)に示すように定義される。
【0099】
【数13】
【0100】
[00141]コンバイナーの部分的損失fl=(1−効率)は、式(18)に示すように同様に算出され得る。
【0101】
【数14】
【0102】
[00142]このように、部分的損失は、コンバイナーネットワーク内の分岐部のインピーダンスのQ値に反比例し、動作点によって決まる。
[00143]上記の定式化を検証するために、かつ、提案された電力結合システムの効率の可能性を例示するために、一例のシステムの部分的損失が、式(14)の結果を使用して算出され、LTSPICEからの数値結果と比較された。一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60ΩおよびAIRCN制御方法が、やはり使用されている。正のリアクタンスが、インダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nHおよびX2に対して776.4nH)、一方で負のリアクタンスが、コンデンサを用いて実装されており(X1に対して447pFおよびX2に対して326.27pF)、寄生抵抗が、Q=100の各個の分岐部要素に対して付加される。
【0103】
[00144]図11は、構成要素のQ値Q=100に対する、一例のVS=1V、RL=50Ω、f=10MHz、X2=48.78ΩおよびX1=35.60Ωに対する、コンバイナー内の百分率の電力損失(100・fl)対指令された入力電力のプロットである。解析結果と、LTSPICE.acシミュレーションから計算される数値結果の両方が示される。シミュレーションに対しては、正のリアクタンス性インピーダンスが、直列抵抗器を伴うインダクタを用いて実装され(X1に対して566.6nH、0.356ΩおよびX2に対して776.4nH、0.488Ω)、一方で負のリアクタンス性インピーダンスが、直列抵抗器を伴うコンデンサを用いて実装された(X1に対して447pF、0.356ΩおよびX2に対して326.27pF、0.488Ω)。シミュレーションの結果は、解析的な定式化を裏付ける。理論曲線とシミュレートされた結果との間の小さな不一致は、小さな抵抗性の損失は電流波形に影響を与えないという解析で行われる仮定に帰することができる。さらに、電力結合によるものである損失は、広い動作範囲にわたって小さい(Q=100に対してプロットされた範囲にわたって<5%)ことがわかる。部分的損失(すなわち百分率の損失)は、分岐部のQ値に反比例するので、結合損失は、比較的低いQ値でも御しやすいことが期待され、高いQ値の構成要素が使用されるならば、非常に小さくされ得ることがわかる。
【0104】
[00145]次に説明されるのが、提案された電力結合およびアウトフェージングのシステムの理解を容易にするための概念的枠組みである。システムの動作原理をより良く例示することに加えて、この部分では、図4〜11に連関して上記で説明した回路およびシステムの設計が、どのように総合されるかを解説し、本明細書で説明する概念、システムおよび技法の範囲内の、関係する電力コンバイナーおよび制御法則が、どのように発展され得るかを示す。第1のステップとして、一見無関係な問題、すなわち、多段抵抗圧縮ネットワークの発展が考察される。次いで、多段圧縮ネットワークの設計および挙動が、コンバイナーおよびアウトフェージング制御法則の総合のために、どのように使用され得るかが示される。
【0105】
[00146]提案されたアウトフェージングのシステムの設計および挙動を例示するための道筋として、多段抵抗圧縮ネットワークが最初に考察される。抵抗圧縮ネットワーク(RCN)は、供給源を1組の整合された(ただし可変の)抵抗性の負荷に結合するための、無損失の相互接続ネットワークの級である。
【0106】
[00147]次に図12および12Aを参照すると、抵抗圧縮ネットワーク(RCN)(図12)およびその動作特性(図12A)が示される。図12Aは、図12のRCNの抵抗性の入力インピーダンスRinを、整合された負荷抵抗値R0の関数として例示する。図12Aでわかるように、整合された負荷抵抗R0の抵抗値が、幾何学的にXを中心とした範囲にわたって連続して変動する際、入力インピーダンスの値は、抵抗性であり、R0よりはるかに小さな範囲にわたって変動する。RCNネットワークは、他の用途とともに、共振のdc−dcコンバータおよび整流器に対する、ならびに、電力増幅器でのエネルギー回収に対する用途を有することに留意されたい。
【0107】
[00148]図12のRCN内の抵抗R0が、幾何学的にXを中心とした範囲にわたって連続して変動する際、ネットワークの入力インピーダンスは、抵抗性であり、R0が変動するよりはるかに小さな範囲にわたって変動する。特に、入力インピーダンスは、動作周波数で抵抗性であり、負荷抵抗の関数であることが示され得る。これは、式(19)に示すように表現され得る。
【0108】
【数15】
【0109】
[00149]負荷抵抗R0が、範囲[X/b,bX]にわたって変動する際、入力抵抗は、範囲[X,kX]にわたって変動し、ただし、kおよびbは、式(20)に示すように関係付けられる。
【0110】
【数16】
【0111】
[00150]入力インピーダンスは、抵抗性であり、整合された負荷抵抗R0よりはるかに小さな範囲にわたって変動するので、RCNネットワークは、共振の整流器およびdc−dcコンバータなどの用途において有利である。
【0112】
[00151]多段RCNは、単段設計よりさらに小さな入力抵抗の変動(またはより広い負荷抵抗範囲)の可能性を供与する。ここで、本発明者は初めて、所望のメディアン入力抵抗値から離れた入力抵抗の指定された最大ピーク偏移を提供する多段RCNの設計を提示し、その範囲にわたってこれが達成され得る負荷抵抗範囲を決定する。特に、図13に示す多段抵抗圧縮ネットワークの設計を考慮する。その後、このRCNが、図4のアウトフェージングのシステムとどのように関係するかを示すことになる。
【0113】
[00152]次に図13を参照すると、多段抵抗圧縮ネットワークが、図12に連関して説明したタイプと同じ、または同様であり得る単段RCNネットワークの縦続から提供される。ネットワークを駆動する供給源VLもまた示される。図13のRCNは、入力抵抗Rin,2が整合された負荷抵抗R0よりはるかに小さく変動するように提供され得る。
【0114】
[00153]可能な限り広範囲にわたって、所望のメディアン値Rin,2,medの±ΔRの範囲内に入力抵抗Rin,2を提供するように、図13のRCNを設計することを望むとする。これを行うために、値k2(段2の入力抵抗比)が、式(21)に示すように選択される。
【0115】
【数17】
【0116】
[00154]そして、段2のリアクタンスの大きさを、式(22)に示すように選択する。
【0117】
【数18】
【0118】
[00155]これは、式(23)に示すような値をもたらす。
【0119】
【数19】
【0120】
[00156]次に、第2の段を最良に使用する範囲への圧縮を提供するために、段1のリアクタンスの大きさX1を選択することを考慮する。第1の段の入力で認知される実効抵抗Rin,1は、X1の最小の値を有し、その結果、その範囲にわたって所望の圧縮を実現するR0の範囲を最大化するために、X1を式(24)に示すように選択する。
【0121】
X=1/b2・X2 (24)
[00157]ただし、b2は式(20)によってk2から決定される。Rin,1は、k1X1の最大値を有し、ただし、その範囲にわたって所望の程度の圧縮が実現される動作範囲は、式(25)から見出される。
【0122】
Rin,1,max=k1X1=b2X2 (25)
[00158]b1が式(20)および(25)から決定され得る、[X1/b1,b1X1]でのR0の動作範囲にわたる、圧縮の所望の程度。
【0123】
[00159]次に図14を参照すると、圧縮ネットワークの値が(例えば、図13の2段圧縮ネットワークに対して)上記で説明したように選択される場合、入力抵抗Rin,2が、整合された負荷抵抗R0の関数としてどのように変動するかを示すプロットが示される。説明したような圧縮ネットワークのリアクタンスの選択が、この特性を提供し、それが、単段圧縮ネットワークで可能であるよりも、はるかに大きな程度に抵抗を圧縮する。例えば、この技法を用いて、負荷抵抗R0での12:1の比にわたって、所望のメディアン値の±2.5%の範囲内への、入力抵抗の抵抗圧縮を実現することができる。同様のレベルの性能が、他のタイプの圧縮段を使用して得られ得る。さらに、いっそう大きなレベルの抵抗圧縮(または、負荷抵抗のより広範囲にわたる同様の抵抗偏移)が、より多くの段を用いて実現され得る。
【0124】
[00160]最後の留意点として、駆動電圧VLに関しての負荷電圧VA〜VDを知ることが、下記の部分で有益であることがわかるであろう。式(26)で表現される関係式が、これらの電圧に適用できることが示され得る。
【0125】
【数20】
【0126】
[00161]ただし
【0127】
【数21】
【0128】
および
φ=ATAN(X1/R0)
である。
【0129】
[00162]これらの電圧の位相関係は、図5で説明したアウトフェージング角のものと同じである。
[00163]次に提供されるのが、多段圧縮ネットワークの設計および挙動が、電力コンバイナーおよびアウトフェージング制御法則の総合のために、どのように使用され得るかの説明である。
【0130】
[0164]図13に示す2段RCNを考慮してみる。このネットワークを取り扱い、あらゆるリアクタンスおよび抵抗の符号を変更するものとする。これは、図13のネットワークを取り扱い、タイプ1の時間反転双対を適用し、次いでタイプ3の時間反転双対を適用することと同等である。(不安定となる)回路の自然な応答に対する影響を無視すると、そのような回路の正弦波状の定常状態の挙動は、すべての電流の流れの方向が逆転され、一方で、回路内の電圧関係を保ち、したがって、逆転された電力の流れ(すなわち、今では負の抵抗器から電圧源VLへ)をもたらすことになる。電圧VLとVLに流れる電流との比は、元の圧縮回路のRin,2のものとなり、それは、値Rin,2,medに近い。同様に、今では負の抵抗器での電圧は、式(26)で説明したようになり、これらの電圧に比例する電流が、ネットワークに流れることになる(すなわち、負の抵抗が接続されるネットワークのポートを探査して認知される皮相インピーダンスは、値|R0|を伴って抵抗性であることになる)。
【0131】
[0165]電力結合およびアウトフェージングのシステムを発展させるために、上記の知見を利用する。特に、図14での供給源VLを負荷抵抗RL=Rin,2,medで置換し、抵抗器R0を電圧源(または実際には電力増幅器)で置換する。これは、直接的に図4のシステムになる。供給源の位相を、元の2段抵抗圧縮ネットワークでのそれらの挙動を一致させるように制御すると、広範囲にわたる電力制御を得るとともに、一方で供給源のほぼ抵抗性の負荷を保つことができる(式(27)、(28)を式(11)、(11A)と比較されたい)。これらの置き換えは、RCNと、提案された電力結合およびアウトフェージングのシステムとの間の正確な双対にはならないが、それでもこの手法は、図4〜11に連関して上記で説明したような、実効的なアウトフェージングおよび電力結合のシステムを発展させるための手段を提供する。
【0132】
[0166]本明細書で説明する本発明の概念の範囲内の、多種多様の高性能の電力結合およびアウトフェージングのシステムが、上記で説明した手法によって総合され得ることが理解されよう。これは、様々なタイプの圧縮ネットワーク構造の多段縦続に基づく設計を含む。例えば、図27に例示するような(8個の供給源を使用して)同様に設計される3レベル構造が、供給源の所与の許容可能なサセプタンス性負荷に対する、さらに広範囲の電力制御、および、指定された電力制御範囲に対する、より小さな実現可能なサセプタンスをもたらすことになる。同様に、多段設計において図12でのRCNのトポロジー双対を使用することが、コンバイナーに対する基盤として同様に実効的であることになる。さらに、実効的なコンバイナーを構築するために、異なるタイプの基礎のRCN回路を組み合わせることができる。一部のタイプに対しては、供給源および/または負荷のすべてが、共通の電位に対して基準となるとは限らない場合があり、そのため、結合を提供するために、変圧器またはバランを使用することに決める場合があることに留意されたい。最後に、トポロジーおよび/または時間反転の双対変換の使用が、T−Δ変換などの変換をネットワーク化することになるような、本明細書で説明する本発明の概念の範囲内の、他のコンバイナーシステムをもたらすことになる。
【0133】
[0167]数多くの他の回路の好機もまた現れる。図4でのリアクタンスは、単一の周波数でのみ指定され、それらを適切なように単一のインダクタまたはコンデンサを用いて実装することに決めることができる。しかしながら、本発明の範囲内のネットワークを発展させる際に、より高次のリアクタンス性ネットワークを使用することもできる。これらは、dcおよび/もしくはより高次の高調波を、遮断もしくは導通するように、または、高調波周波数もしくは他の所望の動作周波数で(例えば、結合およびアウトフェージングのために)所望のインピーダンスを提示するように選択され得る。同様に、発展は集中型パラメータ要素に関して説明されたが、(例えば、伝送路ネットワークに基づく)分散型要素が、同様に使用され得ることが理解されよう。
【0134】
[0168]コンバイナー構造および制御法則の内部には、設計の柔軟性もまた存在する。例えば、図4〜11に連関して上記で考察した設計では、1.05の設計パラメータkの値を利用した。kの異なる値が、電力増幅器の所望の動作範囲および負荷感度などの、システム設計の目的および要件に基づいて選択され得る。
【0135】
[0169]次に図15および15Aを参照すると、図4のコンバイナー、および設計パラメータkの異なる値に対する、式(10)〜(11A)の制御法則(AIRCN制御方法)での実効アドミタンスYeff,Aのプロットが示される。図15および15Aを検討することにより、kのより高い値は、実現可能な電力送出でのより高い上界を提供するが、動作範囲にわたって、より大きな位相変動もまたもたらすことがわかる。このように、図15、15Aは、例えば、実効アドミタンスYeff,Aに対する設計パラメータkの影響を示す。
【0136】
[0170]次に説明されるのが、電力コンバイナーのリアクタンス値を選択するための方法である。当然ながら、電力コンバイナーのリアクタンスの大きさの選択のための他の技法がさらに存在することを理解されたい。
【0137】
[0171]下記の方法論は、図4での電力コンバイナーのリアクタンスX1およびX2を選択するために提案される。リアクタンスの大きさX2は、負荷抵抗RLの近くに選択される。特に、1と等しい、または1よりわずかに大きな数k(例えば、k=1.05)が指定され得るとともに、X2が次式のように決定され得る。
【0138】
X2=2RL/(k+1) (28)
[0172]次いで、リアクタンスの大きさX1が、次式にしたがって、X2およびkによって選択される。
【0139】
【数22】
【0140】
[0173]リアクタンスの大きさを選択するための上記の手法は、抵抗圧縮ネットワーク(RCN)の設計から始まる。すなわち、相対的なリアクタンスは、多段抵抗圧縮に関する部分での方法によって、メディアン値からの入力抵抗のピーク偏移を最小化するために、抵抗圧縮ネットワークをどのように設計することができるかに基づいて選択される。リアクタンスが上記で概説したように選択される、各個の電力コンバイナーの性能および挙動は、特定のk値により一意的に決定される。電力コンバイナーが具体的な性能仕様を満たすために、kの適切な値を選択するための指針および技法が、本文書において後で考察される。以下で開示するアウトフェージング制御戦略の各個では、X1およびX2が、(28)および(29)によって決定されていると仮定する。
【0141】
[0174]さらに、この手法は、初めにkNに対する適切な値を決定し、次いで下記の再帰的関係式を適用することにより、図4のものに類似した実装形態を用いた2Nウェイコンバイナーに対して、容易に一般化され得る。
【0142】
【数23】
【0143】
[0175]次に説明されるのが、本発明による複数のアウトフェージング制御戦略である。1つのアウトフェージング制御戦略は、(IRCN方法とも呼ばれる)逆抵抗圧縮ネットワーク(IRCN)アウトフェージング制御技法に基づく。IRCNアウトフェージング制御技法は、同様のレベルの電力を処理する抵抗圧縮ネットワークの(近似的な)逆動作の類推によりもたらされる。すなわち、コンバイナーを駆動するPAは、それらの端子電圧位相が元のRCN(すなわち、コンバイナーの二重の時間反転双対に近似するRCN)での負荷抵抗の電圧位相と整合するように、適切にアウトフェージングされる。その結果、電力コンバイナーにより駆動される負荷RLに送出される電力は、元のRCNを駆動し、RLと同じ端子電圧を有する電源により送出されることになる電力と近似的に同等である。このアウトフェージング制御方法は、PAの望ましい負荷(ほぼ完全に導電性の実効入力アドミタンス)をもたらす。さらに、この制御方法によって、必要なアウトフェージング制御角が、コンバイナーの出力電力動作範囲全体にわたって妥当である1組の解析式によって好都合に計算され得る。
【0144】
[0176]図4での4ウェイ電力コンバイナーの場合に対して、特定の負荷RLおよびPA電圧振幅VSに対する、アウトフェージング制御角θおよびΦが、式(32)により与えられ、変数R0が、式(33)によって決定される。Φが、k≧1のあらゆる値に対して電力Poutの単調関数であることがさらに示され得る。
【0145】
【数24】
【0146】
[0177]ここで、式(33)でのPoutを、(例えば、正確な成分値およびゼロのコンバイナー損失を伴う)理想的な条件のもとでの実際の出力電力ともなる、所望の出力電力(指令入力)とみなすことができることに留意されたい。このIRCN方法と、上記で説明した密接に関係するAIRCN方法との間の違いは、IRCN方法が、制御角を見出す際に、指令された電力(PcmdまたはPout)を中間変数(r0またはR0)と関係付けるために、より厳密な(ただし、より複雑な)式を使用することである。例えば、式(10)〜(11A)を式(32)および(33)と比較されたい。それでも、IRCNおよびAIRCNの両方の制御方法は、負荷に対して電力コンバイナーにより送出される実際の出力電力に対しての、同等の実効入力アドミタンス特性をもたらす。式(1)〜(4)および(32)から、ゼロの出力電力(Pout=0)に対して、すべてのPA電圧は同位相であり(θ=0°、Φ=0°)、実効入力アドミタンス(純粋にサセプタンス性)が、式(34)に示すように表現され得ることが容易に察知可能である。
【0147】
【数25】
【0148】
[0178]飽和出力電力Pout,sat(θ=0°、Φ=90°)では、実効入力アドミタンスは、式(35)
【0149】
【数26】
【0150】
により与えられ、それらと関連する最大位相ψは、式(36)により提供され、ただし、γ=RL/X1、β=X2/X1である。
【0151】
【数27】
【0152】
[0179]例として、図17、17Aおよび17Bは、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05およびIRCN制御方法を用いた、図4の電力コンバイナーを駆動するPAの各個により認知される、実効入力のコンダクタンス、サセプタンスおよび位相を図示する。寄生損失などの非理想特性は考慮されず、その結果、指令された出力電力と実際の出力電力との間に相違が生じないことを理解されたい。
【0153】
[0180]実効入力アドミタンスのすべての4つのサセプタンス性成分がゼロになる出力電力レベル(ゼロ点と呼ばれる)は、式(37)〜(40)によって計算され得る。
【0154】
【数28】
【0155】
[0181]別の制御方法論は、最適サセプタンスアウトフェージング制御と呼ばれる。この戦略は、下記の2つの主な利点、すなわち(1)各個の電力レベルでPAにより認知される実効入力サセプタンスを最小化する、および(2)所望の出力電力動作範囲にわたるPAの均一のサセプタンス性負荷振幅を実現する、によって特徴付けられる。
【0156】
[0182]図4に連関して上記で説明した4ウェイコンバイナーに対して、最適サセプタンス制御角対[θ;Φ]が、特定の出力電力レベルPoutに対して、式(41)の制約を受ける、PAのいずれかにより(Poutで)認知される最大の実効入力アドミタンスのサセプタンスSmaxを数値的に最小化することにより計算され得る。
【0157】
【数29】
【0158】
[0183]所与の設計に対する、電力の関数としての適切な制御角が、数値解析法を使用して見出され得る。さらに、式(43)により与えられる出力電力レベルの範囲に対して、式(41)、(42)の前述の最適化問題の解が、式(43)により与えられる制御角を算出するために、1組の好都合な解析式に簡約されることが示され得る。
【0159】
【数30】
【0160】
[0184]例として、図18、18A、および18Bは、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05を用い、最適サセプタンス(OS)制御を用いた、図4の電力コンバイナーを駆動するPAの各個により認知される、実効入力のコンダクタンス、サセプタンスおよび位相のプロットを示す。ゼロ点は、逆RCNアウトフェージング制御の場合でと同じ出力電力レベルで発生し、(37)〜(40)によって計算され得る。さらに、逆RCN制御に対する、ゼロ電力および飽和電力出力レベルに関する考察は、この制御方法に同様に適用される。さらに、サセプタンスのゼロ点間の出力電力(または同じことであるが、出力電圧振幅)の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効サセプタンス振幅は、実質的に同じである。
【0161】
[0185]最適位相(OP)アウトフェージング制御と呼ばれる、さらに別の制御方法論が提案され、それは、その2つの主な利点、すなわち(1)各個の電力レベルでPAにより認知される実効入力アドミタンス位相を最小化する、および(2)各個のPAが同じ負荷位相の大きさを認知することを確実にする、によって特徴付けられる。ここで対象とされる4ウェイコンバイナー(図4を参照)に対して、最適位相制御角対[θ;Φ]が、特定の出力電力レベルPoutに対して、式(46)により示される制約を受ける、PAにより(Pout)(45)認知される最大の実効入力アドミタンス位相ψmaxを数値的に最小化することにより計算され得る。
【0162】
【数31】
【0163】
[0186](47)により与えられる出力電力レベルの範囲に対して、前述の最適化問題(式(45)、(46)を参照)の解が、従来の数値解析法を利用することにより[θ;Φ]に関して求解され得る式(48)の非線形システムに簡約されることが示され得る。
【0164】
【数32】
【0165】
[0187]例として、図19、19Aおよび19Bは、VS=1V、RL=50Ω、およびk=1.05および最適位相制御を用いた、図4の電力コンバイナーを駆動するPAの各個により認知される、実効入力のコンダクタンス、サセプタンスおよび位相を(それぞれ)例示する。ゼロ点は、逆RCNアウトフェージング制御の場合でと同じ出力電力レベルで発生し、式(37)〜(40)によって計算され得る。さらに、逆RCN制御に対する、ゼロ電力および飽和電力出力レベルに関する考察は、この制御方法に同じく良好に適用される。さらに、サセプタンスのゼロ点間の出力電力(または同じことであるが、出力電圧振幅)の範囲に対して、コンバイナーの入力の各個での実効イミタンス(アドミタンスまたはインピーダンス)位相振幅は、実質的に同じである。
【0166】
[0188]上記の方法論のすべては、一般的なNウェイ電力コンバイナーのアウトフェージング制御に対して適合され得る。さらに、所望であれば、異なる電力範囲にわたる動作に基づいて、または異なる動作条件に対して、方法論を切り替えることができる。それでも、各個の制御方法の相対的な性能を比較するために、RL=50Ω、VS=1V、およびk=1.05を用いた図4の電力コンバイナーを一例として考慮してみる。図20は、範囲[0W;Pout,sat≒0.3W]での出力電力に対する、上記の制御方法の各個に対する、適切なアウトフェージング制御角θおよびΦを示す。
【0167】
[0189]図20から、最適位相および最適サセプタンスの制御角が、出力電力動作範囲のかなりの部分にわたってほぼ完全に同一であることが明確にわかる。したがって、すべての現実的な目的のために、PAにより認知される実効入力アドミタンス位相を最小化するように制御角を選定することにより、サセプタンス性成分も実効的に最小化し、その逆も同様である。
【0168】
[0190]図21および21Aは、この知見を、上記と同じ4ウェイ電力コンバイナーに対する、関心の動作領域での特定の出力電圧レベルに対して、PAにより認知される、最悪の場合の入力アドミタンスの位相の大きさおよびサセプタンスの大きさを検討することにより、さらに明示する。図21および21Aから、最適サセプタンスおよび最適位相の制御方法が、逆RCN制御方法と比較して3倍を超える向上を伴う、主な動作電力範囲にわたる、近似的に同等の位相およびサセプタンスの特性をもたらすことがわかる。この場合では、逆RCN制御方法は、電力で10倍を超える部分にわたって5度未満のアドミタンス位相の大きさをもたらし、一方で、最適位相および最適サセプタンスの方法は、1.6度未満をもたらす。
【0169】
[0191]すでに述べたように、Nウェイ電力コンバイナーシステムの動作特性は、式(30)および(31)での再帰的関係式による、コンバイナーのリアクタンスの大きさの計算用に利用されるkの選択された値により一意的に決定される。1組の具体的な性能仕様を満たすために、kの適切な値を選択するための一般的な手法が発展される。特に、Nウェイ電力コンバイナー、および関心の指定された出力電力動作範囲[Pout,min,Pout,max]が与えられると、2つの設計の問題、すなわち、(1)この動作範囲にわたってコンバイナーの入力ポートで認知される最悪の場合の実効入力アドミタンス位相を最小化することになるk値を決定する、または(2)指定された動作範囲にわたってコンバイナーの入力ポートで認知される最悪の場合の実効入力サセプタンスを最小化することになるk値を決定する、が考慮される。指定された動作範囲は、単に、アドミタンス位相またはサセプタンスの大きさを最小化する際に、それにわたって特定の関心が存在するものであり、システムの完全な動作範囲を表す場合もあれば表さない場合もあることに留意されたい。これらの2つの設計の問題の各個は、図4の4ウェイコンバイナーの場合では、以下で個別に対処される。
【0170】
[0192]次に説明されるのが、最小の実効入力アドミタンス位相の大きさを設計するための技法である。
[0193]次に図22を参照すると、図22は、kの2つの相違する値に対する最適位相アウトフェージング制御によって、図4の4ウェイコンバイナーを駆動するPAにより認知される、最悪の場合の入力アドミタンス位相対出力電力レベルPout(位相−電力曲線)を例示する。その範囲にわたって最悪の場合の位相偏移が最小化されることになる、このコンバイナーの指定された動作範囲が、[Pmin1,Pmax1]であるとする。この動作範囲にわたって認知される最悪の場合のアドミタンス位相を最小化するkの最適値が、それと関連する位相−電力曲線が、Pmin1、およびPmax1で、最悪の場合のアドミタンス位相に等しい最大位相ψmaxを有するようなものであることが理論的に示され得る。図22からわかるように、ここで考慮されるコンバイナーに対しては、これはk=1.1に対応する。その代わりに、より広い動作範囲、例えば[Pmin2,Pmax2]が指定されるならば、図22により明示されるように、kのより大きな値(この例に対してはk=1.2)が必要となり、この場合に許容されなければならない最大アドミタンス位相もまた、(近似的に3.1°から8.1°に変化して)増大することになる。
【0171】
上記の展開は、一般的なNウェイコンバイナーに対して、妥当であり、容易に採用可能である。一般に、より小さなk値は、その範囲に対して最悪の場合の位相が最小化される、より狭い電力動作範囲、およびより小さな最悪の場合のアドミタンス位相をもたらし、一方で、より大きなk値は、最悪の場合のアドミタンス位相がより大きくなる犠牲を払って、その範囲にわたって最悪の場合の位相が最小化される、より広い動作電力範囲を可能にする。Nウェイコンバイナーの次数を増大すること(より大きなN)は、その性能の能力を拡大し、それが、より低い次数の電力コンバイナーと比較して、より小さな最悪の場合のアドミタンス位相で、所与の電力範囲で動作することを可能にする。
【0172】
[0194]図4の4ウェイコンバイナーの場合に対して、図23は、所与の指定された出力の電力範囲比(PRR)に対するkの最適値を示し、ただし、PRRは、それにわたって(ゼロからの)ピーク位相偏移が最小化されることになる、最大出力電力と最小出力電力との比である。逆RCNと最適位相の両方の制御方法に対する電力比曲線が示される。kの値は、指定された電力比から関心の電力比曲線まで水平方向にたどり、kを見出すために垂直方向にたどることにより見出される。指定された動作範囲(電力比)に対する、対応する最悪の場合のアドミタンス位相は、選定のk値を、それぞれの位相曲線まで垂直方向に、および対応するアドミタンス位相まで水平方向に(右に)たどることにより得られ得る。
【0173】
[0195]図24は、所与のk値に対する、VS=1V、RL=1Ωに正規化された、2つのアウトフェージング制御方法の各個に対する、(kのその値に対する位相偏移ピークに関係する)実際の最小および最大の出力電力レベルを図示する。特定のVSおよびRLに対して非正規化するために、限度は、VS×VS/RLを乗算されなければならない。
【0174】
[0196]次に説明されるのが、最小の実効入力サセプタンスの大きさを設計するための技法である。
[0197]指定された動作電力範囲[Pmin,Pmax]にわたって最悪の場合の入力サセプタンスを最小化することになるkの最適値を選択するための方法論は、上記で提示されたものに類似する。しかしながら、この場合では、kの最適値は、それと関連するサセプタンス−電力曲線が、PminおよびPmaxで、最悪の場合のサセプタンスに等しい最大サセプタンスを有するようなものである。
【0175】
[0198]図4の4ウェイコンバイナーの場合に対して、図25は、所与の指定された出力の電力範囲比に対するkの最適値を示す。逆RCNと最適サセプタンスの両方の制御方法に対する電力比曲線が示される。指定された動作範囲に対する、対応する最悪の場合のサセプタンスは、選定のk値を、(RL=1Ωに正規化された)サセプタンス曲線までたどることにより得られ得る。サセプタンスは、単にそれをRLの意図された値で除算することにより非正規化され得る。図28は、所与のk値に対する、VS=1V、RL=1Ωに正規化された、両方の制御方法に対する、関係するピークのサセプタンス性偏移と関連する、それぞれの最小および最大の出力電力レベルを図示する。特定のVSおよびRLに対して非正規化するために、限度は、VS×VS/RLを乗算されなければならない。
【0176】
[0199]図23および24に表される情報を使用すると、2、5、10、20および50の電力比にわたって、4ウェイコンバイナーは、IRCN制御方法を用いると0.07、0.78、3.05、8.18および25.36度であり、OP制御方法を用いると0.01、0.31、1.15、3.01、および9.35度である、最悪の場合の入力アドミタンス(またはインピーダンス、または一般にはイミタンス)位相振幅を理想的には実現することができることが示され得る。したがって、電力で5倍にわたって1度未満、電力で10倍にわたって5度、電力で20倍にわたって10度、および、電力で50倍にわたって30度の最悪の場合の位相変動を実現することは、本開示と調和した種々の制御法則を用いて実際に可能である。さらに、本開示と調和した一部の制御法則は、電力で10倍にわたって2度未満、電力で20倍にわたって5度、および、電力で50倍にわたって15度の最悪の場合の位相振幅を実際に実現することができる。さらにはるかに小さな位相の大きさ(または一定の位相の大きさでのより広い電力範囲)が、8ウェイ結合システムを用いて実現可能である。
【0177】
[0200]次に説明されるのが、種々の電力コンバイナーのトポロジー実装形態および変換である。
[0201]本明細書で説明した概念および技法の多数は、図4に示す実装形態を指していたことを理解されたい。このコンバイナーの実装形態は、ツリー内の各個の二分岐で相補性リアクタンスを有する、リアクタンスのバイナリツリーを含むとみなされ得る。
【0178】
[0202]しかしながら、M個の二分岐を伴うバイナリツリーのコンバイナーの実装形態に対しては、1つが、N=2M個の入力および2N−2個のリアクタンス性分岐部を有することを理解されたい。例として、図27は、8ウェイコンバイナー(N=8)のそのような「バイナリツリー」実装形態を図示する。それでも、様々なトポロジー変換が、コンバイナーの他の有益な実装形態を得るために、この基本的な「バイナリツリー」の現実化に適用され得る。ここでは、2つのそのようなタイプのトポロジー変換、すなわち(1)T−Δネットワーク変換(Y−Δまたは星形−三角形変換としても知られる)、および(2)トポロジー双対変換を考察する。これらの変換は、4ウェイコンバイナーの他の可能なトポロジー実装形態を列挙するために使用され、同様の技法が、(例えば、より高次のNに対する)本発明と調和した他のコンバイナーを総合するために使用され得る。以下で明示されるように、入力ポートおよび出力ポートの特性は、これらの変換のもとで大きくは影響を受けないままであるが、コンバイナーの用途および生じる成分値に応じて、1つの実装形態が別のものより好適である場合がある。
【0179】
[0203]次に図28を参照すると、3端子ネットワークの一般的なT−Δネットワーク変換が示される。
[0204]変換の重要な特性は、それが、変換されるネットワークのインターフェースに対して、他のネットワークがその端子に接続された状態で、影響を与えないということである。換言すれば、変換されるネットワークの各個の端子での電流−電圧関係が、変換のもとで保たれる。図29は、図4での電力コンバイナーの上部Tネットワークに適用される同じ変換を図示する。
【0180】
[0205]次に図30〜30Dを参照すると、(便宜のため図30に再掲された)図4の基本的な4ウェイコンバイナーで見出される様々なTネットワークにT−Δ変換を適用することからもたらされ得る、4ウェイコンバイナーの実装形態が示される。
【0181】
[0206]不必要ではあるが、図30での基本的なコンバイナーを、すべてのT−Δ変換に対する開始点とみなすことは好都合である。この理由で、図30A〜30Dのすべての実装形態の異形でのリアクタンスの大きさは、基本的なコンバイナーのリアクタンスの大きさによって与えられる。特定の実装形態に対する提案されたリアクタンスの大きさの値により、その入力ポートおよび出力ポートの特性が、基本的なコンバイナーのものと同一であること、すなわち、(図30Aの場合に変換される)PAおよび負荷に関する限り、任意のアウトフェージング制御方法に対する変換されたコンバイナーの挙動が、同じアウトフェージング制御戦略およびそれぞれの負荷に対する基本的なコンバイナーのそれと同等になることが確実になる。同じ変換が、より高次のNのものを含む、他の電力コンバイナーの実装形態でのコンバイナーおよび負荷ネットワークに適用され得ることに留意されたい。
【0182】
[0207]図31および31A〜31Dは、図30および30A〜30Dの4ウェイコンバイナーの実装形態を含む、ネットワークの各個の対応するトポロジー双対のトポロジーを示す。具体的な成分値は、当技術分野でよく知られているような双対ネットワークに対して見出され得る。この変換の結果として、(図30および30A〜30Dでは電圧源VA〜VDにより近似される)PAが、今度は、図30および30A〜30Dの電圧源と、同等の大きさおよび位相の関係を有する電流源IA〜IDにより、それぞれモデル形成されるが、これは、モデル形成の目的のためであり、電力増幅器の接続ポートを示すためであり、電力増幅器は理想的な電圧源または電流源の働きをする必要はないことが認識される。
【0183】
[0208]さらに、任意の特定のアウトフェージング制御方法に対して、図29および29A〜29Dの置換の入力アドミタンス対出力電力特性が、それらのそれぞれの双対の入力インピーダンス対出力電力特性と同等であるということに留意することは著しく重要である。好都合には、負荷に送出される出力電力とアウトフェージング制御方法論との間の関係が、トポロジー双対変換により影響を受けない。したがって、以前に紹介された、提示されたアウトフェージング制御方法のすべては、図30および30A〜30Dの実装形態の異形に直接適用可能であるが、この場合には、電圧と電流との、およびアドミタンスとインピーダンスとの交換に関するトポロジー双対の効果と調和して、最適サセプタンス制御方法を最適リアクタンス制御方法と呼ぶことがより適切となる。(他のタイプのマルチレベル抵抗圧縮ネットワークを用いて開始するなど、図30および30A〜30Dのネットワークを総合するための他の方法もまた存在することに留意されたい。)
[0209]本明細書で説明かつ請求する新規の概念、システムおよび技法の数多くの他の変形形態が、さらに存在する。例えば、これらには、(a)(エネルギー回収を伴う、または伴わない)従来の分離コンバイナーを使用する、このタイプの組み合わされたPAのアウトフェージング群、(b)ドレイン電圧変調または電力増幅器電源電圧変調(適応バイアス、ポーラ変調、離散的ドレインスイッチング、非対称マルチレベルのアウトフェージング、マルチレベルLINCなど)を追加的に使用する、提案された結合およびアウトフェージングを用いた電力増幅器の動作、(c)小さな出力電力での損失を低減するための、電力増幅器のゲート幅のスイッチングの適用、(d)他の制御戦略と混成された、提案された結合およびアウトフェージングを用いた電力増幅器の動作。これは、電力範囲の一部にわたってアウトフェージングのもとで飽和状態にあり、範囲の一部にわたって線形動作に戻る、AB級、B級またはドハティ型または他の型のPAを使用すること、動作範囲にわたる電力増幅器の適応バイアスの使用、デューティサイクル制御または離散的パルス変調と混成することなどを含むことになる、(e)電力制御の追加的な形として、増幅器の部分集合をオンおよびオフに適応的に変調することの、1つまたは複数がある。
【0184】
[0210]本明細書で提供した説明を読んだ後で、当業者は今や、本明細書で説明した概念、システムおよび技法が、以前のアウトフェージング電力増幅器回路およびシステムの限界を克服することを理解するであろう。特に、本明細書で説明した電力結合およびアウトフェージングの、回路、システムおよび技法は、従来技術のアウトフェージング手法の損失およびリアクタンス性負荷の問題を克服する。本明細書で説明した電力結合およびアウトフェージングの、回路、システムおよび技法は、非常に広い出力電力範囲にわたる個別の電力増幅器の実質的に抵抗性の負荷とともに理想的に無損失の電力結合を提供し、大きなピーク対平均電力比(PAPR)に対してさえも、高い平均効率が実現されることを可能にする。
【0185】
[0211]本発明の好適な実施形態を説明したことで、当業者には今や、これらの概念を組み込む他の実施形態が使用され得ることが明らかとなろう。したがって、本発明は、説明した実施形態に限定されるべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみで限定されるべきであることを提言する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2より大きな数Nの無線周波数(RF)電源から単一の出力への電力を送出かつ制御するためのシステムであって、
各が出力ポートを有するNのRF電源であって、前記NのRF電源の各がその出力ポートにRF電力を送出するように構成されるNのRF電源と、
無損失電力コンバイナーであって、前記無損失電力コンバイナーが、Nの入力ポート、指定されたリアクタンス値を有する2N−2のリアクタンス性分岐部、および、RF電力を受けるように構成される出力ポートを備え、前記NのRF電源の前記出力ポートの各が、前記無損失電力コンバイナーの前記入力ポートの対応する1つに結合され、前記電力コンバイナーの前記出力ポートに送出されるRF電力が、前記Nの無線周波数電源の位相を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することにより制御される無損失電力コンバイナーと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記Nの無線周波数電源の前記位相を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することに応答して、前記電力コンバイナーの前記入力ポートで前記NのRF電源の各に提示される実効負荷インピーダンスが、Nの出力電力レベルで純粋に抵抗性である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記NのRF電源により認知される実効負荷アドミタンスのサセプタンス性部分の最大の大きさが、前記無線周波数電源の前記純粋に抵抗性の負荷が発生する、最高および最低のRF出力電力レベルにより境界形成されるRF出力電力レベルの範囲にわたる、キラークスおよび無損失同位相の電力結合の任意の組み合わせを用いて実現可能であるものより小さい、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
無線周波数(RF)システムであって、
4以上のRF信号源であって、前記4以上のRF信号源の各が出力ポートを有する4以上のRF信号源と、
4以上の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートが前記RF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、前記リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2のリアクタンス性分岐部を含み、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各が所定のリアクタンス値を有し、前記リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、前記4以上のRF信号源の各の位相特性を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーと、
を備える無線周波数(RF)システム。
【請求項5】
前記4以上のRF信号源の各が、RF入力ポート、および、前記リアクタンス性電力コンバイナーの前記入力ポートのそれぞれの1つに結合されるRF出力ポートを有するRF増幅器を備える、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項6】
前記リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートの数が、RF信号源の数と一致する、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項7】
前記電力コンバイナーの前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、前記リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、前記リアクタンス性要素の第2のものが、前記動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項8】
前記電力コンバイナーの前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、前記リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスを有し、前記リアクタンス性要素の第2のものが、前記動作周波数での第2の反対の指定されたリアクタンスを有する、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項9】
前記リアクタンス性電力コンバイナーの前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各の前記リアクタンス値が、前記リアクタンス性電力コンバイナーが、出力電力の範囲にわたって、前記リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートに結合される前記RF信号源の各の優位に抵抗性の負荷を提供するように選択される、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項10】
前記4以上のRF信号源および前記リアクタンス性電力コンバイナーの組み合わせが、電力増幅器回路を形成し、前記RFシステムが、複数の前記電力増幅器回路を備える、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項11】
複数の電力増幅器回路と、
前記電力増幅器回路のアウトフェージング群が実現され得るように、電力増幅器回路の各の対の間で結合される分離コンバイナーと、
をさらに備える、請求項10に記載のRFシステム。
【請求項12】
前記電力増幅器回路の各に結合されるドレイン変調回路をさらに備える、請求項11に記載のRFシステム。
【請求項13】
前記ドレイン変調回路は、適応バイアス回路、ポーラ変調回路、離散的ドレインスイッチング回路の1つまたは複数を備える、請求項12に記載のRFシステム。
【請求項14】
前記ドレイン変調回路は、非対称マルチレベルのアウトフェージング技法によって動作する、請求項12に記載のRFシステム。
【請求項15】
前記ドレイン変調回路は、小さな出力電力での損失を低減するために、前記電力増幅器のゲート幅のスイッチングを実装する、請求項12に記載のRFシステム。
【請求項16】
前記リアクタンス性電力コンバイナーは、
1つもしくは複数の分散型回路要素、
1つもしくは複数の集中型回路要素、または、
分散型および集中型の回路要素の組み合わせ
の少なくとも1つを備える、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項17】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記4以上のRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で5倍にわたって1度未満、
電力で10倍にわたって5度未満、
電力で20倍にわたって10度未満、および、
電力で50倍にわたって30度未満
の少なくとも1つを満たす、請求項4に記載のシステム。
【請求項18】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記4以上のRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で10倍にわたって2度未満、
電力で20倍にわたって5度、および、
電力で50倍にわたって15度
の少なくとも1つを満たす、請求項4に記載のシステム。
【請求項19】
前記RF信号源の相対位相が、指令された出力電力または電圧振幅の連続関数として調整される、請求項4に記載のシステム。
【請求項20】
無線周波数(RF)システムであって、
8以上のNのRF信号源であって、前記少なくともN個のRF信号源の各が出力ポートを有する8以上のNのRF信号源と、
少なくとも8の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートが前記RF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、前記リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2のリアクタンス性分岐部を含み、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各個が所定のリアクタンス値を有し、前記リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、前記NのRF信号源の各の位相特性を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーと
を備える無線周波数(RF)システム。
【請求項21】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記NのRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で5倍にわたって1度未満、
電力で10倍にわたって5度未満、
電力で20倍にわたって10度未満、および、
電力で50倍にわたって30度未満
の少なくとも1つを満たす、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記NのRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で10倍にわたって2度未満、
電力で20倍にわたって5度、および、
電力で50倍にわたって15度
の少なくとも1つを満たす、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
Nの電力増幅器であって、ただしN=2Mであり、Mは2以上の整数であり、前記Nの電力増幅器の各個が入力ポートおよび出力ポートを有するNの電力増幅器と、
出力ポートおよびNの入力ポートを有するリアクタンス性コンバイナーであって、前記リアクタンス性コンバイナーの前記Nの入力ポートの各個が、前記Nの電力増幅器のそれぞれの1つの出力に結合され、前記リアクタンス性コンバイナーが、複数のリアクタンス性分岐部を含み、前記リアクタンス性分岐部の各が、Mの指定されたインピーダンスレベルの1つに対応するインピーダンス特性を有するリアクタンス性コンバイナーと、
前記Nの電力増幅器の相対位相を、前記Mの指定されたインピーダンスレベルのすべての関数として制御することにより、前記コンバイナーの前記出力での電圧の振幅を調整するように構成される制御システムと
を備える電力増幅器システム。
【請求項24】
前記コンバイナーの前記Nの入力での実効サセプタンスが、少なくともNの出力電圧振幅に対してゼロである、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
その振幅に対して前記実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、前記コンバイナーの入力の各での前記実効サセプタンス振幅が、実質的に同じである、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
その振幅に対して前記実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、前記コンバイナーの入力の各での実効イミタンス位相振幅が、実質的に同じである、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記Mの指定されたインピーダンスレベルが、単一の設計パラメータおよび指定された負荷抵抗の関数として選択される、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
2mの分岐部が第m=1…Mのインピーダンスレベルでのインピーダンスの大きさを有する、2N−2の前記リアクタンス性分岐部が存在する、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記電力コンバイナーが、
T−デルタ変換、および
トポロジー双対変換
のゼロ以上の適用によって、リアクタンスのバイナリツリーであって、前記ツリー内の各の二分岐で相補性リアクタンスを有するバイナリツリーを含むネットワークに変換され得る、請求項23に記載のシステム。
【請求項30】
M=3である、請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記N個のRF信号源の各の相対位相が制御され、前記位相振幅が、
20:1の電力に対して1度、
50:1の電力に対して2度、および、
100:1の電力に対して5度
の少なくとも1つを満たす、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御システムが、
前記Nの電力増幅器の電源電圧、および
前記Nの電力増幅器のRF入力駆動振幅
の、1つまたは複数を制御することにより、前記コンバイナーの前記出力での電圧の振幅を調整するようにさらに構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項1】
2より大きな数Nの無線周波数(RF)電源から単一の出力への電力を送出かつ制御するためのシステムであって、
各が出力ポートを有するNのRF電源であって、前記NのRF電源の各がその出力ポートにRF電力を送出するように構成されるNのRF電源と、
無損失電力コンバイナーであって、前記無損失電力コンバイナーが、Nの入力ポート、指定されたリアクタンス値を有する2N−2のリアクタンス性分岐部、および、RF電力を受けるように構成される出力ポートを備え、前記NのRF電源の前記出力ポートの各が、前記無損失電力コンバイナーの前記入力ポートの対応する1つに結合され、前記電力コンバイナーの前記出力ポートに送出されるRF電力が、前記Nの無線周波数電源の位相を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することにより制御される無損失電力コンバイナーと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記Nの無線周波数電源の前記位相を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することに応答して、前記電力コンバイナーの前記入力ポートで前記NのRF電源の各に提示される実効負荷インピーダンスが、Nの出力電力レベルで純粋に抵抗性である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記NのRF電源により認知される実効負荷アドミタンスのサセプタンス性部分の最大の大きさが、前記無線周波数電源の前記純粋に抵抗性の負荷が発生する、最高および最低のRF出力電力レベルにより境界形成されるRF出力電力レベルの範囲にわたる、キラークスおよび無損失同位相の電力結合の任意の組み合わせを用いて実現可能であるものより小さい、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
無線周波数(RF)システムであって、
4以上のRF信号源であって、前記4以上のRF信号源の各が出力ポートを有する4以上のRF信号源と、
4以上の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートが前記RF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、前記リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2のリアクタンス性分岐部を含み、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各が所定のリアクタンス値を有し、前記リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、前記4以上のRF信号源の各の位相特性を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーと、
を備える無線周波数(RF)システム。
【請求項5】
前記4以上のRF信号源の各が、RF入力ポート、および、前記リアクタンス性電力コンバイナーの前記入力ポートのそれぞれの1つに結合されるRF出力ポートを有するRF増幅器を備える、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項6】
前記リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートの数が、RF信号源の数と一致する、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項7】
前記電力コンバイナーの前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、前記リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスの大きさを有し、前記リアクタンス性要素の第2のものが、前記動作周波数での第2の異なる指定されたリアクタンスの大きさを有する、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項8】
前記電力コンバイナーの前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各が、少なくとも1つのリアクタンス性要素を備え、前記リアクタンス性要素の第1のものが、動作周波数での第1の指定されたリアクタンスを有し、前記リアクタンス性要素の第2のものが、前記動作周波数での第2の反対の指定されたリアクタンスを有する、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項9】
前記リアクタンス性電力コンバイナーの前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各の前記リアクタンス値が、前記リアクタンス性電力コンバイナーが、出力電力の範囲にわたって、前記リアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートに結合される前記RF信号源の各の優位に抵抗性の負荷を提供するように選択される、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項10】
前記4以上のRF信号源および前記リアクタンス性電力コンバイナーの組み合わせが、電力増幅器回路を形成し、前記RFシステムが、複数の前記電力増幅器回路を備える、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項11】
複数の電力増幅器回路と、
前記電力増幅器回路のアウトフェージング群が実現され得るように、電力増幅器回路の各の対の間で結合される分離コンバイナーと、
をさらに備える、請求項10に記載のRFシステム。
【請求項12】
前記電力増幅器回路の各に結合されるドレイン変調回路をさらに備える、請求項11に記載のRFシステム。
【請求項13】
前記ドレイン変調回路は、適応バイアス回路、ポーラ変調回路、離散的ドレインスイッチング回路の1つまたは複数を備える、請求項12に記載のRFシステム。
【請求項14】
前記ドレイン変調回路は、非対称マルチレベルのアウトフェージング技法によって動作する、請求項12に記載のRFシステム。
【請求項15】
前記ドレイン変調回路は、小さな出力電力での損失を低減するために、前記電力増幅器のゲート幅のスイッチングを実装する、請求項12に記載のRFシステム。
【請求項16】
前記リアクタンス性電力コンバイナーは、
1つもしくは複数の分散型回路要素、
1つもしくは複数の集中型回路要素、または、
分散型および集中型の回路要素の組み合わせ
の少なくとも1つを備える、請求項4に記載のRFシステム。
【請求項17】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記4以上のRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で5倍にわたって1度未満、
電力で10倍にわたって5度未満、
電力で20倍にわたって10度未満、および、
電力で50倍にわたって30度未満
の少なくとも1つを満たす、請求項4に記載のシステム。
【請求項18】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記4以上のRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で10倍にわたって2度未満、
電力で20倍にわたって5度、および、
電力で50倍にわたって15度
の少なくとも1つを満たす、請求項4に記載のシステム。
【請求項19】
前記RF信号源の相対位相が、指令された出力電力または電圧振幅の連続関数として調整される、請求項4に記載のシステム。
【請求項20】
無線周波数(RF)システムであって、
8以上のNのRF信号源であって、前記少なくともN個のRF信号源の各が出力ポートを有する8以上のNのRF信号源と、
少なくとも8の入力ポートおよび出力ポートを有するリアクタンス性電力コンバイナーであって、各のリアクタンス性電力コンバイナーの入力ポートが前記RF信号源の出力ポートの対応する1つに結合され、前記リアクタンス性電力コンバイナーが2N−2のリアクタンス性分岐部を含み、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の各個が所定のリアクタンス値を有し、前記リアクタンス性電力コンバイナーの出力ポートに送出される電力が、前記NのRF信号源の各の位相特性を、前記2N−2のリアクタンス性分岐部の前記リアクタンス値の関数として調整することにより制御されるリアクタンス性電力コンバイナーと
を備える無線周波数(RF)システム。
【請求項21】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記NのRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で5倍にわたって1度未満、
電力で10倍にわたって5度未満、
電力で20倍にわたって10度未満、および、
電力で50倍にわたって30度未満
の少なくとも1つを満たす、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される最悪の場合の実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記NのRF信号源の各の相対位相が制御され、前記最悪の場合の位相振幅が、
電力で10倍にわたって2度未満、
電力で20倍にわたって5度、および、
電力で50倍にわたって15度
の少なくとも1つを満たす、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
Nの電力増幅器であって、ただしN=2Mであり、Mは2以上の整数であり、前記Nの電力増幅器の各個が入力ポートおよび出力ポートを有するNの電力増幅器と、
出力ポートおよびNの入力ポートを有するリアクタンス性コンバイナーであって、前記リアクタンス性コンバイナーの前記Nの入力ポートの各個が、前記Nの電力増幅器のそれぞれの1つの出力に結合され、前記リアクタンス性コンバイナーが、複数のリアクタンス性分岐部を含み、前記リアクタンス性分岐部の各が、Mの指定されたインピーダンスレベルの1つに対応するインピーダンス特性を有するリアクタンス性コンバイナーと、
前記Nの電力増幅器の相対位相を、前記Mの指定されたインピーダンスレベルのすべての関数として制御することにより、前記コンバイナーの前記出力での電圧の振幅を調整するように構成される制御システムと
を備える電力増幅器システム。
【請求項24】
前記コンバイナーの前記Nの入力での実効サセプタンスが、少なくともNの出力電圧振幅に対してゼロである、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
その振幅に対して前記実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、前記コンバイナーの入力の各での前記実効サセプタンス振幅が、実質的に同じである、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
その振幅に対して前記実効サセプタンスがゼロであるものの間の、出力電圧振幅の範囲に対して、前記コンバイナーの入力の各での実効イミタンス位相振幅が、実質的に同じである、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記Mの指定されたインピーダンスレベルが、単一の設計パラメータおよび指定された負荷抵抗の関数として選択される、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
2mの分岐部が第m=1…Mのインピーダンスレベルでのインピーダンスの大きさを有する、2N−2の前記リアクタンス性分岐部が存在する、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記電力コンバイナーが、
T−デルタ変換、および
トポロジー双対変換
のゼロ以上の適用によって、リアクタンスのバイナリツリーであって、前記ツリー内の各の二分岐で相補性リアクタンスを有するバイナリツリーを含むネットワークに変換され得る、請求項23に記載のシステム。
【請求項30】
M=3である、請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
出力電力が指定された比にわたって変動する際に、前記電力コンバイナーの入力のいずれかで認知される実効イミタンス位相振幅が制限されるように、前記N個のRF信号源の各の相対位相が制御され、前記位相振幅が、
20:1の電力に対して1度、
50:1の電力に対して2度、および、
100:1の電力に対して5度
の少なくとも1つを満たす、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御システムが、
前記Nの電力増幅器の電源電圧、および
前記Nの電力増幅器のRF入力駆動振幅
の、1つまたは複数を制御することにより、前記コンバイナーの前記出力での電圧の振幅を調整するようにさらに構成される、請求項23に記載のシステム。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図10A】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図21A】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図30D】
【図31】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図10A】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図21A】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図30D】
【図31】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【公表番号】特表2013−519307(P2013−519307A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552085(P2012−552085)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2011/023613
【国際公開番号】WO2011/097387
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2011/023613
【国際公開番号】WO2011/097387
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】
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