説明

無線通信システム

【課題】無線タグ等の小型機器に電池を搭載する必要がなく、多数の機器のうちの1つを容易に選択して、この選択した機器との無線通信を開始することが可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】質問機1から電波信号を送信して、複数の無線タグ2を動作状態にしておき、この状態で質問機1の発光部21を発光させて、この発光部21の光ビームを1つの無線タグ2の受光部37に入射させ、この無線タグ2のみを応答動作させている。これにより、複数の無線タグ2のうちの1つを容易に選択して、この選択した無線タグ2との無線通信を開始することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に無線通信を行う質問機及び端末機を備え、端末機が質問機からの電波信号を受信して応答動作する無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとしては、質問機(リーダライター)と無線タグ間で無線通信を行うものがある。このシステムでは、1つの質問機と複数の無線タグ間で無線通信を行うことが可能であり、質問機から電波信号が送信されて、いずれかの無線タグが応答動作する。
【0003】
ところが、質問機からの電波信号が多数の無線タグで受信された場合は、これらの無線タグの応答動作が可能となるので、いずれかの無線タグを特定して、無線通信を行う必要がある。例えば、多数の無線タグがそれぞれのIDを質問機に一旦返して、質問機側で1つのIDを選択し、このIDを用いて、1つの無線タグのみとの間で無線通信を開始するという手順を踏む。あるいは、質問機側で全ての無線タグのIDを予め記憶しておいて、1つのIDを選択し、このIDを用いて、1つの無線タグのみとの間で無線通信を行うことも考えられる。
【0004】
しかしながら、前者の場合は、質問機が多数の無線タグのIDを受信する必要があり、このための通信手順が煩雑になって、通信時間が長くなり、質問機及び無線タグのいずれにおいても回路規模が大きくなって、コストが上昇した。
【0005】
また、後者の場合は、多数の無線タグのIDを予め記憶しておく必要があり、また無線タグが増減するときには、その度に、ID登録のやり直しが必要となり、ID登録のための手間がかかった。
【0006】
このため、特許文献1では、光信号を受光すると、これをトリガ信号として電波信号の送受を開始し、これにより不要な電波信号の送受を低減している。このような光信号を無線通信開始のトリガ信号として用いるという技術の適用により、1つの無線タグを容易に選択して、この無線タグのみとの間で無線通信を開始することが可能になると考えられる。
【特許文献1】特開2005−348057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、光信号を受光する側が光信号を検出するための素子や回路を常に動作状態にする必要があり、このための消費電力が増大した。例えば、無線タグ等の小型機器を常に動作状態にするには、電池等を搭載する必要があるが、この電池を小型化する必要があって、長時間の動作状態を到底維持することができない。従って、特許文献1の技術を小型の無線タグ等に適用することは実質的に不可能である。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、無線タグ等の小型機器に電池を搭載する必要がなく、多数の機器のうちの1つを容易に選択して、この選択した機器との無線通信を開始することが可能な無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、相互に無線通信を行う質問機及び端末機を備え、前記端末機が前記質問機からの電波信号を受信して応答動作する無線通信システムにおいて、前記端末機は、前記質問機から受信した電波信号より電力を生成して、この電力を該端末機の駆動用に供給する電源手段と、外部からの光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光出力に基づいて外部からの光の有無を判定する判定手段と、前記判定手段により外部からの光が有ると判定されると、前記質問機に対する応答動作を開始する通信制御手段とを備えている。
【0010】
また、前記判定手段は、前記受光手段の受光出力レベルが規定値以上であるか否かに基づいて、前記外部からの光の有無を判定している。
【0011】
更に、前記判定手段は、前記受光手段の受光出力によって示される前記外部からの光のパターンが規定パターンであるか否かに基づいて、この外部からの光の有無を判定している。
【0012】
また、前記電源手段は、前記質問機から受信した電波信号より電力を生成すると共に、前記受光手段の受光出力より電力を生成し、これらの電力を前記端末機の駆動用に供給している。
【0013】
更に、前記質問機側に設けられ、前記受光手段で受光される外部からの光を出射する発光手段を備えている。
【0014】
また、前記発光手段から出射される光は、可視光である。
【0015】
更に、前記受光手段の受光部位には、前記外部からの光の受光範囲を規制するための規制部材を設けている。
【0016】
一方、他の本発明は、相互に無線通信を行う質問機及び端末機を備え、前記端末機が前記質問機からの電波信号を受信して応答動作する無線通信システムにおいて、前記質問機は、広指向性の電波信号及び狭指向性の電波信号を送信し、前記端末機は、前記質問機から受信した広指向性の電波信号より電力を生成して、この電力を該端末機の駆動用に供給する電源手段と、前記質問機からの狭指向性の電波信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信された狭指向性の電波信号に基づいて該狭指向性の電波信号の有無を判定する判定手段と、前記判定手段により狭指向性の電波信号が有ると判定されると、前記質問機に対する応答動作を開始する通信制御手段とを備えている。
【発明の効果】
【0017】
このような本発明によれば、端末機は、質問機から受信した電波信号より電力を生成して、この電力を該端末機の駆動用に用いているので、質問機からの電波信号を受信したときに動作状態となる。そして、端末機は、外部からの光を受光手段で受光して、光の受光を判定すると、質問機に対する応答動作を開始する。従って、質問機から電波信号を送信して、端末機を動作状態にしてから、光を端末機に向けて出射すると、この光が端末機の受光手段で受光されて、端末機が応答動作する。ここで、質問機からの電波信号が多数の端末機で受信されると、これらの端末機全てが動作状態となるが、光を1つの端末機に向けて出射すると、この端末機だけが応答動作する。このため、多数の端末機のうちの1つを容易に選択して、この選択した端末機との無線通信を開始することができる。また、端末機は、質問機から受信した電波信号より電力を生成して駆動用に用いるので、電池等の電源を必要としない。
【0018】
例えば、受光手段の受光出力レベルが規定値以上であるか否かに基づいて、外部からの光の有無を判定しても良いし、あるいは受光手段の受光出力によって示される外部からの光のパターンが規定パターンであるか否かに基づいて、この外部からの光の有無を判定しても構わない。
【0019】
また、質問機から受信した電波信号より電力を生成するだけではなく、受光手段の受光出力よっても電力を生成し、これらの電力を端末機の駆動用に用いても良い。この場合は、より多くの電力を得ることができる。
【0020】
更に、質問機側に設けられ、外部からの光を出射する発光手段を備えている。このような発光手段は、光を端末機に向けて出射するために用いられるが、質問機と一体的に設けられても良いし、質問機とは別体に設けられても構わない。
【0021】
また、発光手段から出射される光は、可視光である。この場合は、光の照射位置を視認することができ、光を受けている端末機を容易に識別することが可能となる。
【0022】
更に、受光手段の受光部位には、外部からの光の受光範囲を規制するための規制部材を設けている。この場合は、受光手段による受光範囲が狭くなるので、受光手段による光の検出誤りを低減することができ、また外乱光等による影響を低減することができる。
【0023】
一方、他の本発明によれば、端末機は、質問機から受信した広指向性の電波信号より電力を生成し、この電力を該端末機の駆動用に用いて動作状態となり、引き続いて質問機からの狭指向性の電波信号を受信すると、質問機に対する応答動作を開始する。従って、質問機から広指向性の電波信号を送信して、端末機を動作状態にしてから、狭指向性の電波信号を端末機に向けて出射すると、この狭指向性の電波信号が端末機で受信されて、端末機が応答動作する。ここでも、質問機からの広指向性の電波信号が多数の端末機で受信されると、これらの端末機全てが動作状態となるが、狭指向性の電波信号を1つの端末機に向けて出射すると、この端末機だけが応答動作する。このため、多数の端末機のうちの1つを容易に選択して、この選択した機器との無線通信を開始することができる。また、端末機は、質問機から受信した広指向性の電波信号より電力を生成して駆動用に用いるので、電池等の電源を必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の無線通信システムの第1実施形態を示すブロック図である。本実施形態の無線通信システムでは、相互に無線通信を行う質問機1及び無線タグ2を備えており、通常は、複数の無線タグ2が設けられ、質問機1といずれかの無線タグ2間で無線通信が行われる。
【0026】
質問機1は、無線通信を開始するときに、電波信号を広い範囲に送信し、いずれかの無線タグ2からの応答を待つ。各無線タグ2は、一般的なバッテリーレスのパッシブ型のものであり、質問機1からの電波信号を受信すると、この受信電波信号を電力に変換し、この電力により動作状態となる。そして、各無線タグ2のいずれにおいても応答動作するか否かの判定がなされ、1つの無線タグ2だけが応答動作すると判定し、そのアンテナのインピーダンスが制御されて、アンテナによる受信電波の反射率が変化し、これにより送信電波信号が発生して、応答動作がなされる。
【0027】
質問機1は、制御回路11、発振部12、変調部13、送信電力増幅部14、サーキュレータ15、アンテナ16、復調部17、不揮発性メモリ18、ディスプレイ等からなる出力部19、操作ボタン等からなる入力部20、発光ダイオード等からなる発光部21を備えている。
【0028】
制御回路11は、CPU、メモリ、及びインターフェース等からなり、質問機1全体を制御する。例えば、制御回路11は、質問機1と無線タグ2間の無線通信に際し、発振部12を駆動制御して、搬送波信号を発振部12から出力させる。この搬送波信号は、変調部13及び復調部17に加えられる。また、制御回路11は、無線タグ2への通信データを変調部13に出力する。
【0029】
変調部13は、通信データ及び搬送波信号を入力すると、通信データに応じて搬送波信号を変調し、通信データを示す送信信号を形成して出力する。この送信信号は、送信電力増幅部14で増幅されてから、サーキュレータ15を通じてアンテナ16に加えられ、電波信号となってアンテナ16から送信される。
【0030】
また、無線タグ2からの応答データを示す電波信号は、質問機1のアンテナ16で受信されて、受信信号となる。この受信信号は、サーキュレータ15を通じて復調部17に加えられる。復調部17は、アンテナ16からの受信信号及び発振部12からの搬送波信号を入力し、搬送波信号を用いて、受信信号を復調し、無線タグ2からの応答データを形成し、この応答データを制御回路11に出力する。制御回路11は、この応答データ等を不揮発性メモリ18に記憶したり出力部19に出力して表示する。
【0031】
一方、無線タグ2は、制御回路31、整流回路32、アンテナ33、不揮発性メモリ34、データ変復調回路35、クロック抽出回路36、及び受光部37を備えている。
【0032】
この無線タグ2には電池等の電源が設けられておらず、この代わりに、質問機1と無線タグ2間の無線通信に際し、質問機1からの電波信号がアンテナ33で受信されて、受信信号が整流回路32に加えられて整流され、整流回路32から駆動用の電力が出力される。この電力は、制御回路31、不揮発性メモリ34、データ変復調回路35、クロック抽出回路36、及び受光部37に加えられて、これらが動作状態となる。
【0033】
制御回路31は、CPU、メモリ、及びインターフェース等からなり、無線タグ2全体を制御する。
【0034】
クロック抽出回路36は、アンテナ33からの受信信号を入力し、この受信信号から同期用のクロック信号を抽出生成して、このクロック信号を制御回路31やデータ変復調回路35等に出力する。
【0035】
このとき、制御回路31は、応答動作するか否かを判定し、応答動作するならば、データ変復調回路35を起動する。データ変復調回路35は、アンテナ33からの受信信号を入力し、この受信信号を復調して、質問機1からの通信データを形成し、この通信データを制御回路31に出力する。制御回路31は、この通信データに対する応答データを形成して、この応答データをデータ変復調回路35に加える。データ変復調回路35は、応答データに応じてアンテナ33のインピーダンスを制御して、アンテナ33による受信電波の反射率を変化させ、応答データを示す電波信号を発生させて送信する。
【0036】
ここで、先に述べたように複数の無線タグ2を設けているので、質問機1のアンテナ16を広指向性にして、質問機1からの電波信号を広い範囲に送信し、この質問機1からの電波信号をいずれの無線タグ2でも受信することができるようにしている。このため、複数の無線タグ2は、質問機1からの電波信号を同時に受信して、それぞれが応答動作可能な状態となるが、このときに質問機1と通信を行う1つの無線タグ2を特定する必要がある。しかしながら、この特定のために通信手順が複雑化したり、通信時間が長くなるのは望ましくない。
【0037】
そこで、本実施形態のシステムでは、質問機1から電波信号を送信して、複数の無線タグ2を動作状態にしておき、この状態で質問機1の発光部21を発光させて、この発光部21の光ビームを1つの無線タグ2の受光部37に入射させ、この無線タグ2のみを応答動作させている。これにより、複数の無線タグ2のうちの1つを容易に選択して、この選択した無線タグ2との無線通信を開始することができる。
【0038】
次に、そのような質問機1と無線タグ2間の無線通信開始までの処理手順を説明する。
【0039】
まず、質問機1において、入力部20の操作により通信開始が指示されると、これに応答して制御回路11は、発振部12、変調部13、及び送信電力増幅部14等を制御して、通信データを示す送信信号を電波信号としてアンテナ16から送信する。
【0040】
また、制御回路11は、発光部21を発光させる。質問機1が据付型のものであれば、発光部21を質問機1とは別体のものとし、発光部21を手に持って1つの無線タグ2に向け、発光部21の光ビームを該無線タグ2の受光部37に入射させるための操作が可能なようにする。また、質問機1が手に持って自在に操作可能な携帯型のものであれば、発光部21を質問機1と一体的に設け、質問機1を手に持って、発光部21の光ビームの向きを調節操作するようにしても構わない。
【0041】
各無線タグ2は、質問機1からの電波信号をアンテナ33で受信して、整流回路32からの駆動用電力により動作状態となる。
【0042】
このとき、1つの無線タグ2では、図2に示すように質問機1の発光部21からの光ビームLBを受光部37で受光することから、この受光部37の出力レベルが高くなっている。このため、制御回路31は、受光部37の受光出力レベルが閾値以上であると判定し、この無線タグ2が選択されているとみなして、応答動作の実行を判定する。そして、制御回路31は、データ変復調回路35を起動して、質問機1からの通信データをデータ変復調回路35から入力し、この通信データに対する応答データを形成し、応答データをデータ変復調回路35に出力する。データ変復調回路35は、応答データに応じてアンテナ33のインピーダンスを制御して、応答データを示す電波信号をアンテナ33から送信する。
【0043】
また、他の無線タグ2では、図2に示すように質問機1の発光部21からの光ビームを受光部37で受光せず、この受光部37の出力レベルが低いままである。このため、制御回路31は、受光部37の受光出力レベルが閾値未満であると判定して、通信データの復調や応答データの送信等の動作を行わない。
【0044】
このような無線タグ2の制御動作を、図3に示すフローチャートを参照しつつ説明すると、次の通りである。
【0045】
無線タグ2では、質問機1からの電波信号がアンテナ33で受信されると(ステップS201)、整流回路32からの駆動用電力により動作状態となる(ステップS202)。
【0046】
このとき、受光部37への入射光が有り(ステップS203で「光有」)、この入射光が質問機1の発光部21からの光ビームであって、その強度が強いために、受光部37の受光出力レベルが閾値以上と判定されると(ステップS204で「強」)、この無線タグ2が選択されたことになるから、通信データが復調されて、応答動作がなされる(ステップS205)。
【0047】
また、受光部37への入射光が無ければ(ステップS203で「光無」)、質問機1の発光部21からの光ビームが入射しておらず、この無線タグ2が選択されていないので、受光部37への入射光を待機して、ステップS203を繰り返す。
【0048】
更に、受光部37への入射光が有ったとしても(ステップS203で「光有」)、この入射光が微弱な外乱光等であるために、受光部37の受光出力レベルが閾値未満と判定されたときには(ステップS204で「弱」)、この無線タグ2が選択されていないことになり、受光部37への入射光を待機して、ステップS203、S204を繰り返す。
【0049】
このように本実施形態では、質問機1から電波信号を送信して、複数の無線タグ2を動作状態にしておき、この状態で質問機1の発光部21を発光させて、この発光部21の光ビームを1つの無線タグ2の受光部37に入射させ、この無線タグ2のみを応答動作させているので、1つの無線タグ2を特定するために通信手順が複雑化したり、通信時間が長くなることはない。また、無線タグ2は、質問機1からの受信電波信号より電力を生成して用いるので、電池等の電源を必要とせず、略無期限で待機状態を維持することができる。
【0050】
質問機1の発光部21から出射される光ビームは、可視光、赤外線、紫外線のいずれでも構わない。複数の無線タグ2が近接配置されている場合は、可視光の光ビームを用いて、光ビームの照射スポットを視認することができるようにすれば、光ビームにより1つの無線タグ2を確実に選択することが可能となる。また、外乱光が多い環境においては、赤外線や紫外線の光ビームを用いて、無線タグ2の受光部37で赤外線や紫外線の光だけを選択的に検出するようにすれば、外乱光の影響を避けることができる。
【0051】
また、質問機1の発光部21から出射される光ビームを規定の周期パターンで照射し、無線タグ2の受光部37の受光出力が該規定の周期パターンを示すものであるか否かを判定し、この判定に基づいて、光ビームの有無を判定しても構わない。この場合は、受光部37の受光出力から光ビームの周期パターンを抽出するための復調回路を受光部37と制御回路31間に挿入し、この復調回路の復調出力を制御回路31に加えて、制御回路31による光ビームの周期パターンの有無を検出する。
【0052】
更に、受光部37の受光出力を整流し、これを整流回路32の出力と共に駆動用の電力として用いても構わない。
【0053】
また、図4に示すような筒状規制部材38を無線タグ2の受光部37の部位に設けても構わない。受光部37は、筒状規制部材38の中心に配置され、この筒状規制部材38の開口部から入射した光のみを受光する。この場合は、受光部37による受光範囲が狭くなるので、質問機1の発光部21から出射される光ビームを筒状規制部材38の中央付近に向けなければ、光ビームが無線タグ2の受光部37に入射せず、受光部37による光ビームの検出誤りを低減することができ、また外乱光等による影響を低減することができる。
【0054】
図5は、本発明の無線通信システムの第2実施形態を示すブロック図である。本実施形態の無線通信システムでは、相互に無線通信を行う質問機1A及び無線タグ2Aを備えており、通常は、複数の無線タグ2Aが設けられ、質問機1Aといずれかの無線タグ2A間で無線通信が行われる。
【0055】
本実施形態のシステムでも、図1のシステムと同様に、質問機1Aから電波信号が送信されて、いずれかの無線タグ2Aが応答動作する。このときの電波信号は、広指向性のアンテナから送信される広指向性のものであるので、その通信エリアが広く、複数の無線タグ2Aで受信することが可能である。
【0056】
各無線タグ2Aは、一般的なバッテリーレスのパッシブ型のものであり、質問機1Aからの広指向性の電波信号を受信すると、この受信電波信号を電力に変換し、この電力により動作状態となる。
【0057】
また、質問機1Aでは、図1の質問機1のように発光部21から光ビームを出射する代わりに、狭指向性の電波信号を送信し、この狭指向性の電波信号を1つの無線タグ2Aのみで受信させて、この無線タグ2Aを選択する。この無線タグ2Aは、質問機1Aからの狭指向性の電波信号を受信して応答動作し、アンテナのインピーダンスを制御して、このアンテナによる受信電波の反射率を変化させ、送信電波信号を発生させる。
【0058】
このとき、他の無線タグ2Aは、質問機1Aからの狭指向性の電波信号を受信せず、応答動作も行わない。
【0059】
質問機1Aは、制御回路41、不揮発性メモリ42、ディスプレイ等からなる出力部43、及び操作ボタン等からなる入力部44を備えている。また、広指向性の電波信号を送受信するための広指向性アンテナ45、発振部46、変調部47、送信電力増幅部48、サーキュレータ49、及び復調部50を備え、更に狭指向性の電波信号を送受信するための狭指向性アンテナ51、発振部52、変調部53、送信電力増幅部54、サーキュレータ55、及び復調部56を備えている。
【0060】
広指向性アンテナ45は、例えばダイポールアンテナ等であり、また狭指向性アンテナ51は、例えばパラボラアンテナである。
【0061】
制御回路41は、質問機1Aと無線タグ2A間の無線通信に際し、発振部46を駆動制御して、第1搬送波信号を発振部12から出力させ、この第1搬送波信号を変調部47及び復調部50に加える。また、制御回路41は、無線タグ2Aへの通信データを変調部47に出力する。
【0062】
変調部47は、通信データに応じて第1搬送波信号を変調し、通信データを示す送信信号を形成して出力する。この送信信号は、送信電力増幅部48で増幅されてから、サーキュレータ49を通じて広指向性アンテナ45に加えられ、広指向性の電波信号となって送信される。
【0063】
同時に、制御回路41は、発振部52を駆動制御して、第2搬送波信号(第1搬送波信号とは異なる周波数)を発振部52から出力させ、この第2搬送波信号を変調部53及び復調部56に加える。また、制御回路41は、無線タグ選択用の規定データを作成して、この規定データを変調部53に出力する。
【0064】
変調部53は、無線タグ選択用の規定データに応じて第2搬送波信号を変調し、規定データを示す送信信号を形成して出力する。この送信信号は、送信電力増幅部54で増幅されてから、サーキュレータ55を通じて狭指向性アンテナ51に加えられ、狭指向性の電波信号となって送信される。
【0065】
この狭指向性の電波信号は、図6に示すように光ビームと同様に狭い範囲に出射されるので、1つの無線タグ2Aのみに受信させて、この無線タグ2Aを選択することが可能である。質問機1Aが据付型のものであれば、狭指向性アンテナ51の操作が容易となるように、狭指向性アンテナ51を質問機1Aとは別体のものとし、また質問機1Aが手に持って自在に操作可能な携帯型のものであれば、狭指向性アンテナ51を質問機1Aに一体的に設けても構わない。
【0066】
次に、無線タグ2Aからの応答データを示す電波信号(第1搬送波信号の周波数)が送信されて来ると、この電波信号が質問機1Aの広指向性アンテナ45で受信されて、その受信信号がサーキュレータ49を通じて復調部50に加えられる。復調部50は、受信信号を応答データに復調して、この応答データを制御回路41に出力する。制御回路41は、この応答データを不揮発性メモリ42に記憶したり出力部43に出力して表示する。
【0067】
あるいは、無線タグ2Aからの電波信号が第2搬送波信号の周波数のものであれば、この電波信号が質問機1Aの狭指向性アンテナ51で受信され、その受信信号がサーキュレータ55を通じて復調部56に加えられ、ここで応答データに復調されて、この応答データが制御回路41に出力される。
【0068】
一方、無線タグ2Aは、制御回路61、整流回路62、及び不揮発性メモリ63を備えている。また、広指向性の電波信号を送受信するための広指向性アンテナ64、データ変復調回路65、及びクロック抽出回路66を備え、更に狭指向性の電波信号を送受信するための狭指向性アンテナ67、データ変復調回路68、及びクロック抽出回路69を備えている。
【0069】
広指向性アンテナ64は、例えばダイポールアンテナ等であり、また狭指向性アンテナ67は、例えば八木アンテナである。
【0070】
無線タグ2Aにおいて、質問機1からの広指向性の電波信号が広指向性アンテナ64で受信されると、その受信信号が整流回路62に加えられて整流され、整流回路62から駆動用の電力が出力される。この電力は、制御回路61、不揮発性メモリ63、データ変復調回路65、68、及びクロック抽出回路66、69に加えられて、これらが動作状態となる。
【0071】
また、広指向性アンテナ64からの受信信号は、データ変復調回路65及びクロック抽出回路66に加えられる。
【0072】
クロック抽出回路66は、広指向性アンテナ64からの受信信号を入力すると、この受信信号から同期用のクロック信号を抽出生成し、このクロック信号を制御回路61やデータ変復調回路65等に出力する。
【0073】
このとき、制御回路61は、応答動作するか否かを判定し、応答動作するならば、データ変復調回路65を起動する。データ変復調回路65は、アンテナ64からの受信信号を入力し、この受信信号を復調して、質問機1Aからの通信データを形成し、この通信データを制御回路61に出力する。制御回路61は、この通信データに対する応答データを形成して、この応答データをデータ変復調回路65に加える。データ変復調回路65は、応答データに応じてアンテナ64のインピーダンスを制御して、アンテナ64による受信電波の反射率を変化させ、応答データを示す電波信号を発生させて送信する。
【0074】
ここで、質問機1Aの広指向性アンテナ45から第1搬送波信号の電波が送信されていることから、この電波信号が各無線タグ2Aのいずれでも受信される。このため、各無線タグ2Aは、質問機1Aからの第1搬送波信号の電波信号を同時に受信して、それぞれが応答動作可能な状態となる。
【0075】
また、質問機1Aの狭指向性アンテナ51からは無線タグ選択用の規定データを示す第2搬送波信号の電波が送信され、この狭指向性の電波信号が図6に示すように1つの無線タグ2Aのみで受信される。
【0076】
この1つの無線タグ2Aでは、質問機1Aの狭指向性アンテナ51からの第2搬送波信号の電波が狭指向性アンテナ67で受信され、その受信信号がデータ変復調回路68及びクロック抽出回路69に加えられる。
【0077】
クロック抽出回路69は、受信信号から同期用のクロック信号を抽出生成して、このクロック信号を制御回路61やデータ変復調回路68等に出力する。データ変復調回路68は、受信信号を復調して、質問機1Aからの無線タグ選択用の規定データを形成し、この無線タグ選択用の規定データを制御回路61に出力する。
【0078】
制御回路61は、無線タグ選択用の規定データを識別して、この無線タグ2Aが選択されているとみなして、応答動作の実行を判定する。そして、制御部61は、データ変復調回路65を起動して、質問機1Aからの通信データをデータ変復調回路65から入力し、この通信データに対する応答データを形成して、この応答データをデータ変復調回路65に加え、この応答データを広指向性アンテナ64から送信する。
【0079】
あるいは、制御部61は、応答データをデータ変復調回路68に加える。データ変復調回路68は、応答データに応じて狭指向性アンテナ67のインピーダンスを制御して、狭指向性アンテナ67による受信電波の反射率を変化させ、応答データを示す電波信号を発生させて送信する。
【0080】
また、他の無線タグ2Aでは、図6に示すように質問機1Aの狭指向性アンテナ51からの第2搬送波信号の電波を受信しないことから、応答動作を行わない。
【0081】
このような無線タグ2Aの制御動作を、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明すると、次の通りである。
【0082】
無線タグ2Aでは、質問機1Aからの広指向性の電波信号が広指向性アンテナ64で受信されると(ステップS301)、整流回路62からの駆動用電力により動作状態となる(ステップS302)。
【0083】
このとき、狭指向性アンテナ67で狭指向性の電波信号が受信されると(ステップS303で「電波有」)、この無線タグ2Aが選択されたことになるので、通信データが復調されて、応答動作がなされる(ステップS304)。
【0084】
また、狭指向性アンテナ67で狭指向性の電波信号が受信されなければ(ステップS303で「電波無」)、この無線タグ2Aが選択されていないので、狭指向性アンテナ67での狭指向性の電波信号の受信を待機して、ステップS303を繰り返す。
【0085】
このように本実施形態では、質問機1Aの広指向性アンテナ45から広指向性の電波信号を送信して、複数の無線タグ2Aを動作状態にしておき、この状態で質問機1Aの狭指向性アンテナ51から狭指向性の電波信号を送信して、この狭指向性の電波信号を1つの無線タグ2Aの狭指向性アンテナ67で受信させ、この無線タグ2Aのみを応答動作させているので、1つの無線タグ2Aを特定するために通信手順が複雑化したり、通信時間が長くなることはない。また、無線タグ2Aは、質問機1Aからの受信電波信号より電力を生成して用いるので、電池等の電源を必要とせず、略無期限で待機状態を維持することができる。
【0086】
尚、無線タグ2Aにおいては、広指向性アンテナ64からの受信信号を整流回路62で整流して、整流回路62の出力を駆動用の電力として用いているが、図8に示すように狭指向性アンテナ67からの受信信号を整流する整流回路70を付設して、この整流回路70の出力をも駆動用の電力として用いても構わない。
【0087】
図9は、本発明の無線通信システムの第3実施形態を示すブロック図である。本実施形態の無線通信システムでは、相互に無線通信を行う質問機1B及び無線タグ2Bを備えており、通常は、複数の無線タグ2Bが設けられ、質問機1Bといずれかの無線タグ2B間で無線通信が行われる。
【0088】
本実施形態のシステムでは、質問機1Bから広指向性の電波信号が送信されるので、この電波信号を複数の無線タグ2Bで受信することが可能である。
【0089】
また、質問機1Bでは、図1の質問機1のように発光部21から光ビームを出射して、この光ビームを1つの無線タグ2Bのみで受光させて、この無線タグ2Bを選択する。この無線タグ2Bは、質問機1Bからの光ビームを受光して、この光ビームを駆動用の電力に光電変換し、この電力により動作状態となる。そして、この無線タグ2Bは、質問機1Bからの広指向性の電波信号を受信して応答動作し、アンテナのインピーダンスを制御して、このアンテナによる受信電波の反射率を変化させ、送信電波信号を発生させる。
【0090】
このとき、他の無線タグ2Bは、質問機1Bからの光ビームを受光せず、動作状態とならず、応答動作も行わない。
【0091】
質問機1Bは、制御回路81、発振部82、変調部83、送信電力増幅部84、サーキュレータ85、アンテナ86、復調部87、不揮発性メモリ88、ディスプレイ等からなる出力部89、操作ボタン等からなる入力部90、及び発光ダイオード等からなる発光部91を備えている。
【0092】
制御回路81は、質問機1Bと無線タグ2B間の無線通信に際し、発振部82を駆動制御して、搬送波信号を発振部82から出力させ、この搬送波信号を変調部83及び復調部87に加える。また、制御回路81は、無線タグ2Bへの通信データを変調部83に出力する。
【0093】
変調部83は、通信データに応じて搬送波信号を変調し、通信データを示す送信信号を形成して出力する。この送信信号は、送信電力増幅部84で増幅されてから、サーキュレータ85を通じてアンテナ86に加えられ、広指向性の電波信号となって送信される。
【0094】
同時に、制御回路81は、発光部91を駆動して発光させる。これにより、発光部91からは光ビームが出射される。
【0095】
この光ビームLBは、図10に示すように狭い範囲に出射されるので、1つの無線タグ2Bのみで受光させて、この無線タグ2Bを選択することが可能である。質問機1Bが据付型のものであれば、発光部91の操作が容易となるように、発光部91を質問機1Bとは別体のものとし、また質問機1Bが携帯型のものであれば、発光部91を質問機1Bに一体的に設けても構わない。
【0096】
次に、無線タグ2Bからの応答データを示す電波信号が送信されて来ると、この電波信号が質問機1Bのアンテナ86で受信されて、受信信号となる。この受信信号は、サーキュレータ85を通じて復調部87に加えられ、ここで応答データに復調されて、この応答データが制御回路81に出力される。制御回路81は、この応答データを不揮発性メモリ88に記憶したり出力部89に出力して表示する。
【0097】
一方、無線タグ2Bは、制御回路101、アンテナ103、不揮発性メモリ104、データ変復調回路105、クロック抽出回路106、及び太陽電池107を備えている。
【0098】
1つの無線タグ2Bにおいては、図10に示すように質問機1Bの発光部91からの光ビームLBが太陽電池107で受光される。このため、太陽電池107により光ビームが駆動用の電力に変換されて、この電力により制御回路101、不揮発性メモリ104、データ変復調回路105、及びクロック抽出回路106が動作状態となる。
【0099】
このとき、質問機1Bから広指向性の電波信号がアンテナ103で受信されると、この受信信号がデータ変復調回路105及びクロック抽出回路106に加えられる。
【0100】
クロック抽出回路106は、受信信号から同期用のクロック信号を抽出生成して、このクロック信号を制御回路101やデータ変復調回路105等に出力する。
【0101】
データ変復調回路105は、受信信号を復調して、質問機1Bからの通信データを形成し、この通信データを制御回路101に出力する。制御回路101は、必要に応じて、この通信データを不揮発性メモリ104に記憶する。
【0102】
そして、制御部101は、応答データを形成し、応答データをデータ変復調回路105に加える。データ変復調回路105は、応答データに応じてアンテナ103のインピーダンスを制御して、アンテナ103よる受信電波の反射率を変化させ、応答データを示す電波信号を発生させて送信する。
【0103】
また、他の無線タグ2Bにおいては、図10に示すように質問機1Bの発光部91からの光ビームが太陽電池107で受光されないので、駆動用の電力が生成されず、動作状態とならず、応答動作も行われない。
【0104】
このような無線タグ2Bの制御動作を、図11に示すフローチャートを参照しつつ説明すると、次の通りである。
【0105】
無線タグ2Bでは、太陽電池107への入射光が有り(ステップS401で「光有」)、この入射光が質問機1Bの発光部91からの光ビームであって、その強度が強いために、太陽電池107の受光出力レベルが十分に高いときに(ステップS402で「強」)、この無線タグ2Bが選択されたことになり、太陽電池107により光ビームが駆動用の電力に変換されて、この電力により動作状態となる(ステップS403)。そして、通信データが復調されて、この通信データに対する応答データが形成され、応答データを示す電波信号がアンテナ103から送信される(ステップS404)。
【0106】
また、太陽電池107への入射光が無ければ(ステップS401で「光無」)、質問機1Bの発光部91からの光ビームが入射しておらず、この無線タグ2Bが選択されていないので、太陽電池107への入射光を待機して、ステップS401を繰り返す。
【0107】
更に、太陽電池107への入射光が有ったとしても(ステップS401で「光有」)、この入射光が微弱な外乱光等であるために、太陽電池107の受光出力レベルが低いときには(ステップS402で「弱」)、この無線タグ2Bが選択されていないので、太陽電池107への入射光を待機して、ステップS401、S402を繰り返す。
【0108】
このように本実施形態では、質問機1Bの発光部91の光ビームを1つの無線タグ2Bのみで受光させて、この無線タグ2Bのみを動作状態にしておき、質問機1Bから電波信号を送信して、この動作状態の無線タグ2Aのみによる応答動作を可能にしているので、1つの無線タグ2Bを特定するために通信手順が複雑化したり、通信時間が長くなることはない。また、無線タグ2Bは、質問機1Bからの光ビームより電力を生成して用いるので、電池等の電源を必要とせず、略無期限で待機状態を維持することができる。
【0109】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、質問機や無線タグの構成を適宜変更しても構わない。また、本発明は、質問機と無線タグ間の通信だけではなく、他のシステムにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の無線通信システムの第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおける質問機と1つの無線タグ間の通信状態を示す図である。
【図3】図1のシステムにおける無線タグの制御動作を示すフローチャートである。
【図4】図1のシステムにおける無線タグの変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の無線通信システムの第2実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5のシステムにおける質問機と1つの無線タグ間の通信状態を示す図である。
【図7】図5のシステムにおける無線タグの制御動作を示すフローチャートである。
【図8】図5のシステムにおける無線タグの変形例を示すブロック図である。
【図9】本発明の無線通信システムの第3実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9のシステムにおける質問機と1つの無線タグ間の通信状態を示す図である。
【図11】図9のシステムにおける無線タグの制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1、1A、1B 質問機
2、2A、2B 無線タグ
11 制御回路
12 発振部
13 変調部
14 送信電力増幅部
15 サーキュレータ
16 アンテナ
17 復調部
18 不揮発性メモリ
19 出力部
20 入力部
21 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に無線通信を行う質問機及び端末機を備え、前記端末機が前記質問機からの電波信号を受信して応答動作する無線通信システムにおいて、
前記端末機は、
前記質問機から受信した電波信号より電力を生成して、この電力を該端末機の駆動用に供給する電源手段と、
外部からの光を受光する受光手段と、
前記受光手段の受光出力に基づいて外部からの光の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により外部からの光が有ると判定されると、前記質問機に対する応答動作を開始する通信制御手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記受光手段の受光出力レベルが規定値以上であるか否かに基づいて、前記外部からの光の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記受光手段の受光出力によって示される前記外部からの光のパターンが規定パターンであるか否かに基づいて、この外部からの光の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記電源手段は、前記質問機から受信した電波信号より電力を生成すると共に、前記受光手段の受光出力より電力を生成し、これらの電力を前記端末機の駆動用に供給することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記質問機側に設けられ、前記受光手段で受光される外部からの光を出射する発光手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記発光手段から出射される光は、可視光であることを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記受光手段の受光部位には、前記外部からの光の受光範囲を規制するための規制部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項8】
相互に無線通信を行う質問機及び端末機を備え、前記端末機が前記質問機からの電波信号を受信して応答動作する無線通信システムにおいて、
前記質問機は、広指向性の電波信号及び狭指向性の電波信号を送信し、
前記端末機は、
前記質問機から受信した広指向性の電波信号より電力を生成して、この電力を該端末機の駆動用に供給する電源手段と、
前記質問機からの狭指向性の電波信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された狭指向性の電波信号に基づいて該狭指向性の電波信号の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により狭指向性の電波信号が有ると判定されると、前記質問機に対する応答動作を開始する通信制御手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−118074(P2009−118074A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287533(P2007−287533)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】