説明

無線通信システム

【課題】通信に使用可能な通信スロットを有効に活用して、拡声放送に係る通信及び非拡声放送に係る通信を効果的に行える無線通信システムを提供する。
【解決手段】 拡声用の音声を符号化して送信する親局装置と、当該符号化された音声を受信し、復号して拡声出力する子局装置と、を有する無線通信システムにおいて、親局装置は、拡声放送に係る音声信号の符号化に使用可能な複数の音声コーデック(3スロット使用拡声用コーデック部25、2スロット使用拡声用コーデック部26)を有しており、選択部23により、拡声放送の緊急度及び既に使用中の通信スロット数に応じて、当該拡声放送に係る音声信号の符号化に使用する音声コーデックを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡声用の音声を符号化して送信する親局装置と、当該符号化された音声を受信し、復号して拡声出力する子局装置と、を有する無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、災害発生等の緊急時に住民への連絡を有効的に実現するために、市町村向けの防災無線システムを整備することが検討されている。
防災無線システムは、例えば、拡声用に入力された音声を無線により送信する親局設備(親局装置)と、当該音声を無線により受信して屋外スピーカから拡声出力(拡声放送)する屋外子局(子局装置)と、を用いて構築される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−20666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防災無線システムの屋外子局は、災害発生等の緊急時に住民への連絡手段を確保すること等を目的とした無線設備であり、一例として、次のような機能が搭載される。すなわち、屋外子局は、親局設備から送信(例えば、同報送信)された拡声用の音声を受信して拡声放送する機能、屋外子局の操作者により入力された拡声用の音声を当該屋外子局単体で拡声放送する機能、親局設備との間で通話(例えば、複信通話)する機能などを有する。
屋外子局には幾つかの種類があり、例えば、拡声放送に係る機能(及び通話に係る機能)を有し且つ固定的に設けられた屋外拡声子局、通話に係る機能を有し且つ車輌等の移動体に設けられた防災無線移動局などが挙げられる。
親局設備から屋外子局へ送信される音声の情報は、親局設備側にて変調(符号化)された後に屋外子局へ伝送され、屋外子局側にて復調(復号化)される。
【0005】
ここで、従来の防災無線システムでは、親局設備から拡声用の音声を送信して屋外拡声子局で拡声放送させるにあたり、屋外スピーカから拡声放送する際の音割れ等を防ぐため、音声の品質を確保する目的で、通信に使用可能な通信スロット(例えば、3個の通信スロット)を全て使用して拡声用の音声を送信していた。しかしながら、これらの通信スロットは、屋外拡声子局に対する拡声放送に係る通信のみならず、防災無線移動局等の他の屋外子局に対する非拡声放送(例えば、通話)に係る通信でも使用されるため、拡声放送の緊急性の如何を問わずに3スロットを拡声放送に係る通信で占有すると、非拡声放送に係る通信が阻害されてしまうという問題があった。
【0006】
以下に、音声の通信に使用するスロット数と音声品質との関係を例示する。
(1)1スロット使用の場合
音声品質に問題があり、拡声放送に適さないが、通話には支障がない。
(2)2スロット使用の場合
音声品質にやや問題があり、拡声放送において音声が瞬間的に途切れる場合がある。
(3)3スロット使用の場合
音声品質に問題がなく、音声の拡声放送だけでなく、本来的には拡声放送に不適なミュージックタイム等の拡声放送にも適用できる。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて為されたものであり、通信に使用可能な通信スロットを有効に活用して、拡声放送などの音声を周囲に出力する放送に係る通信や非拡声放送に係る通信を効果的に行える無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、音声を符号化して送信する親局装置と、当該符号化された音声を受信し、復号して音声出力する子局装置と、を有する無線通信システムにおいて、次のような構成とした。
すなわち、親局装置に、符号化された音声の送信に使用するスロット数が異なる複数の符号化方式を有し、いずれかの符号化方式を用いて音声を符号化する符号化手段と、符号化手段による音声の符号化に用いる符号化方式を、当該音声の緊急度及び他の通信に使用中のスロット数に応じて選択する選択手段と、を備えた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信に使用可能な通信スロットを有効に活用して、拡声放送などの音声を周囲に出力する放送に係る通信や非拡声放送に係る通信を効果的に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施例に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】音声コーデックと音声品質等との関係の一例を示す図である。
【図3】音声コーデックの切り替えに関する動作フローの一例を示す図である。
【図4】拡声放送の緊急度と他の通信に使用中の通信スロットの数とに応じた音声コーデック等の切り替えパターンの一例を示す図である。
【図5】拡声放送を実行する際の動作フローの一例を示す図である。
【図6】防災無線システムの基本的な構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【図8】放送内容の緊急度と他の通信に使用中の通信スロットの数とに応じた音声コーデック等の切り替えパターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の具体的な説明に先立って、本発明を適用可能な防災無線システムの基本的な構成について、図6を参照して説明する。
図6に例示する防災無線システムは、主に、親局設備と、子局(本例では、屋外拡声子局)とを用いて構成されている。
【0012】
防災無線システムの構成要素としては、拡声放送及び非拡声放送(例えば、通話)に係る操作等を操作者から受け付ける操作部を有する統制台81、システムの無線回線を統括して制御する回線制御装置82、親局設備と屋外子局との間で送受信する音声信号の変復調(符号化及び復号化)を行う音声コーデック部83,85、親局設備と屋外子局との間における通信(音声信号の送受信など)に用いられる送受信増幅器84,86、屋外子局にて復調(復号化)された拡声用の音声信号を増幅する拡声用増幅器88、増幅された拡声用の音声信号に基づく拡声放送を行う屋外スピーカ90、親局設備との間における非拡声放送に係る通信(通話等の音声通信やデータ通信など)を提供する音声通信用端末89、屋外子局へ伝達される音声信号の種類を識別して出力先を拡声用増幅器88(屋外スピーカ90)又は音声通信用端末89に切り替える出力先切替部87、などが挙げられる。
本例の防災無線システムでは、これらの構成要素のうち、親局設備側に、統制台81、回線制御装置82、音声コーデック部83、送受信増幅器84を設けてあり、屋外子局側に、送受信増幅器85、音声コーデック部86、出力先切替部87、拡声用増幅器88、音声通信用端末89、屋外スピーカ90を設けてある。
【0013】
本例の防災無線システムは、例えば、次のような動作を行う。
親局設備において、統制台81の操作等により拡声用の音声信号が入力されると、当該音声信号は、回線制御装置82を介して音声コーデック部83に入力され、音声コーデック部83により符号化され、送受信増幅器84を介して屋外子局へ送信される。屋外子局では、親局設備から拡声放送用の音声信号を受信すると、当該音声信号は、送受信増幅器85を介して音声コーデック部86に入力され、音声コーデック部86により復号化される。出力先切替部87は、拡声用の音声信号について、その出力先を拡声用増幅器88に設定する。すなわち、復号化された拡声放送用の音声信号は、拡声用増幅器88に入力され、拡声用増幅器88により増幅されて屋外スピーカ90から拡声出力される。
【0014】
親局設備において、統制台81の操作等により非拡声用の音声信号が入力されると、当該音声信号は、回線制御装置82を介して音声コーデック部83に入力され、音声コーデック部83により符号化され、送受信増幅器84を介して屋外子局へ送信される。屋外子局では、親局設備から非拡声用の音声信号を受信すると、当該音声信号は、送受信増幅器85を介して音声コーデック部86に入力され、音声コーデック部86により復号化される。出力先切替部87は、非拡声用の音声信号について、その出力先を音声通信用端末89に設定する。すなわち、復号化された非拡声用の音声信号は、音声通信用端末89に入力され、音声通信用端末89に設けられたスピーカ等から出力(非拡声出力)される。
また、屋外子局において、音声通信用端末89の操作等により非拡声用の音声信号が入力されると、上述した説明とは逆の経路を辿って統制台81に入力され、統制台81に設けられたスピーカ等から出力される。
【実施例1】
【0015】
本発明の第1実施例に係る無線通信システムについて説明する。
図1には、第1実施例に係る無線通信システムの構成例を示してある。
本例の無線通信システムは、図6に例示した防災無線システムと同様に、主に、親局設備と、屋外子局(本例では、屋外拡声子局)とを用いて構成されている。
【0016】
本例の親局設備は、統制台11と、拡声統制台12と、回線制御装置13と、無線送受信装置14と、を備えている。
統制台11は、非拡声放送(例えば、通話)に係る操作等を操作者から受け付ける操作部を有する。拡声統制台12は、拡声放送に係る操作等を操作者から受け付ける操作部を有する。統制台11及び拡声統制台12は、図6の例における統制台81に相当するものであり、非拡声放送用と拡声放送用とで用途を分けて別体の装置に構成しているが、図6の例のように一体の装置に構成してもよい。
【0017】
回線制御装置13は、制御部21及びDSP(Digital Signal Processor)部22を有し、システムの無線回線を統括して制御する。制御部21は、統制台11及び拡声統制台12とDSP部22との間における通信の制御などを行う。DSP部22は、音声信号の変復調(符号化及び復号化)を行う複数の音声コーデック部(通話用コーデック部24、3スロット使用拡声用コーデック部25、2スロット使用拡声用コーデック部26)と、音声信号の変復調に使用する音声コーデック部を選択するコーデック選択部23と、を有する。なお、本例のように、回線制御装置13内に各音声コーデック部24〜26を設ける構成ではなく、図6の例のように回線制御装置13と各音声コーデック部24〜26とを分離した構成としてもよい。
無線送受信装置14は、送受信増幅器31を用いて屋外子局との間における通信(音声信号の送受信など)を行う。
【0018】
本例の屋外子局は、無線送受信装置41と、制御装置42と、出力先切替部43と、拡声用増幅器44、音声通信用端末45と、屋外スピーカ46と、を備えている。
無線送受信装置41は、送受信増幅器51を用いて親局設備との間における通信(音声信号の送受信など)を行う。
制御装置42は、DSP部61を有し、屋外子局の動作を統括して制御する。DSP部61は、音声信号の変復調(符号化及び復号化)を行う複数の音声コーデック部(通話用コーデック部63、3スロット使用拡声用コーデック部64、2スロット使用拡声用コーデック部65)と、音声信号の変復調に使用する音声コーデック部を選択するコーデック選択部62と、を有する。
出力先切替部43は、親局設備から受信して復号した音声信号の出力先を拡声用増幅器44又は音声通信用端末45に切り替える。
拡声用増幅器44は、親局設備から受信して復号化された拡声用の音声信号を増幅し、当該拡声用増幅器44に接続された屋外スピーカ46(本例では、トランペットスピーカ)により拡声出力する。
音声通信用端末45は、親局設備との間における非拡声放送に係る通信(通話等の音声通信やデータ通信など)を提供する。
【0019】
本例では、音声信号の変復調に使用する音声コーデックの選択(切り替え)に用いるコーデック選択部23,62についてはDSP部22,61にてソフトウェアにより実現しており、音声信号の出力先を切り替える出力先切替部43については物理的な機構(物理スイッチ)により実現している。
【0020】
ここで、上述した屋外子局の説明は、拡声放送に係る機能及び非拡声放送に係る機能を併有する屋外拡声子局に関するものであり、拡声放送に係る機能又は非拡声放送に係る機能の一方を有する屋外子局では、他方の機能に関する構成部を省略することができる。すなわち、例えば、通話(非拡声放送の一例)に係る機能を有し且つ車輌等の移動体に設けられる防災無線移動局(拡声放送に係る機能を有さない屋外子局)では、拡声放送に係る機能に関する構成部(拡声用コーデック部64,65、拡声用増幅器44、屋外スピーカ46など)を省略することができる。なお、本構成例は一例に過ぎず、他の構成による屋外子局を除外する意図は無く、例えば、拡声放送に係る機能を防災無線移動局に付加しても構わない。
【0021】
図2には、本例の無線通信システムで用いる音声コーデックと音声品質等との関係の一例を示してある。
3スロット使用拡声用コーデック部25,64で用いられる音声コーデック1は、ビットレートが高く、拡声放送でも問題のない音声品質であり、符号化結果の音声信号の送信に3スロットが使用される。
2スロット使用拡声用コーデック部26,65で用いられる音声コーデック2は、ビットレートが中程度であり、3スロット使用に比べて音声品質は低下するものの拡声しても問題なく聞き取れるレベルであり、符号化結果の音声信号の送信に2スロットが使用される。
通話用コーデック部24,63で用いられる音声コーデック3は、ビットレートが低く、音声通話は問題ないが拡声放送には適さない音声品質であり、符号化結果の音声信号の送信に1スロットが使用される。
【0022】
本例では、拡声放送用の音声信号に適用される音声コーデック1,2として、異なる符号化方式の音声コーデックを用いている。なお、例えば、音声コーデック1,2として同じ符号化方式の音声コーデックを用い、符号化後のデータの処理方法(抽出方法)を変更することにより、符号化結果の音声信号の送信に3スロットを使用するデータを生成するか、或いは、2スロットを使用するデータを生成するかを変更するようにしてもよい。
なお、音声信号の符号化に使用する音声コーデックの切り替えは、例えば、親局設備及び屋外子局に実装されたDSP部22,61における音声信号の符号化の手法及び誤り訂正時のビットレート値などをソフトウェアで変更することで実現できる。
【0023】
本例の無線通信システムは、屋外拡声子局に対する同報系の拡声放送に係る通信だけでなく、防災無線移動局を含む屋外子局に対する一斉通信などの非拡声放送に係る通信も行うため、これらの通信が重複する状況が発生した場合、一例として、次のようにして使用する音声コーデック等の切り替えを行う。
すなわち、親局設備において、統制台11又は拡声統制台12により、屋外子局へ送信する信号について、当該信号の種別(音声又はデータ)を示す種別情報や、当該信号の出力先(拡声用増幅器44や音声通信用端末45など)を識別する番号情報などを付加情報として付与しておき、回線制御装置13や送受信増幅器51等に設けられた検波回路により、信号の出力先が拡声用増幅器44か音声通信用端末45かを判定し、どの音声コーデックを使用するかをコーデック選択部23,62により選択することで、適切な音声品質のコーデック処理(符号化及び復号化)を行えるようにする。
なお、統制台11又は拡声統制台12において付加情報を付与する構成に代えて、例えば、制御部21が、信号の供給元が統制台11か拡声統制台12かに応じて当該信号の出力先を特定し、当該特定した出力先を示す情報を生成して付加情報として付与するようにしてもよい。
【0024】
図3には、拡声放送の一例である一般放送の拡声通報中に、緊急度の高い一斉通信(非拡声放送)が実施される場合の動作フローを例示してある。
親局設備において、他の通信が無い状態で、拡声統制台12により一般放送に係る音声信号が入力されると(ステップS11)、回線制御装置13の検波回路により当該音声信号が拡声放送用であることが認識され(ステップS12)、コーデック選択部23により音声コーデック1が選択されて3スロット使用拡声用コーデック部25により符号化され(ステップS13)、無線送受信装置14により屋外子局に向けて送信される(ステップS14)。
親局設備から送信された音声信号は、屋外子局において、無線送受信装置41により受信されて送受信増幅器51の検波回路により当該音声信号が拡声放送用であることが認識され(ステップS15)、コーデック選択部62により音声コーデック1が選択されて3スロット使用拡声用コーデック部64により復号化され(ステップS16)、復号化された音声信号の出力先が出力先切替部43により拡声用増幅器44に切り替えられ(ステップS17)、拡声用増幅器44により増幅されて屋外スピーカ46により拡声出力される(ステップS18)。
【0025】
その後、一般放送に係る通信が行われている状態で、親局設備において、統制台12により緊急度の高い一斉通信用の音声信号が入力されると(ステップS21)、回線制御装置13の検波回路により当該音声信号が一斉通信用(非拡声放送用)であることが認識され(ステップS22)、コーデック選択部23により音声コーデック3が選択されて通話用コーデック部24により符号化され(ステップS23)、無線送受信装置14により屋外子局に向けて送信される(ステップS24)。
親局設備から送信された音声信号は、屋外子局において、無線送受信装置41により受信されて送受信増幅器51の検波回路により当該音声信号が一斉通信用であることが認識され(ステップS25)、コーデック選択部62により音声コーデック3が選択されて通話用コーデック部63により復号化され(ステップS26)、復号化された音声信号の出力先が出力先切替部43により音声通信用端末45に切り替えられ(ステップS27)、音声通信用端末45により音声出力される(ステップS28)。
【0026】
以上のように、本例では、先行して実施していた拡声放送に係る通信を強制的に遮断し、後発的に生じた緊急度の高い非拡声放送を優先的に実行する。すなわち、先行して実施していた通信と後発的に生じた通信とのそれぞれの緊急度(優先度)を比較し、緊急度の高い通信を特定してその通信に応じた音声コーデックへの切り替えを行い、緊急度の高い通信を優先的に実行するようにしている。
【0027】
なお、本例では、統制台11又は拡声統制台12の操作者が、実施予定の通信についてその緊急度を設定する操作を行うことで、当該設定された緊急度を示す緊急度情報を通信対象の信号に付与する構成としているが、他の構成により緊急度情報を付与するようにしてもよく、例えば、操作者を識別する機能を統制台11及び拡声統制台12に設け、操作者が所定の人物であると識別された場合に、高い緊急度を設定した緊急度情報を通信対象の信号に付与する構成としてもよい。
【0028】
図4には、拡声放送の緊急度(優先度)と非拡声放送に係る他の通信に使用中の通信スロットの数とに応じた音声コーデック等の切り替えパターンの一例を示してある。本例では、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を用い、通話チャネルが1チャネルで4スロット中の3スロットを通信スロットとして使用可能となっている。また、緊急度には「高い」又は「低い」の2種類がある。
【0029】
まず、拡声放送の緊急度が高い場合について説明する。
図4の例では、拡声放送の緊急度が高い場合について、パターン1とパターン2の2つを用意してある。
パターン1では、既に使用中の通信スロットの有無に関わらず、3スロット使用に対応した音声コーデック1(3スロット使用拡声用コーデック部25,64)を選択する。なお、先行して実施されている他の通信は強制的に切断し、3個の通信スロットを確保して拡声放送に係る通信を実行する。
【0030】
パターン2では、使用中の通信スロット数が0スロットの場合(3スロットの空きがある場合)は、3スロット使用に対応した音声コーデック1(3スロット使用拡声用コーデック部25,64)を選択し、使用中の通信スロット数が1スロット以上の場合(3スロットの空きがない場合)には、2スロット使用に対応した音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26,65)を選択する。ここで、使用中の通信スロット数が2スロット以上の場合(すなわち、他の通信に影響を与えずに2個の通信スロットを拡声放送用に確保できない場合)において、他の通信の中に緊急度が低いものが存在する場合には、その通信を強制的に切断し、2個の通信スロットを確保して拡声放送に係る通信を実行し、一方、他の通信の中に緊急度が低いものが存在しない場合には、2個の通信スロットを確保できるまで(いずれかの通信が終了するまで)拡声放送に係る通信を待機する。
【0031】
なお、パターン2の変形例として、使用中の通信スロット数が1スロットの場合において、その通信スロットを用いた他の通信の緊急度が高い場合には、2スロット使用に対応した音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26,65)を選択し、当該他の通信の緊急度が低い場合には、パターン1と同様に、3スロット使用に対応した音声コーデック1(3スロット使用拡声用コーデック部25,64)を選択し、当該他の通信は強制的に切断し、3個の通信スロットを確保して拡声放送に係る通信を実行するようにしてもよい。
【0032】
次に、拡声放送の緊急度が低い場合について説明する。
使用中の通信スロット数が0スロットの場合(3スロットの空きがある場合)には、3スロット使用に対応した音声コーデック1(3スロット使用拡声用コーデック部25,64)を選択し、使用中の通信スロット数が1スロットの場合(3スロットの空きがないものの、2スロットの空きがある場合)には、2スロット使用に対応した音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26,65)を選択し、使用中の通信スロット数が2スロット以上の場合(2スロットの空きがない場合)には、2個又は3個の通信スロットを確保できるまで(1以上の通信が終了するまで)拡声放送に係る通信を待機する。
【0033】
なお、図4を参照して説明した切り替えパターンは一例に過ぎず、本システムの導入先となる自治体の事情などに即した態様の切り替えパターンを用いればよい。
ここで、拡声用の音声信号の変復調に用いる音声コーデックとして、2スロット使用に対応した音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26,65)を選択した場合、すなわち、拡声放送に係る通信と他の通信(非拡声放送に係る通信)とを並立させる場合には、音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26,65)を用いた拡声用の音声信号の変復調だけでなく、これと並行して、音声コーデック3(通話用コーデック部24,63)を用いた非拡声用の音声信号の変復調が行われる。
【0034】
本例の無線通信システムでは、図4に例示したような切り替えパターンに基づき、図5に例示する動作フローに従って音声コーデック等の切り替えを行う。
親局設備では、拡声統制台12により拡声用の音声信号が入力されると、コーデック選択部23は、その拡声放送の緊急度の判別(ステップS31)、及び、非拡声放送に係る他の通信に使用中の通信スロット数の検出(ステップS32)を行い、これらの処理により得られた当該拡声放送の緊急度及び使用中の通信スロット数に基づいて、当該拡声放送に係る通信において使用する通信スロット数を決定し(ステップS33)、当該決定した通信スロット数に対応した音声コーデックを選択する(ステップS34)。
すなわち、拡声放送に係る通信に3スロットを使用する場合には、3スロット使用に対応した音声コーデック1(3スロット使用拡声用コーデック部25)が選択され、拡声放送に係る通信に2スロットを使用する場合には、2スロット使用に対応した音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26)が選択される。
【0035】
その後、親局設備は、拡声放送に必要な数の通信スロットを確保(他の通信を強制切断し、或いは他の通信の終了まで待機して確保)し、選択された音声コーデックを用いた符号化を拡声用の音声信号に施して、符号化後の拡声用の音声信号を屋外子局へ送信する。親局設備から拡声用の音声信号を受信した屋外子局は、当該音声信号の符号化に用いられた音声コーデックを特定し、当該特定した音声コーデックを用いて音声信号の復号化を行い、拡声用増幅器44により増幅して屋外スピーカ46から拡声出力する(ステップS35)。
【0036】
以上のように、本例では、拡声放送に係る音声信号の変復調(符号化及び復号化)に用いる音声コーデックを、拡声放送の緊急度及び既に使用中の通信スロット数に応じて選択しており、これにより、通信に使用可能な通信スロットを有効に活用して、拡声放送に係る通信や非拡声放送に係る通信を効果的に行えるようにしている。
【0037】
なお、以下のように、拡声放送に係る音声信号の変復調に用いる音声コーデックを、当該拡声放送の緊急度又は既に使用中の通信スロット数の一方に応じて選択するようにしてもよい。
すなわち、例えば、拡声放送の緊急度が高い場合には、音声コーデック1(3スロット使用拡声用コーデック部25,64)を選択し、他の通信が実施中であれば、当該他の通信の緊急度に関わらずに、当該他の通信を強制的に遮断する。一方、拡声放送の緊急度が低い場合には、音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26,65)を選択し、他の通信で2スロット以上が使用されていれば、1以上の通信が終了して2スロット以上を確保できるまで拡声放送に係る通信を待機する。
【0038】
また、例えば、拡声放送の緊急度に関わらずに、使用中の通信スロット数が0スロットの場合には、音声コーデック1(3スロット使用拡声用コーデック部25,64)を選択し、使用中の通信スロット数が1スロットの場合には、音声コーデック2(2スロット使用拡声用コーデック部26,65)を選択し、使用中の通信スロット数が2スロット以上の場合には、1以上の通信が終了して2スロット以上を確保できるまで拡声放送に係る通信を待機する。
【実施例2】
【0039】
本発明の第2実施例に係る無線通信システムについて説明する。
図7には、第2実施例に係る無線通信システムの構成例を示してある。
本例の無線通信システムは、図6に例示した防災無線システムと同様に、親局設備と、屋外子局の一例である屋外拡声子局とを用いて構成されており、更に、移動系端末120と戸別受信機130とを備えている。
移動系端末120は、防災業務に従事する者が携行する端末であり、同報および個別複信通話等が可能である。
戸別受信機130は、各世帯に設置される屋内型の受信機であり、親局設備からの同報通信を受信して音声放送が可能である。つまり、戸別受信機130は、親局から受信した音声を周囲に出力する放送を行うものである。
【0040】
本例の親局設備は、統制台101、回線制御装置102、コーデック切替部103、第1音声コーデック部104、第2音声コーデック部105、送受信増幅器106を備えている。
本例の屋外子局は、送受信増幅器111、第1音声コーデック部112、第2音声コーデック部113、コーデック切替部114、出力先切替部115、拡声用増幅器116、音声通信用端末117、屋外スピーカ118を備えている。
なお、統制台101、回線制御装置102、送受信増幅器106,111、出力先切替部115、拡声用増幅器116、音声通信用端末117、屋外スピーカ118は、図6における統制台81、回線制御装置82、送受信増幅器84,86、出力先切替部87、拡声用増幅器88、音声通信用端末89、屋外スピーカ90と同様な機能部であるため、その説明を割愛する。
【0041】
第1音声コーデック部104,112は、第1音声コーデックを用いて音声信号の変復調(符号化及び復号化)を行う。第1音声コーデックは、主に同報系通信に使用される高品質の音声コーデックであり、ビットレートが高い。拡声放送での品質にも問題なく、音声及びミュージックチャイム等が放送可能である。但し、音声品質を上げるためには多スロット通信となり、ハイトラフィックとなる。また、規定のスロット数(本例では、3スロット)を使用せず、2スロットを使用して放送を行う場合には、音声品質にやや難があり、音声が瞬間的に途切れる場合がある。
【0042】
第2音声コーデック部105,113は、第2音声コーデックを用いて音声信号の変復調(符号化及び復号化)を行う。第2音声コーデックは、主に移動系防災無線に使用される音声コーデックであり、ビットレートが低い。サイレンやミュージックチャイムを再生すると音割れ等を生じ、屋外拡声放送で使用するには品質に問題がある。但し、拡声放送でない音声通信ならば1スロットの使用で通信可能であるため、通信回線の有効利用ができる。移動局端末120は、この第2音声コーデックに対応している。
【0043】
コーデック切替部103,114は、音声信号の変復調に使用する音声コーデック(第1音声コーデック又は第2音声コーデック)を選択的に切り替える。すなわち、コーデック切替部103により、第1音声コーデック部104と第2音声コーデック部105との接続の切り替えを行い、コーデック切替部114により、第1音声コーデック部112と第2音声コーデック部113との接続の切り替えを行う。
【0044】
なお、本例の親局設備は、DSP部を実装しており、当該DSP部により、第1音声コーデック部104、第2音声コーデック部105、コーデック切替部103を実現している。また、本例の屋外子局は、DSP部を実装しており、当該DSP部により、第1音声コーデック部112、第2音声コーデック部113、コーデック切替部114を実現している。
【0045】
本例では、屋外拡声放送に係る通信(屋外子局に対する音声信号の送信)は、基本的に、第1音声コーデック(ビットレート高)のみを使用し、放送内容の緊急度に応じて、通信に使用するスロット数の変更を行うことで、通信回線を有効に利用する。
また、戸別受信機通報に係る通信(戸別受信機130に対する音声信号の送信)は、屋外拡声放送ほどの音声品質は必要としていないため、放送内容の緊急度に応じて、第1音声コーデック(ビットレート高)と第2音声コーデック(ビットレート低)の切り替え、及び、通信に使用するスロット数の変更を行うことで、通信回線を有効に利用する。
なお、本システムは、屋外拡声放送や戸別受信機通報といった同報系の拡声放送だけではなく、移動系端末120への一斉通報等も行うため、これらが重複した場合には、必要度に応じて、音声信号の変復調に使用する音声コーデック及び屋外子局での音声出力先を切り替える必要がある。なお、本例では、移動系端末120への一斉通報は、第2音声コーデック(ビットレート低)のみを使用する。
【0046】
図8には、放送内容の緊急度(優先度)と他の通信に使用中の通信スロットの数とに応じた音声コーデック等の切り替えパターンの一例を示してある。
まず、拡声放送を実施する場合について説明する。
拡声放送に係る音声信号の変復調には、第1音声コーデック(ビットレート高)を使用する。
【0047】
ここで、拡声放送の緊急度が高い場合(放送内容が災害情報等の場合)は、既に使用中の通信スロットの有無に関わらず、3スロットを使用して拡声放送に係る通信を実行する。なお、先行して実施されている他の通信が存在する場合は、その通信を強制的に切断して3スロットを確保した後に拡声放送に係る通信を実行する。
【0048】
また、拡声放送の緊急度が低い場合(放送内容が定時放送等の場合)は、先行する他の通信に使用中の通信スロット数に応じて、以下のように、拡声放送に係る通信に用いる通信スロット数を切り替える。
すなわち、使用中の通信スロット数が0スロットの場合(3スロットの空きがある場合)は、3スロットを使用して拡声放送に係る通信を実行する。使用中の通信スロット数が1スロットの場合(3スロットの空きがないものの、2スロットの空きがある場合)は、2スロットを使用して拡声放送に係る通信を実行する。使用中の通信スロット数が2スロットの場合(2スロットの空きがない場合)は、切断可能な通信(優先度の低い通信)が存在していれば、その通信を強制的に切断して2スロットを確保した後に拡声放送に係る通信を実行し、一方、切断可能な通信が存在しなければ、2スロットが確保できるまで拡声放送に係る通信の実行を待機する。
【0049】
ここで、拡声放送に係る通信に関し、3スロットを使用して通信を実行する場合の音声品質は、拡声放送に問題がなく、チャイム等も放送可能な品質であり、2スロットを使用して通信を実行する場合の音声品質は、拡声放送で音声が瞬間的に途切れることがあるが、必要な情報伝達は可能なレベルの品質である。
【0050】
次に、戸別受信機通報を実施する場合について説明する。
戸別受信機通報に係る音声信号の変復調には、戸別受信機通報の緊急度が高い場合(放送内容が災害情報等の場合)は、第1音声コーデック(ビットレート高)を使用し、戸別受信機通報の緊急度が低い場合(放送内容が定時放送等の場合)は、2スロット以上を確保できる状況であれば第1音声コーデック(ビットレート高)を使用し、2スロット以上を確保できない状況であれば第2音声コーデック(ビットレート低)を使用する。
【0051】
ここで、戸別受信機通報の緊急度が高い場合は、既に使用中の通信スロットの有無に関わらず、3スロットを使用して戸別受信機通報に係る通信を実行する。なお、先行して実施されている他の通信が存在する場合は、その通信を強制的に切断して3スロットを確保した後に戸別受信機通報に係る通信を実行する。
【0052】
また、戸別受信機通報の緊急度が低く、且つ、第1音声コーデック(ビットレート高)を使用する場合は、先行する他の通信に使用中の通信スロット数に応じて、以下のように、戸別受信機通報に係る通信に用いる通信スロット数を切り替える。
すなわち、使用中の通信スロット数が0スロットの場合(3スロットの空きがある場合)は、3スロットを使用して戸別受信機通報に係る通信を実行する。使用中の通信スロット数が1スロットの場合(3スロットの空きがないものの、2スロットの空きがある場合)は、2スロットを使用して拡声放送に係る通信を実行する。使用中の通信スロット数が2スロットの場合(2スロットの空きがない場合)は、切断可能な通信(優先度の低い通信)が存在していれば、その通信を強制的に切断して2スロットを確保した後に戸別受信機通報に係る通信を実行し、一方、切断可能な通信が存在しなければ、2スロットが確保できるまで戸別受信機通報に係る通信の実行を待機する。
【0053】
また、戸別受信機通報の緊急度が低く、且つ、第2音声コーデック(ビットレート低)を使用する場合は、先行する他の通信に使用中の通信スロット数に応じて、以下のように、戸別受信機通報に係る通信に用いる通信スロット数を切り替える。
すなわち、使用中の通信スロット数が2スロット以下の場合(1スロット以上の空きがある場合)は、1スロットを使用して戸別受信機通報に係る通信を実行する。使用中の通信スロット数が3スロットの場合(1スロットの空きがない場合)は、切断可能な通信(優先度の低い通信)が存在していれば、その通信を強制的に切断して1スロットを確保した後に戸別受信機通報に係る通信を実行し、一方、切断可能な通信が存在しなければ、1スロットが確保できるまで戸別受信機通報に係る通信の実行を待機する。
【0054】
以上のように、本例では、緊急度が高い戸別受信機通報の場合、或いは、緊急度が低い戸別受信機通報であって2スロット以上を確保できる場合には、第1音声コーデック(ビットレート高)を使用し、緊急度が低い戸別受信機通報であって2スロット以上を確保できない場合には、第2音声コーデック(ビットレート低)を使用しており、戸別受信機通報の緊急度(及び他の通信状況)に応じた音声コーデックを選択し、当該選択した音声コーデックにより音声信号の変復調を行うようにしている。
【0055】
ここで、戸別受信機通報に係る通信に関し、3スロットを使用して通信を実行する場合の音声品質は、戸別受信機通報に問題がなく、チャイム等も放送可能な品質であり、2スロットを使用して通信を実行する場合の音声品質は、戸別受信機通報で音声が瞬間的に途切れることがあるが、必要な情報伝達は可能なレベルの品質であり、1スロットを使用して通信を実行する場合の音声品質は、戸別受信機通報に少し難があり、サイレン、ミュージック等の再生に適さない品質である。
【0056】
以上のような音声コーデック等の切り替え制御について説明する。
本例では、親局設備において、屋外子局へ送信する信号について、当該信号の種別(音声又はデータ)を示す種別情報や、当該信号の出力先(拡声用増幅器116や音声通信用端末117など)を識別する番号情報などを付加情報として付与しておき、回線制御装置102や送受信増幅器111等に設けられた検波回路により、信号の出力先が拡声用増幅器116か音声通信用端末117かを判定し、使用する音声コーデックをコーデック切替部103,114により選択的に切り替えることで、適切な音声品質のコーデック処理(符号化及び復号化)を行えるようにする。
なお、音声信号の符号化に使用する音声コーデックの切り替えは、例えば、親局設備及び屋外子局に実装されたDSP部における音声信号の符号化の手法及び誤り訂正時のビットレート値などをソフトウェアで変更することで実現できる。
【0057】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【符号の説明】
【0058】
11:統制台、 12:拡声統制台、 13:回線制御装置、 14:無線送受信装置、 21:制御部、 22:DSP部、 23:コーデック選択部、 24:通話用コーデック部、 25:3スロット使用拡声用コーデック部、 26:2スロット使用拡声用コーデック部、 31:送受信増幅器
41:無線送受信装置、 42:制御装置、 43出力先切替部:、 44:拡声用増幅器、 45:音声通信用端末、 46:屋外スピーカ、 51:送受信増幅器、 61:DSP部、 62:コーデック選択部、 63:通話用コーデック部、 64:3スロット使用拡声用コーデック部、 65:2スロット使用拡声用コーデック部
81:統制台、 82:回線制御装置、 83:音声コーデック部、 84:送受信増幅器、 85:送受信増幅器、 86:音声コーデック部、 87:出力先切替部、 88:拡声用増幅器、 89:音声通信用端末、 90:屋外スピーカ
101:統制台、 102:回線制御装置、 103:コーデック切替部、 104:第1音声コーデック部、 105:第2音声コーデック部、 106:送受信増幅器、 111:送受信増幅器、 112:第1音声コーデック部、 113:第2音声コーデック部、 114:コーデック切替部、 115:出力先切替部、 116:拡声用増幅器、 117:音声通信用端末、 118:屋外スピーカ、 120:移動系端末、 130:戸別受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を符号化して送信する親局装置と、当該符号化された音声を受信し、復号して音声出力する子局装置と、を有する無線通信システムにおいて、
前記親局装置は、
符号化された音声の送信に使用するスロット数が異なる複数の符号化方式を有し、いずれかの符号化方式を用いて音声を符号化する符号化手段と、
前記符号化手段による音声の符号化に用いる符号化方式を、当該音声の緊急度及び他の通信に使用中のスロット数に応じて選択する選択手段と、を備えた、
ことを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−239069(P2012−239069A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107250(P2011−107250)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】