説明

無線通信システムにおける送信装置、信号送信方法、受信装置及び信号受信方法

【課題】高いアンテナゲインを維持しつつ、アンテナの半電波強度ビーム幅を増加させる。
【解決手段】無線通信システムにおいて信号を送信する送信装置は、少なくとも2つのビームアンテナ21a、21bと、無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームを生成する生成手段を備える。各ビームアンテナ21a、21bは、異なる角度のメイン発信方向を有する。送信される信号は、これらの異なる信号ストリームに分割される、信号ストリームの数はビームアンテナ21a、21bの数に相当する。各信号ストリームは、異なるビームアンテナ21a、21bを介して送信される。また、各信号ストリームは異なるバージョンのデータからなるようにしてもよい。無線通信システムの受信装置、信号送信方法及び信号受信方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信及び受信ビームアンテナを用いた、無線通信システムにおける送信装置、信号送信方法、並びに、無線通信システムにおける受信装置及び信号受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信は、例えば、多種多様の技術分野、例えば、携帯電話、無線LAN、放送無線システム、P−P(Point-to-Point)方式の無線システム、その他の既存又は将来の用途に用いられる。各無線通信システムによりカバーされる通信範囲は、基本的に、使用される技術に依存する。GSM(Global System for Mobile Communications)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)などの携帯電話用通信システムは、約10km程度までの通信範囲に適用され、無線LANは、約100m程度までの通信範囲に適用され、Bluetoothシステムは、約数10m程度までの通信範囲に適用される。無線通信システムの通信範囲に影響する主な要因は、使用される無線周波数と出力パワーである。GSM、UMTSで使用される無線周波数では、大気中への電磁波の吸収はあまり起こらないけれども、低帯域の屋内無線通信に適している60GHz帯では顕著な吸収が起こる。さらに、各無線通信技術に用いられる送信及び/又は受信アンテナの種類は、各適用分野に依存して変わる。
【0003】
高データレート・ミリメータ波・無線通信システムにおけるワイドビームアンテナの使用は、マルチパス抑圧効果(multi path fading effect)を原因とする問題が起こる。高い半電波強度ビーム幅(half power beam width)でアンテナを使用することにより、アンテナのゲインが減少するので、望ましくない。
【0004】
いくつかの通信システムでは、特定の方位角(azimuth)又は仰角(elevation angle)で高ゲインが得られ、他の角度で低ゲインとなる指向性アンテナ又はビームアンテナが使用される。これらのアンテナは、通常は、S/N比(SNR:signal to noise ratio)高めるために無線通信システムに使用され、受信機及び/又は送信機のアンテナは、SNRが最大となる方向に向けられる。
【0005】
もう一つの方法として、電波干渉がある場合、指向性アンテナは一般的に、求める信号のパワーを最大化し、電波干渉のパワーを最小化することで、信号対干渉雑音電力比(SINR:signal interference plus noise ratio)を最大化する方向に向けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビームアンテナ又は指向性アンテナを使用するときには、数多くの障害がある。図1は、ビームアンテナを用いた最先端のシステムによる第1の障害を示す。信号は、送信機100のアンテナ101から受信機108に送信される。ここで、直線経路上は、例えば、移動する人、車などの障害物106でブロックされているので、送信機100と受信機108の間の2つの反射経路102、104、即ち、伝送される電磁波が受信機108に到達するまでに少なくとも1つの物体103、105で反射するような伝送経路が存在する。受信機108がビームアンテナ107を備える場合、多数の異なる角度(指向性アンテナの半電波強度ビーム幅よりも大きい角距離(angular separation)を有する角度)から、求める信号を高いSNRで受信できるようにすると、リンクの質(link quality)は、ある特定の角度からのチャンネル状態に全体として依存するから、シングル指向性アンテナの使用は、ロバスト性(robustness)とダイバーシティ(diversity)を減少させることが起こりうる。
【0007】
図2a、図2bは、最新のシングル狭ビームアンテナ(single narrow beam antenna)を用いたときの別の障害を示す。送信機100と受信機108が携帯電話である状況下で、受信機のビームアンテナ107と、(送信機にもビームアンテナが用いられた場合の)送信機のビームアンテナは、位置決めアルゴリズムを選択することで、動的に位置調整される必要がある。もしこのアルゴリズムが、調整誤差を生じさせたり、適正に機能しなかったりしたときには、アンテナは、完全に位置調整されず、パフォーマンスが低下する。図2aに示すように、ビームアンテナ107は、完全に位置調整されており、信号104は適切に受信される。図2bに示すケースでは、受信機108のビームアンテナ107は、位置調整が失敗しているので、この結果、パフォーマンスが低下する。
【0008】
かかる問題を解決する1つの手法は、より高い半電波強度ビーム幅を有するビームアンテナを用いることである。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高いアンテナゲインを維持しつつ、アンテナの半電波強度ビーム幅を増加させることにある。また、ロバスト性とダイバーシティを増加させることも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、無線通信システムにおいて信号を送信するための請求項1及び7に係る送信装置、請求項21及び27に係る無線通信システムにおける信号送信方法、無線通信システムにおいて信号を受信するための請求項12に係る受信装置、請求項32に係る無線通信システムにおける信号受信方法により達成される。
【0011】
本発明のある観点によれば、無線通信システムにおいて信号を送信する送信装置(22、36、45、49)であって、相異なる角度のメイン発信方向(66)を有する少なくとも2つのビームアンテナ(21a、21b)と、前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、送信される前記信号が、異なる前記信号ストリームに分割され、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナ(21a、21b)の数に相当する、前記信号ストリームを生成する生成手段(24、25、26、37、46、50)と、を備え、前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナ(21a、21b)を介して送信する、送信装置が提供される。
【0012】
また、本発明の別の観点によれば、無線通信システムにおいて信号を送信する送信装置(57、61)であって、相異なる角度のメイン発信方向(66)を有する少なくとも2つのビームアンテナ(21a、21b)と、前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、前記信号ストリームのそれぞれが、データの相異なるバージョンからなり、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナ(21a、21b)の数に相当する、前記信号ストリームを生成する生成手段(51、62、63)と、を備え、前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナ(21a、21b)を介して送信する、送信装置が提供される。
【0013】
また、本発明の別の観点によれば、無線通信システムにおいて信号を受信する受信装置(35、43、60、64)であって、相異なる角度のメイン発信方向(66)を有し、それぞれ信号ストリームを受信する少なくとも2つのビームアンテナ(21a、21b)と、異なるビームアンテナ(21a、21b)を介して受信された前記信号ストリームを単一の信号に結合する結合手段(33、34、42、59)と、を備える、受信装置が提供される。
【0014】
また、本発明の別の観点によれば、無線通信システムにおける信号送信方法であって、相異なる角度のメイン発信方向(66)を有する少なくとも2つのビームアンテナ(21a、21b)を提供するステップと、前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、送信される前記信号が、異なる前記信号ストリームに分割され、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナ(21a、21b)の数に相当する、前記信号ストリームを生成するステップと、前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナ(21a、21b)を介して送信するステップと、を含む、信号送信方法が提供される。
【0015】
また、本発明の別の観点によれば、無線通信システムにおける信号送信方法であって、相異なる角度のメイン発信方向(66)を有する少なくとも2つのビームアンテナ(21a、21b)を提供するステップと、前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、前記信号ストリームのそれぞれが、データの相異なるバージョンからなり、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナ(21a、21b)の数に相当する、前記信号ストリームを生成するステップと、前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナ(21a、21b)を介して送信する、信号送信方法が提供される。
【0016】
また、本発明の別の観点によれば、無線通信システムにおける信号受信方法であって、相異なる角度のメイン発信方向(66)を有する少なくとも2つのビームアンテナ(21a、21b)を提供するステップと、前記無線通信システムにおいて、前記各ビームアンテナ(21a、21b)を介して信号ストリームを受信するステップと、異なるビームアンテナ(21a、21b)を介して受信された前記信号ストリームを単一の信号に結合するステップと、を含む、信号受信方法が提供される。
【0017】
異なるアンテナを介して信号を送信又は受信することにより、アンテナの有効な半電波強度ビーム幅を増加させるとともに、同時に高いアンテナゲインを維持できる。さらに、ロバスト性又はダイバーシティを増加させることができる。
【0018】
また、前記ビームアンテナは重なり合っているようにしてもよい。
【0019】
また、前記ビームアンテナは重なり合っていないようにしてもよい。
【0020】
また、レギュラー・インターレース分割(regular interlaced splitting)を使用し、前記分割された信号ストリームを異なるサブキャリアにマッピングするようにしてもよい。
【0021】
また、ブロック処理を使用して、前記分割された信号ストリームを異なる中心周波数を用いてアップコンバートするようにしてもよい。
【0022】
また、アダプティブ・サブキャリア・ローディング(adaptive sub-carrier loading)を使用して、前記分割された各信号ストリームに対して異なる変調方式を使用するようにしてもよい。
【0023】
また、時空間ブロック符号化又は時空間トレリス符号化を使用して、前記異なるバージョンのデータを相異なる符号化方式を用いて符号化するようにしてもよい。
【0024】
また、巡回遅延ダイバーシティ(cyclic delay diversity)を使用して、前記異なるバージョンのデータを巡回的にシフトするようにしてもよい。
【0025】
また、前記信号を、異なる前記信号ストリームで受信するようにしてもよい。
【0026】
また、レギュラー・インターレース分割(regular interlaced splitting)を使用することにより、前記信号ストリームを結合するようにしてもよい。
【0027】
また、前記信号ストリームの結合は、ブロック処理を使用することで、前記信号ストリームを異なる中心周波数を用いてダウンコンバートすることにより、前記信号ストリームを結合するようにしてもよい。
【0028】
また、アダプティブ・サブキャリア・ローディング(adaptive sub-carrier loading)を使用して、前記各信号ストリームに対して異なる復調方式を使用することにより、前記信号ストリームを結合するようにしてもよい。
【0029】
また、前記受信される各信号ストリームは、前記受信されるデータの異なるバージョンからなるようにしてもよい。
【0030】
また、時空間ブロック符号化又は時空間トレリス符号化を使用して、異なる復号化方式を使用することにより、前記データの異なるバージョンを結合するようにしてもよい。
【0031】
本発明は、各種の帯域で信号を送受信することが可能な各種の無線通信システムに適用できる。さらに、本発明は、無線通信の技術的実装の変調方式の種類に限定されるものではない。しかしながら、本発明のある実施例及び実装は、例えば、60GHz伝送帯域などのミリメータ波帯域において信号を伝送する短及び/又は中帯域無線通信システムに有効である。さらに、本発明の送信装置及び受信装置は、無線通信システムにおいて信号を送信、受信する各種のデバイスであってよい。用語「送信装置」及び「受信装置」は、あらゆる種類の携帯型及び/又は据置型の通信設備、ユニット、手段、システムなどを含むものである。本発明にかかる送信装置から受信装置に伝送される信号は、任意の理由及び用途のため送信機から受信機に伝送される、あらゆる種類の情報、データ、シンボル、などを含む。本発明によれば、送信装置又は受信装置の少なくともいずれかは、異なる位置に指向する(steer)ように配された狭ビームアンテナを備える。一実施例では、送信装置及び受信装置はそれぞれ、異なる位置に指向するように配された狭ビームアンテナを備えることが好ましい。用語「狭ビームアンテナ(narrow beam antenna)」又は「ビームアンテナ(beam antenna)」は、特定の送信及び/又は受信方向を有さない全方向アンテナとは異なり、アンテナビームの形状に限定されることなく特定の送信及び/又は受信方向を有する全ての種類のアンテナを含むものである。さらに、本発明のビームアンテナは、特定の指向タイプに限定されるものではない。即ち、本発明のビームアンテナは、異なる送信及び/又は受信位置に対する狭ビームアンテナの指向又は切替を可能にするための特定の技術的実装に限定されず、狭ビームアンテナの送信及び/又は受信方向を変更、切替、変化などできるものであればすべてのアンテナを含む。例えば、本発明のビームアンテナは、かかる例に限定されるものではないが、例えば、ビーム方向が変わるようにアンテナを機械的又は電気的にシフトさせることにより変わる固定狭ビーム放射パターン(fixed narrow beam radiation pattern)を有するアンテナであってもよい。また、狭ビームアンテナは、ビーム方向を変えるために、アンテナの位相及び/又はゲインを変更することにより指向する任意のアンテナであってもよい。さらにまた、狭ビームアンテナは、アンテナパターンから構成することができ、このアンテナパターンは、アンテナパターンの各アンテナ要素が特定の狭ビームアンテナ方向を有し、当該要素がアンテナの発信方向を変えられるような方法で制御されるようにするものである。現在知られているもの、又は、将来開発されるであろうものを含めて他の多くの可動アンテナの例があるがこれらも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0032】
この文章におけるビームアンテナは、次のいずれの方法によって形成される指向特性を有するアンテナも含む。
・指向特性を有するアンテナのバンク(bank)から接続されたアンテナ、又は、
・全方向性若しくは指向特性を有するアンテナ又はアンテナ要素と位相器を含むネットワークにより形成されたアンテナ、又は
・全方向性若しくは指向特性を有するアンテナ又はアンテナ要素から選ばれたものにより形成されたアンテナ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0034】
(本発明の実施形態の概要)
図3は、直交波周波数分割多重(OFDM:orthogonal division multiplexing)を用いた最新式の送信装置1と受信装置2を示す模式図である。送信装置1と受信装置2は、ベースバンド信号を処理するベースバンド部3と、アップコンバートされた信号を処理するRF部4とを備える。
【0035】
送信装置1は、送信される信号に誤り訂正符号(error correction code)を付加する通信路符号化(channel coding)手段5を備える。次いで、当該信号は、インターリーバ(interleaver)6により処理されて、誤り訂正のパフォーマンスを増加させるため、信号のデータが非隣接方式(non-contiguous way)で整列される。そして、信号は、変調器7により変調された後に、信号に逆高速フーリエ変換(IFFT:inverse Fast Fourier Transformation)8が適用される。
【0036】
さらに、信号は、デジタルアナログ変換器9によりDA変換されてフィルタリングされる。その後、信号は、アップコンバータ10に送られ、異なる周波数帯にアップコンバートされて、パワーが増幅される。そして、信号はアンテナ11に送られて無線通信システムを介して送信される。
【0037】
受信装置2は、無線通信システムからの信号を受信するためのアンテナ12と、信号をベースバンドにダウンコンバートし、低雑音増幅(low noise amplification)するダウンコンバータ13とを備える。FFT14は、信号を高速フーリエ変換する。この信号は、等価器(equalizer)15と通信路推定器(channel estimator)16により処理され、さらに、復調器17により復調される。その後、インターリーバ18とデコード手段19によって、誤り検出するためのインターリーブ及び通信路符号化の各ステップが実行される。
【0038】
本発明の実施形態にかかる送信装置と受信装置は、送受信される信号を適切に処理することができるように、前記最新式の送信装置と受信装置の全ての構成要素の全てを備える。図面では、本発明の実装と理解のたえに必要な構成要素のみを表示する。他の必要な構成要素の全ては、明瞭性のために図示を省略する。しかしながら、実際の実装では、それら全ての構成要素は実装される。加えて、本発明の実施形態に係る送信装置と受信装置は、例えば、データ、情報、アプリケーション、ソフトウェアコードなどを保存するためのメモリ、動作を制御するコントローラ、電源供給部などの構成要素を備える。
【0039】
次に、本発明の基礎となる技術的思想について説明する。この技術的思想は、送信装置又は受信装置の少なくとも一方若しくは双方に適用される。
【0040】
上述したように、本発明の目的は、ゲインを減少させることなく、アンテナの半電波強度ビーム幅を増加させ、また、通信回線のダイバーシティを増加させることにある。これは、信号をいくつかの信号ストリームで送信及び/又は受信することで達成できる。各信号ストリームは、分離された別々のビームアンテナにより送信及び/又は受信される。この分離されたビームアンテナは、互いに異なる角度のメイン発信方向(main beaming direction)を有している。以下に説明する実施形態では、OFDMシステムを用いているが、本発明の技術的思想は、2以上の搬送波を有する任意のシステムに適応でき、OFDMシステムに限定されるものではない。
【0041】
図4a、図4bは、本発明を基礎づける主な技術的思想を示している。図4aに示すように、送信機及び/又は受信機20は、分離された2つのビームアンテナ21a、21bを備えている。各ビームアンテナ21a、21bは、メイン発信方向66と、異なる方位角及び/又は仰角での最大応答又はピーク応答を有している。図4aに示す実施形態では、ビームアンテナ21a、21bは、異なる角度のメイン発信方向66を有している。図4bに示すビームアンテナ21a、21bも同様に、異なる角度のメイン発信方向66を有しているが、図4aと異なり、図4bのビームアンテナ21a、21bは、空間的に重なり合っている(overlap)。一方、図4aのビームアンテナ21a、21bは、空間的に重なり合っていない。
【0042】
異なる角度を用いた高いS/N比(SNR)で信号を送信又は受信できるようにする場合、図4aのように重なり合っていないビームアンテナ配置の方が好ましい。一方。送信機又は受信機でアンテナの有効な半電波強度ビーム幅を増加させたい状況では、図4bのように重なり合っているケースの方が有利である。また、図4bは、ミスアライメント誤差(misalignment errors)に対する通信回線の感度を減少させることが望ましい状況においても、有用である。
【0043】
本発明の基礎となる主たる技術的思想によれば、信号を送信するときには、信号は1つの信号ストリームで送信されず、いくつかの信号ストリームが生成され、各信号ストリームは、異なるビームアンテナにより送信される。同様に、異なる信号ストリームで信号が受信され、異なる信号ストリームのそれぞれは、異なるビームアンテナで受信され、受信機により各信号ストリームが1つの信号に結合される。本発明は、2つのビームアンテナを使用する例に限定されず、3以上のビームアンテナを有し、3以上の信号ストリームを送信又は受信するような実施形態も含まれる。
【0044】
ここで、本発明の一実施形態によれば、信号ストリームは、信号を複数の信号ストリームに分割することにより生成される。或いは、本発明の別の実施形態によれば、ストリームはそれぞれ、送信される完全なデータに相当するが、前記送信されるデータの異なるバージョンを提供するものである。異なるビームアンテナを介して信号ストリームを送受信するために使用される方法は、好ましくは、例えば、レギュラー・インターレース分割(regular interlaced splitting)、ブロック分割(block splitting)、サブストリーム・アダプティブ・ローディング(sub-stream adaptive loading)、時空間ブロック符号化(STBC:space time block coding) 又は、巡回遅延ダイバーシティ(CCD:cyclic delay diversity)などである。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、異なる信号ストリームで信号が送信又は受信される場合、マルチ搬送波(multi-carriers)が使用される。一方、本発明の別の実施形態によれば、データの異なるバージョンを伝送するときには、単一搬送波(one carrier)が使用される。
【0046】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態によれば、送信される信号はN個のストリームに分割され、異なるサブキャリア(副搬送波:sub-carrier)にマッピングされる。好ましくは、レギュラー・インターレース分割(regular interlaced
splitting)が使用される。この方法は、本明細書に参照として組み込まれる米国特許第7046617号明細書に記載されている。
【0047】
米国特許第7046617号明細書には、送信機が少なくとも2つのアンテナを有し、送信されるデータストリームがこれらのアンテナで多重化されるOFDMシステムが提案されている。2つのアンテナシステムで送信機のデータストリームをアンテナで多重化するために、偶数のサブキャリアは第1アンテナで多重化され、奇数のサブキャリアは第2アンテナで多重化される。
【0048】
図5は、レギュラー・インターレース分割を用いた送信装置22を示す。図5に示す第1実施形態にかかる送信装置22は、2つのビームアンテナ21a、21bを備え、信号を2つの信号ストリームに分割するようになっている。上述したように、本発明は、2つの信号ストリームと2つのビームアンテナに限定されるものではない。レギュラー・インターレース分割を用いるとき、データは、偶数/奇数なる分類の仕方でサブキャリアにマッピングされる。ここで、変調器7から出力される変調シンボル(Modulation symbols)は、変調シンボル間にゼロを挿入することで、2倍にアップサンプリングされる。特に、信号24は、マルチプレクサ25、26において、変調器7からシンボルが出力される割合であるシンボル率(symbol rate)をトグル(toggle)し、この結果、変調器7から出力された変調シンボルは、2つのIFFT8のうちのいずれかに入力される。変調シンボルが一方のIFFT8に入力されたとき、他方のIFFT8にはゼロが入力され、逆もまた同様である。シンボル率が変わらないように維持するために、どちらのビームアンテナ21a、21bにも割り振られていないサブキャリアにゼロが挿入される。その後、2つの信号ストリームは、上記最新式の技術と同様に処理される。ビームアンテナを使用するときには、上述したようにビームアンテナ21a、21bの形状、選択又は方向の少なくともいずれかを決定するために、ビーム形成アルゴリズム手段27からデータが入力されるアンテナ21a、21b用の稼働手段(steering means)28が実装される。
【0049】
レギュラー・インターレース分割を使用する場合、信号ストリームは、2つのタイプの受信装置によって受信されてもよい。第1のタイプの受信装置を図6aに示し、第2のタイプの受信装置を図6bに示す。
【0050】
図6aに示す受信装置29は、1つのレシーバーアンテナを用いた1つのレシーバー連鎖(receiver chain)からなる。このアンテナは、全方位アンテナ又はビームアンテナであってもよい。受信信号は、ダウンコンバータ13によりダウンコンバートされた後に、ADC31によりアナログ−デジタル変換及びフィルタリング処理される。さらに、当該信号は、デマルチプレクサ32 M:N(Nは、信号ストリームの数を表し、MはFFTのサイズを表す。)により処理される。信号33は、受信パスの選択処理とゼロの除去処理との間を切替(toggle)する。さらに、受信装置29においても上述したような最新式の受信装置(図3)と同様な処理がなされる。
【0051】
これに対し、図6bに示すように、受信装置35は、2つのビームアンテナ21a、21bと複合的なレシーバー連鎖(multiple receiver chains)を備えてもよい。ここで、信号33は、マルチプレクサ34における第1の受信パス又は第2の受信パスの選択を切り替え、2つの信号ストリームをデマルチプレクス(逆多重化)する処理中に、送信装置により挿入されたゼロが除去される。
【0052】
上記のような第1の実施形態に係る手法を用いることで、変調器からの隣接したシンボルが、異なる2以上のアンテナから送信されることが補償される。これによって、受信機において通信路符号化と連動するダイバーシティが強化される。この理由は、異なるビームアンテナから受信機までの通信路応答が異なるからである。
【0053】
この手法の更なる実施可能例では、レギュラー・インターレース分割が、ビームアンテナ21a、21bを有する受信機でのみ遂行される。かかる実施可能例では、図6bに示すような受信機と、図3に示したような標準的な送信機とを使用できる。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態によれば、信号ストリームは、異なる複数の中心周波数を用いてアップコンバートされる。この場合、ブロック分割を用いることが好ましい。図7は、ブロック分割を用いた送信装置36を示す。第2の実施形態でもまた、本発明を、2つのビームアンテナを有する実施例で説明するが、本発明は、かかる2つのビームアンテナ21a、21bの数に限定されるものでない。第2の実施形態に係る手法では、N個(Nは、ビームアンテナ21a、21bの数に相当する。)の出力を有する周波数インターリーバ(frequency interleaver)37が用いられる。周波数インターリーバ37の各出力は、変調器7を通り、次いで、IFFT38を通る。第2の実施形態に係る手法では、各IFFT38は、全体の伝送バンド幅のN分の1だけ伝送し、そのサイズもN分の1と有利であり、それ故、上述した第1実施形態で提案したシステムよりもサイズが小さい。DAC9でのデジタル−アナログ変換後に、N個の信号ストリームは、アップコンバータ10でアップコンバートされる。このとき、各信号ストリームは、異なる中心周波数を用いてアップコンバートされるので、N個の送信ストリームは、隣接した周波数帯を占める。
【0055】
かかる第2の実施形態の手法において、周波数インターリーバ37は、隣接した入力ビットが、2以上のサブキャリアの周波数空間を有するサブキャリアにマッピングされることを補償する。
【0056】
この手法でも、2つの受信装置が用いられる。図8aは第1の受信装置39を示し、図8bは第2の受信装置43を示す。
【0057】
図8aに示すように、受信装置39は、1つの受信アンテナ30を用いた1つのレシーバー連鎖からなる。このアンテナは、全方位アンテナ又はビームアンテナであってもよい。ここで、2つの搬送波処理手段40、41が設けられている。第1の搬送波処理手段40は、1番目の(M/2)搬送波を処理し、第2の搬送波処理手段41は、2番目の(M/2)搬送波を処理する。ただし、Mは、FFT14のサイズである。2つの変調器17が設けられ、2つの信号は、周波数デインターリーバ(frequency deinterleaver)42によりデインターリーブ(deinterleave)され、その後、シングル信号ストリームとしてさらに処理される。
【0058】
図8bは、本発明の第2の実施形態に係る受信装置43の第2実施例を示す。受信装置40は、複合的なレシーバー連鎖を備え、各レシーバー連鎖は、別々のビームアンテナ21a、21bに接続されている。2個のビームアンテナ21a、21bを有する図8bの実施例では、ハーフサイズ(1/2のサイズ)のFFT44だけを用いればよい。つまり、N個のアンテナとN個の信号ストリームを有する実施例では、N分の1のサイズを有するFFTのみを用いればよい。図8bの実施例では、周波数デインターリーバ42により、2つの信号ストリームが1つに結合される。
【0059】
第2の実施形態にかかる手法の更なる実施可能例では、ビームアンテナを用いたブロック分割が、受信装置サイドのみで遂行される。かかる実施可能例では、図8bに例示されたような受信機と、図3に示したような標準的な送信機とを使用できる。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本発明の第3の実施形態によれば、信号は、N個の信号ストリームに分割され、各信号ストリームのために、異なる変調方式(modulation schemes)が使用される。この場合、アダプティブ・サブキャリア・ローディング(adaptive sub-carrier loading)、例えば、サブストリーム・アダプティブ・ローディング(sub-stream adaptive loading)を用いることが好ましい。ここでは、信号がN個の信号ストリームに分割され、異なる信号ストリームは、異なる変調方式を有している。
【0061】
第3の実施形態は、N回線(N個の信号ストリームがN個のビームアンテナにより受信機に送信されること。)のS/N比が異なる場合に、特に有用である。最適なパフォーマンスのために、異なる回線のS/N比に関する情報を、或いは、送信装置で使用されるべき選択的な変調方式に関する情報を、受信装置から送信装置に伝える必要がある。サブストリーム・アダプティブ・ローディングを実現する最も簡単な方法は、全ての信号ストリームが同一の名目上の変調方式を有するかのように、同一の全体データレートで送信される結果となるよう、信号ストリームに対する変調方式を選択することである。これをすることにより、異なる変調インプットで、正しいビット数が使用可能となる。
【0062】
これをより明瞭に説明すると、N=2であり、名目上の変調スキームが16QAM(four bits/symbol)であるシステムを用いることにより、使用可能なサブキャリアの半分を用いる一方のストリームは4QPSK(two bits/symbol)で送信でき、サブキャリアの残りの半分を使用可能な他方のストリームは、64QAM(6 bits/symbol)で送信でき、結果として、同一の全体データレートとなるが、低いS/N比を有する信号ストリームは、より低いレベルの変調スキーム(QPSK)を使用し、高いS/N比を有する信号ストリームは、より高いレベルの変調スキーム(QPSK)を使用することができるという利点がある。
【0063】
図9a及び図9bは、第3の実施形態にかかる送信装置の例を示す。この送信装置は、N=2、即ち、2つのビームアンテナ21a、21bと、当該アンテナにより2つの信号ストリームを送信するものである。
【0064】
図9aに示すように、異なる2つの信号ストリームは、インターリーバ6の後段で分割され、要求された変調モードのために正しいビット数を各変調器47、48に送るマルチプレクサ46を通る。これによって、nビットは、第1レベルで第1の変調器47を通り、mビットは、第2レベルで第2の変調器48を通る。これらの変調器の出力は、異なるストリームからの搬送波がインターレースされるような方法で、IFFT8を通る。
【0065】
図9bは、ブロック分割を用いた他の具現例を示す。周波数インターリーバ50は、隣接するビットを分割し、隣接する入力ビットが、2以上のサブキャリアの周波数空間を有するサブキャリアにマッピングされる。さらに、周波数インターリーバ50は、正しいビット数を各変調器47、48に出力し、その結果、各変調器47、48で、選択された変調スキームが用いられる。ここでも、nビットは第1の変調器47を通り、mビットは第2の変調器48を通る。IFFT38は、ハーフサイズのIFFTであればよい。つまり、N個のビームアンテナとN個の信号ストリームを有する実施例では、N分の1のサイズを有するFFTを用いればよい。送信機でサブストリーム・アダプティブ・ローディングが用いられる場合、送信される信号がこれらのモードを用いて送信されることを受信装置が知っており、この結果、受信装置にて、要求された処理を実行して、当該信号を正しく復調することが重要である。
【0066】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本発明の第4の実施形態によれば、N個の異なるバージョンのデータが、N個の異なる信号ストリームで伝送される。この場合、時空間ブロック符号化を用いることが好ましい。また、ビームアンテナ21a、21b用のダイバーシティを得るための他のふさわしい方法は、送信機において時空間ブロック符号(STBC:space time block code)又は時空間トレリス符号(STTC:space time trellis code)を用いる手法である。送信アンテナの数の相違のための多くの符号が知られている。これらのうちで最もよく知られているのは、「the space time block code
from Alarnouti」であり、これは、非特許文献1:「“A Simple Transmit Diversity Technique for Wireless Communications” Siavash M. Alarnouti著, “IEEE Journal on Select Areas in Communications”Vol.16 of October 8, 1998」に開示されている。当該文献は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0067】
図10は、2つの送信機を有するシステムにおいて、時空間ブロック符号化を行うエンコーダ51を示す。STBCエンコーダは、複素シンボル(complex symbol)sとsからなる2つのブロックを受信する。各入力ブロックは、それぞれ2つの複素シンボルを含む2つの直交出力ブロックを生成する。この方法において、信号は複数の信号ストリームに分割されないが、相違するように符号化されたストリームとして送信される。これらストリームは、各アップコンバータに送られた後に、異なる送信アンテナ52、53により送信される。STBCエンコーダからの送信シンボルの直交性のため、送信される2つの複素シンボル間で通信路が顕著に変化していなくても、エンコードされたデータは、簡単な操作で、かつ、最大のダイバーシティの利益をもたらしつつ、デコードすることができる。
【0068】
図11は、第4の実施形態に係る送信装置の例を示す。送信装置57は、上述したように動作するSTBCエンコーダ51を備える。
【0069】
第4の実施形態に係る手法は、2通りの受信装置で具現できる。図12aに示すように、送信装置58は、例えば、全方位アンテナ又はビームアンテナなどからなる唯一のアンテナと、時空間ブロック符号化(STBC)デコーダ59を備える唯一のレシーバー連鎖とを有するようにしてもよい。別の例として、図12bに示すように、送信装置60は、2つのビームアンテナ21a、21bと2つのレシーバー連鎖を備えるようにしてもよい。
【0070】
送信機で時空間ブロック符号化を用いる場合もまた、受信装置が、送信される信号がこれらのモードを用いて送信されることを受信装置が知っており、この結果、受信装置にて、要求された処理を実行して、当該信号を正しく復調することが重要である。
【0071】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本発明の第5の実施形態によれば、N個の異なるバージョンのデータが伝送され、N個のストリームのそれぞれは、巡回的にシフトされる。第5の実施形態では、巡回遅延ダイバーシティ(CDD:cyclic delay diversity)を用いることが好ましい。巡回遅延ダイバーシティは、N個のビームアンテナを備えたマルチキャリアシステムのためのダイバーシティを提供する。このことは、非特許文献2「“Transmit/Receive-Antenna Diversity Techniques for OFDM system” Armin Damman and Stefan Kaiser著, the Institute of Communications and 25 Navigation, German Aerospace Center (DLR)発行, Vol. 13, No. 5 of September/October 2002」と、非特許文献3「“Standard Conformable Antenna Diversity Techniques for OFDM and its Application to the DVB- T System” Armin Damman and Stefan Kaiser著, the Institute of Communications and Navigation, German Aerospace Center (DLR)発行」に開示されている。当該文献は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0072】
余分な遅延(extra delay)を伝送信号に導入するように、余分な送信(N-1)ストリームが巡回的にシフトするので、巡回遅延ダイバーシティは、パフォーマンスゲインを提供する。これらの余分な遅延要素は、通信路におけるマルチパス遅延(multi-path delays)に付加され、更なるマルチパス分散(multipath dispersion)と、更なる周波数選択性をもたらす。これは、受信装置における通信路符号化をより効果的にし、顕著なパフォーマンスの改良をもたらす。
【0073】
図13は、巡回遅延ダイバーシティを有する送信装置である。送信連鎖において、1つのストリーム内にガードインターバルブロック62によりガードインターバル(guard interval)が付加される前に、巡回遅延ダイバーシティ手段62により巡回遅延ダイバーシティ(cyclic delay diversity means)が、当該ストリームに付加される。
【0074】
なお、明確化の観点から、他の図においてガードインターバルブロック63、65は図示を省略されている。
【0075】
巡回遅延ダイバーシティ方法は、マルチビームアンテナを有する受信装置に用いることができ、たった1つのFFTと1つのレシーバー連鎖とが必要であるという有利な点を有する。
【0076】
本発明の実施形態にかかる異なるビームアンテナを用いた送信装置、受信装置及び信号ストリームの送信、受信方法は、使用されるビームアンテナの形状及び方向に依存しており、高いアンテナゲインを維持しつつ、アンテナの半電波強度ビーム幅を増加させることができる。また、本発明の技術的思想によれば、異なる角度を用いて信号を送信又は受信するときに、ロバスト性又はダイバーシティを増加することができる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】最新式の通信システムを示す模式図。
【図2a】最新式の通信システムの異なる状態を示す模式図。
【図2b】最新式の通信システムの異なる状態を示す模式図。
【図3】最新式の送信装置及び受信装置を示すブロック図。
【図4a】本発明の基礎となる主原理を示す模式図。
【図4b】本発明の基礎となる主原理を示す模式図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る送信装置を示すブロック図。
【図6a】最新式の受信装置を示すブロック図。
【図6b】本発明の第1の実施形態に係る受信装置を示すブロック図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る送信装置を示すブロック図。
【図8a】最新式の受信装置を示すブロック図。
【図8b】本発明の第2の実施形態に係る受信装置を示すブロック図。
【図9a】本発明の第3の実施形態に係る送信装置を示すブロック図。
【図9b】本発明の第3の実施形態に係る送信装置を示すブロック図。
【図10】時空間エンコーダを示す模式図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る送信装置を示すブロック図。
【図12a】最新式の受信装置を示すブロック図。
【図12b】本発明の第4の実施形態に係る受信装置を示すブロック図。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る送信装置を示すブロック図。
【符号の説明】
【0079】
21a、21b:ビームアンテナ
22、36、45、49、57、61:送信装置
24、25、26、37、46、50、51、62、63:生成手段
33、34、42、59:結合手段
66:メイン発信方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて信号を送信する送信装置であって、
相異なる角度のメイン発信方向を有する少なくとも2つのビームアンテナと、
前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、送信される前記信号が、異なる前記信号ストリームに分割され、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナの数に相当する、前記信号ストリームを生成する生成手段と、
を備え、
前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナを介して送信する、送信装置。
【請求項2】
前記ビームアンテナは重なり合っている、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記ビームアンテナは重なり合っていない、請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
レギュラー・インターレース分割(regular interlaced splitting)を使用し、前記分割された信号ストリームを異なるサブキャリアにマッピングする、請求項1〜3のいずれかに記載の送信装置。
【請求項5】
ブロック処理を使用して、前記分割された信号ストリームを異なる中心周波数を用いてアップコンバートする、請求項1〜3のいずれかに記載の送信装置。
【請求項6】
アダプティブ・サブキャリア・ローディング(adaptive sub-carrier loading)を使用して、前記分割された各信号ストリームに対して異なる変調方式を使用する、請求項1〜3のいずれかに記載の送信装置。
【請求項7】
無線通信システムにおいて信号を送信する送信装置であって、
相異なる角度のメイン発信方向を有する少なくとも2つのビームアンテナと、
前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、前記信号ストリームのそれぞれが、データの相異なるバージョンからなり、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナの数に相当する、前記信号ストリームを生成する生成手段と、
を備え、
前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナを介して送信する、送信装置。
【請求項8】
前記ビームアンテナは重なり合っている、請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
前記ビームアンテナは重なり合っていない、請求項7に記載の送信装置。
【請求項10】
時空間ブロック符号化又は時空間トレリス符号化を使用して、前記異なるバージョンのデータを相異なる符号化方式を用いて符号化する、請求項7〜9のいずれかに記載の送信装置。
【請求項11】
巡回遅延ダイバーシティ(cyclic delay diversity)を使用して、前記異なるバージョンのデータを巡回的にシフトする、請求項7〜9のいずれかに記載の送信装置。
【請求項12】
無線通信システムにおいて信号を受信する受信装置であって、
相異なる角度のメイン発信方向を有し、それぞれ信号ストリームを受信する少なくとも2つのビームアンテナと、
異なるビームアンテナを介して受信された前記信号ストリームを単一の信号に結合する結合手段と、
を備える、受信装置。
【請求項13】
前記ビームアンテナは重なり合っている、請求項12に記載の受信装置。
【請求項14】
前記ビームアンテナは重なり合っていない、請求項12に記載の受信装置。
【請求項15】
前記信号を、異なる前記信号ストリームで受信する、請求項12〜14のいずれかに記載の受信装置。
【請求項16】
レギュラー・インターレース分割(regular interlaced splitting)を使用することにより、前記信号ストリームを結合する、請求項15に記載の受信装置。
【請求項17】
前記信号ストリームの結合は、ブロック処理を使用することで、前記信号ストリームを異なる中心周波数を用いてダウンコンバートすることにより、前記信号ストリームを結合する、請求項15に記載の受信装置。
【請求項18】
アダプティブ・サブキャリア・ローディング(adaptive sub-carrier loading)を使用して、前記各信号ストリームに対して異なる復調方式を使用することにより、前記信号ストリームを結合する、請求項15に記載の受信装置。
【請求項19】
前記受信される各信号ストリームは、前記受信されるデータの異なるバージョンからなる、請求項12〜14のいずれかに記載の受信装置。
【請求項20】
時空間ブロック符号化又は時空間トレリス符号化を使用して、異なる復号化方式を使用することにより、前記データの異なるバージョンを結合する、請求項19に記載の受信装置。
【請求項21】
無線通信システムにおける信号送信方法であって、
相異なる角度のメイン発信方向を有する少なくとも2つのビームアンテナを提供するステップと、
前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、送信される前記信号が、異なる前記信号ストリームに分割され、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナの数に相当する、前記信号ストリームを生成するステップと、
前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナを介して送信するステップと、
を含む、信号送信方法。
【請求項22】
前記ビームアンテナは重なり合っている、請求項21に記載の信号送信方法。
【請求項23】
前記ビームアンテナは重なり合っていない、請求項21に記載の信号送信方法。
【請求項24】
レギュラー・インターレース分割(regular interlaced splitting)を使用し、前記分割された信号ストリームを異なるサブキャリアにマッピングする、請求項21〜23のいずれかに記載の信号送信方法。
【請求項25】
ブロック処理を使用して、前記分割された信号ストリームを異なる中心周波数を用いてアップコンバートする、請求項21〜23のいずれかに記載の信号送信方法。
【請求項26】
アダプティブ・サブキャリア・ローディング(adaptive sub-carrier loading)を使用して、前記分割された各信号ストリームに対して異なる変調方式を使用する、請求項21〜23のいずれかに記載の信号送信方法。
【請求項27】
無線通信システムにおける信号送信方法であって、
相異なる角度のメイン発信方向を有する少なくとも2つのビームアンテナを提供するステップと、
前記無線通信システム内で送信される複数の信号ストリームであって、前記信号ストリームのそれぞれが、データの相異なるバージョンからなり、前記信号ストリームの数が前記ビームアンテナの数に相当する、前記信号ストリームを生成するステップと、
前記各信号ストリームを、異なる前記ビームアンテナを介して送信する、信号送信方法。
【請求項28】
前記ビームアンテナは重なり合っている、請求項27に記載の信号送信方法。
【請求項29】
前記ビームアンテナは重なり合っていない、請求項27に記載の信号送信方法。
【請求項30】
時空間ブロック符号化又は時空間トレリス符号化を使用して、前記異なるバージョンのデータを相異なる符号化方式を用いて符号化する、請求項27〜29のいずれかに記載の信号送信方法。
【請求項31】
巡回遅延ダイバーシティ(cyclic delay diversity)を使用して、前記異なるバージョンのデータを巡回的にシフトする、請求項27〜29のいずれかに記載の信号送信方法。
【請求項32】
無線通信システムにおける信号受信方法であって、
相異なる角度のメイン発信方向を有する少なくとも2つのビームアンテナを提供するステップと、
前記無線通信システムにおいて、前記各ビームアンテナを介して信号ストリームを受信するステップと、
異なるビームアンテナを介して受信された前記信号ストリームを単一の信号に結合するステップと、
を含む、信号受信方法。
【請求項33】
前記ビームアンテナは重なり合っている、請求項32に記載の信号受信方法。
【請求項34】
前記ビームアンテナは重なり合っていない、請求項32に記載の信号受信方法。
【請求項35】
前記信号を、異なる前記信号ストリームで受信する、請求項32〜34のいずれかに記載の信号受信方法。
【請求項36】
レギュラー・インターレース分割(regular interlaced splitting)を使用することにより、前記信号ストリームを結合する、請求項35に記載の信号受信方法。
【請求項37】
前記信号ストリームの結合は、ブロック処理を使用することで、前記信号ストリームを異なる中心周波数を用いてダウンコンバートすることにより、前記信号ストリームを結合する、請求項35に記載の信号受信方法。
【請求項38】
アダプティブ・サブキャリア・ローディング(adaptive sub-carrier loading)を使用して、前記各信号ストリームに対して異なる復調方式を使用することにより、前記信号ストリームを結合する、請求項35に記載の信号受信方法。
【請求項39】
前記受信される各信号ストリームは、前記受信されるデータの異なるバージョンからなる、請求項32〜35のいずれかに記載の信号受信方法。
【請求項40】
時空間ブロック符号化又は時空間トレリス符号化を使用して、異なる復号化方式を使用することにより、前記データの異なるバージョンを結合する、請求項39に記載の信号受信方法。



【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−259187(P2008−259187A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68140(P2008−68140)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(397051508)ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (140)
【Fターム(参考)】