説明

無線通信システムの通信経路構築方法

【課題】建物内に設置した親局と複数台の子局との間の無線通信経路を構築する作業を容易かつ安価に行える無線通信システムの通信経路構築方法を提供すること。
【解決手段】同じ建物5内に配置された親局2と複数台の子局1が順次送信局となるように設定して試験通信を実施し、受信の可否や受信感度等の通信結果を一覧表(通信試験結果表)6にして表示させる。そして、この一覧表6に基づき、複数台の子局1のうち親局2との直接相互通信が行えない通信不良局に対して、この通信不良局および親局2との直接相互通信を良好とする別の子局1を中継局に選定し、この別の子局1を介して前記通信不良局と親局2との無線通信を行う通信経路を構築する。また、中継局として好適な子局1が存在しない場合は、通信速度を遅くしたり、通信電力を上げたり、専用中継局8を追加するなどして対処する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建物内に親局と子局を無線通信が行えるように配置して構成される無線通信システムの通信経路構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて安定した通信が行える通信経路を選定する方法として、変電所などの広い場所に無線ネットワークを構築する際に、複数のセンサ端末を効率良く配置するために、仮構築した無線ネットワークにおける各センサ端末間の接続状態を表示するようにした先行技術が特許文献1に開示されている。この従来技術では、無線通信機能や受信電界強度計測機能等を有するセンサ端末を予め監視対象エリア内に複数設置して無線ネットワークを仮構築し、これらセンサ端末間の相互通信時における受信電界強度や通信成功率に関する計測データを収集したうえで、各センサ端末間の接続状態を示すネットワーク構成図を作成するため、多ルートの無線通信経路が把握できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−45701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来技術は、多ルートの無線通信経路を必要とする複雑な無線ネットワークを構築する際には有効であるが、ビル等の建物内に親局と子局および必要最小限の中継局を配置して構成される比較的単純な無線通信システムに適用すると、コスト面で甚だ不利になるという問題があった。すなわち、このように比較的単純な無線通信システムに前述した従来技術を適用した場合、好適な無線通信経路を見出すまでに煩雑な作業を余儀なくされるのみならず、子局と親局間の無線通信を中継する中継局を数多く設置しなければならないため、部品コストや設置コストや保守点検コストが嵩むことになり、結局、無線通信システムが不所望に高コストなものになってしまう。
【0005】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、建物内に設置した親局と複数台の子局との間の無線通信経路を構築する作業を容易かつ安価に行える無線通信システムの通信経路構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、それぞれが無線通信機能を有する少なくとも1台の親局と複数台の子局とを同じ建物内に設置し、前記子局に前記建物内の状態量を計測するセンサを接続して該センサの計測値が前記親局へ送信されるようにした無線通信システムの通信経路構築方法において、前記親局と前記複数台の子局のうちの1台の局から送信して残余の局で受信するという試験通信を、全ての局が順次送信局となるように所定の時間間隔で所定回数実施して、受信状態の適否を示すデータを含む前記試験通信の結果を一覧表にして表示させ、この一覧表に基づき、前記複数台の子局のうち前記親局との直接相互通信が行えない通信不良局に対して、この通信不良局および前記親局との直接相互通信を良好にする別の子局を中継局に選定し、この別の子局を介して前記通信不良局と前記親局との無線通信を行う通信経路を構築するようにした。
【0007】
このように試験通信の結果を一覧表(例えばマトリックス表)にして表示すれば、親局と各子局間、および子局どうしの間で、無線通信が良好に行えるか否かを瞬時に判定できる。また、この一覧表を参照すれば、親局との直接相互通信が行えない子局(通信不良局)に対して、この子局と親局との無線通信を確立させうる中継局を別の子局の中から容易に選定することができる。
【0008】
また、本発明に係る無線通信システムの通信経路構築方法は、前記複数台の子局の中に通信不良局の中継局として好適な子局が存在しない場合、通信速度を遅くするか、または通信電力を上げたうえで、前記試験通信を再度行い、この新たな試験通信の結果である一覧表に基づいて、前記通信不良局と前記親局との無線通信が確立させうるか否かを判定するようにした。このように通信速度を遅くしたり通信電力を上げたうえで試験通信を再度行えば、受信感度の高まる可能性があるため、通信不良局と親局との無線通信が行える通信経路を見出しやすくなる。
【0009】
なお、通信速度を遅くするか、または通信電力を上げたうえで、前記試験通信を再度行っても、前記通信不良局と前記親局との無線通信を確立させうる通信経路が見出せない場合には、専用中継局を追加し、この専用中継局を介して前記通信不良局と前記親局との無線通信を確立させるようにすれば良い。
【0010】
また、本発明に係る無線通信システムの通信経路構築方法は、前記試験通信を実施する際に、前記複数台の子局が設置されているそれぞれの場所の湿度を、その場所に存する子局に記憶させておくことが好ましい。こうすることによって、通信不良の要因が湿度であるか否かを推定することが可能になるため、対策が講じやすくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、同じ建物内に配置された親局と複数台の子局が順次送信局となるように設定して試験通信を実施し、受信状態の適否を示すデータを含む試験通信の結果を一覧表にして表示させるため、親局と各子局間、および子局どうしの間で、無線通信が良好に行えるか否かを瞬時に判定できるのみならず、親局との直接相互通信が行えない子局(通信不良局)に対して、この子局と親局との無線通信を確立させうる中継局を別の子局の中から容易に選定することができる。それゆえ、安定した無線通信が行える通信経路を容易かつ安価に構築できるようになり、高信頼性かつ安価な無線通信システムが実現しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における通信経路構築方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】本実施形態における親局と子局の建物内での配置例を示す説明図である。
【図4】本実施形態における試験通信のシーケンスの一例を示す説明図である。
【図5】本実施形態における試験通信の結果の一例をマトリックス表示した画像を示す説明図である。
【図6】本実施形態における専用中継局の建物内での配置例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る無線通信システムの通信経路構築方法の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本実施形態における無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。同図に示す無線通信システムは、同じ建物内に設置された親局2と複数台の子局1とで構成されており、これら親局2と各子局1は全て無線通信機能を有している。各子局1は前記建物内の消費電力量や使用水量等の状態量の計測値を親局2へ送信するためのものであり、また、親局2は各子局1から送信された状態量を積算して記憶することができるようになっている。
【0015】
まず、子局1の構成について詳しく説明する。子局1は消費電力量や使用水量や使用ガス量等の状態量を計測するセンサに接続されており、子局1には、該センサの計測データが入力される計測データ入力部が備えられている。図1では、該センサとして使用水量を計測するパルス発信付メータ4が図示されており、子局1の計測データ入力部としてはパルス発信付メータ4から出力されたパルスが入力されるパルス入力部1bが図示されている。子局1には、計測データ入力部(例えばパルス入力部1b)のほかに、周囲の温湿度の計測データが入力される温湿度入力部1aと、各種データの入出力が可能なメンテナンス用のパソコン3を着脱可能に接続するための外部インターフェイス1cと、アンテナ1gを介して無線通信を可能にすると共に信号受信時の受信電力を検出する無線処理部1eと、センサから入力された計測データ(例えばパルス)に基づいて状態量(例えば使用水量)を積算値として演算する等の処理を行う制御部1dと、前記積算値の演算データ等を記憶する記憶部1fとが備えられている。この記憶部1fは、アンテナ1gを介して受信した信号データや前記受信電力の検出データ、温湿度入力部1aから取り込んだ温湿度データ等も記憶する。また、制御部1dは、各種データを記憶部1fに格納させる処理や、該データを記憶部1fから取り出して無線処理部1eから送信させたりパソコン3に出力させる等の処理も行う。
【0016】
親局2には、図示せぬ監視センタと通信回線を介して遠隔的に接続するための通信インターフェイス2dが備えられている。また、親局2はセンサに接続されないため、親局2にパルス入力部1bのような計測データ入力部は備えられていないが、この親局2の他の構成は子局1とほぼ同様である。すなわち、親局2には、通信インターフェイス2dのほかに、メンテナンス用のパソコン3を着脱可能に接続するための外部インターフェイス2bと、アンテナ2gを介して無線通信を可能にすると共に信号受信時の受信電力を検出する無線処理部2aと、アンテナ2gを介して受信した信号データや受信電力の検出データ等を記憶する記憶部2eと、これらのデータを記憶部2eに格納させる処理や、該データを記憶部2eから取り出して無線処理部2dから送信させたりパソコン3に出力させる等の処理を行う制御部2cと、周囲の温湿度の計測データが入力される図示せぬ温湿度入力部とが備えられている。
【0017】
なお、各子局1と親局2の外部インターフェイス1c,2bには必要時にパソコン3が接続され、このパソコン3を用いて後述する試験通信を実施する際の各種設定(試験開始時刻や通信速度、通信電力の設定など)や試験通信実施後の受信結果の取得が行われる。
【0018】
次に、親局2と複数台の子局1とで構成される無線通信システムにおいて、各子局1と親局2間の通信経路を構築する方法を図2のフローチャートを参照しながら説明する。
【0019】
まず、同じ建物内の各所に1台の親局2と複数台の子局1とを仮設置する(ステップS1)。ただし、各子局1を仮設置する場所は、消費電力量や使用水量や使用ガス量等の状態量を計測するセンサの近傍とする。図3に示すように、本実施形態においては、1台の親局2と5台の子局1とを3階建ての建物5内の各階床に2台ずつ仮設置したものとする。なお、便宜上、親局2には0号機という号機番号を付し、5台の子局1にはそれぞれ1号機〜5号機という号機番号を付して区別できるようにする。すなわち、図3は、建物5内の1階に0号機の親局2と5号機の子局1とが仮設置され、2階に3号機の子局1と4号機の子局1とが仮設置され、3階に1号機の子局1と2号機の子局1とが仮設置されている状態を示している。
【0020】
次に、メンテナンス用のパソコン3を親局2の外部インターフェイス2bに接続して連続試験モードに設定する。また、1号機から5号機までの全子局1にも同様に、それぞれの外部インターフェイス1cにメンテナンス用のパソコン3を接続して連続試験モードに設定する(ステップS2)。
【0021】
ここで、連続試験モードとは、1台の親局2および複数台の子局1のうちの1台の局から送信して残余の局で受信するという試験通信を、全ての局が順次送信局となるように設定して所定の時間間隔で所定回数実施するモードのことである。図4に示すように、本実施形態においては、まず0号機の親局2を送信局として試験通信を行い、10分後に1号機の子局1を送信局として試験通信を行い、さらに次の10分後に2号機の子局1を送信局として試験通信を行う。以下同様に、3号機、4号機、5号機の子局1を順次送信局として10分毎に試験通信を行う。こうして連続的に行った試験通信における受信局側の受信状態(受信の可否および受信感度)は、その受信局の記憶部1f,2eに記憶される。なお、図4中の白丸は送信局、黒丸は受信局を示しており、受信局においては受信の可否判断と受信感度の演算とが行われる。また、試験通信の時間間隔は10分に限定されるものではなく、任意に設定可能である。
【0022】
このように連続試験モードに設定して所定期間(例えば1週間)経過した後、メンテナンス用のパソコン3を親局2と全子局1の外部インターフェイス2b,1cに接続し、このパソコン3を用いて試験通信の結果を取得する(ステップS3)。
【0023】
パソコン3は、こうして取得した通信結果を集計処理することにより、ディスプレイ3aに図5に示すような通信試験結果表6と通信経路図7とを表示させる。通信試験結果表6は、横列に表記した送信局と縦列に表記した受信局の組み合わせごとの受信状態を示すマトリックス表である。また、通信経路図7は、親局2と各子局1との間、および子局1どうしの間で、無線通信が可能な通信経路をラインで図示したものである。
【0024】
図5に例示した通信試験結果表6には3回分の通信結果が表示されており、各回の通信結果は、上から順に受信の可否を示す「○」または「×」、受信可能な場合の受信感度、受信時の湿度となっている。なお、この湿度データは、子局1の温湿度入力部1aや親局2の図示せぬ温湿度入力部から記憶部1f,2eに取り込まれたデータである。また、試験通信の回数は3回に限定されるものではなく、任意に設定可能である。
【0025】
図5に例示した通信試験結果表6によれば、0号機の親局2と4号機および5号機の子局1とは、直接相互通信が可能であると瞬時に判断できる。また、2号機の子局1が送信側で4号機の子局1が受信側の場合、3回の試験通信のうち2回は通信可能で1回は通信不可なので、この場合は通信不良と判定する。ただし、通信試験結果表6によれば、受信側のときの4号機の周囲の湿度が、通信可能であったときには68%と72%であったのに対し、通信不可であったときには88%とかなり高くなっていることから、通信不可の要因として高湿度が考えられる。したがって、4号機の設置場所を変更したり湿度対策を講じることによって、受信状態が改善する可能性がある。
【0026】
また、図5に例示した通信試験結果表6によれば、3号機の子局1と4号機の子局1どうしは通信可能ではあるものの、−117〜−102dBmという極めて低い受信感度しか得られないことがわかる。したがって、これと同程度の受信感度を、他の現場における通信可能な受信感度の下限レベルの目安として利用することができる。
【0027】
また、図5に例示した通信試験結果表6によれば、0号機の親局2との直接相互通信を可能とする子局1は4号機と5号機だけであり、3号機の子局1を親局2と直接相互通信させることはできないが、この3号機は4号機と直接相互通信させることができるため、4号機を介在させれば3号機は親局2との無線通信が可能となる。つまり、3号機の子局1は、親局2に対しては通信不良局であるが、4号機の子局1を中継局として利用すれば親局2との通信経路を確立することができる。これに対して、1号機の子局1は、送信側のときにも受信側のときにも他の全局と通信不良であり、2号機の子局1は、送信側のときに他の全局と通信不良である。
【0028】
試験通信を実施して判明したこれらの結果は、パソコン3のディスプレイ3a内における通信試験結果表6の下方領域に通信経路図7として表示される。この通信経路図7を見れば、4号機および5号機の子局1は親局2と直接相互通信させることができ、3号機の子局1も4号機の子局1を中継局となせば親局2と無線通信させることができるが、1号機の子局1と2号機の子局1は親局2との無線通信が不可なため、これら1号機と2号機の子局1については別途対策を必要とすることなどが瞬時にわかる。
【0029】
このように試験通信の結果を通信試験結果表6や通信経路図7として表示させることによって、中継局として利用する子局1の選定が行えるため、親局2との無線通信が可能な通信経路が判明する(ステップS4)。
【0030】
次に、全ての子局1が親局2と無線通信可能になっているか否かを判定する(ステップS5)。このステップS5での判定が「Yes」の場合は処理終了となるが、判定が「No」の場合、つまり親局2との無線通信を不可とする子局1が存在する場合は、通信速度を低速に設定しているか否かを判定する(ステップS6)。
【0031】
ステップS6において、通信速度が低速に設定されていないと判定された場合(「No」の場合)は、メンテナンス用のパソコン3を親局2と全子局1の外部インターフェイス2b,1cに接続して、通信速度を低速に設定する(ステップS7)。この後、通信速度を遅くしたうえでの試験通信を行うために、ステップS2へ戻り、ステップS5での判定が「Yes」となれば処理を終了する。つまり、前述した1号機や2号機のように親局2との無線通信を不可とする子局1であっても、通信速度を遅くすることによって受信感度が高まる可能性があるため、親局2との無線通信が行える通信経路を通信試験結果表6から見出しやすくなる。
【0032】
ただし、通信速度を低速に設定しても、一部の子局1において親局2との無線通信が安定して行える通信経路が見出せない場合は、ステップS6での判定が「Yes」となってステップS8へ進む。このステップS8では、専用の中継局を適宜場所に仮設置し、通信速度を低速に設定しても親局2と無線通信できない子局1を、この専用中継局の介在によって親局2と無線通信できるようにするというものである。ステップS8で専用中継局を仮設置した後、ステップS2へ戻って試験通信を行ったうえで、ステップS4にて好適な通信経路を通信試験結果表6から選定する。
【0033】
図6に示す例では、通信不可となっている経路の途中に6号機として専用中継局8を仮設置している。専用中継局8が追加されていないときには、建物5内で1号機および2号機の子局1と親局2との無線通信を安定して行える通信経路はなかったので、専用中継局8の設置場所として1号機の子局1と2号機の子局1の中間位置を選択している。このように専用中継局8を追加すれば、1号機および2号機の子局1と親局2との無線通信を安定して行える通信経路を確立させることが容易となる。しかも、本実施形態では、追加する専用中継局8の数を必要最小限に抑えることができる。なお、専用中継局8はセンサに接続されないため計測データ入力部は不要であるが、専用中継局8の基本的な構成は子局1と同様で良い。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る無線通信システムの通信経路構築方法では、同じ建物5内に配置された親局2と複数台(5台)の子局1が順次送信局となるように設定して試験通信を実施し、受信の可否や受信感度等の通信結果を一覧表(通信試験結果表6)にして表示させるため、親局2と各子局1間、および子局1どうしの間で、無線通信が良好に行えるか否かを瞬時に判定できる。また、親局2との直接相互通信が行えない子局1(通信不良局)に対して、この子局1と親局2との無線通信を確立させうる中継局を別の子局1の中から容易に選定することもできる。それゆえ、安定した無線通信が行える通信経路を容易かつ安価に構築することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、当初の試験通信で親局2と無線通信できない子局1が存在する場合に、通信速度を遅くして試験通信を再度行うようにしているが、通信速度を遅くする代わりに、通信電力を上げて試験通信を再度行うようにしも良い。
【0036】
また、本実施形態では、同じ建物5内の3つの階床に親局2と5台の子局1を配置させた場合を例示して説明しているが、子局1の必要台数が、建物の大きさや階床数、計測する対象等に応じて異なることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1 子局
1a 温湿度入力部
1b パルス入力部(計測データ入力部)
1c 外部インターフェイス
1e 無線処理部
1f 記憶部
2 親局
2a 無線処理部
2b 外部インターフェイス
2e 記憶部
3 パソコン
4 パルス発信付メータ(センサ)
5 建物
6 通信試験結果表(一覧表)
7 通信経路図
8 専用中継局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが無線通信機能を有する少なくとも1台の親局と複数台の子局とを同じ建物内に設置し、前記子局に前記建物内の状態量を計測するセンサを接続して該センサの計測値が前記親局へ送信されるようにした無線通信システムの通信経路構築方法において、
前記親局と前記複数台の子局のうちの1台の局から送信して残余の局で受信するという試験通信を、全ての局が順次送信局となるように所定の時間間隔で所定回数実施して、受信状態の適否を示すデータを含む前記試験通信の結果を一覧表にして表示させ、この一覧表に基づき、前記複数台の子局のうち前記親局との直接相互通信が行えない通信不良局に対して、この通信不良局および前記親局との直接相互通信を良好にする別の子局を中継局に選定し、この別の子局を介して前記通信不良局と前記親局との無線通信を行う通信経路を構築するようにしたことを特徴とする無線通信システムの通信経路構築方法。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記複数台の子局の中に前記通信不良局の中継局として好適な子局が存在しない場合、通信速度を遅くするか、または通信電力を上げたうえで、前記試験通信を再度行い、この新たな試験通信の結果である一覧表に基づいて、前記通信不良局と前記親局との無線通信が確立させうるか否かを判定するようにしたことを特徴とする無線通信システムの通信経路構築方法。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記試験通信を再度行っても前記通信不良局と前記親局との無線通信を確立させうる通信経路が見出せない場合、専用中継局を追加し、この専用中継局を介して前記通信不良局と前記親局との無線通信を確立させるようにしたことを特徴とする無線通信システムの通信経路構築方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記試験通信を実施する際に、前記複数台の子局が設置されているそれぞれの場所の湿度を、その場所に存する前記子局に記憶させておくようにしたことを特徴とする無線通信システムの通信経路構築方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−151554(P2012−151554A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6973(P2011−6973)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】