説明

無線通信の正常性確認方法及び無線基地局装置

【課題】無線通信の正常性をより確実にチェックし得る正常性確認方法及び無線基地局装置を提供する。
【解決手段】一方の無線基地局装置は、試験データを含む試験パケットを生成して、当該試験データと同一内容の複製データを記憶するとともに、当該試験パケットを発信元情報と共に無線通信網を介して他方の無線基地局装置へ送信する。当該他方の無線基地局装置は、当該無線通信網を介して到来した当該試験パケットを受信し、これに含まれる受信データを含む応答パケットを生成して、これを有線通信網を介して当該発信元を宛先として当該一方の無線基地局装置に送信する。当該一方の無線基地局装置は、当該応答パケットを当該有線通信網を介して受信し、これに含まれる受信データと当該複製データとを比較して、その比較の結果に基づいて装置制御処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局装置間の無線通信の正常性を確認する正常性確認方法及び無線端末との間で無線通信網を介して無線通信可能な無線基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば無線LAN(Local Area Network)などの無線通信分野において無線信号を中継する複数の無線基地局装置からなる無線通信システムが知られている。従来より、無線通信の信頼性を向上させるための技術が開発されていた。例えば特許文献1には、所定の周波数帯域の電波を検出して干渉波についての情報を収集し、当該情報に基づいて送信データの送出タイミングを制御する無線送信装置が開示されている。また、特許文献2には、自装置が試験パケットを送信して、当該自装置が当該試験パケットを受信できるか否かに基づいて無線通信の干渉の有無を判定し、干渉の少ない周波数及びタイムスロットによりパケットを送信する無線折り返し試験方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−130053号公報
【特許文献2】特開平10−4390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば無線LANの場合には、周波数2.4GHzと同一及びその近傍の周波数帯域において動作するブルートゥース(Bluetooth)やワイマックス(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの無線通信方式の普及により、以前にも増して無線通信における干渉状態が発生し易い状況となっている。
【0005】
かかる状況にも拘わらず、特許文献1に開示される構成の場合には、干渉タイミングを避けるようにパケットを送信し得るものの、送信側装置が実際に送信したパケットが干渉の影響を回避して受信側装置に正常に送信できたか否かについては判断できない。
【0006】
また、特許文献2に開示される構成の場合には、自装置が無線により送信したパケットを当該自装置が無線により受信しているので、自装置から離れた位置において干渉が生じた場合や、送信側装置と受信側装置との間の距離が離れている場合には、無線による送受信パケットの正常性について確認することができない。
【0007】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、無線通信の正常性をより確実にチェックし得る正常性確認方法及び無線基地局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による正常性確認方法は、無線端末との間で無線通信網を介して無線通信可能な少なくとも2つの無線基地局装置間の無線通信の正常性を確認する正常性確認方法であって、一方の無線基地局装置において、試験データを含む試験パケットを生成して前記試験データと同一内容の複製データを記憶するとともに前記試験パケットを発信元情報と共に前記無線通信網を介して他方の無線基地局装置に送信する無線送信ステップと、前記他方の無線基地局装置において、前記無線通信網を介して到来した前記試験パケットを受信して当該受信した試験パケットに含まれる受信データを含む応答パケットを生成し当該生成した応答パケットを有線通信網を介して前記発信元を宛先として送信する有線送信ステップと、前記一方の無線基地局装置において、前記応答パケットを前記有線通信網を介して受信して当該受信した応答パケットに含まれる受信データと前記複製データとを比較し当該比較の結果に基づいて装置制御処理を行う装置制御ステップと、含むことを特徴とする。
【0009】
本発明による無線基地局装置は、無線端末との間で無線通信網を介して無線通信可能な無線基地局装置であって、試験データを含む試験パケットを生成して前記試験データと同一内容の複製データを記憶するとともに前記試験パケットを発信元情報と共に前記無線通信網を介して送信する無線送信手段と、前記無線通信網を介して到来した前記試験パケットを受信して当該受信した試験パケットに含まれる受信データを含む応答パケットを生成し当該生成した応答パケットを有線通信網を介して前記発信元を宛先として送信する有線送信手段と、前記応答パケットを前記有線通信網を介して受信して当該受信した応答パケットに含まれる受信データと前記複製データとを比較し当該比較の結果に基づいて装置制御処理を行う装置制御手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による正常性確認方法及び無線基地局装置によれば、無線基地局における無線通信の正常性をより確実にチェックし得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施例である無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施例における応答パケットに含まれるデータを示す図である。
【図3】図1の自装置の記憶部に記憶されるデータの構成例を示す図である。
【図4】図1の自装置である無線基地局装置による装置制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図1の自装置の正常性確認部によるパケット正常性判定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第2の実施例である無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6の自装置の記憶部に記憶されるデータの構成例を示す図である。
【図8】第2の実施例における応答パケットに含まれるデータを示す図である。
【図9】図6の自装置の記憶部に記憶される重み付けテーブルを示す図である。
【図10】図6の自装置である無線基地局装置による装置制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図6の自装置の正常性確認部によるパケット正常性判定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1の実施例>
図1は本発明の実施例である無線通信システム1の構成を示すブロック図である。無線通信システム1は、無線基地局装置10と、無線基地局装置20と、有線LAN30と、を含む。無線基地局装置10及び20の各々は例えば無線LANにおける無線基地局である。無線基地局装置10と無線基地局装置20とは、有線LAN30を介して相互に有線通信可能に接続されている。以下、無線基地局装置10を自装置とし、無線基地局装置20を外部無線モニタ装置として機能させ、無線基地局装置10による無線通信の正常性を確認する場合について説明する。

無線基地局装置10は、無線送信部11と、無線受信部12と、無線モニタ部13と、試験パケット生成部14と、装置制御部15と、応答パケット生成部16と、有線通信部17と、記憶部18と、正常性確認部19と、を含む。
【0013】
無線送信部11は、無線により通信パケットを送信する機能を有する。無線送信部11は、無線通信機能を備えた例えばパーソナルコンピュータなどの無線端末(図示せず)に通信パケットを送信できる。
【0014】
無線受信部12は、無線により通信パケットを受信する機能を有する。無線受信部12は、無線通信機能を備えた例えばパーソナルコンピュータなどの無線端末(図示せず)からパケットを受信できる。
【0015】
無線モニタ部13は、無線基地局装置20によって無線により送信された試験パケットを無線により受信する機能と、当該試験パケットを受信したときの受信レベル(すなわち受信電波強度)を測定してこれを有線通信部17に通知する機能とを有する。なお、これらの機能は、無線基地局装置10が外部無線モニタ装置として機能する場合に用いられる。
【0016】
試験パケット生成部14は、任意の試験データを含む試験パケットを所定周期(例えば3秒)毎に生成し、これを無線送信する指示を無線送信部11に対して与える。試験パケットは、無線送信部11によって通常の通信パケットの無線通信経路とほぼ同じ経路を経由して無線基地局装置20へ送信される。試験パケットの宛先として無線基地局装置20のみを指定しても良いし、いわゆるブロードキャスト送信によって送信しても良い。試験パケットには、試験パケットであることを示す識別データが含まれる。また、試験パケットには、発信元情報として無線基地局装置10のIPアドレスが含まれる。試験パケット生成部14は、例えばビーコン信号のパケットを試験パケットとし、これを無線送信部11から周期的に送信させることができる。この場合の試験データは、ビーコン信号を表わす一般的なデータである。なお、試験パケットの送信タイミングにおいては、通常の通信パケットの送信を停止しても良い。
【0017】
また、試験パケット生成部14は、試験データと同一内容の複製データを、当該試験パケットについての送信指示に先立って記憶部18に記憶させる。
【0018】
装置制御部15は、記憶部18に記憶されているデータに基づいて、無線送信部11による送信処理の開始及び停止、無線受信部12による受信処理の開始及び停止、無線基地局装置10の再起動処理などの装置制御処理を行う。
【0019】
応答パケット生成部16は、無線基地局装置20からの試験パケットに対する応答パケットを生成する機能を有する。
【0020】
有線通信部17は、有線LAN30を介して無線基地局装置20の有線通信部27との間で応答パケットを送受信する機能及び制御パケットを送受信する機能を有する。無線基地局装置10が自装置として機能する場合には、有線通信部27から応答パケットを受信する。有線通信部17は、受信した応答パケットに含まれるデータを記憶部18に記憶させる。
【0021】
記憶部18は、装置制御のためのデータ、試験パケットに含まれるデータ、応答パケットに含まれるデータ等の各種データを記憶する例えばハードディスク装置などの記憶装置である。
【0022】
正常性確認部19は、記憶部18に記憶された試験データの複製データと、有線通信部17によって受信された応答パケットに含まれるデータ(以下、受信データと称する)とを比較し、これら両データが一致する場合には無線基地局装置10による無線送信が正常であると判定し、一致しない場合には異常であると判定する。
【0023】
また、正常性確認部19は、有線通信部17によって受信された応答パケットの数(以下、受信パケット数と称する)をカウントする受信カウンタを備えている。また、正常性確認部19は、応答パケットの各々に付加情報として含まれている受信レベルの平均値(以下、受信レベル平均値又は平均強度と称する)を算出してこれを保持する機能も有する。正常性確認部19は、受信パケット数と現在までに取得した応答パケット各々の受信レベルの合計値とを用いて受信レベル平均値を算出する。更に、正常性確認部19は、受信レベル平均値に基づいて無線送信が正常であるか異常であるかを判断する機能も有する。
【0024】
無線基地局装置20は、無線送信部21と、無線受信部22と、無線モニタ部23と、試験パケット生成部24と、装置制御部25と、応答パケット生成部26と、有線通信部27と、記憶部28と、正常性確認部29と、を含む。これらの機能ブロック21〜29は、無線基地局装置10におけるものと同様の機能を有する。無線基地局装置20が外部無線モニタ装置として動作する場合の無線モニタ部23、応答パケット生成部26及び有線通信部27は以下の処理を行う。
【0025】
無線モニタ部23は、無線基地局装置10によって無線により送信された試験パケットを無線により受信する。無線モニタ部23は、試験パケットであることを示す識別データが含まれているパケットを試験パケットと判断する。
【0026】
応答パケット生成部26は、無線モニタ部23によって受信された試験パケットに対応する応答パケットを生成する。
【0027】
有線通信部27は、応答パケット生成部26によって生成された応答パケットを有線LAN30を介して無線基地局装置10に送信する。有線通信部27は、試験パケットに含まれている発信元IPアドレスを宛先として無線基地局装置10に送信する。
【0028】
なお、上記の例においては、無線基地局装置20を外部無線モニタ装置として用いているが、専用の外部無線モニタ装置を用いて同様の正常性確認処理をすることもできる。
【0029】
図2は、応答パケット生成部26によって生成される応答パケットに含まれるデータを示す図である。
【0030】
要素311は、Etherヘッダ、IPヘッダ及びTCPヘッダを示すデータである。当該データは、応答パケットを無線基地局装置10を宛先として送信するために有線通信部27が生成したものである。
【0031】
要素312は、外部無線モニタヘッダを示すデータである。当該データも、応答パケットを無線基地局装置10に送信するために有線通信部27が生成したものである。
【0032】
要素313は、無線基地局装置20の無線モニタ部23によって受信された試験パケットに含まれていたデータ(すなわち受信データ)である。
【0033】
要素314は、無線モニタ部23が試験パケットを受信した時の受信レベル(以下、現在強度とも称する)である。なお、受信レベルは無線モニタ部23によって測定される。
【0034】
図3は、記憶部18に記憶されるデータの構成例を示す図である。
【0035】
送信パケット比較用データ300は、受信パケットエラー数301と、受信レベル平均値302と、受信パケット数303と、試験パケット複製データ304と、からなる。
【0036】
受信パケットエラー数301は、正常性確認部19によって異常と判断された受信パケットの数であり、正常性確認部19によって更新される。
【0037】
受信レベル平均値302は、正常性確認部19によって算出された受信レベルの平均値であり、正常性確認部19によって更新される。受信レベルは、有線通信部17によって受信された応答パケットに含まれている。
【0038】
受信パケット数303は、有線通信部17によって受信された応答パケットの数を正常性確認部19がカウントしたものであり、正常性確認部19によって更新される。
【0039】
試験パケット複製データ304は、試験パケット生成部14によって生成された試験データの複製データであり、試験パケット生成部14が試験パケットについての送信指示に先立って複製し、記憶部18に記憶させたものである。
【0040】
外部無線モニタデータ310は、要素311と、要素312と、要素313と、要素314と、からなる。要素311〜314の各々は、有線通信部17によって受信された応答パケットに含まれるデータ(図2に示されるデータ)であり、有線通信部17が記憶部18に記憶させたものである。
【0041】
固定値データ320は、受信パケットエラー回数閾値321と、受信レベル閾値322と、外部無線モニタ登録データ323と、からなる。
【0042】
受信パケットエラー回数閾値321は、上記した受信パケットエラー数301と比較するための閾値であり、後述の状態データ330の更新に用いられる。
【0043】
受信レベル閾値322は、上記した受信レベル平均値302と比較するための閾値であり、上記した受信パケットエラー数301の更新に用いられる。
【0044】
外部無線モニタ登録データ323は、外部無線モニタ装置(すなわち無線基地局装置20)を特定するための例えばIPアドレス等の識別データである。
【0045】
状態データ330は、受信パケットエラー数301と受信パケットエラー回数閾値321との比較に基づいて更新されるデータであり、装置制御部15によって更新される。状態データ330は、例えば、初期状態が”0”であり、その後、状態”1”及び”2”に更新され得る。
【0046】
図4は、自装置である無線基地局装置10による装置制御処理ルーチンを示すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、無線基地局装置10による装置制御処理について説明する。以下、状態データ330が示す状態を単に「状態」と称する。
【0047】
先ず、無線基地局装置10が起動され、状態”0”から処理が開始される(ステップS100)。処理開始後、装置制御部15は、状態を”1”に更新する(ステップS110)。次に、装置制御部15は、送信パケット比較用データ300及び外部無線モニタデータ310を初期化(すなわちリセット)する(ステップS111)。
【0048】
次に、装置制御部15は、無線基地局装置20の無線モニタ部23の機能を有効にする指示を含む制御パケットを有線通信部17から無線基地局装置20へ送信する(ステップS112)。これにより、無線モニタ部23が、無線基地局装置10からの試験パケットを受信できるようになる。
【0049】
次に、装置制御部15は、無線送信部11及び無線受信部12の機能を有効にする指示をこれらに与える(ステップS113)。これにより、試験パケットなどの無線パケットの送受信が可能になる。
【0050】
次に、試験パケット生成部14は、試験データを含む試験パケットを生成し、当該試験データの複製データを記憶部18に記憶させる(ステップS114)。試験パケットは例えばビーコン信号のパケットである。試験データは、試験パケットの種類や形式に応じた適当なデータであれば良い。試験パケットの宛先は、無線基地局装置20のみを指定しても良いし、ブロードキャスト送信しても良い。
【0051】
次に、試験パケット生成部14は、無線送信部11に対して試験パケットの送信指示を与える(ステップS115)。無線送信部11は、当該試験パケットを無線基地局装置20へ無線送信する(ステップS116)。
【0052】
無線基地局装置20の無線モニタ部23は、無線基地局装置10からの試験パケットを無線により受信する。無線モニタ部23は、受信の際の受信レベル(すなわち無線通信の受信電波強度)を測定する。受信レベルは例えば−60dBmなどの値で表わされる。
【0053】
応答パケット生成部26は、無線モニタ部23によって受信された試験パケットに含まれる受信データや無線モニタ部23によって測定された受信レベルなどのデータ(図2に示されるデータ)を含む応答パケットを生成する。有線通信部27は、応答パケット生成部26によって生成された応答パケットを有線LAN30を介して無線基地局装置10に送信する。
【0054】
無線基地局装置10の有線通信部17は、有線LAN30を介して到来した応答パケットを受信する。正常性確認部19は、有線通信部17が応答パケットを受信したときにパケット正常性判定処理を行う(ステップS200)。
【0055】
図5は、正常性確認部19によるパケット正常性判定処理ルーチンを示すフローチャートである。以下、図5を参照しつつ、正常性確認部19によるパケット正常性判定処理について説明する。
【0056】
先ず、正常性確認部19は、有線通信部17によって受信された応答パケットを取得し、当該応答パケットに含まれるデータ(図2に示されるデータ)を外部無線モニタデータ310として記憶部18に記憶させる(ステップS210)。
【0057】
次に、正常性確認部19は、自身が備える受信カウンタのカウント値を1つ増加させて記憶部18の受信パケット数303を更新する(ステップS211)。
【0058】
次に、正常性確認部19は、記憶部18の受信レベル平均値302を更新する(ステップS212)。正常性確認部19は、現在までに取得した各応答パケットの受信レベル(記憶部18に記憶されている最新の受信レベル(すなわち要素314)を含む)の合計値を受信パケット数303で除算して受信レベル平均値302を算出する。
【0059】
次に、正常性確認部19は、記憶部18に記憶されている試験パケット複製データ304と、記憶部18に記憶されている外部無線モニタデータ310の要素313(すなわち受信データ)とが一致するか否かを判定する(ステップS213)。
【0060】
正常性確認部19は、これら両データが一致しないと判定した場合には、記憶部18に記憶されている受信パケットエラー数301を1つ増加させて更新する(ステップS215)。試験パケットが無線通信の干渉の影響を受け、当該試験パケットに含まれるデータが変わってしまった場合(例えば”0”であるべきデータが”1”に変わった場合)には、これら両データは一致しない。
【0061】
正常性確認部19は、ステップS213において両データが一致すると判定した場合には、ステップS214に移行する。正常性確認部19は、記憶部18に記憶されている外部無線モニタデータ310の要素314(すなわち受信レベル)と、記憶部18に記憶されている受信レベル平均値302との差分が、受信レベル閾値322以下であるか否かを判定する(ステップS214)。例えば要素314(すなわち受信レベル)が−80dBm、受信レベル平均値[1]302が−70dBm、受信レベル閾値322が20dBmである場合には、要素314(すなわち受信レベル)と受信レベル平均値[1]302との差分10dBmが受信レベル閾値322である20dBm以下と判定される。
【0062】
正常性確認部19は、当該差分が受信レベル閾値322より大きいと判定した場合には、記憶部18に記憶されている受信パケットエラー数301を1つ増加させて更新する(ステップS215)。正常性確認部19は、ステップS214において当該差分が受信レベル閾値322以下であると判定した場合には、パケット正常性判定処理を終了する。
【0063】
以下、再び図4を参照して説明する。装置制御部15は、受信パケットエラー数301が受信パケットエラー回数閾値321を下回るか否かを判定する(ステップS118)。装置制御部15は、下回ると判定した場合には、記憶部18に記憶されている状態データ330を”1”のまま変更せずにステップS102に移行する(ステップS103)。以下、ステップS114以降のステップについて同様に実行される。
【0064】
ステップS102に移行した後、試験パケット生成部14は、前回の試験パケットの生成から例えば3秒経過するのを待って、新たな試験パケットを生成する(ステップS114)。これによって、例えば3秒毎に試験がなされる。すなわち、例えば3秒毎などの周期的に試験モードに移行する。
【0065】
装置制御部15は、ステップS118において、受信パケットエラー数301が受信パケットエラー回数閾値321以上であると判定した場合には、ステップS119に移行する。
【0066】
装置制御部15は、現在の状態データ330が”1”であるか否かを判別する(ステップS119)。装置制御部15は、現在の状態データ330が”1”であると判定した場合には、無線基地局装置20の無線モニタ部23の機能を停止させる指示を含む無線パケットを無線送信部11から無線基地局装置20へ送信する(ステップS120)。これにより、無線モニタ部23は、無線基地局装置10からの試験パケットを受信しなくなる。
【0067】
次に、装置制御部15は、無線送信部11及び無線受信部12をリセット(すなわち再起動)する指示をこれらに与える(ステップS121)。これにより、無線チャネル自動選択などの機能が再動作することにより、送受信についての不具合要因を除去し得る。更に、装置制御部15は、状態データ330を”2”に更新し(ステップS104)、ステップS101に移行する。以下、ステップS111以降のステップについて同様に実行される。
【0068】
装置制御部15は、ステップS119において、現在の状態データ330が”2”であると判定した場合には、自身が属する無線基地局装置10を再起動させる(ステップS122)。これにより、無線基地局装置10について全ての機能が初期シーケンスから設定及び起動し直して不具合を解消し得る。更に、装置制御部15は、状態データ330を”0”に更新し(ステップS105)、ステップS100に移行する。以下、ステップS110以降のステップについて同様に実行される。
【0069】
上記したように本実施例による無線通信システム1においては、自装置である無線基地局装置10と、外部無線モニタ装置である無線基地局装置20とを有線LAN30で相互に接続している。無線基地局装置20は、無線基地局装置10によって送信された試験パケットを受信し、これに含まれるデータを含む応答パケットを有線LAN30を介して無線基地局装置10に送信する。無線基地局装置10は、有線LAN30を介して応答パケットを受信し、これに含まれるデータと、自身が保持している試験パケットの複製データとが一致するか否かを判定する。
【0070】
このように、有線LAN30を介して応答パケットを自装置に送信するので、当該送信時に無線通信の干渉を受けることが無く、自装置から外部無線モニタ装置へのパケット送信の正常性(すなわちパケットを受信側装置に正常に送信できたか)について確実にチェックすることができる。また、無線基地局装置20を外部無線モニタ装置として機能させ、自装置と外部無線モニタ装置とを有線LAN30を介して相互に接続しているので、自装置から離れた位置において干渉が生じた場合や、自装置と外部無線モニタ装置との間の距離が離れている場合でも、パケット送信の正常性ついて確実にチェックできる。
【0071】
また、無線基地局装置10は、無線通信についての正常性判定の結果から算出した受信パケットエラー数が閾値を超えた場合には自身を再起動する。自装置を再起動することによって自身の不具合を解消して、パケットを宛先の無線端末(図示せず)に確実に送信し得る。
【0072】
上記した例は、無線基地局装置10が自装置、無線基地局装置20が外部無線モニタ装置として動作した場合の例であるが、逆の場合でも同様の効果を奏することができる。
<第2の実施例>
図6は、本実施例である無線通信システム1の構成を示すブロック図である。以下、第1の実施例と異なる点について主に説明する。無線通信システム1は、第1の実施例における無線基地局装置20と同様の機能ブロックを各々が有する無線基地局装置20−1〜20−n(nは2以上の整数)を含む。無線基地局装置10及び無線基地局装置20−1〜20−nの各々は有線LAN30を介して相互に接続されている。以下、無線基地局装置10を自装置、無線基地局装置20−1〜20−nの各々を外部無線モニタ装置とも称する。
【0073】
無線基地局装置20−1〜20−nの各々は、誤り判定部手段26bを更に含む。誤り判定部手段26bは、試験パケットに含まれる受信データの誤りの有無を判定する。誤り判定部手段26bは、受信データに対して例えばCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)処理を施して受信データの誤りの有無を判定する。誤りの有無を示すデータ(以下、誤り判定データと称する)は、有線通信部27によって応答パケットに含められ、有線LAN30を介して自装置である無線基地局装置10に送信される。
【0074】
図7は、無線基地局装置10の記憶部18に記憶されるデータの構成例を示す図である。
【0075】
送信パケット比較用データ300は、受信パケットエラー数[1〜n]301と、受信レベル平均値[1〜n]302と、受信パケット数[1〜n]303と、からなる。
【0076】
受信パケットエラー数[1〜n]301は、正常性確認部19によって異常と判断された受信パケットの数であり、正常性確認部19によって更新される。受信パケットエラー数[1]は無線基地局装置20−1、受信パケットエラー数[2]は無線基地局装置20−2、・・・、受信パケットエラー数[n]は無線基地局装置20−nについてのエラー数である。
【0077】
受信レベル平均値[1〜n]302は、正常性確認部19によって算出された受信レベルの平均値であり、正常性確認部19によって更新される。受信レベル平均値[1]は無線基地局装置20−1、受信レベル平均値[2]は無線基地局装置20−2、・・・、受信レベル平均値[n]は無線基地局装置20−nについての平均値である。
【0078】
受信パケット数[1〜n]303は、有線通信部17によって受信された応答パケットの数を正常性確認部19がカウントしたものであり、正常性確認部19によって更新される。受信パケット数[1]は無線基地局装置20−1、受信パケット数[2]は無線基地局装置20−2、・・・、受信パケット数[n]は無線基地局装置20−nについての受信パケット数である。
【0079】
外部無線モニタデータ310は、要素311と、要素312と、要素313と、要素314と、からなる。要素311〜314の各々は、有線通信部17によって受信された応答パケットに含まれるデータであり、有線通信部17が記憶部18に記憶させたものである。
【0080】
図8は、応答パケットに含まれるデータを示す図である。要素311は、Etherヘッダ、IPヘッダ及びTCPヘッダを示すデータである。要素312は、外部無線モニタヘッダを示すデータである。要素313は、誤り判定部手段26bによって生成された誤り判定データである。要素314は、試験パケットについての付加情報としての受信レベルである。
【0081】
固定値データ320は、受信パケットエラー回数閾値321と、受信レベル閾値322と、外部無線モニタ登録データ[n]323と、重み1の受信レベル324と、重み2の受信レベル325と、重み3の受信レベル326と、重み4の受信レベル327と、重み5の受信レベル328と、からなる。
【0082】
受信パケットエラー数合計閾値321は、後述の受信パケットエラー数合計340と比較するための閾値であり、後述の状態データ330の更新に用いられる。
【0083】
受信レベル閾値322は、上記した受信レベル平均値302と比較するための閾値であり、上記した受信パケットエラー数301の更新に用いられる。
【0084】
外部無線モニタ登録データ323[n]は、外部無線モニタ装置(すなわち無線基地局装置20−1〜20−n)を特定するための例えばIPアドレス等の識別データである。受信パケットエラー数[1]は無線基地局装置20−1、受信パケットエラー数[2]は無線基地局装置20−2、・・・、受信パケットエラー数[n]は無線基地局装置20−nについての登録データである。
【0085】
重み1の受信レベル324は重み付け値”1”の場合、重み2の受信レベル325は重み付け値”2”の場合、・・・、重み5の受信レベル328は重み付け値”5”の場合の設定受信レベル範囲(以下、設定受信強度範囲とも称する)である。図9は、無線基地局装置10の記憶部18に記憶される重み付けテーブルを示す図である。重み付け値1〜5の各々について設定受信レベル範囲が対応付けられている。受信レベル(すなわち受信電波強度)が高いほど、大きい重み付け値が対応付けられている。自装置により近い位置にある外部無線モニタ装置からの応答パケットの受信レベルを重視する趣旨である。例えば〜−50dbm(受信レベルが比較的高い)の設定受信レベル範囲には重み付け値5が対応付けられ、例えば−80〜dbm(受信レベルが比較的低い)の受信レベルには重み付け値1が対応付けられている。
【0086】
状態データ330は、受信パケットエラー数301と受信パケットエラー回数閾値321との比較に基づいて更新されるデータであり、装置制御部15によって更新される。状態データ330は、例えば、初期状態が”0”であり、その後、状態”1”及び”2”に更新され得る。
【0087】
受信パケットエラー数合計340は、受信パケットエラー数[1〜n]301の合計値である。
【0088】
図10は、自装置である無線基地局装置10による装置制御処理ルーチンを示すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、無線基地局装置10による装置制御処理について説明する。
【0089】
ステップS110〜S113の処理は第1の実施例と同様である。試験パケット生成部14は、ステップS113に続いて、試験データを含む試験パケットを生成し、無線送信部11に対して当該試験パケットの送信指示を与える(ステップS114)。第1の実施例とは異なり、試験パケット生成部14は、試験パケットの複製データを記憶する必要はない。無線送信部11は、試験パケットを無線基地局装置20−1〜20−nの各々に無線送信する(ステップS116)。無線送信部11は、試験パケット(例えばビーコン信号など)をいわゆるブロードキャスト送信すれば良い。
【0090】
無線基地局装置20−1の無線モニタ部23は、無線基地局装置10からの試験パケットを無線により受信する。誤り判定部手段26bは、試験パケットに含まれる受信データに例えばCRC処理などの誤り検出処理を施して、当該受信データの誤りの有無を示す誤り判定データを生成する。有線通信部27は、誤り判定部手段26bによって生成された誤り判定データや無線モニタ部23によって測定された受信レベルなどのデータ(図8に示されるデータ)を含む応答パケットを生成する。有線通信部27は、応答パケットを有線LAN30を介して無線基地局装置10に送信する。無線基地局装置20−2〜20−nの各々も同様に応答パケットを有線LAN30を介して無線基地局装置10に送信する。
【0091】
正常性確認部19は、有線LAN30を介して無線基地局装置20−1〜20−nの各々からの応答パケットの1つを有線通信部27が受信したときにパケット正常性判定処理を行う(ステップS200)。
【0092】
図11は、正常性確認部19によるパケット正常性判定処理ルーチンを示すフローチャートである。以下、図11を参照しつつ、正常性確認部19によるパケット正常性判定処理について説明する。
【0093】
先ず、正常性確認部19は、無線基地局装置20−1〜20−nのうちの1つ(一例として、以下、無線基地局装置20−1とする)から送信された応答パケットを有線通信部17から取得し、当該応答パケットに含まれる受信データを外部無線モニタデータ310として記憶部18に記憶させる(ステップS211)。正常性確認部19は、応答パケットに含まれる送信元アドレスから、当該応答パケットが無線基地局装置20−1から送信されたものであることを判別できる。
【0094】
次に、正常性確認部19は、無線基地局装置20−1についての受信パケット数[1]303を1つ増加させて更新する(ステップS212)。
【0095】
次に、正常性確認部19は、無線基地局装置20−1についての受信レベル平均値[1]302を更新する(ステップS213)。正常性確認部19は、現在までに取得した無線基地局装置20−1についての各応答パケットの受信レベル(記憶部18に記憶されている最新の受信レベル(すなわち要素314)を含む)の合計値を、無線基地局装置20−1についての受信パケット数[1]303で除算して受信レベル平均値[1]302を算出する。
【0096】
次に、正常性確認部19は、記憶部18に記憶されている外部無線モニタデータ310の要素313(すなわち無線基地局装置20−1についての誤り判定データ)が正常であることを示すものか否かを判定する(ステップS214)。
【0097】
正常性確認部19は、正常でないと判定した場合には、記憶部18に記憶されている受信パケットエラー数301を更新する(ステップS216)。この際、正常性確認部19は、重み付けテーブルに設定されている複数の設定受信レベル範囲のうちの、現在の受信レベル平均値[1]302が含まれる設定受信レベル範囲に対応する重み付け値を受信パケットエラー数301[1]に加算して更新する。例えば、現在の受信レベル平均値[1]302が−65dBmである場合、当該平均値は設定受信レベル範囲−61〜−70dBmに含まれるので、当該レベル範囲に対応する重み付け値3を受信パケットエラー数301[1]に加算する。
【0098】
正常性確認部19は、ステップS214において正常であると判定した場合には、ステップS215に移行する。正常性確認部19は、記憶部18に記憶されている外部無線モニタデータ310の要素314(すなわち無線基地局装置20−1についての受信レベル)と、記憶部18に記憶されている受信レベル平均値[1]302との差分が、受信レベル閾値322以下であるか否かを判定する(ステップS215)。例えば要素314(すなわち受信レベル)が−80dBm、受信レベル平均値[1]302が−70dBm、受信レベル閾値322が20dBmである場合には、要素314(すなわち受信レベル)と受信レベル平均値[1]302との差分10dBmが受信レベル閾値322である20dBm以下と判定される。
【0099】
正常性確認部19は、当該差分が受信レベル閾値322より大きいと判定した場合には、記憶部18に記憶されている受信パケットエラー数301を更新する(ステップS216)。この際、正常性確認部19は、重み付けテーブルに設定されている複数の受信レベルのうちの、現在の受信レベル平均値[1]302が属する受信レベルに対応する重み付け値を受信パケットエラー数[1]301に加算して更新する。
【0100】
正常性確認部19は、ステップS215において当該差分が受信レベル閾値322以下であると判定した場合には、受信パケットエラー数301[1]を受信パケットエラー数合計340に加算してこれを更新する(ステップS217)。以上で、正常性確認部19は無線基地局装置20−1からの応答パケットについてのパケット正常性判定処理を終了する。
【0101】
正常性確認部19は、無線基地局装置20−2〜20−nのうちの1つから送信された応答パケットを有線通信部17が受信した場合にも同様の処理を実行する(ステップS210〜S218)。
【0102】
以下、再び、図10を参照して説明する。装置制御部15は、受信パケットエラー数合計340が受信パケットエラー数合計閾値321を下回るか否かを判定する(ステップS118)。装置制御部15は、下回ると判定した場合には、記憶部18に記憶されている状態データ330を”1”のまま変更せずにステップS102に移行する(ステップS103)。以下、ステップS114以降のステップについて同様に実行される。
【0103】
装置制御部15は、ステップS118において、受信パケットエラー数301が受信パケットエラー回数閾値321以上であると判定した場合には、ステップS119に移行する。以下、装置制御部15は、ステップS119以降について、第1の実施例と同様の処理を行う。
【0104】
上記したように本実施例による無線通信システム1においては、自装置である無線基地局装置10及び複数の外部無線モニタ装置である無線基地局装置20−1〜20−nの各々を有線LAN30で相互に接続している。無線基地局装置20−1〜20−nの各々は、無線基地局装置10によって送信された試験パケットを受信し、誤り判定データ(例えばCRCデータ)や受信レベルを含む応答パケットを有線LAN30を介して無線基地局装置10にそれぞれ送信する。無線基地局装置10は、有線LAN30を介して外部無線モニタ装置の各々からの応答パケットを受信し、誤り判定データ及び受信レベルに基づいて無線通信エラー発生の有無を判定する。そして、無線基地局装置10は、当該判定の結果から算出した受信パケットエラー数の合計値が閾値を超えた場合には自身を再起動する。
【0105】
このように、自装置が複数の外部無線モニタ装置から有線LAN30を介して応答パケットを受信するので、より正確に無線通信の正常性を正確に判断することができる。そして、無線通信に異常が認められた場合には、自装置を再起動することによって不具合を解消し、パケットを宛先の無線端末(図示せず)に確実に送信し得る。
【0106】
また、CRC処理などの誤り検出結果を応答パケットに含めて送信することにより、試験パケットに含まれていた受信データを送信するよりも送信量を少なくでき、また、自装置側で外部モニタ装置各々についての誤りの有無を判定する必要もなくなる。
【0107】
また、受信レベル範囲毎に重み付けを行うことにより、自装置に近い外部モニタ装置からの応答パケットの受信レベルを重視した装置制御を行うことができるという効果も奏する。
【符号の説明】
【0108】
1 無線通信システム
10、20、20−1〜20−n 無線基地局装置
11、21 無線送信部
12、22 無線受信部
13、23 無線モニタ部
14、24 試験パケット生成部
15、25 装置制御部
16、26 応答パケット生成部
17、27 有線通信部
18、28 記憶部
19、29 正常性確認部
30 有線LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末との間で無線通信網を介して無線通信可能な少なくとも2つの無線基地局装置間の無線通信の正常性を確認する正常性確認方法であって、
一方の無線基地局装置において、試験データを含む試験パケットを生成して前記試験データと同一内容の複製データを記憶するとともに前記試験パケットを発信元情報と共に前記無線通信網を介して他方の無線基地局装置に送信する無線送信ステップと、
前記他方の無線基地局装置において、前記無線通信網を介して到来した前記試験パケットを受信して当該受信した試験パケットに含まれる受信データを含む応答パケットを生成し当該生成した応答パケットを有線通信網を介して前記発信元を宛先として送信する有線送信ステップと、
前記一方の無線基地局装置において、前記応答パケットを前記有線通信網を介して受信して当該受信した応答パケットに含まれる受信データと前記複製データとを比較し当該比較の結果に基づいて装置制御処理を行う装置制御ステップと、含むことを特徴とする正常性確認方法。
【請求項2】
前記装置制御ステップにおいては、前記受信データと前記複製データとが一致しない回数を受信パケットエラー数としてカウントし、前記受信パケットエラー数が所定閾値を超えた場合に前記装置制御処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の正常性確認方法。
【請求項3】
前記有線送信ステップにおいては、前記試験パケットを受信した時の受信電波強度を測定して前記受信電波強度を含む試験パケットを生成し、
前記装置制御ステップは、受信した応答パケット各々に含まれる前記受信電波強度の平均値を平均強度として算出する平均強度算出ステップと、現在受信した応答パケットに含まれる前記受信電波強度を現在強度として前記平均強度と前記現在強度とを比較する強度比較ステップと、を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の正常性確認方法。
【請求項4】
前記装置制御ステップにおいては、前記平均強度と前記現在強度との差分が所定閾値を超えた回数を受信パケットエラー数としてカウントし、前記受信パケットエラー数が所定閾値を超えた場合に前記装置制御処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の正常性確認方法。
【請求項5】
少なくとも2つの設定受信強度範囲の各々に重み付け値を対応付けて記憶するステップを更に含み、
前記装置制御ステップは、前記設定受信レベル範囲のうちの前記現在強度が含まれる1つの設定受信レベル範囲に対応する重み付け値を前記受信パケットエラー数に加算する重み付け値加算ステップを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の正常性確認方法。
【請求項6】
前記装置制御処理は、装置再起動処理であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の正常性確認方法。
【請求項7】
前記試験パケットは、ビーコン信号パケットであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の正常性確認方法。
【請求項8】
受信した応答パケットに含まれる前記受信データに対して誤り検出処理を施して誤り判定データを生成する誤り判定ステップを更に含み、
前記有線送信ステップにおいては、前記誤り判定データを更に含む試験パケットを生成し、
前記装置制御ステップは、前記誤り判定データが示す誤りの有無に応じて前記装置制御処理を行うステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の正常性確認方法。
【請求項9】
前記装置制御ステップにおいては、前記誤り判定データが誤りを示す回数を受信パケットエラー数としてカウントし、前記受信パケットエラー数が所定閾値を超えた場合に前記装置制御処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の正常性確認方法。
【請求項10】
無線端末との間で無線通信網を介して無線通信可能な無線基地局装置であって、
試験データを含む試験パケットを生成して前記試験データと同一内容の複製データを記憶するとともに前記試験パケットを発信元情報と共に前記無線通信網を介して送信する無線送信手段と、
前記無線通信網を介して到来した前記試験パケットを受信して当該受信した試験パケットに含まれる受信データを含む応答パケットを生成し当該生成した応答パケットを有線通信網を介して前記発信元を宛先として送信する有線送信手段と、
前記応答パケットを前記有線通信網を介して受信して当該受信した応答パケットに含まれる受信データと前記複製データとを比較し当該比較の結果に基づいて装置制御処理を行う装置制御手段と、を含むことを特徴とする無線基地局装置。
【請求項11】
前記装置制御手段は、前記受信データと前記複製データとが一致しない回数を受信パケットエラー数としてカウントし、前記受信パケットエラー数が所定閾値を超えた場合に前記装置制御処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の無線基地局装置。
【請求項12】
前記有線送信手段は、前記試験パケットを受信した時の受信電波強度を測定して前記受信電波強度を含む試験パケットを生成し、
前記装置制御手段は、受信した応答パケット各々に含まれる前記受信電波強度の平均値を平均強度として算出する平均強度算出手段と、現在受信した応答パケットに含まれる前記受信電波強度を現在強度として前記平均強度と前記現在強度とを比較する強度比較手段と、を更に含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の無線基地局装置。
【請求項13】
前記装置制御手段は、前記平均強度と前記現在強度との差分が所定閾値を超えた回数を受信パケットエラー数としてカウントし、前記受信パケットエラー数が所定閾値を超えた場合に前記装置制御処理を行うことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1つに記載の無線基地局装置。
【請求項14】
少なくとも2つの設定受信強度範囲の各々に重み付け値を対応付けて記憶する手段を更に含み、
前記装置制御手段は、前記設定受信レベル範囲のうちの前記現在強度が含まれる1つの設定受信レベル範囲に対応する重み付け値を前記受信パケットエラー数に加算する重み付け値加算手段を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の無線基地局装置。
【請求項15】
前記装置制御処理は、装置再起動処理であることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1つに記載の無線基地局装置。
【請求項16】
前記試験パケットは、ビーコン信号パケットであることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1つに記載の無線基地局装置。
【請求項17】
受信した応答パケットに含まれる前記受信データに対して誤り検出処理を施して誤り判定データを生成する誤り判定手段を更に含み、
前記有線送信手段は、前記誤り判定データを更に含む試験パケットを生成し、
前記装置制御手段は、前記誤り判定データが示す誤りの有無に応じて前記装置制御処理を行う手段を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の無線基地局装置。
【請求項18】
前記装置制御手段は、前記誤り判定データが誤りを示す回数を受信パケットエラー数としてカウントし、前記受信パケットエラー数が所定閾値を超えた場合に前記装置制御処理を行うことを特徴とする請求項17に記載の無線基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−75005(P2012−75005A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219316(P2010−219316)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】