説明

無線通信システム、ユーザ端末、及び基地局並びに通信方法

【課題】呼接続に要する時間を短縮すること。
【解決手段】ユーザ端末は、基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成し、該呼接続制御信号を送信し、発信すべき操作に従って、基地局に、呼接続要求を送信する。基地局は、ユーザ端末から、呼接続制御信号を受信し、該呼接続制御信号を記憶し、ユーザ端末からの呼接続要求に従って、記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークに接続する際、ユーザは、移動機の発信ボタンを押下する。該移動機の発信ボタンが押下げられることにより、移動機から制御信号が送信され、無線ネットワークへの接続が開始される。
【0003】
無線通信システムの呼接続に関して、RRCメッセージが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS36.331 V10.0.0 2010 12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線ネットワークに接続する際に、移動機に発信のための操作が行われることにより、該移動機から呼接続のための制御信号が送信され、呼接続処理が開始される。つまり、発信ボタンが押下げられることにより呼接続処理が開始される。呼接続処理が開始されると、移動機と基地局との間で、制御信号の送受信が実行される。制御信号の送受信の後、呼接続が終了する。
【0006】
移動機に発信のための操作が行われてから、呼接続が終了するまでの時間は短い方が好ましい。
【0007】
開示の無線通信システムは、呼接続に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の一実施例の無線通信システムは、
ユーザ端末と、該ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局とを有する無線通信システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成する呼接続制御信号生成部と、
前記基地局に、前記呼接続制御信号生成部により生成された呼接続制御信号を送信する呼接続制御信号送信部と、
発信すべき操作に従って、前記基地局に、呼接続要求を送信する呼接続要求送信部と
を有し、
前記基地局は、
前記ユーザ端末から、前記呼接続制御信号を受信する呼接続制御信号受信部と、
該呼接続制御信号受信部により受信された呼接続制御信号を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶部に記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う呼制御信号仮想処理部と
を有する。
【発明の効果】
【0009】
開示の実施例によれば、呼接続に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図2】ユーザ端末の一実施例を示すブロック図である。
【図3】ユーザ端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図4】呼接続制御信号の一実施例を示す図である。
【図5】基地局の一実施例を示すブロック図である。
【図6】基地局の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】呼接続制御信号記憶テーブルの一実施例を示す図である。
【図8】MMEの一実施例を示す機能ブロック図である。
【図9】無線通信システムの動作の一実施例を示すシーケンスチャートである。
【図10】無線通信システムの動作の一変形例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0012】
<無線通信システム>
図1は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0013】
本無線通信システムには、ユーザ端末(UE: User Equipment)100と、基地局(eNB: eNodeB)200とが含まれる。
【0014】
基地局200は、MME300と接続される。MME300は、コアネットワーク500に含まれる。該コアネットワーク500は、エヴォルブドパケットコア(EPC: Evolved Packet Core)と呼ばれてもよい。基地局200によりカバーされるエリアには、1又は複数のセルが含まれてもよい。図1には、一例として、1個のセル250が示される。
【0015】
MME300は、S1インターフェースを介して基地局200と接続される。さらに、MME300は、サービングゲートウェイ400と接続される。MME300は、交換局により実現されてもよい。MME300は、ユーザ端末100の移動を管理する。具体的には、3GPPアクセスネットワーク間における移動管理、トラッキングエリア(位置登録エリア)リストの管理、パケットデータネットワーク(PDN)のゲートウェイ(GW)の選択、サービングゲートウェイ(GW)の選択、ハンドオーバにおける交換局(MME)の選択、ローミング、認証、無線アクセスベアラ管理、加入者情報の管理、移動管理、発着信制御、課金制御、QoS制御等に関する処理を行う。
【0016】
基地局200には、小型基地局が含まれてもよい。小型基地局は、家庭内や小規模店舗などでのエリア化を実現するために設置される基地局である。例えば、フェムト用小型基地局(HeNB: Home eNB)(以下、「フェムト基地局」という)は、家庭内や小規模店舗以外にも、鉄塔上やビルの屋上などに設置される。該フェムト基地局は、半径数十メートル程度の限られた範囲を通話エリアとする。
【0017】
ユーザ端末100は、基地局200との間で、例えばLTE(Long Term Evolution)の仕様に従って、無線通信を行う。LTEは、移動体通信システムの標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて、仕様が作成されている。LTEでは、下りリンクにおいて100Mbps以上、上りリンクにおいて50Mbps以上の高速通信が実現され、遅延の改善や周波数の利用効率向上などが図られる。
【0018】
ここでは、一例として、LTEに従って、ユーザ端末と、フェムト基地局とが無線通信を行う場合について説明するが、LTEに限られない。例えば、GSM(Global System for Mobile Communications)であってもよいし、LTE-Advanced(LTE Rel.10 and beyond)であってもよい。さらに、無線LANにおいて、ステーション(STA: Station)と、アクセスポイント(AP
: Access Point)とが無線通信を行う際にも適用できる。例えば、IEEE802.11に従って、ステーションと、アクセスポイントとが無線通信を行う際にも適用できる。
【0019】
ユーザ端末100は、基地局200によりカバーされるエリアに位置している。該ユーザ端末100は、当該ユーザ端末100の発呼の前に、基地局200に、呼接続のための制御信号(以下、「呼接続制御信号」という)を送信する。呼接続制御信号には、呼接続の際に、ユーザ端末100から基地局200に送信されるべき制御信号が1又は複数含まれる。例えば、ユーザ端末100は、位置登録の際に、在圏する基地局200に、呼接続制御信号を送信するようにしてもよい。ユーザ端末100は、基地局200に、呼接続制御信号として、呼接続の際に送信すべき制御信号を一括して送信するようにしてもよい。
【0020】
また、ユーザ端末100は、発呼のための操作が行われると、呼接続のための手順を開始するための信号(以下、「呼接続手順開始信号」という)を送信する。呼接続のための手順を開始するための信号は、「RRC CONNECTION REQUEST」とも呼ばれる。例えば、ユーザ端末100の有する発信ボタンが押下げられることにより、呼接続手順開始信号が送信される。ユーザ端末100から呼接続手順開始信号が送信され、基地局200に該呼接続手順開始信号が受信されることにより、呼接続手順が開始される。
【0021】
基地局200は、セル250をカバーする。該基地局200は、当該基地局200と接続するユーザ端末を登録する。登録されたユーザ端末は、該基地局200のリソースを占有することができる。該リソースには、無線リソースが含まれる。基地局200は、ユーザ端末100からの呼接続制御信号を記憶する。基地局200は、ユーザ端末100から呼接続手順開始信号を受信すると、予め記憶された呼接続制御信号を使用して、呼接続処理を実行する。基地局200は、呼接続処理の際に、MME300との間で、制御信号の送受信を行う。
【0022】
<ユーザ端末>
図2は、ユーザ端末100の一実施例を示す。
【0023】
本ユーザ端末100は、送受信部101と、ベースバンドユニット(BBU: Base Band Unit)102とを有する。ベースバンドユニット102は、送受信部101と接続される。
【0024】
送受信部101は、基地局200との間で、無線信号の送受信を行う。アンテナで受信された無線信号は増幅され、送受信部101に入力される。送受信部101は、該無線信号を周波数変換し、ベースバンドユニット102に入力する。また、送受信部101は、ベースバンドユニット102からの信号を無線信号に変換し、アンテナを介して送信する。
【0025】
ベースバンドユニット102は、コントローラ(CNT: Controller)104を有する。コントローラ104は、送受信部102と接続される。コントローラ104は、呼制御を行う。また、コントローラ104は、プロトコル制御を行う。
【0026】
ベースバンドユニット102は、ベースバンド処理部106を有する。ベースバンド処理部106は、コントローラ104と接続される。ベースバンド処理部106は、コントローラ104からの命令に従って、ベースバンド処理を行う。ベースバンド処理部106によりベースバンド処理されたベースバンド信号は、RF部(図示なし)により無線信号に変換され、基地局200に無線送信される。
【0027】
<ユーザ端末の機能>
図3は、ユーザ端末100の一実施例を示す。図3には、主に、コントローラ104の機能が示される。
【0028】
コントローラ104の機能には、呼制御部1042により実行される機能が含まれる。呼制御部1042は、ベースバンド処理部106と接続される。呼制御部1042は、呼接続処理を行うかどうかを判断する。例えば、呼制御部1042は、ユーザにより呼接続のための操作が行われた場合に、呼接続処理を行うと判断する。つまり、ユーザにより発信ボタンが押下げられた場合に、呼接続処理を行うと判断する。さらに、呼制御部1042は、呼接続処理を行うと判断した場合に、呼接続処理を実行する。つまり、呼制御部1042は、呼接続手順開始信号を送信するように、ベースバンド処理部106を制御する。
【0029】
また、呼制御部1042は、呼接続制御信号を送信するかどうかを判断する。例えば、呼制御部1042は、在圏する基地局に呼接続制御信号を送信していない場合に呼接続制御信号を送信すると判断する。例えば、当該ユーザ端末100の位置登録が行われる際に、呼接続制御信号を送信すると判断してもよい。また、位置登録の後でも、在圏する基地局に、呼接続制御信号を送信していないと判断される場合には、呼制御部1042は、呼接続制御信号を送信すると判断してもよい。呼制御部1042は、呼接続制御信号を送信すると判断した場合、プロトコル制御部1046に、呼接続制御信号を組み立てるように命令する。
【0030】
また、呼制御部1042は、呼接続手順開始信号を送信する際に、在圏する基地局に呼接続制御信号を送信していない場合に、制御信号を送信すると判断してもよい。また、呼制御部1042は、呼接続手順開始信号を送信する際に、在圏する基地局に呼接続制御信号を送信していない場合に、呼接続制御信号を送信すると判断してもよい。呼制御部1042は、呼接続制御信号、制御信号を送信すると判断した場合、プロトコル制御部1046に、呼接続制御信号、制御信号を組み立てるように命令する。
【0031】
コントローラ104の機能には、無線リソース管理部1044により実行される機能が含まれる。無線リソース管理部1044は、呼制御部1042と接続される。無線リソース管理部1044は、無線リソースを管理する。つまり、基地局200により割り当てられるべき無線リソースを管理する。
【0032】
コントローラ104の機能には、プロトコル制御部1046により実行される機能が含まれる。プロトコル制御部1046は、ベースバンド処理部106と、呼制御部1042と、無線リソース管理部1044と接続される。プロトコル制御部1046は、呼制御部1042による制御に従って呼接続制御信号、制御信号を組み立てる。プロトコル制御部1046は、呼接続制御信号、制御信号を送信するように、ベースバンド処理部106を制御する。ベースバンド処理部106は、プロトコル制御部1046による制御に従って、呼接続制御信号、制御信号を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された呼接続制御信号、制御信号は、無線信号に変換され、基地局200に送信される。
【0033】
また、プロトコル制御部1046は、基地局200からの制御信号を分解し、解析する。
【0034】
図4は、呼接続制御信号の一実施例を示す。呼接続制御信号には、基地局200との間での呼接続の際に使用されるべき制御信号が含まれる。つまり、呼接続制御信号には、呼接続の際に、ユーザ端末100から基地局200に送信されるべき制御信号が含まれる。図4に示される例では、呼接続制御信号に、呼接続の際に、ユーザ端末100から基地局200に送信されるべき制御信号のうち、6個の制御信号が含まれる。1−5の制御信号が含まれてもよいし、7以上の制御信号が含まれてもよい。呼接続制御信号に含まれるべき制御信号の数は適宜設定可能である。
【0035】
具体的には、呼接続制御信号には、メッセージ1として、「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」(RRC接続設定完了)が含まれる。また、呼接続制御信号には、メッセージ2として、「UL INFORMATION TRANSFER (Authentication Response)」(上りリンク情報転送(認証応答))が含まれる。また、呼接続制御信号には、メッセージ3として、「UL INFORMATION TRANSFER (Security Mode Complete)」(上りリンク情報転送(セキュリティモード完了))が含まれる。また、呼接続制御信号には、メッセージ4として、「SECURITY MODE COMPLETE」(セキュリティモード完了)が含まれる。また、呼接続制御信号には、メッセージ5として、「UE CAPABILITY INFORMATION」(ユーザ端末能力情報)が含まれる。また、呼接続制御信号には、メッセージ6として、「RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETE」(RRC接続再構成完了)が含まれる。
【0036】
コントローラ104の機能には、制御信号送信状況監視部1048により実行される機能が含まれる。制御信号送信状況監視部1048は、呼制御部1042と、プロトコル制御部1046と接続される。制御信号送信状況監視部1048は、呼接続制御信号を送信したかどうかを監視する。基地局毎に監視してもよいし、ネットワーク毎に監視してもよい。具体的には、基地局毎に、呼接続制御信号を送信したかどうかを表すためのフラグが用意される。呼接続制御信号が送信された場合、該呼接続制御信号の送信先の基地局に対応するフラグが送信済にされる。ネットワーク毎に、呼接続制御信号を送信したかどうかを表すためのフラグが用意されてもよい。呼接続制御信号が送信された場合、該呼接続制御信号の送信先のネットワークに対応するフラグが送信済にされる。制御信号送信状況監視部1048は、所定の周期で、呼接続制御信号を送信した基地局、ネットワークとの間のアクセス状況を監視する。アクセス状況の監視の結果、一定の期間アクセスされない基地局、ネットワークがある場合には、該基地局、ネットワークに対応するフラグを未送信としてもよい。基地局、ネットワーク側でも、一定の期間アクセスされていないユーザ端末の呼接続制御信号が削除されるように設定することができるためである。
【0037】
<基地局>
図5は、基地局200の一実施例を示す。
【0038】
本基地局200は、送受信部201と、ベースバンドユニット202と、無線ネットワーク制御装置208とを有する。ベースバンドユニット202は送受信部201と接続され、無線ネットワーク制御装置208はベースバンドユニット202と接続される。
【0039】
送受信部201は、ユーザ端末100との間で、無線信号の送受信を行う。アンテナで受信された無線信号は増幅され、送受信部201に入力される。送受信部201は、該無線信号を周波数変換し、ベースバンドユニット202に入力する。また、送受信部201は、ベースバンドユニット102からの信号を無線信号に変換し、アンテナを介して送信する。
【0040】
ベースバンドユニット202は、コントローラ204を有する。コントローラ204は、呼制御を行う。また、コントローラ204は、プロトコル制御を行う。
【0041】
ベースバンドユニット202は、ベースバンド処理部206を有する。ベースバンド処理部206は、コントローラ204と接続される。ベースバンド処理部206は、コントローラ204からの命令に従って、ベースバンド処理を行う。ベースバンド処理部206によりベースバンド処理されたベースバンド信号は、RF部(図示なし)により無線信号に変換され、ユーザ端末100に無線送信される。また、ベースバンド処理部206は、無線ネットワーク制御装置208に、ベースバンド処理された信号を入力する。
【0042】
無線ネットワーク制御装置208は、ベースバンド処理部206からの信号に基づいて、所定の処理を行う。例えば、ベースバンド処理部206からの信号の宛先に転送するようにしてもよい。
【0043】
<基地局の機能>
図6は、基地局200の一実施例を示す。図6には、主に、コントローラ204の機能が示される。
【0044】
コントローラ204の機能には、呼制御部2042により実行される機能が含まれる。呼制御部2042は、ベースバンド処理部206と接続される。呼制御部2042は、呼接続処理を行うかどうかを判断する。例えば、呼制御部2042は、ユーザ端末100からの呼接続手順開始信号により、呼接続処理を行うと判断する。さらに、呼制御部2042は、呼接続処理を行うと判断した場合に、呼接続処理を実行するように、呼制御信号仮想処理部2050に指示する。
【0045】
また、呼制御部2042は、制御信号を送信するかどうかを判断する。例えば、呼制御部2042は、呼接続手順開始信号を送信したユーザ端末100からの呼接続制御信号を受信していない場合に、制御信号を送信すると判断する。呼制御部2042は、制御信号を送信すると判断した場合、プロトコル制御部1046に、制御信号を組み立てるように命令する。
【0046】
ここで、ユーザ端末100からの呼接続制御信号を受信していない場合に該ユーザ端末100に送信すべき制御情報には、「RRC CONNECTION SETUP」(RRC接続設定)、「DL INFORMATION TRANSFER(Authentication Request)」(下りリンク情報転送(認証要求))、「DL INFORMATION TRANSFER(Security Mode command)」(下りリンク情報転送(セキュリティモードコマンド)、「SECURITY MODE COMMAND」(セキュリティモードコマンド)、「UE CAPABILITY ENQUIRY」(ユーザ端末能力問い合わせ)、「RRC CONNECTION RECONFIGURATION」(RRC接続再構成)が含まれる。
【0047】
さらに、呼制御部2042は、ユーザ端末100からの呼接続制御信号を受信する。例えば、ユーザ端末100とMME300との間で位置登録が行われる際に、該ユーザ端末100から送信されるべき呼接続制御信号を受信するようにしてもよい。呼制御部2042は、プロトコル制御部2046に、ユーザ端末100からの呼接続制御信号を入力する。
【0048】
呼制御部2042は、呼接続制御信号を受信しているユーザ端末100に対応する呼接続処理が呼制御信号仮想処理部2050により実行された場合に、該ユーザ端末100に、設定完了を表す信号(以下、「設定完了信号」という)を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、プロトコル制御部2042による制御に従って、設定完了信号を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された設定完了信号は、無線信号に変換され、ユーザ端末100に送信される。
【0049】
コントローラ204の機能には、無線リソース管理部2044により実行される機能が含まれる。無線リソース管理部2044は、呼制御部2042と接続される。無線リソース管理部2044は、無線リソースを管理する。つまり、ユーザ端末100に割り当てるべき無線リソースを管理する。
【0050】
コントローラ204の機能には、プロトコル制御部2046により実行される機能が含まれる。プロトコル制御部2046は、ベースバンド処理部206と、呼制御部2042と、無線リソース管理部2044と接続される。プロトコル制御部2046は、呼制御部2042による制御に従って制御信号を組み立てる。プロトコル制御部2046は、ベースバンド処理部206に、組み立てた制御信号を入力する。プロトコル制御部2046は、制御信号を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、プロトコル制御部2046による制御に従って、制御信号を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された制御信号は、無線信号に変換され、ユーザ端末100に送信される。
【0051】
さらに、プロトコル制御部2046は、ベースバンド処理部206からの呼接続制御信号を分解する。プロトコル制御部2046は、制御信号記憶部2048に、分解された制御信号を入力する。分解された制御信号は、呼接続制御信号に含まれる各メッセージであってもよい。
【0052】
コントローラ204の機能には、制御信号記憶部2048により実行される機能が含まれる。制御信号記憶部2048は、プロトコル制御部2046と接続される。制御信号記憶部2048は、プロトコル制御部2046により入力されるべき呼接続制御信号を記憶する。具体的には、ユーザ端末毎に、呼接続制御信号を記憶しているかどうかを表す情報を含む呼接続制御信号記憶テーブルが用意されてもよい。例えば、呼接続制御信号記憶テーブルには、ユーザ端末毎に、呼接続制御信号を記憶しているかどうかを表すためのフラグが用意される。呼接続制御信号に含まれる制御信号毎に、記憶しているかどうかを表すためのフラグが用意されてもよい。呼接続制御信号を受信した場合、該呼接続制御信号の送信元のユーザ端末に対応するフラグが受信済にされる。また、制御信号記憶部2048は、所定の周期で、呼接続制御信号を送信したユーザ端末との間のアクセス状況を監視する。アクセス状況の監視の結果、一定の期間アクセスされないユーザ端末がある場合には、該ユーザ端末に対応するフラグを未受信とし、該ユーザ端末に対応する呼接続制御信号が削除されてもよい。ユーザ端末側でも、一定の期間アクセスされていない基地局に対しては呼接続制御信号を送信していないように設定されるためである。また、一定の期間アクセスされないユーザ端末がある場合には、該ユーザ端末に対応する呼接続制御信号を削除することにより、基地局200における記憶容量を削減できる。
【0053】
図7は、制御信号記憶部2048に格納されるべき呼接続制御信号記憶テーブルのフォーマットの一例を示す。図7に示される呼接続制御信号記憶テーブルには、呼接続制御信号に含まれるメッセージの名称と、該メッセージの詳細と、呼接続における処理状態とが対応付けられる。該呼接続制御信号記憶テーブルは、ユーザ端末毎に用意されてもよい。さらに、メッセージ毎に、受信されたかどうかを表すためのフラグが用意されてもよい。
【0054】
図7に示される例では、上述したメッセージ1からメッセージ6までの処理のうち、メッセージ4までの処理が行われていることが表されている。また、各メッセージには、1又は複数の情報要素が含まれる。
【0055】
コントローラ104の機能には、呼制御信号仮想処理部2050により実行される機能が含まれる。呼制御信号仮想処理部2050は、呼制御部2042と、制御信号記憶部2048と接続される。呼制御信号仮想処理部2050は、呼制御部2042からの呼接続処理を実行する命令に従って、ユーザ端末100との間の呼接続処理を仮想的に実行する。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、呼接続手順開始信号を送信したユーザ端末100と間の呼接続処理を、制御信号記憶部2048に記憶された制御信号を使用できる場合には、該ユーザ端末100との間での制御信号の送受信を行わないで行う。呼制御信号仮想処理部2050は、該ユーザ端末100との間の呼接続処理が終了した場合、呼制御部2042に呼接続処理が終了したことを通知する。呼制御部2042は、呼制御信号仮想処理部2050により呼接続処理が終了したことが通知された場合、設定完了信号を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、呼制御部2042による制御に従って、設定完了信号を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された設定完了信号は、無線信号に変換され、ユーザ端末100に送信される。
【0056】
<交換局>
図8は、MME300の一実施例を示す。
【0057】
MME300は、呼制御部302を有する。呼制御部302は、呼接続処理を行うかどうかを判断する。つまり、ユーザ端末100から呼接続手順開始信号が送信され、基地局200から所定の制御信号を受信した場合に、該基地局200との間で呼接続処理を行うと判断する。つまり、基地局200から「INITIAL UE MESSAGE」(ユーザ端末初期化メッセージ)を受信した場合に、呼接続処理を行うと判断するようにしてもよい。呼制御部302は、呼接続処理を行うと判断した場合、基地局200との間で呼接続処理を行う。呼接続処理を行う場合に、呼制御部302は、基地局200との間で制御信号の送受信を行う。
【0058】
また、呼制御部302は、当該MME300と接続された基地局200のカバーするエリアに、ユーザ端末が進入した場合に、該ユーザ端末の位置登録を行う。
【0059】
<無線通信システムの動作>
図9は、本無線通信システムの動作の一実施例を示す。
【0060】
ユーザ端末100は、基地局200への在圏を検出する(ステップS902)。つまり、呼制御部1042は、基地局200への在圏を検出する。呼制御部1042は、基地局200からの報知情報に基づいて、基地局200への在圏を検出する。
【0061】
ユーザ端末100により基地局200への在圏が検出されると、ユーザ端末100と、MME300との間で、位置登録手順が実行される(ステップS904)。つまり、ユーザ端末100の呼制御部1042と、MME300の呼制御部302との間で、位置登録手順が実行される。
【0062】
ユーザ端末100は、基地局200に、呼接続制御信号を送信する(ステップS906)。つまり、プロトコル制御部1046は、呼制御部1042による制御に従って呼接続制御信号を組み立て、ベースバンド処理部106に入力する。ベースバンド処理部106は、プロトコル制御部1046による制御に従って、呼接続制御信号を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された呼接続制御信号は、無線信号に変換され、基地局200に送信される。例えば、ベースバンド処理部106は、RRC メッセージとして、呼接続制御信号を送信するようにしてもよい。
【0063】
ユーザ端末100の制御信号送信状況監視部1048は、基地局毎に用意されるべき呼接続制御信号を送信したかどうかを表すためのフラグを送信済みにする。
【0064】
ユーザ端末100からの呼接続制御信号を受信した基地局200は、該呼接続制御信号を記憶する(ステップS908)。つまり、ユーザ端末100からの呼接続制御信号は、呼制御部1042から、プロトコル制御部1046に入力される。プロトコル制御部1046は、呼接続制御信号に含まれる情報を1又は複数の制御情報に分解し、制御信号記憶部2048に記憶する。
【0065】
基地局200は、呼接続制御信号記憶テーブルに含まれるユーザ端末毎の呼接続制御信号を記憶しているかどうかを表すためのフラグのうち、呼接続制御信号の送信元であるユーザ端末のフラグを受信済みにする。
【0066】
基地局200は、制御信号記憶部2048に、呼接続制御信号に含まれる制御信号を記憶すると、ユーザ端末100に、呼接続制御信号を受信したことを表す呼接続制御信号受信応答を送信する(ステップS910)。つまり、プロトコル制御部1046は、制御信号記憶部2048に、呼接続制御信号に含まれる制御情報を記憶した後、ユーザ端末100に、呼接続制御信号受信応答を送信する。
【0067】
以上により、呼接続制御信号を基地局200に記憶させる処理が終了する。
【0068】
ユーザ端末100に発信のための操作が行われる(ステップS912)。つまり、ユーザにより、ユーザ端末100の有する発信ボタンを押下げる操作が行われる。
【0069】
ユーザ端末100から、「RRC CONNECTION REQUEST」が送信される(ステップS914)。つまり、ユーザ端末100に、発信操作が行われることにより、呼制御部1042は、ベースバンド処理部106に、「RRC CONNECTION REQUEST」を送信するように命令する。ベースバンド処理部106は、呼制御部1042からの命令に従って、「RRC CONNECTION REQUEST」を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された「RRC CONNECTION REQUEST」は、無線信号に変換され基地局200に送信される。
【0070】
基地局200は、ユーザ端末100からの「RRC CONNECTION REQUEST」を受信すると、制御情報を仮想的に処理する(ステップS916)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、制御信号記憶部2048に記憶された制御信号を使用して、呼接続処理を仮想的に行う。具体的には、ユーザ端末100に「RRC CONNECTION SETUP」を送信せずに処理を行う。制御信号記憶部2048に記憶された「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」により、該ユーザ端末100から「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」が受信されたとして処理する。
【0071】
基地局200は、ユーザ端末100との間で仮想的に「RRC CONNECTION SETUP」(RRC接続設定)が終了すると、MME300に、「INITIAL UE MESSAGE」(ユーザ端末初期化メッセージ)を送信する(ステップS918)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、「RRC CONNECTION SETUP」が終了すると、呼制御部2042に、「RRC CONNECTION SETUP」が終了したことを通知する。呼制御部2042は、呼制御信号仮想処理部2050により「RRC CONNECTION SETUP」が終了したことが通知された場合、MME300に、「INITIAL UE MESSAGE」を送信するようにプロトコル制御部2046に通知する。プロトコル制御部2046は、呼制御部2042による命令に従って、「INITIAL UE MESSAGE」を組み立てる。プロトコル制御部2046は、「INITIAL UE MESSAGE」を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、プロトコル制御部2046による制御に従って、「INITIAL UE MESSAGE」を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された「INITIAL UE MESSAGE」は、無線信号に変換されMME300に送信される。例えば、S1AP(S1 Application Protocol)により「INITIAL UE MESSAGE」が送信される。
【0072】
基地局200は、MME300から、「DOWNLINK NAS TRANSPORT (Authentication Request)」(下りリンクNAS(Non-Access Stratum)転送(認証要求))を受信する(ステップS920)。つまり、呼制御部2042は、MME300からの「DOWNLINK NAS TRANSPORT (Authentication Request)」を受信する。該「DOWNLINK NAS TRANSPORT (Authentication Request)」は、MME300からS1APにより送信される。
【0073】
基地局200は、MME300からの「DOWNLINK NAS TRANSPORT (Authentication Request)」を受信すると、制御情報を仮想的に処理する(ステップS922)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、制御信号記憶部2048に記憶された制御信号を使用して、呼接続処理を仮想的に行う。具体的には、ユーザ端末100に「DL INFORMATION TRANSFER(Authentication Request)」を送信せずに処理を行う。制御信号記憶部2048に記憶された「UL INFORMATION TRANSFER(Authentication Response)」により、該ユーザ端末100から「UL INFORMATION TRANSFER(Authentication Response)」が受信されたとして処理する。
【0074】
基地局200は、ユーザ端末100との間で仮想的に、認証処理が終了すると、MME300に、「UPLINK NAS TRANSPORT(Authentication Response)」(上りリンクNAS転送(認証応答))を送信する(ステップS924)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、認証処理が終了すると、呼制御部2042に、認証処理が終了したことを通知する。呼制御部2042は、呼制御信号仮想処理部2050により認証処理が終了したことが通知された場合、MME300に、「UPLINK NAS TRANSPORT(Authentication Response)」を送信するようにプロトコル制御部2046に通知する。プロトコル制御部2046は、呼制御部2042による命令に従って、「UPLINK NAS TRANSPORT(Authentication Response)」を組み立てる。プロトコル制御部2046は、「UPLINK NAS TRANSPORT(Authentication Response)」を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、プロトコル制御部2046による制御に従って、「UPLINK NAS TRANSPORT(Authentication Response)」を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された「UPLINK NAS TRANSPORT(Authentication Response)」は無線信号に変換され、MME300に送信される。例えば、S1APにより「UPLINK NAS TRANSPORT(Authentication Response)」が送信される。
【0075】
基地局200は、MME300から、「DOWNLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Command) 」(下りリンクNAS転送(セキュリティモードコマンド))を受信する(ステップS926)。つまり、呼制御部2042は、MME300からの「DOWNLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Command)」を受信する。該「DOWNLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Command)」は、MME300からS1APにより送信される。
【0076】
基地局200は、MME300からの「DOWNLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Command)」を受信すると、制御情報を仮想的に処理する(ステップS928)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、制御信号記憶部2048に記憶された制御信号を使用して、呼接続処理を仮想的に行う。具体的には、ユーザ端末100に「DL INFORMATION TRANSFER(Security Mode Command)」を送信せずに処理を行う。制御信号記憶部2048に記憶された「DL INFORMATION TRANSFER(Security Mode Complete)」により、該ユーザ端末100から「DL INFORMATION TRANSFER(Security Mode Complete)」が受信されたとして処理する。
【0077】
基地局200は、ユーザ端末100との間で仮想的に、セキュリティモードの設定処理が終了すると、MME300に、「UPLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Complete)」(上りリンクNAS転送(セキュリティモード完了))を送信する(ステップS930)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、セキュリティモードの設定処理が終了すると、呼制御部2042に、セキュリティモードの設定処理が終了したことを通知する。呼制御部2042は、呼制御信号仮想処理部2050により認証処理が終了したことが通知された場合、MME300に、「UPLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Complete)」を送信するようにプロトコル制御部2046に通知する。プロトコル制御部2046は、呼制御部2042による命令に従って、「UPLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Complete )」を組み立てる。プロトコル制御部2046は、「UPLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Complete )」を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、プロトコル制御部2046による制御に従って、「UPLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Complete )」を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された「UPLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Complete )」は無線信号に変換され、MME300に送信される。例えば、S1APにより「UPLINK NAS TRANSPORT(Security Mode Complete)」が送信される。
【0078】
基地局200は、MME300から、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」(コンテキスト初期化設定要求)を受信する(ステップS932)。つまり、呼制御部2042は、MME300からの「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」を受信する。該「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」は、MME300からS1APにより送信される。
【0079】
基地局200は、MME300からの「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」を受信すると、制御情報を仮想的に処理する(ステップS934)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、制御信号記憶部2048に記憶された制御信号を使用して、呼接続処理を仮想的に行う。具体的には、ユーザ端末100に「SECURITY MODE COMMAND」を送信せずに処理を行う。制御信号記憶部2048に記憶された「SECURITY MODE COMPLETE」により、該ユーザ端末100から「SECURITY MODE COMPLETE」が受信されたとして処理する。また、例えば、ユーザ端末100に「UE CAPABILITY ENQUIRY」を送信せずに処理を行う。制御信号記憶部2048に記憶された「UE CAPABILITY INFORMATION」により、該ユーザ端末100から「UE CAPABILITY INFORMATION」が受信されたとして処理する。
【0080】
基地局200は、ユーザ端末100との間で仮想的に、セキュリティモードの設定処理が仮想的に終了し、ユーザ端末100の能力に関する情報を取得する処理が仮想的に終了すると、MME300に、「UE CAPABILITY INFORMATION」(ユーザ端末能力情報)を送信する(ステップS936)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、セキュリティモードの設定処理が仮想的に終了し、ユーザ端末100の能力に関する情報を取得する処理が仮想的に終了すると、呼制御部2042に、セキュリティモードの設定処理が仮想的に終了し、ユーザ端末100の能力に関する情報を取得する処理が仮想的に終了したことを通知する。呼制御部2042は、呼制御信号仮想処理部2050により、セキュリティモードの設定処理が仮想的に終了し、ユーザ端末100の能力に関する情報を取得する処理が仮想的に終了したことが通知された場合、MME300に、「UE CAPABILITY INFORMATION」を送信するようにプロトコル制御部2046に通知する。プロトコル制御部2046は、呼制御部2042による命令に従って「UE CAPABILITY INFORMATION」を組み立てる。プロトコル制御部2046は、「UE CAPABILITY INFORMATION」を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、プロトコル制御部2046による制御に従って「UE CAPABILITY INFORMATION」を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された「UE CAPABILITY INFORMATION」は無線信号に変換され、MME300に送信される。例えば、S1APにより「UE CAPABILITY INFORMATION」が送信される。
【0081】
基地局200は、MME300に「UE CAPABILITY INFORMATION」を送信すると、制御情報を仮想的に処理する(ステップS938)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、制御信号記憶部2048に記憶された制御信号を使用して、呼接続処理を仮想的に行う。具体的には、ユーザ端末100に「RRC CONNECTION RECONFIGURATION」を送信せずに処理を行う。制御信号記憶部2048に記憶された「RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETE」により、該ユーザ端末100から「RRC CONNECTION RECONFIGURATION COMPLETE」が受信されたとして処理する。
【0082】
基地局200は、ユーザ端末100との間で仮想的に、接続再構成の設定処理が仮想的に終了すると、ユーザ端末100に、設定完了信号を送信する(ステップS940)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、接続再構成の設定処理が仮想的に終了すると、呼制御部2042に、接続再構成の設定処理が仮想的に終了したことを通知する。呼制御部2042は、呼制御信号仮想処理部2050により接続再構成の設定処理が仮想的に終了したことが通知された場合、ユーザ端末100に、設定完了信号を送信するようにプロトコル制御部2046に通知する。プロトコル制御部2046は、呼制御部2042による命令に従って設定完了信号を組み立てる。プロトコル制御部2046は、設定完了信号を送信するように、ベースバンド処理部206を制御する。ベースバンド処理部206は、プロトコル制御部2046による制御に従って設定完了信号を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された設定完了信号は無線信号に変換され、ユーザ端末100に送信される。
【0083】
基地局200は、MME300に、「INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE」(コンテキスト設定初期化応答)を送信する(ステップS942)。つまり、呼制御部2042は、MME300に、「INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE」を送信するようにプロトコル制御部2046に命令する。プロトコル制御部2046は、呼制御部2042による命令に従って、MME300に、「INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE」を送信する。例えば、S1APにより「INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE」が送信される。
【0084】
ユーザ端末100と、基地局200との間で、通信が可能となる(ステップS944)。
【0085】
本実施例によれば、基地局に、ユーザ端末から送信されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を予め記憶しておくことにより、呼接続の際に、ユーザ端末と、基地局との間の制御信号の送受信手順を削減することができる。このため、ユーザ端末と、基地局との間の呼接続に要する時間を短縮することができる。
【0086】
特に、フェムト基地局では、該フェムト基地局を使用できるユーザ端末が登録される。登録されたユーザ端末は、フェムト基地局に割り当てられている無線リソースを優先して使用できる。フェムト基地局に適用される場合には、登録されたユーザ端末からの呼接続制御信号が記憶されてもよい。登録されたユーザ端末の呼接続に要する時間を短縮することができる。
【0087】
本実施例は、ユーザ端末と、フェムト基地局とが無線通信を行う場合に限らず、ユーザ端末と、フェムト基地局以外の基地局とが無線通信を行う場合についても適用できる。
【0088】
ユーザ端末と、フェムト基地局以外の基地局とが無線通信を行う場合に適用される場合でも、呼接続制御信号を送信できるユーザ端末が登録されてもよい。例えば、呼接続制御信号を送信できるユーザ端末の識別子が、基地局に登録されてもよい。例えば、ユーザ端末の識別子として、国際移動体加入者識別番号(IMSI: International Mobile Subscriber Identity)が使用されてもよい。ユーザ端末は、在圏した基地局に当該ユーザ端末が登録されているかどうかを判定する。つまり、ユーザ端末100は、在圏した基地局から送信されるべき報知情報に基づいて、当該ユーザ端末が登録されている基地局であるかどうかを判定する。ユーザ端末は、登録されている基地局であると判定した場合、該基地局に、呼接続制御信号を送信するようにしてもよい。基地局は、ユーザ端末からの上り信号に含まれるべき識別子に基づいて、ユーザ端末からの呼接続制御信号を記憶するかどうかを判定するようにしてもよい。登録された特定のユーザ端末に適用することにより、基地局に記憶されるべき呼接続制御信号が制限されるため、基地局の記憶容量を削減できる。
【0089】
<変形例>
本無線通信システムの一変形例は、図1に示される無線通信システムにより説明される。
【0090】
本ユーザ端末100は、基地局200に、複数の呼接続制御信号を送信する。具体的には、各呼接続制御信号は、該呼接続制御信号に含まれる制御情報の情報要素の内容が異なる。例えば、QoS(Quality of Service)に応じて、呼接続制御信号が用意されてもよい。具体的には、GBR (Guaranteed Bit Rate)に対応した呼接続制御信号、Non-GBRに対応した呼接続制御信号が用意されてもよい。
【0091】
本変形例では、一例として、GBRに対応した呼接続制御信号と、Non-GBRに対応した呼接続制御信号とが用意される。3以上の呼接続制御信号が用意されてもよい。また、基地局200により、受信できる呼接続制御信号の数が指定されてもよい。以下、GBRに対応した呼接続制御信号を「パターンI」、Non-GBRに対応した呼接続制御信号を「パターンII」という。
【0092】
基地局200は、ユーザ端末100からの呼接続制御信号を記憶する。基地局200は、ユーザ端末100から呼接続手順開始信号を受信すると、予め記憶された呼接続制御信号を使用して、呼接続処理を実行する。基地局200は、呼接続処理の際に、MME300との間で、制御信号の送受信を行う。
【0093】
<ユーザ端末>
ユーザ端末100の一変形例は、図2に示されるユーザ端末により説明される。
【0094】
<ユーザ端末の機能>
ユーザ端末100の一変形例は、図3に示されるユーザ端末により説明される。
【0095】
プロトコル制御部1046は、呼制御部1042による制御に従って複数の呼接続制御信号、制御信号を組み立てる。複数の呼接続制御信号に含まれる制御信号の情報要素は、QoSに応じて異なっていてもよい。例えば、異なる値が含まれてもよい。
【0096】
<基地局>
基地局200の一変形例は、図5に示される基地局により説明される。
【0097】
<基地局の機能>
基地局200の一変形例は、図6に示される基地局により説明される。
【0098】
呼制御信号仮想処理部2050は、呼制御部2042からの呼接続処理を実行する命令に従って、ユーザ端末100との間の呼接続処理を仮想的に実行する。呼接続処理を仮想的に実行する際に、呼制御信号仮想処理部2050は、呼制御部2042からの呼接続処理を実行する命令に従って、複数の呼接続制御信号から使用すべき呼接続制御信号を選択する。例えば、ユーザ端末100により送信されるべき呼接続手順開始信号に、ユーザにより要求されたQoSが含まれるようにしてもよい。呼制御信号仮想処理部2050は、該QoSに基づいて、使用すべき呼接続制御信号を選択してもよい。また、呼制御信号仮想処理部2050は、所定の条件に従って、使用すべき呼接続制御信号を選択してもよい。該所定の条件は、ユーザ端末100により指定されてもよいし、ネットワーク側で設定されてもよい。
【0099】
呼制御信号仮想処理部2050は、呼接続手順開始信号を送信したユーザ端末100と間で、制御信号の送受信を行わないで、制御信号記憶部2048に記憶された複数の呼接続制御信号から選択された呼接続制御信号を使用して、呼接続処理を仮想的に行う。
【0100】
<無線通信システムの動作>
図10は、本無線通信システムの動作の一変形例を示す。
【0101】
本無線通信システムの一変形例は、図9を参照して説明した動作と、ユーザ端末100が複数の呼接続制御信号を送信し、基地局200が複数の呼接続制御信号から使用すべき呼接続制御信号を選択することが異なる。
【0102】
ユーザ端末100は、基地局200への在圏を検出する(ステップS1002)。つまり、呼制御部1042は、基地局200への在圏を検出する。呼制御部1042は、基地局200からの報知情報に基づいて、基地局200への在圏を検出する。
【0103】
ユーザ端末100により基地局200への在圏が検出されると、ユーザ端末100と、MME300との間で、位置登録手順が実行される(ステップS1004)。つまり、ユーザ端末100の呼制御部1042と、MME300の呼制御部302との間で、位置登録手順が実行される。
【0104】
ユーザ端末100は、基地局200に、呼接続制御信号(パターンI)を送信する(ステップS1006)。つまり、プロトコル制御部1046は、呼制御部1042による制御に従って呼接続制御信号(パターンI)を組み立て、ベースバンド処理部106に入力する。ベースバンド処理部106は、プロトコル制御部1046による制御に従って、呼接続制御信号(パターンI)を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された呼接続制御信号(パターンI)は、無線信号に変換され、基地局200に送信される。例えば、ベースバンド処理部106は、RRC メッセージとして、呼接続制御信号(パターンI)を送信するようにしてもよい。
【0105】
ユーザ端末100の制御信号送信状況監視部1048は、基地局毎に用意されるべき呼接続制御信号(パターンI)を送信したかどうかを表すためのフラグを送信済みにする。
【0106】
ユーザ端末100からの呼接続制御信号(パターンI)を受信した基地局200は、該呼接続制御信号(パターンI)を記憶する(ステップS1008)。つまり、ユーザ端末100からの呼接続制御信号(パターンI)は、呼制御部1042から、プロトコル制御部1046に入力される。プロトコル制御部1046は、呼接続制御信号(パターンI)に含まれる情報を1又は複数の制御情報に分解し、制御信号記憶部2048に記憶する。
【0107】
基地局200は、呼接続制御信号記憶テーブルに含まれるユーザ端末毎の呼接続制御信号を記憶しているかどうかを表すためのフラグのうち、呼接続制御信号の送信元であるユーザ端末のフラグを受信済みにする。
【0108】
基地局200は、制御信号記憶部2048に、呼接続制御信号に含まれる制御信号を記憶すると、ユーザ端末100に、呼接続制御信号(パターンI)を受信したことを表す呼接続制御信号受信応答を送信する(ステップS1010)。つまり、プロトコル制御部1046は、制御信号記憶部2048に、呼接続制御信号に含まれる制御情報を記憶した後、ユーザ端末100に、呼接続制御信号受信応答を送信する。
【0109】
ユーザ端末100は、基地局200に、呼接続制御信号(パターンII)を送信する(ステップS1012)。つまり、プロトコル制御部1046は、呼制御部1042による制御に従って呼接続制御信号(パターンII)を組み立て、ベースバンド処理部106に入力する。ベースバンド処理部106は、プロトコル制御部1046による制御に従って、呼接続制御信号を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された呼接続制御信号は無線信号に変換され、基地局200に送信される。例えば、ベースバンド処理部106は、RRC メッセージとして、呼接続制御信号(パターンII)を送信するようにしてもよい。
【0110】
ユーザ端末100の制御信号送信状況監視部1048は、基地局毎に用意されるべき呼接続制御信号を送信したかどうかを表すためのフラグを送信済みにする。複数の呼接続制御信号が送信される場合、呼接続制御信号を送信したかどうかを表すためのフラグが送信済にされているかどうかを確認するようにしてもよい。
【0111】
ユーザ端末100からの呼接続制御信号(パターンII)を受信した基地局200は、該呼接続制御信号(パターンII)を記憶する(ステップS1014)。つまり、ユーザ端末100からの呼接続制御信号(パターンII)は、呼制御部1042から、プロトコル制御部1046に入力される。プロトコル制御部1046は、呼接続制御信号(パターンII)に含まれる情報を1又は複数の制御情報に分解し、制御信号記憶部2048に記憶する。
【0112】
基地局200は、呼接続制御信号記憶テーブルに含まれるユーザ端末毎の呼接続制御信号を記憶しているかどうかを表すためのフラグのうち、呼接続制御信号の送信元であるユーザ端末のフラグを受信済みにする。
【0113】
基地局200は、制御信号記憶部2048に、呼接続制御信号に含まれる制御信号を記憶すると、ユーザ端末100に、呼接続制御信号(パターンII)を受信したことを表す呼接続制御信号受信応答を送信する(ステップS1016)。つまり、プロトコル制御部1046は、制御信号記憶部2048に、呼接続制御信号に含まれる制御情報を記憶した後、ユーザ端末100に、呼接続制御信号受信応答を送信する。
【0114】
以上により、呼接続制御信号を基地局200に記憶させる処理が終了する。
【0115】
ユーザ端末100に発信のための操作が行われる(ステップS1018)。つまり、ユーザにより、ユーザ端末100の有する発信ボタンを押下げる操作が行われる。
【0116】
ユーザ端末100から、「RRC CONNECTION REQUEST」が送信される(ステップS1020)。つまり、ユーザ端末100に、発信操作が行われることにより、呼制御部1042は、ベースバンド処理部106に、「RRC CONNECTION REQUEST」を送信するように命令する。ベースバンド処理部106は、呼制御部1042からの命令に従って、「RRC CONNECTION REQUEST」を送信するためのベースバンド処理を行う。ベースバンド処理された「RRC CONNECTION REQUEST」は無線信号に変換され、基地局200に送信される。
【0117】
基地局200は、ユーザ端末100からの「RRC CONNECTION REQUEST」を受信すると、記憶している複数の呼接続制御信号から使用すべき呼接続制御信号を選択する(ステップS1022)。つまり、呼制御信号仮想処理部2050は、制御信号記憶部2048に記憶された呼接続制御信号(パターンI)及び呼接続制御信号(パターンII)のいずれか一方を選択する。例えば、ユーザ端末100により送信されるべき呼接続手順開始信号に、ユーザにより要求されたQoSが含まれる場合には、呼制御信号仮想処理部2050は、該QoSに基づいて、使用すべき呼接続制御信号を選択してもよい。また、呼制御信号仮想処理部2050は、所定の条件に従って、使用すべき呼接続制御信号を選択してもよい。
【0118】
以降、選択された呼接続制御信号を使用して、仮想的に処理が行われる。
【0119】
ステップS1024−ステップS1052の処理は、図9に示されるステップS916−ステップS944の処理と同様である。但し、ステップS1048において、基地局200からユーザ端末100に送信されるべき設定完了信号に、選択された呼接続制御信号を表す情報が含まれる。
【0120】
本変形例によれば、ユーザ端末は複数の呼接続制御信号を送信し、基地局はユーザ端末からの複数の呼接続制御信号を記憶する。該基地局は、ユーザ端末からの呼接続手順開始信号に従って、複数の呼接続制御信号から使用すべき呼接続制御信号を選択する。該基地局は、該選択した呼接続制御信号を使用して、仮想的に処理を行う。ユーザ端末からの複数の呼接続制御信号から使用すべき呼接続制御信号が選択されることにより、より細かい制御が可能になる。つまり、本変形例では、GBRに対応した呼接続制御信号と、Non-GBRに対応した呼接続制御信号とが用意されるため、無線帯域の制御が可能となる。
【0121】
本変形例は、ユーザ端末と、フェムト基地局とが無線通信を行う場合に限らず、ユーザ端末と、フェムト基地局以外の基地局とが無線通信を行う場合についても適用できる。ユーザ端末と、フェムト基地局以外の基地局とが無線通信を行う場合に適用される場合においても、呼接続制御信号を送信できるユーザ端末が登録されてもよい。例えば、呼接続制御信号を送信できるユーザ端末の識別子が、基地局に登録されてもよい。例えば、ユーザ端末の識別子として、国際移動体加入者識別番号が使用されてもよい。ユーザ端末は、在圏した基地局に当該ユーザ端末が登録されているかどうかを判定する。つまり、ユーザ端末は、在圏した基地局から送信されるべき報知情報に基づいて、当該ユーザ端末が登録されている基地局であるかどうかを判定する。ユーザ端末は、登録されている基地局であると判定した場合、該基地局に、複数の呼接続制御信号を送信するようにしてもよい。基地局は、ユーザ端末からの上り信号に含まれるべき識別子に基づいて、ユーザ端末からの複数の呼接続制御信号を記憶するかどうかを判定するようにしてもよい。登録された特定のユーザ端末に適用することにより、基地局に記憶されるべき呼接続制御信号が制限されるため、基地局の記憶容量を削減できる。
【0122】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
ユーザ端末と、該ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局とを有する無線通信システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成する呼接続制御信号生成部と、
前記基地局に、前記呼接続制御信号生成部により生成された呼接続制御信号を送信する呼接続制御信号送信部と、
発信すべき操作に従って、前記基地局に、呼接続要求を送信する呼接続要求送信部と
を有し、
前記基地局は、
前記ユーザ端末から、前記呼接続制御信号を受信する呼接続制御信号受信部と、
該呼接続制御信号受信部により受信された呼接続制御信号を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶部に記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う呼制御信号仮想処理部と
を有する、無線通信システム。
(付記2)
付記1に記載の無線通信システムにおいて、
前記呼接続制御信号送信部は、当該ユーザ端末が前記基地局に在圏した際に、呼接続制御信号を送信し、
前記呼接続制御信号受信部は、前記ユーザ端末が当該基地局に在圏した際に送信されるべき呼接続制御信号を受信する、無線通信システム。
(付記3)
付記1又は2に記載の無線通信システムにおいて、
前記呼接続制御信号生成部は、複数の呼接続制御信号を生成し、
前記呼接続制御信号送信部は、前記呼接続制御信号生成部により生成された複数の呼接続制御信号を送信し、
前記呼接続制御信号受信部は、複数の呼接続制御信号を受信し、
前記記憶部は、前記呼制御信号受信部により受信された複数の呼接続制御信号を記憶し、
前記呼制御信号仮想処理部は、前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶部に記憶された複数の呼接続制御信号から、該ユーザ端末との間の呼接続に使用すべき呼接続制御信号を選択する、無線通信システム。
(付記4)
付記1ないし3のいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記基地局は、
前記記憶部に記憶された呼接続制御信号に対応するユーザ端末との間のアクセス状況を監視するアクセス状況監視部と、
該アクセス状況監視部により監視されたアクセス状況が所定期間アクセスされていないことを表す場合、前記記憶部に記憶された前記ユーザ端末に対応する呼接続制御情報を削除する呼接続制御情報削除部と
を有する、無線通信システム。
(付記5)
基地局との間で無線通信を行うユーザ端末であって、
基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成する呼接続制御信号生成部と、
前記基地局に、前記呼接続制御信号生成部により生成された呼接続制御信号を送信する呼接続制御信号送信部と、
発信すべき操作に従って、前記基地局に、呼接続要求を送信する呼接続要求送信部と
を有し、
前記基地局により、前記ユーザ端末からの呼接続制御信号が記憶され、前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、記憶された呼接続制御信号が使用され、該ユーザ端末との間の呼接続が行われる、ユーザ端末。
(付記6)
ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局であって、
ユーザ端末により当該基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号が生成され、当該基地局に、前記呼接続制御信号が送信され、発信すべき操作に従って、当該基地局に、呼接続要求が送信され
当該基地局は、
前記ユーザ端末から、前記呼接続制御信号を受信する呼接続制御信号受信部と、
該呼接続制御信号受信部により受信された呼接続制御信号を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶部に記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う呼制御信号仮想処理部と
を有する、基地局。
(付記7)
ユーザ端末と、該ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局とを有する無線通信システムにおける通信方法であって、
前記ユーザ端末は、
前記基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成する呼接続制御信号生成ステップと、
前記基地局に、前記呼接続制御信号生成ステップにより生成された呼接続制御信号を送信する呼接続制御信号送信ステップと、
発信すべき操作に従って、前記基地局に、呼接続要求を送信する呼接続要求送信ステップと
を有し、
前記基地局は、
前記ユーザ端末から、前記呼接続制御信号を受信する呼接続制御信号受信ステップと、
該呼接続制御信号受信ステップにより受信された呼接続制御信号を記憶する記憶ステップと、
前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶ステップにより記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う呼制御信号仮想処理ステップと
を有する、通信方法。
(付記8)
付記3に記載の無線通信システムにおいて、
前記呼接続制御信号生成部は、呼接続制御信号に含まれる複数の制御信号の情報要素の内容が異なる、複数の呼接続制御信号を生成する、無線通信システム。
(付記9)
付記8に記載の無線通信システムにおいて、
前記呼接続制御信号生成部は、呼接続制御信号に含まれる複数の制御信号の情報要素のうち、サービスに関する情報要素の内容が異なる、複数の呼接続制御信号を生成する、無線通信システム。
(付記10)
付記1に記載の無線通信システムにおいて、
前記基地局は、
前記呼接続制御信号を記憶すべきユーザ端末の識別子を登録するユーザ端末登録部
を有し、
前記記憶部は、前記ユーザ端末登録部に登録されたユーザ端末からの呼接続制御信号を記憶する、無線通信システム。
【符号の説明】
【0123】
100 ユーザ端末
101 送受信部
102 ベースバンドユニット
104 コントローラ
1042 呼制御部
1044 無線リソース管理部
1046 プロトコル制御部
1048 制御信号送信状況監視部
106 ベースバンド処理部
200 基地局
201 送受信部
202 ベースバンドユニット
204 コントローラ
2042 呼制御部
2044 無線リソース管理部
2046 プロトコル制御部
2048 制御信号記憶部
2050 呼制御信号仮想処理部
206 ベースバンド処理部
208 無線ネットワーク制御装置
250 セル
300 MME
302 呼制御部
400 サービングゲートウェイ
500 コアネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、該ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局とを有する無線通信システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成する呼接続制御信号生成部と、
前記基地局に、前記呼接続制御信号生成部により生成された呼接続制御信号を送信する呼接続制御信号送信部と、
発信すべき操作に従って、前記基地局に、呼接続要求を送信する呼接続要求送信部と
を有し、
前記基地局は、
前記ユーザ端末から、前記呼接続制御信号を受信する呼接続制御信号受信部と、
該呼接続制御信号受信部により受信された呼接続制御信号を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶部に記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う呼制御信号仮想処理部と
を有する、無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記呼接続制御信号送信部は、当該ユーザ端末が前記基地局に在圏した際に、呼接続制御信号を送信し、
前記呼接続制御信号受信部は、前記ユーザ端末が当該基地局に在圏した際に送信されるべき呼接続制御信号を受信する、無線通信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無線通信システムにおいて、
前記呼接続制御信号生成部は、複数の呼接続制御信号を生成し、
前記呼接続制御信号送信部は、前記呼接続制御信号生成部により生成された複数の呼接続制御信号を送信し、
前記呼接続制御信号受信部は、複数の呼接続制御信号を受信し、
前記記憶部は、前記呼制御信号受信部により受信された複数の呼接続制御信号を記憶し、
前記呼制御信号仮想処理部は、前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶部に記憶された複数の呼接続制御信号から、該ユーザ端末との間の呼接続に使用すべき呼接続制御信号を選択する、無線通信システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記基地局は、
前記記憶部に記憶された呼接続制御信号に対応するユーザ端末との間のアクセス状況を監視するアクセス状況監視部と、
該アクセス状況監視部により監視されたアクセス状況が所定期間アクセスされていないことを表す場合、前記記憶部に記憶された前記ユーザ端末に対応する呼接続制御情報を削除する呼接続制御情報削除部と
を有する、無線通信システム。
【請求項5】
基地局との間で無線通信を行うユーザ端末であって、
基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成する呼接続制御信号生成部と、
前記基地局に、前記呼接続制御信号生成部により生成された呼接続制御信号を送信する呼接続制御信号送信部と、
発信すべき操作に従って、前記基地局に、呼接続要求を送信する呼接続要求送信部と
を有し、
前記基地局により、前記ユーザ端末からの呼接続制御信号が記憶され、前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、記憶された呼接続制御信号が使用され、該ユーザ端末との間の呼接続が行われる、ユーザ端末。
【請求項6】
ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局であって、
ユーザ端末により当該基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号が生成され、当該基地局に、前記呼接続制御信号が送信され、発信すべき操作に従って、当該基地局に、呼接続要求が送信され
当該基地局は、
前記ユーザ端末から、前記呼接続制御信号を受信する呼接続制御信号受信部と、
該呼接続制御信号受信部により受信された呼接続制御信号を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶部に記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う呼制御信号仮想処理部と
を有する、基地局。
【請求項7】
ユーザ端末と、該ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局とを有する無線通信システムにおける通信方法であって、
前記ユーザ端末は、
前記基地局との間で呼接続の際に使用されるべき制御信号を含む呼接続制御信号を生成する呼接続制御信号生成ステップと、
前記基地局に、前記呼接続制御信号生成ステップにより生成された呼接続制御信号を送信する呼接続制御信号送信ステップと、
発信すべき操作に従って、前記基地局に、呼接続要求を送信する呼接続要求送信ステップと
を有し、
前記基地局は、
前記ユーザ端末から、前記呼接続制御信号を受信する呼接続制御信号受信ステップと、
該呼接続制御信号受信ステップにより受信された呼接続制御信号を記憶する記憶ステップと、
前記ユーザ端末からの呼接続要求に従って、前記記憶ステップにより記憶された呼接続制御信号を使用して、該ユーザ端末との間の呼接続を行う呼制御信号仮想処理ステップと
を有する、通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−222409(P2012−222409A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83091(P2011−83091)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】